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『花のズボラ飯』の“ハナさん流明太子丼”を再現!

先日、東京に行った妹から「福岡のスーパーはどこでも絶対明太子が置いてあるけど、こっちは必ずしも明太子を置いているって訳じゃない(たらこはある)。仮にあったとしても、福岡の物よりかなり高い」という情報を入手し、激しくショックを受けました。今まで「もはや明太子はどこでもそれなりの値段で手に入る」と勘違いしていた為、結構恥ずかしかったです…orz。スイーツ脳ならぬ明太子脳で、申し訳ございません;。
どうも、明太子を丸ごと包んだ卵焼きにマヨネーズをたっぷりつけて食べるのが好きなものの、コレステロールを気にして一ヶ月に一回しか食べられないあんこです(´・ω・`)。

本日再現する漫画料理は、『花のズボラ飯』にてハナさんが電車の中でこっそり聞いたレシピを自分流にアレンジして作った“ハナさん流明太子丼”です!
ハナさん流明太子丼図
実を言いますと、『花のズボラ飯』は今回のお話でめでたく第二回目の冬を迎えます。とは言ってもハナさんに別段大きな変化がある訳ではなく、ノホホンといつも通りな日々を過ごしている様子なのが読んでて癒されました(^^*)。ちなみに今月号の冒頭で、ハナさんは本屋さんでのパート仕事を終えた後に乗った電車の中で「どうして電車で座るとこう眠くなるんだろう。夏は冷房で眠くなるし、冬は暖房で眠くなるし…」「電車は大人のゆりかごね」という名言を残しています。確かに、クタクタになって乗った電車には眠気を誘う魔力がありますので、激しく共感です(そのパワーたるや凄まじく、私自身高校時代に一度だけ爆睡して終着駅まで辿り着くというお約束をやらかした事がありますorz)。『花のズボラ飯』はおいしそうなズボラ創作料理がバンバン出てくるのはもちろん、本家である『孤独のグルメ』に負けず劣らずなさりげない名言が飛び交うので、ついつい隅から隅までチェックしてしまいます。
電車は大人のゆりかご…う~ん、名言
今回再現するのは、電車でうっかり眠りこけていたハナさんが唐突な振動で目を覚ました後、自分のまん前に立って料理談義をしていた若い青年二人組がひょんな事で話題にした明太子丼。元はといえばこの料理は片方の青年だけの十八番料理だったのですが、もう片方の青年が料理に不慣れなのにも関わらず「俺の彼女料理作んねぇよ。どっちかっつーと俺が作ってるよ」と言っているのを聞いて「じゃあさ、超簡単で超うまい丼教えてやるよ」と言って親切にも詳しく教えてあげたのが話の発端でした。この時、見知らぬ二人の会話を聞くのをちょっと後ろめたく思いつつ、食いしん坊精神でそ知らぬ顔をしながら必死に耳をダンボにして聞くハナさんの表情がかわいかったです(でも、話の最後らへんで耐え切れずにお腹をグ~ッと鳴らした為、結局晒し者状態になっちゃいました^^;)。
作り方はかなり簡単で、丼ご飯の上に豆腐・明太子・白ネギ・バターを乗っけてラップをし、レンジで軽くチンをして醤油をピピッとかければもう出来上がりです。青年曰く「うーん…ネギはなくても…いや!やっぱネギポイント高い」「バターをひとかけ乗せるのが超重要」との事で、速攻出来る割にはレベルが高いおいしさに仕上がるんだとか。ただ、私が今回作るのはハナさんが長年の主婦の勘でカツオ節をパラパラ~ッと加えた“ハナさん流明太子丼”ですので、ほんのちょっぴり手がかかります(とは言っても、カツオ節を振るだけなのであっという間です^^)。
それにしても、お腹がペコペコな状態な時に目の前でこんなそそる料理の話を語られたら、私もいけないとわかってはいてもつい盗み聞きをしてしまいそうです;。昔に比べると最近は個人の考えたアイディア料理を知る機会は大分増えましたが、それでもまだまだ斬新でウマーそうな料理がひょっこり口づてで伝わってくる事は結構多いので、つくづく料理に果てはないな~と実感させられます。
電車での見知らぬ二人の会話をこっそり効いてしまうハナさん
ハナさんは愛すべき夫・ゴロさんの博多出張土産の明太子で作っていましたが、私は頼りになるしっかり者の母が安売りの際に買いためて冷凍しておいた明太子で早速再現してみようと思います。

という事で、レッツ再現調理!
まずは、明太子を皮から出す作業。普通にお箸でしごいて取り出すのも十分アリですが、実は作中でハナさんは学生時代からの親友・ミズキさんから直々に教わったという画期的な「手を汚さない明太子の出し方」を実践していましたので、私もその方法で明太子を出してみる事にします!
手を汚さずに明太子を取り出す方法
明太子はお腹が裂けている方を下にしてラップへ乗せ、そのままクルクルと巻き寿司のように包みます。その際、ラップはゆるゆるではなくぴっちりとなるように包むのがポイントです。
ハナさん流明太子丼1
ハナさん流明太子丼2
しっかり巻けたら余っているラップの部分をハサミでチョキンと切り、上からではなく下の方からゆっくり丁寧に押し出します(あんまりギューギュー押し過ぎると皮が破けて中がグチャグチャになりますので、力加減には要注意です)。こんな調子で最後まで中身をしごき出せたら、明太子の用意はOKです。
蛇足ですが、本当に手を汚さずキレイに明太子を取り出す事が出来たので驚きました。指だけでなく菜箸も併用して出すとさらにやり易くなりますので、この方法はお勧めです!何より、ベチャベチャひっついて非常に扱いにくい皮がラップごとサッと捨てられるのに感動しました。福岡県人だけでなく、世界中の人に広めたいやり方です。
ハナさん流明太子丼3ハナさん流明太子丼4
ハナさん流明太子丼5
次に、炊き立てご飯をよそった丼かお茶碗の上へ、水気をきって手でぐちゃぐちゃっとつぶした絹ごし豆腐→薄く削ったカツオ節→先程ほぐしておいた明太子→刻んだ白ネギの順にどっさり乗せ、バターをひとかけ落とします。
※白ネギがない場合は万能ネギでも可ですが、個人的に白ネギ特有のしゃっきり感がこの丼にはかなり重要な役割を果たしているように感じましたので、よろしければ初回はなるべく白ネギでお試しになられる事を推奨いたします。
ハナさん流明太子丼6ハナさん流明太子丼7
ハナさん流明太子丼8ハナさん流明太子丼9
ハナさん流明太子丼10
具を全て乗せ終えたらラップをふんわりかぶせ、高すぎないワット数に設定した電子レンジ(500Wくらいなら失敗は少ないと思います)で約一分~一分半加熱します。この時、あんまり長くレンジに入れすぎると明太子がパサパサになって台無しになりますので、なるべく様子見をしながらかけた方がいいと思います。
ハナさん流明太子丼11
バターがちょっと溶けるくらいが頃合なので、そうなったらレンジからすぐに出し、仕上げに醤油をピピッと少量かければ“ハナさん流明太子丼”の完成です!
ハナさん流明太子丼12
バターの胸がときめくような香りがプンプン漂い、それと同時に白ネギのほのかにツンとくるような爽やかな香りが鼻をくすぐります。見た目も明太子のピンク・白ネギの緑・豆腐の白の三色がかわいらしい感じで、内心「これは絶対に美味しいはず…(´Д`;)タマラナイ」という確信を持ちました。
ハナさん流明太子丼13
バターが完全に溶け切ってしまう前にご飯を軽く混ぜ混ぜして、いざ実食!いっただっきま~す!
ハナさん流明太子丼14

さて、味の感想ですが…うっまぁ~~~い(ハナさん風)!!一口目からすぐに満足させてくれる程のパワーがあるのに、結構あっさりしてます!
明太子丼を手に叫ぶハナさん
箸が止まりません!まったりこってりした力強いおいしさのバター醤油ご飯に、ピリッとくる辛旨さが特徴的な明太子が相性抜群な組み合わせで、思わずガツガツと勢いよくかっこんでしまいます。正直、明太子・バター・醤油だけだったらくどくて胸焼けする所でしたが、ザクザクシャキシャキと小気味良い歯触りの白ネギが絶妙なアクセントになっている上、ふんわり柔らかい豆腐が後口をさっぱりさせてくれる為うまい具合に中和されていました。魚卵の塩漬けだからこそ出せるねっとりした深い塩気がご飯にがっちり隅々まで絡んで離れない為、割と濃い味付けなはずなのにすごく癖になります。ハナさんの言う通り「豆腐が地味に効いてる」感じで、決して目立たないものの、豆腐の淡泊な甘味と優しい口当たりがこの丼のバランスをひっそり支えているような印象を受けました。
カツオ節のキリリとした風味と出汁成分が全体をキュッと引き締めており、なかなかのいい仕事ぶりです。個人的に、カツオ節が入っている場合は「落ち着いた和風の大人味」、ない場合は「ストレートな洋風の子ども味」という勝手なイメージを持ちました;。あと、これは作中でも指摘されていた事ですが「ご飯版・バター醤油の明太子パスタ」みたいな感じで、どこか馴染みのある味わいでした。

バター醤油は途中からどうしてもくどくなって飽きやすいのが欠点ですが、この丼は豆腐が絶妙にサポートしてくれる為、安心して食べる事が出来ます。ただ一つ注意点を挙げるとするなら、当然の如くビールとばっちりの相性なので、ついつい飲むペースが上がっちゃうというところでしょうか(^^;)。晩酌と晩御飯を同時に済ませることが出来て効率がいいので、パパッとお腹一杯になりたいときには心強い味方になってくれそうです。

●出典)『花のズボラ飯』 原作:久住昌之 作画:水沢悦子/エレガンスイブ(秋田書店)
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

『クッキングパパ』の“そば焼き”を再現!

この事をブログのネタとして書くのはもう三回目くらいになる為、気が引けるのですが…当ブログの題名は実は私が考えた物ではなく、大学時代の友人が言った言葉からそのままとってつけたものです(こちらの初回記事にも書きました)。
あれはまだ私が大学二年だった頃、一人暮らしをしている同性の友人に誘われて遊びに行き、ダラダラしていた時「部屋にある本もう全部読み終わっちゃったけど、他に何かないかな?」→「ないよ(文献を読みつつ、手書き指定のレポートを作成中)」→「あとどれくらいかかりそう?」→「分かんない」→「…もう二時間は経過しているよ。邪魔になるなら帰ろうか?」→「いやいや、一人だと寂しいからゆっくりしていってよ」→「うーん、でも暇だから退屈だよ~何もする事ないよ~」→「(友人、パソコンを指差し)本がないならブログをお読み!最近は面白いブログがいっぱいあるから、それを過去ログから見ていきゃー何時間でも暇つぶしできるよ」→「…そうかな(´Д`;)?」という流れになったのが印象強くて、それをブログ名にしちゃいました。けれども、今は当然の帰結として私の発言だと解釈され「何様?」というコメントをごく稀に頂く為、ちょっと後悔していますorz。
どうも、本性は小物かつ平凡そのもので、パニック映画で真っ先に殺される一般人みたいな地味さと運の悪さを兼ね備えているあんこです。私のブログも、どなた様かの暇つぶしになれたら幸いです。

今回再現する漫画料理は、『クッキングパパ』にて荒岩主任が田中君の失敗をきっかけにして即興で作り上げた“そば焼き”です!
そば焼き図
『クッキングパパ』がまだ初期だった頃のある夏、荒岩主任率いる営業第二課のいつものメンバーは取引先のイタリア人・ティートさんからロメオ・アルフ社特製の新作水着を全員分プレゼントされた事がきっかけで、終業時間後に志賀島の海へ遊びに行く事にします。志賀島は車で「海の中道」という両側が海になっている爽快な道路を通れば気軽に行ける上に、海・水族館・遊園地などが楽しめる事で地元民に親しまれていますが、実は「漢委奴國王」の金印が出た事でも有名だったりします(何故そんな大層な物がここに埋まっていたのか…歴史のミステリーって感じで興味深いです)。
現地へ向かう車中で荒岩主任は「泳ぐついでに、鉄板で焼きそばパーティーってのはどうだ?」と提案してみんなの大賛成を得るのですが、途中スーパーにて大急ぎで買い物を済ませてから海岸にたどり着いたところ、何と肝心の中華麺やソースの代わりに日本そばとそばつゆしか袋に入っていないのに気付きます。ちなみに、この大ポカをやらかしたのはやっぱり田中君で、本人の言を借りると「あっ、そうか!焼きそばだったんだ!俺てっきりそばそばって慌てちゃって…間違えちゃったよ、アッハッハッハッ」との事で、うっかり思い込みで間違えてしまったと軽いノリで弁解していました;。それにしても、お腹がすいて気が立っている営業第二課のみんなからシラ~ッとした目で見つめられているのに明るく振舞える田中君は、結構度胸があると思います(^^;)。恐らく私だったら、『テルマエ・ロマエ』のルシウスの如く下腹部がキリキリと痛んで真っ青になってしまいますorz。
確かに、中華そばと日本蕎麦とではえらい違いですね;
その後、ケイコちゃんから「ちょっとどうすんのよ、日本そばで焼きそば作ったなんて聞いた事ないわよ」と呆れ顔で言われるとさすがの田中君も責任を感じたらしく、「急いで取り替えてきます~!」と海パン一丁で(?!)スーパーへ戻ろうとするのですが、荒岩主任は「待った!そんな事をしていたら肉も野菜も黒コゲになっちまうぜ。それに…面白いじゃないか、やってみようぜ!」と助け船を出します。そして、日本そばとそばつゆで荒岩主任が手際よく作ったのが、この“そば焼き”です。
手順自体は普通の焼きそばとほぼ同じ、具は野菜やお肉などごく普通なもので、強いて違いを挙げるとするなら麺は日本そば・ソースはそばつゆに置き換えてあるという箇所くらいです。しかし、見た目は何ともおいしそうで、むしろ日本の暑くて蒸し蒸しした夏にはこっちの和風焼きそばの方がぴったりなのでは?と感じました。事実、作中でも「いけるじゃない!」「僕この味好き~」とかなり好評でした。考えてみれば「瓦そば」という山口の郷土料理やそば粉のクレープががあるくらいですし、そばは案外焼いたり炒めたりしてみてもおいしいものなのかもしれません。
荒岩主任の飽くなき探究心に乾杯!
あまりにもみんなから受けたせいで、田中君も思わず「にゃはは、俺のポカのおかげだぜぃ!」と調子付いてしまっていましたが;、どんな味なのか気になりましたので早速再現してみます!

という事で、レッツ再現調理!
まずは、材料の準備。キャベツ、玉ねぎ、にんじん、ピーマン、豚バラ肉の薄切りを適当な大きさにザクザク切り、かまぼことちくわは好きな厚さにスライスします(ちくわは斜めに切った方が食べやすくて見栄えもいいです)。
そば焼き1
次は、炒め作業。油をひいて熱した鉄板(又はホットプレート)へ豚バラ肉を入れてジュージュー炒め、完全に火が通りきったらその他の具を硬い順に投入してよく炒め合わせ、塩とこしょうで軽く味付けします。ちなみに私の場合、勝手な予想でにんじん→キャベツ→玉ねぎ→ピーマン・かまぼこ・ちくわの順番に加えました。
そば焼き2そば焼き3
そば焼き4そば焼き5
そば焼き6そば焼き7
野菜類に火が通ってきたら、蒸してある袋入り日本そばをほぐしながら投入してかき混ぜ、そこへそばつゆをたっぷり注ぎ込んで混ぜ合わせます。この時、強火で煮詰めるようにして炒めると香りも味も良くなりますが、程ほどにしないと焦げ付いてしまうので要注意です。
そば焼き8そば焼き9
日本そばがそこそこそばつゆを含んできたらすぐに火を止め、仕上げに刻んだ万能ネギと紅しょうがを散らせば“そば焼き”の完成です!
そば焼き10
温かいお出汁の香りが結構おいしそうなのですが、見た目が無国籍風なのでちょっと混乱します;。「焼きそばのように見えなくも…いや、やっぱり違う…」という不思議な外見で、いろんな意味で早く食べたいと熱望させられます。うっすら黒く染まっている麺が如何にも食べ応えがありそうで、予想以上にの出来です。
そば焼き11
それでは、一人前に取り分けていざ実食!いただきまーすっ!
そば焼き12
そば焼き13

さて、味はと言うと…さっぱりしているのに不思議とボリュームがあって美味!純和風焼きそばとして十分通用します!
みんなも日本風の焼きそばに舌鼓を打っていました。
例えるならば「パリパリにせず、具沢山かつ和洋折衷な味付けにした瓦そば」って感じで、甘辛いそばつゆを存分に吸い込んで黒く染まったおそばが香ばしくてかなりウマーです。作中で指示されていた通りそばつゆを大量にドバッと入れたのが効を成してしっとりツルツルな仕上がりで、煮詰められて少々とろみがついたそばつゆごとジュルジュルすするおそばの口当たりは思わず病み付きになりそうでした。普通の焼きそばよりどうしても歯ごたえや濃厚さに欠ける分(蒸しそばだと、どうしてもフニャッとしがちです;)、代わりに爽やかな後味とあっさりさがプラスされているような感じです。それにしても、塩こしょうと野菜と日本そばがこんなに合うとは意外な料理でした。
見た目によらず割と迫力のあるがっつりした味で、豚バラ肉の肉汁や野菜のエキスが程よいコクをプラスしているのがよかったです。また、紅しょうがの汁が絡んだ部分は酸味が効いていた為、より焼きそばっぽい味わいを楽しむ事が出来ました。サクサクしたにんじんの素朴な甘味、キャベツならではのザクザクと歯に響く食感、玉ねぎ独特の旨味、ピーマンのほろりとくる苦甘さ、そしてかまぼこやちくわといった練り物組のほんわか和む弾力ある歯応えがこの珍しい炒め日本そばにぴったりで、どんどん食が進みます。ビール・日本酒・焼酎・チューハイがオールマイティーに合うおいしさでした(←またまた好奇心で飲みながら食べてしまいました;)。

日本人なら、誰もが「お、いける!」と感じるであろう料理です(^^)。このままでも十分おいしいですが、もう少し辛味が欲しい方は七味か一味、もしくはワサビ(日本そばを使ったせいか、意外にも合うんです!)を混ぜて食べてみてもおつな味に変身します。

●出典)『クッキングパパ』 うえやまとち/講談社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

『華中華』の“お正月チャーハン”を再現!

今の所、『華中華』の単行本に載っているチャーハン全てを再現しようとあれこれ作っているのですが、ストーリーの進行と共に再現するという無謀な試みをしているせいか、遅々として進みません…orz。この分だと、再現を熱望している“賀茂茄子チャーハン”や“獅子唐肉詰めチャーハン”にいつになったら行き着くやら…でトホホとなっています。
『華中華』のレシピ量自体が多いのはもちろん、季節感のある旬限定の食材(例:いちご、スイカ、菜の花など)を使うチャーハンまで混ざってきたり、その他にもさらに「再現料理まとめリンク」に載せている漫画からもちょこちょこ料理を再現し続けたり(最近は『クッキングパパ』に力を入れている傾向があります)、右欄にある「再現料理を予定中の漫画」リストも再現する事によってそろそろ空欄にしたいと考えて色々用意をしているのが原因で、その結果皆様を待たせてしまう結果となっております。誠に申し訳ございません。
そんなこんなで、私自身が力量不足なのにも関わらず手を広げすぎた観が強くなってきましたので、当分はこれ以上再現料理を作る漫画を極力増やさず、今現在に前置きやリストにて「作ります!」と宣言している料理&漫画の方からキレイさっぱり片付ける事を意識して更新しようと思います。恐れ入りますが、ご了承して頂けますと幸いです。
どうも、この前置きを書いている最中に何故か「とんこつラーメンだけでなく、醤油ラーメン・味噌ラーメン・塩ラーメン・カレーラーメンも置き始めて経営が迷走してきた近所の某ラーメン屋さん」を思い出したあんこです。

今回再現する漫画料理は、『華中華』にてハナちゃんが二十歳になる新年の元旦に上海亭で作って出した“お正月チャーハン”です!
お正月チャーハン図
ハナちゃんが満点大飯店にやって来て二年目の大晦日、同じ社員寮に住んでいる人達が続々と実家へ帰っていく中、ハナちゃんは一人だけ寮に残って年越しをする事を決めます。本当は家族のみんなと一緒にお正月を過ごしたかったそうですが、ハナちゃんが書いた手紙によると「修行中の今、徳島に帰って父ちゃんや母ちゃん達の優しさに触れちゃうと、辛い事に耐えられないダメなじぶんになっちゃいそうなの…。だから、今は帰らないよ。でも、一人前の中華料理人になったら必ず帰るよ」との事で、何だかしんみりしちゃいました(´・ω・`)。人間、幸せな事にはすぐに慣れるものの、辛い事にはなかなか慣れないものですので、あえて辛い道を選んで精進するハナちゃんは将来必ず立派になると思います。
そして大晦日の夜、ハナちゃんは上海亭のおじいさんとおばあさんと初詣に行った帰りに、寮の管理人・中村さんに「ここに残っているのは二人だけみたいですし、よかったらお雑煮を一緒に食べませんか?」と話しかけて食卓を囲みます(ちなみに、神社でハナちゃんが参拝をしている時に楊貴妃さんは日本の神様に「ハナちゃんを守っておくれよ、でないとこの楊貴妃が承知しないからね!」とお願いをして「…うん」と言わせています;。正直、数百倍くらいご利益がアップしそうなので羨ましいな~と感じました^^;)。実を言いますと、中村さんはハナちゃんの大叔父であり、前・満点大飯店のオーナーでもあるという縁のある人物なのですが、ハナちゃんはそれを知りません。
この時、ハナちゃんは元旦の朝に上海亭のお客さんへ振舞うチャーハンについて悩んでいたのですが、中村さんの「やっぱり正月は餅が一番だよ!」という言葉で「そうか…お餅だ、これだ!」と見る見るうちにアイディアが浮かびます。これがきっかけとなって考え出されたのが、この“お正月チャーハン”です。
大叔父さんとお雑煮を食べた事がチャーハンのヒントに
作り方は結構シンプルで、コロコロッと角切りにしたお餅を揚げて七味唐辛子、醤油、花鰹をまぶし、同じく揚げた桜海老と共に基本チャーハンへ混ぜ込めば出来上がりです。お正月というと、中華料理よりはどうしてもおせちや和食がイメージとして頭に思い浮かびますが、こちらのチャーハンは日本のお正月らしい縁起のいいものがたくさん入っているので、比較的すんなりと新年に受け入れられそうな感じがします。ハナちゃんが言うには「揚げたお餅はチャーハンと相性がいいんです」との事なので、どんな味なのか最初読んだ時はかなり興味を持ちました。
揚げたお持ちに下味をつけるのがミソ
このチャーハンは珍しい事に、ハナちゃん達が食べた感想が作中に一切載っていなかったので、前々から実際に作って確かめてみたいと考えていました。お正月にはまだ三ヶ月ほど早いですが、予行練習として早速再現してみようと思います!

という事で、レッツ再現調理!
まずは、食材の下準備。切り餅を一センチ角の大きさに切り分けたら高温の油で柔らかく膨れるまで素揚げし、ぷく~っとしてきたらキッチンペーパーの上で余分な油分をきります(この時、くっついていたら包丁で再度ザクザク切ります)。
お正月チャーハン1お正月チャーハン2
油をきったらボウルへ入れて醤油、七味唐辛子、花鰹を加え、お箸でよく絡めます。その際、醤油味はしっかりつけておいた方がよりおいしくなります。これで、おもちの準備はOKです。
※はっきり言って、このままパクッと口の中へ放り込んでも十分ウマーだったです(^^*)。日本茶にぴったりな軽食って感じの味でした。個人的に、ここへ大根おろしを足してからみ餅風にしてもなかなかいけそうな気がしました。
お正月チャーハン3お正月チャーハン4
その間、ついでに桜海老も同じく高温の油で軽く揚げてキッチンペーパーの上へ引き上げておきます。
お正月チャーハン5お正月チャーハン6
次は、肝心のチャーハン作り。以前にご紹介したハナちゃん流基本チャーハンの作り方で簡単なチャーハンを手早くササッと作り、最後の仕上げの段階で先程用意しておいた味付き揚げ餅、揚げ桜海老を投入してザッと混ぜ合わせます。
お正月チャーハン7お正月チャーハン8
具とチャーハンが大体混ざったらすぐに火を消し、そのままお皿へ盛り付けて仕上げに焼き海苔を切って散らせば“お正月チャーハン”の完成です!
お正月チャーハン9
桜海老の赤、卵の黄色、海苔の黒、長ネギの緑の色合いがすごくキレイで、見た目だけでも楽しめます。おまけに、桜海老の強烈かつ華やかな香りがそこら中に漂う為、鼻でも楽しむ事が出来ました。あちらこちらから顔を覗かせている揚げ餅のこんがりした焼き目が何とも美味しそうで、味に期待が持てます。
お正月チャーハン10
それでは、熱々の内にいざ実食!いただきま~す!
お正月チャーハン11

さて、味ですが…目茶苦茶いい匂いが噛むごとに口の中へ溢れ出て来ておいしいです!確かに、こりゃ~めでたい感じがします!
基本的な味わいは『クッキングパパ』の“おかかチャーハン”に多少近い物があるんですが、あちらが「和中折衷」だとするならこちらは「完全和風」だと思いました。とにかく、今まで食べてきた中で断トツに香ばしくて個性的なチャーハンです。サクサクパリッと軽く揚がった桜海老がまるで出来たてのエビセンみたいなおいしさに仕上がっていて病み付きになりますし、その上七味の複雑な風味と舌が痺れそうなピリ辛醤油味がしっかり染み込んだ揚げ餅のもっちりクニクニした食感がとても独特で美味でした。また、出汁成分が次から次へとにじみ出てくる花鰹の濃い旨味もこの一風変わった純日本風チャーハンにぴったりですし、簡単な割にはよくまとめ上げられている料理だと感心しました。
ポイントはやはり揚げ桜海老で、これがたっぷり入る事によって生み出される尋常じゃない程の香り高さ・後を引く歯触り・海老特有のあっさりしたエキスはかなりご飯に合っていました。上にふりかかっている海苔も程よいアクセントになっていますし、何より少量でも腹持ちがいいのに満足です。見た目通り日本酒とそこそこ合いますし、お正月どころか晩酌のお供としても最適なチャーハンのように感じました。

おせち料理に飽きてしまった時に、身の回りであまっている食材でパパッと作れそうな気安さが嬉しいレシピです。揚げ桜海老は入れれば入れる程ウマーになりますし、そのままかじってもスナック感覚でいけますのでおすすめです。

●出典)『華中華』 原作:西ゆうじ 作画:ひきの真二/小学館
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

『華中華』の“クリスマスチャーハン”を再現!

多くの大手他サイトの方々が既に詳細な絶賛の嵐を送っていらっしゃるのに、当ブログのような弱小ブログが今更取り上げるのは恐縮なのですが、最近相方・マサル君が「欲しがってたから買ってきたよ」と言って渡してくれた『テルマエ・ロマエ』一巻と二巻を面白いな~と思いつつ熟読しています。大分前の前置きの時から『ローマ人の物語』や、『セスタス』再現の為に色々な文献を読み返していた私にとってまさに「これだーーー!!」と叫びたくなるような作品で、あちこちの描写に萌える日々です。この漫画を描いていらっしゃるヤマザキマリ先生は、他にもエッセイ漫画『それではさっそくBuonappetito!』を描いていらっしゃるのですが、この作品に出てくるお料理は御サイト・マンガ食堂様の管理人でいらっしゃるumebonさんがこちらにて素晴らしい再現をとっくになさっておられるので、私は『テルマエ・ロマエ』のルキウスが再現したフルーツ牛乳の方を当時の文献を紐解きながら再現したいな~と考えております(この時代のフルーツは何なら手に入ったのかを調べてから材料をそろえたり、地下水に近い温度の水で冷やしたり、パピルス紙のフタなどもやってみたいです)。
どうも、『テルマエ・ロマエ』の真似をしてお風呂に浸かりながら熱燗を飲んでいたら、うっかりそのまま数時間くらい眠って風邪がぶり返しそうになった頭の弱い管理人・あんこです。

今回再現する漫画料理は、『華中華』にてハナちゃんが上海亭でクリスマスパーティーを開いた子ども達の為に考えて作った“クリスマスチャーハン”です!
クリスマス・チャーハン図
クリスマス・イブがもうすぐやって来るという頃、満点大飯店ではマダム・奈可子さんが考えた恐ろしい「クリスマス抽選会(1/3の確率でイブの日を強制無給休暇にしてしまうくじ引き。イブだと中華料理店は閑古鳥が鳴いてガクッと暇になる為、経費削減策として考えたそうです;)」が行われてしまいます。ハナちゃんはただでさえ手取り月給三万円(!?)という薄給な為、当たりを引いてしまうのは困ると思いながらくじ箱に手を突っ込むのですが、以前お見合いした男性・康彦さんがハナちゃんの為にプレゼントを買ってデートに誘おうとしていたのを知っていた楊貴妃さんはわざと当たりくじをハナちゃんに引かせ、ありがたいのかどうか分からない無給休暇を獲得させていました;。この時、何も知らずに楊貴妃さんを信じて引いたハナちゃんが「何でぇ~、楊貴妃さんの意地悪…」と情けなさそうに涙ぐんでいますが、全く持って気の毒でした(^^;)。
ハナちゃん、無給休暇に涙します;。
このまま順調にクリスマス・イブになったら、デート&プレゼントでお二人の間にはそれなりに進展があったはずなんですが、楊貴妃さんがその事をすっかり忘れて「これはハナちゃんの修行になる!」と感じたある母子を上海亭に導いてしまった事から、突如怪しい雲行きになってしまいます。
そのお母さんのお悩みは、「娘やそのお友達の為にクリスマスパーティーをしてあげたいけど、その日は主人の会社の人が家に来るし、私も接待をしなければならないので無理。かと言って、子どもだけでパーティーをさせてくれる会場探しはもっと難しいし…」というものだったんですが、ハナちゃんは快く「うちはいいですよ。メインの食べ物はチャーハンになりますが…」と引き受けてしまったので、残念ながら康彦さんとのデートはお流れになりました;。楊貴妃さんの「誰がクリスマスとチャーハンは合わないって決めた!?そういう考えは嫌いだね」「何事も、やってみなくちゃわからないよ」というセリフは個人的に心から同意なんですが、この時ばかりは本末転倒って感じでハナちゃんと康彦さんが気の毒でした(特に康彦さんは、「きっと、他の人とデートなんだ…やっぱり俺じゃダメなんだ」と勘違いして落ち込んでいた為、尚更です^^;)。
しかし、この経験のおかげでハナちゃんは何ともユニークな名作チャーハン・“クリスマスチャーハン”を生み出します。作り方は中華料理とは思えないくらい大胆で、にんにく・塩・こしょう等で味付けして炒めた鶏もも肉と玉ねぎを基本チャーハンに混ぜんで丸く盛り付け、仕上げにメレンゲ状に泡立ててホタテパウダーなどで軽く調味した卵白をお湯に入れて火を通し、チャーハンの上へ型抜きして揚げたパプリカや柊の葉と一緒に飾り付ければ出来上がりです。チャーハンに牛乳やメレンゲ、そしてパプリカを使うなんて前代未聞ですが、これは単に奇抜な発想というだけではなく食欲が刺激されてやまないおいしそうなチャーハンでしたので、初めて読んだ時は相当に衝撃的でした。
でも、考えてみれば『深夜食堂』のカニを食べるクリスマスといい、『動物のお医者さん』の海鮮鍋のクリスマスといい、洋風料理じゃなくてもクリスマスはそれなりに華やいだ気分で過ごせる物ですので、ハナちゃんのようにチャーハンでクリスマスを迎えるのも十分楽しそう…と思いました。
イブにやってくる子ども達の為に色々と思考試作を重ねるハナちゃん
卵白をメレンゲにして作る雪の飾りがポイント
作中で子ども達は「クリスマスチャーハン最高だねー!」と大喜びで食べ、その後いつもの営業時間にやって来たお客さん達も「こんなチャーハンを考え付くなんて、上海亭はすごい!」と感心しながら行列を作っていました。私も是非同じような感動を味わいたいので、早速再現してみようと思います!

という事で、レッツ再現調理!
まずは、鶏もも肉の下準備。鶏もも肉は一センチ角に切り分けてボウルに移し、塩、こしょう、おろしにんにくをまぶしてもみ、牛乳を注いでそのまま放置します。ハナちゃん曰く、「不思議なんですが、鶏肉を牛乳に浸すと柔らかくて美味しくなるんです」との事で、このやり方は満天大飯店の創業者であるハナちゃんの大叔父さんが編み出した方法だそうです。
クリスマスチャーハン1クリスマスチャーハン2
その間、卵を卵白と卵黄にきっちり分けてそれぞれのボウルに入れ、卵黄の方は全卵も加えてチャチャッとかき混ぜます。卵白はまた後で使うので、その時が来るまで冷蔵庫にしまっておきます。
クリスマスチャーハン3
次は、飾り作り。赤・オレンジ・黄色のパプリカとピーマンを、思い思いのクッキー型でかわいらしい外見になるように型抜きし、高温の油で軽~くさっと揚げます。揚がったらキッチンペーパーで余分な油をきり、適度な温度になるまで冷ましておきます。
※作中ではお花っぽい形をしていましたが、私の場合家にあった母のくま・ハート・星の三種類をかたどったクッキー型を借りて使用しました。我流ですみません;。
クリスマスチャーハン4
クリスマスチャーハン5クリスマスチャーハン6
今度は、土台となるチャーハン作り。熱して油をひいたフライパンor中華鍋へ、牛乳に漬けていた鶏肉(牛乳から引き上げてザルで水気をきってから使ったほうがいいと思います)、大きめのみじん切りにした玉ねぎ、塩少々を投入し、火が通るまで炒めます。やがて玉ねぎがしんなりしてきたら火を止め、ボウルへ取り出しておきます。
クリスマスチャーハン7クリスマスチャーハン8
その後、先に用意しておいた卵黄が多めな溶き卵で、以前当ブログにてご紹介したハナちゃん流基本チャーハンのレシピ通りにチャーハンを手早く作り、そこへ先程作ったばかりの鶏もも肉炒めをドバッと加えてよく炒め合わせます。その際、鶏もも肉と玉ねぎから出てきた旨味たっぷりなお汁をご飯粒に染み込ませる事を意識して混ぜる事をお勧めいたします。
クリスマスチャーハン9クリスマスチャーハン10
これでチャーハンは出来上がりですので、ささっとドーム型に形作ってお皿に乗せておきます。少しでも冷めるのが遅れるようラップをするのもいいですし、仮に手間取ってしまった場合は電子レンジで程々に温めなおすのもありです(但し、チャーハンは頻繁にレンジにかけるとパサパサになりますので、一度だけにしておく方が無難です)。
クリスマスチャーハン11
ここまできたら、大急ぎで卵白の用意!冷蔵庫で冷やしておいた卵白を取り出してホタテパウダーと塩で味付けし、ミキサーでツノがピンと立つまでガーッと泡立てます。メレンゲ状になるまで泡立ったら、お酢を入れて沸騰させたお湯の中へそーっと落としてじっくり火を通し、片面が固まったらザルかフライパン返しで慎重にひっくり返してまた熱を通します。両面に火が通りきったらザルで割れないように救い上げて水気をしっかりきり、チャーハンの上へ乗せます。
※とにかく、びっくり仰天するくらいぷわ~っと膨らむのですごく楽しい作業です!まるで、空に浮かぶ雲を実際に作っているみたいな興奮を味わう事が出来ました(^^*)。けれども、匂いの方はゆで卵にそっくりなかすかな硫黄臭がするので、「雲っぽく見えるけど、やっぱり元は卵なんだな~」と妙に納得しました。
クリスマスチャーハン12クリスマスチャーハン13
クリスマスチャーハン14
固まった卵白の上へ素揚げ済みのパプリカとピーマン、柊の葉(残念ながら手に入らなかった為、自作の模造品ですorz)を飾り付ければ、“クリスマスチャーハン”の完成です!
クリスマスチャーハン15
実を言いますと、メレンゲをひっくり返す作業の時にほぼ中心からパックリ割れてしまった為、非常にお見苦しい仕上がりになってしまいました…|||orz|||。そのせいか、あちこちがシュワシュワした感じになっているのでパッと見は生クリームっぽく見えなくもありません;。辛うじてパプリカがその悲惨さを少しだけごまかしてくれているのが救いです。香りの方はにんにくの香りが強く、見た目によらずワイルドな印象を受けました。
クリスマスチャーハン16
それでは、一人前に取り分けていざ実食!いただきま~す!
クリスマスチャーハン17
クリスマスチャーハン18

さて、味ですが…こりゃ~かなり旨しっ!珍しい事に、中華風と洋風双方がバランスよく調和したチャーハンです。
子ども達もみんな大喜び!
土台になっているチャーハンの方は黄身を多めに使用したせいか炒り卵がやや固めで、基本チャーハンよりも大分しっかりした食感なのが特徴的です。見た目は如何にもあっさり風ですが実際は相当に濃厚かつガツンとくるにんにく塩味な上、鶏もも肉のグニグニした歯ごたえと強いコクが要所要所で効いていてとても野性的な料理でした。鶏の脂で炒め煮されたおかげで香ばしくとろけるような甘さになっている玉ねぎはもちろん、一番美味だったのは鶏肉で、牛乳パワーでちょうどいい弾力を残しつつしっとり柔らかく仕上がっているのが非常によかったです。個人的にこの鶏肉は、唐揚げ専門店の唐揚げから衣を抜いただけのような味に近い物があると感じました(正直、単品で食べても十分おつまみになりそうなくらい本格派な旨さです)。
また、雪のような形をした卵白もまるで雲みたいにホワホワした口当たりやシュワシュワと淡くほどけていく舌触りが面白かったです。味わいは例えるなら「メレンゲ状になって空気が沢山含まれている茹で卵の白身」って感じで、風変わりではあるもののホタテパウダーのさっぱりした後味がウマーでした。この儚げな卵白が、ワイルドなチャーハンへ殊の外絶妙なアクセントを付け加えています。作中では子どもの為のクリスマスチャーハンとして振る舞われていましたが、どっちかというとお酒のつまみとして楽しむ事が出来る大人用のクリスマスチャーハンでは?と思いました。

大変メルヘンなビジュアルなので奇異に思われるかもしれませんが、意外にもビールやグレープフルーツ・チューハイに滅茶苦茶合います。ネタになる上に味までおいしいので、クリスマスには一見一食の価値は十二分にあるパーティー用料理だと思います。ただ、作るのはかなりコツと勘が必要になってきますので、メレンゲをひっくり返す際にはくれぐれもお気をつけ下さい;。
それにしても、本当にやってみなくちゃ分からない物だな~と改めて楊貴妃さんの言葉を実感しました。ハナちゃんと楊貴妃さんの飽くなき探究心に、敬礼/(`・ω・´)ビシッ!

P.S.
先程、プロフィール欄にて掲載している「再現料理を予定中の漫画」を初めとするその他諸々を更新しなおしてみました。よろしければ、是非ご一読していただけますと幸いです。

●出典)『華中華』 原作:西ゆうじ 作画:ひきの真二/小学館
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

『クッキングパパ』の“クリ・イモ・トリ煮”を再現!

母は山口県出身なせいか、私が幼い頃から様々な山口の郷土料理を作ってくれました。その内の一つが「瓦焼きそば」で、和風パリパリ焼きそばとも言うべき独特の旨さに夢中になっていたのをよく覚えています(その為、『クッキングパパ』の“そば焼き”には一種の懐かしさを感じました)。ただ、物心つく時から住んでいる地が福岡だった為、かなり最近まで「福岡の郷土料理」だとずっと勘違いをしていました;。他にも勘違いしている料理がないか、近い日にもっと調べてみようと思います。
こんばんは、一度「突撃!隣の晩ごはん」風に各家庭の味を知る為にお箸を片手に食べ回りたいというとんでもなくハタ迷惑な野望を持っている管理人・あんこです。

今日再現する漫画料理は、『クッキングパパ』にて夢子さんが田中君に作ってあげる為におばあちゃんから習った“クリ・イモ・トリ煮”です!
クリ・イモ・トリ煮図
今ではすっかりおしどり夫婦な田中君・夢子さん夫妻ですが、実を言いますとお二人は告白&プロポーズが一気に済んでしまった感じな為、恋人だった期間がゼロに等しいです;。ただ、その前から何度もお互いの事を理解しあう機会があったり、両思い同然な歯がゆい描写が繰り返しあったので、もはや相手をよく知る為にわざわざ付き合う必要はなかったのかもしれません。『クッキングパパ』は様々なキャラクター達の人生が交差している為、どの視点から見ても非常に興味深くて面白いのが特徴的ですが(荒岩夫婦の視点、まこと君の視点、カツ代さんの視点など)、中でも田中君・夢子さん夫婦の視点は一、二を争う程読み応えがあるのではないかと個人的に感じました。お二人を見ていると、うまくいくご縁という物はどんなに遠回りでも自然とうまくいくものなのだな~としみじみ考えさせられます。
今回再現するのは、そんなお二人の仲が徐々に≪結婚≫の二文字へ向けてジワジワと進み始めていた頃に、夢子さんが田中君に「今まで食べてきた中で一番おいしかったと思う料理」と言って振舞った秋だけしか楽しめない旬の煮物・“クリ・イモ・トリ煮”。
元はと言えば、夢子さんのおばあちゃんが実家で昔から作り続けていたオリジナル家庭料理で、その名通り栗・里芋・鶏の手羽先をカツオ節と昆布の一番出汁で品ふんわり煮て作る煮物です。おばあちゃん曰く「死んだじいさんも、この料理が大好きでな―。毎年、秋になるのを待ちかねて作りよったど」との事で、私もいつか夢子さん達のように料理で思い出を語れるようになりたいな~ととても羨ましくなりました(^^)。このエピソードを読むたび、誰かから「今まで食べてきた中で、一番おいしかったよ」と言われるような料理を作れる日が来るよう日々精進をしたいと、改めて襟を正す思いにさせられます。
幼き頃の夢子さんが一番おいしいと思った食べ物
特に豪華な材料を使う訳ではありませんが、地味ながらも印象に残る料理だった為、初めて読んだ時から絶対再現したい!と思っていました。ちょうど近所の八百屋さんで品質のいい栗や里芋を見つける事が出来た事ですし、早速再現してみます!

という事で、レッツ再現調理!
まずは、それぞれの素材の下ごしらえ。栗は鬼皮ごと熱湯で二~三分くらい茹でてザルにあけ、さっと冷水で冷やします(原作にはない手順ですので恐縮ですが、こうすると一気にむきやすくなります)。この栗を包丁と指を駆使して、鬼皮→渋皮の順にむきます。正直、この作業は慣れないと手を痛みやすい上に結構時間がかかりがちですが、うまくむけると楽しくてスカッとする為あっという間に無我の境地に至れます(´∀`)。
クリ・イモ・トリ煮1
クリ・イモ・トリ煮2クリ・イモ・トリ煮3
里芋は皮をむいて小さめの物はそのまま、大きめの物は乱切りにして面取りし、柔らかくなるまで下茹でします。ちなみに、下茹でをどうしても省略したい場合は塩をまぶして流水で揉み洗いをすると、余分なぬめりが取れて味が断然染みやすくなります。
クリ・イモ・トリ煮4
クリ・イモ・トリ煮5クリ・イモ・トリ煮6
鶏の手羽先(又は鶏の手羽元。骨付きの鶏肉を使うのがポイントです!)は、やや多めに油をひいて熱したフライパンで焦げ目がつくくらいジリジリと中火で焼きます。やがて両面がこんがり焼けてきたらザルに取り出し、熱湯をふりかけて油を程々に抜いておきます。これで、材料は準備万端です。
クリ・イモ・トリ煮10クリ・イモ・トリ煮11
その間、昆布とカツオ節をたっぷり使って濃い一番出汁を作り、漉し器orキッチンペーパーをしいたザルで丁寧に漉しておきます。実は、日本風のシンプルな出汁はコンソメなどといった洋風の出汁とはまるで正反対の性質を持っており、鮮度が命だと言われています。時間が経てば経つほど味も香りもガクンと落ちてしまいますので、出来ればなるべく煮物を作る寸前に出汁を取る方が、より美味しくなると思います。
クリ・イモ・トリ煮7クリ・イモ・トリ煮8
クリ・イモ・トリ煮9
次は、煮る作業。先程用意しておいた一番出汁、栗、里芋をお鍋に入れ、弱火~中火の好きな火加減でコトコト静かに煮ます。この時から既に何とも言えないふくよかないい香りが台所中に充満する為、否応なしに期待で胸が高鳴ります(・∀・)。
クリ・イモ・トリ煮12
栗に火が通ったら醤油、料理酒、塩、みりんで味付けし、そこへ油抜きを済ませてある鶏の手羽先を里芋や栗が崩れないようそっと入れます。その上に落としフタをし、約十分~二十分程煮込みます。
※通常の煮物の煮汁より薄めで、お吸い物より少々強いくらいの塩梅が最適です。
クリ・イモ・トリ煮13クリ・イモ・トリ煮14
クリ・イモ・トリ煮15クリ・イモ・トリ煮16
クリ・イモ・トリ煮17クリ・イモ・トリ煮18
全体的に軽く味が染みこんできたら火を消し、そのまま煮汁ごとお皿へ盛り付ければ“クリ・イモ・トリ煮”の完成です!
クリ・イモ・トリ煮19
作中で田中君が「むは~っ、いい香りばい~~っ!!」と言っていたのが激しく納得できる程、心をとろかすような品のいい芳香です。昆布・カツオ節・手羽先が合わさるとこんなにも艶やかな香りになるのかと、思わず感嘆しました(実際、鶏肉が苦手な母が「これは私も食べたい」と言ってくれたので嬉しかったです)。見た目も栗の黄色が目にまぶしい如何にも秋って感じなので、澄んだ出汁と共に早く食べたい!と画像を撮っている間中ずっとウズウズしていました(^^*)。
クリ・イモ・トリ煮20
クリ・イモ・トリ煮21
それでは、ほっかほかの内にいざ実食!いっただっきま~す。
クリ・イモ・トリ煮22

さて、味はというと…作中に書いてあった通り、ふうわり優しい味で美味しいです!これなら、秋がくるのを待ち遠しく思うのも頷けます。
田中君と夢子さんのいい笑顔
煮汁はまるで上等なお吸い物みたいで、少し濃い目なもののスルスルいけちゃいます。例えるとするならば「鶏風味のコク出汁お吸い物」って感じで、程よく効いた鶏肉のコクや醤油ベースのあっさりサラッとした味わいがたまらなく絶品でした。一度しっかり焼いたおかげでほんのり香ばしい後口で、手羽先の骨からにじみ出てきた濃い旨味エキスやチラチラと舌へ乱反射してくる脂分を、昆布と鰹の典雅極まりない深いお出汁がどっしり受け止める為、飲めば飲む程虜になります。手羽先は脂がすごいので重たい後味にならないか心配だったんですが、下ごしらえの際にお湯できっちり流したせいか脂どころか臭みもなく、大変すっきりした印象の煮物でした。
この素晴らしい煮汁をまんべんなく染み込ませた煮物がまた絶品で、ほっくりポクポクした歯触りがおいしい栗、ホコホコした食感とねっとり力強い味わいが特徴的な里芋、ジューシーな肉汁と柔らかく煮上がった弾力ある肉質が嬉しい手羽先など、いずれも一口食べたらすぐに幸せ気分になれる味わいです。特に栗の存在が非常に重要で、じゃがいもと里芋の舌触りを足して二で割ったような不思議な口どけといい、そこにあるだけで演出出来る秋らしさといい、個人的に一番気に入りました。海鮮汁とは対照的な、秋の山の恵みをしみじみ実感出来る贅沢な料理です。

熱々を頬張るのはもちろん、冷めてからも出汁がきいていておいしい為、お弁当向きでもあるという優れ料理です(既に実験済みです^^)。とにかく、見た目からは想像出来ないくらい並外れた味わいですので、「一口食べるだけでも感動出来るような煮物が食べたい」という方には、是非おすすめです!私もつい、相方・マサル君にご馳走したくなっちゃいました;。

●出典)『クッキングパパ』 うえやまとち/講談社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

プロフィール

あんこ

Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『どんぶり委員長』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『ミスター味っ子』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『BAR・レモンハート』
 …『ぶたぶた』シリーズ
 …『ベーグル食べない?~幸せカフェごはん~』
 …『飯盛り侍』


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 このブログで使用されている記事の画像、一部文章は、それぞれの出版物等から引用しております。
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・当ブログでは作品のネタバレを含んだレビューも同時に行なっておりますので、作品を未見の方はご注意をお願いいたします。
・各作品に掲載されているレシピの分量は、例外なく全て非公開にする方針を取っておりますので、ご了承の程をお願いいたします(←この件についてご質問頂いた場合、誠に失礼ながら下記の理由でご返信しない方針にしております)。

※現在、公私の多忙と、再現記事のペース維持を理由に、コメント欄へのご返信が出来ない状態が続いております。
 こういう場合、コメント欄は停止するべきなのかもしれませんが、励ましのお言葉やアドバイスを頂く度、ブログのモチベーションアップや心の支えとなったこと、そして率直なご意見や情報を聞けてとても嬉しかったこともあり、誠に自分勝手ながらこのままコメント欄は継続する事に致しました。
 図々しい姿勢で恐縮ですが、ご返信をこまめに出来なくて余裕がある分、ブログ内容を充実&長期的に続けられるよう力をいれる事で皆様のご厚意にお応えし、感謝の気持ちをお返ししていきたいと考えております。
※ただ、ご質問を頂いた際はなるべくお力になれるよう、すぐご返答できるように対処致します。

 応援して下さる方々に少しでも楽しんでご利用して頂けるよう、沢山の作品に触れるちょっとしたきっかけになれるよう、これまで以上に心掛けていきます。
 恐れ入りますが、よろしくお願い致します。

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