『しょうゆさしの食いしん本スペシャル』の“マルタイラーメンのれいめん”を再現!
- Tue
- 23:50
- 再現料理
お洒落な方なので、話題の新しい店に案内した方がいいかと考えていたのですが、「資さんうどん(←北九州発祥のチェーン系ローカルうどん屋)でごぼう天うどんを食べたい!」とリクエストされた為、少しびっくりしました。
何でも、関東にはごぼう天うどんを扱っているお店はほぼなく、たまに見かけてもかき揚げタイプで福岡にあるごぼう天のように分厚くないのでずっと食べたかったとおっしゃっており、なるほど…と思いました。
ご馳走よりも、こういう日常的な食べ物の方が「無性に食べたい度」が高いのかもしれません。
どうも、同じ福岡県内で引っ越しただけなのに、ラーメンスープの味・麺の太さ・サイドメニューの顔ぶれがガラリと変わり、深刻なラーメン飢餓状態になっている当ブログの管理人・あんこです。
本日再現する漫画料理は、『しょうゆさしの食いしん本スペシャル』にて著者のスケラッコ先生が暑い夏に作るなんとなクッキング料理・“マルタイラーメンのれいめん”です!

『しょうゆさしの食いしん本スペシャル』とは、著者のスケラッコ先生が「しょうゆさし」というデフォルメ自画像キャラを使い、食に関する日常を描いたグルメ系コミックエッセイです!
大判コミックで全ページフルカラーという豪華絢爛な一冊で、色鮮やかな料理の描写には非常にそそられるため、空腹時や夜中には要注意な作品。
食べた事がない食品でも、スケラッコ先生は
pixivで大好評だった作品に書下ろしが40ページプラスされて発行されており、レシピ編・おすすめ商品編・グルメ旅行or食べ歩き編に大きくわけられるのですが、どれも食べる事を心から愛するスケラッコ先生の熱意がこれでもか!と言わんばかりに伝わってくる為、飛ばし回が一切なく一気に読み進められました(←完全に独りよがりな偏見で恐縮ですが、「SNSで大ヒット!」「フォロワー〇万超え」「Twitter 累計〇万いいね! 」と言われる無料ネット漫画ほど単行本になると苦戦する事例は珍しくないと思うのに、今作はむしろ紙の単行本を待ち望んでいた声が多いのがすごいです)。
まだコロナが日本で騒がれ出す前だった、2015年~2019年末までの食やお店の記録が魅力的に描かれており、世界が一変してしまった今読むと何とも懐かしい感慨深い気持ちになれますので、かつての平和な時代を思い返したい方にもおすすめの一冊です。


グルメ本というと、色んな意味で愛すべきバイブル『美味しんぼ』程極端じゃなくても、各々が持つこだわりや生き方がセットで主張される事が多数で、その押し付けがたまに息苦しく感じることもあるのですが、スケラッコ先生の描くグルメエッセイにはそういった湿度の高いモヤモヤ感は皆無!
ものすごくお洒落とか丁寧とか体によさそうとか、そういったウケのよさそうな華々しい要素はないのですが(←※断じてディスっている訳ではありません)、ふとした時に「あれ食べたいな」「さっと作れそう」と後々思い出すような、等身大で身近で、それでいて食欲が刺激される料理ばかりで、見ていて楽しいだけでなくかなり実用的な漫画だと感じます。
フライドポテト、ポテトチップス、こってりパスタ、ソース焼きそば、回転すし、たらこうどん、オムライス、チャーハン、卵かけご飯、麻婆春雨、チーズトーストなど、お米や小麦の肩身が狭いこのご時世で炭水化物が主役のレシピが大量に出てくるファンキーなラインナップがたまらない感じで、一日ぐらい野菜を抜いたからって死にはしないと心が軽くなるのもポイントが高いです。
また、「カレーペーストを炒ったら煙が凶器」「551の豚まんの下は肉汁が染みてしっとり」「鶏もも肉をフォークで刺す時のドキドキ感」など、体験したことがないとわからない日常での小さな気づきが細やかに書かれるのもいちいち共感できて楽しく、食べ物要素が強い日常系漫画としても読めるのがよきでした。


今回ご紹介するのは、「れいめん」の章で作られていた“マルタイラーメンのれいめん”!
作り方は簡単で、マルタイラーメンの調味油・粉スープ・砂糖・醤油・お水をお皿であらかじめ混ぜておき、そこへ茹でて冷水で締めておいた麺を投入して和え、その上にほぐしたカニカマ・切ったトマト・小口切りにした小ねぎを乗せてマヨネーズを回しかけたららもう出来上がりです。
ポイントは、お皿は大き目で少し深さがある物を使用すること、つけだれは麺を合わせる前にしっかり混ぜておくことの二点で、時間をかけずササッと用意するのがミソみたいです。
マルタイラーメンは袋の裏面通り作るのが一番、アレンジはせいぜい煮ている時に卵を落とすくらいのものと考えていた為、まさかの冷やして食べるという発想には衝撃を受けましたが、実は最近パッケージで「冷やし中華作れます!」とアピールするようになっており、ちゃんと作り方まで裏面に記載するようになっていました。
しかし、スケラッコ先生がこちらのレシピを考案したのはそれよりも前、その上お酢を使わないバージョンという斬新さで、「そうか、麺はノンフライだしスープに油分があまりない分、むしろ冷やし向きなのかもしれない」と目からウロコが落ちたものです。

先日、スーパーでマルタイラーメンがセールで安くなっていた為、最近暑くなっていたのもありちょうどいい機会と考え再現することにしました。
作中には分量付きの詳細なレシピが記載されている為、早速その通りに作ってみようと思います!
ということで、レッツ再現調理!
まずは、マルタイラーメンの下準備。
大きめで底も深めなお皿に、マルタイラーメンの粉スープ、調味油、醤油、砂糖、お水を入れてよく混ぜ、麺を味付けするつけだれを用意しておきます。
麺は、袋の裏にある規定時間(←冷やし用は4分茹でてくださいと書かれていました)通り茹で、時間が経過したら手早くザルに移して冷水で面全体をキュッと冷やし、水気をよく切ります。
※マルタイラーメンは沸騰時、いきなり泡がぶくぶくしてかなり吹きこぼれやすいので、要注意です!



その間、具の下ごしらえ。
カニカマは手で食べやすいサイズになるようざっとほぐし、トマトはヘタを切り取って賽の目切りにし、小ねぎは小口切りにします(←トマトを切った時に出る汁も、つけだれに混ぜます)。


麺をつけだれ入りのお皿へ入れてよく和え、その上へトマトとカニカマを飾り、最後にマヨネーズを絞って小ねぎを散らせば“マルタイラーメンのれいめん”の完成です!

色味が赤ばっかりと作中で突っ込まれていましたが、小ねぎとつけだれとマヨネーズのおかげか、そこまで気になりませんでした。
パッと見ではマルタイラーメンとは思えませんが、果たして味はどうなのか…ちょっと想像がつきません。

それでは、マヨネーズをなじませるよう軽く混ぜ混ぜしてからいざ実食!
いただきまーすっ!

さて、味の感想ですが…斬新ながら癖になる新しい美味しさで感動!夏になる度リピートしたくなる立派な麺料理です!

冷麺系はお酢がキリリと効いたシャープな味付けが多いですが、こちらは冷やしそうめん同様全くと言っていい程酸味がない為、酸っぱい麺が苦手な方でも食べられそうだと感じました。
冷やし中華よりも冷やしラーメンに近く、シンプルであっさりした正統派醤油味のスープと、まっすぐでコシのあるノンフライ中細麺の相性は冷えてもやはり抜群です。
マルタイラーメンの弱点は、今時珍しいくらい硬派でくどくないさっぱりした味わいの為、お腹がペコペコな時に食べると若干物足りないところですが、こちらはマヨネーズの油分がそこそここってりした食べ応えとまろやかなコクをプラスしており、見事に弱みをカバーしていました。
よ~く味わうと、ちょっとだけジャンキーなインスタント豚骨スープっぽい後口がするのが面白く、冷やし麺にマヨネーズのトッピングは標準にしたい程気に入りました(←後入れでいつでも濃さを調節可能なのもポイント高し)。
サラダうどんの中華バージョンというイメージで、トマトのフルーティーな汁気がほのかな甘酢っぱさをプラスしていいアクセントになっており、ちょうどいい具合にメリハリのある味付けでした。
回転寿司のアレンジ軍艦物でお馴染みのカニカママヨの組み合わせも中華麺にぴったりで、ボリューム感があり良かったです。
味変でお酢・すりゴマ・辛子を加えても当然の如く合いましたし、もう少し具材が欲しい時は茹で卵や千切りきゅうりをプラスしてもナイスでした(←ただ、そうするとせっかくの手軽レシピが少し手間がかかるようになってしまうのが難点…;)。
他にも、マルタイラーメンは油そば風や焼きそば風にしても美味しいらしいので、色々試してみたいな~と探求心が刺激された再現でした。
P.S.
テンキーさん、キンメさん、業務スーパーファン さん、コメントをしていただきありがとうございます。
テンキーさん、『フェルマーの料理』を教えてくださりありがとうございました!本当に、思い出すたび無性に食べたくなるナポリタンですよね…特別な調味料がいらず、手軽に作りやすいのもポイント高いです。最近、生タイプのリングイーネでも試してみましたが、乾麺とは一味違った吸いつくようなモチモチ食感になり、これはこれで美味しかったです。
キンメさん、近年グルメ漫画は従来のトーナメントorバトル物とは違った切り口の物が増えてきており、それはそれで面白いな~と感じております。めんつゆは各会社によって個性が違っているのが面白く、新製品があると私もつい手に取ってしまいます。細いスティックタイプのポテトもいいですが、ナチュラルカットはジャガイモのホクホク感がダイレクトに伝わってくるのがたまらないのでおすすめです。
業務スーパーファン さん、めんつゆ調理は慣れると本当に便利でなんにでも使えますよね~!冷凍ポテトをシチューやジャーマンポテトに入れたことはまだないので、早速試したいです。脂っこいと思いきや、程よいコクが料理に深みを与えるのに気付いたため、私も生のじゃがいもを使う機会が減りそうで恐ろしいです;。
●出典)『しょうゆさしの食いしん本スペシャル』 スケラッコ/リイド社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。
※レシピの分量や詳しい内容は、以前こちらでご説明した通り完全非公開に致しております。
『めんつゆひとり飯』の“めんつゆと冷凍ポテトの肉じゃが”を再現!
- Sat
- 23:50
- 再現料理
陶器の瓶に入れられた高級品として売られていた為、ごく一部の富裕層の手にしかわたっていなかったみたいですが、その中でも大いに気に入っていたというのが何とあのルイ十四世で、ヴェルサイユの宮廷料理人たちが肉料理の隠し味に使っていたというのには驚きを通り越して感動しました。
現代の照り焼きソースやすき焼きをルイ十四世が食べていたらどんな反応だったのだろうと思わずにはいられません。
どうも、軽い気持ちで購入していた幕末のソイソースの味が好みドンピシャで、最近は何にでもかけて食べている当ブログの管理人・あんこです。
本日再現する漫画料理は、『めんつゆひとり飯』にて主人公・面堂露さんがある日の夕食に作った“めんつゆと冷凍ポテトの肉じゃが”です!

『めんつゆひとり飯』とは、筋金入りのめんどくさがり屋で「全力でラクに済ませたい」がモットーの26歳OL・面堂露さんが、美味しく健康的で手間いらずな自炊を追求して辿り着いためんつゆ料理で日々楽しく過ごす様子を描いた、前代未聞のめんつゆ専門四コマ料理漫画です!
これまで、肉・魚・野菜・カレー・スープ・味噌汁・お好み焼き・ハンバーガー・チャーハン・キャンプ飯・燻製・コンビニ食・精進料理・おかゆ・駄菓子・雑食系など、強力な題材限定のグルメ漫画が登場しましたが、今作は調味料縛り、それもめんつゆ一種類が主役という異色の料理漫画で、度肝を抜かされました;。
数年前、「料理にめんつゆを使う女とは付き合えない」というツイートが話題になり、色んな意見が飛び交っていたことがありますが、裏を返せばめんつゆで料理するということはそれ程ありふれていることなのだと思います。
自炊をする人間にとって、最初から醤油・砂糖・みりん・お出汁が黄金比率で組み合わされているめんつゆは頼もしい相棒、そして時短調理界の神ですので、同じ混合調味料なのになぜか料理に使っても邪道扱いされないポン酢と同じくらい市民権を得てほしいものです(←
めんつゆだからといって和食メニューだけではなく、他の調味料との組み合わせによって洋食・イタリアン・中華・エスニックなど作中では無限大の広がりを見せていましたので、自分の作る自分の味に飽きた、けれども外食する程ではなく凝った料理に挑む気力もない時に、非常に参考になる作品です。

露さんのめんどくさがりは生まれつきの資質だったそうで、幼少期から学校への最短の道のりを探す為けもの道を歩いたり、廊下の雑巾がけを両手両足計四枚使って一気に終わらせようとしたりなどやりたい放題で、超がつくレベルの横着っぷりで苦笑しました(←現代だったらルンバを学校に持ち込みそうです)。
しかし、意外にも露さんは入社当時から要領がよく機転がきき、同期全員と一番最初に打ち解ける程コミュ強かつ器用なタイプで、露さんとは反対に何でも手作りする真面目で料理上手な人妻社長秘書・十越いりこさんから一目置かれています。
発言や行動はやる気がなさそうに見えるもののやるべき事はちゃんとする、「面倒なことをできるだけ早く終わらすために作戦を練るのがうまい」と評された『NARUTO』の奈良シカマルに近い物がある主人公だと感じたものです。
なお、料理はほとんどめんつゆしか使わないと豪語する露さんですので、常備しているめんつゆにはさぞかしこだわりがあるのではと初見時は予想していましたが、基本めんつゆはどれでもいい派で、その理由を「クオリティ安定がめんつゆの良さだし、種類とか使い分けとかこだわるタイプならめんつゆで料理してない」という至極当然な発言をしており、妙に納得しました。


今回再現するのは、記念すべき第一話目で紹介された“めんつゆと冷凍ポテトの肉じゃが”!
作り方は簡単で、バターを溶かしたフライパンで牛コマ肉・にんじん・玉ねぎ・いんげんを炒め、結びしらたき・めんつゆ・お水を加えて煮込み、途中ナチュラルカットタイプの冷凍フライドポテトを投入してひと煮立ちさせたらもう出来上がりです。
ポイントは、冷凍フライドポテトは凍った状態のまま使うことで、下手に解凍するより直接入れた方がグズグズにならずおいしく煮えるようです。
冷凍ポテトを煮物に!?と始めは衝撃的でしたが、ネットで調べてみると、冷凍ポテトは味がついていない上ある程度熱が通っている為アレンジしやすいそうで、煮物だけではなく炒め物やグラタンなど様々なアレンジ料理が見つかりました。
露さん曰く、「前に居酒屋で食べたんだー素揚げしたジャガの煮物。試しに冷凍ポテトで作ったら出来たの」とのことで、一見ズボラそうに見えてこの発想力と応用力、本当はかなりデキる女性なのでは…と思ったものです。


煮物を久々に食べたいと思いつつも億劫に感じていた時、こちらの料理を思い出して再現することにしました。
作中では大体のレシピが記載されていましたので、その通りに作ってみようと思います!
ということで、レッツ再現調理!
まずは、炒め作業。
お鍋か底の深いフライパンへバターを入れて中火にかけ、牛コマ肉を入れてざっと炒めます。
牛コマ肉にバターが染みて焼き色がついてきたら、それぞれ食べやすい大きさにカットしておいたにんじん、玉ねぎ、いんげんを投入し、炒め合わせます。



次は、煮込み作業。
にんじんにやや火が通ってきたら結びしらたき、めんつゆ、お水を加え、弱火~中火でコトコト煮ます(←めんつゆによって濃縮率は異なりますので、各々の裏面に記載されている比率でめんつゆとお水の量を決めます。ちなみに、当管理人は今回こちらを使用しました)。
ひと煮立ちしたら、ナチュラルカットタイプの冷凍フライドポテトを凍ったまま投入し、さらに煮込みます(←前回に引き続き回し者かと思われそうですが、Heinzの青袋がおすすめです)。
※この段階で落し蓋をしたり、一回火を消してから時間を置き再度火にかけると、煮汁が浸透しやすくなります。



時間が経って全体に火が通り、煮汁が染みたのを確認したら火からおろし、器へ盛り付ければ“めんつゆと冷凍ポテトの肉じゃが”の完成です!

パット見だと手抜き要素はなく、香りも含めてめんつゆだけのずぼら調理とは思えない正統派な感じで、強いて言うならじゃがいもの切り方が変わっているかな?と思うくらいです。
普段、肉じゃがは牛肉・じゃがいも・玉ねぎ・糸コンのみのシンプルレシピを採用しているので茶色い見た目になるのですが、こちらはにんじんやいんげんが入っている分色鮮やかで、ちょっと嬉しい気持ちになりました。
めんつゆだけの思い切りがいい肉じゃがはどんな味がするのか、ドキドキします。

それでは、熱い内にいざ実食!
いただきまーす!

さて、味の感想は…味付けがほぼめんつゆだけとは思えない程よく出来た一品!まさに「ちゃんとは作ってないけど、ちゃんとおいしい」煮物です!

基本上品系のあっさりした甘辛い出汁醤油味ですが、バターでこってりしたコクと風味がついている為、後味は意外と洋風でそこそこガッツリしているのが特徴的。
肉を煮物にするとパサパサになりがちですが、こちらはバターがしっかり浸透して濃厚な旨味があり、ご飯が進みました。
プロが作るお店の煮物みたいに甘い辛いが際立ったメリハリのある旨さではありませんが、家庭の味が名物のお惣菜屋さん系の優しいおいしさで、癒やされます。
フライドポテト使用なので油っこくないかと心配しましたが、冷凍前はあくまで軽く揚げただけのせいか、ほぼほぼ気になりません。
短時間調理でも長時間煮込んだようなホコホコ感と味の染み込み具合で、口当たりがホロリと柔らかかったです(←ナチュラルカットで皮付きの為、素揚げした新じゃがの煮物に近い気がしました)。
糸こんではなく結びしらたきなのも一口で食べやすく、煮汁をたっぷり絡めているのが気に入りました。
にんじんのほっくりした甘さやいんげんのシャッキリした食感もいいアクセントになっており、こういう具沢山な肉じゃがもいいなと思ったものです。
また、個人的に濃いめの味が好きなのでどうしても料理の塩気が強くなりがちなのですが、こちらはめんつゆだけと決めて作ったせいか塩分控えめで、最終的にちょうどいい塩加減になるのがよかったです。
途中、何度も醤油やら日本酒やら砂糖やらを足したくなりムズムズしましたが、余計な味足しなどせずとも十分美味でほっとしました(←ただ、めんつゆの品質によって仕上がりにかなりの差がありそうなので、激安系のめんつゆはよした方がよさげです)。
夫にも試食してもらったところ、味付けがめんつゆだけとは気づかず、種明かしをすると感心していました。
一晩経って味がよりなじんだ肉じゃがもおいしかったので、少し多めに作ってもいいかもしれません。
P.S.
とくらこさん、ほーりーさん、無記名さん、コメントをして下さりありがとうございます。
とくらこさん、私も当初無料お試しを読んだのですが、ナポリタンの魅力的な描写や「もっと続きを読みたい!」というフック力が強く、迷わず単行本を購入しました!おっしゃる通り、画像の量では物足りず、すぐおかわりをしました;。一度他のケチャップで試したりもしましたが、オランダ製のHeinzを使って作るのがやはり一番おいしかったです。
ほーりーさん、私もあのシリーズを読んだ方が身近にいらっしゃってすごく驚きました!周囲に聞いても誰も知らず、Amazonで見るとすごくプレミアがついて度肝を抜かれましたので、小ネタをわかっていただけて大変嬉しかったです(←アイスクリームはかせも悪魔のスパゲティも持っています!)。あれから時間が経ち、おにぎり恐怖症もとけてきたので、おにぎりだけでなく他の料理も再現してみたいです。
無記名さん、だいぶ昔の記事にコメントして頂き恐縮です。卵黄を味噌に漬けて放置するだけなのに、本当に宝石みたいな輝きになるんですよね…再現した時は感動しました。見た目の美しさだけではなく、味も(美食俱楽部の本物には及ばないとわかっていますが)未だに思い出せるくらいおいしいので、たまに無性に食べたくなります。
●出典)『めんつゆひとり飯』 瀬戸口みづき/竹書房
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。
※レシピの分量や詳しい内容は、以前こちらでご説明した通り完全非公開に致しております。
『フェルマーの料理』の“理想のナポリタン”を再現!
- Thu
- 23:50
- 再現料理
洗濯物を干すのは室内、生活用品の購入も通販で済ませるようになってからというもの、どんどん堕落している気がしています。
思ったより食材の減りが遅かったり、夫と休日が合わない日が続いた時など、約2週間近く家から出なかった時もあり、ある意味自ら望んで
どうも、先日久々に外出して桜を目の当たりにし、やっと春の訪れを感じた当ブログの管理人・あんこです。
今回再現する漫画料理は、『フェルマーの料理』にて主人公・北田岳君が自分なりの「式」を見つけて辿り着いた“理想のナポリタン”です!

『フェルマーの料理』とは、この世の真理を数式によって見出せるような数学者になりたいとずっと憧れ、あらゆる数学コンクールで金賞を受賞する程天才的頭脳を持っていたものの、18歳で参加したある数学オリンピックの会場で「僕は…なれない」と唐突に悟った主人公・北田岳君と、夢破れて学園内の食堂でバイト中だった岳君がしていたある工夫に非凡さを感じ、「お前の数学的思考は料理のためにある」とスカウトした若き天才料理人・朝倉海さんがおりなす、数学と料理のマリアージュというありそうでなかった新感覚料理漫画です!
実は、前作『てんまんアラカルト』と同じ世界のお話で、最終巻から約5年時が流れた設定になっています(←『てんまんアラカルト』が連載終了したのは2013年、『フェルマーの料理』が連載開始したのは2018年ですので、現実世界の時の流れとほぼ同じです。粋です)。
しかし、前作の主人公・七瀬蒼司君を始めとする主要キャラは一切登場しておらず、唯一、蒼司くんの親友でクールな優等生サブキャラ・朝倉海さんだけが中心人物として再登場しております(←時系列が同じ作品で例えるなら、『ドラクエ』シリーズや『ドラゴンボール』のように主人公の子孫が主役を継ぐタイプではなく、『幻想水滸伝』のように前作主人公以外の血統が主役になるタイプのお話ですね)。
最終回に意味深かつ衝撃的な退場をしていましたが、あれから何があったのか、23歳という若さで「高校中退後本場フランスのパリで修行し、スーシェフとして最先端のフレンチシェフとして活躍」「帰国後すぐ都内で開いたレストランは、史上最年少で一つ星を獲得」「ジャパンフレンチの新星」という、異世界転生したなろう系主人公ばりにチートキャラになっていました。
元々才能はあったものの、それでは追い付かないくらいの凄まじい成長で、思わず『ベルセルク』のグリフィスみたいに蒼司君達を贄にして使徒になったのかと心配になりました。
というのも、18歳の時は大人びていたものの常識的なキャラだったのに、今では冗談抜きで最終回の「あの人」に何か捧げたとしか言えないレベルで暗黒面に堕ちた人格となっており、かなりエキセントリックになっていた為。
「宇宙史上まだ誰も発見していない唯一無二のレシピを築き上げること」「料理の歴史は人類の歴史そのものだが、先人の築き上げた歴史をおれの手によって分断する。すなわち、俺以前と俺以後に」という、イエス・キリストばりに壮大な存在になる野望を抱いており、それに役立たない人間は利用するだけして躊躇なく切り捨てるという、ネット上でよく極悪非道と呼ばれる『鉄鍋のジャン』の秋山醤以上に容赦ないキャラに変貌していて岳君から何度もドン引きされていますので、前作の伏線回収も含め目が離せない作品です。

そんな海さんとは正反対と言ってもいい人物が、今作主人公の岳君。
普段は内気で押しが弱い草食系男子っぽい性格ですが、数学や料理の事になると途端に生き生きとするのが見ていて微笑ましく、『てんまんアラカルト』以上に癖も気も口調も強い登場キャラばかりの中において、貴重な癒し要素です。
この岳君の最大の武器は、「綿密な計算と理論をもって一品にむかう」と評されている通り、「数式の正誤が<分かる>じゃな<見える>」という根っからの数学脳(←実際、下の画像にある通り岳君は物でも人でも数式が目の前に浮かんで見えるそうで、まるで『DEATH NOTE』で人の寿命が浮かんで見えた死神みたいな能力だと感じました)!
主観的な感覚という要素も大事にしつつ、どんな理論を使えば無駄なく美味しい「式=レシピ」が成り立つかと悩み、時には失敗しつつも着実に数式を組み立てて成功していく描写は、これまでにないもので非常に新鮮でした。
通常、漫画界ではこういう頭脳に頼りがちなデータ系キャラは敵サイドの方に多い存在で、大抵データを上回る超人的成長を見せる主人公サイドに敗北するのが非常に多く、ワンパターンだと感じていたので驚いたものです(←『テニスの王子様』の乾さんが有名ですが、『HUNTER×HUNTER』に出てきた187番のニコルさんも地味に忘れられないです)。
また、今作は料理漫画では珍しくバトル要素やトーナメント開催がなく、冗長にならずテンポよく話が進むのが個人的に高ポイントなので、いろんな方にお勧めしたいです!

今回再現するのは、記念すべき最初のエピソードで海さんに拉致された岳君が一縷の望みを託して作っていた“理想のナポリタン”。
作り方は意外と簡単で、油をひいて熱したフライパンで玉ねぎ→ウインナー→ピーマンの順に炒め、具が炒まったら片側に寄せてケチャップをフライパンに直に入れて混ぜ、最後にマヨネーズと白ワインビネガーを和えて冷やしていおいたスパゲティーを投入して炒め合わせたら出来上がりです!
ポイントは、スパゲティーは1.8~1.9ミリの太さの乾麵を使用すること、袋に記載された時間より2分長く茹でて氷入りの冷水で締めること、水気をきったスパゲティーはマヨネーズと白ワインビネガーでマリネして冷蔵庫でさらに冷やすこと、玉ねぎは飴色になるまで炒めてメイラード反応を起こすこと、ケチャップを入れる時は必ず具を片側に寄せてからフライパンに直に触れるようにして入れて香ばしさを出すことの5点で、こうすると思い出として美化されているナポリタンの味に追いつく旨さに仕上がるとのことでした。
ナポリタンに使う麺は柔らかいほうがいいのは既に周知されていますが、それでもオリーブ油を和えて寝かせる方法が主流の為、マヨネーズと白ワインビネガーを使うというアイディアは初耳でびっくりしました(←何でも、マヨネーズは既にお酢と油と卵が乳化されている為、表面をコーティングするだけでなく風味付けもできるとのこと)。
おまけに、味付けも実質ケチャップしか使わない質素さも前代未聞で、これまでウスターソースや醤油を隠し味に使っていた身としては半信半疑で読んだものです。
あと、これに加えて岳君が「誰でもやっている」と考えて無意識にやっていた工夫が、人が最も心地よく感じ料理への期待が高まるとされる45度に温めたフォークで、これが決定打となって海さんは岳君に数学と料理の才能があると確信したと語られていました。


最近無性にナポリタンが食べたくなったものの、マンネリ化した自分のレシピで作るのは抵抗があり迷っていたのですが、作中の描写を見て挑戦したくなり、再現することにしました。
単行本には分量付きの詳細なレシピが記載されていますので、早速その通りに作ってみようと思います!
ということで、レッツ再現調理!
まずは、パスタの下準備。
1.8~1.9ミリの太さの乾麵スパゲティをあらかじめ塩を溶かしておいた熱湯の鍋に入れ、指定されている時間よりも2分長く茹でます。
スパゲティが茹で上がったらザルにあけ、氷入りの冷水でよく締めてきっちり水気をきった後、マヨネーズと白ワインビネガーを混ぜておいたボウルへ加えマリネし、そのまま冷蔵庫で冷やして寝かせます。



次は、炒め作業。
皮や根っこをとった玉ねぎは繊維にそって薄切りに、ウインナーは斜めに薄くスライスし、ピーマンは種とヘタを取り除いてから縦にやや狭い幅へとカットしておきます。
野菜をすべて切り終えたら、油をひいて熱したフライパンへ玉ねぎを入れて飴色になるまでじっくり炒め、続けてウインナーを投入して混ぜます。



ウインナーがうっすら肉汁が浮くくらいまで焼けたらピーマンも加えて炒め合わせ、全体に程よく火が通ったのを確認したら一旦具材をフライパンの片側に寄せ、熱されたフライパンの面へ直接ケチャップをかけて火入れします。
この時、すぐに具材と和えず、具材のエキスがこびりついたフライパンの肌にケチャップをそわせながら混ぜ、ちょっとだけに詰めるようにして火を通すと、ソースがより味わい深くなります。
※作中では明記されていませんでしたが、調理中の絵から察するにHeinzのケチャップが使用されていると考えてほぼ間違いなかった為、そちらを使用しました。



片側に寄せた具材を中央に戻してケチャップソースソースを和えたら、そこへ冷蔵庫で冷やしておいたスパゲティを投入し、隅々までしっかりと絡め合わせます。
その間、45度前後のお湯を張った容器へフォークを入れ、食べる直前まで温めておきます。


スパゲティにケチャップソースや具材が行き渡ったのを確認したら火からおろし、そのままお皿へ盛り付ければ“理想のナポリタン”の完成です!

作中で言われていた通り、トマトの香りがいつも作っているナポリタンの物より強く香ばしい印象で、ケチャップだけでこの香りが出るのはすごいと思いました。
いつもはもっと調味料を使ったり、スパゲティはアルデンテにしたりと全く違うレシピで作っているので味の想像がつきそうでつかず、どんな仕上がりなのか興味深いです!

それでは、45度に温めたフォークでスパゲティを巻き、いざ実食!
いただきまーすっ!

さて、味の感想は…「ずっとこんなナポリタンを求めていた!」と頭と舌にガツンときた郷愁溢れる旨さ!ありきたりな定番を極限まで追求すると、遂には非凡になると痛感する一皿です!

「ケチャップうどん」と表現される事がある程、ナポリタンは麺の柔らかさが重視されている料理ですが、こちらは昔懐かしいあの心地よいもっちりした弾力に加えて爽やかなツルツル感があり、一歩間違えれば野暮ったくなるモッチャリ感がまるでありません。
白ワインビネガーやマヨネーズの効用か、ほのかな酸味とまろやかな油分が絡んだ麺はそれ単品で既に美味しく、後を引く味付けに一役買っていました。
また、鍋肌で直接炒めつけられたケチャップは、高温によってトマトの瑞々しい甘さや香りが凝縮されて蘇っており、華やかと表現したくなるフルーティーな味わいがたまりません(←後でHeinzのケチャップを味見したところ、他社に比べてスパイシーかつトマト感が強い味でしたので、それもこの特別感のある味に関係していそうだと推測)。
ここに、メイラード反応が起きた飴色玉ねぎの香ばしいコクやウインナーの肉汁の旨味がしっかり溶け込むと、ケチャップだけで味付けしたとは信じられないくらい凝った美味しさになっていました。
この深みがありつつもしつこくない、絶妙な塩梅の甘酸っぱいソースは、新感覚で衝撃的です。
そんな中、甘苦いフレッシュなピーマンと肉々しいウインナーのカリッとした食感が柔らか麺の中でいいアクセントになっており、シンプルながらも癖になる組み合わせでした。
どの具材も比較的薄切りで、当初は不思議でしたが、そのおかげでケチャップがまんべんなくついて全体に統一感が生まれ、尚且つ麺と一緒に食べやすいのに気付いた時は、かなり感心したものです。
肝心の45度に熱したフォークですが、正直言われなければ「お、温かい」と気づきはするものの、そこまで派手に驚くほどの感動はありません。
しかし、料理へのワクワク感で夢中な時、冷たい金属の手触りで一瞬我に返るような、ある種の集中を乱すような事がないのはありがたく、地味ながらも効果的な盛り上げ要素だと思いました。
時間がある時、特別な一皿を出したい時には十分試す価値ありです。
ちなみに、夫もこのナポリタンは「うまかったな~」と後々思い出して言うくらい気に入っており、今後我が家の定番レシピにする予定です。
P.S.
ゆゆさん、無記名さん、コメントをして頂きありがとうございます!
ゆゆさん、当管理人も『丼なモンダイ!』は好きな作品なので、そうおっしゃってい頂けると嬉しいです。親鳥の挽き肉は、数年前までほぼほぼ店頭で見かけることがなかった為、相当ニーズがなかったんだと思います…。現在では、ネットショップで取り扱っている精肉専門店が結構ありますので、そちらでの検索をお勧めいたします。
無記名さん、精度の低い再現記事で申し訳ございません。『美味しんぼ』の“簡単うどん”も“山岡流夜食うどん”も、当時はさらに腕が未熟で微妙に違っていたと思います。最近、近所で“山岡流夜食うどん”で推奨されていた氷見うどんの取扱店を見つけましたので、そちらを使用して再現のやり直しをしてみようと思います。
●出典)『フェルマーの料理』 小林有吾/講談社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。
※レシピの分量や詳しい内容は、以前こちらでご説明した通り完全非公開に致しております。
『丼なモンダイ!』の“国崇特製・鶏挽き肉の親子丼”を再現!
- Mon
- 23:40
- 再現料理
菅原道真公は生前、牛との縁が強かったことから牛は天神様の使いで守護物とされており、少し前まで熱心な氏子さんは牛肉はご法度で代わりに鶏肉が食べられていたという話も残っているとのことで、衝撃を受けました。
そんなことを露知らず、牛丼やステーキを日常的に食べて太宰府天満宮へ参拝したりしていたから高校受験で志望校に落ちてしまったのかなと、この歳になってやっと合点がいきました(
どうも、一枚肉で南蛮酢にくぐらせてタルタルソースをかけたものでないとチキン南蛮と認めたくない狭量な当ブログの管理人・あんこです。
本日再現する漫画料理は、『丼なモンダイ!』にて主人公の国崇さんが三方良しになるよう考え出した“国崇特製・鶏挽き肉の親子丼”です!

米余り問題解消の第一歩として開店された、農林水産省直営という異色丼専門店・<丼ぶり一丁>で今日も元気に働く国崇さんと栞さん元へ、久々に栞さんのおじいちゃんが新米を届けにやってきます。
高名な料理人の息子が主人公・新人だけど味覚のセンスは抜群なヒロイン・気に入らない食べ物は徹底的にディスる登場人物・難しい社会問題を含め何でも料理で解決など、どことなく『美味しんぼ』を連想させますが、このおじいちゃんもその要素を強めている一人(
家族の誰よりもパワフルで強引で食べ物にうるさく、一見筋が通っているように見えてよくよく考えれば無茶苦茶な要求をするところが『美味しんぼ』栗田さんの祖母・たま代さんにそっくりで、ちょっとしたデジャヴを感じます;。
あと、周囲から無理難題を押し付けられて振り回される国崇さんの姿も『美味しんぼ』の山岡さんにもそっくりで、料理漫画の主人公というのは後光が差して見えるレベルで面倒見がよくないとやっていけない稼業だとしみじみ思いました。
ちなみに、下の画像はおじいちゃんが国崇さんに「貴様、それでも農水省の職員か!わしら農民の悩みを解決するのが貴様らの務めではないのか!」と現代の一揆チックに主張をしているシーンで、地元の市役所でたまに似たような場面に遭遇するなぁとノスタルジーに浸りました。

この日も、実は国崇さんに相談事があり、おじいちゃんの長年の友人で養鶏場の経営者・沢村さんが一緒に来て紹介されていました。
その内容とは、「産卵期を終えた老鶏の出荷先を紹介してほしい」というもの。
なんでも、この不景気が原因で沢村さんが老鶏を大量出荷していた取引先が倒産したそうで、在庫が大量に余っており困っているとのこと。
老鶏は別名:親鶏ともいい、若鶏は約50日くらいの飼育日数なのに対し、親鶏は採卵目的で450~750日ほど飼育される鶏で、鶏ガラからはいい出汁が出るものの肉質は硬く一般的な料理には向かない為、なかなか引き取り手が見つからないと作中で語られていました。
数年前、某SNSで「あるドイツ人の方が、なぜ日本人は<柔らかい=美味しい>なのかと言っていた」という話題が少し盛り上がったことがありますが、確かに日本人は噛み応えのある肉よりも柔らかい肉が好まれる傾向にあり、それは『ミスター味っ子』で陽一君の肉料理を褒める時、法子ママが「柔らかい!」を連発していたことからも明らかですので、この日本で硬い鶏肉を大量に売りさばくのは至難の業だと食品業界素人の当管理人でも容易に想像できたものです。
農林水産省のお役人なら食品関係の企業について色々情報を持っているのではと考えたおじいちゃんは、沢村さんを救いたい一心で国崇さんの元へやってきたようですが、公務員として特別に便宜を図ることは職務上禁止されている上、特に心当たりがなかった国崇さんはやむを得ず断っており、案の定おじいちゃんから詰め寄られていました(´Д`;)。
『カイジ』の利根川先生風に、「国家公務員は、お前らのお母さんではない」と言いたくなるシーンです。

しかし、偶然目にした妹・笑美さんの働く老人ホームの秋祭りポスターで、親鶏を誰でも美味しく食べられる丼料理を閃いて沢村さんから引き取ることにし、お祭り当日に屋台で皆にふるまいます。
その料理が、この“国崇特製・鶏挽き肉の親子丼”です!
作り方は簡単で、小鍋で甘辛いおつゆ・親鶏の挽き肉・玉ねぎ・絹ごし豆腐を入れて煮込み、溶き卵でとじてご飯に乗せ刻み海苔や三つ葉を散らしたらもう出来上がりです。
ポイントは、親鶏は細かく挽いて使用すること、玉ねぎはみじん切りにすること、絹ごし豆腐は小鍋の中で崩しておつゆになじませることの三点で、こうすると挽き肉も豆腐も玉ねぎも食感が同じになって一体感が生まれ、動物性と植物性のたんぱく質が入り混じって味が深まると同時にふんわり極上の親子丼になると説明されていました。
国崇さんが言うには、以前笑美さんからお年寄りの方でも食べやすく美味しい料理はないかと相談されていたおかげで、老若男女問わず簡単に咀嚼できる食材→挽き肉や絹ごし豆腐→親鶏を挽き肉にしたらいい出汁が出て味がよくなるとアイディアが次々と思い浮かんだそうで、まさに誰もが幸せになれる良案だと感じたものです。
鶏挽き肉の親子丼とは珍しいと以前は思っていましたが、実はかの三島由紀夫が最後の晩餐をしたことでも名高い老舗料理屋・末げんさんの名物料理だそうで、多くの著名人からも愛されてきたとのこと(←三島由紀夫の好物だったとしたなら、「文豪の愛した親子丼」という非常にそそるワードで呼べましたが、残念ながら特にそういう逸話はないみたいですorz)。
そんなエピソードを知ると、現金なもので一気に正統派料理に思えてきたのを覚えています。


最近、良質な鶏肉を扱うお店を見つけ、そちらで親鶏の挽き肉が手に入ると知ってから無性にこの料理を試してみたくなり再現することにしました。
作中には大体の調理工程が記載されていますので、早速その通りに作ってみようと思います!
ということで、レッツ再現調理!
まずは、煮込み作業。
フライパン(又は小鍋)に出汁・醤油・みりん・砂糖などで作った甘辛いおつゆを入れて火にかけ、そこへ親鶏の挽き肉とみじん切りにした玉ねぎを投入し、弱火~中火でゆっくり煮込みます。


挽き肉と玉ねぎに煮汁がなじんできたのを確認したら、軽く水気を切った絹ごし豆腐を加え、菜箸で細かく突き崩してさらに煮込んでいきます。
やがて、豆腐に味が染みてきたら、溶き卵を回しかけて半熟になるまで火を通します。



この具を丼によそった炊き立てご飯の上へ滑らせるようにして乗せ、仕上げに刻んだ三つ葉と海苔を中央に散らせば“国崇特製・鶏挽き肉の親子丼”の完成です!

煮る前、親鶏の挽き肉はややオレンジがかった濃い色合いで、若鶏の挽き肉とは見た目からして違うと感じましたが、煮込んだ後だと全く見分けがつきません。
見るからにほんわり柔らかそうな煮卵や豆腐、挽き肉が食欲をそそり、どんな味なのかワクワクします!

それでは、温かい内にいざ実食!
いただきまーすっ!

さて、味の感想は…新感覚でありながら定番化間違い無しの王道的美味しさの親子丼!親鶏の弱点を見事に長所に逆転させています!

若鶏のひき肉に比べ、親鶏のひき肉は確かにやや硬く引き締まった歯触りですが、細かく刻まれているおかげでそこまで気にならないどころか、つくね軟骨に近いコリコリしたアクセントが心地よく、単に柔らかいだけの単調な味にならずに済んでいました。
引き締まっていて噛めば噛むほど旨味が出る肉質の親鶏は、その昔食べた地鶏の炭火焼きみたいな醍醐味があり、ジューシー感やフレッシュ感に欠けるのを補って余りあります。
その上、若鶏よりもぐっと奥深い脂分と出汁が全体に効いており、普通の親子丼よりも濃厚で、あっさりしつつこってりという後味になっていました。
当初は、みじん切りにしたら玉ねぎの存在感がなくなるのではないかと考えていましたが、繊維が壊れることで玉ねぎの甘みがよりおつゆに溶け込みやすくなっており、密度の濃い味付けになっています。
出汁で煮込まれフワフワトロトロのとろける食感になった絹ごし豆腐は、滑らかな舌触りで卵やひき肉とと一体化しているだけではなく、鶏肉のエキスと豆腐のコクが相乗効果で旨さが倍増しており、感心しました。
甘辛く煮られた豆腐は、どこか肉豆腐を思わせる味わいで程よいボリューム感があり、半熟卵とも相性抜群です。
シャキシャキして鮮やかな風味と三つ葉や、香ばしい海苔のトッピングが何気にいい仕事をしており、個人的にはもっと量を多くして全域に散りばめるとさらに完成度が高くなるのでは…思いました。
一般的な親子丼よりも鶏肉と卵の一体感がすごく、あらゆる旨味が混然としているのが好みです。
親鶏は肉質が固いので結構好みが分かれやすいのですが、こちらの親子丼なら老若男女問わず受けがいいのではないかと感じました。
七味唐辛子を振って味変しても美味ですので、おすすめです。
P.S.
rikkoさん、コメントをして下さりありがとうございます!
気になって早速『キッチンの達人』9巻を読んでみたのですが、確かにそっくりなおにぎりでびっくりしました…おにぎりの中央に卵が入っているのは、現在コンビニで定番になっている半熟煮玉子おにぎりみたいで美味しそうだと思いました。あのおにぎりも具が個性的で面白かったので、興味深かったです。教えていただき、感謝いたします!
●出典)『丼なモンダイ!』 原作:花形怜 作画:吉開寛二/日本文芸社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。
※レシピの分量や詳しい内容は、以前こちらでご説明した通り完全非公開に致しております。
『大どろぼうとおひめさまのおにぎり』の“五層のぐるぐるおにぎり”を再現!
- Mon
- 21:40
- 再現料理
今年も既に楽観視できないような出来事が発生しており、色々と騒がしい時勢ですが、去年同様ゆっくり更新していきますのでよろしくお願いいたします。
どうも、江戸時代の正月は庶民層ではむしろ寝正月がスタンダードだったと知り、我が家も今後はそれでいきたいと心底願った当ブログの管理人・あんこです。
本日再現する料理は、 『大どろぼうとおひめさまのおにぎり』にて主人公・ちょろさくさんにタイムスリップしてきたお姫様が挙げていた“五層のぐるぐるおにぎり”です!

幼年童話『大どろぼう』シリーズは、『こまったさん』シリーズや『わかったさん』シリーズよりもマイナーな存在ですが、ほぼ同時期に12作程他の出版社で発行された、いわば同期のような食べ物系絵本です。
特に対象年齢が決まっておらず、それぞれ「お料理系」と「お菓子系」にきっちり分かれている『こまったさん』『わかったさん』シリーズと違い、『大どろぼう』シリーズは5~6歳から読めるよう設定・料理もお菓子も両方紹介・、毎回主人公が変わるオムニバス形式なのが特徴です。
小学校入学前の子どもから読めるようにされているせいか、『こまったさん』『わかったさん』よりも行間がゆったりしてひらがなが多く、展開も分かりやすさが重視されている為か、実際の状況に置き換えてみると結構とんでもない展開が多い気がします(←こまったさんとわかったさんの二人も、毎回『千と千尋の神隠し』ばりに不思議な世界に迷い込む為びっくり展開が多いのですが、こちらはあくまで現実世界で起きるお話なので、違和感が目立ってしまう感じです;)。
主人公が全員どろぼうという関係上、レギュラーキャラには『ルパン三世』における銭形警部的存在の警察官・くろぼしじゅんさがいますが、「くろぼし=黒星」という不吉な響きは伊達ではなく、毎回主人公を怪しむものの毎回疑いを解いて逮捕できないお人よし過ぎるお方で、ツメが甘く取り逃がすところまで銭形警部にそっくりでほろ苦い気持ちにさせられます…。
とはいえ、主人公たちは全員どろぼうで一応犯罪者ではあるものの、皆お人よしで憎めない性格をしており、盗みの腕はイマイチなのに料理は筋がよく、「このままどろぼうを失敗ばかり→でも料理は成功ばかり→そうだお店を始めよう!→周囲の優しい人たちにの協力によって、お店は大成功!」という黄金チャートによって無事どろぼうを卒業していますので読後感はよく、優しい気持ちになれること請け合いです。

今回ご紹介するのは、シリーズ10作目にあたる 『大どろぼうとおひめさまのおにぎり』のお話。
ある真夜中、100回中1回も成功しないという残念などろぼう・ちょろさくさんは、数日間何も食べれずお腹ペコペコの状態でよさげな家を物色していたのですが、はてな公園の柵の隙間から丸くて黒くて大きいおにぎりがコロコロと飛び出てきたのを見つけます(←100回失敗しても逮捕されていないのは、ある意味すごい強運ですね…「逃げの小五郎」みたいな異名が密かにつけられていそうです)。
一見、『おむすびころりん』風でのどかな風景に見えますが、時は令和、「3秒ルールは幻想、実際は落ちるとすぐ菌は付着する」という常識が浸透している為、地面を転がる得体の知れない物体を口に入れるのは非常に拒否感のある当管理人ですが、ちょろさくさんはよほど空腹だったのか迷わず拾って「いただきます!」と躊躇なく食べようとしまていました(←出版年は1991年でギリ平成時代のはずなのですが、昭和のもったいない精神を懐かしく思い出しました)。
すると、「それは、わらわのおにぎりじゃ」と待ったをかけたのが、昔のアニメ『あんみつ姫』や『志村けんのバカ殿様』のバカ姫様をどこか彷彿とさせる、お転婆で好奇心旺盛な着物姿の少女・くりこちゃん。
実はこのくりこちゃん、約200年前の江戸時代中期に公園付近にあった「あらまー城」の城主「はてなへんてこのすけ」を父に持つれっきとしたお姫様で、ある夜台所でおにぎりを食べようとするとうっかり落とし、どこまでも転がっていくおにぎりを追いかけ塀を乗り越えたら現代へタイムスリップしていたというトンデモな目にあっていたことが判明しています。
異世界転生ものやタイムスリップものについてある程度知識があるオタク系現代人なら、「まさか」と思いつつそういう可能性もあると考えられるかもしれませんが、そもそもそういう発想すらない時代出身のくりこちゃんは最後まで自分の置かれている状況がわからず、周囲も「迷子になって混乱状態の天然なコスプレ女子」としか扱っておらず、気の毒でした;。

結局、くりこちゃんはちょろさくさんに同情しておにぎりをあげるのですが、その後も何も食べれず朝まで空腹状態だったくりこちゃんは、先ほどのおにぎりを作ったお城の料理人の歌を教えるのでその通りにおにぎりを作ってほしいとお願いします。
こうして、料理初心者のちょろさくさんが四苦八苦しながらも作ったのが、この“五層のぐるぐるおにぎり”です!
作り方は簡単で、小さいおにぎりにどんどん具とご飯をまぶしてのりで包んでいき、最終的に五層になるまで丸く握ったら出来上がりです(←具はおかか、ゴマ塩、炒り卵しか作中では明記されていませんでしたが、後々レシピ本で読んだところ、たらこと梅干しも入っているみたいでした)。
ポイントは、ご飯も具も熱々の内に手早く握ることだそうで、ちょろさくさんや作中の表現によると「うめえ!!」「その、おいしいことといったら!」「ごはんのなかから、いろんななかみが、あとからあとからでてくるのです」だそうで、「がつがつ、もりもり、あぐあぐ、ごっくん!」「ぱくぱく、むしゃむしゃ、もぐもぐ、ごっくん」というおにぎりを食べる擬音がすごく美味しそうだったのを覚えています。
江戸時代のおにぎりは実際どんなものだったのか気になり、調べたところ、何と海苔巻きおにぎりが誕生したのはちょうど江戸時代であり、ゴマ塩味のおにぎりは既に定番だったことが分かりました。
ただ、当時はまん丸おにぎりところか具を中に入れる発想自体なく、素おにぎりか味噌おにぎりが一般的だったみたいですので、「あらまー城」の料理人はかなり先進的な人だったのかもしれません(←もしくは、『信長のシェフ』のケンの如く、現代からタイムスリップしてきた可能性も微レ存ですが…)。


『大どろぼう』シリーズのレシピ本もあり、そちらではもっと現実的な大きさのおにぎりになっているのですが、やはり原作と同じものが食べたいと思い再現を決意しました。
作中の表記とレシピ本を参考しつつ、作ってみようと思います!
ということで、レッツ再現調理!
まずは、ご飯や具材の準備。
水をよく吸わせておいたお米を文化鍋で炊飯し、白ご飯をたっぷり用意します。
その間、塩・醤油・日本酒で調味した溶き卵を軽く油をひいたフライパンへ流し込み、複数の箸でかき混ぜながら細かく炒った炒り卵を作っておきます。
※江戸時代中期の卵料理を調べると、まだ砂糖が普及していなかったせいかまだ甘い味付けが主流でなかったようで、塩や醤油が主な調味料として使われていたとのこと。あったとしても、上品なお菓子っぽい料理や、体調を崩した時の滋養的な料理がほとんどだった為、今回はシンプルな味つけに留めました。


時間が経って白ご飯が炊けたら、しゃもじでさっくりと切るようにしてご飯を底から混ぜ、またフタをして蒸らしておきます。
この時、一部のご飯を二つのボウルへ取り出しておき、片方には冷めた炒り卵を、もう片方には薄い鰹節と醤油を混ぜて作った味付きおかかをそれぞれ入れて混ぜ込み、味付きご飯をこしらえておきます。



次は、いよいよ握り作業。
まな板の上へラップをしき、その上に海苔を乗せて真ん中にご飯を置き、種を取り除いておいた梅干しをちょこんとのっけ、少しだけ白ご飯を乗せて海苔をかぶせ、丸く握ります。
これが、おにぎりの核となります。



先ほどと同じくラップの上へ海苔をしき、今度は先ほど準備しておいたおかかご飯を乗せ、真ん中にまん丸梅おにぎりをのっけ、おかかご飯をかぶせて丸く握ります。
この時、素手ではなく必ずラップを使用するのがコツです。
ラップでくるんでコロコロ転がすようにして握ると、手が汚れにくく形もきれいにまとまりますし、何より海苔がご飯の湿気でしっとりなじんでおにぎりをまとめる役目をしてくれます。


またまた同じく、ラップの上へ海苔をしき、今度はゴマ塩をパラパラちらしてから白ご飯を乗せ、先ほどのまん丸おにぎりを中央において握ります。
この工程、まるで新人忍者がばらまくマキビシの如くゴマ塩が想定外の場所に飛び散るので厄介ですが、ご飯に混ぜ物がない分すんなり海苔がくっつきやすいので難易度は低い方です。


みたび同じく、ラップの上へ海苔をしいて炒り卵入りご飯を乗せ、中央にさっきのまん丸おにぎりをのっけ、炒り卵ご飯で全体を包みながら丸く握っておきます。
炒り卵の油分がご飯に行き渡っているせいか白ご飯よりも粘着力が落ちる上、ここまでくるとおにぎりの重量は結構なものになっているのでかなりの難易度ですが、ラップで側面をそっと抑えるようにして握ると案外うまくいきます(←



どうにかおにぎりが形になったら、再度海苔をラップの上にしき、明太子orたらこを混ぜ込んで作っておいた味付きご飯を乗せて先ほどのおにぎりを中央に据え、全体にご飯をまぶしつつ海苔で少しずつ巻いていきます。
ご飯が極端に薄くなり過ぎず、かといって厚くなり過ぎず、ラップで抑えつつ海苔を少しずつおにぎりに貼り付けていく自分の姿は、その昔ドキュメンタリーでみた花火師さんの玉貼りという作業にちょっと似ているかもしれない…と思いました。



海苔をすべて巻き終えたら全体をラップで覆って少し寝かせ、やがて海苔がおにぎりにぴったりくっついて馴染んだのを確認できれば、“五層のぐるぐるおにぎり”の完成です!

ご飯を巻いていく内にどんどん巨大化した為、おにぎりというよりはもはやボウリング玉の一歩手前みたいな大きさになっており、持つというよりはずっしり手に食い込む感じの重量です。
カバンに入れて持ち歩くにしても結構しんどそうなので、正直本当にこれを持ち歩いたのだとしたら、地味にくりこ姫は力持ちだと思いました…日本版アリーナ姫です。
せっかくなので真っ二つに切って断面を見たところ、緑の食材がないせいかちょっと寂しさは否めませんが、それなりに色味があってよかったです。


それでは、再びおにぎりをくっつけ合体させてからいざ実食!
いただきまーすっ!

さて、味の感想は…作中で言われていた通り、色んな味がして美味し!食べ進めれば進む程思わぬ変化があって楽しいおにぎりです!
最初に、しんなり湿った海苔をムチッと噛み破ると、明太子のピリッとした塩気と魚卵特有のコクがふっくらご飯と一緒に広がります。
手で直接握るおむすびとは違い、海苔でまとめるだけで固めていない為、ご飯の一粒一粒がふんわりした食感で、優しい口当たりのおにぎりだと感じました。
さらにかぶりつくと、今度は炒り卵がフワフワほろりと飛び出してくる仕掛けで、油分を帯びた卵の旨味はいいおかずになりました。
基本、ご飯と海苔で構成されているおにぎりの為、炒り卵のアクセントはかなり重要で、癒やし要因でした。
その他にも、食べ進めるとごましおのパリパリプチプチした黒ごまの香ばしさ、おかか醤油の強烈な鰹出汁の風味、梅干しのさっぱり爽やかな酸味がどんどん掘り起こされ、色んな味付けが混ざっていくのが面白かったです。
何より、丸くて大きいおにぎりが口にドン!と激突し、もはや顔をぶつけながらガシガシ食らいついていく醍醐味は普通の食事では得られないワイルドな快感があり、久々に童心に戻った心地がしました。
…しかし、食べていて気になったのは、海苔の意外にもずっしりくる食べ応えで、せっかくご飯に色々味がついていても徐々に海苔にまぎれて目立たなく感じるようになっていくのが残念。
1/3まではおいしく頂けましたが、満腹間近になってからは飽きてしまい、参ってしまいました。
また、ここまで層を増やすとお皿との接地部分がどうしても固くなってしまったり、ご飯の量が約三合弱と凄まじすぎて一度では食べ切れないなど様々な弱点があり、やや残念な結果になってしまいました(←丸一日おにぎりのまま食べるも一向に減らず、二日目はやむなく雑炊にして消費しました…orz)。
作中の歌通りに作る事にこだわってしまった為、最後は残念な終わり方になってしまいましたが、二~三層に留めて作るなら、とてもいいおにぎりだと思います!
レシピ集に記載されている量だと、最後まで無理なく食べられそうですし、作中でアレンジとしてちょろさくさんが提案していた焼き鮭をたらこの代わりに使っても良さげなので、今の「おにぎり怖い…おにぎり怖い…」のトラウマが払拭されたらまた作って画像をアップしてみるつもりです。
特に、具の中でも炒り卵と梅干しは単調になりがちなおにぎりに変化と華を与える役割があるので、おすすめです。
P.S.
銀猫さん、kawajunさん、波多野鵡鯨さん、クッキングパパ大好き主婦さん、ワニラさん、コメントをしていただきありがとうございます!
銀猫さん、毎月読んでくださっているとのお言葉、励みになります!『ごほうびごはん』の実写ドラマ化は、「あの頭の中の妄想タイムの再現が難しいから無理なのでは…」と考えていた為、当管理人も驚きました;。今後も、コメント欄に頂いたリクエストを参考にしつつ、色んな料理を再現できればと思います。
kawajunさん、年末恒例となりつつある『孤独のグルメ』特番の待ち時間にコメントしていただき、ありがとうございました!2020年にコロナが襲来して以降、予想のつかない事ばかりが起きていて大変ですが、いつかまた元通りの日常がくるとと信じたいですね…。今年もよろしくお願いいたします。
波多野鵡鯨さん、あけましておめでとうございます!今年もよろしくお願いいたします。実は先日、Amazonギフト券の残額が『志ん生の食卓』とほぼ同額だった事にご縁を感じ、購入して読んでみました。身近で美味しそうなエピソードが、軽快な語り口調で紹介されているのが読みやすく、あっという間に読了しました。感謝です!すでに完治なされたとの事ですが、まだ寒い日が続いておりますので、お体にお気を付けください。
クッキングパパ大好き主婦さん、初めまして。『クッキングパパ』は初期・中期・後期ではそれぞれ違った味があって面白く、実践的なものから実験的なものなど興味深い多い作品ですので、本当にお勧めです!実はまだ当管理人は全巻集めきれていない為、羨ましいです…今年こそ買いそろえて、また色々試したいです!
ワニラさん、『美味しんぼ』の牛丼エピソードについて詳しくお教えいただき、ありがとうございます。十二年前…もうそんなに経ってしまったのだなと我ながら少しショックを受けております;。今では正肉よりも、下手をすれば内臓肉や馬肉の方が値段が高騰してしまっていますし、食品に限らず色んな物が全般的に値段が上がっていますので、一周回って牛すじ丼は贅沢な食べ物のように思います。
●出典)『大どろぼうとおひめさまのおにぎり』 作:山脇 恭 絵:草間 俊行/偕成社
『大どろぼうのどきどきべんとう』 作:山脇 恭 絵:草間 俊行 料理監修:峯村 裕子/偕成社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。
※レシピの分量や詳しい内容は、以前こちらでご説明した通り完全非公開に致しております。