『クッキングパパ』の“ユミちゃん自慢のつみれ鍋”を再現!

おととい、母が「今年は餃子鍋が流行るってTVで特集があったから、その中のレシピを自分流にアレンジして作ってみたよ~」と言って餃子鍋を振舞ってくれました。餃子自体は母が手作りしたごく普通のものなんですが、お鍋に入っている具は珍しく大根とにんじんの千切りのみだった為、最初は少し意外でした。しかしこれが相当に美味で、柔らかく口の中で甘くとろける大量の千切り根菜は餃子をさっぱり食べさせるのに一役かってました。ここにあさつき・ポン酢・食べるラー油をかけて食べると、たまりません。
こんにちは、毎年色んなお鍋のブームがくるのを見ては日本人の鍋料理好きに心底感心させられる管理人・あんこです。

今日再現する漫画料理は、『クッキングパパ』にて梅田君の愛妻・ユミちゃんが営業第二課おなじみのメンバーに作った“ユミちゃん自慢のつみれ鍋”です!
ユミちゃん自慢のつみれ鍋図
ず~っと博多の本社で勤務しているように見える梅田君ですが、実は一度だけ約一年半ほど東京支社へ転勤していた時期がありました。田中君曰く「出世優良株はみんな東京へ経験を積みに行かされる」との事で、そう考えると当初は結構頼りなかった梅田君も大分有能な社員に成長した物だと『クッキングパパ』界の確実な時の流れを実感させられます(こちらの世界に比べるとややゆっくりめなので、つい見過ごしがちですが^^;)。
今回作ってみるのは、そんな梅田君が久々に博多本社の荒岩班に戻ってきた事を祝う飲み会の二次会として自宅へみんなを呼んだ際に、梅田君同様成長しつつもラブラブっぷりは2010年の現在も相変わらずな奥さん・ユミちゃんが虹子さんと一緒に用意していた“ユミちゃん自慢のつみれ鍋”!
元はと言うとこのレシピ、梅田君夫妻がまだ東京にいた頃に、金欠で困っていたユミちゃんへある八百屋さんが「このごぼうを使って、すっごく安上がりでおいし~い料理をボクが教えてあげるよ」と親切にも特別に教えたくれたもの。何でも、この料理は八百屋さんが偶然独自に編み出したオリジナル料理だそうで、ユミちゃんに教える前から回りで好評だったとの事でした(ちなみに、そんなとっておきの料理の作り方を教えてくれた理由は、ユミちゃんが「この界隈で一番かわいい若奥さん」だった為;。結婚前だというのに既に老けまくっている当管理人には、到底頂けないような褒め言葉ですorz)。
元はといえば、東京の八百屋さんのレシピ
作り方は八百屋さんが自慢するのもさもありなんという簡単&格安さで、下処理したイワシ・卵黄・赤味噌・ひき肉を合わせてペースト状にした特製つみれの素を、アク抜きしたごぼうを水から煮た土鍋へ丸めながら投入して火を通したら出来上がりです。
ポイントはとにかくごぼうを「嘘?!」と言いたくなるくらい大量に入れる事だそうで、作中でもちょっとやそっとの事では動じないけいこちゃんが「まあ、そんなにごぼうを!?」とびっくりする程気前よくごぼうを使っていました。さすが荒岩主任がレシピ欄で「つみれ鍋という名前だが、これは実はごぼうを食べる料理だ」と言っていただけの事はあります;。
このくらいごぼうを入れるのがこのお鍋のポイント
そろそろ鍋が恋しくなる時期ですし、早速活きのいいイワシを使って再現してみます!

という事で、レッツ再現調理!
まずは、材料の下ごしらえ。イワシはとびきり新鮮な物を頭・骨・皮・内臓等を取り除いて適当なザク切り→段々みじん切りにし、ごぼうはタワシで泥を洗い流してから薄いささがきにして、ボウルに入れた水へ約三十分程さらしてアクを抜いておきます。ごぼうの量は、イワシをはるかに圧倒するくらいがむしろちょうどいいです。
ユミちゃん自慢のつみれ鍋1ユミちゃん自慢のつみれ鍋2
次は、特製つみれ作り。すり鉢に先程下処理したイワシを投入して細かくなるまですり、やがて徐々にねっとりしてきたら赤味噌(『美味しんぼ』の“初卵の黄身の味噌漬け”を再現した時に使ったお味噌と同じ物です^^)、牛豚合挽き肉、卵黄を加え、さらによくすります。これで、特製つみれの準備はOKです。
※荒岩主任が言うには、「ほとんど味付けなしで材料そのものを味わう料理なので、いいものを使おう」がより美味に作りあげるコツみたいですので、出来れば素材にこだわってお作りすることを推奨いたします。
ユミちゃん自慢のつみれ鍋3ユミちゃん自慢のつみれ鍋4
ユミちゃん自慢のつみれ鍋5ユミちゃん自慢のつみれ鍋6
今度は、いよいよお鍋作り。土鍋へきっちりアク抜きしたごぼうと水をたっぷり入れ、やや強めの火にかけます。沸騰してきたらドワッとまたアクが表面に泡となって溢れてきますので、丁寧に取ります。個人的に、この作業をいかに根気強くするかで後々出汁のおいしさがほぼ決定するように思いました。
ユミちゃん自慢のつみれ鍋7ユミちゃん自慢のつみれ鍋8
ユミちゃん自慢のつみれ鍋9
時間が経つにつれてアクが出なくなってきたら、さっき作っておいたつみれの素をスプーン二刀流で丸めながらドンドン投入し(大きさは一口大がおすすめ)、そのまま煮込みます。
ユミちゃん自慢のつみれ鍋10ユミちゃん自慢のつみれ鍋11
全てのつみれに火が通り、自然とお鍋の上の方へプカプカと浮ぶようになってきたら“ユミちゃん自慢のつみれ鍋”の完成です!
ユミちゃん自慢のつみれ鍋12
どう表現していいかわからない程、ごぼうの香りが凄まじくいいです。正直、何の調味もしていないのにここまでいいお出汁になるとは予想もしていませんでした。つみれに赤味噌を入れたせいか味噌特有の懐かしい匂いも湯気に幾分か混じっており、一体どんな味がするのか食べる前からドキドキします。
ユミちゃん自慢のつみれ鍋13
それでは、つみれとごぼうを汁ごとお椀に取り分けていざ実食。いっただきまーすっ!
ユミちゃん自慢のつみれ鍋14
ユミちゃん自慢のつみれ鍋15

さて、味ですが…つみれ・ごぼう・おつゆがそれぞれ独立したおいしさで、かなり旨しっ!イワシを心行くまで堪能出来ます!
荒岩主任も唸るほどおいしかったイワシの鍋
以前、『築地魚河岸三代目』流のつみれ汁を再現して食べた事があるんですが(味噌の他に長ネギ・しょうが・全卵などをたっぷり入れて練り、醤油味のシンプルなおつゆに入れて煮るやり方)、このユミちゃん流つみれはそれよりもずっと赤味噌が効いてガッツリした味わいです。前者が「上品な料亭風つみれ汁」とするなら後者は「ワイルドな漁師風つみれ鍋」って感じで、イワシ本来の力強い旨味をより豪快な方法で引きずり出した料理のように感じました。しっとりフワフワというよりはしっかりポロポロと存在感のある食感で、ザクザクした歯触りのごぼうと一緒に頬張ると口の中が大変騒がしくてとても食べ応えがありました。
クタクタになるまで煮えたごぼうのあの何とも言えない土っぽくて香り高い風味がすごく美味で、おかげでおつゆがイワシから出た濃厚な物とあいまって極上の仕上がりになっているのが感動的です。ただ、おつゆの方はつみれやごぼうと正反対なくらい品がよくて凛とした味わいで、あっさりして薄味なのにじんわり奥深い味噌味が美味でした。不思議な事に、一切入れていないはずのに醤油味の出汁と非常に似通った味になったのが驚きでした。とにかく信じられない程大量のごぼうが食べられるので健康的ですし、何よりすっきりした後味なので鍋の割にサラッと頂けるのがよかったです。

鍋をあらかた食べ終えたら、今度は〆でもあり最大のお楽しみである雑炊!作中でもみんなに大好評で、田中君を始めとする営業第二課のみんなを狂喜させていました。
お鍋の後は雑炊…宇宙の真理ですね。
作り方はお鍋同様お手軽で、残り汁に塩とご飯を入れて煮立てた所に溶き卵をたら~りと回しかけ、仕上げに刻んだ三つ葉をふんだんに散らせば完成です。う~ん、つみれでもうお腹いっぱいなはずなのに、ついフラフラと手が伸びてしまう魔力があります…;。
ユミちゃん自慢のつみれ鍋16
ユミちゃん自慢のつみれ鍋17
それでは、これも〆として実食!いただきま~す!
ユミちゃん自慢のつみれ鍋18

味はと言うと…すっごくウマーーーーー(゜Д゜)!胃にスルスルと収まります。
ユミちゃん自慢のつみれ鍋19
とき卵のふんわりした口当たり、三つ葉の鮮やかな香り、イワシとごぼうの濃い出汁をご飯が全部吸収しており、気がついたらふーふー言いつつ二~三杯もおかわりしてしまうくらい魅惑的な味でした。いわしやごほうの旨味がご飯粒の中で凝縮している感じで、一食の価値ありです!やはり、お鍋の〆は雑炊に限ります(^^*)。

難を言うならイワシの臭味が完全には消え去らないことですが、イワシは新鮮な物を使用し、その上でお酒を隠し味にすれば簡単に防げる物ですので十分改善出来ます。ごぼうとイワシだけでこんなに豊かな味になるとは、驚きの連続な再現でした!この冬、大いに作りまくろうと思います。

●出典)『クッキングパパ』 うえやまとち/講談社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

『クッキングパパ』の“荒岩流アスパラグラタン”を再現!

 最近、仕事の帰り道にコンビニで肉まんを買って歩き食いしながら家路につくのにハマっています(完全に、近々単行本化される『花のズボラ飯』の影響です;)。
 めっきり寒くなった夜道でホッカイロ並に温まる中華まんはとてもおいしく、太ると分かってはいてもやめられませんorz。
 今日でファミリーマートの中華まんを全種制覇したので、今度はミニストップの中華まんを全種制覇したいな~と考えてます。

 どうも、ゴツイ女が肉まんを片手ににやついている光景は傍目から見ると見苦しいだろうな~と反省している管理人・あんこです。


 今回再現する漫画料理は、『クッキングパパ』にて荒岩主任が知り合いの農家・政さんの一晩限りのデートを盛り上げる為に作った“荒岩流アスパラグラタン”です!
アスパラグラタン図
 連載初期から荒岩主任と良好な交友関係を築いている政さんは、その縁で金丸産業へちょくちょく遊びに来ているのですが、何度か通う内にある受付嬢の女性に恋をしてしまいます。
 そのまま黙って時々会うだけだったら誰も気づかなかったはずですが、段々会うだけでは我慢出来なくなった政さんは、思い余って同じ会社の人間である荒岩主任に自分とデートしてくれるよう頼んでくれないかと必死にお願いします。
 一見して分かる通り政さんは妻子孫ある身ですので、小さい頃に初めて読んだ時は「もしかして、『クッキングパパ』では重過ぎるドロドロの家庭内ピンチを迎えるのでは…!」と少しだけヒヤッとしたものですが、政さんはそろそろ還暦に達しようとしている年齢の上、デートの打診をして欲しいと荒岩主任に頼む際は「別に会うて何をしようという訳じゃねえっ!いっぺんだけ、デートがしてえっ!ゆっくり酒でも飲みながら傍で話をしてみてえ、ただそれだけじゃ!」とはっきり言っていましたので、幼心にほっとしたのを覚えています(^^;)。
 しかし、今読み返してみると、これは「恋心」というよりはむしろ「少年の日の純粋な憧れ」により近い感情に思えたので、間違いなど初めから起きる訳がなかったろうな…とつい独りよがりな予想をしてしまいました;。
意を決して自分の育てたアスパラをプレゼントする政さん
 その日の夕方、政さんは念願叶って受付嬢の女性・初子さんと一度限りのデートをする事になります。
 実を言いますと、当初は荒岩主任達の早とちりで金丸産業きっての美人でアイドル的な存在の女性・マリちゃんが政さんの思い人だと勘違いされていたのですが、本当の想い人はマリちゃんの上司でおっとりしたベテラン女性・初子さんの方でした;。
 てっきり、部下であるマリちゃんの方がお目当てだとばかり思っていた初子さんは最初戸惑うのですが、政さんの必死なお誘いを受けると「私は仕事ばっかりしてこの歳になってもまだ結婚しとらんひとりもんです。私のような者でよかったら、喜んでデートしますわ(^^)」と落ち着いてデートを承諾していました。
 この時、スーツに手ぬぐい(!?)という正装で政さんは子どものようにはしゃぐのですが、非常にほほえましいワンシーンなので個人的に好きな一コマです。
実は、お目当ては初子さんの方でした;
 そして、政さんと初子さんは赤ワインを傾けあいながらお洒落なレストランでディナーを食べるのですが、その時荒岩主任が「政さんからのプレゼントされたアスパラで作ったグラタンだ!ごゆっくり」と言ってお二人に出したのが、この“荒岩流アスパラグラタン”です。
 作り方は見た目によらず単純で、茹でたアスパラとトマトをグラタン皿に敷いて特製マヨネーズソースをかけ、チーズ・パン粉・こしょうをふってオーブンで焼くだけで出来上がります。
 荒岩主任曰く「アスパラには高血圧を予防するルチンという成分なども含まれて体にいいのだ」「ごちゃごちゃ味付けせずに、アスパラそのものの味を楽しもう!」との事で、熱々のアスパラをザクッと食べている初子さんがすごくおいしそうに頂いている姿が印象的でした。
 その後、初子さんはデートのフィニッシュとなる夜の港で政さんから「今夜はわしみたいな年寄りの願いを聞いてくれてありがとうよ」としんみり言われるのですが、屈託のない自然な笑顔で「いいえ、私こそこんな素敵なデートに誘ってくださって、とっても楽しかったわ」「じゃ、また…。奥様を大切にね」という温かい言葉を返して静かに去ってました。
 待ち合わせから帰り間際までこんな情緒ある対応が出来る初子さんみたいな女性はそういるものではありませんので、政さんの女性を見る目は相当確かなのでは…と思いました(ちなみに、政さんはその数十分後に荒岩主任や虹子さんに「もっ、最高たい。これで思い残すことなく山へ帰れるバイッ!」「ぶっ飛ばすばい!ばあさんが心配しよろう」と言って帰っていますので、奥さんも負けず劣らず魅力的そうです)。
初子さんの情緒ある対応は、個人的に理想です
 今はアスパラの季節からは程遠い冬ですが、久々に読む返していく内に無性~に食べてみたくてしょうがなくなってきましたので、早速再現してみようと思います!

 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、野菜の準備。アスパラは根元から二~三センチくらいの所を切って取り除き、塩を溶かしたお湯で約三分未満かけて茹でます。
 キレイな緑色に茹で上がったらすぐに取り出してはかまを指で引っ張りながら取り、三センチ前後の長さに切りそろえて食べやすい大きさにしておきます。
アスパラグラタン1アスパラグラタン2
 トマトは火であぶるか熱湯に入れるかして皮を丁寧にむき、薄い輪切り状になるよう切ります(あんまり種が多すぎる時は、お好みであらかじめ減らしておいた方がいいと思います)。
アスパラグラタン3アスパラグラタン4
 次は、特製マヨネーズソース作り。
 実は名前の割にものすご~く簡単な作り方で、単に大量のマヨネーズと少量の醤油を泡だて器でよく混ぜ合わせればあっという間に出来上がります;。
 ただ、確かに醤油入りマヨネーズはどんな食材でも大抵合ってしまうという無敵な調味料ですので、案外これは究極のソースなのかもしれません(このソースは、特に野菜と最強の相性を誇ります)。
アスパラグラタン5
 今度は、仕上げの焼き作業。バターを薄くぬったグラタン皿に茹でたアスパラ→特製マヨネーズソース(これは是非ともたっぷりかけちゃって下さい!)→皮むきトマト→とろけるチーズ→パン粉→こしょう少量の順に材料を重ねます。
 ※とろけるチーズは、ピザ用のパラパラしたタイプから高価な厚切りタイプまでなんでもOKです!
アスパラグラタン6
アスパラグラタン7
アスパラグラタン8
アスパラグラタン9
 このお皿を230度前後に熱したオーブンの中に入れ、十五分程度かけて焼きます。
 その間、生のフレッシュなレモンからレモン汁を絞っておきます(ない場合は、ポッカレモンでも代用がききます。ただ、それですと酸味と香りは生の物より少々弱めになります)。
アスパラグラタン10
アスパラグラタン11
 パン粉とチーズがこんがり色づいたらオーブンから急いで取り出し、最後に先程用意した絞りたてのレモン汁を適量さっとかければ“荒岩流アスパラグラタン”の完成です!
アスパラグラタン12
 アスパラの清らかな香気と、レモン汁の鼻にキュッと来る香りがすごくいいです。
 見た目の色合いも、アスパラの緑・トマトの赤・チーズの黄色が鮮やかで美しいですし、確かにこれはレストランで赤ワインと一緒に出てきてもおかしくない料理に見えるな~と感じました(ただ、ド素人の私が作った為荒岩主任のものよりはるかに劣った外見ですがorz)。
 少なくとも、一見しただけではたったあれだけの工程で作れたようには見えません。
アスパラグラタン13
 それでは、出来立てほやほやの内にいざ実食!
 いっただっきま~す!
アスパラグラタン14


 さて、味の感想ですが…とっても春らしいおいしさでウマーーー!アスパラの良さが効果的に活かされている料理です!
思わずにっこりするおいしさのグラタン
 アスパラの穂先の方のちょっぴりしんなりしたシャキシャキ感、中心側のサクサクほっくりした歯触り、そして茎側のザキュザキュコリッとした歯応えなどしめて三種類の異なる食感が楽しめる為、どこを食べても飽きる事がありません。
 噛み締めるごとに爽やかな旨味の詰まった汁気がジュッと飛び出てくるのが何とも美味で、濃いめな味付けなのにも関わらず、控え目なようでしっかり存在感を主張しているアスパラに驚かされる一品でした。
 この清々しい味わいのアスパラに、トマト果汁が入り交じったせいかまるでオーロラソースみたいに濃厚かつひと味凝った風味がプラスされた和風マヨネーズソースがばっちり合っていて、シンプルなのに奥行きのある味でいくらでも入ります(アスパラとトマトのエキスがマヨネーズと混ざって一体化したソースは、パンにつけて食べるとまさに恍惚物なおいしさでした)。
 高温でカリッと香ばしく焼き上がっていいアクセントになっているパン粉と、トロトロ~ッと強烈なコクが口の中でとろけていくチーズが鮮やかな酸味のレモン汁でギュウッとうまくまとめあげられており、おかげで相当にこってりしたいるはずなのに大分爽やかな後口に仕上がっていました。
 熱々ジューシーで甘酸っぱい生トマトの素直な旨さが瑞々しいアスパラと抜群の相性で、正直こんなにさっぱりすっきりした印象のグラタンを食べるのは初めてです。
 赤ワインがクイクイ進みますので、夕食としてはもちろん、少し気張りたい日のおつまみとして作るのも十分ありだと思いました。


 マヨネーズ好きな方を始めとする大勢の方からウケがよさそうな料理です。
 アスパラの食感と香りの素晴らしさを再確認できますので、是非お勧めしたいです。
 ただ、マヨネーズをたっぷり使うのはちょっと苦手…という方は、半量近くを無糖ヨーグルトに置き換えると大分受け入れやすい味になると思います(^^)。

●出典)『クッキングパパ』 うえやまとち/講談社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

『おいらん姐さん』の“石焼豆腐と海老飯”を再現!

大変お待たせして、申し訳ございませんでした。昨日更新するというお約束を破ってしまい、誠にすみませんm(_ _)m。実は昨日、夜中に出掛け先から実家へ無事帰れたのですが、疲れがたまっていたせいか即座に爆睡してしまいましたorz。三時間睡眠でも、八時間睡眠したのと同等な体力回復を行える布団や枕があったらな~としみじみ思います。
どうも、そういう夢のような道具は手に入らなかったものの、相方・マサル君から少し早い誕生日プレゼントとしてデジカメをプレゼントしてもらえて狂喜している管理人・あんこです。

今回再現する漫画料理は、『おいらん姐さん』にて主人公・なみじ達が同じ店に住んでいる料理上手なお女郎・朝雲さんにご馳走してもらった“石焼豆腐と海老飯”です!
石焼豆腐図
海老飯図
漫画『おいらん姐さん』とは、まだ<花魁>や<太夫>という地位が形骸化する前で華やかだった頃の吉原を舞台に、新嬉楼という中堅クラスの遊女屋で「地獄太夫」というあだ名で呼ばれる程施虐の芸(SとしてMを責め苛む技術)に長けていた上級女郎・橋立花魁と、その禿(かむろ。花魁の妹分みたいな遊女見習い)として雑用をこなしつつ素朴な視点から遊郭を眺める幼い少女・なみじを主人公として紡いでいく遊郭ロマン漫画です。
『おいらん姐さん』の見所は、遊郭を舞台にしたとは思えないくらい明るくウィットに富んだストーリーと、読んでて痛快な人情噺!「吉原物」は、その暗い歴史のせいか負の側面がクローズアップされた重たく沈鬱なお話にどうしてもなりがちなのですが、本作はそういう面を最小限に抑え、あえてお江戸や吉原の賑やかな日常を描ききる事に成功しています。また、基本的に『おいらん姐さん』は一話完結の形式で話が進んでいくのですが、どのラストもほっとするか、もしくはほろ苦い程度で終わる物ばかりですので、安心して読む事が出来ます。天下の大商人・紀文との意地をかけた戦い、ちょっとしたお江戸板・探偵物語、天女の如き美貌とは裏腹に鬼のような心を持つトップ・仏御前との争い、そしてなかなか実らない橋立花魁の恋愛やなみじの微笑ましい初恋など、面白いストーリーは目白押しですので、お江戸好きには是非お勧めしたいです。
何より、主人公であるなみじが何だかんだ言いつつも「オイラん姐さん」と読んで慕う橋立太夫のキャラクターがとても魅力的で、読んでいて飽きません。気の強い性格、きつい喋り口、鉄火肌な性分を持つ上にSMの女王様として活躍するせいで「地獄太夫」として名を馳せていますが、元はといえば商人の娘で芯は優しく、おまけに困った人間がいたら憎まれ口を叩きつつ助け船を出す女性な為、自然と応援をしたくなる憎めない女性です(^^)。あと、なみじも少女らしい活発さと愛らしさが入り混じった正統派主人公ですので、こちらも読んでて目が離せない感じです(返す返すも、二巻で中途半端なまま連載がとまっているのが惜しまれる作品ですorz)。
主人公でありコメンテーター・なみじ地獄太夫こと橋立花魁
今日再現するのは、橋立花魁となみじが生活している遊女屋・新嬉楼でイマイチ芽が出ない為に岡場所送り(下位の遊女を置く店が集まった場所。当時、ここへ移されると境遇がよくなる事はまずないと吉原の遊女達から恐れられていました)にされそうになっていた朝雲さんが、台所の余り物やお客さんが残した仕出し料理を使ってチャチャッと作り上げた料理・“石焼豆腐と海老飯”です。
いつもは名前通りボ~ッとしている為愚鈍扱いされていた朝雲さんですが、実を言うと元は料理人の娘で、料理の腕はかなりの物。この時、朝雲さんの手元にあったのは橋立花魁が二階から残り物として持ってきた伊勢海老の塩焼き、台所の片隅にあった木綿豆腐とご飯だけだったのですが、朝雲さんは手際よくこれらの夜食を作ってなみじや橋立花魁達から歓声と賞賛の声を受けていました。
作り方は双方共に簡単で、石焼豆腐は木綿豆腐をごま油でじっくりと焼いたら出来上がり、海老飯は塩茹でにした伊勢海老を三つ葉と共にご飯へ乗せて熱い味付き合わせ出汁をかければ完成です(前者は「豆腐百珍」、後者は「素人包丁」という江戸時代の本のレシピを参考にしたと欄外に書かれてありました)。
元々は料理人の娘だった朝雲さん
中でも、私が特に気になっていたのが石焼豆腐。そのまま食べるのではなく、後々調味料をかけてから頂くのですが、何と醤油だけでなく大根おろしも乗せて食べるのがこの料理のポイント。香ばしく焼けた豆腐に醤油をジュッとかけるだけでもウマーそうなのに、さらに大根おろしまで乗せて食べるとは…なんて贅沢なんだろうと初めて読んだ時は(´Д`*)ハアハアしました。
ちなみに、この料理二種をきっかけに朝雲さんは「料理上手なお女郎」として冷えてパサパサした仕出し料理に飽き飽きしていた顧客をジワジワと掴んでいき、無事岡場所送りを免れる事に成功するのですが、そりゃ~こんなプロ級のお料理までついてくるなら当然人気が出るに決まっている!としみじみ感じました。…ただ、このサービスの効力は私と同じく食いしん坊なお客さん限定ですので、結構客層が限られる気がしますが;。
大根おろしと醤油で食べる石焼豆腐…(´Д`*)
どうしても食べてみたくて仕方がなくなった為、拙いながらも早速再現してみます!

という事で、レッツ再現調理!
まずは、伊勢海老の下準備。お手軽に作るのでしたら車海老でもOKだとレシピには書いてありましたが、今回は夢を実現させたかったのであえて伊勢海老を使用する事にしました(^^*)。伊勢海老は丸ごと塩茹でにされた物を用意し、頭ごと殻を真っ二つにします。その際、伊勢海老の殻はものすごく固くて頑丈ですので、手を切らないように細心の注意を払います。
石焼豆腐と海老飯1
石焼豆腐と海老飯2
きれいに殻をむいて海老味噌をふき取ったら背ワタを取り除き、一口大のサイズに手でほぐすか包丁で切り分けます。驚くべき事に伊勢海老のエキスは他の海老とは段違いにすごく、何とまな板に捌いた跡と香りが少々残ってしまう程でした(゜Д゜;)エビノオウオソルベシ。なので、どうしても匂いを残したくない方はラップやキッチンペーパーを敷いてから捌いた方がいいかもしれません。
石焼豆腐と海老飯3
石焼豆腐と海老飯4
その間、昆布とカツオ節で合わせだしを煮出しておき、醤油と塩で軽く味付けをしておきます。この時、味はやや濃いめにつけた方がキリリと味が決まりやすいので推奨いたします。
それにしても、上等なお出汁という物はどうしてこんなに美しい黄金色なのだろうと、途中うっとり眺めてしまいました(´∀`)。
石焼豆腐と海老飯5石焼豆腐と海老飯6
石焼豆腐と海老飯7
次は、石焼豆腐作り。木綿豆腐をキッチンペーパーで包んだら重しを乗せ、しっかり水気を切ります。やがて、程よい具合に木綿豆腐から余分な水分が出きったら一センチ~一センチ半の厚さ・ちょっとだけ縦長の大きさに切ります。
石焼豆腐と海老飯8石焼豆腐と海老飯11
この豆腐を、ごま油(今回、私は太白胡麻油と純正ごま油を3:7の割合にブレンドして使いました。太白は上品さ、純正は力強さを演出してくれます。最近は竹本油脂さんという、未だに圧縮法でごま油を抽出しているメーカーさんのごま油がお気に入りです^^。その内、『美味しんぼ』86巻の胡麻油料理もこれで再現したいと考え中です)を多めにひいて熱したフライパンで両面をこんがりと焼き、焦げ目がつくまで火を通します。
石焼豆腐と海老飯12石焼豆腐と海老飯9
石焼豆腐と海老飯10
この隙に、炊き立てご飯を盛ったお茶碗の上に伊勢海老と刻んだ三つ葉をどっさり乗せておきます。
※出汁で並々と満たしたい場合はどんぶり容器を使用した方がいいと思います。
石焼豆腐と海老飯13
焼けた豆腐は大根おろしを添えてあるお皿へ盛り付け、海老入りご飯の方は上から熱々のお出汁をトポトポ注げば“石焼豆腐と海老飯”の完成です!
石焼豆腐と海老飯14
短時間で簡単に作れたのでやや拍子抜けしましたが、一見する限りでは手が込んでそうに見えるので嬉しい気持ちになります。キツネ色の焼き目がついている石焼豆腐といい、赤・緑・白の色合いが美しい海老飯といい、正直予想以上の仕上がりです。写真を撮っている間中、伊勢海老やごま油、お出汁、三つ葉の芳しい香りが鼻腔に絶えず流れ込んできていた為、お腹がグ~グ~鳴り止まなくて困ってしまいました;。
石焼豆腐と海老飯15

それでは、いざ実食。
まず一番目は、石焼豆腐。ごま油の香りがとてもそそる一品です。
石焼豆腐と海老飯16
原作通り大根おろしを乗せて醤油をたらし、いっただきっまーす!
石焼豆腐と海老飯17
さて、味ですが…これはすごくおいしいです!ただの豆腐だと油断していると、意表を突かれます!
一味違った豆腐でウマー
両面にこんがり焦げ目がついてびっくりする程香ばしくなったごま油風味の豆腐を、ほんのり甘苦い汁気でジュワッと舌の上へ溢れんばかりの大根おろしが淡く優しく包みこみます。外側はしっかりむっちりと噛み応えのある歯触り、中側はふっくらトロリとした舌触りに仕上がっている食感の妙といい、ごま油と醤油であっさりかつ濃いめに調味された味付けといい、見た目よりも意外に力のある味わいなのが特徴的でした。一言で例えるなら「豆腐の和風コク旨ステーキ」って感じで、ごま油の強烈なのに不思議とどこかさっぱりしているコクが効果的に活かされている料理だと思いました。
大豆だからこそ生み出せる植物由来の肉々した感じがウマーで、本物の肉とまではいかなくてもなかなかの満足感を得る事が出来ます。また、たっぷりの油で半ば揚げ焼きにしたせいか外側は若干揚げ出し豆腐に通じるものがある薄い膜がはられており、それが豆腐の旨味をがっちり封じ込めていたのに感心しました。日本酒とビールがこよなく合う上、はんぺんにちょっと似た食べ応えが堪えられない料理です。

二番目は、海老飯。お出汁とご飯を混ぜて、いただきま~す!
石焼豆腐と海老飯18
味の感想はと言うと…出来立てをかっこむと、無我夢中になるくらい美味!やはり、伊勢海老は海老の王者です!
なみじも泣いて喜んでいました(^^;)
喉が焼け付けそうな程熱っつい醤油風味の合わせ出汁と、そのお出汁を吸ってサラサラになったご飯、そしてうっすら塩味がついている伊勢海老を一気に口の中へ流し込むと、恐ろしい程箸が進みます。一見、カツオ節や昆布の味しかしなさそうなシンプルお出汁に見えますが、いざ啜ってみると伊勢海老ならではの濃密な旨味エキスがふんだんに溶け込んでおり、何とも贅沢で複雑な味わいがするのが印象的でした。正直、伊勢海老の事を「普通の海老でも変わらないんじゃ…」と甘くみていた事を反省です(車えびとロブスターのいい所取りってイメージの味です)。
これだけでも相当にすごい旨さなのに、そこへ三つ葉の風雅極まりない鮮やかな香りとシャキシャキした歯触りが加わると、もう完璧としか言いようがない味でした。表面は歯に食い込むくらいプリップリな弾力、中心はしっとりジューシーな口当たりの伊勢海老が、ただの出汁茶漬けを立派な懐石風料理に仕立てているのに感嘆です。とにかく伊勢海老の存在感がすごく、ある意味これは汁かけご飯というよりもはや立派な海老料理の一種だと感じました。

伊勢海老は結構高価なので、そう頻繁に本家の海老飯を作る事は叶いませんが、その代わり車海老で代用して作ってみても十分においしそうです。一方、石焼豆腐は必要な材料はごま油・豆腐・大根くらいものですので、これからはちょくちょく作って食卓に並べようと思いました(^^*)。同じお江戸物として、『みをつくし料理帖』の鰹飯といい勝負だと感じた再現でした。

P.S.
大変心苦しいのですが、時間がなくなってしまいましたのでコメント返信は明日にまとめてする事にいたします。長い間お待たせしてしまい、申し訳ございません。

●出典)『おいらん姐さん』 鈴木あつむ/実業之日本社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

餡子プリン、再び…。

先日、こちらの記事にて反応に困る味と評価していた「あんこ&カスタードプリン」が、新しいレシピにリニューアルされて再販売されていました。ニュータイプですね、分かります。以前とは違い、ちょっとシックなデザインの見た目になっているのが気に入りました。さりげなく下に「優しい甘さ」とかかれてあった為、やはり前の餡子はくどくて不評だったんだな~と苦笑しました。
リベンジ・餡子プリン1
さて、お味ですが…確かに餡子の甘味が若干押さえ目になっていて、なかなかおいしかったです。プリンはあまり変わっていませんでしたが、その分餡子に改良した跡がうかがえました。以前のバージョンより餡子がべったりした甘さじゃなく、ちゃんと和菓子っぽい控えめな味わいになっていたのがいい感じです。
ただ、すごくおいしいというわけではないので、やっぱりちょっと困る味;。相性自体は悪くないので、また頑張ってリメイクして欲しいな~と勝手ながら思いました(^^;)。
リベンジ・餡子プリン2

◎お知らせ
実は、明日以降に『おいらん姐さん』の“石焼豆腐と海老飯”記事やその他の再現記事を更新する予定だったのですが、大変残念ながら所用で今日から明後日まで家を空ける事になってしまった為、ちょこっと休む事になってしまいました。その為、次の更新は今週日曜(10/24)の深夜になってしまいます。誠に申し訳ございませんm(_ _)m。
ただ、帰り次第すぐに記事と料理作りに取り掛かりますので(今までに再現すると断言した漫画料理はもちろん、コメント欄にてご指摘された『美味しんぼ』の“鯛の南蛮仕立て”も近い内に再現予定です)、恐れ入りますが今週末までお待ちして頂けますと幸いです。勝手な私事でブログを小休止させてしまい、すみません。

『風流つまみ道場』の“サンマの昆布締めとサンマのカルパッチョ”を再現!

最近、仕事帰りに見切り品の魚を見てから帰るのが半ば習慣化しています。鯛の刺身が安かったらゴマダレの鯛茶漬け、タイの頭&卵のセットがあったらカブト煮、刺身の盛り合わせが豪勢にも残っていたらワサビ醤油や付け合せの大葉ごと酢飯に入れてザクザクかき混ぜながら食べる大雑把ちらし寿司など、まさに見切り品コ-ナーは宝の山だな~と心からありがたく思う今日この頃です。
どうも、時々鮮魚コーナーの人におまけをもらうのが密かな楽しみのあんこです。

本日再現する漫画料理は、『風流つまみ道場』にて主人公・錦ちゃんがすっかり秋めいてきた頃に晩酌用のおつまみとして用意した“サンマの昆布締めとサンマのカルパッチョ”です!
サンマの昆布締めとサンマのカルパッチョ図
ある秋の夕べ、自室の窓から鱗雲を見上げていた錦ちゃんは無性にサンマが食べたくてたまらなくなります。通常、こういう時にまず思い浮かぶ定番メニューはサンマの塩焼きですが(実際、錦ちゃんも途中まではその気満々でした)、「家で焼くと匂いがこもったり、グリルの後始末が大変なんだよな…」と内心迷ってしまいます。確かに、サンマを七輪やグリルで焼くと味は素晴らしいものの煙や匂いがすごいですし、何より脂まみれになった調理器具の片付け作業が結構大変なのが難点なんですよね;。気力・体力共に充実している時はともかく、疲れがたまっている時に厄介な洗い物が食後に待ちかまえるであろう事を想像すると、つい二の足を踏んでしまいがちです。
しかし、そんな心配を感じずにサンマを楽しむ事が出来るメニューとして錦ちゃんが作ったのが、この“サンマの昆布締めとサンマのカルパッチョ”。作り方はそこそこお手軽で、塩やお酢で臭味を取る為の下ごしらえをした後のサンマをそれぞれの材料(昆布締めは昆布に挟んで寝かせるのみ、カルパッチョに至ってはオリーブ油・小ネギ・バルサミコ酢を煮詰めただけの簡単ソースをかけるだけ!)と組み合わせるだけですぐに出来上がります。手順自体はサンマの塩焼きよりも多めですが、脂まみれになったグリルを後々力をこめて洗う苦労を思えば、むしろ手間いらずな方かも…と思いました。
焼くと色々と面倒な秋刀魚
ちなみにこの時錦ちゃんは、おつまみを食べる段階になるといつも乱入してくるお隣のマユミさん・辰五郎さんカップルが温泉旅行で留守にしているのを幸いに思いつつ一人でサンマを堪能しようとするのですが、「ボクの嫌いな飛行機で行くって言うから、ボクは残ってマユミは女友達と二人で行く事になったよ」と言って舞い戻ってきた辰五郎さんと結局二人でサンマを分け合う羽目になってました(^^;)。辰五郎さんは熊も裸足で逃げ出すんじゃないかってくらいの強面なのに、実は飛行機の他にも飲むとお腹を壊してしまう牛乳・蛇に似ていて恐ろしいウナギ・酸っぱすぎて舌がビリビリする梅干しなどが怖くて苦手だというまるでガラス細工のように繊細な人なので、思わず「豆腐のハートを鉄の甲冑で覆い隠した人間(by『私立T女子学園』)」みたいだな~と苦笑してしまいました。
いないかと思いきや、一人留守番をしていた辰五郎さん
今年のサンマは例年より高い為再現を躊躇していたのですが、近所にある鮮魚売り場で珍しく刺身のサンマが安売りされていましたので、これを使って早速再現してみようと思います!

という事で、レッツ再現調理!
まずは、サンマの下ごしらえ。サンマは生食用の新鮮な物を三枚おろしにして斜め切りの刺身状にした物、もしくは最初から刺身に切られている物を準備してお皿に並べ、塩を薄~くパラパラとふって約十五分程度放置します。その際、あんまり強く塩を振りすぎると水分が抜けすぎてしまうので注意が必要です。
サンマの昆布締めとサンマのカルパッチョ1サンマの昆布締めとサンマのカルパッチョ2
サンマの表面がうっすら汗をかいたようになったらお酢にさっとくぐらせて塩や余分な臭味を落とします。これで、サンマの下ごしらえは完了です。
サンマの昆布締めとサンマのカルパッチョ3サンマの昆布締めとサンマのカルパッチョ4
次は、サンマの昆布締め作り。片面をお酒で濡らしたキッチンペーパーで軽く拭いた昆布の上に先程のサンマを丁寧に乗せて、それをもう一枚の昆布(これも片面を拭いておきます)でサンドします。このサンマ入り昆布を輪ゴムできっちり縛ってラップで包んだら冷蔵庫に入れ、約三十分~一時間くらい寝かせます。
サンマの昆布締めとサンマのカルパッチョ5サンマの昆布締めとサンマのカルパッチョ6
サンマの昆布締めとサンマのカルパッチョ7
その間に、サンマのカルパッチョ作り。下ごしらえ済みのサンマを丸くて大きめのお皿へ放射線状になるように並べ、エクストラバージンオリーブ油→バルサミコ酢を煮詰めて作った即席ソースの順に好きな量だけ回しかけ、仕上げに刻んだ小ネギを散らします。
※余談ですが、カルパッチョは元々本場イタリアだと「薄く切った生の牛肉」を使用するのがデフォな料理なんですが、日本ではすっかり生の魚をお洒落においしく食べる料理として定着した観があります。一見同じ調理法でも、所変われば使われる食材にかなりの違いが出てくるという事実には考えさせられる物があります(全く関係ないお話で恐縮ですが、そういえば各国が認識している猫の好物は大抵その国々を象徴する食べ物だと聞いたような…。例えば、日本なら「焼いた魚」、イタリアなら「スパゲティ」、インドなら「カレー」などなど;。嘘のような本当の話です)。
サンマの昆布締めとサンマのカルパッチョ8サンマの昆布締めとサンマのカルパッチョ9
サンマの昆布締めとサンマのカルパッチョ10サンマの昆布締めとサンマのカルパッチョ11
サンマの昆布締めとサンマのカルパッチョ12
カルパッチョはそのまま、昆布締めは昆布を取り外してワサビと一緒にお皿へ盛り付ければ“サンマの昆布締めとサンマのカルパッチョ”の完成です!
サンマの昆布締めとサンマのカルパッチョ13
サンマの美しい銀色の皮が光を反射してキラキラとまぶしく輝き、みるからに食欲が湧いてくる一品です。昆布締めの方は侘寂を感じる日本書画、カルパッチョの見た目は鮮やかな西洋画のようなイメージの見た目で、1パック三百円以下で安売りされていたとは思えないほど芸術的な仕上がりでした。焼いたサンマの旨さにどれくらい匹敵してくれるのか、食べる前から非常にワクワクします。
サンマの昆布締めとサンマのカルパッチョ14

それでは、いざ実食。
一番目は、サンマの昆布締め。わさび醤油につけていただきま~す!
サンマの昆布締めとサンマのカルパッチョ15
味はと言うと…刺身より断然味わいが凝縮されていて旨し!昆布様々って気持ちになります(^^*)。
サンマの昆布締めとサンマのカルパッチョ16
昆布のふくいくとした香りと磯の旨味が、程よく脂の乗っている上に余分な水分が抜けて身がしまっているサンマにぴったりで、思わず目をつぶって唸ってしまう程美味です。面白い事に、サンマの表面には僅かながら昆布由来と思われるねっとりとした自然なとろみがついており、それがまた生とはひと味違ったおいしさを演出していました。しっかりした歯触りの皮目とムチムチした弾力が嬉しい身とが絶妙なバランスで、そこにわさび醤油のツンとくる辛味が合わさると日本酒が止まらない感じです。
さっと酢で洗ったおかげで魚臭さはほぼなくなっていますし、よく出来た調理法だと感心しました。サンマは刺身にすると途中で脂分がくどくて飽きやすいという欠点がありますが、これなら酢の酸味とわさびの辛さで相殺されてさっぱり楽しめるのでよかったです。

二番目は、サンマのカルパッチョ。ソースをたっぷりつけて、いっただっきまーす!
サンマの昆布締めとサンマのカルパッチョ17
味の感想ですが…技巧を凝らしたプロっぽい味でウマーーー!バルサミコがいい仕事をしています!
サンマの昆布締めとサンマのカルパッチョ18
ほんのり塩味な生サンマに、エクストラバージンオリーブ油の透明感のあるコク、バルサミコソースのフルーティーな甘酸っぱさ、小ネギの新鮮でシャキシャキしたアクセントが見事に組み合わさり、最初は普通の刺身だった事が信じられないくらいイタリアンな一品になっていました。サンマの血合いの癖が小ネギで、臭みがバルサミコソースで消えている為、濃い味付けの割にはサンマの純粋な旨さをも堪能出来ます。
特にバルサミコソースが簡単に作れるくせに絶品で、ブドウらしい素直で柔らかい甘味とじんわりくる酸味が活きているのが何とも言えず味わい深かったです。単にバルサミコ酢のまま使っただけではもっと大味になっていたと思いますが、煮詰めてソースにした分味わいが深まっていますしサンマにも絡みやすくなっているので他の白身魚にも是非応用したくなりました。

塩を振って酢で洗うだけなのに、生臭みがかなり軽減されているのに驚きです。元々は両方とも同じ刺身だったとは信じられないくらい別個の味わいでしたので、なんだか少しお得な気分になりました。焼いたサンマももちろん美味ですが、生には生のよさがあるんだな~という事を再認識です。

●出典)『風流つまみ道場』 ラズウェル細木/芳文社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

プロフィール

あんこ

Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
 …『銀の匙』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『スイーツ本部長一ノ瀬櫂』
 …『旅のグ(2)月は知っていた』
 …『テルマエ・ロマエ』
 …『土曜日ランチ!』
 …『BAR・レモンハート』
 …『百姓貴族』
 …『ぶたぶた』シリーズ
 …『ベーグル食べない?~幸せカフェごはん~』
 …『飯盛り侍』
 …『夢色パティシエール』


○当ブログについて
 このブログで使用されている記事の画像、一部文章は、それぞれの出版物等から引用しております。
 引用物の著作権は全て作者様、出版社様等に準拠致します。
 もしご関係者様に問題のある画像及び記事がございましたら、御連絡頂ければ速やかに修正、削除等の対処を致します。

○お知らせ
・当ブログでは作品のネタバレを含んだレビューも同時に行なっておりますので、作品を未見の方はご注意をお願いいたします。
・各作品に掲載されているレシピの分量は、例外なく全て非公開にする方針を取っておりますので、ご了承の程をお願いいたします(←この件についてご質問頂いた場合、誠に失礼ながら下記の理由でご返信しない方針にしております)。

※現在、公私の多忙と、再現記事のペース維持を理由に、コメント欄へのご返信が出来ない状態が続いております。
 こういう場合、コメント欄は停止するべきなのかもしれませんが、励ましのお言葉やアドバイスを頂く度、ブログのモチベーションアップや心の支えとなったこと、そして率直なご意見や情報を聞けてとても嬉しかったこともあり、誠に自分勝手ながらこのままコメント欄は継続する事に致しました。
 図々しい姿勢で恐縮ですが、ご返信をこまめに出来なくて余裕がある分、ブログ内容を充実&長期的に続けられるよう力をいれる事で皆様のご厚意にお応えし、感謝の気持ちをお返ししていきたいと考えております。
※ただ、ご質問を頂いた際はなるべくお力になれるよう、すぐご返答できるように対処致します。

 応援して下さる方々に少しでも楽しんでご利用して頂けるよう、沢山の作品に触れるちょっとしたきっかけになれるよう、これまで以上に心掛けていきます。
 恐れ入りますが、よろしくお願い致します。

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

ブロとも申請フォーム

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

Copyright © あんこ