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『夜廻り猫』の“サンマの蒲焼き缶詰丼”を再現!

 先日、実家のお墓参りをする為に両親と夫共々遠出したのですが、高速道路を走る途中寄ったサービスエリアで「ご当地名物 博多ラーメンまん」という商品を発見し、思わず足を止めました。
 何でも、博多ラーメンをそのまま肉まんに包み込んでしまった名物肉まんとの事でしたが、一応ご当地住民であるはずの当管理人や家族は初耳で、困惑。
 一度、怖いもの見たさに試してみようかどうか迷ったのですが、結局暑さで食欲がないのもあってさつま揚げ串を買い食いし、帰宅しました。
 後々気になって画像を調べたところ、どうやらラーメン風の味付けというお茶を濁した商品ではなく、本物の麺やスープが皮に包まれていたガチの商品だったようで、「本物の博多ラーメンに対抗できる逸材かどうか、確認しとけばよかった…」と少し後悔しました。

 どうも、大河ドラマ「西郷どん」の影響でお土産コーナーがあの有名な肖像画だらけになっているのを見て壮観だな~と感じた当ブログの管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『夜廻り猫』にて遠藤さんがスーパーで困っていたある女性に作り方を教えていた“サンマの蒲焼き缶詰丼”です!
サンマの蒲焼缶詰丼図
 前回、『夜廻り猫』は料理がうまい猫が多いと書きましたが、主人公の遠藤さんは困っている人にレシピを教えて作ってもらういわば講師タイプの料理上手で、実は直接作ったことは一度もありません;(←実践的なレシピが多いので、本当は自分でも作れるはず!)。
 ただ、夜廻り見習いのワカル君は自分で作って困っている人に振舞う出張料理人タイプの料理上手で、おっちょこちょいでたまに失敗はするのものの、作るご飯はみんなおいしそうで手先が器用なんだな~と感心します。
 とはいえ、どこのご家庭も都合よく材料が揃っている訳ではなく、ある時は缶詰と青じそだけ、またある時はキャベツと卵だけ、またまたある時は霜のついた冷凍ハンバーグだけなど、一体何を作ればいいのか途方に暮れるラインナップの時も多々あります(←どんな場所でも依頼人の気に入るように料理出来る『ミスター味っ子』の出張専門料理人・久島健男さんなら、何とか出来るんでしょうか…)。
 それでも、ワカル君は買い足しに行く事もなく悩みごとを聞きながら手際よく料理し、青じそで巻いたツナマヨおにぎり、めんつゆで味付けして卵でとじたキャベツ丼(七味唐辛子を添えて)、小さく切ってチューブにんにくと醤油で炒めた冷凍ハンバーグをご飯に合わせた混ぜご飯など、聞いただけでもおいしそうだな~と食欲をそそる料理をちゃちゃっと用意しちゃうんですから、恐れ入ります。
 ワカル君の口癖はその名通り「わかります~」「そぉですよね~」で、一見適当なのでみんな最初は半信半疑で受け入れるのですが、のんびりした口調で「それでそれで~?」と話を聞いてもらい、ビールをぷしゅりつつ温かいご飯を食べていく内に段々気分がほぐれていく過程は、読んでいてまさに「わかります~」な感じで、こちらも癒されます(←身に覚えのある相槌と雰囲気だな~と思いましたが、学生時代電話で相談に乗ってもらっていた女友達のノリだとすぐに分かりました;。今では夫、又は母や妹と飲みながらこんな感じで憂さ晴らししている感じで、歳を取っても似たような愚痴り合いや励まし合いをしているのに我ながら苦笑です)。
実は、実際に料理の腕がうまくて自作したりするにはワカルくん;
 今回ご紹介するのは、ある秋の日に遠藤さんが出会った若い女性のお話。
 恐らく付き合いだしてまだ日が浅い彼氏さんの家で、秋といえば焼きサンマと自然に連想した女性はサンマを焼いて夕食に出すのですが、彼氏さんは「魚焼いたの!?」「家で焼いた魚って初めて、うまい!」と喜んでサンマを食べます(←旬の物を食べるって、今この瞬間を大事にしているって感じでいいですよね)。
 女性曰く、彼氏さんのお母さんは働くシングルマザーで、小さい頃は余裕がなかったと以前聞いていたようなのですが、彼女はごく普通の家庭出身でその言葉の意味がよく分かっておらず、焼きたてのサンマに驚く彼氏さんを見て「余裕がないってそういうことだったのか…」と思い至っていました。
 普通に過ごすだけならあまり家庭環境の違いってそんなに表に出てこないものですが、食べ物や行事系は日常に色濃く直結している為、ふとした時に表面化しては驚いたり驚かれたりする事がこれまで多かったな~と、このシーンを見るたび懐かしく思い出します。
 ちなみに、当管理人は小さい頃友達とスーパーへアイスを買いに行った時、「あ、これうちでよく食べるやつだー」とビエネッタ(希望小売価格550円、北海道マスカルポーネ入りバニラアイスとチョコが何層にも重なったケーキ風アイス)を指差された時、初めて家庭の格差を意識した記憶があります。
何気ない会話で家庭環境が浮き彫りになる瞬間って、結構あります
 そして、「これからは飽きる程焼いたげる!」と燃えた女性は後日スーパーへ買い出しに行くのですが、残念ながらサンマはもう時期が過ぎていて店頭からは消えており、がっかりします(お隣の国の方々がサンマの美味しさに気付いてしまって漁獲量が激減して以来、値段も価値もウナギ上りになっていますから、そういう意味でも気楽に手に入れられなくなってますorz)。
 しかし、その様子を見ていた遠藤さんは「大丈夫、料理は気持ちだ」と励まし、代わりにサンマの蒲焼きの缶詰を買うことを勧めます。
 その後、遠藤さんが女性の傍でレシピを教えて作ってもらったのが、この“サンマの蒲焼き缶詰丼”です!
 作り方はとても簡単で、サンマの蒲焼きの缶詰を汁ごとフライパンにあけて火を通し、そこへ醤油をじゃっとかけて味付けしてから汁ごと丼ご飯の上へ乗せ、七味唐辛子・刻みネギ・卵黄をトッピングしたら出来上がりです!

 ポイントは、蒲焼きのタレは焦げやすいので強火ではなく中火以下の火力にすること、ネギは長ネギではなく青ネギを使うことの二つで、あまった卵白は味噌汁にしたらいいとちゃんとフォローしているのが作る側としては助かりました(←当管理人は大雑把な為、何か炒めた後のフライパンで卵白をスクランブルエッグ状に炒めて食べてました。そこそこ美味なものの見た目が悪いのがネックでしたが、味噌汁なら見た目もよく栄養がさらにプラスされるのがいいですね!)。
 サンマの蒲焼き丼のレシピはこれまで色々見てきましたが、生の卵黄を落とし、山椒ではなくあえて七味唐辛子を使うレシピは初めてだったので味の想像がつかず、「これは食べてみたい!」と思ったものです。
一昔前は安く買えましたが、何故か高くなりましたよね…サンマの缶詰
 最近は缶詰でもあまり見かけなくなりましたが、少し前にセールで安く手に入れたサンマの蒲焼き缶があったので、いい機会だと思い再現することにしました。
 作中には大体のレシピが記載されていましたので、早速その通りに作ってみようと思います!


 ということで、レッツ再現調理!
 まずは、焼き作業。
 油をひいて熱したフライパンへ、サンマの蒲焼きの缶詰を汁ごとあけて火にかけ、表裏をひっくり返しながらじっくり熱を通していきます(←強火で一気にすると焦げやすいですので、ちょっと強めの弱火くらいにして中にもゆっくりと熱を通した方がいいです)。
サンマ蒲焼き缶詰丼1
サンマ蒲焼き缶詰丼2
 サンマに火が通ってふっくら柔らかくなってきたら、醤油を鍋肌に沿わせるようにして入れて軽く混ぜ、汁と醤油が一体化させつつ少し煮詰めます。
 汁にとろみがついたらすぐに火を止め、炊き立てご飯をよそっておいた丼へ汁ごとサンマを乗せます。
サンマ蒲焼き缶詰丼3
サンマ蒲焼き缶詰丼4
 そこへ小口切りにした青ねぎと七味唐辛子を好きなだけ散らし、最後に卵黄をサンマの中央に落とせば“サンマの蒲焼き缶詰丼”の完成です!
サンマ蒲焼き缶詰丼5
 焦がし醤油とサンマの匂いが組み合わさった湯気が胃袋をゆさぶり、すぐにでも食したい衝動に襲われます…(←サンマの塩焼きもいいですが、こちらはより強烈な感じです)。
 サンマの缶詰だけだと見た目的にちょっとさびしいのを、青ネギの緑と卵黄の黄色が美しく彩っているのがよく、味の方はどんな感じなのか気になります。
サンマ蒲焼き缶詰丼6
 それでは。お箸で卵黄を突き崩していざ実食!
 いっただっきまーすっ!
サンマ蒲焼き缶詰丼7


 さて、味の感想は…何にも手間をかけていないのに、それに見合わない程美味し!缶詰特有の癖があまり感じられない素敵な丼です!
 ふっくら柔らかくて脂の旨味が濃いサンマの蒲焼きと白いご飯の組み合わせはまさにゴールデンコンビで、箸が進みます。
 醤油のちょい足しで風味が少し蘇り、姿は見えずとも大量のサンマの存在を感じさせるエキスが効いた深い甘辛醤油味がご飯にねっとり絡み、味がどこまでも広がりそうなのを七味唐辛子の香り高い辛さがピリッと引き締めてくれるのがたまりません。
 ともすればくどくなりがちな蒲焼きダレを、黄身がまったりマイルドに緩和してくれるのがナイスで、パクパクいけました。
 新鮮なシャキシャキねぎのアクセントも、飽きを防ぐのに最適です。
 以前作った“オイルサーディン丼”と似た味わいですが、あちらは元々いわしに醤油味がついていない上にレモンで風味付けしている分、ペペロンチーノを思わせるさらっとした洋風タレで後味もすっきり爽やかなのですが、こちらはサンマや缶汁自体に香ばしい醤油の下味がしっかりついている分よりこってり感が強調された味付けになっており、焼き鳥ダレを思わせるねっとりしたとろみで甘味が強い和風ダレがドシンとくる食べ応えにしているのが特徴的でした。
 生のサンマで一から作った蒲焼きと違い、缶詰はホロホロになった骨ごとおいしく頂けて食感に変化があり、味も出来立てにはない練れた感じがあるのがよかったです。


 蒲焼きダレがこってりしている分、七味唐辛子は割りと多めにかけた方がちょうどいい感じで、途中本物の蒲焼風に追い山椒をしてみてもおいしかったです。
 作中でおすすめされた卵白味噌汁も淡白ながらもいい箸休めになってましたし、生サンマの代用品どころかこれはこれで十分魅力的ななんじゃないかな?と思った再現でした。


P.S.
 ともちさん、無記名さん、こうたさん、AKHさん、コメントを下さりありがとうございます。


●出典)『夜廻り猫』 深谷かほる/講談社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。
※レシピの分量や詳しい内容は、以前こちらでご説明した通り完全非公開に致しております。

『ミスター味っ子』の“味吉陽一特製ナス巻きミートソーススパゲティ&丸井善男特製クルミ入りミートソーススパゲティ”を再現!

 先日スーパーへ行った時、前の方とぶつかりそうになって慌てて左によけたんですがその方も左によけ、次に右によけようとしたらまたその方も右によけ、またまた左によけ…最終的に立ち止まってお互い黙り、「どうぞ」の手を差し出すタイミングまで同じになるという奇跡に遭遇し、思わずお互い笑いました;。
 こういうよくある日常でも、あまりにもタイミングが同じだと一種のダンスみたいになるんだな~と妙に感心しました。

 どうも、昔缶コーヒーのRootsのCMであった「運命の人が男と女だとは限らない」というフレーズを何となく思い出した当ブログの管理人・あんこです(※相手の方は年上の奥様でした)。


 本日再現する漫画料理は、『ミスター味っ子』にて陽一君と丸井さんが初めて対戦した時に作った“味吉陽一特製ナス巻きミートソーススパゲティ&丸井善男特製クルミ入りミートソーススパゲティ”です!
味吉陽一特製ナス巻きミートソーススパゲティ図丸井善男特製クルミ入りミートソーススパゲティ図
 第一話で味皇様にその才能を見出された陽一君は、今度の定休日にでも遊びに来て欲しいという誘いを受け、数日後に味皇ビルへ足を運びます。
 この時、偶然迷い込んだイタリア料理セミナーで味皇料理会イタリア料理主任・丸井善男さんと初めて出会うのですが、後々大の仲良しになるとは思えない程お互いの第一印象は最悪で、何とスパゲティの茹で方がきっかけで大喧嘩しそうになってました。
 要約すると、「時間さえきっちり計って茹でれば誰でも簡単にアルデンテは作れる、経験や勘なんていらない」という至極当然の事を陽一君は指摘しただけなのですが、丸井さんが真剣に講義している最中にあくびをしたり、他の人が素直に丸井さんの教え通り作ってるのを見てクスッと笑ったり、「待ってなっ、もうちょいでばっちりのメンを作ってやっから!」「なんなら証拠見してやっかあ?」と指示をガン無視で正しいやり方をタメ口でレクチャーしたりなど、煽り耐性がないとちょっときつい場面がありましたので、初対面でこれだったら確かにカチンときても仕方ないかもしれない…と苦笑したのを覚えています;。
 味皇様としては陽一君をゆくゆくは一部門の主任にしたいと思っていたのですが、丸井さんは自身が二十年かけて得た地位をぽっと出の僅か14歳の少年があっさり手に入れるのが納得できず(←常識的に考えたら、もっともな主張ですよね…)、「この子供と…私に勝負をさせていただきたい!!」「勝負は一週間後!!私のもっとも得意とするミートソーススパゲティでだ!!」と勝負を挑んでいました。

 イタリア料理の素人に、この道三十年のプロが自分の得意料理で戦う…と聞くとかなり大人げなく思えますが、考えてみれば『ミスター味っ子』に出てくる大人はそんな大人気ないキャラばかりな事に今気が付きました(←もっと言うなら、そもそもバトル漫画業界自体そんな大人が多い気が…例えば露伴先生とか。勿論、例外もたくさんいます!)。
 むしろ、圧倒的な資金力を武器に陽一君をストーカーして潰そうとする味将軍グループの面々とか、町内での権力を維持する為だけにトロや海苔を買い占めてコンテストでごり押し優勝しようとするお寿司屋さんとか(←※卸売市場を臨時休業させて材料集めを妨害し、「世の中金と権力」という貼り紙を残したヤクザな仕出し弁当屋さんも有り)、確実に勝つ為に根回しして審査員を自分の味方で固めたお好み焼き屋さんとかに比べれば、一応小細工なしに勝負しようとしている分、まだ丸井さんは優しい方なのかもしれない…と感じたものです。
自分の得意料理で勝負って、考えてみれば大人気ないです;
 こうして丸井さんとなりゆきで勝負することになったものの、それまで炒めスパゲティしか作った事がなく圧倒的に経験不足だった陽一君は、母・法子さんに買ってきてもらった丸井さんの本「野菜ソースで作る本格的スパゲティ」のレシピを参考に、“丸井善男特製クルミ入りミートソーススパゲティ”を作ります(←ちなみにこちらのスパゲティ、本作の中で唯一全手順が絵入りで具体的に書かれており、すごく分かりやすいです。毎回こういう『クッキングパパ』方式だったら再現はすごく楽だったのにな…と少しぼやいてみたり;)。
 丸井さん曰く、「タマネギ、シイタケ、シャンピニオン、セロリ、ニンジン、ニンニク、ローリエ、パセリ、ズッキーニ、タイム…さまざまの野菜をふんだんに刻みこみ、ソースベースを作る!」「それがっコクのある旨味をもった最高のソースの秘密なのだ!!」だそうで、そこに隠し味としてクルミをいれるのが独自の工夫みたいでした。
 地味かもしれませんが、実際に試食した陽一君が言うには「一見小さなこの一粒一粒が、ミートソースに香ばしい香りと歯応えを与えているんだ…!」だそうで、さすが威張るだけの事はあると唸っていました。
 調べた所、ナッツ系の中でもクルミは一番お肉と違和感なく合わさるようで、何とベジタリアンの間では肉代わりに使われている程だとか…さすが味皇料理会イタリア部主任、知識が幅広いです!
 
 あと、現在ミートソースは日本オリジナルの料理でイタリアには存在せず、モデルとなった料理はボロネーゼではないかという情報は広く知れ渡っていますが、丸井さんのレシピは何だかんだで本場のレシピに近い感じで驚きました(←失礼;)。
 本場ではボロネーゼに合わせるのはきし麺状のタリアテッレで、トマトより赤ワインの方を味付けのベースにする為ちょっとは違いますが、そこは日本人に好まれるよう多少アレンジしたと言われれば頷けるレベルですし、それまで「シーフードは専門外とか、本当にイタリアで修行したのかな…」と疑ったことを心から反省しましたm(_ _;)m。
丸井さんのミートソースの特徴は、刻んだクルミの香ばしさと歯ざわり!
 こんな優秀な見本を見せ付けられた陽一君は、おかげですごく苦労することになるのですが、多くの試作でナスと肉がとても相性がいい事を発見し、やっとあの完璧なクルミのミートソースに対抗できると安心します(←これは、今では常識なくらい定番の組み合わせですね。肉の油を吸ったナスがトマトに凄まじく合うと思うのは海外の方も同じで、ムサカという伝統料理もあるくらいですし)。
 しかし、今度はナスが多すぎたら水っぽくなる・少なすぎたら存在感がない・多く入れて強火で水分を飛ばしたら風味が消えるなど、肝心のナスの旨さを最大限に引き出す方法が見つからず、また振り出しに戻ります。
 けれどもその日の夜、法子さんがベーコンで巻いたロールキャベツを夕食に出したことから陽一君は全てが解決するアイディアを思いつき、勝負の日に自信を持って出します。
 それが、この“味吉陽一特製ナス巻きミートソーススパゲティ”です!
 作り方はお手軽で、にんにく・玉ねぎ・にんじん・セロリ・牛豚合い挽き肉・塩・こしょう・トマトソース・ブイヨン・赤ワインを煮こんで作ったミートソースをお皿へ敷き、その上へ半分に折って茹でた後ソテーしたナスで包んだスパゲティを飾り付ければ出来上がりです。

 ポイントは、ナスはなるべく大きいものを使ってスパゲティをしっかり包むようにすること、牛豚合い挽き肉は牛:豚=3:7の割合にすること、ナスでスパゲティを包む時は目にも止まらぬスピードですることの三つで、こうするとスパゲティは肉汁が最大に出る配合で作られたミートソースにも力負けすることなく調和し、食べる時にのびのびにならずに済むと作中で語られていました(←『マトリックス』のエージェント・スミスやEXILEの「Choo Choo TRAIN」を彷彿とさせる分身術は必見!)。
 ミートソースに入れて味が損なわれるなら別に添えたらいい、そしてどうせならなかなか巻きつかずに食べにくいスパゲティを一口で食べられるよう半分に切り、ナスでまとめてしまえばいいという斬新な発想で作られたこの創作スパゲティは、味皇様を始めとする審査員の各主任達にも大好評で、丸井さんも衝撃を受けつつ絶賛していました。
パスタを真っ二つにしたり、なすで巻いたり、色んな仕掛けが目白押し!
 当管理人はものすごくトロいため、ちゃんとスピーディーに作れるか心配でずっと躊躇していたのですが、陽一君のミートソースも丸井さんのミートソースもずーっと食べてみたくてしょうがなかったので、最近の勢いに乗って再現することにしました!
 作中には大体のレシピが記載されていますので、早速ルネッサンス情熱を抱いて作ってみようと思います!


 ということで、レッツ再現調理!
 まずは、二種類のミートソースのベースとなる野菜炒め。
 油をひいたフライパンへにんにくのみじん切りを入れて弱火で火を通し、いい香りがしてきたらみじん切りにした玉ねぎ、にんじん、セロリを投入し、しっかり炒めます。
 全体がしんなりして少しカサが減り、玉ねぎがほんのりキツネ色になってきたら、ベースの野菜は用意OKです(←二種類分ですので半分こにしますが、丸井さんの方は後々野菜をプラスする事を考慮し、陽一君の方がやや多めになるよう分けておきました)。
味吉陽一特製ナス巻きミートソーススパゲティ&丸井善男特製クルミ入りミートソーススパゲティ1
味吉陽一特製ナス巻きミートソーススパゲティ&丸井善男特製クルミ入りミートソーススパゲティ2
味吉陽一特製ナス巻きミートソーススパゲティ&丸井善男特製クルミ入りミートソーススパゲティ3
 次は、陽一君のミートソース作り。
 先程のベース野菜が入ったフライパンへ牛豚合い挽き肉を加えて中火で炒め、塩と胡椒で味付けします(←挽肉に火が通ってから入れた方が、お肉の内部に肉汁が残ります)。
※牛:豚=3:7の割合になるようブレンドされてある物を使用したほうが良いです。
味吉陽一特製ナス巻きミートソーススパゲティ&丸井善男特製クルミ入りミートソーススパゲティ4
味吉陽一特製ナス巻きミートソーススパゲティ&丸井善男特製クルミ入りミートソーススパゲティ5
 ここにトマトソース、ブイヨン、赤ワインを加えて弱火~中火の火加減でじっくり煮込み、全体がとろりとして煮詰まってきたら陽一君のミートソースは出来上がりです。
味吉陽一特製ナス巻きミートソーススパゲティ&丸井善男特製クルミ入りミートソーススパゲティ6
味吉陽一特製ナス巻きミートソーススパゲティ&丸井善男特製クルミ入りミートソーススパゲティ7
 今度は、丸井さんのミートソース作り。
 先程のベース野菜が入ったフライパンへ、みじん切りにした椎茸、シャンピニオン(=マッシュルーム。今回はブラウンマッシュルームを使用しました)、パセリ、ズッキーニ、枝から指でしごいて葉だけにしたタイム、ホールのローリエを入れ、中火で炒めます。
 全体がしんなりしてきたら牛豚合い挽き肉を加えて炒め、塩と胡椒で味付けして混ぜ合わせておきます。
味吉陽一特製ナス巻きミートソーススパゲティ&丸井善男特製クルミ入りミートソーススパゲティ8
味吉陽一特製ナス巻きミートソーススパゲティ&丸井善男特製クルミ入りミートソーススパゲティ9
味吉陽一特製ナス巻きミートソーススパゲティ&丸井善男特製クルミ入りミートソーススパゲティ10
 ここにトマトソース、ブイヨン、赤ワインを加えて弱火~中火の火加減でじっくり煮込みます。
 全体がとろりとして煮詰まってきたらローリエを取り出して火を止め、細かく刻んでおいたクルミを投入してざっと混ぜ合わせたら丸井さんのミートソースは出来上がりです。
※クルミは軽く炒り、薄皮を出来るだけ取り除くとさらに香りが増します。
味吉陽一特製ナス巻きミートソーススパゲティ&丸井善男特製クルミ入りミートソーススパゲティ11
味吉陽一特製ナス巻きミートソーススパゲティ&丸井善男特製クルミ入りミートソーススパゲティ12
味吉陽一特製ナス巻きミートソーススパゲティ&丸井善男特製クルミ入りミートソーススパゲティ13
 ここまできたら、いよいよスパゲティとナスの準備。
 厚さ数ミリにスライスしたナスを薄い塩水に浸けてアクを抜き、キッチンペーパー等で水気をよく拭いたら、油をしいて熱したフライパンで両面をこんがりと焼いておきます。
 その間、塩を入れて沸騰させた大鍋にスパゲティを入れて規定時間より一分短く茹で、ザルで湯きりしたら半分はそのままお皿へ盛り付け、半分はオリーブ油をまぶしておきます。
 オリーブ油をまぶしたスパゲティは長さが大体揃うようまな板に並べ、両端を少し切ってからさらに半分に切り、それぞれさっきソテーしたナスをきゅっと巻きつけます(←切り落としたスパゲティはあまったミートソースに絡めて食べました。クスクスっぽくて美味です!)。

※有名な包丁でスパゲティをズダーン!!のシーンも再現しようとしたんですが、茹でる前のパスタの硬さは本当に岩のようで、そんな事はないと思いつつ包丁の刃が痛みそうで怖かった為断念しましたorz。ズダーンできた方、いらっしゃいましたらコツの伝授をお願いします…。
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 お皿に盛ったスパゲティの方へ丸井さんのミートソースをたっぷりかけ、別皿へ陽一君のミートソースを平たく盛ってその上にナス巻きスパゲティを乗せれば、“味吉陽一特製ナス巻きミートソーススパゲティ&丸井善男特製クルミ入りミートソーススパゲティ”の完成です!
味吉陽一特製ナス巻きミートソーススパゲティ&丸井善男特製クルミ入りミートソーススパゲティ17
味吉陽一特製ナス巻きミートソーススパゲティ&丸井善男特製クルミ入りミートソーススパゲティ20
 思ったよりも手間どったので少し冷めてしまいましたが、『ミスター味っ子』好きの当管理人はこのビジュアルを間近で見れただけでもう感激、大満足でした(つд`)。
 陽一君のミートソースもいい香りでしたが、丸井さんのミートソースはお店っぽい感じで「おお!」と感心する薫り高さで、これは両方とも味に期待が持てます!
味吉陽一特製ナス巻きミートソーススパゲティ&丸井善男特製クルミ入りミートソーススパゲティ18
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 それでは、これ以上冷めない内に急いで実食!
 いただきま~すっ!
味吉陽一特製ナス巻きミートソーススパゲティ&丸井善男特製クルミ入りミートソーススパゲティ19
味吉陽一特製ナス巻きミートソーススパゲティ&丸井善男特製クルミ入りミートソーススパゲティ22


 さて、料理の感想は…両方ともいい勝負でおいしい!陽一君のは王道的で間違いのない日本人好みの味、丸井さんのはオリジナリティー溢れる本場風の味という感じです!
  陽一君のミートソースは「老舗洋食屋さんの不動の看板メニュー」というイメージのどこか安心する味わいで、野菜が少ないせいかかえって肉のジューシーな旨味とトマトの甘さが際立っている所がよく、舌へダイレクトに伝わる昔懐かしい甘酸っぱさにほっと癒されます。
 別添えにしたナスには煮込んだナスほどの一体感はありませんが、その分ソテーして油を吸ったナス特有のぐっと濃縮したとろけるような甘味と、じゅんわりシャグシャグした瑞々しい食感が活きており、ナスも肉も主役!って感じの濃厚な旨さになってました。
 一口あたりのナスの量が多い為どことなくリッチな仕上がりで、満足感がすごいです。
 あと、整然と並んで短いパスタは一気にブツブツッ!と噛み切れるのが爽快で、スパゲティというよりは新しいショートパスタみたいな口当たりになっており、古いようで新しい味になってるのが面白いです。
 一方、丸井さんのミートソースはたっぷり入れた野菜の甘やかな風味と、口の中で溢れ返りそうな程の濃いエキスがガツンときいたフルーティーな味わいで、よりボロネーゼに似た本格的な出来映えになっています。
 マッシュルームと椎茸の深い出汁、タイムやローリエなどハーブ系の華やかな香気、ズッキーニのナスに近い甘味があわさっているおかげでさらに複雑な美味さになっており、国は違いますがプロバンス風っぽいなと思いました。
 意外だったのは刻まれたクルミの存在感の強さで、噛むごとに香ばしいコクとカリカリサクッとした歯触りが弾け、単調になりがちなミートソースの後味を一気にリフレッシュさせるのがナイスです(←陽一君のミートソースは、その役目をナスが担ってました)。
 クルミの油分が合い挽き肉とよく馴染み、普通のミートソースとは一味違うプロっぽい味になっているのが印象深かったです。


 ナスはちょっと煮込むとすぐドロドロに溶けて存在が希薄になりますが、陽一君方式だとナスのおいしさがしっかり残りつつミートソースの味をグレードアップしてくれるので、一石二鳥です。
 また、クルミとミートソースも予想を上回る相性のよさで、これは他に何か応用したいな~と考えました(←市販のミートソースにかけて頂くだけでもその威力は分かって頂けると思います)。
 嬉しい誤算で、冷めてもイタリア製パスタの底力なのかコシはそこそこ保たれており、そこまでのびていなかったのがありがたかったです(←バリラは時間がたってもコシがあり、時間にシビアではないので大変助かります)。
 ちなみに、試食してもらった夫はどちらも好きでおいしいと言っていましたが、美味しさの持続力という点で陽一君の方が僅かに勝っていたと評価していました。


P.S.
 波多野鵡鯨さん、ミトナリさん、HALさん、あめふらしさん、おもちさん、kawajunさん、Sullaさん、けんたっきーさん、コメントを下さりありがとうございます。


●出典)文庫版『ミスター味っ子』 寺沢大介/講談社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。
※レシピの分量や詳しい内容は、以前こちらでご説明した通り完全非公開に致しております。

『ミスター味っ子』の“味吉陽一特製大根おろしソースのボッチステーキ”を再現!

 その昔、『ミスター味っ子』で牡蠣ソース入りステーキが登場した時は「すごい発想をするな~」とびっくりしましたが、先日そのステーキがはるか前に実在していた事を知り、もっと驚きました;(こちらに色んな画像があります)。
 元々イギリス系アメリカ人の方が考案したそうなんですが、何故か1950~1960年のオーストラリアで爆発的に流行った料理のようで、牛の塊肉に切り込みを入れて牡蠣を挟んで焼くのが基本的な調理法との事。
 まるで荷物を入れたカーペット地のバッグに似ている事から、「カーペットバッグステーキ」と呼ばれていたみたいですが…まさかこんな漫画チックでユニークな料理が本当にあったなんて、事実は小説よりも奇なりとはよく言ったものだな~と感心した出来事でした。

 どうも、ステーキの付け合わせのじゃがいもはフライドポテトやマッシュポテトよりもふかしたじゃがいも派な当ブログの管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『ミスター味っ子』にて陽一君がステーキコンクールで出した“味吉陽一特製大根おろしソースのボッチステーキ”です!
味吉陽一特製大根おろしソースのボッチステーキ図
 偶然立ち寄った輸入牛肉展示即売会で、そのままでは硬くてあまり食べてもらえない輸入牛の、最もおいしいステーキの調理法を考えてもらうコンクールを開くと主催者から聞いた陽一君は、一年分の牛肉が優勝者の商品だと知るや否や飛びつき、「よーしやるぞー!!牛肉一年分ただどりだーァ!!」と張り切って参加することに。
 しかし、その大会にはかつて味皇料理会の主任だった肉料理の天才・小西和也さんも参加しており、陽一君は輸入牛という縛りに苦労しつつも熱い勝負を繰り広げます。

 個人的に、ミスター味っ子に出てくる料理の中で印象が強いのは日之出食堂の“味吉陽一特製超極厚カツ丼”、ミートソース対決のなす巻きスパ、一馬君との初対戦で出てきたカレー、ハンバーグ対決のパン包み串焼きハンバーグ、社員食堂のフライ定食なのですが、今回ご紹介するステーキもすごく気になってました。
 現在は輸入牛でもちょっと奮発すれば柔らかいお肉が簡単に手に入るようになっていますが、数十年前は輸入牛全般が硬い物ばかりで、肉叩きでの下処理がされていないとちょっと辛いものがあった為、初めて読んだ時は「一体どんな方法が…?」とワクワクしたのを覚えています。
 連載後期になると、海水100%使用の炊き込みご飯とか、レアの状態に揚げた赤いトンカツとか、何も足さず野菜をすりおろしただけのシャーベットとか、豚の血を下処理せずそのまま腸詰にしたブラッドソーセージとか、食べるのに勇気がいるデンジャラスな料理ばかりでハラハラするのですが(^^;)、初期~中期にかけては素直に「美味しそう」「試してみたい」と思える料理ばかりですので、安心して読めます。

 あと、読み返してみるまで気付かなかったのですが、小西さん初登場時はハリウッド俳優ばりに割れ顎が目立つ、アウトロー風の濃ゆ~い男前だったんですね←一応、味皇料理会では下仲さんに次ぐ若手のはずなんですが上司に見えます;)。
 この時は「わがままな性格で、他人との協調がどうしてもできない男だった」と味皇様から言われ、実際「オレこそ日本料理界の頂点を極める男よ!!今にきさまをその椅子からひきずりおろしてやるぜ!!」と叫ぶ刃物のように尖った気性でしたが、『ミスター味っ子Ⅱ』では単純に歳を取って丸くなったのか、若さ故の過ち的な黒歴史だったのか、豪快な性格はそのままに周囲の人との関わりを大切にしたり、被災地ボランティアをしたりするなど大分落ち着いた大人になっていましたので、時の流れって偉大だな~と思ったものです。
肉料理の天才・小西和也さんが初登場するステーキ対決の話
 この勝負で登場した陽一君のアイディアは現在でも使える物ばかりで秀逸なのですが、その中でも一番目立った印象深い工夫が、ボッチ付ステーキ皿!
 重曹入りの水に浸けて柔らかさを、牛脂を牛肉の間に挟んで肉汁の量を、大根おろしソースをかけて脂っぽさを抑えさっぱり感を出す事に成功した陽一君でしたが、冷たいソースをかける事によってステーキがすぐに冷めてしまうという欠点を抱えてしまい、悩みます。
 「いつまでも冷めないホットプレートみたいな、そんな皿…そんなステーキ皿が必要なんだ…!」と苦しむ陽一君でしたが、散歩中に焼き芋屋さんの焼き石釜を見て、鉄よりずっと熱を保つ焼き石を入れたボッチにステーキを乗せてもらったら、冷めてしまった肉でもいつでも熱く美味しく食べてもらえると閃いたのでした(←夫が「普通にホットプレートで提供したらよかったんじゃ…」と疑問を抱いてましたが、「それだと絵面が地味で展開的につまらないきっと大会の規定で駄目だったんだよ」と言い返しました。何となく、アメリカが宇宙でも書けるボールペンを頑張って開発する一方、ロシアは鉛筆を使ったという有名なコピペを思い出しました)。
 最初から完璧に焼けているステーキも魅力的ですが、ボッチは自分が最後にミニ調理をして仕上げるのが楽しそうですし、何より目の前で何度も「ジュワ~ッ!」という音と湯気が蘇るのは食欲をそそるだろうな~と思いましたので、いつか自分もやってみたいと憧れたものです(←田舎のせいか、ボッチ付ステーキ皿はお店で見かけたことなし…orz)。

 調べた所、ボッチのモデルになった調理器具は恐らくペレットで、元々は愛知県名古屋市にあるステーキ専門店「あさくま」の初代社長・近藤誠司氏が、お客様の「焼き加減を自分で調節したい」という声を反映させて生み出した商品なのだとか(←何と、今では常識となっているステーキハウスのサラダバーも「あさくま」が考え出したとの事!)。
 作中では石の方が熱を保つとありましたが、ペレットは鉄の厚みをステーキ皿の何倍にもする事によって持続的にステーキを温められるようにしているのだそうで、よく考えられているな~と思いました。
冷たい大根おろしソースで冷めたステーキは、ボッチで解決!
 こうして輸入牛肉ステーキコンクールの際、陽一君が並み居る強豪たちに打ち勝つために工夫の限りを尽くして作ったのが、この“味吉陽一特製大根おろしソースのボッチステーキ”です!
 作り方は結構凝っており、重曹入りの水に浸けた後横に薄くスライスした輸入牛肉の合間に牛脂を挟んで焼き、上から卵黄・醤油・大根おろしを混ぜて作ったステーキソースをかけ、ボッチ付のステーキ皿へガーリック炒めにした栗と小梅を共に移せば出来上がりです!
 ポイントは、重曹を水に溶かす時大量に入れすぎないことで、あんまり入れすぎると苦くなって逆効果なので気をつけた方がみたいです。
 大根おろしステーキに使う大根も、あんまり古いとパサパサして舌触りが悪くなるので、新鮮なものを使った方がいいと説明されていました(←新しい大根だと気になるのは辛味ですが、卵黄が緩和してくれるので大丈夫だそうです)。
 ちなみに、肉に脂を仕込むという発想ですが、実はフランスの方では既にラルデという技法(脂肪分が少ない肉の内部に、ラルドワールという専門の針を使って豚の背脂の細切りを埋め込み、旨味を補うやり方)が確立しているほどポピュラーな調理法だそうで、意外と正当派な解決法だったんだなと感心しました。
1肉の硬さは重曹、肉汁不足は牛脂を挟み込むことで解消!卵黄を混ぜた大根おろしソースで脂分の多いステーキをさっぱりに!
 初めて見たときから気になっていたものの、長年勇気がなくて挑戦できなかったのですが、ペレットも分厚い赤身のステーキ肉も手に入ったので、思い切って作る事にしました。
 作中にはおおよそのレシピが書かれていますので、心にルネッサンス情熱を抱きつつ再現してみようと思います!


 ということで、レッツ再現調理!
 まずは、牛肉の下準備。
 そのまま焼いたら硬そうなステーキ用赤身牛肉を用意し、極力薄く切れるよう努力しながら横に何等分か切り分けます(←さすがにしゃぶしゃぶ用肉みたいに切るのは無理で、結局四等分になりました;。再現度が低くてすみません)。
※今回、オーストラリア産肩ロースステーキ牛肉(グラム168円!)の赤身が多い部分を使用しました。指で押してみると、結構ガッチリしてました。
味吉陽一特製大根おろしソースのボッチステーキ1
味吉陽一特製大根おろしソースのボッチステーキ2
味吉陽一特製大根おろしソースのボッチステーキ3
 この牛肉を、食用重曹をよく混ぜ溶かしておいたお水を張ったボウルへ浸け込み、約数時間ほど放置します。
 時間がたち、牛肉が柔らかくなったのを確認したら、キッチンペーパーで一枚一枚余分な水分をきっちりふき取っておきます(←本当に、作中で陽一君がやってたみたいにズボッと指が沈むくらい柔らかくなってました!)。 
※重曹は入れすぎると苦くなる&浸け時間は長すぎても旨味が逃げますので、要注意です!
味吉陽一特製大根おろしソースのボッチステーキ4
味吉陽一特製大根おろしソースのボッチステーキ5
味吉陽一特製大根おろしソースのボッチステーキ6
 拭き終えたら、今度はスライスした牛脂を肉と肉の間にたっぷり挟みこみ、肉同士がくっつくよう手で軽く成型し、常温に戻しておきます(←牛脂を挟む時、塩も軽く振って下さい)。
 これで、牛肉は準備完了です!
味吉陽一特製大根おろしソースのボッチステーキ7
味吉陽一特製大根おろしソースのボッチステーキ8
 次は、付け合わせと大根おろしソース作り。
 フライパンへみじん切りにしたにんにくと油を入れて弱火で熱し、いい香りがしてきたら栗を入れてさっと炒めます(←栗は「甘栗むいちゃ○ました」が余計な加糖をされておらず、楽で使いやすいです)。
 栗ににんにくの風味がついたら別皿へ移し、小梅を加えて混ぜます。
 その間、ボウルへ汁気を少しきっておいた大根おろし、卵黄、醤油を混ぜ合わせて大根おろしソースを作っておきます。 
 これで、二つとも用意はOKです。
味吉陽一特製大根おろしソースのボッチステーキ9
味吉陽一特製大根おろしソースのボッチステーキ10
味吉陽一特製大根おろしソースのボッチステーキ11
 ここまできたら、いよいよ焼き作業。
 熱したフライパンへ下ごしらえ済の牛肉を入れて両面を焼き、全体に香ばしさが出て中に熱が通るまで火を通します(←火を通すにつれて牛脂が溶けて油がすごいことになっていきますが、取り除かずに油で肉をコーティングする感じでしっかり浸しながら焼きます)。
 一方、もう一つのコンロにはステーキ皿を直火にかけて温めておき、最後の段階であらかじめ高温のオーブンで温めておいたボッチ(ペレット)を乗せ、ガスバーナーで直接炙ってガンガンに熱くしておきます。 
味吉陽一特製大根おろしソースのボッチステーキ12
味吉陽一特製大根おろしソースのボッチステーキ13
味吉陽一特製大根おろしソースのボッチステーキ14
 温めたステーキ皿へ付け合わせの栗と小梅、焼きあがったステーキを乗せ、仕上げに大根おろしソースをかければ“味吉陽一特製大根おろしソースのボッチステーキ”の完成です!
味吉陽一特製大根おろしソースのボッチステーキ15
 大根おろしソースからにじみ出た卵黄入りの汁気が熱で固まらないか心配でしたが、意外と固まらず見た目を損なわなかったので安心しました。
 恐る恐るナイフで切り分けてみると、あれだけ硬そうだった牛肉がすんなり切り分けられるまで柔らかくなっており、これは味も期待が持てそう…とドキドキしました。
味吉陽一特製大根おろしソースのボッチステーキ16
味吉陽一特製大根おろしソースのボッチステーキ17
 それでは、ボッチでジュ~ッと温め直していざ実食!
 いっただっきまーすっ!
味吉陽一特製大根おろしソースのボッチステーキ18


 さて、味の感想は…「本当にグラム168円の牛肉?」と驚愕する程おいしい!たっぷりの脂で揚げ焼きしたようになったせいか、普通のステーキの数倍香ばしいです!
 肉をギュッと強く噛み締めるステーキならではの醍醐味を持ちつつ、ざっくりとすぐに噛みきれる柔らかな歯応えが独特で、重曹パワーってすごいな〜と感動しました。
 それに加え、意外と牛脂を挟むだけでも脂分がちゃんと肉に染み込み、全体がコクのある肉汁でしとっと潤っているのがいいです。
 本物の霜降り肉と違って肉に直接細かいサシが入っている訳はいない為、本物そっくりに口の中で自然にとろけるという訳にはいきませんでしたが、充分ジューシーで霜降り肉に近い味わいになっていました。
 この肉汁たっぷりな牛肉に、黄身でまろやかに仕上がった甘苦い醤油味の大根おろしソースが抜群に合っており、比較的あっさり頂けるのがナイスです(←お店や市販されている大根おろしソースは酸味か甘味が強すぎたり、水っぽかったりする場合が多いのですが、こちらはシンプルな醤油味で黄身のとろみが水気を抑えてくれる為、肉の味を純粋に引き立ててくれるのが特徴的でした)。
 個人的に、霜降り肉は他にない濃厚な脂が魅力的なもののどうしても赤身が脇役で段々しつこくなるのがネック、赤身肉は肉本来の旨味エキスがあるものの固くてどこか物足りないのがネックだったのですが、こちらは赤身ならではの旨味が凝縮した肉汁に脂身の甘味とコクが加わり、より複雑で重厚な旨さになっているのがよかったです。
 まさに霜降り肉と赤身のいい所取りで、脂は適度な分しか吸い込まない為、後味がそこまで脂っこくないのが最高に好みでした。
 付け合わせの栗はほんのり甘いもののがっつりしたおかず系ガーリック塩味で、ほっくりと芋っぽい味なのがにんにく風味のジャーマンポテトというイメージでお肉にぴったり、小梅は強い酸味が脂のしつこさをさらにスッキリさせる絶妙なアクセントになっており、実に考えられた組み合わせです。


 ボッチの方はと言いますと、触れた部分は本当にジューッとなって熱々状態になり、どんなに冷めていても焼きたての旨さが蘇っていましたが、全体的に温めることは出来なかった為、正直「ないよりはあった方がいいかな?」くらいの存在感でした;。
 ただ、部分的にとはいえ、大根おろしソースでやや冷めやすくなっているステーキの劣化速度を多少なりとも遅らせていたのは大したもんだと思います。
 試食した夫も「旨い!これ、どこの肉?」と喜んで何枚も平らげており、また作って欲しいと希望されるくらい大好評(←グラム168円の外国産牛肉だと種明かしすると驚いていました)。
 台所中に飛び散って冷えて固まった牛脂の掃除が大変ですので手間がかかりますがorz、それでもまた食べたくなるほど記憶に残るステーキです。


P.S.
 無記名さん、椅子さん、ガリクソンさん、コメントを下さりありがとうございます。
 それにしても、ざっと約八年ぶりに『ミスター味っ子』再現を短期間で続けて記事にしましたが、やっぱり面白いですね…大変ですが達成感もすごいです。
 新しい味っ子料理の再現も勿論ですが、画像も文章も壊滅的に下手くそな過去記事の訂正も、その内進めてみようと考えています。


●出典)文庫版『ミスター味っ子』 寺沢大介/講談社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。
※レシピの分量や詳しい内容は、以前こちらでご説明した通り完全非公開に致しております。

『クッキングパパ』の“荒岩流カボちゃんライス”を再現!

 個人的に、捌く作業が一番好きな魚介類はイカで、うろこや小骨取りがなく素手で簡単に解体できるのが楽しい為、安売りされている時はよく夕食に出します。
 イカは刺身も煮付けも炒め物もイカ飯も好きなものの、近頃むしょうに“イカのゴロ焼き”が食べたくなっており、ワタがたっぷり入ったスルメイカをスーパーへ行く度探しているのですが、福岡はやりいか主流&旬の問題もあるせいか輪切りにされたものしか見つかっていませんorz(←やりいかは内臓が非常に小さいので、ワタがメインの料理には向いていません)。
 とはいえ、イカはどのイカでも大好物なのには変わりない為、最近はやりいかの刺身と焼きイカ七味マヨ添えで旬の味を堪能することにしている今日この頃です。

 どうも、イカとかぼちゃの夫婦煮という料理があるのを知り、「どこに夫婦の要素が…!?」と気になって仕方がなくなっている当ブログの管理人・あんこです。
 

 本日再現する漫画料理は、『クッキングパパ』にて荒岩主任があるロック歌手志望の青年の為に作った“荒岩流カボちゃんライス”です!
カボちゃんライス図
 それは、梅田君が金丸産業に入社してしばらく経った頃のこと。
 仕事が終わって飲みに行こうとする田中君達に「今夜コンサートに行きませんか!?」「ロックだと本人はいうんですが、じつは僕の幼なじみなんです!!」「お願いします、彼の歌聴いてやってくださいっ」と頭を下げ、あるライブ会場へ誘います。
 当初、田中君はかわいいアイドル歌手じゃないと嫌だといいう素振りを見せていたのですが、かわいい後輩の頼みが断れなかったらしく、結局荒岩主任・夢子さん・けいこちゃんと一緒にライブへ付き合う事になっていました←田中君は昔からかわいい女の子を応援するのが好きですので、今の時代だったら地下アイドルにハマッていたかもしれません。夢子さんと結婚している今はともかく、独身時代なら「会いにいけるアイドル」なんて聞いたら絶対興味を示していたと思います;)。
 梅田君の幼なじみの名前は川口淳君、博多で地道に一人でライブ活動をしつつロック歌手を目指している苦労人だそうで、聞きにきてくれた荒岩主任達の前で必死に歌うのですが、そこそこ経験を積んでいる割にはものすごく緊張してギクシャクしており、その様子を見ていたみんなは少し戸惑います。
 そのせいか、「彼の歌どうでした?」と梅田君が無邪気に聞いた時も、けいこちゃんと夢子さんは「そっ、そうね悪くないんじゃないっ」「うっうん、いい歌だと思う…声が迫力ね~ッ」と奥歯に物が挟まったような感想しかいえず、困った反応をしていました(←緊張のあまり上ずってしまう叫び声を「迫力」と言い換える夢子さんのナイスフォロー、読むたびに出来る人だな~と感心します;)。
 上手でも下手でもない、何ともいえぬ微妙なラインが一番反応に困るのは皆同じなんだな~と苦笑いするシーンです(←まるで当管理人の料理みたry)。
地道にアマチュアバンド活動をしている川口君
 実は川口君曰く、小さい頃から人前に出るとどうしてもあがってしまう極度のあがり性で、これでも今日は小さいライブハウスだからまだマシな方、ちょっと大きなホールだったら歌詞は忘れるわコードは間違うわ無残なライブになってしまうと自嘲していました。
 マキシマム ザ ホルモンの川北亮さんの名言で「バンドてのは、いやロックてのは必死さが伝わってしまったらそれはもうロックではないのだよ。売れる為に血眼に<必死>になってるバンドマンよ。<必死>なんかいらない。<必殺>だけあればいい」という言葉があるのですが、川口君は必死さと自信のなさが相まって負のオーラを出し、落ち着いてやれば<必殺>になるはずの武器を自分で壊してしまっているように感じました。
 そして、それは親友である梅田君も痛いほど分かっていたようで、今度の日曜市民会館で行われるアマチュアコンサートに参加するのを今になって怖気つく川口君に「だっだめだよそんなんじゃ、おまえ歌はいいんだからさ」と励ましていました(←心臓に毛が生えていている田中君は川口君の気持ちが全然分からなかったようで、横で「へっ、情けねえ」と他人事全開で飲んでいましたが、数年後に夢子さんの両親に挨拶する時かなりあがって失態を演じたのを読者は知っている為、ぬるい笑顔で見る事が出来ます^^)。
 それから数日間、梅田君は川口君を勇気付けようと頑張るのですが、電話口で夜もろくに眠れないと言う川口君の憔悴しきった様子に焦って「だめじゃないか今ごろからそんなことじゃ」「ほらっ、てのひらに人という字を書いて飲んだらあがらないとかいうだろ」などと言い含め、最終的には「それから<観客はカボチャだと思えっ>とかさっ。なっ」と言い聞かせていました(←初登場時は弱々しいマザコン青年だった梅田君がここまでしっかりするなんて、長年の友だった川口君もさぞびっくりしたと思います;)。
「観客はかぼちゃと思え」という言葉で閃く荒岩主任
 こうして日曜日、相変わらずガッチガチに緊張した川口君は控え室で「うう、カッカボチャだ、カボチャなんだ、カボヂャガボヂャうううう」と順調に追い詰められていくのですが、そこへ荒岩主任が「昼めしは食ったかい?」と言いながらやって来ます。
 その際、荒岩主任が食事も喉を通らず絶食状態だった川口君に差し入れしたのが、この“荒岩流カボちゃんライス”です!
 作り方はそこそこ手がこんでおり、かぼちゃの上部分を切り取って中の種とワタを取った後バターを塗りこみ、その中へバター・油・にんにく・鶏肉・しめじ・椎茸・もち米・塩・こしょう・醤油を炒めて作った具を詰めてスープを注いでフタをし、蒸し器で全体に火が通るまで蒸しあげたら出来上がりです。
 ポイントは、鶏肉やきのこ類は熱が通りやすいよう五ミリ角の大きさにそろえて切ること、もち米は外側が透き通るまで火を通すこと、味付けは濃い目にすること、スープはヒタヒタに入れるのではなくかぼちゃの半分以下ほどの量に留めることの四点で、こうすると何も味付けしていないかぼちゃと相性ぴったりのふっくらしたご飯に仕上がるとの事でした。
 かぼちゃもちは聞いた事がありますが、もち米のまま、それもかぼちゃに入れて丸ごと蒸すなんて前代未聞な為、初見時はあまりの大胆さに度肝を抜かれたものです(←別に炊いたご飯を詰めてドリア風にしたり、プリン液を流し込んで丸ごとプリンにした事はあるのですが;)。
 その後、「かぼちゃ、かぼちゃ!」と自己暗示中状態だった川口さんはすんなり受け入れて食べる事が出来、おかげでお客さんをみんなかぼちゃだと思い込んで緊張する事なくライブを成功させていました。
緊張をふっとばすダメ押しで、かぼちゃ丸ごと料理!
 かぼちゃともち米を一緒に蒸す事は本当に可能なんだろうかとずーっと悩んでいましたが、小学四年生くらいに初めて読んだ時から抱いていた好奇心を抑えられず、再現することにしました。
 作中には詳細な手順つきのレシピがきっちり記載されていますので、早速その通りに作ってみようと思います!


 ということで、レッツ再現調理!
 まずは、かぼちゃの下準備。
 かぼちゃの表面を流水でよく洗い流して汚れを落とし(←以前、八百屋さんから「かぼちゃの皮は結構汚れてるからしっかり洗ったほうがいい」とアドバイスされた事があります)、水気をふき取ったらヘタのある部分を下記写真のように小さい包丁等で丸くえぐり取り、中の種やワタをスプーンで丁寧にかき出します。
 かぼちゃの内側がキレイになって実だけになったのを確認したら、バターを手で塗りこみます(←外側には塗らなくて大丈夫です)。
 これで、かぼちゃは準備万端です。
※注意!!→かぼちゃに包丁を入れて切り取るのは結構力がいる上、包丁を抜く時勢いあまってスコッと手が吹っ飛びがちですので、想像通り危ない作業です。怪我には気をつけて、慎重すぎる程慎重に作業したほうが良いです。
カボちゃんライス1
カボちゃんライス2
 次は、具入りもち米の用意。
 バター、油、みじん切りにしたにんにくを入れたフライパンを弱火で熱し、いい香りがしてきたら中火にして五ミリ角に切った鶏もも肉を加えてざっと炒めます。
 鶏もも肉に火が通ってきたら、研いで水に一晩浸した後水切りをしたもち米を投入し、混ぜ合わせます。
カボちゃんライス3
カボちゃんライス4
カボちゃんライス5
 そこへ、同じく五ミリ角に切ったしめじと椎茸を入れて炒め合わせます。
 やがて、もち米が透き通って全体的に火が通ってきたら、塩、こしょう、醤油でやや濃い目に味付けし、よく混ぜます(←かぼちゃには味がついていませんので、かぼちゃと食べてちょうどいいくらいの塩梅がベストです)。
 これで、具入りもち米は用意OKです。
カボちゃんライス6
カボちゃんライス7
 ここまできたら、いよいよ蒸し作業。
 かぼちゃの器へ先程の具入りもち米を軽めに詰め、上から固形スープの素を煮とかして作ったスープをかぼちゃの半分以下くらい注ぎ、取っておいたかぼちゃのヘタでフタをします(←もち米は多いとかぼちゃが割れたり火が通りにくかったりし、スープが多いとベチャベチャになりますので要注意です)。
 このかぼちゃを蒸し器へ移し、中火~強火で中に火が通るまでじっくり蒸しあげます。
カボちゃんライス8
カボちゃんライス9
カボちゃんライス10
 かぼちゃに火が通り、もち米の芯が無くなって蒸しあがったのを確認したら蒸し器から取り出し、そのまま器へ盛り付ければ“荒岩流カボちゃんライス”の完成です!
カボちゃんライス11
 「かぼちゃを丸ごとなんて、本当に蒸しあがるのかな…」と不安でしたが、意外とすぐにほっこり蒸しあがりました(←むしろ、中に詰めたもち米の方が苦労しました~!なかなかいい具合に火が通らなくて…orz)。
 香りはかぼちゃの甘やかな匂いと、にんにく醤油の濃厚な香りが入り混じってなかなかおいしそうで、味は果たしてどんな感じなのか、全く予想がつかないだけにワクワクします!
カボちゃんライス12
 それでは、食べやすいサイズに切り分けていざ実食!
 いただきまーすっ!
カボちゃんライス13


 さて、味の感想は…予想していたよりも遥かにパンチの効いた大人味のおいしさ!かぼちゃエキスが染みたご飯が美味で、一口ごとに力がわいてくる一品です!
 ホクホクに蒸し上がったかぼちゃは、皮はほっくり中はねっとりと口の中でとろける柔らかさで、すぐにペースト状になってご飯に絡む為一体感がすごいです。
 かぼちゃ本体にも塗ったりご飯からも溶け出しているおかげでバターの芳しい風味がかぼちゃの内側に染み込み、尚且つ醤油の香ばしい塩気もしっかり浸透しているせいか、最初はただの蒸しかぼちゃだったのが、よく噛んでいるとかぼちゃの洋風煮物ともいうべきしょっぱ甘い味へと変化していくのが面白いです。
 中のご飯はガーリックバター醤油味のきのこおこわという感じで、椎茸やしめじから出た深い旨味出汁がガツンと効いたコクのある味わいが特徴的で、やや柔らかめでもっちりとした優しい口当たりに癒されました。
 バター醤油ならではのこってりまろやかな塩気が、素朴ながらもこっくりとした甘味のかぼちゃと抜群の相性で、濃いめのご飯を何も味付けしていないかぼちゃがうまく緩和させていてバランスがよかったです。
 正直、にんにくや醤油で濃いめに仕立てた味付けとかぼちゃが合うのか心配でしたが、そのままだといまいちおかずにならない所をガッツリ系甘辛照り焼き風な旨さにして飯が進む味わいへと仕上げており、これはありだと思いました。


 手間がかかって体力(←かぼちゃをくりぬく作業;)も必要ですが、それに見合う目新しさとボリューム、そしておいしさがありました。
 ただ、夫は「この組み合わせは、あまり…」という感想でしたので、かぼちゃともち米の組み合わせに抵抗感がある方にはちょっと難しく、人を選ぶ料理だと思いました。


P.S.
 無記名さん、kawajunさん、コメントを下さりありがとうございます。


●出典)『クッキングパパ』 うえやまとち/講談社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。
※レシピの分量や詳しい内容は、以前こちらでご説明した通り完全非公開に致しております。

『紺田照の合法レシピ』の“高野豆腐のゴボウサラダホットサンド”を再現!

 最近、近所でお祭りがあったので少し立ち寄ってみたのですが、定番屋台の中に何とケバブを売る屋台があり、びっくりしました(←後々調べてみたところ、今ではすっかりポピュラーな屋台みたいですね)。
 よくよく見てみると他にもクロワッサンたい焼き、ステーキ、サーターアンダギーなど、子どもの頃には考えられなかったものばかり乱立しており、近頃は国際色豊かなんだな~と感心しました。
 久々のお祭りでうきうきしていた為(←ここ数年バタバタしていたので通り過ぎてました…)、買ってみようか迷ったのですが、値段を見ると千円あれば豪遊できていた時代の人間としては財布も心臓もヒュンと縮み上がるものばかりで、結局そそくさと帰宅しました;。

 どうも、金魚すくいよりもヨーヨーすくい派だった当ブログの管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『紺田照の合法レシピ』にて紺田君が職場での日常風景をヒントに作り出した夕食・“高野豆腐のゴボウサラダホットサンド”です!
高野豆腐のゴボウサラダホットサンド図
 それは、紺田君が霜降肉組の若頭・狼須さんや先輩方と、ある借金滞納顧客を事務所で説得という名のスリリングな脅迫をしていた時のこと。
 殺伐とした事務所には場違いな、可憐なお嬢さんが迷い込みます。
 お嬢さんの名前は麦野美空さんで、何とあの狼須さんの一人娘!
 美空さんが言うには、一年前まで仲がよかった狼須さんとお母さんが何故いきなり離婚したのかずっと納得していなかったらしく、どうしてもよりを戻して欲しくて知り合いづてで情報を集め、ようやく事務所にたどり着いたとの事でした←まだ13歳なのにしっかりしているな~と思う反面、そういえば『ズッコケ三人組』シリーズでも小学六年のハチベエ達がお父さん探しで飛び回った事があったな~と懐かしく思い出しました。この年頃の子どもって、大人が思ってるよりずっと色々考えてる気がします)。
 実を言いますと、狼須さんは長年自分の職業を探偵だと美空さんに偽っていたらしく、ドスが突き刺さったテーブルや、裸で正座したままの顧客を見て怪しまれるのですが(←犯罪を追う側ではなく、犯罪を作り出してる側の匂いがプンプンしますね~;)、紺田君が機転を利かせて「彼も助手の1人です。ある事件の検証のため脱いでいたんです」と話してくれたおかげでうまくごまかせ、狼須さんをほっとさせてました。
 毎度ながら、プロの役者と見紛う程のアドリブ能力の高さに脱帽します。
 かつて、『名探偵コナン』で阿笠博士が「冷静、沈着、かつ慎重に…これが君の好きなホームズじゃろ?」という名言を残した事がありますが、紺田君ならその条件ぴったりですので、余裕でホームズ級の探偵になれるんじゃないかな~と思いました←ただ、尾行も聞き込みも威圧感のある外見が邪魔してうまくいかなさそうなので、ワトソン級の助手が必須ですが…)。
独身貴族に見えた狼須さんでしたが、何とバツ一子持ちでした!
 本当は今も狼須さんは元奥さんと美空さんが大切で、よりを戻せるなら戻したい気持ちでいるのですが、数年前に若頭になって敵が増えてからは毎日が物騒な事ばかりで、「これ以上一緒にいたら家族に危険が及ぶ」と断腸の想いで離婚したとの事(←いつも女性を周囲に集めていたのは、元から女好きで羽を伸ばしたい気持ちもあったでしょうが、家族と共に生きれない寂しさもあっての事なんだろうなと切ない気持ちになったものです)。
 その為、今更真実を言う訳にはいかなかった狼須さんは「家庭を持って改めて気付いたんだ。俺には独り身が性に合ってるってな」「お前らの顔を見るだけでウンザリだぜ」と強がりの大嘘を言い、美空ちゃんをそのまま帰らせていました。
 親サイドの年齢ですので、子どもを思うがゆえの優しい嘘だというのは痛いほど分かりますが、必死に探し求めてやっと会えた親からもらった言葉がこれだと、心が折れるどころじゃないんじゃ…と読んでてハラハラしたのを覚えています。

 その様子を見ていて放っておけなかった紺田君は、見送りという名目で美空さんの後ろをついていき、「狼須さん…お父さんはその…」と珍しく口ごもりながら本当の事を話すかどうか迷っていました。
 普段は器用なのに、誰かを想って行動する時は温かくも不器用な思いやりを示すところが紺田君の可愛気で、長所なんだよな~としみじみ感じます。
 しかし、紺田君の心配は杞憂で、聡明な美空さんは狼須さんの大嘘を「嘘つくと鼻の穴が開く」という独特の癖で全て見抜いており(←こういう細かい癖を把握してるのって、家族だなぁって感じします…)、「バカだなぁパパ…」「でも良かった…私やママのこと嫌いになったわけじゃなくって」と涙ぐみながら喜んでおり、一安心しました。
 それにしても、薄々ヤ○ザの事務所だと分かっていながら堂々と入ってきたり、どう見ても拷問寸前の裸姿の顧客を見ても落ち着いていたりと、こう見えて美空さんは腹が据わっている所が父・狼須さんとそっくりなんだな~と苦笑しました。
嘘をついてでも娘さんを守ろうとしていましたが、あっさり見破られてました;
 その後、帰宅した紺田くんは家に残っていた賞味期限間近の高野豆腐とカニカマを使い、先輩から身包みはがされて追い込まれる顧客の姿をヒントにある創作料理を作ります(←相変わらず発想がえぐい個性的ですねorz)。
 それが、この“高野豆腐のゴボウサラダホットサンド”です!
 作り方は簡単で、水に浸して水分を絞った後横半分に切った高野豆腐にバターを塗り、ゴボウ・カニカマ・マヨネーズ・塩・こしょう・すりゴマを和えて作ったゴボウサラダを挟み、ホットサンドメーカーで両面がこんがりするまで焼いたら出来上がりです。
 ポイントは、ゴボウは丸めたアルミホイルで身包みをそっと剥がした後ささがきにしてしっかりあく抜きすること、高野豆腐の水分抜きは表面がぼろぼろにならないようゆっくりと圧力をかけて行うことの二点で、こうするとゴボウサラダがくどくならず高野豆腐もうまく焼けるのだとか。
 初見時は「高野豆腐がパン代わりになるのかな…?」と半信半疑でしたが、ネットで調べてみるとこれが意外とそっくりに仕上がるらしく、紺田君も「ほう、上出来だ」「外はカリッと中はモッチリ!」と満足そうでした。
 炭水化物抜き&糖質制限まで出来るところが健康的にもダイエット的にも嬉しいですし、これは画期的な発明なんじゃないかと想います。
紺田君が言うと、監獄か何かにぶちこんでいるようで物騒ですね
 前々から高野豆腐が本当にパン同然になるのかすごく気になっており、遂に好奇心を抑えられなくなり再現を決意しました(←ちょうどダイエット中でしたし)。
 作中には詳細な作り方がきっちり記載されていますので、早速その通りに作ってみようと想います!


 ということで、レッツ再現調理!
 まずは、中に挟む具の準備。
 ボウルへ細かく裂いたカニカマ、ささがきにしてアク抜きした後さっと下茹でして水気をきったゴボウ、すりゴマ、マヨネーズ、塩、こしょうを入れ、よく混ぜ合わせておきます。
※ゴボウはささがきにする前、丸めたアルミホイルでこすって泥汚れや皮を取り除いた方がいいです。
高野豆腐のゴボウサラダホットサンド1
高野豆腐のゴボウサラダホットサンド2
 次は、焼き作業。
 水に浸した後しっかり水分を搾り取っておいた高野豆腐を半分の厚さに切り分け、それぞれ片面にだけバターを塗り、バターを塗った方が外側になるようホットサンドメーカーへセットします。
 その上へ先ほどの具を乗せ、さらに高野豆腐を乗せて挟み(←こちらもバターを塗った面が外側に来るようにしてください)、ホットサンドメーカーのフタをセットして閉じ込め、両面が焼けるまでじっくりと火を通します。
※高野豆腐はいきなり力をこめて絞ると破けたり潰れてしまいがちですので、ゆっくりと優しく、それでいて着実に両手でそっとプレスして少しずつ水分をとることをお勧めします。
高野豆腐のゴボウサラダホットサンド3
高野豆腐のゴボウサラダホットサンド4
 高野豆腐の外側がこんがりと狐色に焼けたら取り出し、半分に切ってレタスを飾ったお皿へ盛り付ければ“高野豆腐のゴボウサラダホットサンド”の完成です!
高野豆腐のゴボウサラダホットサンド5
 紺田君のホットサンドメーカーと違い、うちのホットサンドメーカーは焼くと同時に切れ目が自動的に入るタイプだった為、原作とはかなり違った見た目になってしまいました|||orz|||。
 しかし、ぱっと見は本物のパンに似ている色合いと質感で、触ってみてもそこまで違和感を感じないという完成度の高さで、これは味の方にも期待が持てます!
高野豆腐のゴボウサラダホットサンド6
 それでは、焼きたての内にいざ実食!
 いただきますっ!
高野豆腐のゴボウサラダホットサンド7


 さて、味の感想は…本当にパンを食べたような満足感があるのに、全く新しい味わいにもなってて美味!むしろ、本物を使ったホットサンドより癖になるかもです!
 表面のカリッとした噛み応えと、最初のふっくらフカフカした柔らかい食感は耳をとってトーストした食パンにそっくりですが、噛むごとに徐々に増していく大豆由来の優しい自然な甘味と、本物のパンよりもしっとりふんわりした口当たりが主張してくる為、「ん?え、コレ豆腐?」となります。
 ただその違和感はむしろ心地よく、一定以上火を通すとどうしても硬くパサパサになるパンとは違い、高野豆腐は全く乾燥せずふんわりしたまま、それでいてパンみたいにさっくりした噛み心地なのが絶品でたまりません。
 味の方はバタートースト風焼き豆腐という感じですが、豆腐料理だと必ずある汁気がないので不思議な感覚になりました(←一番近い物を挙げるなら徹底的に水切りして焼いた豆腐ステーキですが、あれよりも豆腐のキメがさらに細かくてみっちりと密度が濃く、しなやかな食感というのが特徴的です)。
 この淡白でありながらバターの旨味が染みてコクもあるという面白い生地に、まろやかに香ばしくこってりしたすりごまマヨネーズ味の温野菜サラダがぴったりで、和のようで洋な一品に仕上がっていました。
 アクを抜いて上品な風味になったゴボウのザクザクした歯触りと、カニカマの甘塩っぱさがいいアクセントになっており、濃い味の割には後口があっさりしているのがよかったです。
 あと、面白いことに時間が経つと固焼きした卵の白身っぽい味(?)にもなってました。


 炭水化物抜きだと、お腹がいっぱいでもどこか物足りない気がして落ち着かなくなる事がほとんどでしたが、こちらはパンっぽさがちゃんと演出できているせいか全然気になりませんでした。
 具は豆腐に合うものだったら何でも合いそうでしたので、また試してみようと思います。


●出典)『紺田照の合法レシピ』 馬田イスケ/講談社
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 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
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 …『ベーグル食べない?~幸せカフェごはん~』
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