『クッキングパパ』の“特製味噌風味カキフライ丼”を再現!

小学一年生くらいの頃、TVの教育番組か何かに感化されたのか「アフリカに行きたい!」とダダをこねていた私に、たまたま遊びに来ていた叔父から「おお、そうか。じゃあ今から行ってみるか、アフリカ」と言われたことがありました。今もそうですが、幼い頃はもっと頭が弱かった当管理人は「やった~!アフリカ、アフリカ!!」とウキウキしながら車に乗りましたが、僅か二十分後に着いたそこは<カラオケ居酒屋・アフリカ>でした。当然の権利として私は「………(´・ω・`)」という何とも言えない顔になりましたが、叔父は「どうした?ほら、アフリカだぞ、ア・フ・リ・カ(・∀・)!」と実に嫌らしい顔でニヤニヤして一向に堪えていない様子でした。今考えると、これみよがしに嘘泣きして困らせてやればよかったな~と後悔しています。
どうも、それ以来人の約束は話半分程度にして聞くようになった管理人・あんこです。

今回再現する漫画料理は、『クッキングパパ』にて荒岩主任がカキ嫌いな梅田君の妻・ユミさんの為に作った“特製味噌風味カキフライ丼”です!
特製味噌風味カキフライ丼図
ある休日、荒岩一家が住む借家のすぐ近くにあるアパート(荒岩主任が以前住んでいたアパートでもあります)に住む梅田君・ユミさんご夫妻の所へ、広島に住んでいるというユミさんの叔父さんから殻つきの新鮮なカキがたくさん送られてきます。大きい発泡スチロールの箱二個にギュウギュウ詰められていたので、海産物が大好きなご家庭だったら飛び跳ねんばかりに大喜びしそうな太っ腹で豪気な贈り物でしたが、二人とも殻の開け方を知らない上にユミさんが大のカキ嫌いだった為、「そうだ!日頃お世話になっているし、荒岩主任は料理上手だから殻つきカキでも面倒がらなさそうだし、こうなったらこのカキ全部あげちゃおう!」という軽いノリで荒岩主任のいる家へ向かいます。この時、真っ先に「おすそ分けするついでに、うちの分も開けてもらおう!」と考えるのではなく、「いっそ全部譲ろう!」と考える梅田君は掛け値なしにいい人だと思います(^^)。
しかし、大量のカキをもらった荒岩主任は帰ろうとする二人を「まっ、あがっていきなよ」と引きとめ、「そんなネ、せっかく送ってくれた好意を無にする事をしちゃいけないな。カキは慣れれば簡単に開けられるんだ」と言いながらアイスピックを使ったカキの開け方を実演してみせたり、生カキと焼きカキを梅田君や虹子さん達に振舞って大喜びさせていました。荒岩主任曰く「新鮮な生カキはそのまま何もしないで食べると、フルーツみたいに薫り高くて甘みがあるんだ」そうで、確かに手早くカキの殻を剥いてツルッと口の中へ生カキを滑り込ませる描写には読んでてたまらないものがありました(´Д`*)。こういう「生ならではの旨さ」を体現する料理を安全においしく楽しめる国・日本に生まれて本当によかったと、心から実感します。
しかし、ユミさんの方は「ごめん!やっぱりダメ、私」「カキってグネグネグチャグチャして、生臭いのよ」と言って拒否します。ユミさんが言うには元々カキは嫌いではなく、むしろ小さい頃は平気で食べていたんだそうですが、小学四~五年くらいのある夕食の席でじっと酢ガキを見ている内に「何だかよく形も分からないドロリンドロリンしたものじゃない…」と感じるようになってからは急速に大嫌いになった模様で、それ以来カキを食べたことは一度もないとの事でした。ユミさんの言う通り、食べ物を嫌いになったり好きになったりするきっかけというのは本当に些細でくだらない事が原因だったりするので、ふと「そういえば私も、昔は春菊を草みたいだと思って苦手に感じていたなぁ…」と遠い目になりました(今はむしろ大好物です^^)。
何と、小さい頃はカキが平気だったユミさん。嫌いになったその理由は…
すると、荒岩主任は「なるほど、どちらかと言うとカキの姿、形がダメなんだな」と何か心当たりがあるような顔になり、ちゃちゃっとカキフライとタルタルソースを作ってユミさんに差し出していました。正直、一か八かの賭けではありますが、カキのぐにゃっとした舌触りは揚げると大分改善されますし、カリッと香ばしい衣とたっぷり汁気が絡み合う醍醐味は揚げ物界の最高傑作と言っても過言ではありませんので、ナイスチョイスだと感心しました。幸いな事に、ユミさんは恐る恐るではあるものの「うん…これなら大丈夫みたい…。食べられるわ…おいしいわ…」と見事カキフライを食べることに成功していました。いやはや、拒絶反応が出なくて何よりだと人事ながらほっと一安心した一コマでした(^^;)。
そんな妻・ユミさんを見て「やったー!ユミちゃんが初めてカキを食べたー!」と喜んでいる梅田君を尻目に、荒岩主任が「よし、このまますぐに夕食にしちまおう」と言って活き活きと作り上げたのが、この“特製味噌風味カキフライ丼”です!
作り方はカキフライさえ出来ていたらとても簡単で、赤味噌ベースに仕上げた丼つゆで長ネギとカキフライを少し煮込み、三つ葉入りの溶き卵を回しかけて半熟になるまで蒸らしたらもう出来上がりです。丼物と言うと大抵は醤油味なので意外ですが、これが案外カキフライにぴったりで洒落た感じに仕上がるんだそうで、実際ユミさんも「おいしいーっ!こうやって食べると、ちっとも生臭くない」と興奮してペロリと完食していました。
カキフライを食べることによって、徐々にカキのおいしさに開眼していきます
その後、カキのおいしさに目覚めたユミさんは焼きカキどころか生カキも見事克服して食べきり、「もうあんまりカキは残ってないよ」と焦る梅田君に対して「じゃあ叔父さんの好意に甘えて~、もっともっといっぱい送ってもらおうよ~」といつものキャピキャピした感じで断言して荒岩主任達をズッコケさせていました(^^;)。うーん、荒岩主任のおかげで広島の叔父さん宅から毎年かなりの量のカキが梅田家へ輸出させられそうですね;。
実はこの梅田君・ユミさんご夫妻、一時期住むアパートが一緒だったせいか、夢子さんに次ぐくらい荒岩一家から様々な料理を教わったりご馳走されたりしています。この他にも色々と荒岩主任から傑作料理を食べさせてもらうお話が数多く見られますので、以後もちょくちょく取り上げて再現してみる予定です(^^*)。
すっかりカキが大好物になったユミさんでした;
カキの旬がもうじき過ぎ去ってしまうので、その前に是非再現したと考えていました。先日安くて質のいいカキが手に入ったことですし、早速作ってみようと思います!

という事で、レッツ再現調理!
まずは、カキフライ作り。生カキ(生食用でも加熱用でも可)を塩水で軽く汚れを洗い流した後にボウルへ入れ、牛乳をひたひたになるまで注いだらしばらく放置しておきます。こうする事によってカキの旨みを逃さず、余計な臭みだけが抜けます。
特製味噌風味カキフライ丼1
カキの水気をキッチンペーパーでしっかり拭き取ったら、小麦粉→溶き卵→パン粉をまぶしておきます。普通ならやや粗めのパン粉の方を使った方がカキフライには向いているのですが、今回は再度味付けして丼に乗っけて食べる為のカキフライですので、さっぱりめに食べたい方はキメの細かいパン粉を使用した方がいいと思います。
特製味噌風味カキフライ丼2
特製味噌風味カキフライ丼3
衣がカキの身にしっかりついたら高温の油でさっと揚げ、六~七分程度の半生くらいな火の通り具合になったらすぐに取り上げて、キッチンペーパーの上で余分な油分をきります。
※完全に火を通すと、丼にする時ガチガチになっちゃいますので、丼用カキフライに関しては「まだ生っぽいな~」と心配になる揚げ加減でちょうどいいです。ただ、普通にカキフライとして食べる場合はせいぜい九分前後の揚げ上がりに留めておいた方が無難です。
特製味噌風味カキフライ丼4
特製味噌風味カキフライ丼5
次は、丼作り。フライパン(又は丼用鍋)へ油と斜め切りにした長ネギを投入して炒め、軽く塩をふります。長ネギがちょっとしんなりしてきたら赤味噌を加えて炒め、砂糖をお好みで入れてよく混ぜ合わせます。
特製味噌風味カキフライ丼6
特製味噌風味カキフライ丼7
やがて赤味噌が香ばしくなってきたらだし汁(鰹節と昆布の一番出汁がおすすめ)を加え、隠し味として醤油をチラッと垂らしたらカキフライを並べ入れ、両面に赤味噌だしをまぶすようにしてカキフライをひっくり返してなじませます。この段階でカキフライへさらに火が通ってちょうどいい煮加減になりますが、あまり長く火にかけ過ぎるとガチガチになるので要注意です。
特製味噌風味カキフライ丼8
特製味噌風味カキフライ丼9
特製味噌風味カキフライ丼10
そこへ刻んだ三つ葉を入れてさっくりかき混ぜた溶き卵をカキフライにかからないよう少しずつ回しかけ、すぐにフタをして火を消し、少々蒸らします。
特製味噌風味カキフライ丼11
特製味噌風味カキフライ丼12
卵の白身が透明感のある白っぽい色の半熟状に仕上がったらフタを取り、炊き立てご飯をよそった丼の上へそのまま滑らせるようにして乗せれば“特製味噌風味カキフライ丼”の完成です!
特製味噌風味カキフライ丼13
味噌色に染まって如何にもおいしそうなカキフライの回りに、黄色と白色とが入り混じっている半熟煮卵がほわっと絡み付いており、見るからに食欲をそそります。作る前は煮卵の色が茶色っぽくなりそうなのを危惧していましたが、鍋に入れてから余程グチャグチャにかき混ぜない限りはちゃんと元の黄色を保てていた為、ほっとしました。三つ葉の緑色がいい彩りになっていますし、これは味に期待が持てます!
特製味噌風味カキフライ丼14
それでは、熱々の内にいざ実食!いっただっきまーす!
特製味噌風味カキフライ丼15

さて、味の感想ですが…一応和食なのに、がっつり食べられてかなり美味!カキと味噌の相性の良さを実感します!
カキが嫌いだったユミさんも感動したおいしさ!
まるでカキフライで作った土手鍋をそのまま煮卵で丸ごと封じ込めてしまっちゃったようなごってり豪快、迫力満点な味わいで、味噌の香ばしい風味が存分に楽しめる丼です。ギリギリ半生なプルッとした感じに仕上がったカキフライが特に素晴らしい出来で、ぷっくりトロトロなカキの身が噛むごとに口の中でジュワ~ッとゆっくりとろけていくのにうっとりしました。ツルンツルンな舌触りの腹部分はもちろん、シコシコした歯触りの貝柱部分や、磯風味なのにどことなくミルキーな旨味エキスが秀逸です。この柔らかくて甘いカキに、味噌味のおつゆをしっかり吸い込んでフワッとした口当たりに変化した衣がぴったりで、甘辛い煮卵をたっぷりまとわせた炊きたてご飯と一緒に頬張るとコクや旨さが無限大に膨らんでいく為「もうこれ以上何もいらない!」という心境になりました。赤味噌特有のキリッと引き締まった辛口の後味が粋な、大人向けの一品です。
太ネギのねっとりした自然な甘み、三つ葉のシャキシャキした爽やかな香気で味がだらしなくダレずに済んでおり、おかげでくどくなり過ぎるのを防いでいました。また、材料が同じせいか赤出しのお味噌汁と非常に似た味わいのおつゆで、丼と赤出汁を一度に堪能しているような不思議な気持ちになりました(その為、つゆダクにすると少々ワイルドな猫まんまっぽい味になるかもしれません;)。カキ・衣・赤味噌・卵・野菜のおいしさが混然となってご飯の表面に絡むので、カキフライがなくなった後でも美味に頂く事が出来て満足でした。

牛乳の下ごしらえのおかげで、カキの生臭みはほとんど消えていいました。単に臭さを消すだけではなく、口当たりを優しくするのにも役立っている気がします。あと、当初は「三つ葉と溶き卵を一緒にするのはどういう理由が…?」と思っていましたが、この方が全体の一体感が増していた為、なるほど~と感心しました。ただ、市販の衣が厚めなカキフライだとしつこく仕上がるかもしれないので、これは是非手作りのカキフライで再現してみる事を推奨いたします。

P.S.コメントのご返信が大幅に遅れてしまい、誠に申し訳ございません。今週の月曜日~水曜日にかけて少しずつご返信させて頂きますので、何卒宜しくお願いいたします(家事、仕事、私生活、ブログ記事の時間配分がなかなかシビアになってきた為、少しでもバランスがくずれてしまうと今回のようにコメントのお返事が滞ってしまいます。大変恐縮ですが、ご了承して頂けますと幸いです)。

●出典)『クッキングパパ』 うえやまとち/講談社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

『おいピータン!!』の“緊急食のしょっつる卵かけご飯”を再現!

近頃、「この方の描いた短編漫画を、もっと読みたい…」と渇望する漫画家さんをまた一人、見つけました。それは、月刊<エレガンスイブ>三月号で読みきりを一本執筆なされていた、サメマチオ先生。「ひとんちのお弁当」という題名の十二ページ読みきりだったんですが、個人的に心へ自然と染み入っていく透明な印象のエッセイ風漫画でした。何でもかんでも「再現」と言うと情緒がない感じになってしまうのでいささか申し訳ないのですが、それでも「この漫画に出てくる逆そぼろ弁当、無性に食べてみたいな…再現したいな…」と思いました。
どうも、サメマチオ先生が2008年度に描かれた「ストリームガール」もいち早くお気に入りの漫画になった管理人・あんこです。

本日再現する漫画料理は、『おいピータン!!』にて作者・伊藤理佐先生が巻末で「急いでる時のご飯」として紹介された“緊急食のしょっつる卵かけご飯”です!
緊急食のしょっつる卵かけご飯図
漫画『おいピータン!!』の中では、簡単に出来る物から手間ひまかかる物まで非常に幅広いジャンルのウマーそうな料理が描かれていますが、意外にも伊藤理佐先生が普段から好んで食されている食事は、かなりシンプルな料理が多いです(…って、余計なお世話ですね;)。その傾向が如実に現れているのが、ある巻末にて恐る恐る語られていた「坦々麺三段活用」
近所のラーメン屋さんから出前で取り寄せた出来立てほやほやの坦々麺を、まずはそのまま半分食べる→時間がたってのびにのびた冷え冷え坦々麺を、麺だけ全て平らげる→しばらくしてお腹がすいたら、残った汁にご飯を投入してスープご飯風に食らうという、ある意味ラーメン屋さんにとっては「そ、そこまでうちの坦々麺を…(つД`)!」と料理人冥利に尽きるかもしれない食べ方なんですが、これが読んでて妙に惹きつけられる感じで、内心「これは案外いけそう!」と感じました。坦々麺のスープはピリ辛でキレがいい割に濃厚な味なのでご飯と合わせると程よく中和されそうですし、何より残ったスープでタダ同然に作れる所がお得感をくすぐる一品です。ただ、猫まんまと同じ宿命で人前で堂々と食べることが出来ないのが唯一の欠点だと思いました;。私が小さい頃から食べ続けている親子納豆丼(豆腐+納豆+刻みネギ+ご飯をぐっちゃぐちゃにかき混ぜ、仕上げにカツオ節ふりかけや醤油をかけてひたすらかっ込む下品極まりない私なりの緊急食^^;)と、いい勝負です。
残念ながら今回再現するのはそちらではなく、『おいピータン!!』二巻の後書きにて伊藤理佐先生が「これ、いつまで飽きずに食べれるかと思って食べ続けてたら、いつまでも飽きなくて怖かった…」とまで描いていた一押しのお気に入り料理・“緊急食のしょっつる卵かけご飯”です。
あなたの緊急食は?と問う伊藤先生^^
緊急食(=急いでいる時に食べる手抜き料理)と言われるだけあってものすごく簡単で、ちりめんじゃこと卵黄をご飯の上に乗せ、仕上げに秋田県名産の調味料・しょっつるをたっぷりかけるだけでもう完成。あとはひたすらかっ込むだけで食事完了で、あまりにも気に入ってしまった為急いでない時にも食べるようになってしまったとまで伊藤理佐先生は打ち明けていました;。ちなみに、しょっつるとはハタハタという秋田県でよく捕れる鰯に似た魚と塩のみを使って何年も熟成して作成する一種の魚醤で、数多い魚醤の中でも特に旨み成分であるアミノ酸が豊富であまり臭みが気にならないのが特徴なんだとか。味がいい上に後片付けも簡単に済むので、当管理人のようなズボラ人間には嬉しい緊急食です。
山口生まれ福岡育ちの私としては全くの未知な調味料でしたが、『おいピータン!!』でも何かというと活用される事が多いので、つい最近思い切って“カキと豚バラとセリと油揚げのお鍋”再現の為に勇気を出して購入し、お鍋を始めとする様々な料理に使用してみると…これはおいしい!ローマ時代のガルムもこんな感じだったんだろうかと、急速な勢いでハマっていきました。
片付けが簡単に済むのが卵かけご飯の魅力
せっかく手元にあることですし、加熱するだけでなくそのままかけて食べてみないともったいないと思い、再現を決意しました。他県の人間ゆえしょっつるの魅力を正確に表現出来ず大恥をかいてしまうかもしれませんが、物は試しだと考えて早速作ってみようと思います!

という事で、レッツ再現調理!
まずは、材料の準備。ちりめんじゃこは釜揚げのしっとりしたタイプの物ならそのまま、やや硬いままの物はザルにあけて熱湯をザーッとかけ、ふやけさせてからみずけをしっかりきっておきます。あと、卵は卵白と卵黄にわけ、卵黄のみとっておきます(私の場合、卵白は天ぷら入り味噌汁に入れて食しました。ご飯にぴったりで美味しかったです^^)。
緊急食のしょっつる卵かけご飯1
緊急食のしょっつる卵かけご飯2
熱々のご飯(炊きたてご飯でも保温したご飯でもOKですが、伊藤理佐先生のこだわり通りに作るなら解凍したご飯が最適です)の上に先程のちりめんじゃこと卵黄を乗せ、その上からさらにしょっつるを好きなだけ回しかけます。
※但し、しょっつるは醤油よりも塩分が濃いのでかけすぎに要注意!
緊急食のしょっつる卵かけご飯3
緊急食のしょっつる卵かけご飯4
あとはお箸と一緒に机の上へ運べば、“緊急食のしょっつる卵かけご飯”の完成です!
緊急食のしょっつる卵かけご飯5
しょっつるを加熱せずに食べるのは初めてなんですが、思った以上に匂いはきつくないのでほっとしました。むしろ魚醤ならではの魚のいい香りを数十倍濃縮させたような芳香が秀逸で、確かにこれならはまりそう…と早くも納得しました。所要時間がたった三分足らずなのにも関わらず、見た目と香りの完成度が高いので、味の方にも期待が持てます。
緊急食のしょっつる卵かけご飯6
それでは、卵黄をお箸で突き崩してグリグリとよ~くかき混ぜていざ実食!いただきまーす!
緊急食のしょっつる卵かけご飯7
緊急食のしょっつる卵かけご飯8

さて、味はと言いますと…こりゃ美味し(゜Д゜)!海の物ならではの旨さが堪能出来て、ひと味違う卵かけご飯です!
生卵にはどうしても付き物な生臭さが、しょっつる特有の熟成された深い香りによって見事に打ち消されており、おかげでサラサラ頂く事が出来ます。これは"カキと豚バラとセリと油揚げのお鍋"を再現した際にも感じた事ですが、しょっつるはナンプラーよりもずっと癖がない割に奥深い旨味や潮風味の塩っ気は負けず劣らず素晴らしい為、単品だけではその真価を発揮しにくい魚介類と冬野菜の魅力を引き出すのに最適な調味料だと思いました(ナンプラーは魚醤上級者向けで非加熱だとなかなかきつい匂いですが、しょっつるは火入れしてもしなくても日本人に馴染みがある感じで魚醤初心者向けです)。特にちりめんじゃことの相性の良さがすごく、グニグニガシガシと噛み応えのあるちりめんじゃこをしょっつる卵かけご飯がしっかり絡めて口の中で混然一体とさせる感じは、一見ならぬ一食の価値ありって感じでした。
実は卵黄だけで作った卵かけご飯を食べるのは初めてなんですが、全卵を使った卵かけご飯よりもねっとり感と卵の濃厚さが増した味わいなので、卵好きには堪えられない即席料理です。通常の卵かけご飯はサラサラ~ッと一気にかっこむのがおいしいのに対し、こちらの卵かけご飯はじっくり噛めば噛む程まったり美味になるって印象でした。食べた時の口当たりをなるべく例えるなら、おにぎりをリズミカルに握っている時のあの「ニッチャ、ニッチャ、ペタペタ」という音に酷似している感じで、卵黄の粘る力というものはこれ程すごかったのかと目を見張る思いにさせられます。

ファーストフードも顔負けなのにこのおいしさは反則だと感心させられます。ただ一つ難を言うとするなら、そこそこ量を入れないと醤油並に味が決まりにくい所がネックですが、その時は醤油と併用すればすぐに問題は解決します。しょっつるをお持ちのご家庭の方は、一食の価値ありだと確信した再現でした(^^*)!

●出典)『おいピータン!!』 伊藤理佐/講談社
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『酒のほそ道』の“カキカレー”を再現!

私はかなりゲンキンな人間なので、仕事上での失敗が一度も無いまま帰宅すると「はははは、今日もご飯とビールが美味しっ(゜∀゜)!」と晩ご飯を心行くまで貪れるのですが(悲しい事に、そんな日は月に数えるくらいしかありません…)、大失敗を起こした日は「私は何てダメ人間なんだろう…」と比較的食が細くなります。その為、そんな時はおいしそうな料理が出てくる番組を見て強制的に食欲を湧かせています;。意外にも、グルメ番組ではない「帰れま10」が見ててなかなかお腹がすきます。
どうも、油断して食べたローソンの「プレミアム黒蜜ときな粉のロールケーキ」のきな粉の香ばしさ、黒蜜クリームのすっきりした甘みに感動した管理人・あんこです。

本日再現する漫画料理は、『酒のほそ道』にて岩間さんの上司・前田課長が休日に家族サービスの為に作ろうとした“カキカレー”です!
カキカレー図
前田課長とは、主人公・岩間宗達さんを始めとする同じ部署の部下をよく飲みに連れて行ってくれる気前のいい上司で、岩間ちゃんと負けず劣らずおいしいお酒と料理に目がない食いしん坊な大人です(但し、お酒が入ると果てのない薀蓄が多くなるのが玉にキズ;)。初登場時は岩間さんから内心「うっとうしいタイプ」「こうるさい」「鼻毛が気になる(?!)」などとボロクソに思われていた気の毒なお方ですが;、巻を重ねるごとにどことなく憎めない愛嬌を感じさせるようになった準レギュラーキャラです。岩間さんには何だかんだうるさがられていますがしょっちゅうつるんで一杯やっているいい飲み仲間で、やや年齢が近い観がありますが上司と部下・友達・擬似親子を程よくブレンドしたような距離感が読んでいて面白いです(^^)。
意外にもこの前田課長、ご家庭では奥さんとお子さん達に弱いらしく、職場では厳格でそこそこ恐れられているのに家では「パパ~、ご飯まだぁ?お腹すいたー」というブーイングを受けても強く言い返せない典型的なマイホーム・パパ。家族との交流を持ちつつ料理好きな一面を活かす一石二鳥な手段として、週末は奥さんの代わりに課長がみんなに家庭サービスとして晩ご飯を振舞うのが半ば恒例化しているとの事で、たまたま居酒屋でその話を聞いていた岩間さんとかすみちゃんはちょっと驚いていました。作中で岩間さんは胡散臭そうな顔をしていましたが、こういう「普段とは違う特別感を味わえるご飯」は案外交流を持ついいきっかけになりやすいので、個人的には見上げた心意気なんじゃないかな~と思います。…まあ、当ブログ管理人の父のように納豆ラーメン得体のしれない臭気の卵焼きでは、どう転んでもマイナスイメージの会話しか生まれませんでしたが…orz。
最近、週末は家族に料理を作るのがマイブームの上司
ちなみにその際、白ワインでカキをつまんでいた前田課長が「そうだ、明日はカキを使った料理にするか。カキの料理って何があるかなぁ」「ホイル焼きじゃつまんないし、グラタンやフライはありきたり…」と相談してきたのに対し、気を利かせたかすみちゃんが「これなんてどうですか?」とお勧めしたのが、今回再現する“カキカレー”です!
作り方は結構単純で、カキを茹でて取っただし汁で炒めた野菜類やカレールーを煮込み、仕上げに茹でカキを加えて混ぜれば出来上がりです。かすみちゃんが言うには「カキの養殖が盛んな松島の方で、家庭料理としてよく作られているんだそうです」みたいで、茹でカキだと物足りない場合はあらかじめ白ワインでさっとソテーしておいたカキを具用として投入してもいいんだとか。ちなみに、漫画の横に添えるようにして書かれているラズウェル細木先生の随筆によると、まだお肉が貴重だった戦後の時代、松島の方々が身近にたくさんあったカキをお肉の代用品として入れてカレーを作ったらおいしかったので広まったのが“カキカレー”発祥話とのことでした。ただ、今となってはむしろお肉よりカキの方が贅沢品ですので、現代の視点から見るとかなり豪勢なカレーだな~と読んでてお腹がすいてきました(´Д`*)。
海辺の町では家庭料理となっている牡蠣たっぷりのカレー
その後、かすみちゃんの話を聞いて私同様すっかり乗り気になった前田課長は、翌日気合を入れてカキカレー作りに取り掛かります。しかし、鮮度のいい生カキが手に入ったのに気をよくした前田課長はついカレー用に用意した白ワイン風味の焼きカキや出汁を取った後の茹でカキを全て平らげてしまい、そのせいで具なしのカキカレーを家族に提供して「パパー、カキ入ってないよ~」とイマイチな反応を取られちゃっていました(それにしても、カキのないカキカレー…カツの入ってないカツ丼並に微妙な料理ですね。ご家族はさぞかし無念だった事と思います^^;)。
家族そっちのけで、楽しそうなカキカレー休日を過ごす;!
おまけに、天罰なのか白ワインによる二日酔いとカキの匂いがするゲップで前田課長はうんうん苦しみながら寝込んでしまい、おかげでせっかくの二連休を台無しにしてました。う~ん、おかしいような気の毒なような…;。ふと、「美味しい物は計画的に」という教訓が頭に思い浮かんだお話でした。
牡蠣と白ワインの食べすぎで散々な日曜日に…
もうそろそろカキの最盛期が過ぎ行こうとしているのに気づき、「これは今再現しなければ!」とおおいに焦りました。近所で特売になっていた生食用カキと加熱用カキを使い、早速レシピ通り再現してみようと思います!

という事で、レッツ再現調理!
まずは、カキの下ごしらえ。カキは塩水でさっと簡単に汚れを洗い流すに留め、ザルで余分な水気を落とします(あんまり長時間放置すると、網の跡がカキについて食感が台無しになるので要注意です)。カキについている水滴があらかた落ちたらグラグラに沸かした強火の熱湯の中へ投入し、お湯が白く染まりだしてカキがまだ半生の内にすぐザルで取り出します。この作業をもたついてしまうとカキが情けないくらい小さく干物みたいに硬くなるので、短時間勝負を心がけます。
カキカレー1
カキカレー2
取り出した茹でカキはそのままザルで水気をきってからボウルに入れて自然に冷まし、カキから出たスープは短時間だけ沸騰させて風味を濃縮させておきます。これで、カキの下ごしらえは完了です。
※この時に使うカキは生食用でもいいですが、どうせ後々火が通りきってしまう事を考えると、加熱用カキを使った方がより味が濃厚に仕上がると思います。最近は一部の生食用カキも味が向上してきましたが、こと「完全に通して食べる」事に限って言うとやはり加熱用カキの方を使用した方とぐっとおいしくなります。
カキカレー3
カキカレー4
次は、煮込み作業。一口大の適当な形に切ったたまねぎ、にんじん、じゃがいもをフライパンでざっと炒めて薄く塩とこしょうで下味をつけ、表面に火が通ったら水と共に鍋へ入れてアクを取りながら中火で約三十分以上コトコト煮ます。台所中がカキならではの磯の香りでぶわ~っと染まっていく為、目をつぶるとまるで海に来た気分に…なるのは無理があるとしても、気分的に盛り上がります(^^;)。
カキカレー5
カキカレー6
野菜類に熱が通りきったら一旦火を消し、お好みのカレールーを割りいれて溶かし込みます(私の場合、日頃から愛用している「ジャワカレー・辛口」を使いました!お手頃価格の割にスパイスが比較的効いているので、大好きです^^)。グルグル混ぜている内にカレールーが溶け切ったら再び火をつけ、弱火でじっくり煮込みます。
カキカレー7
カキカレー8
二十分くらい経過してスープとカレールーが一体化してきたら今度は茹でカキを投入し、さらに煮ます。三~五分くらい経ったら火を消し、隠し味として醤油をちょろっと垂らしたらフタをしてそのまま一晩寝かせます。
※実を言いますと、『酒のほそ道』に上記のような記述は一切ないのですが、個人的に「和風カレーの隠し味に醤油を使うと、絶大な効果を発揮する」「カレーは一晩寝かせるとびっくりする程おいしくなる」という信念がある為、あえて手を入れちゃいました。忠実な再現でなくなってしまい、申し訳ございません。
カキカレー9
一夜明けた翌朝にカレー鍋を見て味がなじんでいるのを確認したら、再度弱火~中火にかけます。カレーが全体的に温まってきたら、生食用カキを白ワインで軽くソテーしてプリンプリンにさせた半生の焼きカキを白ワインの汁ごと加え、お玉でざっと混ぜてすかさず火を消します(この際、火入れしすぎるのは厳禁です)。
カキカレー10
カキカレー11
カキカレー12
白ワインと焼きカキがカレールーに混ざったら炊き立てご飯をカレー皿へよそい、その上へルーと具を好きなだけ注ぎ入れれば“カキカレー”の完成です!
カキカレー13
匂いの方はガツンと「カレー!」って感じで、カキの香りはそこまでしない為拍子抜けします。けれども、よ~く注意して嗅ぐとそこはかとなくカキの匂いがちらっと漂うので、ほっとします;。茹でカキと焼きカキの両方を使用した甲斐あってカキがどっさり入っていて、どこを掘ってもカキ!カキ!!カキ!!!思わず、「カキの出血大サービスな露天掘り」という言葉が頭を駆け巡りました;。
カキカレー14
それでは、出来立てほやほやの内にいざ実食!いっただっきまーす!
カキカレー15

さて、味の感想はと言うと…不思議と和風な感じのルーで、かなり美味!お肉を一切使っていないはずなのに、なかなか濃厚な味がします!
実際に作る前は「薄味でさっぱり控え目な味なのでは…」と予想していたのですが、カレー全体にカキ特有の舌へジンジン響いてくる強烈で深い潮風味のお出汁がはっきり効いたパンチのある味わいで、旨味成分が強い割に後味はあっさりしている為一旦食べると病み付きになります。
硬くなるギリギリ寸前まで加熱されたカキの方は、プリンップリンしてジューシーな柔らかい弾力、ツルンとした喉越し、どことなくミルキーで甘いおつゆとで口の中がぱっと華やぐおいしさ(乳製品を入れていないのに不思議とまろやかな口当たりに仕上がったのは、恐らくこのおつゆの力が大きいと思います)。そして、前日からカレーと一緒に熟成されたカキはシコシコと噛み応えのある歯触りや、ほんのり舌を刺激する苦みがたまらないワタ部分とが融合した大人の味的なおいしさで、それぞれ甲乙つけがたかったです。具が少ない分、一般的なシーフードカレー程派手さや重厚なコクはないのですが、イメージとしては「ゆったりと押し寄せて来る穏やかなさざ波」を連想するような優しいコク、落ち着いた旨さが印象的で、いくらでも食べれちゃいそうな爽やかな食後感がいい感じでした。
この自然な甘味たっぷりのカキと、ジャワカレー辛口の特徴であるスパイシーかつピリ辛な味わいのルーがぴったりな相性で、互いが互いを引き立て合っているのがよかったです。じゃがいもやにんじんのホクホクした食感、玉ねぎのとろけそうな舌触り、白ワインのすっきりした風味がこのカレーの完成度をより高めていますし、お肉の代わりと思うのが失礼なくらい大満足な料理でした!

後日、作中のようにカキを除いてよそったカキなしカレーも食べてみましたが、これはこれであっさりしみじみと味わえる感じで悪くなかったものの、やはりどこか物足りない味で今一つって感じでした;。とにかく、カキを入れれば入れるほどすごく深みが増すので、カキは最低でも三パック用意して調理されることをおすすめいたします。

●出典)『酒のほそ道』 ラズウェル細木/日本文芸社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

『クッキングパパ』の“荒岩流ポパイシチュー”を再現!

時々、小説や漫画で「人はどうして完全に分かり合えないんだろう。そんなのは嫌だ」というようなセリフや独白シーンがちらほらと見かけますが、私はむしろ「人は完全に分かり合えない生き物のままでいい」と考えています(その為、ガンダムに出てくるニュータイプの能力に憧れた事がありません)。というのも、もし人と人とが最初から完全に分かり合える動物だとしたら、分かり合える事自体が当たり前で何の感動も言葉も生まれない上、分かり合う為に歩み寄ろうと努力する精神がなくなってただただ堕落するだけだと思うからです。個人的に、完全に同化しきっている存在が「うんうん」と頷き合って何一つ反発が起きない世界よりも(エヴァの人類保管計画の完成形とも言えそうですね)、生まれも考えも経験も全て別々の存在が相容れない部分を持って互いに葛藤しつつ、少しずつ近寄って限られた部分を触れ合う世界の方にずっと意義と重さを感じます。もっと簡潔に言うなら、「分かり合う」結果に必要な「分かり合おうと試行錯誤する」過程に価値を見出すといった感じです。
どうも、「料理ブログなんだから、料理に関係ない余計な事は書かないで欲しい」と友人から指摘されてもなお書き続けているという遅れた反抗期を迎えている管理人・あんこです。

今回再現する漫画料理は、『クッキングパパ』にてまこと君が風邪を引いた荒岩主任の代わりに台所に立って作った“荒岩流ポパイシチュー”です!
ポパイシチュー図
荒岩主任は普段はとても健康的で滅多に病気にならないのですが、ある日職場で「顔色が悪いぞっ」「大丈夫ですか?!」と慌てて聞かれてしまうくらい体調を崩すひどい風邪を引きます。普段ならこういう時に虹子さんが張り切って頑張るのですが(但し、その時は大量の洗い物と洗濯物・物が乱雑に置かれた部屋・グチャグチャに散らかった台所・割れる食器を覚悟しなければなりませんが…;)、タイミング悪くその日虹子さんは四国の松山へ一泊予定の雑誌取材旅行に出かけており、心配をかけさせたくない荒岩主任はあえて虹子さんに戻るよう連絡せずにそのまま早退して家で寝込みます。その後、夕方過ぎに何も知らない当時小学校四~五年生くらいだったまこと君が帰宅してきますが、いつもは元気いっぱいで弱いところなど見せた事がない荒岩主任が風邪で完全にダウンしている様子を目の当たりにし、かなり慌てます。確かに、私も小さい頃は両親が体調が少しでも体調を崩すと「何かえらい事が起こったようだ、どうしよう」とそわそわハラハラしていた経験があるので、気持ちは良く分かります(そして、「いいから落ち着きなさい」と必ずどっちかから叱られるのも、これまた恒例行事^^;)。
風邪をひいてダウンしてしまった荒岩主任
けれども、荒岩主任が苦しそうにゲホゴホいっているのを見たまこと君は徐々に落ち着き、「今夜は僕がごはん作るよっ!とうちゃんはゆっくり寝ていて!」と言って近所の商店街へ買出しに出かけていました。この時、すぐにまこと君はすぐ飛び出すのではなく荒岩主任が「い…いや…とうちゃんが作るさ…な~に、こんな風邪…ちょいと寝れば…」と強がってウトウトし、やがて完璧に眠ってしまうのを見守ってから出かけるシーンが思いやりに見ていて何となく好きです(^^)。うーん、よく出来たお子さんです。
そして、商店街に行ったまこと君は顔なじみである八百屋のおじさん・松原さんに声をかけられるのですが、まこと君がうっかり「とうちゃん風邪で寝込んでるんだ」「だから、今日は僕が夕食作るんだ」と口を滑らすと案の定すぐに感動する松原さんは「えらい!!!」と大声で言ってまこと君が涙目になるくらい背中を強くたたき、「えらかねー!うちのボンクラ息子に聞かせてぇや(つД`)!」と感動していました(こういう個人商店のおじさんは小さい頃からよく近所で見かけて小話をする仲な為、読んでいてそのあまりの再現率の高さに「うえやまとち先生、そのまんまに書きすぎ!」とつい苦笑しちゃいました;)。すると、興がのったらしい松原さんは「ポパイ知ってるな?ほうれん草たい!とうちゃんにがっぽり食わせてやんなっ、ポパイみたいに元気になるぞ!!」「今日はとくによかほうれん草が入っとうばってん、まこっちゃんのえらさに負けて半額ばい!おまけたい、もう一わ!え~いこうなったら全部持ってけー!」と、真・三国無双ならぬほうれん草無双を繰り広げていました;。そのおまけを超えた大判振る舞いっぷりは、未だに思わず「誰かー!誰かおじさんを止めてー!」と応援を呼びたくなる程です。…確証は無いですが、多分この後松原さんは奥さんに大目玉を食らった事でしょう;。
ほうれん草を食べたらポパイになるという近所の八百屋さん
思わぬ大収穫にまこと君は大喜びしながら帰宅し、床についている荒岩主任に「僕がつくるからネっ、そこから教えてよ」とほうれん草を使ったレシピを口頭で教えてもらいます。それが、この“荒岩流ポパイシチュー”です。
作り方はシチューにしては簡単な部類で、バターで炒めた野菜類やベーコンに小麦粉をまぶしてさらに炒め、そこへスープ・牛乳・茹でたほうれん草を投入して塩とこしょうで調味したら出来上がりです。シチューというよりは素朴なホワイトソース風ミルクスープっていう感じの料理で、これなら風邪をひいている病人でも何とか食べられそうなイメージです。荒岩主任曰く「ほうれん草はカロチン、鉄分、カルシウム、ビタミンCが豊富な素晴らしい野菜だ!」との事ですので、体力回復の為に食べるのもよさそうです。
ちなみに、まこと君お手製の“荒岩流ポパイシチュー”をおかわりしまっくた荒岩主任は翌朝すっかり元気になって「まことのおかげだっ!!」とふざけてポパイのポーズをとりますが、「でも、父ちゃんどっちかというとポパイよりもブルートの感じだネ」と言われてタハハと笑ってました。気になったので、後にこちらのサイト様でポパイとブルートを見比べてみたのですが…うーん、確かに荒岩主任はひげを生やすとブルートっぽい外見になりそうな気がします;。
荒岩主任が眠っている時に、どんどん調理するまこと君
ほうれん草が大量に安く売られていたのを見て、真っ先にこの料理が頭に思い浮かびました。せっかくお得にほうれん草を買えたことですし、早速レシピ通り作ってみようと思います!

という事で、レッツ再現調理!
まずは、材料の下準備。ほうれん草は泥や汚れを流水で洗い流し、塩少々を入れてグラグラに沸騰させた多量のお湯に加えて数分かけて茹でます(根元の方だけお湯につけて数十秒~一分経過させてから全部をお湯につけないと、根元だけ妙に硬くなるので注意です)。ほうれん草はすぐに茹で上がるので、キレイな緑色になり次第さっと引き上げて冷水で冷やしながら洗い、水気をギュ~ッと絞って根っこを切り落としてから一口大にきります。
ポパイシチュー1
ポパイシチュー2
ベーコン、塩鮭、玉ねぎ、しいたけも食べやすい大きさに切り分け、塩鮭は臭みが気になるようだったらフライパンで軽くソテーして日本酒か白ワインを振りかけて風味付けしておきます(実は塩鮭の詳しい下ごしらえ方は作中に無かったので、これは完全に想像です;。余計だと思われた場合は、省いても可です)。これで、準備完了です。
ポパイシチュー3
ポパイシチュー5
次は、炒め煮作業。鍋にバターを溶かしてベーコンと玉ねぎを投入して中火で炒め、そこへしいたけ、小麦粉を茶漉しであらかじめ漉しておいた物をパラパラ振り入れながらさらに炒め合わせます。
ポパイシチュー4
ポパイシチュー7
小麦粉に粉っぽさがなくなってきたら、固形スープの素(私はコンソメを使用しました)で作ったスープと塩鮭を加えて弱火でコトコト煮込み、アクを丁寧に取り除きます。やがて、材料に火が通ったら牛乳をたっぷり入れ、そこまで時間をかけずに簡単に煮ます。その際、あんまり強火だと牛乳が分離してしまうので、弱火か弱めの中火で煮立てさせず慎重に煮るのがポイントです。
ポパイシチュー8
ポパイシチュー9
牛乳とスープが一体化して馴染んだら、そこへ茹でたほうれん草を多めにドサッと加えてざっと混ぜます。この時、味見をして塩、こしょうを振る事によって味の微調整を行います。
ポパイシチュー10
お好みの塩加減になったのを確認したらすぐに火を止め、お皿へ具とスープを盛り付ければ“荒岩流ポパイシチュー”の完成です!
ポパイシチュー11
牛乳とバターのほわっとした香りが漂っている割にはスープにあまり粘度が無く、想像以上にサラサラした出来栄えでした(シチューどころか、ポタージュよりもねっとり感がないです)。短時間でささっと作ったせいか素材の色が鮮やかで、見るからにカラフルな感じでした。ほうれん草のくったりした煮え具合が美味しそうで、早く飲みたい気分にさせられます。
ポパイシチュー12
それでは、まだ温かいうちにいざ実食!いただきま~す。
ポパイシチュー13

さて、味はと言いますと…冬にはもってこいな味でなかなか美味!体がポカポカ温まります!
息子の作ったおいしいシチューに、思わず笑みがこぼれる荒岩主任
牛乳の優しくてほのかに甘い味わいがスープ全体にきいており、思わずほっと和む旨さです。強引に例えるとするなら「あさり抜きの和風クラムチャウダー」といった感じで、サラサラした淡い口当たりのスープに塩鮭とベーコンの熟成された深い塩気や、バターの心とろかすような風味が程よく溶け込んでおり、そのせいかあっさりしているようで非常にちょうどいいコクが醸し出されていました(しいたけからにじみ出たお出汁がまたいい仕事をしています)。このほんわかした和洋折衷のミルクスープに、ホウレン草のしんなりザクザクした鮮やかな食感、玉ネギの小気味良いサクサク感、しいたけのクニクニシコシコした弾力ある歯触りがすごくぴったりで、食べれば食べる程滋養がつく感じがします。まさに、ホウレン草と牛乳が主役のスープだと言っても過言ではありません。塩こしょうだけの味つけとは思えないくらい複雑な旨味成分が舌の隅々まで染み渡っていったり、小麦粉によってわずかについたとろみがなめらかな舌触りを演出しているのが印象的な料理でした。
シチュー程こってり濃厚な味ではないのですがその分軽く食べやすくてさっぱりめに仕上がっていますし、何よりホウレン草を始めとする野菜の美味しさをシンプルかつストレートに楽しめるのに好感を持ちました。野菜類の素朴な甘味と、塩鮭やベーコンの濃いめな塩味が絶妙なバランスで引き立て合っているので、一口飲むと癖になります。

寒い時期にはもってこいなシチューで、風邪のひき始めの時に食べると効果的そうです。あんまりゴテゴテしていないので食欲がない時でもささっと頂けるのが嬉しい料理でした。それにしても、大人でも作るのにそこそこ時間がかかったというのに、当時小学生だったまこと君は荒岩主任が眠っていたほんの僅かな間にこれを作ったんですよね…恐るべき料理少年です;。

●出典)『クッキングパパ』 うえやまとち/講談社
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『築地魚河岸三代目』の“イカのゴロ焼き”を再現!

相方・マサル君は比較的食べ物の好き嫌いの少ない方ですが、それでも私の大好きな豆腐を「そこまで好きじゃない」、納豆を「大嫌い」と言っていた為、昔から「このままだと、将来この二つが食べられなくてきつい思いをするかもしれない」という危機感を感じて、どうにか好きになってくれるよう密かに料理に使い続けてきました。すると、納豆の方は一度目に見た目からばれて怒られて以来即座に中断されましたが、豆腐の方は年単位でちょこちょこ使ううちに「おいしい」と言って食べるようになってきました。長年の片想いが報われてきた心境で、何事も継続は力なりだな~と感動している今日この頃です。
どうも、子どもの好き嫌いをなくそうと頑張る親の気持ちはこんなものなんだろうかと思った管理人・あんこです。

今回再現する漫画料理は、『築地魚河岸三代目』にて主人公である三代目・旬太郎さんが小料理屋の店主・千秋さんに教わりながら作った“イカのゴロ焼き”です!
イカのゴロ焼き図
旬太郎さんが<魚辰>の三代目を継いでまだ一年経つか経たないかだった頃、長く<魚辰>に勤めていて魚河岸の仕事や仕組みにも精通しているという頼りになる右腕仕事人・英二さんに「イカ料理のいい所へ案内します」と言われて連れられたのが、築地場外市場にあるこじんまりとした小料理屋・<ちあき>。お茶目で朗らかな女店主・千秋さんが一人で切り盛りしているお店で、同じ陽気者同士気が合ったのか、旬太郎さんは初対面だというのにすぐ千秋さんと打ち解けます。もちろん、魚のプロである英二さんがおすすめするだけあって料理の方もまた格別で、食いしん坊な旬太郎さんは「うんまぁ~い!!」「う!絶品ですねっ!」と夢中になって<ちあき>にあるイカ料理全種類(?!)をペロリと平らげ、成り行きで千秋さんと一緒にイカの捌き方を教わりつつ料理を作る事になります。これは他の話にも言える事ですが、旬太郎さんは食欲旺盛で食べっぷりがかなりいいので、見ているだけで清々しい気持ちになります(^^*)。残さず食べてもらえるというだけでも嬉しいのに、旬太郎さんはまるで子どもが大好物を食べる時のような百点満点の笑みを浮かべてバクバク食べてくれるので、手料理を振舞う方としては非常に作り甲斐があるだろうな~と羨ましく思いました。
実はこの時、英二さんは「将来共に所帯を持ちたい人」として千秋さんをこっそり紹介する為に俊太郎さんを<ちあき>へ誘ったのですが、英二さんからその事を言われる前に鋭い俊太郎さんは「ふうん…」と既に勘付いていました;。さすが元・銀行の人事部所属で「社内に顔が広くて人がいい」と退社後も多くの人間に慕われ続けている人格者、人の心の機微を見抜く事にとても長けています。
一目ですぐに悟る三代目はすごいです!
その際、旬太郎さんが千秋さんから「イカのワタが好みなら、アレなんかどうかしら?」と言われて作り方を見せてもらったのが、この“イカのゴロ焼き”!一言で言ってしまうなら「イカに肝とゲソを詰めて焼いちゃいました」って感じの豪快な漁師レシピで、下処理して肝とゲソを入れて爪楊枝でとめた生のイカに塩をふってアルミホイルで包み、そのままじっくり焼いたら出来上がりという極めてシンプルな料理です。なお、味付けは塩だけでいいそうですが、物足りない場合はしょうが醤油をかけて食べてもまた一興との事でした。
英二さん曰く「いいイカの味を丸ごと覚えるのには最適でしょう」とまで言われている名料理で、実際作中でも旬太郎さんはちょうどいい温度になるまで待ちきれずに「はぐっ、はぐっ。…あち!あちっ(と言って、大急ぎで口の中を手であおぐ;)!はぐはぐ…」「熱いけど…う…うまいっ(´Д`*)!!」と危うく火傷しそうになりながらモグモグハグハグと一気に食べていました;。本当は料理を熱々の内に食べるのは体によくないそうなんですが、旬太郎さんの心から幸福そうな笑顔を見てるとつい私も真似したくなっちゃいました(^^;)。寒い季節に温かい料理は何よりのご馳走なので、旬太郎さんのお気持ちはよく分かります。
三代目があちあち言いながら食べているところが、すごく食欲が湧きます。
ちなみに、旬太郎さんと英二さんが“イカのゴロ焼き”を食べ終えて外に出た後、皮肉にも英二さんが忘れていったタバコを千秋さんが渡そうと追いかけてきたのが原因で、千秋さんは「だから、この歳まで千の秋を一人で過ごしてまだ独り者」と言いつつ心のどこかで待ち続けていた男性・越智さんとばったり巡り会います。
かつては福岡県舞鶴の近くにある小さな港町で幼ない頃から親しみあった恋人同士で、医者として成功する為に東京の医大へ進学する越智さんに故郷も両親も捨てて寄り添った千秋さんを、出世に目がくらんだ越智さんが医大教授の娘婿になる事で切り捨てたっきり、何十年も会っていなかった中での再会。もう若くない、内心「今更」という迷いもある、しかも越智さんの方は奥さんがいるという苦い再会ではありましたが、お互い迷いを持ちつつ別れてしまったという経緯から相手に対する未練が残っていた為、二人は急速に近づきます。
「もし千秋が許してくれるなら、僕も何もかも捨ててやり直したい!」と言う越智さんに、普段は温厚な旬太郎さんが珍しく「…それはちょっと虫がよすぎるんじゃないですか?」と少し怒った顔を見せますが、千秋さんを傍で静かに見守り続けてきた英二さんは「魚の匂いがする魚河岸が好きだと、千秋さんは言っていました。帰れない故郷の港町を、偲んでいたのでしょうね」「…三代目、俺は悔しいけど、千秋さんがどんなにこの人を待っていたか、一番よく知ってるんですよ」と寂しそうに諌めていました。そして、二人が駆け落ちする所をあえて止めず、ぐっと堪えて魚河岸で黙々働きます。
正直、「もっとあがいて止めちゃえばいいのに!無駄だと分かってても、その方がすっきりするはず(つД`)!」と単純おせっかい馬鹿な私は言いたくなるのですが、そう考えるのは私が幼稚だからで、英二さんのように大人な男性はそんな事をしても千秋さんが苦しむだけなのだと分かりすぎるくらい分かっていたんだろうなと思います。何もかも捨てる決意も確かにすごい事なのかもしれませんが、英二さんの心境を考えると、それよりも相手をあるがままに受け入れる決意の方がもっとずっと勇気がいる事なのではないかと心から感じます。
皮肉な二人の再会に、三代目も同情
結局、この駆け落ちは義理の父である医大教授の「医療過誤を押し付けた私が悪かった。大学病院にポストを用意するから戻って来い」という申し出に迷いを見せたらしい越智さんに落胆した千秋さんが魚河岸へ戻ってきた事でピリオドが打たれます(僅か二週間後の事でした)。最初は「こんな私…もうあの人に合わせる顔がないわ」と英二さんを避けようとする千秋さんでしたが、旬太郎さんは「大丈夫、心配いりません」と言い、他の人間を大勢引き連れて英二さんを<ちあき>へ呼び出すことによって二人をまたくっつける事に成功するのでした。この際、旬太郎さんは「んー。イカのワタってほろ苦くて甘くて濃密で、まるで大人の恋の味だな」と気の利いた言葉をつぶやいていました(^^)。
このお話を読むたび、『ベルサイユのばら』で主人公・オスカルの「誰かが言っていた…心優しく温かい男性こそが、真に男らしい頼るに足る男性なのだということに気付く時、大抵の女はもう既に年老いてしまっていると…」という名言を、ふと思い出します。越智先生も、故郷も、単なる過去の幻にしか過ぎないと分かった時、千秋さんはやっと「心優しく温かい男性」が英二さんであるのだという事にようやく気付けたんだな…良かったなと、ほっとした心境になります。
ちあきでみんなに祝福されながらやっと再会する二人
作中でも触れられていた通り、九州で一番ポピュラーなイカはスルメイカではなく、ワタが小さめでゴロ焼きには向かないヤリイカ(実を言いますと、私が住んでいる地域はシロイカも運がよければ時折スーパーで見かけることが可能なお土地柄です)。その為なかなか新鮮なスルメイカが手に入らず頭を抱えていたのですが、最近ようやく活きのいいスルメイカを手に入れることが出来ました。このスルメイカを使って、早速作ってみようと思います!

という事で、レッツ再現調理!
まずは、スルメイカの下ごしらえ。『築地魚河岸三代目』二巻にて詳細に書かれていた通り丁寧にイカの下処理を行い、肝は傷つけて破かないようその他部分を取り除きます(単行本は図解で手順が書かれていたので、とても助かりました)。その際、気をつけるのはイカゲソの吸盤取り。この作業を注意深くやるかどうかで口当たりのよさが断然違ってきますので、要注意です。
イカのゴロ焼き1
イカのゴロ焼き2
キレイに汚れを洗い流したイカの胴の中へ、先程の肝とゲソを慎重に詰め入れ、下部分を爪楊枝で適当にとめます。私の場合、皮はむいてしまったのでエンペラは後で胴に帽子のようにかぶせるという一手間かかるやり方でしたが、皮をむかない方は詰めた時点で準備完了です。
イカのゴロ焼き3
イカのゴロ焼き4
上から塩を適量振ったイカをアルミホイルできっちり包み、そのまま焼き網かオーブントースターを使用して中から「ぽん!ぽぽん!」と肝が勢いよくはぜる音がなるまで焼きます。
※肝が弾ける音はそこそこ激しく、個人的にポップコーンを作った時の事を思い出していました;。
イカのゴロ焼き5
イカのゴロ焼き6
やがてイカの焼き具合がいい頃合になってきたらまな板へアルミホイルごと取り出し、包みを開けて包丁で食べやすい大きさに切り分けます(焼ける直前、アルミホイルを開けて肝ソースを上部分にかけてから再度焼いてもいかに味が染みてナイスです)。
イカのゴロ焼き7
イカを切り終えたら冷めない内に机へ運び、仕上げにしょうが醤油や日本酒などをお好みで傍らに添えれば“イカのゴロ焼き”の完成です!
イカのゴロ焼き8
イカを焼いただけとは信じられない程食欲をそそる濃密な香りで、アルミホイルを空けた瞬間にモワモワと立ち上る湯気を嗅ぐと途端にお腹がグーグーすいてきます;。三代目が言っていた通り、イカの中から自然と溢れ出してきた肝がまるでソースのように見えます。見るからに歯ごたえがありそうなイカの身もおいしそうですし、カメラ撮影をしている間中ずっとうずうずしていました。
イカのゴロ焼き9
それでは、焼き立て熱々の内にいざ実食!いただきまーす!
イカのゴロ焼き10

さて、味はと言うと…熱々の所をハフハフホフホフいいながら舌の上で転がして食べると、非常に美味しっ!イカが丸ごと堪能出来るのがいいです!
フォアグラ並に濃厚なイカのワタ
エンペラのサクサクプリプリと軽やかな歯触り、胴部分のブリンブリンした柔らかくて弾力性に富んだ食感、そしてゲソや吸盤部分のコリコリと歯を押し返さんばかりの歯応えがかなりウマーで、塩だけの味付けだというのに全く物足りなくありません。イカの中で蒸し焼きにされてポンポン弾ける事により、トロトロのソース状にとろけたイカの肝がイカ全体にたっぷり絡むと、びっくりする程こってり濃ゆい潮風味のコクで口の中が溢れかえらんばかりになります。作中で旬太郎さんが言っている通り、「ただのイカ焼きがフォアグラを乗せたステーキ並みに濃厚で芳醇な味になるなんて!」と感動するおいしさで、単に肝を詰め込んで焼いたとはとても信じられないくらい凝った味わいの立派なソースになっていました。後からじんわりくるほろ苦さと、やや辛めな塩っ気が独特の脂分と共にまったり広がるのがたまりません!海鮮料理にしては、珍しくがっつりいけるボリューム系料理でした。
あと、これは当たり前かもしれませんがワタ使用のイカの塩辛と風味がすごく似ているので、日本酒と相性ぴったりです(個人的に、「オイル系明太子スパ」と香りが酷似しているように感じました。…ただ、母からは否定されてます;)。生で食べるだけでは分からないイカの深い旨味が存分に味わえるので、イカ好き&飲兵衛にはおすすめの料理だと思いました。

これまでは、お刺身に最適なヤリイカと親しんで過ごしてきたせいか「イカは生でわさび醤油につけて食べるのが一番!」だとずっと思い込んでいましたが、生に負けず劣らずゴロ焼きも素晴らしい!と焼きイカのおいしさに目覚めました。しょうが醤油をたらして食べると今度はご飯にもぴったりになりますし、材料費がかからない割にはお得感満載の料理です。お気に入りの食べ方がまた一つ増えて、非常に有意義な再現でした(^^)。

●出典)『築地魚河岸三代目』 作画:はしもとみつお 原作:鍋島雅治/小学館
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

プロフィール

Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
 …『銀の匙』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『スイーツ本部長一ノ瀬櫂』
 …『旅のグ(2)月は知っていた』
 …『テルマエ・ロマエ』
 …『土曜日ランチ!』
 …『BAR・レモンハート』
 …『百姓貴族』
 …『ぶたぶた』シリーズ
 …『ベーグル食べない?~幸せカフェごはん~』
 …『飯盛り侍』
 …『夢色パティシエール』


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・各作品に掲載されているレシピの分量は、例外なく全て非公開にする方針を取っておりますので、ご了承の程をお願いいたします(←この件についてご質問頂いた場合、誠に失礼ながら下記の理由でご返信しない方針にしております)。

※現在、公私の多忙と、再現記事のペース維持を理由に、コメント欄へのご返信が出来ない状態が続いております。
 こういう場合、コメント欄は停止するべきなのかもしれませんが、励ましのお言葉やアドバイスを頂く度、ブログのモチベーションアップや心の支えとなったこと、そして率直なご意見や情報を聞けてとても嬉しかったこともあり、誠に自分勝手ながらこのままコメント欄は継続する事に致しました。
 図々しい姿勢で恐縮ですが、ご返信をこまめに出来なくて余裕がある分、ブログ内容を充実&長期的に続けられるよう力をいれる事で皆様のご厚意にお応えし、感謝の気持ちをお返ししていきたいと考えております。
※ただ、ご質問を頂いた際はなるべくお力になれるよう、すぐご返答できるように対処致します。

 応援して下さる方々に少しでも楽しんでご利用して頂けるよう、沢山の作品に触れるちょっとしたきっかけになれるよう、これまで以上に心掛けていきます。
 恐れ入りますが、よろしくお願い致します。

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