『華麗なる食卓』の“キーマ・マタール”を再現!

ふと、今から五年位前にヤングアニマルで読みきりとして載っていた作品『弾丸餓鬼』が気になった為、「本格的に連載決定とかしないのかな~」と諦め半分でネット検索をしてみると、何と今月の十五日に発売された短編集の中に収録されていると知ってかなりびっくりしました。不思議な引力を感じたので、明日にでも購入する予定です。
どうも、久慈光久先生の描く戦闘シーンが大好きなあんこです。

今回再現した漫画料理は、『華麗なる食卓』にて主人公・高円寺マキトがもう一人の主人公的存在・曽根崎結維ちゃんと初めて出会った時に作った“キーマ・マタール”です!
キーマ・マタール図
『華麗なる食卓』とは、幅広い料理漫画界の中でも珍しい事にカレーやカレーに関する料理を題材としている漫画で、事実あちこちで「世界初のカレー漫画」と呼ばれている作品です。潰れかけているカレー屋「ガネーシャ」の店主の娘・曽根崎結維ちゃん(初期は女子高生)と、そのカレー屋の店主に恩義を感じていてお店を建て直すために奮闘する生粋のカレー料理人・高円寺マキトの二人が、ドタバタしつつもおいしいカレーを作って周囲の人達の力になっていくという、人情コメディ仕立てのストーリーが特徴的です。
料理漫画につきものな料理対決も頻繁に行われている上、巻末には詳細なカレーレシピもついているので飽きずに楽しめます。最初は「カレーばかりだとネタが尽きるんじゃ…」とハラハラしながら読んだのですが、実際に読み進めていくとカレーの世界が予想以上に奥深いという事に気づかされ、どんどん引き寄せられていきました。サービスシーンやラブコメ風味な部分もあって面白いので、多くの方に是非読んでいただきたい漫画です。
そんな『華麗なる食卓』の記念すべき第一回目に、主人公のマキトが結維ちゃんに「快心の一食をお見舞いしたるわ!」と言って作ったのがこの“キーマ・マタール”。何でも「キーマ」はひき肉、「マタール」はグリンピースを指す言葉らしく、インドでもっともポピュラーなカレーなのだそうです。ローリエと唐辛子で香りや辛味を出したオイルで香辛料・玉ねぎ・ひき肉(本場では羊ですが、牛でも豚でもいいそうです)を炒めて作る本格派な味で、結維ちゃんも「辛いんだよぉ~~!」と泣きつつも喜んで食べていました。
キーマ・マタールの説明
辛すぎるー!
その様子が本当においしそうだったので大分前から再現したかったのですが、庭に植えているローリエの木の根っこが虫の被害にあって枯れかけていた為、それが直るまでは…とずっと我慢していました(どうせなら新鮮な材料で作りたかったので…^^;)。数ヶ月前に別の場所へ植え替えて様子見をしていたところ、最近ようやく回復してきたので、早速収穫をして再現してみようと思います!

そういう事で、レッツ再現調理!
まずは、炒め作業。鍋に油をひいてローリエと唐辛子(縦に切れ目を入れて種を取っておく)を丸ごと入れて炒め、油に香りをつけます。いい匂いがしてきたらみじん切りの玉ねぎを投入して最初は中火で混ぜ、徐々にグツグツと熱させてきたら弱火にして焦がさないように気をつけながら丁寧に炒めます。
キーマ・マタール1キーマ・マタール2
玉ねぎがきつね色になったら牛ひき肉、カレー粉(S&Bのカレー粉が好きなのでそれを使用しました^^)を加え、弱火~中火の火加減でさらに炒めます。
キーマ・マタール3キーマ・マタール4
キーマ・マタール5キーマ・マタール6
肉の色が変わり、全体に火が通りきったらトマトピューレ、解凍した冷凍グリンピースを投入し、続けて水をひたひたになるまで注いで弱火で約三十分煮込みます。
キーマ・マタール7キーマ・マタール8
水気がいい具合に飛んでやや煮詰まってきたら、すりおろしたにんにくとしょうが、塩、ガラムマサラを加えて混ぜ、もうひと煮立ちさせます。私の場合、辛い物好きなのでガラムマサラは多めに入れました。
キーマ・マタール9キーマ・マタール10
自分好みになるまで煮込んだら火からおろして器に盛り、傍らに白ご飯をよそっておいたお皿を添えれば“キーマ・マタール”の完成です!
キーマ・マタール11
とにかく、匂いがすさまじくいいです…!机の上だけインドに行ったみたいで、普段あまり嗅ぐ事のない香りでした。どんな味なのが、激しく楽しみです。
キーマ・マタール12
それでは、ルーをご飯の上にかけていざ実食!いただきまーす!
キーマ・マタール13キーマ・マタール14

さて、味の感想はというと…本格的で旨し!これぞ本場の味って感じです!
お父さんとそっくりのカレー
たっぷり使った唐辛子のせいで、一口目は強い辛味が舌へ容赦なくビリビリッとくるのですが、辛い中にも複雑な旨味や甘味がある為病み付きになります。ガラムマサラやカレー粉に含まれている風味豊かで多種多様なスパイスが隅々まで効いており、口と鼻の両方で鮮烈な刺激が楽しめるのが高ポイントでした。その中でも特に香りが素晴らしく、鼻の奥を突き抜けて脳へ直接ガツンと伝わってくるような鮮やかさと衝撃だったので、かなり印象的でよかったです。
牛ひき肉の濃い旨味やグリンピースのホコホコした食感、そして炒め玉ねぎの深いコクが全体に何とも言えないような統一感を与えており、食べれば食べる程ひきつけられるおいしさって感じでした。トマトピューレの爽やかな甘さが辛さを出来る限りカバーしていましたし、よく考えられたレシピだな~と感心させられます。ご飯との相性もばっちりで、まさに言う事なしなカレーでした。

結構気軽に出来るのに味はインド風なので、すっかり気に入りました!これからも積極的に『華麗なる食卓』の再現を続けていきたいと思います(^^)。

●出典)『華麗なる食卓』 著者:ふなつ一輝 編集: 森枝卓士/集英社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

『華中華』の“牛タンチャーハン”を再現!

深夜のお笑い番組『あらびき団』に出てくるリー五世という芸人さんの「シバイタロカーッ!」という片言混じりの鉄板ネタが最近お気に入りです。あの激しいノリが好きですし、赤鬼のような顔をして力いっぱい言う所がナイスです。
こんにちは、久しぶりに短い前置きに挑戦してみたあんこです。

今日再現する漫画料理は、『華中華』にてハナちゃんが職場の先輩・ブーちゃんの為に考え出してあげた“牛タンチャーハン”です!
牛タンチャーハン図
ブーちゃんというと、前回のお話のせいで意地悪な先輩三人組の一人といった感じのイメージが強いかもしれませんが、その反面天然ボケで親思いな所もあり、普段はなかなか憎めないキャラクターとして描かれています。
今回のお話は、そんなブーちゃんがある冬の寒い日に関帝廟(横浜中華街に存在する関羽を祭っている廟。ハナちゃんと楊貴妃さんが初めて出会った場所でもあります)へ神頼みをしに行き、その現場に楊貴妃さんが居合わせたところから始まります。興味を持った楊貴妃さんがブーちゃんのお願いを神様に成りすまして聞いた所によると、何とブーちゃんは仙台で中華料理店を経営している両親が近々新装開店をすると聞いてつい見栄を張り、「満点大飯店では一人前の料理人になっているから、実家の店の名物になるような料理を考えてやる」と約束してしまって困っているとの事でした。
楊貴妃さんは思わず「プッ!お前はまだ下に見習い(注:ハナちゃん)が一人いるだけの下働きではないか」と笑ったり、ブーちゃんがもう全然ダメだと弱音を吐くと「バカタレ~ッ!まず、お前がシャキッとせい!!」と怒りのあまり渇を入れたりしますが;、何だかんだ言いつつも上海亭に行くがいいとアドバイスし、ハナちゃんに「チャーハンの新メニューを考えるのには、テーマがあった方がいいだろ?」「寒がりのブーちゃんと、仙台の人達の身も心も温まるやつを作ってごらんよ、ハナちゃん!」と新しいチャーハン作りをお願いします。
困ったぶーちゃん
それにしても、いつも温厚でニコニコしているハナちゃんが「…もう、楊貴妃さんったら勝手なんだから…」と珍しく口を尖らしてすねるシーンは後にも先にもこの時くらいのものなので、ついほほえましく感じました(^^*)。まあ、そのすぐ後に「日頃は厳しくもされているけど、先輩は先輩…いっちょやってみるか!!」とやる気を出しているので、ハナちゃんはやっぱり優しいいい子なのだと思います。
何打かんだ言って優しいハナちゃん
そして、上海亭にておじいさん・おばあさんの三人でアイディアを出しつつ、仙台名物になるような新チャーハンを試行錯誤しながら作ったのがこの“牛タンチャーハン”です。
仙台名物である牛タンをメインの具にする事で仙台らしさをアピールし、なおかつ体を温める効果があるしょうが・ネギ・キャベツをたっぷり使う事によって寒い冬でも瞬時に体が温まる効果もプラスされているという、相当に優れたチャーハンです。その上味がおいしい事もあり、上海亭のお客さんやブーちゃんにも大好評!その後、上海亭ご夫妻の計らいのおかげでチャーハンのレシピが書かれたメモを手に入れたブーちゃんは無事ご両親に作り方を教え、実家の中華料理店を盛況させる事に成功するのでした。
実は当初、ハナちゃんはしょうがの代わりにカプサイシンが豊富な唐辛子を使おうとしていたのですが、試食した楊貴妃さんから「ハナちゃん、こいつはいけないよ。この辛さ、平気な人もいるけど、苦手な人も多いから…」と欠点を指摘され、続けて「内臓に負担をかけずにいい感じで温めてくれるようになるには、江戸のご先祖様が食べ始めてから七世代くらいかかるらしいんだ」「日本には日本人の体に負担を与えずに体を温めてくれる物が、他にもあるんだよ」という豆知識を授けられ、唐辛子の代用として日本に古来から伝わっている食材・しょうがを薦められます。『華中華』にはチャーハンのレシピだけではなく、こういう栄養学的な事も時折詳しく書かれている為、非常に勉強になります。
楊貴妃さんの豆知識
先日ようやく牛タンを置いてあるスーパーを見つけて再現可能になりましたので、早速レシピ通り再現してみます!

そういう事で、レッツ再現調理開始!
まずは、材料の下ごしらえ。キャベツは流水で洗った後に二センチ角に切ってザルへあけ、ネギは大き目の小口切りにし、しょうがは新鮮な物を丹念に洗って皮をむかないまま多量にすりおろしておきます。
牛タンチャーハン1牛タンチャーハン2
牛タンチャーハン3
牛タンはスライスされている物をさらに一センチ角へと切り、醤油、清酒、ごま油と一緒にボウルへ入れて下味をつけます。味がなじんだらしょうがを半分だけ加え、よくもみこみます。これで材料の下準備はOKです!
牛タンチャーハン4牛タンチャーハン5
牛タンチャーハン6牛タンチャーハン7
次は、具作り。フライパンであらかじめしょうがの香味油を作った後に牛タンを投入して炒め、火が通ったら多めのキャベツとネギを加え、サッと炒めてお皿に一旦取り出しておきます。この際炒めすぎてしまうと、キャベツとネギから水分が出てしまって後々チャーハンがべたついてしまうので、あまり熱を通さない事を推奨します。
牛タンチャーハン8牛タンチャーハン9
牛タンチャーハン10
今度は、いよいよチャーハン作り。最初にこちらで紹介した基本チャーハンを作っておき、最後の最後で仕上げる前に先程作った具、残り半分のしょうがを投入し、ざっと炒めてあおります。
牛タンチャーハン11牛タンチャーハン12
チャーハン全体に具としょうがが混じったら急いで火からおろし、お皿へ盛り付ければ“牛タンチャーハン”の完成です!
牛タンチャーハン13
しょうがの優しい香りが鼻に心地よく、見るからに体が温まりそうです。春キャベツを使用したせいか濃い緑色が彩りを添えていますし、これは期待が持てます。
牛タンチャーハン14
それでは、熱々の内にいざ実食!いただきまーすっ!
牛タンチャーハン15

さて、味ですが…牛タンの旨さが効いててすごくおいしいです!
中華風のはっきりした味付けと、柔らかいようでグイグイ歯を押し返してくるような弾力が魅力的な牛タンとが意外にもよくマッチしており、基本チャーハンと見事に調和しています。今まで牛タンといえば焼き肉屋さんで塩をふって焼いて食べるというのが普通だったので、醤油味にするのはちょっと不安だったのですが、いざ食べてみるとびっくりする程合っていました。しょうがをふんだんに使っているせいか、清々しい香りな上にとても爽やかな味わいで、体が徐々にポカポカ温まっていくのがいい感じです。
甘いキャベツのザクザクとした瑞々しい食感や、さり気ないものの抑え所をしっかり抑えているネギの風味が全体へ程よいアクセントを与えており、一回食べ出すと止らなくなるくらいおいしかったです。牛タンの肉汁が行き渡っていて十分コクがあるのにしょうがのおかげでさっぱりした後味でしたし、しょうががこんなにチャーハンの食材として向いているとは新発見でした!

楊貴妃さんが指摘していた通り、ごく自然にゆっくりと体温を上昇させる事が出来ました。最近ではすっかり「体を温めるなら唐辛子をいっぱい入れた辛い物が一番!」という風潮が広まっている為、地味なしょうがはどちらかと言うと影に隠れがちですが、日本人にとってずっと身近であり続けているしょうがに思いを馳せつつ、優しく体をぬくめるのもおつなんじゃないかな~と思いました(元々しょうが派な方が見ていらっしゃいましたら、偉そうに語ってしまってすみません;)。

◎追記
ちょうどあともう一人分くらいのチャーハンが作れる牛タンが残ったので、作中では「この辛さは本来日本人には合わない」と評されてボツになった唐辛子バージョンの牛タンチャーハンも再現してみました(ちなみに、辛さは一味唐辛子と豆板醤でつけています。しょうがの部分を唐辛子に置き換えるだけで出来上がります)。
確かにビリリと辛味が強いので好みはわかれそうですが、こっちはこっちでおいしかったです。唐辛子の刺激的な風味でキャベツの甘味やチャーハンの旨味がぐっと際立ち、辛い物好きな方には喜ばれそうな味わいでした。
牛タンチャーハン16牛タンチャーハン17

●出典)『華中華』 原作:西ゆうじ 作画:ひきの真二/小学館
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

ムーミンのマグカップ

一ヶ月ほど前から、相方マサル君の家の近くにあるスーパーで「シールを集めてムーミングッズと交換しよう!」というようなフェアが行われており(今回を逃したら手に入らないレア物ばかり)、ついついコレクター心がくすぐられた為、早速シールを集めて交換してきました。
蛇足ですが、箱が黄色と黒色のみのシンプルデザインなのが妙にお気に入りです。
マグカップ1
ちなみに、景品はパスタ皿やサラダ皿など色々ありましたが、中でも特にかわいかった春夏秋冬マグカップの内の春夏バージョンを手に入れました。結構大きいサイズなので、見せかけだけではないのが好印象です。
マグカップ2
マグカップ3
こちらが、春のマグカップ。ピンク色が基調となっていて、パステルカラーやお花のおかげで、見ているこちらまでほんわかしてきます。入れる飲み物は、紅茶が似合いそうです(´∀`)。
マグカップ4マグカップ5
こちらは、夏のマグカップ。青色が基調となっており、舞台が海なせいか開放的で涼しいイメージです。こっちは、牛乳やアイスコーヒーを入れるのにぴったりそうな感じがしました(^^)。
マグカップ6マグカップ7
すっかりこのシリーズの虜になったので、こうなったら秋冬のマグカップとパスタ皿四種も集めようと思います。

ただ、しみったれな私はこのマグカップ達は当面の間鑑賞用として使わず飾っておきたいと主張し、相方マサル君から「何で?使わないともったいないよ!さっさとコーヒー入れようよ~」とブーイングされています。
確かに私自身、食器は使わないと意味がないという事は重々承知しているのですが…こんなにかわいいと、すぐに使うのは不思議と心苦しいのですorz(←新しく買った服を同様の理由で一ヶ月以上放置し、シーズンを逃して来年までしまうタイプの人間)。

『華中華』の“炊き込みチャーハン”を再現!

最近は『おかわり飯蔵』、『おいピータン!!』、『クッキングパパ』、『将太の寿司』、『華中華』(あいうえお順です。ちなみに、『大市民』は夏用メニュー再現を考えてあります)の再現がほぼ主流となっていますが、実はコメント欄にてアドバイスをして下さる方々のご意見を取り入れ、色々な作品の料理をちょこちょこ試作しています。中でも、文章にまとめられそうなくらいの状態に迫っているのは『華麗なる食卓』、『キングスヰーツ』、『拳闘暗黒伝セスタス』、『大使閣下の料理人』、『鉄鍋のジャン!』なのですが、改善点が結構あるのでまだ保留中です。ただ、それらの問題を解決して100%の自信をもって出せる料理記事を作り次第、すぐにアップさせて頂きます!
どうも、もはや長い前置きが普通になってきているあんこです。

今日再現する漫画料理は、『華中華』にてハナちゃんが上海亭に行けない日の為に前日こしらえておいた“炊き込みチャーハン”です!
炊き込みチャーハン図
現在も元気に休憩時間の二時間を使って上海亭でチャーハンを作り続けているハナちゃんですが、実を言うと何度か深刻な危機があり、満点大飯店内の人間に正体がばれそうになった事があります。
まず最初に疑ったのは、ハナちゃんに意地悪ばかりしてくる先輩三人組(チビ太・ヒョロ吉・ブーちゃんという、なかなかにギャグっぽい名前です^^;)。毎日お昼に外出するハナちゃんの様子を見て、「華子は安月給だからバイトをしているに違いない」と思った三人組がハナちゃんを尾行し、上海亭へ続く裏路地に走り去ったハナちゃんを確認してしまいます。これに勢いづいた三人は「絶対ここで働いている!バイトは禁止なのに」「明日邪魔をして華子をここに来れなくしてやろう、そして店内で華子がサボってるみたいに言いつけてやろう」などと好き勝手な計画を立ててしまいます(ちなみに、ハナちゃんは無償でチャーハン作りをしています)。
秘密がばれてしまう!
その一部始終を見ていた楊貴妃さんは一瞬「呪い殺してやろうか!」と怒りますが、すぐにこれもハナちゃんの新しいチャーハン作りの修行の一環にしてしまおうと考え、あえて何も手を下さずにハナちゃんに先輩三人組の企みを話します。
当然ハナちゃんと上海亭ご夫妻は慌て、夜中に集まって何かいい案がないか悩みます。しかし結局、慢性的に腕を痛めているおじいさんでも作れる新しいチャーハンは思い浮かばず、一旦ハナちゃんは寮へ戻る事にします。そんな時、クタクタになっているハナちゃんのヒントになればと管理人のおじさん(実はハナちゃんの大叔父さんで、満点大飯店の前オーナー)は混ぜご飯のおむすびを差し入れします。それを見た勘のいいハナちゃんは「これだわ!」とアイディアを思いつき、急いで上海亭に戻って仕込んだのが今回再現する“炊き込みチャーハン”です。
作り方は単純で、香味油で炒めて味付けした具と生米を炊飯器で炊き、仕上げに温泉卵を乗せるという炊き込みご飯とチャーハンをミックスしたような感じです。おかげでハナちゃんと上海亭ご夫妻は前日の内にチャーハンの準備を終えられ、無事先輩三人組の疑いをごまかす事に成功するのでした(^^)。
ヒントになったおむすび
ホタテエキスを隠し味にしたり、おいしそうな具がゴロゴロ入れてたりで、以前から「絶対食べたい…!」と思っていました。レシピもある事ですし、早速再現してみます!

という事で、レッツ再現調理!
まずは、材料の下ごしらえ。豚肩ロース肉はダイス大に切って醤油・お酒・ごま油で下味をつけてもみこみ、しいたけ、にんじん、長ネギも同じくダイス切りにしておきます。
炊き込みチャーハン1炊き込みチャーハン2
次は、炒め作業。弱火に熱したフライパン(出来れば中華鍋)へ油と薄切りにしたしょうがを入れて香味油を作り、いい香りがしてきたらしょうがを取り出して豚肩ロース肉を加え、しっかり炒めます。
炊き込みチャーハン3炊き込みチャーハン4
豚肉から肉汁がジュワジュワ出てきたら、にんじん→長ネギ→しいたけの順に野菜類を投入してさらに炒め、途中で塩を入れて味付けをします。
炊き込みチャーハン5炊き込みチャーハン6
炊き込みチャーハン7
野菜の内部にまで火が通ったら生米(お米を洗ってザルにあけておいた物でもOKですが、無洗米をそのまま使用した方がよりパラッとしやすいです)を加えてざっと炒め、生米が具の水分を十分に吸い取ったら水、ホタテエキスと一緒に炊飯器へ入れて炊きます。この時、水は普通よりもやや少なめにした方がうまく炊き上がります。
炊き込みチャーハン8炊き込みチャーハン9
炊き込みチャーハン10炊き込みチャーハン11
炊き上がったらフタをあけ、しゃもじでさっくり混ぜておきます。
炊き込みチャーハン12
具とご飯がちょうどいい具合に混ざったらお皿へ盛り、仕上げに上へ出来立ての温泉卵を乗せれば“炊き込みチャーハン”の完成です!
炊き込みチャーハン13
もわもわと炊き込みご飯みたいに何ともいえない湯気が立ち上るのですが、この香りがとてつもなくおいしそうです…(´Д`*)。チャーハンっぽい湯気というのは初体験なので、味が楽しみです!
炊き込みチャーハン14
それでは、温泉卵をスプーンで突き崩してチャーハンになじませたらいざ実食!いっただっきま~す!
炊き込みチャーハン15炊き込みチャーハン16

さて、味の感想は…激ウマーーー(゜Д゜)!これは定番決定です!!
その名の通り、チャーハンと炊き込みご飯の良さを足して二で割ったような不思議な味わいです。程よくしっとりしているのに決してべとつかずにパラッとほどける為、とても食べやすく後口がすっきりしていたのが特徴的でした。面白い事に、小さい頃に給食でひんぱんに食べた中華風炊き込みご飯と味わいや香りがどことなく似ており、少しノスタルジーな気分に浸れました。
ごま油の香ばしさや下味のおかげで柔らかく仕上がっている豚肉、熱が加わってじんわり甘くなったにんじん、ご飯と一体化している長ネギ、お出汁たっぷりで香り高いしいたけといった個性豊かな具の旨さが、あっさりかつふくよかなホタテ風味の塩味ご飯によく浸透しており、たまらないおいしさです。ここへ温泉卵のプルプルと舌で震える白身と、まったりトロリとしたコクが嬉しい黄身とが絡んでくるとさらに旨味のグレードが上がり、幸せな余韻に浸る事が出来ました。何より、完成した後でも混ぜ混ぜしつつ食べるという「ミニ調理」は変化があって楽しいので、ナイスアイディアだと思います。

『華中華』はこういういつの時期でもおいしいチャーハンはもちろん、旬の季節にしか味わえない独特なオリジナルチャーハンがたくさんあって興味深いので、これからもストーリーに沿いながらその時々のチャーハンを紹介していきたいと思っております。時間はかかるかもしれませんが、お付き合いしてくださると幸いです(実は、『おかわり飯蔵』や『大市民』も季節色豊かなので再現のやり甲斐があります^^)。

●出典)『華中華』 原作:西ゆうじ 作画:ひきの真二/小学館
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

『おかわり飯蔵』の“簡単お夜食の皿ソバ”を再現!

 相当にマイナーなネタですが、小学生の時に「ビタミーナ王国物語」というファンタジー系RPGゲームにはまっていた事があります(ゲームボーイソフト。
 こちらこちらのサイト様がご紹介して下さっています)。環境問題や社会問題が各所に散りばめられていたり、味方・敵・武器防具・魔法・町全てに食べ物と関連した名前がつけられていたりなど変わった内容でしたが、かなり面白かったのを覚えています。
 ストーリーも戦闘もテンポがいいですし、音楽もゲームボーイにしてはなかなかの物なので、未だにおすすめしたい良作です。
 何といってもネタが豊富・ラストがカオスな為、最後までいろんな意味で楽しめます。
 その内、詳しくレビューをしてみたいと企んでいます(ただ、最低でも再現料理五百個目到達を果たして少し落ち着いた後でないと難しいかもしれません…)。
 こんにちは、「てんかぶつ」「カドニウム」「ミスターカニカマ」という名前のボスが出てくるのは世界広しと言えどこのゲームだけと確信しているあんこです。

 本日再現する漫画料理は、『おかわり飯蔵』にて飯蔵さんがさくらさんを手助けする為に夜中に限られた材料で作った“簡単お夜食の皿ソバ”です!
簡単お夜食の皿そば図
 さくらさんに恥をかかされたと逆恨みしてくるフードコーディネーター・柳生純一郎によって雑誌の記事作りを妨害されたさくらさんは、何とか朝が来る前に新しい料理記事を一から作り直さなくてはならなくなるのですが、経験不足と時間のなさが災いし、絶体絶命の危機に陥ります。
 このままだと配置換えになって雑誌作りに携われなくなると絶望するさくらさんでしたが、心配した飯蔵さんが駆けつけ、記事に必要な新しい創作料理を一緒に考えてくれます。
 時間は深夜一時前でお店はどこも開いておらず、手元にある食材といえばコンビニに辛うじて置いてあった焼きそば用茹で麺・玉ねぎ・もやし・生卵に、編集部に常備してあった醤油とかつおのふりかけ、そして何故か編集部で酒盛りを始めていたメンバーが買ってきていたお酒とさきいかのみ。
 おかげで最初は、どの社員も「何を作るかと思ったら、この材料は焼きそばか…?」「普通だな」と呆れ返ります。
さきいかプリーズ
 しかし、これらのありふれた材料は飯蔵さんの機転により、様々な料理のいい所を組み合わせて出来たような創作料理・“簡単お夜食の皿ソバ”へと大変身します!
 飯蔵さん曰く、「ふりかけにはかつお節や海苔が入っちょるから出汁の代わりになる」「さきいかからは強烈な旨味が出るんよ」との事で、見事好評を得る事に成功しました。
ここが皿ソバのポイント!
 どんな味なのかすごく気になっていたので、早速レシピ通り再現してみようと思います!

 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、材料の下準備。玉ねぎはスライスし(包丁を使うのはここだけ!)、もやしは水洗いをした後ザルで余分な水気をきり、生卵はボウルに割ってよーく溶きます。
 また、かつおのふりかけ、醤油、さきいかはなるべくいい物を用意し、さきいかの方は小さく裂いておきます。
簡単お夜食の皿そば1簡単お夜食の皿そば2
簡単お夜食の皿そば3簡単お夜食の皿そば4
 次は、炒め作業。油を多めにひいたフライパンで玉ねぎとさきいかをざっと炒め、途中でもやしも加えて合わせます。
簡単お夜食の皿そば5簡単お夜食の皿そば6
 もやしがしんなりし過ぎる前に、あらかじめ大雑把にほぐしておいた焼きそば用茹で麺を投入し、さらにほぐす為にお酒も少し入れて混ぜます。
簡単お夜食の皿そば7簡単お夜食の皿そば8
 そこへかつおのふりかけを適量加え、強火で焦げる直前まで炒め合わせます。
簡単お夜食の皿そば9簡単お夜食の皿そば10
 麺がいい具合になってきたらすかさず溶き卵の入ったボウルへ投入し、気合を入れて一気に混ぜ合わせます。
 作中によるとここがポイントで、卵黄と卵白が分離しないようにしっかり半熟状になるまでかき混ぜる事が大切なのだそうです。
簡単お夜食の皿そば11
 卵と麺と具がちゃんと混ざりきったらお皿へ盛り付け、傍らに醤油入りの瓶を添えれば“簡単お夜食の皿ソバ”の完成です!
簡単お夜食の皿そば12
 この料理は、最後に自分の好みの分だけお醤油をかけて食べるのがミソで、こうする事によって自由に塩っ気を調節しつつ味の変化を楽しむ事が出来るのだとか(最初は薄味、徐々に濃い目という実験も可能)。
 熱がほんのり通ってトロッとした卵と、半透明な玉ねぎやもやしが見るからにおいしそうですし、かつおとさきいかの香りが食欲に火がつくを後押ししてくれます。
簡単お夜食の皿そば13 
 それでは、冷めてしまう前にいざ実食!いっただっきまーす!
簡単お夜食の皿そば14

 さて、味はというと…とってもウマママーーー(゜Д゜*)!こりゃびっくり!!
 噛めば噛む程猛烈に濃い出汁が出てくるさきいか、奥深い風味が特徴的なかつおのふりかけ、独特な香りの海苔といった材料からにじみ出る濃厚な魚介エキスがしこしことコシのある焼きそば麺に絡み、さっぱりしつつもコクのある味わいに仕上がっています。
 生と半熟の中間といった感じの溶き卵が口当たりをまろやかにしているのも美味で、まるで釜玉やカルボナーラみたいな後味でした。
 想像していたよりもかなり複雑かつ手の込んだ味で、スルスルとすするごとに様々な旨味成分が口の中で爆発します!
 シャキシャキとして軽い食感のもやしと、サクサクで甘い玉ねぎがいいアクセントになっており、単調になるのを見事に防いでいます。
 うまく言えませんが、例えるなら醤油焼きそばと温玉ぶっかけうどんのいいとこどりをしたような印象を受けました。
 旨さの源が魚由来の成分なせいか胃に全くもたれませんし、夜食として最適だと思います。

正直、ここまでおいしいとは予想外でした。飯蔵さんが「半熟状態だから卵の消化も早い。疲れも取れるど」「食べても眠くならない、夜食向き料理じゃ」と言っていたのも頷ける仕上がりでしたし、大満足です。材料も品揃えがいいコンビニですぐに用意できる物ばかりですし、色んな方に是非食べて頂きたい料理です!

●出典)『おかわり飯蔵』 原作:魚柄仁之助 作画:大谷じろう/小学館
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

プロフィール

あんこ

Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
 …『銀の匙』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『スイーツ本部長一ノ瀬櫂』
 …『旅のグ(2)月は知っていた』
 …『テルマエ・ロマエ』
 …『土曜日ランチ!』
 …『BAR・レモンハート』
 …『百姓貴族』
 …『ぶたぶた』シリーズ
 …『ベーグル食べない?~幸せカフェごはん~』
 …『飯盛り侍』
 …『夢色パティシエール』


○当ブログについて
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・各作品に掲載されているレシピの分量は、例外なく全て非公開にする方針を取っておりますので、ご了承の程をお願いいたします(←この件についてご質問頂いた場合、誠に失礼ながら下記の理由でご返信しない方針にしております)。

※現在、公私の多忙と、再現記事のペース維持を理由に、コメント欄へのご返信が出来ない状態が続いております。
 こういう場合、コメント欄は停止するべきなのかもしれませんが、励ましのお言葉やアドバイスを頂く度、ブログのモチベーションアップや心の支えとなったこと、そして率直なご意見や情報を聞けてとても嬉しかったこともあり、誠に自分勝手ながらこのままコメント欄は継続する事に致しました。
 図々しい姿勢で恐縮ですが、ご返信をこまめに出来なくて余裕がある分、ブログ内容を充実&長期的に続けられるよう力をいれる事で皆様のご厚意にお応えし、感謝の気持ちをお返ししていきたいと考えております。
※ただ、ご質問を頂いた際はなるべくお力になれるよう、すぐご返答できるように対処致します。

 応援して下さる方々に少しでも楽しんでご利用して頂けるよう、沢山の作品に触れるちょっとしたきっかけになれるよう、これまで以上に心掛けていきます。
 恐れ入りますが、よろしくお願い致します。

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