『大衆酒場ワカオ ワカコ酒別店』の“若尾のポテトサラダ”を再現!
- Tue
- 21:43
- 再現料理
昨年は何の前触れもなく12月更新をお休みしてしまい、申し訳ございませんでした。
正直、過疎りすぎて場末のスナックどころか「…ここ、本当にまだ閉店してない?」と近所で噂になっていそうな曰く付きの個人店みたいな状態になっている為、来られる方もほぼ0になったかと思っていたのですが、拍手やコメントをして下さる方がいらっしゃった為驚くと同時に感謝いたしました。
2023年も、細々と着実に続けていきたいと思います。
どうも、新年早々に喘息を発症していたことが判明し、「辛い料理を控えるべきって言われたけど、四川麻婆豆腐やスリランカカレーを食べられなくなるのは嫌だな…」とあくまで食べる事ばかり考えている当ブログの管理人・あんこです。
本日再現する漫画料理は、『大衆酒場ワカオ ワカコ酒別店』にて主人公・ワカオさんが父から受け継いで作り続けている“若尾のポテトサラダ”です!

『大衆酒場ワカオ ワカコ酒別店』とは、新久千映先生の代表作・『ワカコ酒』のスピンオフ作品で、猫原ねんず先生によって連載されていた、居酒屋という限られた舞台で繰り広げられる日常グルメ漫画です。
先代の父から引き継いでもう20年になる、どの駅からも徒歩15分の立地にある猫の額ほどの大衆酒場「若尾」の店主・ワカオさん(50)が主人公で、スポーツ刈りとちょっぴり強面な顔立ちがトレードマーク。
寡黙なので分かりにくいですが、手間暇かけて料理を作る情熱と、お客さんへのサービス精神はかなりの物で、「おいしい」の一言が客席から聞こえるたらそれだけで「こんなことで明日も頑張ろうという気になってしまう」と思う、料理人の鑑のような男性です。
『ワカコ酒』はお客さん目線の漫画で「食べる行為のこだわり」を貫く攻めの姿勢で描かれていますが、『大衆酒場ワカオ ワカコ酒別店』はお店の方目線の漫画の為、「作る行為のこだわり」をお客さんに満足してもらえるよう受けの姿勢で表現しており、読んでいて面白いです。
四季によってお店や食材の雰囲気が変わったり、季節の移り変わりを調理工程の感触の違いによってしみじみ実感したり、客席ではなくカウンターだからこそ見えてくるお客さん達の人間模様を密かに応援していたりなど、事細かに描写されている心情が微笑ましいので、一味ちがうグルメ漫画を読みたい方におすすめです(←また、臨場感あふれる料理描写も見ものなので、お料理系YouTuberの動画がお好きな方が見てもハマるかもしれません)。

「若尾」は午後7時に開店し、午後2時に閉店するやや遅い時間帯の営業スタイルで、店主一人だけだと負担が大きいせいか、女子大生・やっちゃんが接客兼調理アシスタントとしてアルバイトにきています。
明るく元気で手際がいい上に気配り上手、真面目ながら愛嬌もあり、常連さんとの会話もそつなく心から楽しんでこなすという、まさに理想の部下
飲食業界で働きたいと思い、料理人というお仕事に興味を抱いているやっちゃんの為、たまにワカオさんが簡単な料理を教えているシーンがあるのですが、飲み込みが早く「教えがいがある」と独白していました。
性別も年齢も性格も立場も異なるお二人ですが、だからこそ違う視野や知識をお互い交換し合っていい化学反応を起こしているのが読んでいてほのぼのする感じで、読んでいるこちらとしても常連客の一人になったような気持ちでついにやにやしながら眺めてしまいます。

今回再現するのは、第十六夜目のお話で登場した“若尾のポテトサラダ”。
作り方はちょっと手間がかかり、蒸して皮を剥いたじゃがいもをつぶして塩と粗びき黒胡椒で味付けし、粗熱が取れたら塩もみしたきゅうりと玉ねぎ・蒸して切ったにんじん・ざっくり崩した茹で卵・火を通したベーコン・細切りにしたたくあんを投入して混ぜ、最後にマヨネーズで味付けしてさらに粗びき黒胡椒をトッピングしたら出来上がりです。
ポイントは、じゃがいもは粗めにつぶすこと、きゅうりは種を取り除いてから斜め細切りにして塩もみすることの2点で、こうすると無骨なまでに芋の味がする水っぽくない仕上がりのポテトサラダになるとのことでした。
ワカオさん曰く、このポテトサラダはお袋ならぬ親父の味だそうで、昔からお店でも家でも定番料理として出されていた、子供の時一番好きだった思い出の味とのこと。
先代の頃から来ている常連さんにも人気のメニューで、「…うん、親父さんの頃から変わらない味。相変わらずうまいよ」「ここのはちょっとクセになるよな。何か食べたくなって寄っちゃったよ」とある男性が語っていました。
初見時は「たくあんとマヨネーズ味って合うのだろうか…?」と不思議でしたが、その後滋賀県にはマヨネーズで和えたたくあんをコッペパンに挟んだ“サラダパン”という総菜パンがあることを知り、意外と合うのか…と衝撃を受けたのをお覚えています。

最近、一時期高騰していたじゃがいもやにんじんの値段がやや落ち着いてきた為、これをいい機会に再現してみることにしました。
作中では、大体のレシピや作業工程が絵入りで描かれていましたので、早速その通りに作ってみようと思います!
ということで、レッツ再現調理!
まずは、じゃがいもの下ごしらえ。
じゃがいもは流水でしっかりこすり洗いして泥を落とし、少し濡れた状態のまま蒸し器に入れて蒸します(←この時、じゃがいもを一周分包丁で切れ目を入れてから蒸すと、後々皮が剥きやすくなります)。
じゃがいもの中心まで竹串がスッと入るくらいまで柔らかく蒸しあがったら蒸し器から取り出して皮を剥き、木べらやフォークなどでざっくりと粗く崩して塩と粗びき黒胡椒で味付けし、少し時間をおいて粗熱を取っておきます。


次は、具の準備。
卵とにんじんはそれぞれ適度に茹で、卵は殻を取ってからざっくりめにきざみ、にんじんは薄めのイチョウ切りにします。
きゅうりは種をそいでから薄い斜め切り、玉ねぎは薄くスライスしてからそれぞれ塩もみし、水分が出てきたらそれぞれ両手でしっかり水切りをします。
たくあんは好みによりますが、今回は軽く汁気を絞って細切りにしてみました。
ベーコンは拍子木切りにし、フライパンでややカリカリになるまで炒めておきます。



今度は、いよいよ仕上げ作業。
じゃがいもが入ったボウルへ、先ほど用意した茹で卵、にんじん、きゅうり、玉ねぎ、たくあん、ベーコンを投入し、丁寧かつざっくりと混ぜ合わせます。
そこへマヨネーズを絞り入れ、全体に味がなじむようまんべんなく混ぜます。


じゃがいもと具にマヨネーズや塩胡椒が合わさったら小皿へとりわけ、仕上げに上から粗びき黒胡椒を散らせば“若尾のポテトサラダ”の完成です!

ゆで卵の白、たくあんの黄色、きゅうりの緑、にんじんのオレンジ、ベーコンのこげ茶などいろんな色がじゃがいもに映えているのが美しく、目でも楽しめるポテトサラダです。
実家では魚肉ソーセージを使用していたり、具も大分簡略化されていた為いつもと違う雰囲気にドキドキしますが、見るからに美味しそうなので味が楽しみです!

それでは、出来立てほやほやの内にいざ実食!
いただきまーすっ!

さて、感想ですが…甘辛酸、色んな味がする賑やかなご馳走ポテサラで美味!副菜というよりもはや立派な主役で、酒の肴としても優秀です!

蒸した後大ぶりに崩した事で最高にホクホクしたじゃがいもや卵の黄身、プリプリした舌触りの卵の白身がベースで、一口だけでも結構食べ応えがありました。
滑らかなポテサラのように上品ではないですが、塊状でゴロッとした芋を噛みしめるのもワイルドな醍醐味があり、マヨ味に染まり切っていないじゃがいも本来の素朴な味も同時に楽しめるのも、少しお得な気がします。
ベーコンの旨味のある塩気と、粗挽き黒胡椒のピリッとしたスパイシーな風味が大人好みのパンチが効いた味付けにしており、王道というよりは食事に力を入れた今風のバーで提供されていそうな、オシャレで洗練されたポテサラというイメージでした。
たくあんのカリコリした小気味良い歯応えと、大根特有のじんわり優しい甘味が所々主張してくるのがよく、塩味だけだと単調になりそうになるのを引き締めてくれます。
意外にも、きゅうりの種がないのがそこそこ味に影響しており、水っぽさがなく全体的にしゃっきりしているのがひと手間かけたお店感を出しており、他の具ともしっくりくるよう調和していたのに感心。
また、いぶし銀的ないい仕事をしていたのが玉ねぎで、塩もみしてちょっぴりとろみを帯びてしんなりシャキシャキした食感、わずかにピリッとくるシャープな辛味がいいアクセントになっていました。
これまでポテトサラダは魚肉ソーセージが合うと考えていましたが、今回のように色んな具が入った贅沢なポテトサラダだったら、むしろベーコンみたいに存在感のある塩気の方がいいかも…と考えを改めました。
ポテトサラダはどうしても副菜みたいな扱いになりがちな割に、大変手間がかかるので作るのは億劫になりがちですが、こちらのポテトサラダは思い出すたびに食べたくなるような癖になる感じがあった為、また作ってみようと思いました。
夫もこのポテトサラダは気に入ったようで喜んでおり、ほっとしました。
P.S.
無記名さん、無記名さん、ひやむぎさん、コメントをして下さりありがとうございます。
無記名さんがおっしゃっていた「ロ〇ホ」の「コス◯ド」、恥ずかしながら今まで知らなかったので検索したのですが…確かに似てて驚きました!これも美味しそうですね…一度食べてみたいです。
無記名さんも、『おおどろぼう』シリーズのバナナオムレツが心に残っていたとお聞きし、とても親近感を抱きました!お役に立てたみたいで、よかったです。簡単なのにちょっとない美味しさなので、お勧めです(←卵は硬めに焼くより、フワフワ半熟がよさげです)!
ひやむぎさん、ブログを楽しみにして頂いているとのお言葉ありがとうございます! 『どんぶり委員長』は読んでも作っても楽しい作品なので、そうおっしゃって頂けるととても嬉しいです。『パンと僕のモモちゃん』、先日読んでいて面白い上に美味しそうなレシピがいっぱいで再現したくなりました…情報提供してくださり感謝です!
●出典)『大衆酒場ワカオ ワカコ酒別店』1巻 漫画:猫原 ねんず 原作:新久 千映/コアミックス
『大衆酒場ワカオ ワカコ酒別店』2巻 漫画:猫原 ねんず 原作:新久 千映/コアミックス
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。
※レシピの分量や詳しい内容は、以前こちらでご説明した通り完全非公開に致しております。
『週末キッチン』の“とろとろチーズのクリーミーシーフードラーメン”を再現!
- Wed
- 23:50
- 再現料理
デートをドタキャンされた女子高生・クリスが、急遽母親からアンダーソン家の娘・8歳のサラのベビーシッターをするようにお願いされ、サラの兄で以前からクリスに憧れていた15歳のブラッド共々彼らの両親が帰ってくる深夜まで面倒を見ることになるのですが、そこにクリスの親友・ブレンダから「家出して遠くまで行こうと駅まで来たけど、そこまでのタクシー代でお金を全部使い果たした!その上、恐ろしい人達がそこら中にいて殺されそうで怖い!お願いだから車で迎えに来て!」と懇願され、仕方なく迎えに行くことになるのですが、そこにアンダーソン家の姉弟とブラッドのお調子者な悪友・ダリルまでついていくことになってしまい、渋々クリスは母の車で駅のある都会へと向かう…という導入で始まるストーリーなのですが、後にブラッドたちが「人生で最高の夜」と言うのも頷ける数々の冒険に興奮するお話なので、本当にお勧めな映画です。
実はこれまで、まっさらな状態で楽しみたい為Wikiやネットで調べたことがなかったのですが、視聴後にふと検索したところ、まさかのディズニー映画と知り驚きました(←ディズニーといえばアニメ、作中何度も挟まれるミュージカルという思い込みがありました;)。
かの有名な『ホーム・アローン』シリーズの監督が初めて担当した作品だそうで、何だか『グーニーズ』『ミセス・ダウト』『ジングル・オール・ザ・ウェイ』も見返したくなってきたものです。
どうも、中学3年生の時にある学習テストを受ける為遠出して電車で帰る際、うっかり寝過ごして気がついたら外は真っ暗、自分以外誰も乗ってない車両に揺られてパニックになりかけたという恐怖経験のある当ブログの管理人・あんこです。
本日再現する漫画料理は、『週末キッチン』にてある夜に行われたカップラーメン縛りの夜食報告会にて報告されていた“とろとろチーズのクリーミーシーフードラーメン”です!

『週末キッチン』とは、もう10年以上の付き合いになる仲良しな独身男子3人組・三田村裕介さん(34)、大野一樹さん(35)、吉岡薫さん(28)が週末に裕介さんのキッチンで料理してまったりしたり、近所でぶらぶらグルメ散歩をしたり、遠出してグルメ旅に出かけたりする日々を描いた、友情がミックスされた日常系グルメ漫画です。
元々は2014年から某漫画アプリで不定期連載されていた作品なのですが、別の連載でお忙しくなったことが原因か1年に1~2話の新作を読めれば御の字な状態となり、連載や単行本化は絶望的か…と半ば諦めかけていたものの、2019年にめでたくLINE漫画で連載が決定されて単行本化も実現された、まさに奇跡のV字回復を遂げた漫画!
特に何か事件が起きたり、『ジャングルの王者ターちゃん』や『クレヨンしんちゃん』のようにいきなりシリアスな鬱エピソードが挿入されたり、学園バトル物が異世界ファンタジーバトル物になったりするぶっとび展開がある訳ではなく、その辺は『よつばと!』を始めとするその他の日常系漫画と同じです。
作中で「オレたちも大きな奇跡はないけど、小さい奇跡を信じて平凡な日常を頑張って生きるかぁ」と言われている通り、週末の楽しみを糧に仕事や私生活のゴタゴタを頑張る姿は自分達にも通じる物があり、休みの前日に読んで癒されるのに向いているシリーズです。
単行本1~2巻までは分量はあったりなかったりとまちまちでしたが、それ以降はきちんと記載されるようになり、尚且つ何と作者のトータス杉村先生が奥様と作中の料理を再現してYouTubeでアップされている為、レシピのわかりやすさは料理漫画界でもダントツかと思われます(←チャンネルはこちら)。

3人とも主人公といえば主人公ですが、その中でもやはりまとめ役で中心的存在と言えるのが、オーソドックスな眼鏡男子の裕介さん。
周囲から「給料も普通、用紙も普通、性格も普通…」「面白みがないともいう」とからかわれている通り、標準的なスペックのA型お料理男子で、WEB制作会社勤務。
そろそろ結婚したいと考えて婚活パーティーに参加してますが、どこか認識の甘さが見えるせいか仮交際までたどり着いたご縁はなく、最近は新しく購入した魔法瓶弁当箱にハマっています。
また、この中で1番年上なのが、モジャモジャ頭がトレードマークの一樹さんことカズさん。
4人兄弟の次男としてヤンチャに育った影響か、よく食べよく寝てよく笑う好奇心旺盛で明るい性格で、元々は大手出版社の〇学館に務める編集者だったそうですが、革細工職人になりたいという夢を抱いて退社し、数年は見習い
メンバーでは唯一のバツイチ子持ちで、革細工職人を目指した頃に離婚して弁護士の元奥さんが一人息子を引き取ってたまに面会しているようですが、内心では復縁を狙っている模様です。
あと、メンバーでは一番年下なのが、イケメン枠の吉岡薫さんことヨッシー。
大学時代、すでに社会人になっていて同じアパートに住んでいた裕介さんとひょんな事から知り合って以来ずっとカズさん達とつるんでおり、アラサーになり食品メーカーでサラリーマンとして働くようになってからも永遠の後輩としてよく面倒を見られています。
美人で押しの強いお姉さん方に囲まれて育ったせいか末っ子気質で、基本的には裕介さん同様に常識人ではありますが、どこか気まぐれかつマイペースで、小さい時にマンション前で保護して3人が保護者として飼う事になった猫・くるりちゃんと共に暮らしています。
なお、人物紹介の欄に年齢が記載されていますが、実はサザエさん時空ではなく、厳密にではないですがゆっくり年を取る設定になっているようで、2020年の時点で裕介さんは37~38歳、カズさんは38~39歳、ヨッシーは31~32歳と明かされていました。
将来、3人とも結婚しなかったら一緒に家を借りて暮らそうか…という、冗談のようで結構本気そうな空想も話し合う回もあったので、個人的には主要人物がとうとう50代に投入した『きのう何食べた?』や『杉原爽香』シリーズのように、そろそろ老後の支度を考え始める年頃まで見守りたい作品です。


今回ご紹介するのは、2巻でヨッシーが夜食として食べていた“とろとろチーズのクリーミーシーフードラーメン”!
作り方はものすごく簡単で、シーフードヌードルのフタを開けてとろけるミックスチーズを入れてお湯を入れてフタをし、時間が経ったらフタを開けて牛乳を少し入れたらもう出来上がりです。
ポイントは、通常3分とされている待ち時間を2分半とやや早めに設定することで、ヨッシーは硬めの麺が好きなので30秒程早めに食べるのがデフォだと書かれていました。
正直、袋麺はお鍋に入れて直接火を通す為色々とアレンジをしやすいですが、カップ麺は容器にあらかじめ入っている分自由に手を加えにくく、せいぜい薬味を足すくらいしかしてこなかったのですが、牛乳とチーズならお手軽に足せそうなので、かなり興味をひかれたのを覚えています。

先日、カップヌードルが比較的安く売られているお店を見つけた際にこちらのアレンジ料理を思い出し、再現することにしました(←金欠の時にインスタントラーメンを食べる描写が昔の漫画にありましたが、近頃は大分高価になったのでそうそう食べなくなっています)。
作中には詳細な作り方が記載されていますので、早速その通りに作ってみようと思います!
ということで、レッツ再現調理!
まずは、下準備。
シーフードカップヌードルのフタを少し開けて中へミックスとろけるチーズをふりかけ、そのままいつも通り熱湯を内側の線まで注ぎ、フタを閉じて2分半放置します。
時間が経ったら、チーズのとろけ具合を確認しつつ牛乳を加えます。



少しだけ混ぜて牛乳を全体に気渡らせれば、“とろとろチーズのクリーミーシーフードラーメン”の完成です!

香りはいつもと変わりませんが、真っ白な見た目は一見豚骨ラーメン風で、少し戸惑います;。
牛乳ととろけるチーズを一緒にかけるのは初めてなので味の想像がつきませんが、見たところ美味しそうなので、期待大です!

それでは、熱い内にまたかき混ぜていざ実食!
いただきまーすっ!

さて、味の感想は…予想以上にクリーミーで美味し!定番にしたい程しっくりくるアレンジです!

シンプルながらも癖になる、まろやかなミルク風味のシーフードスープといった味わいで、スープだけ単品で売っても人気が出るんじゃ…と感じたくらいほっとしてすぐ馴染む仕上がりでした。
ここにあさりを加えたら、ジャンクなクラムチャウダー風とも言うべき味付けに進化し、より完成度が高まりそうです。
実はこれまで、シーフードヌードルはスープがシャープに塩辛く角々しいイメージがあった為そこまで好きではなかったのですが、チーズの脂分や牛乳の丸みのあるコクが程よく中和しているせいか、一転して癒やし系ラーメンになっており、シーフードヌードルが俄然好きになりました。
豚骨ラーメン風になるかと思いきや海鮮出汁が強いせいかそこまで豚骨っぽさはなく、どちらかといえば海鮮ちゃんぽんのスープに近いです。
チーズは細く伸びて麺に絡むというより、所々チャンクな部分があって別種の麺として一緒にすする感じでしたが、これが結構食べ応えがあり、見た目よりもかなり濃厚です。
今回はヨッシー風に2分半で作り、しゃっきりしたやや硬めの麺にしたのですが、こってりスープに硬めの細麺は博多ラーメンでも立証されている相性の良さなので、このまろやかなスープとぴったりでした。
カップラーメンのアレンジは今まで色々見ましたが、今回のシーフードヌードル+牛乳は手軽かつ上位互換と言っても過言ではないアレンジですので、いろんな方にぜひ試していただきたいです。
作中では牛乳は少量と書かれていましたが、いっそ沸かした牛乳100%で作ってもイケるのでは…と考えた程なので、むしろ多めをお勧めいたします。
このお話では、カップヌードル+海苔と梅干しや、カレーヌードル+生卵と醤油など簡単に試せるアレンジがいくつか載せられていたので、こちらの方も試してみようと思います。
P.S.
無記名さん、無記名さん、コメントをして下さりありがとうございます。
美味しそうとおっしゃって頂けると、大変励みになります。
栗ご飯がそこまで好きではない夫も、洋風で玉子付きだと「一風変わったピラフみたいで美味しい」と好評でしたんで、作中で言われていた通り、和風の栗ご飯が苦手な方に一度はお試しいただきたいレシピだと思いました。
●出典)『週末キッチン』1巻 トータス杉村/LINE Digital Frontier
『週末キッチン』2巻 トータス杉村/LINE Digital Frontier
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。
※レシピの分量や詳しい内容は、以前こちらでご説明した通り完全非公開に致しております。
『紺田照の合法レシピ』の“ほっくり洋風栗ごはん玉子のせ”を再現!
- Mon
- 23:50
- 再現料理
ずっと家に引きこもっていたので脚力の衰えが心配でしたが、ほぼ徹夜で丸1日観光できたので、人間の潜在能力ってすごいと感じました(←ただ、高台寺にある傘亭へのちょっとした山歩きかと思う急こう配な道のりはなかなかヘビーで、一瞬めまいがしました)。
偶然ですが、その日は約3年ぶりに時代祭が開催される日だったそうで、タクシー運転手さんからお勧めされたのもあり見学したのですが、様々な時代の有名人物に扮した方々の行列を間近で見ることが出来、満足でした。
どうも、「紫野和久傳」さんでお土産として購入した和菓子の“西湖”と“くりの葛焼”に感動した当ブログの管理人・あんこです。
本日再現する漫画料理は、 『紺田照の合法レシピ』にて紺田君が5代目組長とその息子さんの為に作った“ほっくり洋風栗ごはん玉子のせ”です!

紺田君が所属する霜降肉組は3年前に先代組長が抗争により急逝しており、それからはその妻・霜降美月さんが5代目組長として後を引き継ぎ、息子と組を女手一つで養っています。
見た目は全然違いますが、中身は『静かなるドン』にて異彩を放つ「ニトロのお妙」こと近藤妙さんに似た過激な性格で、かなり男前で度胸のある女性です。
ある時など、対立勢力である桃嘉十組の組長から「俺と一晩どうですかぁ?」と和解の席で言い寄られた事があったのですが、一見満更でもなさそうな雰囲気を出しながら、次の瞬間太ももに装着していたダイナマイトをチラ見せし、「優しくしてくれんと…火傷するんで気ぃ付けて下さい」「ウチを抱くなら命懸けでっせ」とほほ笑んでいました。
「それ以上ウチと組をナメるんなら、部下共々木端微塵にすんで。覚悟はええな?」という、『シグルイ』流乙女の可憐なる抗議ですね、わかります。
極道の妻ともなれば、「ニトロはともだち!怖くないよ」の精神がないととても務まらないのかもしれない…と震え上がったエピソードです(←SMAPの『ダイナマイト』という曲の「Dynamiteなhoneyでもいいんじゃない♪」という一節を思い出しました。
亡き先代組長の親友が美月さんに密かに片想いしておりますが、正直『花の慶次 -雲のかなたに-』の色んな意味で規格外な慶さんに匹敵する剛の者でないと難しいのではないかな…と感じたものです。

そんな抗争でもカチコミでもどんとこいな美月さんですが、唯一てこずってしまう人物が、亡き夫の一粒種でもある長男・霜降羽牟助君(5歳)。
ちょっと長めのいがぐり頭がチャームポイントの生意気盛りな男の子で、いやいや期を通り越して早い反抗期に突入したのか、「もう嫌やねん!空手もそろばんもやりたくないねん!」など、作中では色んな駄々をこねては美月さんを困らせていました;。
先代組長は和食好きで文武両道かつ質実剛健な人物だったそうですが、羽牟助君は洋食好きでヒップホップやゲームが趣味の遊び好きな現代っ子という正反対さで、どことなく市川海老蔵さんを彷彿とさせるキャラだなぁ…と何となく思いました。
ちなみに、作中では羽牟助君が「栗とはもう絶縁したいねん」と言ってプチシューを間食し、美月さんから「そんな軟弱なもん食うてたら歯、無くなんで!!」と言われているシーンがあり、初見時は「そんな、昭和時代のコーラを飲んだら歯が溶けるっていう都市伝説みたいな話…」と苦笑したものでしたが、実はあながち嘘ではないようで、甘い物を摂取すると唾液の作用で酸に置き換わり、歯が溶けるというのはある意味本当だそうです…気を付けますorz。

今回ご紹介するのは、お父さんの好物だった最高級丹波栗を使用した秘伝の栗ご飯をどうしても食べない羽牟助君に悲観した美月さんに、「俺が坊ちゃんの納得される栗ご飯を作ります」と言って紺田君が作った“ほっくり洋風栗ごはん玉子のせ”です!
作り方は思ったより簡単で、バター・にんにく・ハム・玉ねぎ・生米を炒め、ブイヨンスープ・茹で栗・塩を加えて炊きあげたご飯の上へ、牛乳を足してバターで焼いた玉子、バター・小麦粉・牛乳・コンソメを煮詰めて作ったホワイトソースをかけたら出来上がりです!
ポイントは、にんにくや玉ねぎなどを炒める段階で火入れをきっちりして香りと旨味を出すこと、ホワイトソースは手早くかき混ぜて絶対に焦げないようにすることの2点で、こうすると子ども向けの洋風栗ご飯に仕上がるようです。
当管理人にとっても栗ご飯と言えば昆布の出汁をきかせた和風味というイメージだった為、当初はこの攻めた発想に驚きましたが、「芋栗南瓜(いもくりなんきん)」 の語呂合わせで他に仲間として挙げられているサツマイモやカボチャも、バター醤油味やコンソメ味の洋風炊き込みご飯のレシピは珍しくないので、栗も確かに相性がいいのかも…と俄然興味を抱いたものです。

先日、甘くていい栗を手に入れる事が出来、定番の和風栗ご飯を作って食べたのですが、ふとこちらの料理を思い出し好奇心を刺激された為再現することにしました。
単行本や、こちらのサイトにも詳細な分量付きのレシピが記載されていましたので、早速その通りに作ってみようと思います!
ということで、レッツ再現調理!
まずは、洋風栗ご飯作り。
熱した厚手の鍋(又はフライパン)へバターとみじん切りにしたにんにくを入れて加熱し、いい香りが出てきたらみじん切りにした玉ねぎとハムを加え、玉ねぎが透き通ってくるまで炒めます。
そこへ、研いだ後ザルにあけて水気を切っておいた生米を投入し混ぜ合わせます。



生米に油がなじんで表面だけ透明感が出てきたら、あらかじめ殻をむいて蒸しておいた栗、ブイヨンスープ、塩を入れてフタをし、そのまま通常通り炊きます。
炊きあがったら、しゃもじでざっとご飯全体を切るようにしてさっくり混ぜ、フタをしてさらに蒸らしておきます。
※厚手の鍋を使用の場合は、そのまま同じ鍋で煮立った後弱火10分→蒸らし15分で炊き上げられますが、当管理人の家には厚手で焦げにくいお鍋がない上に自分の料理の腕が信用できなかったため、途中文化鍋に移して自動炊飯しました。



次は、ホワイトソース作り。
バターを溶かしたフライパンへ小麦粉を投入して炒め、粉っぽさがなくなってきたら牛乳を注いでコンソメキューブも加え、泡だて器で手早くガーッと急いでかき混ぜます(←フライパンの側面にソースがこびりつき、そこだけ微妙に混ざらなかったりしますので、加熱用ゴムベラなどでこまめにこそぎ取りながら混ぜるよう気を付けます)。
ソース全体がまんべんなく合わさり、なめらかで光沢のあるとろみがついたのを確認したら、ホワイトソースは準備完了です。



ここまで来たら、いよいよ玉子の用意と盛り付け作業。
フライパンへバターを入れて溶かしたら、牛乳を入れてしっかり混ぜた溶き卵を間髪入れずに流し込んでざっとかき混ぜ、半熟でトロトロになるよう焼き上げます。
やがて、玉子が程よい焼き加減になったら、お皿に丸くよそっておいた洋風栗ご飯の上へかぶせるようにしてそっと乗せます。



玉子の上へ温め直したホワイトソースをたっぷりかけ、仕上げにみじん切りのパセリをパラッと散らせば“ほっくり洋風栗ごはん玉子のせ”の完成です!

栗ご飯は何度も食べた事がありますが、洋風にアレンジした物、ましてやオムレツ状の玉子を添えて食べたことは無かった為、地味に味の予想がつかないです…。
ただ、バターの芳しい香りは本当に素晴らしく食欲をそそりますので、紺田君を信じて食べてみようと思います!

それでは、熱々の内にソースを絡めいざ実食!
いただきまーすっ!

さて、感想ですが…予感していたよりも遥かに本格的な美味しさで大満足!秋の期間限定メニューとしてお店に出されててもおかしくないレシピです!

茹で栗使用のせいかしっとりホクホクした食感で、秋の恵みの豊穣な甘さが滑らかにとろけてご飯にさっと混ざっていくのがたまりません。
バターの香り高い風味と栗の素朴な甘味はかなり相性がよく、おかず系の味付けのはずなのに、どこか洋菓子を思わせる上品な旨さが特徴的でした(←あそこまで甘くないですが、感じとしてはスイートポテトが近いかもしれません)。
炒めてから炊いた為パラッとした口当たりのご飯は、ほのかなにんにくの香りがアクセントになっているシンプルなバターピラフに仕上がっており、控えめな塩気なのが栗の味をさり気なく引き立てていました。
このあっさりしたピラフに、想像していたよりもしっかりコンソメの出汁が効いたコクのあるホワイトソースがまったり絡むと、クリーミーなドリアっぽい味わいに変身するのがよかったです。
ここにふわふわトロトロのバターオムレツが加わると、今度はホテルレストラン系の贅沢なホワイトソースのオムライスというイメージで、どう食べてもリッチで優雅な気分になれる一皿だな~と感心しました。
こんなにあちこちバターを入れていたらしつこくならないか心配でしたが、分量のバランスが余程ちょうどいいのか最後まで全然くどくなかったです。
ホワイトソースやオムレツを乗せた方が勿論おいしいですが、洋風栗ご飯自体が大変完成度が高い味わいなので、後日トッピングなしで食べてみましたがしみじみ美味でした。
夫もそこまで栗ご飯が好きな方ではないのですが、「洋風の味でおいしいね」と和風の時より気に入っていたようで、バターやホワイトソースで食べ応えが出たおかげかな?と感じました。
これ以上足したり引いたりしたらかえって味が損なわれるような気がしたので、少なくとも最初はレシピを遵守して再現なさることをお勧めいたします。
P.S.
たなかっつさん、無記名さん、ぽんぽこさん、コメントをしていただきありがとうございます!
たなかっつさん、何と同じ作品の懸賞を2回も当てたんですか…すごい豪運ですね!当管理人は結構懸賞に応募している方だと思いますが、まだ片手で数えられるくらいしか当選したことがないのであやかりたいです。『おとりよせ王子 飯田好実』のレバーペーストと言いますと、平田牧場さんの“三元豚のレバーペースト”でしょうか…あれも美味しそうだったので印象に残っています!
無記名さん、こちらの再現はもう干支を一周遡らねばならないレベルで昔の記事になりますので、お恥ずかしながらうろ覚えなのですが、確かに肉のえぐみと灰汁が空気中に溶け込んだような癖のある匂いだったことはぼんやり覚えています…orz。本物のニカワの匂いは知らないので何とも言えませんが、恐らくほぼ事実だと思います。
ぽんぽこさん、嬉しいお言葉を頂けて感謝です。大変励みになりました。当管理人もいちご煮の存在を始めて知った時、てっきりコンポートかと思って乙女チックな印象を抱いたことを思い出しました…まさかの海産物で、衝撃的だったものです。
●出典)『紺田照の合法レシピ』 馬田イスケ/講談社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。
※レシピの分量や詳しい内容は、以前こちらでご説明した通り完全非公開に致しております。
『おとりよせ王子 飯田好実』の“いちご煮炊き込みご飯”を再現!
- Fri
- 23:50
- 再現料理
その便利なシステムを可能にしたのが、棒手振り!
棒手振りとは、特定の店舗を持たずに商品を手配する商売人で、初期費用が低く抑えられることから実に多種多様な人々が参入しており、食品以外にも日用品・娯楽品・各種サービス・廃品回収なども手配できていたとのこと。
常に5000人程業者が存在していた説があるくらい普通に歩くだけでも遭遇率が高く、事前に棒手振りへ依頼をしていれば定期購入やお取り寄せも可能だったみたいで、屋台フードといいお江戸の町はどれだけ便利で現代的だったんだと感動しました。
どうも、10代の頃からずっとおうち時間を満喫しまくっている成長のない当ブログの管理人・あんこです。
本日再現する漫画料理は、『おとりよせ王子 飯田好実』にて主人公の飯田君が同僚の女の子からヒントをもらって作った“いちご煮炊き込みご飯”です!

漫画『おとりよせ王子 飯田好実』とは、連日残業続きの激務なシステムエンジニアの独身男性・飯田好実君(26)が、毎週水曜日のノー残業デーに密かなお楽しみとしてお取り寄せしている厳選グルメに興奮して舌鼓を打ち、Twitterでその美味しさを実況つぶやきをする日々を描いた、通販グルメ漫画です!
今から約10年以上前に連載が始まった作品で、当時は新勢力・Amazonが老舗カタログ通販サイトを押しのけて売上ランキングで1位になる快挙を成し遂げ、様々な通販サイトが次から次へと設立されていった、まさにお取り寄せ黎明期の時代!
それまで、食べ物系通販はお中元等の贈り物に関するサイトが主流で自分用の物はそこまで盛んではなく、普段使いのお取り寄せもしようと思えばできたものの、送料を考えると割高感がある上種類も限られており、そこまで一般的ではなかったように思います(※あくまで当管理人の主観による一方的な感想)。
しかし、2010年以降になってからは徐々に種類もサービスも多様化して送料無料になる基準も低くなり、以前よりも遥かに色々お取り寄せしやすい時代になってきた感じで、『おとりよせ王子 飯田好実』はまさにそんな手探りな状況の中、お取り寄せグルメをわかりやすく事前学習できる個人的には大変便利でありがたい作品でした。
ネットの口コミもあるにはありましたが、今のように画像付きで詳しく書かれたコメントや分かりやすくまとめられたサイトも豊富ではなかったので、漫画とはいえ様々な角度から描かれた食べ物の絵、具体的な味の感想、値段の目安などが下手なグルメリポーターよりもパッション溢れる飯田君によって紹介されているのがとても面白くてワクワクしたものです(←ちょっと表現が行き過ぎて、アニメ版『ミスター味っ子』の味皇様ばりにハイテンションになりかけるシーンもありますが、それはご愛敬ということで…)。


普段は内向的なタイプで、職場ではつかず離れずな人間関係で周囲からは何を考えているのかわからないキャラに見られがちな飯田君ですが、実際は(食べ物に関して)ものすごく積極的かつ情熱派な性格でなのが特徴(←普段は「ぬう!」とか言ってそんなおしゃべりなタイプじゃないのに、食に関する事には滅茶苦茶饒舌になる海原雄山を彷彿とさせます…)。
リアルではそこまで友達は多くないのに、その的確なレビューでTwitter界ではそこそこ有名人になっており、フォロワー数が万レベルになっていて知り合い多数というのが、ネット社会の面白さを感じました。
そのせいか、一度など「女心そそるセレクト多いし」「男にはないスウィーツ感(笑)」「王子とはいっても女だよね?」「いわゆるボクッ娘みたいなノリなのか」とフォロワー間で囁かれ、危うくネカマにされそうな一幕があったのに苦笑したものです(←
通販グルメの描写ももちろん魅力的ですが、

今回ご紹介するのは、社内で唯一自分にそっけない飯田君に朝倉さんがちょっかいを出そうとし、新規オープン記念で2人組のお客さんにはウニとアワビを一貫ずつ無料サービスするお寿司屋さんのチラシを見せて「今から時間ある人いないかなァ」とチラ見したものの、「やっぱり今日はアレ(いちご煮)だ!」と決めて朝倉さんそっちのけで帰宅した飯田君が作った、“いちご煮炊き込みご飯”です!
作り方は非常に簡単で、炊飯器に研いだお米・いちご煮・お水を入れ、通常通り炊飯したらもう出来上がりです!
ポイントは、潔くお米といちご煮しか組み合わせず調味料は一切足さないことで、たったこれだけでも十分おかずいらずな一品に仕上がると書かれていました。
いちご煮とは、青森県八戸市とその周辺の三陸海岸が発祥地の伝統的な漁師料理で、大正時代からは料亭などで出される高級料理として定着したウニとアワビのお吸い物。
初見だと「?」となりそうな商品名ですが、その昔素潜り漁をしていた漁師さん達が「朝露の中で霞んで見える野いちご」に似ていると気づいてそう名付けたそうで、缶詰メーカーでは味の加久の屋さんが有名で、飯田君もこちらの商品を使用していました。
ウニとアワビと聞くと大変贅沢だと感じますが、当時は現代みたいに極端に高騰していなかった為そういう大胆な利用法ができたそうで、何だか江戸時代さほど珍しくなかったため庶民でも気軽に手に入ったという松茸の事を思い出し、「現代でもそうならよかったのにな…orz」と切ない気持ちになりました。

最近、通販する機会が多くなってこちらの商品も比較的気軽に手に入ることが判明した為、お取り寄せいして再現することにしました。
作中には分量もちゃんと記載されていましたので、早速その通りに作ってみようと思います!
ということで、レッツ再現調理!
お米をいつも通り研いでザル等でざっと水切りし、炊飯器(もしくは文化鍋)に入れ、そこへいちご煮缶を汁ごと全部投入します。
この時、缶だけではお水の量が足りない場合は適量加え、そのまま普通に炊きます。
※作中に登場していた415g缶が手に入らなかった為、お得に購入できたお試しサイズの180g缶を数個用意し、軽量して使用しました。レシピ通り作ることにこだわりがない場合は、水分をすべて缶汁にするのもいいかもしれません。



ご飯が炊きあがったら全体をしゃもじでさっくりと切るように混ぜ合わせ、そのままお椀へよそえば“いちご煮炊き込みご飯”の完成です!

「こんなに簡単すぎていいんだろうか…これまでの再現の中で最も手軽なのではないだろうか…?」「全然手間かけてないのに、本当においしいんだろうか…?」と内心ドキドキヒヤヒヤした料理で、初めてインスタントラーメンを食べた昭和時代の方もこんな気持ちだったのだろうか…と感じました。
ただ、食べる前から贅沢な磯の香りがぶわ~と立ち上って食欲を掻き立てまくりましたので、期待して頂こうと思います!

それでは、炊き立てほやほやの内にいざ実食!
いただきまーすっ!

さて、味の感想ですが…たったあれだけの工程で出来たとは信じ難い海の炊き込みご飯で美味!時間がないけど豪華なご飯で気合を入れたい…という時に最適な時短飯です!

帆立エキスを連想させるミルキーな甘味を帯びた出汁の味が強く、アワビのおかげなのか数段上品で複雑な旨味があり、正直具なしでも「贅沢」だと無言の内に感じさせる力がありました。
貝類の汁特有の磯の風味があるので好みが少し分かれるかもしれませんが、潮汁や海鮮茶碗蒸しが好きな方ならむしろとろけそうな香りです。
ご飯自体はあっさり系ですが、ウニのリッチかつ濃厚なコクがさり気なく加わっている為食べ応えがありました。
ウニは蒸された物が使用されているので、生とは違ったホロホロした舌触りですが、それがまたご飯との馴染みをよくしている感じで、一体感がすごいです。
アワビが一番予想外で、甲州の煮貝みたいにむっちり系かと思いきや、簡単に噛み切れる茹でたささみの薄切りっぽい食感で、言われなければ鶏肉みたいで驚きました。
醤油とか味醂とか何も入れていないのに、辛すぎず薄すぎず絶妙な塩梅のシンプルな潮味で、塩加減が本当に丁度良く感心しました。
作中でオススメされていた薬味類ですが、海苔は必ずセットにしたいくらい安定の相性の良さで、わざわざ巻かなくてもおにぎりっぽい味わいになります。
また、柚子胡椒が意外にもドンピシャに合っていたのが衝撃!
柚子の爽やかな香気と、ピリッとくる辛味や塩気がいいアクセントで、会席料理の〆に出てきそうなちょっと凝った後味になるのが素晴らかったです(←※但し、入れすぎるとアワビやうにの繊細な味が分からなくなるので要注意)!

ここまで簡単なレシピはそうそうないので半信半疑でしたが、何も手を加えなくても完成度が高い商品ならむしろ手を加えないのが最適なケースもあるんだな~と感心しました。
今回は炊き込みご飯でしたが、時間がないならそのまま温めて飲むだけでも至福な気持ちになりますし、まだ試したことはありませんが茶碗蒸しやラーメン(!?)にしてもおいしいみたいなので、試してみたいです。
P.S.
kawajunさん、コメントをしていただきありがとうございます。
約一か月後の報告になってしまいますが、今思い出しても台風14号は本当に前評判通り大型で、ニュースで「数十年に一度の台風」というワードを数えきれないくらい見ていたので油断していましたが、久々に身の危険を感じたものです;。
『まんがかぞく 一家4人全員漫画家』という作品は恥ずかしながら初耳でしたので、先日読んだところ、予想以上に濃い内容と家族仲の良さににやにやしながらあっという間に読んじゃいました(←トーン泥棒のくだりは吹き出しました)。
面白い作品を教えていただき、感謝です!
●出典)『おとりよせ王子 飯田好実』1巻 高瀬 志帆/コアミックス
『おとりよせ王子 飯田好実』2巻 高瀬 志帆/コアミックス
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。
※レシピの分量や詳しい内容は、以前こちらでご説明した通り完全非公開に致しております。
『うらめしや』の“小竹葉豆腐”を再現!
- Wed
- 23:00
- 再現料理
漫画がレシピの合間に挟まっているとスルッと読め、「実際はどんな感じなんだろう」と興味を惹かれて作る気力がわきやすいです。
個人的に、電子レンジレシピは「これ、もうちょい焦げ目がある方が…」「あと少し煮込めば…」という邪念が入るのでかえって手間がかかってしまいましたが、フライパンやお鍋を使うレシピは全然問題なく「たったこれだけでおいしいとは!」と感動した為、大変ありがたかったです。
「絵ではこういうイメージだけど、どんな料理なんだろう」というワクワク感は料理時間を充実させてくれるので、大事な要素だな~と改めて思いました。
どうも、中でも特に満足度が高かったのは「パリパリ餃子」「ちまき風炊き込みご飯」「胸肉のチキン南蛮風」だった当ブログの管理人・あんこです。
本日再現する漫画料理は、『うらめしや』にて主人公の夫・佐治さんがめし屋で出していた名物料理“小竹葉豆腐”です!

漫画『うらめしや』とは、江戸時代末期に市井で起こる幽霊や化け物に関する万事の相談に乗る「うらめしや」稼業を営む、江戸一番として知る人ぞ知る霊能力者・お妖さんが、数々の不思議な出来事や事件に巻き込まれつつも解決していく日々を描いた、人情とホラーが入り混じった歴史系ミステリー漫画です。
凄腕の霊能力者と聞くと、『GS美神極楽大作戦!!』の美神さんみたいに荒稼ぎしているか、『地獄先生ぬ~べ~』の鵺野先生みたいに周囲から頼りにされていそうなイメージが真っ先に思い浮かびますが、まだまだ保守的な時代が舞台のせいかお妖さんは周囲から「気味が悪い」「側には怪しいものがうごめいている」として忌み嫌われ、実の親からすら不気味がられて幼い頃女衒に売られた過去すらあり、そのせいか初登場時は酒屋で飲んだくれているという前代未聞の荒んだスタートでした;。
しかしその直後、ひょんな事で偶然知り合った町人・佐治さんとある事件がきっかけで何となく一緒に暮らすようになってからは、とんとん拍子で色んな人と知り合って様々な絆が生まれ、最終的には江戸の危機を救おうとする戦い(!?)まで参加するまでに至るなど見所満載なストーリー展開で、人の一生とは数奇なものだとしみじみ思わされます(←サザエさん時空ではなく、ちゃんと歳を積み重ねている感じなのがまた尊し)。
意外かもしれませんが、お妖さんが霊能力で強引に霊を成仏させたり得をしたりするケースはそう多くなく、仮に骨折り損になったとしても、なるべく穏便かつ相手が満足する方法で成仏できるよう寄り添いながら解決していく人情派スタイルなのがいいです(←儲け話に縁があるどころか報酬をもらい損ねるケースもむしろ多いので、個人的には「ホラー漫画界の『ルパン三世』」だと感じています)。

割と早い段階でお妖さんと事実婚夫婦になっている佐治さんですが、実は最初のジョブは天涯孤独のスリで、「疾風の佐治」という異名があったくらいガチな犯罪歴があります;(←後々はリーダー的存在となった『北斗の拳』のバットも、そう言えば初登場時は身寄りのないコソ泥という設定でしたね…)。
しかし、お妖さんと共に過ごしていい影響を受けていく内に、スリ→主夫→イクメン→料理屋の店主とドンドンわらしべ長者ばりに出世していっており、人は家族の為ならガラッと変われるものなんだな~と胸が熱くなるものがあったものです…(´;ω;`)。
ちなみに、佐治さんは元々料理人ではなかったのですが、そっち方面に才能があったのかドンドン上達しており、作中で季節ごとに“筍づくし”“積み草料理”“白玉団子”“焼きなすの冷やし汁”“栗ご飯”“けんちん汁”“大根の煮物”など、旬の物を取り入れた美味しい料理を作っているのがほほえましかったです(←なお、お妖さんの家事能力は『クッキングパパ』初期の虹子さんレベルだとだけ言っておきます…)。
また、物語が中期になった頃、お二人の間に光太君というこれまた霊能力がすごい息子さんが生まれるのですが、赤ちゃんの頃から物語で成長を見守っていくせいか、親戚のおばさん目線でつい感情移入させられたのもいい思い出です(←『源氏物語』の若紫が初出の手法ですが、かなり有効ですよね…)。


今回ご紹介するのは、佐治さんが曰く付きで空き家になっていた幽霊めし屋を継いで営業しようとした時、前店主の時代に名物として知られていたと聞いて再現しようとした料理・“小竹葉豆腐”です!
作り方は簡単で、両面をしっかり炙った焼き豆腐・お出汁・醤油・みりんを熱したお鍋で煮込み、全体が煮えたところへ溶き卵をまわしかけ、半熟になったらすった山椒をかけたらもう出来上がりです。
ポイントは、豆腐はあらかじめ炉端などで全面をしっかり焼いて水気を抜くこと、やや甘めの味付けにすることの二点で、こうすると香ばしい風味と甘さが後を引く、酒の肴にもご飯のおかずにも合う一品になるのだとか。
元は、『豆腐百珍』にて第50番「佳品」(←風味が尋常品にやや優れ、見た目の形のきれいな料理の類という意味らしいです)として記載されている豆腐料理とのこと。
現代だったらネットや本でちゃちゃっと調べたらすぐわかりますが、ネットなんて夢のまた夢、本を所有する庶民も一般的ではない江戸の世で尚且つ前店主も既に亡くなっていたのもあり、佐治さんは悪戦苦闘しながら試作をしまくっては元常連のご老人に試食をお願いしていました(←知識人層でもない限り、レシピは口伝が頼りの世界だったでしょうね…)。
焼いてさらに煮るとは、豚の角煮に負けない程手間がかかる料理だな~と初見時は妙に印象に残ったのを覚えています。

食材も調理法もありふれているように見えますが、ネット上に散らばる感想をみると「おいしい」「焼いていない豆腐で作ったものとはまた違う」との事で興味をそそられたため、再現することにしました。
『豆腐百珍』に詳しいレシピがあり、作中でも大体のコツや味付けが書かれていましたので、早速その通りに作ってみようと思います!
ということで、レッツ再現調理!
まずは、豆腐の下ごしらえ。
固めに作られた木綿豆腐の水気を一晩かけてしっかり切った後、魚焼きグリル(←使えない時は、フライパンで水分をふき取りつつ両面を焼くのもありだと思います)で両面をじっくりこんがりと香ばしくなるまで焼き上げます。


その間、色んな節を煮出して出汁を濃いめにとったり、調味料を卵を準備したりしておきます。
実は、江戸時代末期のお江戸でも鰹節はまだまだ贅沢品の部類で、鰹節以外にもサバ節や宗田節もブレンドした雑節でお出汁を取るのが庶民では一般的だったという文献を読んだことがあったので、色んな節がブレンドされた雑節でお出汁を取りました。
あと、醤油もせっかくなので当時の味に近いものを使用したかった為、「幕末のソイソース」という、むろや醤油様が江戸時代の技法で作られた天然醸造の醤油を用意しました。


次は、煮込み作業。
小鍋(又は底の深いフライパン)へお出汁、醤油、みりんを注いで火にかけ、沸騰したら先ほどの焼き豆腐を手で食べやすい大きさにちぎりながら入れて弱火~中火くらいの火加減でコトコト煮込みます。
豆腐の内側に熱が通り、味が染みてきたら溶き卵を回しかけ、半熟になるまで火にかけます。


卵がとろりと半熟になったらすぐに火からおろし、おつゆごとお皿へ移して仕上げにすった山椒をパラッと散らせば“小竹葉豆腐”の完成です!

柑橘類の皮を思わせる山椒のさわやかな香りが食欲をそそります。
正直、煮奴を卵でとじて作る卵とじ豆腐これまで何度も作ったことがあるので、そこまで味が違うのだろうか?とく懸念はちょっとありますが、明らかにいつもとは雰囲気が違いますので、どんな味がするのか楽しみです。

それでは、熱々の内にいざ実食!
いただきまーすっ!

さて、味の感想ですが…普段作っている卵とじ豆腐とほぼ同じ材料なのに、全然味と印象が違っていてびっくり!じっくり手間をかけて作る大切さを再認識しました!

汁の見た目があまりに黒くて塩っぱそうに思っていましたが、実際は尖った塩分は全く感じず、大豆由来のあっさりながらも濃密なコクの方が強く伝わるのが印象的(←江戸前のそばつゆは辛めなので、似ているようで正反対な味)。
くっきりしつつも優しい甘辛さで、濃い目に引いた魚類の出汁も相まりやや甘めで穏やかなイメージのそばつゆ風の味付けでした。
後で醤油を味見した所、再仕込み醤油みたいに塩気よりもまろみのある旨味が突出した味わいでしたので、この美味しさは調味料の良さも大きく関わっている可能性が高いです。
豆腐は長時間水切りした木綿豆腐の両面を固めに焼いたせいか、表側は大豆ミートを思わせるがっちりした噛み応えと濃縮した旨味が印象的な、肉々しい仕上がり(←鶏ひき肉の和風バーグに近い旨さ)。
内側はやはり豆腐っぽさはそのまま健在ですが、事前に水分を抜いたおかげで煮汁を限界まで含んだぷるぷるしっとりした舌触りが心地よく、同様に煮汁を吸ってふわふわになった甘い溶き卵と相性抜群でした。
砂糖ではなく味醂のみ使用の為、どことなく上品な後味なのも特徴的。
あと、今回地味に感心したのは粉山椒が豆腐や卵と非常によく合う事で、花山椒より刺激がないものの十分野趣溢れる清涼な香気と、繊細な辛味が全体をキリッと引き締めていました。
粉山椒ではなく小ねぎで代用してもいいんじゃ…と作る前は考えていましたが、あるのとないのとではすっぴんとばっちりメイクばりに違い、野暮ったさ皆無の洗練された一品になるので、粉山椒は必須です!
ご飯にかけても美味ですが、豆腐の旨味や食感がしっかりしているので、そのままでもいいおつまみになります。
焼き加減をもう少し控えめにしてふんわり仕上げても、また違った感じの味わいになるので、単純に見えて奥が深い料理だと感じました。
P.S.
kawajunさん、阿倍さん、774さん、波多野鵡さん、コメントをしていただきありがとうございます。
お久しぶりです、kawajunさん!とんでもないです、楽しい時間を過ごされているようで何よりです(
阿倍さん、一口サイズのハンバーグにパインを乗せてお弁当にしていたなんて、かわいくてお洒落ですね!私も間近で見ていたら、絶対羨ましそうな顔丸出しになっていたと思います…「うちのおかずと1個ずつ交換こしてくれない?」って言っていたかもしれませんw。楽しい思い出をお裾分けしてくださり、感謝いたします。
774さん、ブリヌイも実は前々から気になっていました!発酵させた生地って酸味がある物が多いですが、いくらとも絶対合うと思います。クラッカーにいくらを乗せたオードブル、昔雑誌でよく登場していましたね…世代的に「リッ〇パーティー!」と言っていた沢口靖子さんの懐かしいCMを思い出しました。
波多野鵡さん、何と…それは災難でしたね。昨年末頃も体調を崩されたことをお聞きしてハラハラしたことが、つい昨日のことのように思い出されます。回復されてからも、しばらくは体調不良になりやすいと聞いておりますので、お体どうぞご自愛ください。それにしても、引退されて連絡が取れない事が電子書籍にならない理由だったりするのですね…考えてみたら至極当然な気もしますが、それはそれで大変心配になる理由です。相変わらず興味深いグルメ書籍を教えていただき感謝です、早速検索してみます!
●出典)『うらめしや』1巻 魔木子/双葉社
『うらめしや』8巻 魔木子/双葉社
『うらめしや』9巻 魔木子/双葉社
『うらめしや』10巻 魔木子/双葉社
『うらめしや』16巻 魔木子/双葉社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。
※レシピの分量や詳しい内容は、以前こちらでご説明した通り完全非公開に致しております。