『クッキングパパ』の“ねばとろ丼”を再現!

仕事柄封筒を開ける回数が多いのですが、ある取引先の会社からやって来る封筒に必ずと言っていい程アニメ絵の切手が貼られているのが気になってしょうがありません。ある時は某セーラー服戦士、またある時は某機械アニメの赤い彗星、またまたある時はちょっと前に最終回を迎えた鋼の彼…他にも、数え切れないくらい来ました。正直アニメとは何の関連もないそこそこの規模なお堅い会社なので、不思議すぎて夜も寝られないです。
どうも、事務員さんの趣味説が有力だと真剣に考えている頭がお花畑な管理人・あんこです。

今回再現する漫画料理は、『クッキングパパ』にて虹子さんが自分とまこと君の夏バテを改善する為に張り切って考え出した創作料理“ねばとろ丼”です!
ねばとろ丼図
虹子さんがみゆきちゃんを無事出産した一年目の夏、荒岩主任一家はあまりにも酷暑な気温のせいですっかりダウンします。中でも症状が重かったのは虹子さんとまこと君で、虹子さんは出産直後の育児や家事の疲れ・まこと君はクロール泳ぎの練習のし過ぎ(何と千メートルも泳いでました!そりゃ~バテない方がおかしいですね^^;)でそれぞれ完全にぐったりしてしまいます。
そんな時、虹子さんが「よし、やるわよっ!今日は母ちゃんがうんと元気が出る夕ご飯を作るかんね!」と力強く宣言して作ったのが、この“ねばとろ丼”。元はと言えば、虹子さんが何年か前に貧血でフラフラになった際に荒岩主任が心をこめて作ってくれた“鉄火丼”が着想のきっかけで、これをベースに他にも何かたくさん元気がでる食べ物を合わせちゃおうと閃いた虹子さんは八百屋さんで「ネバネバドロドロ糸引くもの、何でもいっぱいちょうだい!」とかなり大胆な注文をしていました;。もし私が八百屋さんの立場だったら最初はびっくりしそうですが、最後らへんはノリノリで「これなんかいいと思いますよ!」と調子に乗って手伝っちゃいそうです(こういうほんのり悪ふざけな注文は個人的に好きです^^*)。
八百屋さんでとんでもないリクエストをする虹子さん
作り方は名前通り結構強烈で、マグロ・山芋・オクラ・もずく・なめこ・じゅんさい・納豆を包丁で徹底的にたたきながらわさび醤油などで味付けし、そのままご飯の上にぶっかけて薬味を飾れば出来上がりというある意味清々しい調理法です。
何しろ、作っている張本人である虹子さんですら「どんな料理になるか、母ちゃんにもわかんないんだ」「大丈夫、死にゃしないって」という無茶苦茶不穏な発言をしてしまう代物だったんですが、いざ二人とも恐る恐る食べてみると「おいしい!」と歓声を上げていました。レシピコーナーの荒岩主任曰く、「野菜や海草のねばねばぬるぬるは疲労回復・滋養強壮・病気予防など非常に体にいい物なのだ」との事で、確かにこんな丼を食べたらすぐに元気が出ちゃいそうです。それにしても、二十巻代の虹子さんが作る料理は本当に活き活きとした創作意欲溢れる面白い料理が多く出てくるので、読んでいると私の方も「負けられないぞー!」とガッツが湧いてきます(^^*)。
ネバりまくる見た目に、二人とも最初は躊躇;
虹子さんとまこと君、そして料理の達人・荒岩主任が手放しで絶賛している様子が本当においしそうだったので、早速体力が落ちている私も再現してみようと思います(最近どうかしたのかめっきり体調が悪いので、本気で作中のような効果をあやかりたいです…orz)!

という事で、レッツ再現調理!
まずは、材料の準備。なめこ、じゅんさい、もずくはお湯をさっとかけて軽く洗い、ザルにあけて余分な水気を十分にきります。その間、筋を大雑把に取り除いたマグロの赤身、熱湯で二分前後火を通したオクラ、皮をむいた山芋は適当な大きさに切っておき、トッピング用の海苔と小ネギは細かく刻んでおきます(これらの薬味はぬめりをキレよくする為に絶対必要なので、多めに用意するのをおすすめします)。
※マグロの赤身の筋を取る作業は面倒でしたら省いても大丈夫ですが、取っておいた方が後々相当に食べやすくて味わいがぐんとアップします。
ねばとろ丼1
ねばとろ丼2
次はメインであるたたき作業。大きいまな板に先程のマグロの赤身、オクラ、山芋、納豆を乗せ、包丁二刀流で「これでもか!」というくらいダダダダッと細かく刻みます。なお、マグロの赤身の方が少々切れにくいので、最初にあらかじめ適度にたたいておくのもアリです。
調味料を入れる前はそこそこカラフルなので色合いが美しく、目で楽しめるのが嬉しいです。
ねばとろ丼3
ねばとろ丼4
たたいている最中、塩、こしょう、わさびを適量混ぜ溶かした醤油を少しずつ加え、全体によくなじませながらさらに細かくたたきます。この段階から徐々に具がゆるい感じになってくるので、ちょっとたたきやすいです(^^)。
ねばとろ丼5
調味料が材料全てに行き渡ったらなめこ、じゅんさい、もずくも投入し、自分好みな刻み加減になるまでトントンたたいたら具の出来上がりです。私の場合、細かくたたく方がなめらかな舌触りになるような気がして好きなので、下記画像みたいになるまでたたきました。ちなみに、これはそのまま生で食べておつまみにするのも、焼いてハンバーグみたいにしてから食べても違った印象で美味しいと作中にて詳しく記述されています。
ねばとろ丼6
ねばとろ丼7
この特製ねばねば具を炊き立てご飯をよそった丼の上へどっさりかけ、仕上げに刻んだ小ネギと海苔をパラパラッと散らせば“ねばとろ丼”の完成です!
ねばとろ丼8
見るからにネバネバのドロドロ~ンって感じで、虹子さんとまこと君の言う通り確かにこれは初見だと躊躇しそうなビジュアルです;。ただ、予想していたよりもずっと色味が明るいですし(恐らくマグロの赤とオクラの緑の効用がデカイと思います)、何よりすごく体によさそうです。ワサビのツンと鼻を走る爽やかな香りも食欲を煽り立ててくれますし、これは期待が持てます。
ねばとろ丼9
それでは、ご飯に具をたっぷり乗せていざ実食!いっただっきまーす!
ねばとろ丼10

さて、味の感想ですが…完全に和風なお味で、かなりおいしいです!疲れた体が「うん、これこれ!」と歓喜の声をあげるような旨さでした!
荒岩主任も納得の旨さで、元気が出てきたと言ってました^^
熱々の炊きたて白ご飯に、ひんやり冷えてネバネバ・ヌルヌル・ドロドロ~に仕上がった特製の具がばっちりマッチしていて、ぐるぐるかき混ぜて泡立てながら食べるとさらに一体感が増します。口当たりは卵かけご飯のあのトロッとした感じと酷似しており、味はマグロ山掛け丼と納豆ご飯を足して二で割ったような極めて迫力のある個性的なおいしさでした。わさび醤油特有のしっかりした辛味と塩気が一癖も二癖もある具をちゃんとまとめあげている為不思議と統一感のある味わいで、そのせいか完全にあっさりしているのに結構しっかり濃い後味です。全部細かく刻まれているので丼にしては非常に喉越しがよく、一気にズルズルっと啜るとネバネバ好きには堪えられない快感を堪能出来ました。
ほとんどの具がもはや判別がつかない状態になっていますが、それでもマグロの赤身のプルプルした歯触り、オクラのザクザク感、モズクのシコシコツルンとした舌触り、山芋のサクサクした食感はアクセントとして優秀なので、すぐに分かります。イメージ的に「具沢山ななんちゃって五色納豆丼」(材料は五つ以上ですが;)って感じで、相当に豪快かつ野趣溢れる味の割にはさっぱり頂けちゃうのが特徴的な料理でした。とろろご飯っぽい醍醐味があるので、卵を入れてみるのもありだと思いました。

荒岩主任の言う通り、マグロの赤身の旨さが強烈な野菜達を丸ごと包み込んでいるみたいな感じで感心しました。中に沢庵を刻んだ物や、めかぶなどといった他のネバネバ食材を入れても合いそうです。焼肉と同じくらいスタミナがつく割には一気にかっこめる為、食欲がないときでも気軽に食べられそうなところが良かったです。

●出典)『クッキングパパ』 うえやまとち/講談社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

『華中華』の“夏のさわやかカレーチャーハン”を再現!

 約一週間前からちょっとした微熱・頭痛・扁桃腺の腫れがずっと続いていた為、なかなか更新できずにいました;。
 誠に申し訳ございません(出勤しながら治すのって難しいですね…orz)。
 ただ、今日の夕方からようやく腫れが引いてきましたし、何より古本屋さんで幸運にも前々から「再現したい!」と考えていた料理漫画『ゆめ色クッキング』がほぼ全巻手に入ったので、何とか来週には元気一杯に復活できそうです。

 どうも、ハニーレモンと柚子茶はイガイガした喉によく効くな~と和んだあんこです。


 今回再現する漫画料理は、『華中華』にてハナちゃんがインド人の幽霊・シンちゃんに教えてもらった特製カレー粉で作った“夏のさわやかカレーチャーハン”です!
夏のさわやかカレーチャーハン図
 “鳴門金時チャーハン”を考え出した事により、チャーハンの奥深さに気づいたハナちゃんが修行一年目の夏を迎えたある日、上海亭で夏バテに苦しむお客さんがチャーハンを残して帰っていくという事例が頻発します。
 上海亭のおじいさんは「この暑さじゃ食欲もなくなるよな…」と半ば諦め気味でしたが、ハナちゃんはめげずに「お客さんに喜んでもらえる夏バテ対策のチャーハンを」と考え、真夜中まで試作を繰り返します。
 けれども、味見をした楊貴妃さんから「マズくはないけど、横浜中華街で評判を呼んでいるお店が出すにはちょっとしょぼいかも!」という少々辛口な評価をもらったハナちゃんは、楊貴妃さんの薦めに従ってとある料理名人な幽霊に会いに外人墓地へ向かいます(しかし、いくら楊貴妃さんという心強い味方がいるとはいえ、深夜に墓場へ単身突撃出来るハナちゃんは結構勇気があると思います;)。
 そこでハナちゃんは、「人を驚かす事しか楽しみがない」と嘆く料理上手なインド人幽霊・シンちゃんを始めとする多国籍な幽霊達にそこそこ手荒い歓迎を受けつつも仲良くなり、特製カレー粉の作り方を伝授してもらう代わりに夏の間盆踊りを教える事になります。
 ただ、霊感がない人から見ると「人気のない墓地で女の子が一人、掛け声を出しながら阿波踊りを踊り狂っている」ようにしか見えないらしい描写があった為、その場を通りかかった人がいたらかなり異様な光景に見えただろうな~とつい想像しちゃいました;。
特製カレー粉を教えてもらうお礼に、阿波踊りを教えるハナちゃん
 その際、阿波踊りの無料レッスンと引き換えにハナちゃんがシンちゃんから教わった本格派なカレー粉を使って新しく生み出したのが、この“夏のさわやかカレーチャーハン”。
 作り方は意外に簡単で、ラードを入れた中華鍋で程よく火を通したオリジナルブレンドのカレー粉を合挽き肉にまぶして炒め、それをこしょう抜きの基本チャーハンに混ぜ込めば出来上がりです。
 シンちゃんが言うには、配合する香辛料の種類は多ければ多い程カレー粉は高級感が増して美味しくなるとの事で、仮に市販の物を使うなら最低三種類は混ぜた方がいいんだとか。
 あと、作ってすぐには使わず数日冷暗所(蛇足ですが、最初ハナちゃんは「霊暗所」という洒落にならない漢字に変換してました;)で寝かせるのがベストなのだそうです。
 作中では上海亭のおじいさんのアドバイスでレタスに包んでから食べる方法が推奨されていましたが、確かにパリパリしたレタスとピリッと辛いカレー風味のチャーハンは抜群そうな組み合わせに見えた為、読んでて思わず喉をゴクリと鳴らしました。
 事実、上海亭のお客さんたちはこのチャーハンをペロリと平らげる事によって見事夏バテ解消に成功し、その元気そうな様子を見たハナちゃんはほっと胸を撫で下ろしていました(^^)。
レタスで包んで食べるのがポイント!
真夏からは程遠い季節ですが、個人的に体調が良くなりかけている時にカレーを食べると飛躍的に食欲増進・意欲向上・元気回復しやすいという思い込みに近いジンクスがありますので、ゲン担ぎの為にも早速再現してみようと思います。

 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、特製カレー粉作り。
 作中では特に香辛料の指定がなかったので、やむなく勝手に空想するしか方法はありませんでしたorz。
 その為、大分前に知り合いの方から聞いた「黄金比率カレー粉」の記憶をあやふやに思い出しながら適当に合わせ、それと同時に市販のガラムマサラや他の香辛料を足して相当いい加減に調合しました(黄金どころか、バランス崩れまくりですね^^;)。
 ちなみに、使った香辛料はカルダモン、クミン、コリアンダー、シナモン、ターメリック、パプリカ、クローブ、フェンネル、ジンジャー、レッドペッパー、ガラムマサラです。これらを「うん、カレー粉らしくなった!」という見た目と香りになるまで混ぜれば調合は完了です。
夏のさわやかカレーチャーハン1
夏のさわやかカレーチャーハン2
 ラードを溶かした中華鍋(又はフライパン)にこのカレー粉の素を投入して強すぎず弱すぎずじっくり熱を通し、ラードが馴染んでカレー粉らしい香りが十分にたってきたのを確認したら、猛スピードで濡れ布巾の上へ乗せます。
 荒熱が取れたら殺菌消毒済みの空き瓶に入れ、冷暗所で二~三日寝かせて熟成させたら特製カレー粉の出来上がりです!
 正直、この時点でもかなり脳天に染み渡るような香りだったのですぐにでも使用したい衝動に駆られたのですが、ぐっとこらえて放置しました(実際、数日後の方がもっと深みある香りに仕上がっていたので、我慢してよかったです;)。
夏のさわやかカレーチャーハン3
夏のさわやかカレーチャーハン4
 次は、カレーチャーハンの要となる専用挽き肉作り。
 合挽き肉に先程の特製カレー粉と塩をまぶして軽く混ぜ込み、それを熱して油をひいたフライパンに加えて炒めます。
 木ベラで全体がバラける程度までほぐし、合挽き肉へ特製カレー粉の旨味が浸透したら火を止めて別皿へ取り出します。
 これで、専用挽き肉は準備OKです。
夏のさわやかカレーチャーハン5
夏のさわやかカレーチャーハン6
 今度は、いよいよチャーハン作り。
 油をひいて強火で熱したフライパン(又は中華鍋)に溶き卵と冷やご飯を一気に投入して炒め合わせ、塩でちょうどいい加減になるまで味付けしたらさっきの専用挽き肉を加えてざっとあおりながら混ぜます。
 この際、あんまり時間をかけていたり弱火過ぎたりするとベチャついた出来になりやすいので、多少焦げ付きそうになるくらいの火力でスピーディーに行うのがコツです。
夏のさわやかカレーチャーハン7
夏のさわやかカレーチャーハン8
 ご飯全体に専用挽き肉が行き渡ったら刻んだ長ネギを加え、軽く混ぜ合わせます。
 ※ここら辺は完全に好みになりますが、長ネギは思い切ってドサッと多目の量を入れた方が旨さ倍増します。少ないとちょっとだけ重い仕上がりになるので、要注意です。
夏のさわやかカレーチャーハン9
 チャーハンと具が十分に混ざりきったらすぐに火からおろし、そのまま洗って水気を拭き取ったレタスをたっぷり飾りつけた器へ盛り付ければ“夏のさわやかカレーチャーハン”の完成です!
夏のさわやかカレーチャーハン10
 市販のカレー風チャーハンやレトルトカレーに比べると、香りがより本格的で官能的です…。
 鼻の穴をすっと通る感じなのが素晴らしく、和風カレーや欧風カレーとはまた違った魅力があります。
 レタスの緑色が見た目を茶色一色の殺風景な世界にするのを防いでいますし、見るからに食欲が湧いてくる一皿です。
夏のさわやかカレーチャーハン11
 それでは、レタスの上にチャーハンを適量乗せて包んだらいざ実食!
 いただきまーす!
夏のさわやかカレーチャーハン12


 さて、味の感想ですが…予想の斜め上を行くくらい目茶苦茶ウマーーー(゜Д゜*)!カレー粉の素晴らしさが100%活かされた、名作チャーハンです!
夏のさわやかカレーチャーハン13
 多種多様な風味を持つ香辛料が複雑に入り交じる事によってむせ返りそうな程濃密な香りに仕上がったスパイシーカレーチャーハンを、シャキシャキバリッと瑞々しく張りがあってとても爽やかな歯触りのレタスがしっかり受け止めているのが絶品で、程よいバランスで調和していました。
 もちろんそのまま食べても「ちょっと濃いめな中華風シンプルドライカレー」って感じで十分美味なんですが、レタスと一緒に頬張ると互いが互いを引き立てあってさらに旨味が高まりますし、何と言っても後味さっぱりなサラダ感覚で食べられるのがよかったです。
 市販のカレー粉をそのまま使うだけだったら正直そこまで特筆するべき味ではなかったと思いますが、下ごしらえの際にたっぷり使ったラードの強いコクがパラパラご飯粒へしっかり染み込んでいる上、時間をかけて熟成させた特製カレー粉の鮮烈な味わいが相当に衝撃的だったので、一度食べたら忘れられないおいしさでした。
 肉の旨さがギュッと詰まっていてポロポロしっとりした舌触りが食べやすい合い挽き肉、ふんわりした口当たりとほのかな甘みが全体をうまくまとめている炒り卵、目立たないようで鮮やかな風味が地味に効いている長ネギなどといった具が、ピリリと奥深い辛みが癖になるチャーハンにばっちり合っていて、次から次へと食が進みます。
 個人的に、カレーピラフよりはこってり味・ドライカレーよりはスカッと軽いって印象でした。


 タイトルには「夏」とありますが、冬の時期に食べるカレーチャーハンもなかなかのお味です(^^)。
 本来、カレーは食べると体内の熱が引くので冬向きではないとされているのですが、コタツでのんびりカレー料理を食べるのも「コタツアイス」みたいな感じで結構乙なもんだと実感した再現でした。

●出典)『華中華』 原作:西ゆうじ 作画:ひきの真二/小学館
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

『クッキングパパ』の“カツオギョーザ”を再現!

最近健康管理に目覚めてきた為、「平日の昼食は、最低十品目以上を目指した手作りお弁当」「休肝日は四日の内三日、飲むにしてもベロンベロン状態は避ける」「出来る限り歩いて移動するようにする」の三か条を約二ヶ月間細々と守り続けています。ただ、一回に飲む量はまだ全然減らせていない上にローソンのUchiCafeシリーズにはまってしまったので(個人的に、最近新作のチョコパフェは地味にすごいと思います!中にバナナがゴロンと入っててびっくりしました!)、本当に健康状態がよくなっているのかどうかは実際分からないままです…orz。
どうも、頬に深く刻まれつつあるほうれい線が悩みの種のあんこです。

今回再現する漫画料理は、『クッキングパパ』にて荒岩主任が危うく廃棄処分になりかけたカツオのお刺身を再利用して作った“カツオギョーザ”です!
カツオギョーザ図
実を言いますとこの“カツオギョーザ”、一年半ほど経って博多本社へ戻ってきた梅田君を歓迎する為のお祝い会が行われたある博多の居酒屋(今でも実在する居酒屋さんで、店名は「第三共進丸」さん。天然雑魚が売りで、自己申告制で飲める各種焼酎・自家製かまぼこ・ベラ酒など、個性的なメニューが勢ぞろいなお店です^^)の台所にて即興で作られた料理。他の新鮮なお魚と一緒に大皿に盛られていたカツオのお刺身を、営業第二課のみんなが珍しく「カツオはちょっと臭みがあるからな…」「カツオはもういいわ、一切れ食べたモンね」「おっちゃん、カツオは下げていいよ」総出でいらない子扱いしたのをもったいないと感じた荒岩主任が、こっそり知り合いである店主にお願いして「ちょっとそのカツオいいかな?」と調理委任を願い出た事から何とか救い出されました。それにしても、このシーンを読むたび「ウツボの洗いやヤドカリの刺身(!?)みたいなちょっと勇気のいる魚介類を食べられるんなら、カツオのお刺身も嫌わず食べてあげて(つД`)!」という気持ちについなっちゃいます;。
作り方は結構単純で、刻んだカツオの身をキャベツ・ネギ・しょうが・にんにくといった野菜と一緒によく練って塩コショウなどで味付けし、あとは餃子の皮に包んで普通に焼いたらもう出来上がりです。ちなみに、つけるタレはシンプルに酢醤油です。
荒岩主任が言うには「昔、出張で高知に行った時、食べたことがある」との事だそうで、調べてみると今ではすっかり名物になっていて何と通販でも販売されていました(鹿児島県流の“カツオギョーザ”も存在するとか)。本場ではキャベツの他に白魚のすり身や大葉を混ぜ込むレシピも存在していたので、一度是非高知県で食べてみたいな~と思いました。
高知県の居酒屋で食べた味を博多の居酒屋で再現
先日、鮮魚コーナーで半額値引きシールを貼られていてもまだ売れ残っている不憫なカツオの切り身ブロックを見かけましたので、即座にそれを使っての再現を決意しました;。残り物同士でもおいしく作れるのかどうか、早速試してみようと思います!

という事で、レッツ再現調理!
まずは、材料の用意。カツオの切り身は骨、皮、血合いを丁寧に取り除き、包丁でザクザクと荒く刻みます。なお、カツオの身はお肉に比べると大分柔らかめですので、少々荒めのみじんぎりって感じになる程度で刻むのをやめた方が食感が残って美味しいです。
カツオギョーザ1
その間、キャベツ、長ネギ、しょうが、にんにくはきっちり細かいみじん切り状になるよう切っておきます。カツオとは異なり、こちらの野菜チームは徹底して細かくした方が舌触りがよくなります。
カツオギョーザ2
ボウルに先程のカツオと野菜類を投入してよーく練り、そこへ塩、こしょう、味噌、醤油を入れてさらに混ぜ合わせます(味噌と醤油は、隠し味くらいの量に留めた方がよさ気です)。段々具がまとまり、全体に調味料がなじんでねっとりした手触りになったら餃子あんの出来上がりです。正直、このまま食べたらなめろう風・焼いて食べたらカツオバーグって感じになってそれなりにウマーそうだな~と考えちゃいました(^^;)。
カツオギョーザ3
カツオギョーザ4
この餃子あんを皮(手作りでも市販の物でも可)へ乗せて包み、隙間が出来ないようしっかり閉じます。これで餃子の準備はOKです!
※困った事に、この餃子あんはちょっとだけ多めに入れすぎてしまうだけでも皮が非常に破れやすいので、乗せる際は慎重にバランスを考えながら取り掛かった方がいいです;。普通の餃子より餃子あんがやや固めなのが特徴的でした。
カツオギョーザ5
カツオギョーザ6
次は、いよいよ焼き作業。フライパンにお好みの油をやや多めにひき、中火~強火の火加減で焼きます。やがて下の部分にこんがり焦げ目がついたら水を少々加え、フタをして蒸し焼きにします。この時、水をあんまり多く注ぎすぎるとべちゃっとなるので注意が必要です。
カツオギョーザ7
フタを開けたら強火でジャーッと水分を飛ばしてから火を止め、そのまま大皿へ盛り付けて仕上げに酢醤油を入れた小皿を横に添えれば“カツオギョーザ”の完成です!
カツオギョーザ8
パリッと焼けた餃子の皮の香ばしい香りがお皿周辺を漂う為、お腹が猛烈にグーグーすいてきます(´Д`*)。見た目だけでは肉を使用した一般的な餃子とは変わりませんが、集中して匂いを嗅ぐと「少しパンチが足りない…かな?」と辛うじて違いが分かる感じでした。どんな味か、とても楽しみです。
カツオギョーザ9
それでは、酢醤油をたっぷりつけていざ実食!いっただきまーす!
カツオギョーザ10

さて、味の感想ですが…生のカツオとは全く違う味わいなのが衝撃的なんですが、かなり美味し!作中で言われている通り、これはおつな味です!
新生梅田君も含めた営業第二課のみんなも絶賛したお魚餃子
カツオギョーザ11
豚挽き肉で作った餃子より脂のおいしさや濃厚さは控え目なのでボリュームは負けていましたが、その分あっさりとしているようで深みのあるおいしさはこちらの方が断然上です。確かにこれが初カツオだったらさすがに淡白すぎたかもしれませんが、脂分たっぷりな戻りカツオを使用しているので物足りないって事は全くなかったです。噛み応えは鶏挽き肉に似ていますが、味の方はしっかり赤身の魚肉って感じで相当にヘルシーな印象でした。カツオは数ある魚介類の中でも匂いが相当に強い方なので敬遠されがちな魚ですが、この餃子は独特の癖がそっくりそのまま旨味に変換されているのがよかったです。あと、本物だから当たり前なんですが「カツオ出汁の塊」って感じの後味で、噛めば噛む程カツオの純粋な旨味エキスがジュワッと溢れ出す為どんどん箸が進みました(舌が「もっとこの旨味を吸い取りたい!」と反応して何度も咀嚼してしまうくらい、強い旨味成分でした´Д`*。お口が潤うガムの餃子バージョンって感じです)。
みじん切りにされたカツオのやや固めな食感の合間に、時折キャベツのジャキジャキした歯触り、ネギのサクサク感が程よいアクセントとなって入り交じってくるのがとても食べやすく、一向に飽きません。にんにくの力が沸いてくるような風味、しょうがの爽やかな香り、そして隠し味である味噌や醤油がカツオの臭みをすっかり消しつつ味を高めていますし、これは是非とも定番にしたいです。ビールのおつまみにもご飯のお供にも出来るオールマイティーさが何ともありがたい、素敵なさっぱり感覚の餃子でした。

勝手な所感ですが、これは厚い皮よりも薄い皮の方が合うように感じました。肉使用の餃子と違って繊細な味ですので、厚い皮だとせっかくの旨さが覆い隠されてしまう危険性があります。市販の物では、「餅粉使用」と明記された柔らかい皮を推奨いたします(^^)。

●出典)『クッキングパパ』 うえやまとち/講談社
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『築地魚河岸三代目』の“クルマエビのスパゲティ”を再現!

幸運な事に、ひどい二日酔いになった事は今までに一~二回程度しかないのですが(臆病者な為、外ではとことん飲むことが出来ないのですorz)、その代わりある一定の酒量に達すると記憶があまり残らなくなる体質です;。ブツブツと途切れた記憶の断片なら辛うじて残っているのですが、前後の繋がりがつかない感じなのが困り物。強いて言うなら「ムービー」ではなく「写真」としてしか記録がない状態で、おかげで翌日はそれらの画像を頭の中で片っ端から並べながら、「うーん、昨日は一体何があったんだろう…何かマズい事をしでかしていないだろうか」と疑心暗鬼に満ち満ちた推理ゴッコが脳内で展開されます。
こんにちは、氷結チューハイは飲みすぎると極めて二日酔いになりやすいので500ml缶二本だけに留め、後は他のお酒で我慢するしみったれな管理人・あんこです。

本日再現する漫画料理は、『築地魚河岸三代目』の巻末付録としてついているおまけレシピコーナーで掲載されていた魚河岸流イタリアン・“クルマエビのスパゲティ”です!
クルマエビのスパゲティ図
ありがたい事に、『築地魚河岸三代目』の単行本にはほとんどと言っていい程本格的かつ簡単な魚介類のレシピが絵入りでご紹介されている為、魚料理好きの読者としては非常に勉強になります。酒蒸しといった初心者級の料理から、築地ブイヤベースみたいに上級者向けの料理まで幅広く載っているので、読んでいるだけでも「おいしそう」「実際に作ったらどんな味だろう」「なるほど、こんな調理法もありですか!」などと興味が尽きません。ちなみに、これらのレシピコーナーを担当しているのは原作者のよきアドバイザーであり、魚河岸で仲卸三代目を継ぎつつ魚料理屋の経営までしているという生粋の海の男・小川貢一さんで、そのせいか一見ポピュラーそうなメニューでもレシピを読んでみると応用的な独創料理である事が多いです。
今回作ってみるのは、その中でも特においしそうで結構個性的なレシピだった“クルマエビのスパゲティ”。作り方はちょっと変わっていて、何と活きクルマエビを殻ごとぶつ切りにし、そのままにんにく・赤唐辛子・ゴルゴンゾーラチーズ等と一緒に炒めて具&ソースにしちゃうのが最大のポイント(但し、頭の部分の硬い殻だけは取り除きます)。こうする事によってエビ味噌と殻が最大限まで活かされ、最高な一皿に仕上がるのだとか。小川さん曰く「エビは殻ごと炒めないと旨みが出ないんだよ。それにエビで一番コクがあるのは頭だから、これを使わない手はないよね」だそうで、魚のプロだからこそ考え出せる大胆な発想に感服です。
スペシャルアドバイザー・小川さん考案のオリジナルスパゲティ!
実を言いますと、六月くらいから前置きに作りたいと書いてしまうくらい再現を熱望していたものの、近所にクルマエビを置いてあるお店は皆無だった為半ば諦めていたんですが、先日スーパーの鮮魚コーナーに行ってみると「エビフェア」が開催されてちゃっかり売られていたので、大急ぎでゲットしてきました(最後の売れ残りだったので、危ない所でした;)。諦めていただけに嬉しかったので、早速再現してみます!

という事で、レッツ再現調理!
まずは、クルマエビの下ごしらえ。クルマエビはまだ活きている新鮮な物を用意し、冷蔵庫でキンキンに冷やしておきます(こうすると冷気で動きが鈍くなる上あまり動かなくなるので、良心の呵責が少なくて済みます;)。気が済むまで冷やしたら覚悟を決め、頭を身から一思いに切り落とします。それにしても、クルマエビの尻尾はいつ見ても瑠璃色の美しい色合いなので、しみじみ見惚れてしまいます(・ω・*)。
クルマエビのスパゲティ1
クルマエビのスパゲティ2
頭の方はごつい上部分の殻だけ取り除いてからボウルに入れて塩を適量まぶし、エビ味噌に塩が馴染むまで少し時間をおきます。また、身の方は殻ごと包丁で一口大の大きさへとザク切りにしておきます。この時、もし匂いや背ワタが気になるような状態でしたら白ワインをちょこっとだけ振って臭み消しをし、同時に竹串で丁寧に背ワタを抜く事をお勧めします。
※この記事ですと原作通り活きクルマエビを使用しましたが、どうしても抵抗がある方は急速冷凍された新鮮車えびを使う事を推奨いたします(最近は冷凍技術が進歩しているので、鮮度の方は何にも心配いりません!)。
クルマエビのスパゲティ3
クルマエビのスパゲティ4
その間、生バジルは軽く洗って水気を拭き、ゴルゴンゾーラチーズはパラパラした状態になるよう大雑把に砕き、スパゲティは好みの銘柄と細さの物を塩入りの熱湯で茹でておきます。私の場合、贅沢気分に浸りたかったのでディ・チェコのNO.11というやや太めなタイプのスパゲティを使いました。ディ・チェコは表面がザラザラしているのでソースが絡みやすく、「ここぞ!」という時にはよく愛用しています(^^)。
クルマエビのスパゲティ6
クルマエビのスパゲティ7
次は、ソース作り。フライパンへ芯を取って薄切りにしたにんにく、種を取って輪切りにした赤唐辛子、オリーブ油を入れて弱火にかけ、ゆっくり熱を通しつつ香りと辛味を油へ移していきます。その際、にんにくと赤唐辛子は油の中で浮かして揚げ焼きにするような感じで炒めると焦げにくく、おいしく仕上がりやすいです。
クルマエビのスパゲティ5
にんにくの風味が完全に行き渡ったら先程のエビの頭を投入し、クルマエビの味噌が溶け出してくるまで気長に炒めます(木ベラで押しながら炒めると、割と簡単ににじみ出てきます)。そして、エビ味噌が油に溶けきってソース状になったらそこへエビの身を一気に加え、さらに炒め合わせます。
クルマエビのスパゲティ8
クルマエビのスパゲティ9
クルマエビの身が赤く色づいてきたら茹でたてのスパゲティを入れてざっと混ぜて火を消し、仕上げにちぎった生バジル、ゴルゴンゾーラチーズを投入してよく和えます。
クルマエビのスパゲティ10
クルマエビのスパゲティ11
生バジル、ゴルゴンゾーラチーズが全体に混ざりきったのを確認したらお皿に盛り付け、そのまま机へ運べば“クルマエビのスパゲティ”の完成です!
クルマエビのスパゲティ12
生バジルに熱が通り過ぎてしまい、そのせいで大変黒っぽい殺風景なスパゲティになってしまいましたorz|||。なので出来上がり直後は落ち込みましたが、匂い自体はイタリアンともエスニックとも言えない不思議ないい芳香で、おかげですぐに復活出来ました;。クルマエビの紅がかった赤色、特製ソースが絡んで薄茶色に染まったスパゲティが白いお皿に映えているのが何よりの救いです。
それでは、いざ実食、いっただっきまーす!
クルマエビのスパゲティ13

さて、味の感想ですが…まるでお店みたいに本格的な味がしてかなり美味し!様々な香りが競演しあっており、それらが鼻をスッと突き抜けていくのがとても優雅な感じです!
これぞ、魚河岸に生きる男性ならではの大胆なイタリアン
クルマエビのスパゲティ14
クルマエビのあっさりしているのに密度がねっとり濃いエビ味噌と、一癖あるもののこってり重厚なコクが病み付きになるゴルゴンゾーラチーズが見事に調和しあっており、短時間でサッと作ったようには思えないくらい奥深いおいしさです。当初は、ゴルゴンゾーラチーズ特有のすさまじいまでの存在感を危惧して「エビが具になっているだけのチーズスパゲティになったらどうしよう…」とハラハラしていましたが、実際に食べてみるとエビ味噌の旨味エキスが負けないくらいソースの中で効いていたので安堵しました。おまけに、にんにくのがっつり力強い風味や赤唐辛子のピリピリくる辛味が程よくプラスされていた為さらに複雑な仕上がりになっており、例えるとするなら「アメリケーヌソース風コク旨スパゲティ」って感じです。
中でも特に印象に残ったのが主役のクルマエビで、殻のプチプチパリパリと小気味良い食感、プリンッと口の中で弾けるくらい弾力性のある身、そして噛むごとに溢れ出て来る自然な甘さがものすご~く美味でした(意外な事に、クルマエビの殻は相当に薄かったので全然邪魔にならなかったです)!焦げる寸前まで炒められてたまらなく香ばしくなったクルマエビの殻の香味と旨さが、バジルの鮮やかかつ爽やかな風味にぴったりマッチしているのがよかったです。頭や足部分の程よく火が通ってサクサクした歯触りもいいアクセントになっていますし、クルマエビを隅々まで堪能するのにはまさにうってつけなスパゲティでした。

クルマエビの殻がこんなにもいい味を出すとは思ってなかったので、色々とためになった再現でした。身だけでなく殻までおいしく頂けるなんて、ある意味ブラックタイガーよりもお得なエビなのかもしれません(クルマエビは養殖物なら、そこまで高くない場合が多いです)。何だか調子に乗ってしまったので、次は同じ巻に乗っていた“特大活きクルマエビのエビフライ”を作ろうかな~と考えています。

●出典)『築地魚河岸三代目』 作画:はしもとみつお 原作:鍋島雅治/講談社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

『おかわり飯蔵』の“フグと水菜のパリ鍋”を再現!

最近、便利な言葉なのか上司が職場で「じゃあ、女子達はそれでお願いします」とよくおっしゃるのですが、内心かなりいたたまれない思いになってます…(特にこだわるべきではない、取るに足らない事かもしれませんが;)。しかし、田舎でよく見かける六十代以上の女性達で構成された「○○若妻会」「▲▲女子の部」には何も違和感を感じないので、不思議です。
どうも、マイナス五歳肌どころかプラス十歳肌の持ち主な管理人・あんこです。

今回再現する漫画料理は、『おかわり飯蔵』にて飯蔵さんが「安い・美味しい・豪華」と三拍子揃った忘年会用お鍋として紹介した“フグと水菜のパリ鍋”です!
フグと水菜のパリ鍋図
ある冬の夜、飯蔵さんはさくらさんが初の幹事を務めることになった編集部の忘年会会場の下見を手伝う為に、ある有名なちゃんこ鍋屋さんを訪れます。しかし、内装は歴史がありそうで趣があるものの、初めてやって来たらしきお客さんに対して傲慢で嫌味な対応を取るようなお店だったのを確認した飯蔵さんは、呆れるやら怒りを感じるやらしてすっかり食事をする気をなくしてしまいます。そして、邪険にされていたそのお客の男性をちゃんこ鍋屋から連れ出し、詳しい事情を聞きだす事にします(それにしても、完全に初対面の男性に対してこんなに面倒見がいい飯蔵さんは相当な男前だと思います;)。
男性の名前は坂本君といい、本人曰く「ヤンキー崩れ」。田舎でワルを続ける生活を止めようと考えて上京したものの、切れやすい性格が災いして仕事が長続きした事はほとんどなかったそうですが、今のコンビニで奈緒ちゃんという優しい女の子と出会って偏見なく接されるようになってからは心機一転し、長く働き続けられたとの事。けれども、その奈緒ちゃんも今月限りで田舎に帰る事が決定した為、坂本君は最後に何とか思い出作りをしたいと思い、奈緒ちゃんを含めたバイトの人間みんなで忘年会をする事にします。ただ、奈緒ちゃんの手前つい「有名なお店にツテがあるからそこで忘年会をしよう!」と坂本君は見栄を張ってしまった為、何とか激安で豪華な忘年会が出来る会場を探そうとしたものの…結果は、冒頭にあるとおりの散々な物になってしまいます;。
「もう安い居酒屋で忘年会やるしかないよな…」と坂本君は大いに落ち込みますが、飯蔵さんは事も無げに「お前んちで忘年会やるどー!」「ワシがお手軽で豪華な鍋を教えちゃる!」と豪語します。そして、飯蔵さんが千五百円前後というお手頃価格で買えちゃうフグ・身欠きフグで作れるお鍋として坂本君に実地で教えてあげたのが、この“フグと水菜のパリ鍋”です。
身がきフグは驚きの安さが特徴
作り方はものすごく簡単で、薄くスライスして塩と片栗粉をまぶした身欠きフグを、水菜やお酒と共にフライパンで火を通せばすぐに出来上がります。そのまま食べてもよし、柚子入りポン酢で食べてもよしで、作中の表現を引用すると「まるで筋肉のかたまりみたいだ!」「フグってうんめえな~!」なんだとか。想像するだけでたまらないものがあります(・∀・*)。
ちなみに、身欠きフグとは頭・内臓・皮・毒の部分を取り除いた比較的安価で小ぶりなフグの事で、トラフグみたいな高級フグにはおよばないものの肝心な味の方はちゃんとおいしいという庶民の味方食材です。実を言いますと、母の実家はフグの本場である山口県の為、身欠きフグ自体は小さい頃から慣れ親しんでいましたが、正直お鍋に使うというのは初耳なので初めて読んだ時は仰天したのを覚えています;。おまけに使用するのは「焦げ付かないし、割れない」という理由でフライパンオンリーですので、一体どんな感じなのか興味は尽きません。
フライパンでパリ鍋を作る理由
原作では“フグと水菜のパリ鍋”は大好評で忘年会は無事成功し、坂本君は友達も未来の恋人もゲットできるというハッピーエンドを迎えることが出来ましたが(こういう書き方をすると、何だかチャレ○ジの付録についてくる出来すぎなおまけ漫画みたいで気が引けるのですが;)、実際に試してみるとどうなのか早速試してみようと思います!

という事で、レッツ再現調理!
まずは、フグの下ごしらえ。身欠きフグは包丁で慎重に三枚卸ろしにした後、出来るだけ薄く仕上がるよう斜めに削ぎ切りにします。一匹目、二匹目だと慣れなくて身がボロボロになっちゃいましたが、数をこなすごとに段々うまくなっていきましたのでほっとしました(^^;)。内臓や頭がなくて扱いが簡単な分、魚をあまり捌いた事がない方でも挑戦しやすい食材だと思います。結構弾力があるので、触るとプニプニしてて気持ちがいいです。
フグと水菜のパリ鍋1フグと水菜のパリ鍋2
フグと水菜のパリ鍋3
このフグの身をボウルに入れ、塩をうっすらかかる程度にふりかけたら片栗粉も同時にまぶし、身が崩れないくらいの力加減でよく揉みあわせておきます。これで、フグは準備OKです!
フグと水菜のパリ鍋4フグと水菜のパリ鍋5
フグと水菜のパリ鍋6
次は、鍋作り。三~四センチ程の長さに切った水菜とお酒少量をフライパンに敷いき、中火でじわじわ熱を通します(強火すぎず弱火過ぎずな火加減がベストです)。
※これだけだと具があまりにも寂しすぎるように見えるかもしれませんが、これ以上増やさない方が統一感が出る上、フグの味がグンと活かされるので断然このままがおすすめです。ですが、「どうしてもボリュームを出したい…」と言う場合はきのこ類のみをちょろっと乗せる事を推奨いたします。
フグと水菜のパリ鍋8フグと水菜のパリ鍋7
フグと水菜のパリ鍋9
水菜から水分が少しずつ出てきたら薄切りのフグを乗せて、さらに火を通します。この時、出来る限り一枚ずつ広げながら入れないとフグ同士がくっついてしまいますので注意が必要です。
フグと水菜のパリ鍋10フグと水菜のパリ鍋11
その間、青柚子の皮と果汁をポン酢に混ぜて作った特製ポン酢を用意しておきます。通常、フグの薬味は香りが強すぎない物が向いているとされていますが、面白いことにこのお鍋は柚子の香りがばっちり合います(^^)。もちろん、青柚子でなくても普通の柚子・カボス・すだちなどを使用してもおいしいです。
フグと水菜のパリ鍋12フグと水菜のパリ鍋13
フグと水菜のパリ鍋14
フグの身に火が完全に通りきったら、“フグと水菜のパリ鍋”の完成です!
フグと水菜のパリ鍋15
思っていたよりもずっとフグらしい見た目だったので、少しびっくりしました(←一応フグなので当然なんですが;)。プリンとした状態のまま火が通っているフグの身がとてもきれいで、パッと見は高級そうに見えました。透明感のある純白色のフグと、目にも眩しい緑色の水菜の組み合わせが食欲をそそります。
フグと水菜のパリ鍋16
それでは、そのままor青柚子入りポン酢をつけていざ実食!いっただっきま~す!
フグと水菜のパリ鍋17
フグと水菜のパリ鍋18

さて、味はというと…名前通りパリパリした食感が小気味良くておいしいです!鍋にしては、食後感が極めて爽やかなのが衝撃的でした。
パリ鍋に大感激するなおちゃん
安価な身欠きフグなのでさすがに通常のフグ鍋程深みのある味わいではありませんが、それでもフグはフグな為、若干軽めではあるものの十分にリッチなおいしさを堪能出来ます。薄くそぎ切りにしているはずなのに身がかなり筋肉質なせいかプリプリしており、おまけに片栗粉をまぶしたおかげでツルツルと滑るような舌触りの膜がうっすらと張っており、とてもしっとりした食感になっていました。しんなり煮えた水菜のバリバリシャキシャキと賑やかな歯触りが絶妙なアクセントをプラスしているのも相当にウマー(゜Д゜)ですし、柔らかなフグの身といい対比になって抜群に合っているのがよかったです。また、フグの優雅な香りと水菜の瑞々しい香りがむせ返るようにして立ち上ぼるので、どの鍋よりも湯気の匂いが格段に素晴らしいのが特徴的でした。
そのまま食べるとさっぱり塩味でフグの旨味がズシンとダイレクトに伝わる感じ、青柚子入りポン酢で食べると柚子の果汁で鮮やかな酸味がついてあっさりと味わい深い感じで、どちらもそれぞれ違った印象で美味だったです。汁気がほとんどない為、「鍋」の醍醐味というよりは「蒸し焼き」的な旨さの方が強かったですが;、フグならではの繊細な後味を壊さず斬新に楽しめる新感覚の創作料理だと感じました。どの白身魚よりも贅沢な美味しさだと思います。

強いて言うなら鍋には必ずつき物な〆料理が作れないのが難点でしたが(汁が少なすぎるので;)、それを差し引いても満足な仕上がりの料理です。ちなみに、お酒は日本酒にぴったり合いました(^^)。フライパン一つで出来るので洗い物も楽ですし、何より手軽にささっと作れるのが嬉しかったです。

●出典)『おかわり飯蔵』 原作:魚柄仁之助 作画:大谷じろう/小学館
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

プロフィール

Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
 …『銀の匙』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『スイーツ本部長一ノ瀬櫂』
 …『旅のグ(2)月は知っていた』
 …『テルマエ・ロマエ』
 …『土曜日ランチ!』
 …『BAR・レモンハート』
 …『百姓貴族』
 …『ぶたぶた』シリーズ
 …『ベーグル食べない?~幸せカフェごはん~』
 …『飯盛り侍』
 …『夢色パティシエール』


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 図々しい姿勢で恐縮ですが、ご返信をこまめに出来なくて余裕がある分、ブログ内容を充実&長期的に続けられるよう力をいれる事で皆様のご厚意にお応えし、感謝の気持ちをお返ししていきたいと考えております。
※ただ、ご質問を頂いた際はなるべくお力になれるよう、すぐご返答できるように対処致します。

 応援して下さる方々に少しでも楽しんでご利用して頂けるよう、沢山の作品に触れるちょっとしたきっかけになれるよう、これまで以上に心掛けていきます。
 恐れ入りますが、よろしくお願い致します。

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