『紺田照の合法レシピ』の“数の子のタラモサラダ”を再現!
- Sun
- 23:55
- 再現料理
マラソンで限界まで走った後、強い鼓動になるのも「死にそう!きつい!早く楽にしてくれー」と心臓が叫んでいるようだといえなくもない為、運動会の時などは「今日の心臓音は、ドアを蹴破る勢いだなー」と妄想していたものです。
どうも、最近はドキドキすると年齢的に動悸や不整脈を疑う、夢もドラマもない当ブログの管理人・あんこです。
本日再現する漫画料理は、 『紺田照の合法レシピ』にて紺田君が同級生たちにヒントを得て作った“数の子のタラモサラダ”です!

成人男性顔負けの貫録を持つ為、読者はすぐ忘れがちですが、紺田君はれっきとしたティーンエイジャーの高校生ですので、当然の如くクラスメイトが複数存在します(←『巨悪学園』の異様に老けた高校生達に比べるとかなり若く見えますが、悲しいことに紺田君がいるのはごく一般的な学校の為、周囲からシリカゲルの如く浮いています)。
今回ご紹介する女子高生・奈津恵さんもその一人。
奈津さんは自信のなさからすぐオドオドしてしまう内気な女子ですが、将来の夢は歌手で、歌が大好きなものの周囲から「なれる訳ないっしょ!」といじられていく内に、「聴くだけで十分」と諦めてしまっていました。
けれども、カラオケボックスでのバイト中、「ネエちゃん何か歌ってくれよ」とからまれて困っている時に紺田君が代わりに歌い、そのジャイアン級の音痴を周囲から大爆笑されるという出来事があったのですが、その際紺田君から「見ての通りだ。批判や嘲笑の銃弾など、いくら浴びたところで死ぬことは無い」と男前なセリフを言われて勇気づけられ、後にオーディションへ応募してTVデビューを果たしていました。
紺田君自身は何も意識しておらず、自然に行動しているだけなのですが、中身がイケメンすぎなせいで女性キャラをすぐ「トゥンク…」状態にさせてしまう為、罪作りな高校生だと思います。

そんな意外と度胸のある奈津さんですが、ある日、欲しいギターを手に入れる為怪しいバイトに手を出してしまい、ちょっとロリコン気味な自称音楽家の男性に監禁されてしまいます(←関係ないですが、自称音楽家というフレーズを聞くとどうしてもゴーストライターで有名になった某作曲家を思い出し、ノスタルジックな気持ちになります)。
一時は「これで歌って踊れば君は世界一のアイドル歌手になるんだ」と言われてスクール水着とタンバリンを着るように迫られ、絶体絶命のピンチに陥っていましたが、そこへすかさず駆けつけてきた真希さんが自称音楽家に『喧嘩商売』・山本陸顔負けの煉獄を叩き込んでくれたおかげで、阻止できていました。
「タンバリン」「水着」「世界一」という単語から察するに、もしかしたらタンバリンマスター・ゴンゾーさんのように奈津さんを育てようとしていた可能性も微粒子レベルでありますが、女子高生を強引に監禁して「君は一生ここで暮らすんだから」とゲス顔をしている時点でレッドカード確定の通報案件ですので、捕まっても文句は言えないと思います。
ちなみに、自称音楽家は一度「君達も家で飼ってあげよう!」という命知らずな発言をして真希さんに襲い掛かり、紺田君から「よすんだ」と止められていたのですが、案の定あっけなく真希さんにフルボッコされて「だから…よせと言ったのに」と独白されるという、まるで『名探偵コナン』のような一幕がありました。
えげつない戦闘力を砂糖菓子のような外見の下に隠し持っている真希さんを見るたび、人間離れした強さのヒロイン・蘭ねーちゃんのようだと思います。

この後、一騒動を終えて帰宅した紺田君は、自称音楽家がボコボコにされた現場をヒントに、正月に残った数の子を大量消費するレシピを閃きます。
それが、この“数の子のタラモサラダ”です!
作り方は簡単で、ふかしてマッシュしたじゃがいもにバター・塩・こしょう・ヨーグルト・マヨネーズを入れて味付けし、塩抜きしてちぎった数の子・スライスしたブラックオリーブ・フライドオニオンを加えて混ぜ、サラダ菜と一緒にお皿へ盛り付けたら出来上がりです(←現場に散らばったタンバリン=ブラックオリーブ、花瓶の破片=フライドオニオンを着想したそうで、相変わらず柔軟な発想力です)。
ポイントは、じゃがいもは皮ごと電子レンジにかけてふかすこと、ヨーグルトとマヨネーズはじゃがいもが冷めてから合わせることの二点で、こうすると調味料が分離せずホクホクに仕上がるとの事でした。
本場ギリシャならコイやボラの卵、日本ならたらこや明太子が使われるタラモサラダですが、実は「タラモ」は「魚卵」という意味を持つ単語の為、数の子を使ってもタラモサラダという名称で正解と巻末に書かれていました。
家族そろって大好物の数の子が余るという僥倖体験がない為、これまで数の子はそのままかじるのが最高という野蛮なヴァイキングのような発想しかなかったのですが、魚卵とじゃがいもの相性の良さを考えると、むしろなぜ今まで作らなかったのかというレベルで合いそうだったので、初見時はかなり気になったのを覚えています。

今年の正月もやはり数の子は余らなかった為、どうしたものかと考えていたのですが、近所のスーパーでお手頃価格の物を見つけた為、再現することにしました。
作中には大体の作り方が明記されていましたので、早速その通りに作ってみようと思います!
ということで、レッツ再現調理!
まずは、じゃがいもの下ごしらえ。
泥を洗い流した後ラップできっちり包んだじゃがいもを電子レンジに入れて加熱し、熱い内に皮をはぎ取ります(←包丁で皮の部分だけうっすらと切れ目を入れてから電子レンジにかけると、皮がズルっと剥きやすくなります)。
皮を取り終えたらボウルに入れてマッシャー(又はフォークやすりこ木など)でボコボコに潰し、バターと塩コショウを加えてざっくり混ぜ合わせます。



次は、味付け。
粗熱が取れたら無糖ヨーグルトとマヨネーズを入れてしっかり混ぜ合わせ、塩抜きして水気をきっておいた数の子をちぎりながら加えます。
そこへ続けて、輪切りにしたブラックオリーブとフライドオニオンを投入し、さっと混ぜます。



具がじゃがいも全域に行き渡ったらサラダ菜と一緒にお皿へ盛り付け、トーストも準備して同じテーブルへ運べば“数の子のタラモサラダ”の完成です!

真っ白いマッシュ状のじゃがいもに、サラダ菜の緑やブラックオリーブの黒が映えており、きれいです。
大抵の魚卵はじゃがいもに合うとはいえ、数の子はさすがにまだ試したことがない為、どういう味がするのか楽しみです。

それでは、スプーンですくっていざ実食!
いただきまーすっ!

さて、味の感想は…ものすごく品のいい、洒落た味のポテサラ!マヨネーズ控えめなのにしっかりした味付けで、確かにこれはサラダ神話になり得る一品です!

ヨーグルトが馴染んでしっとりしたじゃがいもは、ホコホコしつつもサラッとした口溶けの非常に滑らかな舌触り。
マヨネーズのみだと、どうしても多少の粘性や強い酸味が出てしまうのですがこちらはマッシュポテトみたいにフワッとした口当たりで、酸味も控えめなのが印象的でした。
バターの香り高い風味がほのかに漂うせいか、どことなくリッチな後口です。
見た目はあっさり系ですが、フライドオニオンの香ばしくてギュッと濃縮されたコクと甘み、ブラックオリーブのジューシーで濃密な酸味があるせいか、意外と食べ応えのあるややこってりした味わいで、ボリューム満点でした。
数の子のプチプチパリパリと強く弾ける食感と、魚卵特有の旨味を帯びた塩気がいいアクセントになっており、たらこ使用のタラモサラダとは違った魅力があります。
たらこだと、最初からじゃがいもと完璧に一体化していて一口目からガツンとくる感じですが、数の子は噛むことで徐々に口の中で完成していき、淡白だったのが段々奥深くなっていくのが最大の違いで、その都度具のバランスによって微妙に味が違ってくるのがよかったです。
この個性的なポテサラを、ソフトなシャキシャキ感を持つサラダ菜に包んで食べると途端に爽やかな食べ口になり、相性ぴったりです。
作った当日はフライドオニオンはまだサクサクしている為クリスピーな感じですが、翌日になると水分がなじんで飴色玉ねぎっぽい食感になるのが面白かったです。
パンに乗せるのもありですが、生野菜と組み合わせるとよく合うので、他の野菜と一緒にサンドイッチにするとより合いそうだと思いました。
P.S.
Sullaさん、通りすがりさん、コメントを下さりありがとうございます。
お気遣いのお言葉までいただき、感謝です。
『クッキングパパ』の“イタリアン鍋”は、トマトを入れるのが本来のレシピだったんですね…かなり初期の本しかもっていない為、気づきませんでした。
いつか新しい単行本を確認して再現し、訂正記事をアップしたいです。
●出典)『紺田照の合法レシピ』5巻 馬田イスケ/講談社
『紺田照の合法レシピ』7巻 馬田イスケ/講談社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。
※レシピの分量や詳しい内容は、以前こちらでご説明した通り完全非公開に致しております。
『裏の家の魔女先生』の“オートミールのポリッジ”を再現!
- Thu
- 19:11
- 再現料理
年末年始も仕事があった為、お正月気分に浸る間もなく一月も末になってしまいました…orz。
コロナが気になり、初詣も結局行けず仕舞いで、本当に大変な世の中になってしまったとしみじみ思います(←初詣のリモート化…は何だかご利益がないような気がして、こればかりは二月になる前に済ませておきたいところです)。
今年もご縁がありましたら、どうぞよろしくお願いいたします。
どうも、最近赤米入りのご飯にハマっている当ブログの管理人・あんこです。
本日再現する漫画料理は、『裏の家の魔女先生』にて「あまり美味しくないとなにかの本で読みました」とオートミールに対して先入観を持つ蛍太君に、沙希子さんが「では美味しいのを作ってさしあげます」と言って作った“オートミールのポリッジ”です!

怪奇小説を読むのが好きな割に、実際に幽霊を見るのは怖いから嫌だ!というあるあるな矛盾を抱える蛍太君ですが、沙希子さんとお近づきになれる夜の散歩や夜のお茶会は大好きで、「ホイホイ行くのもなんだよな…」と思いつつもよく遊びに行っています(←余談ですが、「ホイホイ」という擬音を聞くと、ウホッ!いい男な阿部高和さんの「よかったのか ホイホイついてきて」というセリフを強制的に思い出します。
近所にある本物のお化け屋敷を見に行き、霊感ゼロな沙希子さんなのに「そこの窓からお婆さんがこっちを見てますね」と冗談を言って蛍太君をからかう一コマもあり、大人しそうに見えて実は茶目っ気のある性格だと苦笑したものです(←しかし、Lv100くらいありそうな師匠に匹敵する魔女っぷりや、何も言われていないのに導かれるようにしてお化け屋敷へ歩いていったところを見ると、案外本当に何かいたんじゃ…と背筋が寒くなるものがあります)。
個人的に夜の散歩は、何故かお化けが徘徊するようになってしまった夜の街を探索するホラーゲーム『夜廻』を連想する為、蛍太君同様怖くてあまり積極的にしたい方ではないのですが、最近ではセロトニンが分泌される散歩を一日の終わりにするとストレスが軽減される効果がある事が分かっており、意外と健康的な習慣なのかもしれないと思いました。

しかし、そんな蛍太君を見て、内心穏やかではなかったのが幼馴染の深冬さん。
夜中に沙希子さんの家から出てくる蛍太君を目撃し、「夜の小説講座かー?」と競馬場で野次を飛ばすおじさんみたいな突っ込みをしつつも、「ケータがぽーっとなるのも無理ないね。キレイで優しげでいい匂いがして…」「その上とってもムネが大きい!」「ケータの事だから、向こうから誘ってきたらウカウカずるずると流されそうだよね…」と心の中はモヤモヤで、当初は沙希子さんをかなり警戒していました(←実際、沙希子さんは蛍太君の初恋の人みたいなものですので、あながちその危機感は的外れではないのが女の勘のすごさです)。
けれども、人生経験豊富な沙希子さんはそんな深冬さんの心の内もお見通しだったみたいで、さりげなく家に招いてお茶をご馳走し、「いつも一緒でお似合いのカップルだなって見てたんですよ」「蛍太さんは幸せですね。深冬さんみたいな可愛い人がいつもそばにいて世話焼いてくれるなんて。毎日がバラ色なんじゃないかしら」と褒めちぎり、あっという間に深冬さんと仲良くなっていました;。
ちょっと優柔不断で思春期真っ盛りな少年主人公・胸が大きくてキレイで強いお姉さん・主人公に対して妙に突っかかってくる勝ち気な少女というと、『新世紀エヴァンゲリオン』のシンジ君・ミサトさん・アスカさんをどうしても連想する感じで、甘酸っぱい気持ちになったのを覚えています(←大人な沙希子さんに比べると、ミサトさんは大分ヤンチャですが;)。

今回作るのは、深冬さんと沙希子さんが打ち解けたと知り、「おれが忘れてる機密おれ情報」を暴露されたのでは…とヒヤヒヤしている蛍太君に対して沙希子さんが作った“オートミールのポリッジ”です!
作り方はとても簡単で、小鍋にバナナを入れて火にかけ、とろけたら牛乳とオートミールを入れて煮込み、最後にナッツ・ドライフルーツ・蜂蜜をトッピングしたら出来上がりです。
ポイントは、バナナは細かく刻んでからスプーンで潰しつつトロトロのペースト状になるまで火にかけることで、こうすると全体に甘くていい風味がつくのだとか。
海外の映画や小説によく登場する食べ物なので知ってはいたものの、蛍太君の言う通りあまりおいしくないという評判があった為、一度も食べたことがなかったのですが、最近その栄養価の高さから海外セレブがスーパーフードとして再注目しているとのこと。
その昔、昭和天皇の定番朝食でもあったそうで、1945年8月15日の敗戦の日に食べられた朝食メニューもオートミールだったと知った時は、そんな昔から日本にオートミールが存在していた事に驚いたものです。
蛍太君曰く「すごい優しい味ですね、美味しいです!」「深冬…って言うか女子が好きそうな味ですね」とのことで、感心していました。

オートミールというだけでもあまり味のイメージがわかないのに、さらにそれをお粥にするというのは全く想像がつかず、いったいどんな味がするのか非常に気になったので再現することにしました。
作中には分量付きの詳細なレシピが記載されていますので、早速その通りに作ってみようと思います!
ということで、レッツ再現調理!
まずは、ベース作り。
小鍋へ細かく刻んだバナナを入れて弱火にかけ、スプーンで潰しながらペースト状になるようとろけさせながらざっくり混ぜていきます。


次は、煮込み作業。
バナナに火が通って柔らかくなってきたら、牛乳とオートミールを加え、お粥状のとろみが出てくるまでコトコト煮込みます(←放っておくと焦げ付きやすいので、木べらなどで底をこそぐようにしながら混ぜ続けたほうがいいです)。



完全にお粥状になったら底の深いお皿へ盛り付け、砕いたナッツとドライフルーツを上から散りばめ、仕上げに蜂蜜を回しかければ“オートミールのポリッジ”の完成です!

とても女子っぽいかわいい見た目の料理で、インスタ映えしそうな一品だと感じました(
オートミールはクッキーになったものしか食べたことがない為、お粥と聞いてもいまいちピンときませんが、沙希子さんの言葉を信じて食べてみようと思います!

それでは、スプーンで軽くかき混ぜていざ実食!
いただきまーすっ!

さて、味の感想は…滋養のあるスイーツ感覚のお粥で感動!体調が悪い時でもスルッといけそうなくらい美味しいです。

口当たりは砕いたお米を使用した七倍粥っぽいですが、お米と違って穀物特有の癖や粒感がなく、もったりトロトロとした淡い口溶けが特徴的(←パン粥に近いかもしれませんが、あちらよりもずっと柔らかくスルッと喉を通ります)。
ご飯の七倍粥だと、どんなに柔らかくしても飲むように食べるとまでとはいきませんが、こちらは本当に飲めそうなくらいふんわりやわやわとしており、驚きました。
まるで重湯みたいな、ねっちりと絡んで優しく口に広がる癒し系の味わいで、初めて食べるはずなのにほっとします。
ベースが牛乳なせいか、まろやかなコクがありつつもくどくないのが印象的で、まさに海外版母の味というイメージでした(←リゾットっぽい味と言えなくもないですが、あちらよりもずっとあっさりしています)。
バナナのねっとりした、南国チックでフルーティーな甘味が全体に優しく効いており、砂糖では出せない奥深い滋味がミルク味のお粥と相性抜群です。
バナナは完全なペーストにせず、スプーンで潰している為所々塊があるのがいいアクセントで、噛み当てると嬉しい気持ちになります。
ミルク粥だけだとちょっと単調だったかもしれませんが、ドライフルーツのギュッと凝縮された果物の風味と強い甘さ、ナッツのカリカリ感と香ばしさがプラスされている為、見た目通り華やかで洒落た後口になっていました。
単においしいだけではなく、栄養が体に行き渡って全身がポカポカしてくるような感じなのが食べていて心地よかったです。
蜂蜜の他に、メープルシロップやチョコレートシロップをかけても合いそうです。
今回は甘い味付けで頂きましたが、塩味で本物のお粥風にして食べてもいけそうだな~と感じました。
P.S.
ほーりーさん、kawajunさん、三世さん、コメントを下さりありがとうございます!
我が家の猫たちも相変わらず元気で、毎日お世話で相変わらずてんてこ舞いになっています;。
『クッキングパパ』の“パン丼”もすごかったですが、コロッケ丼はある意味炭水化物の三重奏ですので、さらにすごいとも言えます…炭水化物の万能っぷり恐るべしです。
『新米姉妹のふたりごはん』、一度読んでみようと思います!
今年も何卒、よろしくお願いいたします。
●出典)『裏の家の魔女先生』 西川魯介/秋田書店
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。
※レシピの分量や詳しい内容は、以前こちらでご説明した通り完全非公開に致しております。
『どんぶり委員長』の“こってり&さっぱりのコロッケ2食丼”を再現!
- Tue
- 23:00
- 再現料理
恐らく、チキンラーメンの材料であるチキンエキスが揚げられた時の匂いと、鶏肉が揚がる匂いが酷似しているからだと推測されます。
おかげで、惣菜コーナーを横切るたびジャンクフード欲が燃え上がり、先日とうとうチキンラーメン5袋入りを購入しました(←本当は1つでよかったのですが、1袋91円という微妙に割高な値段だったため、割安なまとめ買いをしました。我ながら貧乏性です)。
あの唐揚げ売り場にチキンラーメンを置いたら、案外つられて買う人がいるのでは…と余計なことを考えたものです。
どうも、毎年クリスマスになると七面鳥を一度は食べてみたいと思うものの、生前の恐竜みたいな姿を見ると怖気付き、結局鶏肉のほうを選んでしまう当ブログの管理人・あんこです。
本日再現する漫画料理は、 『どんぶり委員長』にて吉田君が委員長に半ば強引に要求されて作った“こってり&さっぱりのコロッケ2食丼”です!

それは、委員長が吉田君に初めて丼を作ってもらってから、まだそんなに経っていなかった頃のこと。
HRの際、下校時に買い食いするのは学校の風紀が乱れるのでやめて欲しいと注意した委員長ですが、そのわずか数分後に吉田君がお肉屋さんでコロッケを買い食いしているのを発見し、「吉田ァァァァ!!!」とお嬢様にあるまじき絶叫をします(←『クレヨンしんちゃん』のみさえを彷彿とさせる見事な叫び芸です;)。
真面目な風紀委員というと、『コータローまかりとおる!』の渡瀬麻由美ちゃんを思い出しますが、飄々として叱責をごまかす吉田君の姿もまたコータロー君に似ており、懐かしい気持ちになったものです。
しかし、吉田君は「おーす委員長」「ここのコロッケちょーウマいんだぜ」と全く意に介さずのんびりしており、それどころか「あ、ちょっと食ってみる?マジでウマいから!!」とやや強引にコロッケを委員長の口にもっていって食べさせ、なし崩し的に共犯関係にさせるという既成事実を作っていました(←『ナニワ金融道』の、被害者がほんのちょっとの油断でごく自然に犯罪に巻き込まれるシーンを思い起こさせる凄腕っぷり)。
ちなみに、この時吉田君と委員長は気づいていませんが、食べかけのコロッケを介して間接キスをしています(←ドリンクやおかしの共有はよく見ますが、コロッケは初めて見ました;)。
第二話にしてなかなかの急接近っぷりですが、この世には第一話終盤でほぼ初対面の主人公がヒロインの涙をぬぐいつつも「お前を殺す」と言って立ち去るというフリーフォール並みに高低差のある展開を迎えるカップルもいますので、ある意味これくらいで済んでよかったのかもしれません。

その後、揚げたてコロッケの美味しさにすっかり魅了された委員長は「このコロッケで思いっきりどんぶりメシをかっ込みたい!!」という丼欲に憑りつかれ、なんと吉田君の買い食い写真を携帯で撮って「この写真を生活指導の先生に見せます!!」「見逃してほしい?」「だったらこのコロッケでアタシにどんぶり作りなさいっ!!!」と脅します(←
その為、吉田君は「な…なんだ…なんなんだこの強引な展開は…」とメタ的な思考をしつつも、渋々コロッケ丼を作ることになります。
とはいえ、後に自分から丼を作ることもあるくらい委員長に
「だったら壁にでも話してろよ。」という伝説のセリフを女性キャラに言い放って全国のゲーマーたちを凍り付かせた、『FF8』のスコールを思わせる容赦ないクールさに痺れます。
後期には様々な無茶ぶりをされても惚れた弱みで頑張っていた吉田君の姿を知るだけに、脅迫されてもなお立場が強い初期の吉田君の姿を見て、恋って人を変えるんだな~と甘酸っぱい気持ちになったものです。

けれども、委員長が慣れないながらも一生懸命手伝ってくれるのを見る内に態度が軟化した吉田君は、仏頂面だったのが徐々に笑顔になり、楽しく調理をします。
その際に作られたのが、この“こってり&さっぱりのコロッケ2食丼”です!
作り方は簡単で、丼ご飯の半分に海苔、もう半分にバターを置いてさらに千切りキャベツと一口大に切ったコロッケを乗せ、バター面の上へウスターソースとマヨネーズ、海苔面の上へ大根おろしとポン酢をトッピングし、最後に刻み葱を散らしたら出来上がりです。
ポイントは、炊き立ての熱々ご飯を使うこと、コロッケをご飯の上へ移す時は広げつつ乗せることの二点で、こうするととろけたバターをコロッケがよく絡んで美味になるそうです。
実は過去、『旬~味彩の匠~』の“ぽんぽんコロッケ丼”や『旬~味彩の匠~』の“アボカドマヨのコロッケ丼”というコロッケ丼を再現したことがあるのですが、ソースやポン酢を使ったコロッケ丼はまだ試したことがない…というよりは発想自体がなかった為、初見時は衝撃を受けました。
コロッケ&ご飯と聞くと、『こち亀』の両さんが作中で提唱していた下町コロッケの食べ方を真っ先に思い出しますが、あちらでも確かにソースでビタビタになったコロッケはご飯が進むと書いてありましたし、案外いけるのかもしれません。
ちなみに、このエピソード以来吉田君と委員長は急に打ち解けていくため、そういった意味でも特に記憶に残っている一話です。

やっと近所で理想的なポテトコロッケを揚げるお肉屋さんを新規開拓した為、この嬉しさが薄れない内に記念に再現することにしました。
作中には分量付きの詳細なレシピが記載されていますので、早速その通りに作ってみようと思います!
ということで、レッツ再現調理!
まずは、下地の丼の準備。
丼容器へ炊き立ての熱いご飯をよそい、その上の半分へ薄く切ったバター、もう半分に刻み海苔を乗せます。
そこへ、千切りにしたキャベツをどっさり乗せます(←キャベツを乗せると下に何があるのか全く分からなくなり、後々調味料をかける時に困りますので、丼の模様とかでバターと海苔の位置を覚えておいたほうがいいです)。


この上へ、オーブントースターで軽く温めなおし、包丁で一口大にざっくり切っておいたコロッケを広げて乗せます(←関係ないですが、中の様子が見える窓がある袋って、かわいくて好きです)。
その際、バターを乗せているご飯のエリアへウスターソースをまんべんなくかけ、マヨネーズをうねうねと絞ります。



続けて、海苔を乗せているご飯のエリアへ汁気を軽くきった大根おろしをたっぷりかけ、上からポン酢を振りかけます。


大根おろしの上へ刻んだ小ねぎをパラリとふりかけ、お箸と一緒にテーブルへ運べば“こってり&さっぱりのコロッケ2食丼”の完成です!

全体的に茶色っぽい丼になってしまいましたが、刻みネギの緑やマヨネーズの黄色のおかげで、色合い的にはそこまで悪くないと思います。
ソース味やおろし味のコロッケ丼はまだ未食のため、いったいどんな味になるのか楽しみです!

それでは、冷めないうちにいざ実食!
いただきまーすっ!

さて、感想ですが…正反対の味が楽しめて一度で二度美味しい丼!ろくろ食い必須の癖になる一杯です!

当初はコロッケを切って大丈夫か心配でしたが、少なくともソースコロッケの方はサクサク感が残っています。
おろしコロッケの方はさすがにしんなりしていますが、おろしカツみたいにポン酢を吸ってジュワザクッとしたジューシーな食感が美味で、むしろご飯のおかずに最適な感じに進化していました。
コロッケの原型を残しつつもご飯に馴染んで一体化しているのがよく、チグハグ感はなくてちゃんと「丼の具」になっています。
ソースコロッケは、ソース味のマヨ唐丼をコロッケに置き換えたような味で、濃厚かつスパイシーな味付け。
マヨネーズがこってり効いているせいかジャンクな後口ですが、照り焼きソースではなく辛口のウスターソースを使用している為、くどくなっていないのが魅力的でした。
ソースカツ丼っぽいキリッと甘辛い味わいですが、バターのクリーミーなコクが甘く絡んでくるので、どことなくまろやかな仕上がりで、想像していたよりも甘口で食べやすかったです。
おろしコロッケは、大根おろしのさっぱりした汁気とポン酢のすっきりした酸味が効いた、爽快な味付け。
ポン酢のあっさりした塩気が、かえってじゃがいもの甘味や牛挽き肉の旨味を引き出していて、コロッケをそのまま食べるよりも個々の味がよく伝わりました。
甘苦い大根おろしや磯の風味が香ばしい海苔といった和の薬味のおかげで、コロッケの油っこさが程よく軽減されているのがナイスです。
そして、意外と活躍していたのが千切りキャベツ!
コロッケとご飯という炭水化物同士の組み合わせで、どうしても重くなりそうになるのを、シャキシャキした軽い歯触りで見事に相殺して食欲を増させてくれるのが最高で、名脇役だと感じました。
ほとんどが炭水化物でできているマックの「グラコロ」並みにカロリーマシマシですが、それでも食べたらやめられない、止まらない、まるでかっぱえびせんのような中毒性のある丼です。
コロッケの代わりに、唐揚げやメンチカツで代用して作ってみても合いそうです。
P.S.
通行人さん、カイトさん、kawajunさん、間違いのご指摘とコメントを下さりありがとうございます。
前置きが思いつかないばかりに更新が遅れることがあるため、楽しんでいただけるととてもうれしいです。
タイ料理好きですので、「ティーヌン」さんの「トムヤムラーメン」のお話を読んで猛烈に食べたくなりました…いつかコロナが落ち着いたら、東京に住んでいる妹と一緒に食べに行きたいです。
今年は思わぬ災厄があり、異例尽くしの本当に激動の一年でした。
来年は、皆様とそのご家族の方々にたくさんの幸せが訪れる一年であるよう、心よりお祈りしております。
●出典)『どんぶり委員長』 市川ヒロシ/双葉社
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『どんぶり委員長』の“なんちゃってトムヤムクン丼”を再現!
- Mon
- 23:30
- 再現料理
それは、当管理人がまだ小学生だった頃のこと。
アニメ『魔法戦士レイアース2』をお茶の間で鑑賞している時、主人公・光ちゃんが近未来的なバイクに乗った少年の後ろに座り、2人乗りするシーンがあったのですが、たまたま側で見ていた母が「将来、男の子と一緒にバイクに乗ったりしないでね」と言った事がありました。
バイクが嫌いなのではなく、「不良にならないで」という密やかなメッセージだったのだと思いますが(←母の青春時代、田舎でバイク乗りといえば暴走族が大半でした)、当時から非モテのサラブレッドで全く男子から相手にされず、しないではなく出来ない方の生涯独身の予感を子供心にヒシヒシと感じていた為、自信を持って「大丈夫、絶対ないから!」と曇りなき眼で断言したのを今でもはっきり覚えています。
万が一奇跡的に誰かと付き合うことがあったとしても、リア充そうなイメージのバイク乗りは時空が歪むレベルで異世界の住人だと考えていた為、100%その心配はないと当時は考えていたのですが、19歳の時にバイク乗りの初彼(=現夫)が出来、気がついたらバイクの後ろに乗っていました。
当時は「約束破っちゃったなー…」と母に少し申し訳なかったですが、①バイク乗りだからといってリア充や陽キャな訳ではない②不良な訳でもない③快適そうに見えるが、実はバイク日和は年に10日もない④絶対という言葉はこの世に存在しないという事実を学べたのでよかったと思います(←
どうも、タイならではのかわいいタクシー・トゥクトゥクに一度は乗ってみたいと最近まで思っていたものの、窓もシートベルトもないのに荒い運転をする人が多くかなりスリリングな乗り物だと先日知り、潔く諦めた当ブログの管理人・あんこです。
本日再現する漫画料理は、『どんぶり委員長』にてすっかりタイ気分になった委員長の為に吉田君が想像で作った“なんちゃってトムヤムクン丼”です!

ある休日、委員長はご両親に連れられてタイへ旅行に行き、バカンスを楽しみます(←お正月は毎年ハワイで過ごすという『ちびまる子ちゃん』の花輪君ばりにセレブな女子高生だと思います)。
裕福な家の子である委員長は、なかなかグレードの高いリバーサイドホテルに泊まっていたようで、美しい夕日に照らされるチャオプラヤ川をベランダから眺めてうっとりしていました(←なんでも、タイは内陸側と川沿い側とでは物価が段違いだそうで、川沿いだと庶民の料理・パッタイですら9倍以上割高な価格で売られているとこちらでご紹介されていました…恐るべし)。
個人的にタイといえば、多くの先人の方々が絶賛しているローカルな屋台飯が真っ先に頭に浮かびますが、この時委員長はホテル内にある高級レストランで食事をしたようで、室内で上品に夕食タイムを過ごしていました(←見た目から察するに、どうやらアユタヤ王朝から伝わるという宮廷タイ料理のコースだった模様…羨ましいです!)。
どの料理もおいしそうでしたが、中でも委員長が感動していたのが、トムヤムクン!
世界三大スープの一つに挙げられる有名なスープで、意外にも委員長はまだ食べたことがなかったようなのですが、一口食べるや否や「美味しーっ!!辛さとすっぱさが混在した旨みの中に深いコクのあるスープ!!これがトムヤムクン!!」と感動していました。
おかげで、委員長はかなりタイが気に入ったみたいですので、将来吉田君と結婚した暁には、『クッキングパパ』の田中君&夢子さん夫婦のように新婚旅行はタイにするのかも…とちょっとした妄想をしました。

数日後、帰国した委員長はいつもの如く吉田君に「アタシのためにトムヤムクンでどんぶり作ってくれる!?」とお願いします(←ちなみに、お土産は小さな象の人形のみ;。女子ならともかく、男子にとってはいやげ物なんじゃ…と少し気の毒になったものです)。
しかし、吉田君は今まで一度もトムヤムクンを食べたことがない為、どう作っていいかわからず困惑します(←東郷平八郎から、日本の材料だけでビーフシチューを再現するよう命じられた料理長も同じ気持ちだったんでしょうか…)。
唯一、味の参考になりそうな物は委員長が差し入れしてきたトムヤムクン味のプリッツのみで、まるで『スーパーくいしん坊』を渡し、これを参考にして料理漫画を描けと料理未経験の寺沢大介先生に命じた某編集者の如き無茶ぶりだと同情しました;。
実際に食べた委員長にしても、食べたのはタイ旅行で一回こっきりだった為、「キノコみたいのと、食べれない固いネギみたいのと…」と既に味の記憶があやふやになっており、「子供の頃からみそ汁代わりに飲んでるわっ!!」という嘘を吉田君からすぐに見抜かれていました(←ちなみに、現地ではトムヤムクンは毎日のように食べる料理ではないとのこと。日本人が毎日すき焼きや寿司を食べる訳ではないのと似てますね)。
けれども、偶然その場に居合わせた吉田君の友達が「そのキノコは多分マッシュルームだな」「昨日、食ったトムヤムクン味のカップめんの容器に書いてあった」「辛くてすっぱくて旨かった」という味のヒントを与えてくれた為、「辛くてすっぱい…なるほど…意外と単純に考えればいいのかも…」と色んなアイディアが思い浮かんできます。

こうして、吉田君が空想や長年の料理経験を元にして何とか作ってくれたのが、この“なんちゃってトムヤムクン丼”です!
作り方は簡単で、シーフードミックス・マッシュルームの水煮・キムチ鍋の素・お水・レモン果汁を入れて炒めてご飯の上へ乗せ、パクチーとレモンをトッピングしたらもう出来上がりです。
ポイントは、レモン果汁は瓶詰されているものではなく本物のレモンを絞って入れることで、こうするとより本場っぽくて香り高い味わいになるのだとか。
委員長はいきなりキムチ鍋の素を入れた吉田君を見て、何とも言えない目で不安を訴えていましたが、吉田君曰く「これは辛みの部分の味付け!!」とのことでした(←トムヤムクンの素が手元にない以上、様々な旨味成分を手軽に付け足せる鍋の素で代用するのは、かなり得策なアイディアだと思います)。
なお、委員長は本場のトムヤムクンにはイカやアサリは入っていなかったとシーフードミックスを見て心配そうにしていましたが、実はタイでも魚・イカ・豚肉・鶏肉などが使われるレシピは普通にあるそうなので、相変わらず吉田君の勘は冴えているな~と感心しました。
その後、実食した委員長が言うには「ふ…不思議…!!ちゃんとトムヤムクンの味になってる…!!」とのことで、「今アタシ…あの日、タイで思い描いてた、トムヤムクンを日本米でかっ込みたいという夢を…遠く離れたここ、日本で体感している…!!タイ感を実感している…!!」とドラマ版『孤独のグルメ』の五郎ちゃんみたいなモノローグを入れながら一気食いしていました。

少し前、「スシロー」で“旨辛食べるトムヤムクンすし”という創作寿司を食べたのですが、これが思った以上に美味しく、当管理人も委員長の如く日本米でもっとトムヤムクンをかっ込みたくなったため再現することにしました。
作中には分量付きの詳細なレシピが記載されていますので、早速その通りに作ってみようと思います!
ということで、レッツ再現調理!
まずは、具の用意。
熱したフライパンへ、凍ったままのシーフードミックス(←原作通り、エビ・イカ・アサリ入りの物を使用)を投入し、炒めながら荒っぽく解凍します。
シーフードミックスの氷が溶けて火が通りだしたら、しっかり汁気を切っておいたスライスマッシュルームの水煮を加え、ざっと炒め合わせます。


シーフードミックスとマッシュルームが混ざったら、キムチ鍋の素とお水を入れて炒め煮し、味が染み込むまで混ぜ続けます(←あんまり長く火にかけすぎると固くなりますので、表面になじむくらいでOKです)。
そこへ、全体的にレモン果汁をギュ~っと絞り入れてさらに混ぜ、ご飯をよそっておいた丼の上へ汁ごとかけます。



具を乗せ終えたら、その傍らにくし形にカットしたレモンと刻んだパクチーを飾り付け、そのままテーブルへ運べば“なんちゃってトムヤムクン丼”の完成です!

想像していたよりもキムチっぽい匂いはせず、むしろレモンやパクチーのしゃっきりした香りのほうが強く漂う感じで、見た目はお洒落なカフェにありそうなアジアン飯というイメージが強かったです。
正直、当管理人もキムチの素で本当にトムヤムクンっぽさが出るのだろうか…と半信半疑ですが、吉田君の料理センスを信じて食べてみようと思います。

それでは、熱々の内にスプーンですくっていざ実食!
いただきまーすっ!

さて、味の感想は…本格派ではなく、あくまでもなんちゃって風な仕上がりではありますが、パッと食べた感じはそれっぽくて美味し!魚介類の種類が多いのもあり、贅沢な後味です!

キムチ鍋の素の旨辛いエキスと、絞りたてレモンの爽快な甘酸っぱさが組み合わさることにより、一瞬では判別がつかない程エスニックな辛酸っぱい味付けになっていました。
トムヤムクンペーストなどに入っている濃厚なエビエキスとは別物ではありますが、様々なシーフードの出汁がしっかり効いている為、これはこれで充分いけます。
キムチ鍋の素に含まれる魚醤がナンプラーの代役となっている感じで、塩気の質はほぼ同じなのでは…と感じました。
本物に比べると、やはり香辛料が入っていないせいかやや奥深さに欠けますが、途中パクチーを噛み締めると、清涼感のあるハーブっぽい風味が加わり、途端にエキゾチックな深みがプラスされるのに感心です(←シャリシャリシャキッとした爽やかな歯触りがまた、いいアクセントになっていました)。
プリプリした食感の海老やマッシュルームは勿論、シコシコした弾力のイカ、潮の旨味が強いアサリもこのトムヤムクン風の味付けにぴったりで、ちょっと海鮮チゲに似た味わいだとも思います。
本来、トムヤムクンはココナッツミルクが入っている為後味はほのかにクリーミーだったりするのですが、こちらは入っていない分すっきりあっさりしている感じで、辛さがより際立っているのが印象的でした。
単品で食べておいしいのはもちろん、ちゃんとご飯に合わせておいしいのが丼の具という感じで、「さすが吉田君、期待を裏切らない!」と思いました。
さらに再現度を上げたいなら、ココナッツミルク・ナンプラー・青唐辛子などを足すとよりそれっぽくなりそうですので、今度試してみたいです。
P.S.
銀猫さん、ゆゆさん、まーさん、無記名さん、コメントを下さりありがとうございます!
●出典)『どんぶり委員長』 市川ヒロシ/双葉社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。
※レシピの分量や詳しい内容は、以前こちらでご説明した通り完全非公開に致しております。
『どんぶり委員長』の“よくばり具材のはなまるう丼”を再現!
- Sat
- 21:00
- 再現料理
こちらにも肉まんがおいしいお店は一応あるのですが、やはり肉汁たっぷりで豚の旨味がギュッと詰まった餡においてこちらの右に出る所はなく、遠い九州の地では滅多に食べられない為、残り二個は特別な日用として冷凍庫で保存しています。
あと、何気に便利なのが蓬莱551のオリジナル保冷バッグで、分厚い本を入れても結構な強度で全然破れない為、書類や雑誌を持ち運びするのに重宝しています。
どうも、その昔どこかのお店で食べた春雨入り肉まんも、なんちゃってフカヒレ風でおいしかったな~とふと懐かしく思い返した当ブログの管理人・あんこです。
本日再現する漫画料理は、『どんぶり委員長』にて立ち食いうどんに憧れる委員長の為に吉田君が考案して作った“よくばり具材のはなまるう丼”です!

連載当初は『アルプスの少女ハイジ』に出てくるロッテンマイヤーさんの如く礼儀作法に厳しく、丼なんて下品で男の食べ物!と頑なだった委員長ですが、吉田君の丼によって順調に
何でもご飯に乗せたがるあまり行き過ぎた発想力を発揮しては、「もち丼」「洋朝食丼」「杏仁豆腐とごま団子丼」など、新しさを追求しすぎてカオスになった現代アートのような組み合わせを提案し、丼の暗黒面に落ちそうになることもしばしば;。
しかし、真面目過ぎて周囲を若干遠ざけていた感じが徐々になくなっていったのは事実で、食べ物と料理人の力は偉大だな~と思います。
けれども、そんな委員長でも無理だと躊躇しているのが、立ち食い店!
学校の近くにある立ち食いうどん屋さんの前で、いいお出汁の香りを嗅ぐたび好奇心をくすぐられていたようなのですが、「とっても食欲をそそられるんだけど…」「手早く食事を済ませたい男の人達だけの聖域ってイメージ…」と一種の壁を感じており、興味深げにウロウロしていました。
確かに、あのソーシャルディスタンスの真逆を行く狭いカウンターといい、ほぼほぼ成人男性の客層といい、奥まで見えにくい入口の扉といい、昔の映画にでてきた西部劇の酒場っぽい硬派なイメージで、おひとり様女子にはちょっと敷居が高いかもしれません(←女子を通り越して婦人の当管理人ですら、夫と一緒じゃないと未だに入りづらいです)。
別にテンガロンハットをかぶった荒くれ者に「ピューゥイ!」と口笛を吹かれて野次られる訳ではないですし、誰も気にしないので普通に入っていいとは思うのですが、異性ばかりの飲食店ではどうしてもアウェイ感は否めず無意識の内に緊張が走るので、委員長の気持ちもよくわかると思ったものです(←男性目線で例えるなら、若い女子ばかりでインスタ映えしそうなお洒落カフェに近いものがあります)。

すると、その時たまたま立ち食いうどん屋さんで食べ終えたばかりの吉田君とばったり鉢合わせし、自分の知らない世界に興味津々な委員長は「今、個人的に社会研究のレポート書いてて…」「<日本の立ち食い店と景気の関連性>っていうテーマのね!!」と無理がありすぎる理由をでっちあげ、中の様子を根掘り葉掘り聞きだそうとします(
「さっきの店で何を注文したの?」「ち…ちなみにうどんの種類はどんなのがあるのっ!?」「それでっ!?システムはっ!?」「薬味は!?ネギとか!?七味はどうするの!?」「他人と肩が触れ合う距離でまずは、おつゆをすすって!?それから麺を!?」など、吉田君が思わず引いてしまうくらい大興奮で、まるで「ラーメン二郎」のルールを確かめるべくジロリアンを質問責めにしているラーメン初心者のような熱心さでした;。
最近はネットで簡単に情報収集できるので、知らないお店を調べるのは楽勝と思われがちかもしれませんが、いざ調べてみると地元の小さいお店の細かいローカルルールみたいな情報はほとんどなく、結局は自分で実際に聞くか行くかして泥臭く探るしかない為、委員長が情報を持つ吉田君に食いつくのも無理はないな~と共感したものです(←だからこそ、色々問題はあるものの、食べログやGoogleマップローカルガイドの口コミは貴重だと思います)。
最終的には吉田君も「これ絶対レポート関係ねーだろ!!」と流石に気づいて突っ込んでいましたが、丼欲に憑りつかれている委員長は「そうだけど何か?」とまるで合気道師範のように華麗にかわし、「アタシのためにうどんのようなどんぶり作ってくれる!?」といつものようにお願いしていました。
マヨラー・ケチャラー・ソイラーなど、この世には様々な愛好者がいますが、委員長はもはや丼ラーという新ジャンルを作っていいくらいのはまりっぷりだと思います…。

こうして、ノリノリな委員長に逆らいきれず吉田君が渋々作ってくれていたのが、この“よくばり具材のはなまるう丼”です!
作り方は簡単で、麺つゆ・お水・刻んだいなり寿司用の油揚げ・牛バラ肉をお鍋に入れて煮込み、ご飯の上に汁ごとかけ、仕上げに天かす・刻みネギ・生卵を乗せたら出来上がりです!
ポイントは、牛バラ肉を入れる前にめんつゆ・お水・油揚げで少し煮込んでおくこと、牛バラ肉を入れた後はアクをこまめに取り除くことの二点で、こうすると油揚げについている甘い味が溶け込んでいいお出汁になると作中で語られていました。
おつゆは関西風ではなく関東風の甘辛い味付けみたいで、これなら確かにご飯が進みそう…と読んでいて食欲がわいたのを覚えています。
当初、吉田君は一種類の具しか入れないつもりで「…ていうか何の具材で食べたいんだよ?きつね、たぬき、月見、肉…」と聞いていましたが、委員長は「う~ん…全部?」とまさかの全部乗せを希望した為、こんなに具だくさんのレシピになっていました(←追加具材やうどんの種類が山ほどある「資さんうどん」のメニュー表を渡さなくてよかったねと心底感じました)。
実際に食べた委員長曰く、「だしの中に甘みが溶け込んだおつゆをたっぷりと吸った油あげがじゅわっと!!」「そして牛バラ肉の旨味も口いっぱいに広がる!!」!!「この香ばしい天かすのサクサク感とネギのシャキシャキ感!!」「よくばり具材の全てが…ごはんと合いすぎて完全にうどん超えっ!!」とのことで、本能の赴くまま夢中でかっ込んで食べていました。
なお、吉田君も委員長の食べっぷりを見て自分の分も作ろうとしたのですが、卵しか残っていなかった為、ただの卵かけご飯になっていて気の毒でした;(←でも、この材料なら薄めのすき焼き風卵かけご飯になりそうなので、これはこれでいけそうな気もします)。

うどんの具でご飯というのは今まで思いつきもしない組み合わせだった為、ちょっと迷いましたが、どういう味がするのか気になったので再現することにしました。
作中には分量付きの詳細なレシピが記載されている為、早速その通りに作ってみようと思います!
ということで、レッツ再現調理!
まずは、具の準備。
めんつゆとお水を入れたお鍋を火にかけ、市販のいなり寿司用味付き油揚げを細く切ったものを投入し、さっと煮込みます。
油揚げが煮えてきたら牛バラ肉の薄切りを加えてさらに煮込み、沸騰してアクが出てきたらこまめに取り除きつつ、コトコト煮ます。
牛バラ肉に火が通って味が染みてきたら、準備完了です。



次は、盛り付け作業。
丼へ炊き立てご飯をよそい、その上へ先ほど仕込んだ具を乗せ、おつゆを多めにぶっかけます(←汁が見えるか見えないかくらいの量が理想です)。
そこへ、天かす→刻んだ長ネギの順にトッピングをまんべんなく散らします。
※長ネギはかなり多めにするのがおすすめです!



トッピングをすべてかけ終えたら中央に生卵を落とし、七味唐辛子やお箸と共にテーブルへ運べば“よくばり具材のはなまるう丼”の完成です!

普段は白だし使用で関西風のうどんにして食べている為、関東風の甘辛いお出汁で食べるのは初めてで、ワクワクしました(←
丼というよりは汁かけご飯風なのが少し珍しく、どんな味がするのか楽しみです!

それでは、七味唐辛子を振りかけていざ実食(←食べる気持ちが先走り、七味唐辛子をかけた画像をうっかり撮り忘れました…申し訳ございませんorz)!
いただきまーすっ!

さて、感想ですが…見た目の大人しさからは想像もつかない程ガツンとくる漢飯!楚々としたお嬢様かと思ったら、バリバリのお転婆娘だったというくらいギャップがすごいです!

たぬきうどんやきつねうどんよりも、圧倒的に肉うどん要素が色濃く、脂が乗ってこってり濃厚な牛バラ肉のおかげでご飯が進みます。
しかし、さっと煮るだけに留めているせいか、比較的あっさりした甘辛味な為くどさは一切なく、途中で飽きることもありませんでした。
味付けは「つゆだくだく和風牛丼」に似ている気もしますが、こちらはめんつゆのみで甘味がそこまで強すぎないこと、油揚げ由来のほんわりとした当たりの優しい甘さが徐々に主張してくるのが最大の違いで、がっつり系なのにほっこり系でもあるという不思議な味わいが特徴的です。
たっぷりかかった長ネギのシャリシャリシャキシャキとした爽やかな食感が最高のアクセントで、肉々している丼の後口をすっきりと垢抜けさせていました。
牛肉の出汁とめんつゆを吸ってより味わい深くなったシコシコした口当たりの油揚げもしみじみ美味しかったです(←ただ、天かすは完全に存在が埋もれていたのが残念;)。
ここに月見を崩してまろやかさがプラスされると、まさに生卵をトッピングした牛丼という感じで、つゆが多めなのもあって委員長と同じくお茶漬け感覚でズルズルと口の中に吸い込まれました(←大阪にある「千とせ本店」の肉吸い玉子かけご飯にちょっと似ているイメージです)。
七味唐辛子をふりかけて鮮やかな香りとピリッとくる辛味が足されると、さらに食欲が増幅する感じで、「すき家のネギ玉牛丼」をやや彷彿とさせる味わいだとも思いました。

麺に合う物はご飯にも合うという定説を裏付ける結果となり、大満足な再現でした。
牛丼はいろいろ調味料を入れないと、イマイチパッとしない味になるのでは…という思い込みがあった為、面倒がって今まであまり作らなかったのですが、こんなに簡単で美味ならもうこのレシピでいいやと思うくらい良かったです。
丼の具にするのはもちろん、肉うどんや肉そばにしてもすごく合っていたので、おすすめです!
P.S.
kawajunさん、コメントを下さりありがとうございます。
焼き鳥屋さんで食べる、バター醤油味の焼きおにぎり…その響きだけでお酒がすすみそうなくらい、個人的にはパワーワードでした(´Д`*)。
『どんぶり委員長』のドラマをチェックしつつ、どんどん再現していこうと思います!
●出典)『どんぶり委員長』 市川ヒロシ/双葉社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。
※レシピの分量や詳しい内容は、以前こちらでご説明した通り完全非公開に致しております。