『花散らしの雨―みをつくし料理帖』の“ありえねぇ”を再現!

 これは、私が小学二年生だった頃のお話。算数の時間、先生から「猫の体重を計ろうとしても逃げて計れない場合、どうすれば一番正しく体重が計れるでしょう?」という問題が出された事がありました。通常、算数の時間は大抵つまらなさそうな顔をするのがデフォだった同級生達は一気に楽しそうな表情になり、班ごとに「煮干しでおびき寄せる?」「いや、それならカツオ節の方が軽くて体重計に影響ないからいいよ」「うちの猫はうどんが好きだから、それだな」「体重計をぴったりはまる囲いで覆って、そこへ猫を入れて強制的に計るのは?」「猫にお座りを教えたら確実だと思う」などと大盛り上がり。結局、あまりの盛り上がりっぷりに答え合わせは授業が終わる数分前に行われたのですが、先生が苦笑いをしつつ言いにくそうに「A君と猫が体重計に乗って重さを計り、その合計の重さからA君の体重を引けば簡単に猫の体重が分かります」と正しい解答を口にした瞬間、みんな「…Σ(゜Д゜)!」という顔になっていました;。
 どうも、幼い子どもの発想力はとんでもない物があると感じる管理人・あんこです。

 本日挑戦する再現料理は、『花散らしの雨―みをつくし料理帖』にて主人公・澪ちゃんが初夏の季節に新しく考え出した新しいお料理・“ありえねぇ”です!
『花散らしの雨―みをつくし料理帖』
 みをつくし料理帖シリーズの第二弾に当たる作品・『花散らしの雨―みをつくし料理帖』は、物語にこれといって特筆すべき事件が起きない為、比較的のんびり読み進めることが出来る巻です。かと言ってもちろん全く何もないわけではなく、時折小さな事件(白味醂との出会い、ちらつく野江ちゃんの影、流行り病騒動など)があったりするのですが、根本的にストーリーを揺るがすような進展はあまりないので、いわば閑話休題に当たる巻ではないかと個人的には感じます。
 一話ごとに後々重要な役割を果たす事になる新しいキャラクターが次々と登場したり、当時の風俗が垣間見えるさりげない小ネタが随所に挟まれていたり、季節の移ろいと共に澪ちゃんが色々悩みつつ考え出す新料理がそそる解説と共に紹介されていたりと、気がつけばにやにやしながら最後のページまで読みすすめてしまう魔力があるので、なかなか侮れない一冊です。澪ちゃんやつる家の面々の平凡ながらも賑やかな日常が活き活きとした文面でつづられていますので、ほのぼの日常系の作品がお好きな方にはたまらないのでは…?と読んでいて思いました。あと、蛇足になりますが当管理人的には、作中のあちこちでつる家の老店主・種市さんが澪ちゃんのお料理の味見をしては「これは滅法…!」「う、旨ぇ!こりゃ旨過ぎるよぅ、お澪坊!」「いけねぇ、こいつぁいけねぇよ(´Д`*)!」とあまりのおいしさに歓声を上げる様子が非常にそそられます(その為、お腹がすいている時に読むのは危険です;)。
 今回再現する“ありえねぇ”も、種市さんが「旨ぇ!」と感動した一品。ちなみに、“ありえねぇ”とは一言で言ってしまえば「タコときゅうりの酢の物」です;。元はといえば、澪ちゃんが病み上がりの長屋仲間兼つる家の運び手・おりょうさんに元気になってもらいたいとその身を思いやって聞き出した「さっぱりときゅうりの酢の物が食べたい」という一言がヒントとなって作り出された新しいお料理です。作り方はそこそこ簡単で、タコときゅうりを味醂やだし汁で風味よく仕上げた合わせ酢で和え、その上に新しょうがをやや多めに盛りつけたらもう出来上がりです。作中の解説によると、どうやら当時の江戸ではタコの旬は冬の酢だことされていたそうですが、澪ちゃん曰く「大阪では夏の、実の柔らかなタコが好まれる」だそうで、タコときゅうりの組み合わせは酢味噌・辛子和え・酢の物のどれでもぴったりな最高の組み合わせだと書かれていました。
 当初はおりょうさんのリクエスト通りのシンプルな酢の物を作る予定だったんですが、作中の時間軸ではそろそろ本格的な夏を迎えようとしていたまさにその時だったので、夏のうだるような暑さの中でもしっかり食べてもらえて食養生になるようなお料理をおりょうさんやつる家のお客さんにも食べてもらいたいと澪ちゃんは考え、急遽予定を変更してこの“ありえねぇ”という夏の新定番を生み出したのでした。いついかなる時でもお客さんの健康を気遣ったお料理作りをする澪ちゃんの心栄えが反映された、ほほえましいエピソードだと思います(^^*)。
 名前だけ聞くと、澪ちゃんにしては珍しく随分乱暴な名前…と頭の中がはてなだらけになってしまいそうですが、それもそのはずで、実はこの名前を勝手につけたのはつる家のお客さん。気の荒い根っからの江戸っ子が多いつる家の常連さん達は、旬から外れた食べ物に対してかなり辛辣な評価でもズケズケと言い放つ癖の強い方ばかりな為「タコってなぁ冬のもんなのによ」「夏のタコなんざ食うもんじゃねぇ」と当初は散々馬鹿にしたものの、食べてみると思わず「ありえねぇ!」と叫んでしまう程予想以上に美味しかったので、最初のインパクトの強さからごく自然に“ありえねぇ”と呼ぶようになったとの事でした。それにしても、お料理にしては相当に変てこりんな名前ですので、“ありえねぇ”という名前で江戸中にどんどん評判が広まっていくのを、喜んでいいのか悲しんでいいのか困ってしまう澪ちゃんが少々気の毒でした;。正直、私も自分が苦心の末に作った料理にそんなネタっぽい名前をつけられたら途方に暮れてしまいそうです(・∀・;)。
 タコに豊富に含まれているタウリンは栄養ドリンクの成分となっているくらい疲労回復に役立つ成分ですし、何よりお手軽に作れるのに惹かれたので、早速再現してみようと思います!

 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、食材の下ごしらえ。きゅうりは薄い小口切りにした後塩をふってなじませ、時間が経ってしんなりしてきたらさっと揉み洗いし、最後にお酢をふって軽く酢洗いします。ちなみに酢洗いとは、酢の物にする前の素材に酢か酢水をかけて混ぜ、きゅっと絞って水っぽさを消すという昔からある技法です。たったこれだけでも材料の酢の馴染みが断然よくなるので、おすすめです(←…となにやら偉そうに言ってますが、当管理人自身この作品で初めて学びました;。勉強不足を猛省orz)。
ありえねぇ1
ありえねぇ2
 タコは茹でられている物を流水でささっと汚れを簡単に洗い流し(あんまり水につけてしまうと旨みが抜けてしまうので、要注意です!)、キッチンペーパーで優しく丁寧に拭いたらそぎ切りにします。一方、新しょうがは皮をむいてごく薄切りにし、何枚か重ねて針に似せた細い千切り状にしたら水を張ったボウルにはなっておきます。
 ※しょうがは、この料理に限って言うなら一年中出回っている物よりも、新しょうがを全力で推奨させて頂きます!というのも、新鮮な新しょうがは“ありえねぇ”の影の主役と言ってもいいくらい美味ですので、一度お試しして下さると幸いです。
ありえねぇ3
ありえねぇ4
 次は、特製合わせ酢作り。最初に、あらかじめ昆布とカツオ節で濃い目の出汁をひいておき、清潔な布巾で漉した後に別の器へ入れて人肌になるまで冷まし、一旦冷蔵庫でちょっと冷やします。実は、日本の合わせ出汁は時間が経てば経つほど劣化するのであまりよくないのかもしれませんが、酢の物に使うお出汁は冷やした方が無難だと思うので今回は冷やしちゃいます(あまったお出汁は、同じく『花散らしの雨―みをつくし料理帖』に出てくる“冷やし茄子”と普通のお味噌汁で再利用しました^^)。
ありえねぇ5
ありえねぇ6
ありえねぇ7
 ボウルへ先程の合わせ出汁、酢、醤油、味醂、塩を加え、よく混ぜます。味見をしてちょうどいい塩加減になっていたら、特製合わせ酢は準備完了です。この時、気をつけるポイントは合わせ酢の色合い。通常の三杯酢のように醤油を酢や味醂と同量入れてしまうと、どうしても重い色になって夏にぴったりな涼しげな色にはならないので、塩分は塩、旨みは合わせ出汁で調整する事を心がけます。作中でも澪ちゃんが特に気にかけていた部分ですので、調味料は慎重に合わせるが吉です。
ありえねぇ8
 この特製合わせ酢に、用意しておいたきゅうりとタコを投入してザッと混ぜ合わせ、そのままラップをして冷蔵庫で適度に冷やします。江戸時代には冷蔵庫がないので、より忠実に再現するならこのままがベストなのですが、やはり酢の物は冷えている方がおいしいので冷やす方がおすすめです(^^;)。
ありえねぇ9
 きゅうりとタコがひんやり冷えたら合わせ酢ごと器へ盛りつけ、仕上げに水気をきっておいた千切り新しょうがを天盛りにすれば“ありえねぇ”の完成です!
ありえねぇ10
 きゅうりの緑色、タコの小豆色に、新しょうがの淡い白色が映えて如何にもおいしそうです。澪ちゃんが言っていた通り、醤油があんまり入っていない薄い合わせ酢を使用した為すっきりした色合いで、これぞ暑気払いに食べるのに最適な酢の物って感じでした。夏のタコは江戸では好まれないと作中では語られていましたが、こうして見ると十分ありだと思います。
ありえねぇ11
 それでは、お箸でざっくり持ち上げていざ実食!いただきま~す!
ありえねぇ12

 さて、味はと言いますと…酢の物にしては驚くべき程穏やかな味!常連さん達が「ありえねぇほど旨ぇ」と叫ぶ理由が分かる気がしました!
 ムチムチクニクニと噛み応えのある弾力に富んだタコと(吸盤のコリコリした歯応えがまた良し!)、パリパリした張りのある歯触りのきゅうりという対照的な口当たりの食材が互いを程よい引き立てあっており、次から次へと箸が進みます。出汁が入っている分三杯酢よりも酸味が控え目でツンとくる感じがなく、そのまま飲んでもむせる事なく上品かつまろやかな甘酸っぱさをしみじみ堪能出来るのが印象的でした。酢の物なのにゴクゴク飲めちゃうくらい後口がかなり柔らかで、そのくせさっぱり感やすっきり涼しげな味わいはそのままだったのが嬉しかったです。程よく旨酸っぱい合わせ酢が喉をスルスル心地よく通って体を冷やしていく為、暑い時には何よりのご馳走だと感じました(例えるならば、冷やし酢辣湯を飲んだ時の醍醐味に似ています)。
 針しょうがは意外にもそこまで辛くない上、生の新じゃがを千切りにした物とそっくりなクサクシャキッと軽やかな食感が美味で、全体の爽やかさを増すのに一役かってました。タコのあっさりした旨味エキス、きゅうりのひんやりした汁気、針しょうがの鮮やかな風味を酢が一つにまとめあげて引き締めており、単に和えるだけでは出ない統一感が出ていたので感心です。あんまり食べやすくておかず感覚で平らげられちゃうので、副菜というよりは主菜その2って感じで用意した方がいいかもしれません。

 今回の再現で地味にびっくりしたのは、旬を迎えた新しょうがのおいしさ。「これが、普段薬味にしているあのしょうが?!」と目を見張ってしまうくらいシャキシャキした食感と、辛くもなく苦くもなく、ただただ爽やかな後味に仰天しました。本格的な夏が到来する前に、この“ありえねぇ”を晩酌時に食べて健康な体作りに努めようと思います。

●出典)『花散らしの雨―みをつくし料理帖』 高田郁/角川春樹事務所
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

『ひとんちのお弁当』の“お洒落なふかしいも&アレルギー対策クッキー”を再現!

 個人的に、特に何も料理していないのに火入れして香りが漂ってくるだけで「おいしそう!」「すごい料理を作ってそう」と反応する匂いがあります。それは、<にんにく><ごま油><バター醤油>の三つ。相方さんもこれらの香りが大好きで、まだ何も材料を炒めていないのに「あ、おいしそう!もう出来る?」と聞いてくるので苦笑します。なので、最近ではこれらを「三大おいしそうな匂い」と名づけています。
 どうも、ごま油はそのまま舐めてもおいしいので偉大だな~と思う管理人・あんこです。

 本日再現する漫画料理は、『ひとんちのお弁当』にて筆者・サメマチオ先生が社会人時代と大学生時代にそれぞれ味わった思い出のお菓子“お洒落なふかしいも&アレルギー対策クッキー”です!
お洒落なふかしいも図手作りのアレルギー対策クッキー図
 以前、当ブログにて僭越ながら取り上げさせて頂きました「エレガンスイブ」2011年3月号の特別読み切り・『ひとんちのお弁当』ですが、どうやらサメマチオ先生の評判は「エレガンスイブ」でも上々だった模様で、翌々月号である2011年5月号でも早速『ひとんちのお弁当』第二弾が掲載されていました(^^*)。このシリーズは特に何か重大な体験が語られている訳ではないのですが;、サメマチオ先生独特の視点やゆったり透明な絵柄で坦々とエッセイ風に描かれるお弁当観・食べ物観が読んでいてとても面白いので、これから先も是非不定期連載としてでも続いて欲しいな~と勝手に夢を見ています。
 今回取り上げられていた中でもメインに扱われていたのは、サメマチオ先生が会社員だった頃と大学生だった時のお弁当話。どうやらサメマチオ先生は漫画家になる前にごく普通の会社でお勤めする生活を送っていたらしく、周囲には仕事が出来るかっこいい女性が大勢いたとの事ですが、作中に出てくるお弁当は「しっかりしたキャリアウーマンが食べていそうなお弁当像」のイメージをことごとく覆す物ばかりで、びっくりすると同時に妙に親近感がわいてきます;。その代表例が、サメマチオ先生の同僚がよく作ってくれていたというベビーハム弁当とさんま缶弁当。前者は焼いたベビーハムを丸ごと一本切って焼いてご飯と一緒に詰めただけ、後者にいたっては白飯のみ詰めたお弁当箱とさんま缶を持ってくるだけというものすごく簡単かつ合理的なお弁当で、サメマチオ先生は「君の家のカテゴリでは、ベビーハムは肉ですか?」ともっしゃもっしゃ食べつつ同僚さんに突っ込みを入れていました(ちなみに、同僚さんは「肉よ!うるさいわね(`Д´)!!」と堂々たる宣言をしていました;。あまりの断言ぶりに、初見時は一瞬納得しかけたのを覚えてます;)。
 それにしてもこの同僚さん、会議中の方々へお出しする軽食や会社の重役の方へ差し入れするお弁当は抜かりないチョイスをする気配り屋さんなのに、自分用のお弁当となると途端に適当になるので読んでて苦笑します(^^;)。サメマチオ先生が「も~え~、ギャップも~え~(´∀`)」と同僚さんに萌えてしまうのも分かる気がします。この頃を振り返り、サメマチオ先生は「学生の頃とうってかわって、社会人が自分で作る自分のお弁当は、手のひらを返したように雑で面白い」と指摘しているのですが、わが身や周りの知人達を振り返ってみて確かにそんな傾向があるな~としみじみ思いました。特に当管理人など、つい先日は時間短縮の為に一面高菜炒め弁当(ピリ辛ごま油醤油味の高菜をご飯にみっちり敷き詰める)という強烈なお弁当を発明してしまったので、大いに頷いてしまいます。
働く女性の味方・切って焼くだけのベビーハム弁当!
 正直、ベビーハム弁当には不思議と心惹かれる物があったのでこれを再現しようかな~とちょっと迷ったのですが、その想いを振り切って再現を決めたお弁当が、“お洒落なふかしいも”と“アレルギー対策クッキー”の二品です。
 一つ目の“お洒落なふかしいも”は、同じくサメマチオ先生が会社員時代だった時期に職場にいた、けだるい雰囲気と大人っぽい色気が魅力的な美人同僚からおすそ分けされたお昼のおやつ。何でも当時、便秘気味な事を気にしていた美人さんは「食物繊維をねぇ~、意識的にね~、とらないと…」という理由でご飯の変わりにこのふかしいもを持参していたとの事。案の定、どんなにお洒落に味付け・盛り付けしようと芋は芋とサメマチオ先生は大いに笑い、当初は「女子力が聞いてあきれるわ(`ε´*)プー!」とからかっていたのですが、一口食べた瞬間「はっ!…バター?とあと何か…」「やたらお洒落な味がするふかし芋だった」とあまりのおいしさに放心していました;。
 美人さん曰く、味付けにジンジャーパウダーとシナモンを使うのがポイントとの事で、これらの調味料を使う事で味に変化が出るだけでなく体も温めることができると説明していました。う~ん、日頃から女性である事を意識しながら過ごす女性はこういう洒落たひと手間を思いつくのが本当に上手だな~とひたすら感心です(^^;)。
散々馬鹿にした後、「食った事のない美味しい味がする…」と評してました;
 二つ目は、サメマチオ先生がまだ大学生の頃、お昼時に屋上で偶然出会った卵・砂糖・牛乳にアレルギーを持つ同級生の女の子からもらった手作りの“アレルギー対策クッキー”。
 最初は、「お昼にクッキーを食べるとは、カントリーチックでいいなあ」という軽い気持ちでお近づきになってお話を始めたサメマチオ先生でしたが、同級生からクッキーをもらって一緒に食べていくうちに、色んなお話を聞きます。甜菜糖という砂糖ならばアレルギー反応は起こらないこと。代用食品があるから、他にもお菓子は作れるのだということ。けれども、材料をそろえるのが面倒な彼女はいつも手抜きをしてしまって、結果硬い手作りクッキーばかりを食べる方が多いのだということ。そして最終的には、まずいからあげたわけではないけれど、普通の人にとってはまずいかも…と慌てて言い、サメマチオ先生にごめんねと謝ります。
 この時は何と言っていいのか分からなかった為無難な言葉で会話を終らせてしまったサメマチオ先生ですが、時が過ぎて漫画家となった今、こう独白します。

 ―おいしいという、一見簡単な価値基準も、人によって辿る過程が違う。
 ―ちゃんと聞いてみればよかったのだ。君のおいしいと思う食べ物は、何だい?どれくらいおいしくて、どれくらい楽しみで、あるいはもしかしたら。(中略)
 ―私にとってなど、気にする必要はない。だって、あなたの味覚だもの。


 作中に出てきたクッキーは、代用食品を使わず身近な物ばかりで何とか作ったものだったようで、「ガキッ、バリッ、ボリ、ボリボリボリ…」という派手な音を立てていましたが、歯ごたえのある食べ物が好きな私にとっては、この音はおいしそうに見えました。人によっては「まずそう」というマイナスイメージにしかならない物でも、ある人にとっては「おいしそう」というプラスイメージへ一気に転じてしまう摩訶不思議さ。このエピソードを読むたび、私は改めて「おいしいという概念とは、一体何なんだろう」と考えさせられます。近年、食の情報や意見交換の場が開放されだしてからは<自分と違う他者の味覚>に対して随分寛容な世の中になったと思いますが、それでもまだまだ未知数な部分は多いと思います。本当に、食の世界は奥深いです。
特定の食物に対してアレルギーを持つ方は、大変だと思います。
 どちらも気になったので、是非とも実際に食べてみたいと闘志が湧いてきました。材料もあることですし、早速作ってみようと思います!
 
 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、“アレルギー対策クッキー”作り。ボウルに二~三回ずつふるいにかけた薄力粉、片栗粉、甜菜糖を入れて泡だて器でよく混ぜ合わせ、途中、サラダ油を少しずつたらしながら粉類に馴染ませるようにして混ぜ合わせます。
 ※作り方は作中で全く描写されていなかった為、今回は こちら様のレシピを参考に、作中風になるようアレンジして作る事に致しました。yome様、ありがとうございます(ご指摘があり次第、すぐに削除いたします)。
お洒落なふかしいも&アレルギー対策クッキー1
お洒落なふかしいも&アレルギー対策クッキー2
 油分が全体に回ってきたら水を投入してさらに混ぜ、生地がなめらかになるまでこねます。表面にツヤが出たらひとかたまりにまとめてラップを巻きつけ、そのまま冷蔵庫で数十分間休ませつつ寝かせます。作中では特に何も入っていないプレーン生地っぽかったので今回はそのままですが、物足りないと感じる方は他のトッピングを入れてみてもいいと思います。
お洒落なふかしいも&アレルギー対策クッキー3
お洒落なふかしいも&アレルギー対策クッキー4
 生地が落ち着いたら取り出し、ラップの間に挟んで麺棒で少しずつ伸ばして厚さ数mm(私の場合、元のレシピ主様が推奨されている5mmにしました)にし、作中に描かれている通りやや短めの長方形に型抜きします。この時、クッキーに竹串できっちり小さな穴を開けておきます。これらの生地をクッキングシートの上に置き、190度前後のオーブンで焼き目がつくまで焼いたら、とりあえずはクッキーの出来上がりです。このクッキーは、適温になるまでキッチンペーパーの上で冷ましておきます。 
 それにしても、普通の砂糖で作った生地よりも、少々茶色がかっているのが香ばしそうで妙にウマーそうでした…。蛇足ですが、この時点でバニラエッセンスを加えてみてもさらにお菓子っぽくなっていいと思います。
お洒落なふかしいも&アレルギー対策クッキー5
お洒落なふかしいも&アレルギー対策クッキー6
お洒落なふかしいも&アレルギー対策クッキー7
 次は、“お洒落なふかしいも”作り。さつまいもは流水で泥や汚れ、ヒゲ部分を丁寧に洗い落とし、包丁で約一センチの厚さの輪切り状になるよう切ります。もちろん、丸ごと蒸して作ってもOKですが、蒸したさつまいもは結構切りにくいのでこの段階から切っておいたほうが後々楽です(おまえに、中に火が通りやすくなるのでまさに一石二鳥)。
お洒落なふかしいも&アレルギー対策クッキー8
お洒落なふかしいも&アレルギー対策クッキー9
 この輪切りさつまいもをシリコンスチーマーへ入れ、さつまいもの中心に火が通りきるまで電子レンジでじっくり蒸します。この時、あんまり蒸しすぎてもさつまいもがぼろぼろに崩れて旨みも逃げてしまいますので、程々が肝心です。
 ※作中ではどんな調理器具が使われたかの記載はないんですが、日頃からあんなに「お洒落」にこだわる女性ならシリコンスチーマーを使っていそう…という私の勝手な妄想から、シリコンスチーマーを使用する事にしました(・∀・)。けれども、母からは「シリコンスチーマーで、お洒落…?」と少し訝しがられてしまいましたorzオクレテテスミマセン。
お洒落なふかしいも&アレルギー対策クッキー10
お洒落なふかしいも&アレルギー対策クッキー11
 さつまいもがホカホカに蒸しあがったら汁気が入らないようボウルにあけ、そこへバター、ジンジャーパウダー、シナモンパウダーを加えてざっくり混ぜます。その際、雑に扱うとさつまいもが崩れてしまいますので、ボウルの底からすくい上げるようにして慎重に混ぜた方がいいです(蛇足ですが、バターはかなり初期で入れた方がさつまいもに絡みやすいのでおすすめです)。
お洒落なふかしいも&アレルギー対策クッキー12
お洒落なふかしいも&アレルギー対策クッキー13
お洒落なふかしいも&アレルギー対策クッキー14
 クッキーが程よい温度に落ち着いていたらお皿に乗せ、別皿には先程のふかしいもを盛り付ければ“お洒落なふかしいも&アレルギー対策クッキー”の完成です!
お洒落なふかしいも&アレルギー対策クッキー15
 一見、どちらも体に優しそうな手作りお菓子って感じで、初めて目の当たりにするはずなのにどことなく懐かしい感じがします。ただ、ふかしいもの方は少し鼻を近付けただけで「洒落ている!」と衝撃を受ける風味豊かな香り、クッキーは思っていた以上に白く淡そうな外見(丸ボーロを思い出しました)で、味はどんななのか未知数な為ワクワクします。
お洒落なふかしいも&アレルギー対策クッキー20


 それでは、いざ実食!
 一番目は、“お洒落なふかしいも”。いっただきっま~す!
お洒落なふかしいも&アレルギー対策クッキー16

 さて、味の感想ですが…確かにこれは馬鹿に出来ないおいしさ!ただのふかし芋のはずなのに、どことなく洗練された味がします!
お洒落なふかしいも&アレルギー対策クッキー17
 じっくり蒸す事によってまるで蜜のようにとろけそうな甘味と、ほっくりホコホコした口当たりに仕上がったさつまいもに、バターのまろやかなコクがぴったり合っています。これだけだったらやや単調だったかもしれませんが、ジンジャーパウダーの鼻を抜けるようなすっきり爽やかな香りや、シナモンパウダーのどこか異国情緒漂うスパイシーかつ甘やかな風味がより複雑な旨さへと昇華させていた為感心しました(あと、ジンジャーパウダーが入っているせいかじんわり体が温まる気がします)。作中で言われている通り、カフェに置かれていてもおかしくないくらいお洒落で手間のかかったような味わいが特徴的で、一言で言うなら「アジアンテイストなスイートポテト」って感じでした。
 有塩バターのほのかな塩気やジンジャーパウダーのかすかな酸味が舌を刺激し、さつまいも本来の自然な甘さをさらに引き立てています。その為ちょっぴり甘塩っぱい後口になっているので、深みが増しているのも好印象。懐かしいような、それでいて「食った事ないおいしい味がする…」(byサメマチオ先生)と言いたくなるような不思議な感覚に浸れるおやつで、ふかし芋というよりはもはや立派なデザートだと思いました。

 二番目は、“アレルギー対策クッキー”いただきまーすっ!
お洒落なふかしいも&アレルギー対策クッキー18

 さて、味はと言いますと…想像していたよりもずっとおいしくてびっくり!普通のクッキーよりもヘルシーでばくばくいけます!
卵・バター・牛乳は一切使用していないクッキーを頂いていました
お洒落なふかしいも&アレルギー対策クッキー19
 食べる前は「一体どんな味なんだろう…」と全く予想がつかなかったのですが、実際に頂いてみるとカントリー風ないたって素朴なクッキーでなかなか美味でした。油分を感じさせないさっぱりした後味が健康志向な感じで、どっちかと言えばビスケットに近い味わいです。実を言いますと、お皿に並べる時にカラカラッと軽さや硬さを感じさせる音が鳴った為(乾燥している木の札みたいなイメージ)、味の方も軽く味気ないのかと勝手に思い込んでいたのですが、ちゃんとしっかり甘くて小麦粉の旨味が楽しめました。むしろ、甘々なお菓子が苦手な方には大受けしそうです。
 クッキー自体の「バキッ!ボリッ、ボリボリボリ…」という噛み甲斐のある歯応えの合間に、ザラメみたいにしっかり粒状になって残っている甜菜糖のザリザリした歯触りがいいアクセントとなって入り込んでくる為癖になります。
 甜菜糖のひと味違う優しい甘さが口の中で静かに少しずつ広がるので、心休まります。甜菜糖は黒糖よりも癖はないのですが、上白糖に比べると甘味の質がより上品かつ味わい深いので個人的にかなり気に入りました。ただ、やはり通常のクッキーに比べるとどうしても柔らかさ・コク・風味がやや欠けて少々粉っぽかった為、好みが別れそうです。

 両方とも普段用のおやつとして最適な出来栄えで、おいしいだけでなく材料も手間もそんなにいらないお手軽さがよかったです。どちらも元はといえば「お腹の調子を整える為」、「アレルギー反応防止の為」という目的で作られたお菓子で純粋に楽しむ為に作られた訳ではないですが、そういう理由なしでもまた作りたいと思うおやつでした。

●出典)『ひとんちのお弁当』 サメマチオ/エレガンスイブ2011年5月号 秋田書店
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

『ダシマスター』の“マグロとブリのコラーゲン入り餃子”を再現!

 最近、『キガタガキタ』と『はみどる!』が同時に連載終了するという悲劇を目の当たりにしてショックを受けています。これで、週間少年チャンピオンをチェックする理由が『範馬刃牙』と『侵略!イカ娘』と『木曜日のフルット』と『行徳魚屋浪漫スーパーバイトJ』のみになってしまいました。『鉄鍋のジャン!R』といい、『AL』といい、『ギャンブルフィッシュ』といい、『バキ外伝 疵面-スカーフェイス 』といい、どうして面白い作品に限って次々と消えていくのでしょう(もっとも、チャンピオンだけに限ったお話ではないですが…)。そろそろ、編集部の方々に「現実と戦うささやかな元気の素をこれ以上奪わないで下さい」と直訴したい気分になっています。
 どうも、茹でたそばを洗う時に蛇口から出る水のぬるさに夏の到来を実感する管理人・あんこです。

 本日再現する漫画料理は、『ダシマスター』にて主人公・ダシマスターがデパ地下から撤退を迫られているお惣菜屋さんの起死回生を狙って考え出した“マグロとブリのコラーゲン入り餃子”です!
マグロとブリのコラーゲン入り餃子図
 今回、ダシマスターが助手の承子さんと共に受けた依頼は、大手デパート<笠松屋>の食料品売り場の熱血チーフ・久保木奈央さんからの「立ち退き要請を受けている老舗の魚屋兼お惣菜屋・<たけわか>の窮状を救う為に、話題となる新メニューを考案して欲しい」というもの。<たけわか>は笠松屋のテナントに入って以来四十年以上真面目な仕事ぶりでお魚のお惣菜を作り続けてきた為、先代から二代目に変わった現在も根強い固定のファンがいるものの、デパ地下の大幅な改装で目立たない位置に移動されたり、「古臭いし時代遅れ」という理由だけで売り場責任者の今井課長に嫌われて不遇な扱いをされたりと不幸な偶然が重なったのが原因で売り上げが落ちてきており、このまま売り上げ不振を理由に立ち退き要請が通ってしまうのはあまりに理不尽だと憤慨した久保木さんがダシマスターに助けを求めたのが事の発端でした。
 実はこの久保木さん、クールそうな外見に似ず頭に超がつく程の熱血女性;。嫌いな言葉は「理不尽」で、手抜きせずに一生懸命頑張っている人達が一方的な理由で報われないのはおかしいという燃え立つような正義感の持ち主な為、食料品売り場のチーフという全体を見る立場なのにも関わらず膨大なテナントでの一つでしかない<たけわか>に肩入れをしたとの事でした。あの承子さんですら少し引いてしまうくらい元気ハツラツな女性で(女版・松岡○造と言えなくもないです;)、少しおっとりめな<たけわか>ご夫妻も「あの子いつもあぁなの、ごめんなさいね(´∀`;)」とまるで祖父母みたいにフォローにまわっていたのが微笑ましかったです。正直、お客様史上主義・利益第一優先主義な現場では苦労しそうなタイプな方ですが、下の立場からすればこんなに嬉しくて頼りになる上司はいないのではないかと感じました(何と、仕事が休みの日でも売り上げが悪いお店を回っては声かけをしているので、こんなにいい人はちょっといないと思います)。
久保木さんは、理不尽な事が大嫌いな熱血デパート社員さん;
 強い匂いが出るお料理は規定上NG(その為ウナギの蒲焼きはご法度)、おいしくても見栄えの悪いお料理はNG、場所を勝手に移動するのもNGとデパ地下ならではの厳しい規則に悩まされるダシマスターですが、<たけわか>のご主人が見せてくれた質のいいブリのアラやマグロのほぐし身、そして承子さんが何気なく言った「やっぱりウナギの匂いで人を集めるのっていいと思うんですけどねー」というつぶやきをヒントにして閃いたのが、この“マグロとブリのコラーゲン入り餃子”!
 作り方はコツが多少あるものの基本的には簡単で、マグロのほぐし身をミンチにして味付けした物とブリのアラを煮て作った煮こごりを餃子の皮で一緒に包み込み、香ばしく羽つきで焼いたら出来上がりです。中に入っているブリの出汁入り煮こごりが餃子を小籠包のようにスープが溢れさせるのが最大の売りで、確かにこれなら話題になりそうだな~と読んでて寒心しました。
 ポイントはブリの煮こごりで、溶けると旨みたっぷりのスープ状になる煮こごりで火を入れると硬くなるマグロの欠点を補いつつ、強すぎない適度ないい香りで離れた場所からでもお客を呼ぶという一石二鳥なアイディアでした。肉じゃなくて魚の餃子、しかもお肌にいいという売りが女性に大受けするはずと睨んだ久保木さんは早速上に掛け合って<たけわか>の横にイートインスペースを作ってもらうことで宣伝効果を倍にし、見事<たけわか>に客足を呼び戻す事に成功していました。ただ、それらの手柄は「いやあ、イートインスペースを作るというのは重大な決断だった…私の読みは的中したね(´ー`)!」とこれみよがしにドヤ顔になった今井課長に取られてしまい、久保木さんは「“企画”して“提案”したのは私なのに、理不尽…(TДT)ドー!」と悔し涙を流していたので、少々気の毒でした;。まあ、悲しい事に実社会ではよくあることですので、久保木さんにはこれにめげずいつも通り熱血主義で頑張って欲しいです(←実際、数ページ後には久保木さんはすぐ立ち直り、「やっぱり、特定のテナントだけ贔屓するのは理不尽かも;。ヤタさん!次はここのテナント全部に新メニューを!」とダシマスターに迫っていました;。いやはや、懲りないお方です^^;)。
 ちなみに、この餃子はコラーゲン摂取で肌をツヤツヤにするというよりは、マグロ・ブリのアラ・ブリの皮に豊富に含まれている良質なタンパク質、鉄分、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB12、ビタミンEを総合的に摂取する事によって肌の健康及び全身の体調を整える効果があると言った方が正しいのでは?と思いました(最近知られてきたとおり、コラーゲンの経口摂取はやはり難しいようです)。特に、ビタミンB2とビタミンEは肌の荒れを抑えたり、新陳代謝を活発にしてくれる効能があるのである意味コラーゲンと同等の効果を発揮してくれると思います。
最大のポイントは、ブリのアラから作った特製煮こごり
 今さらブリを使うのは季節はずれかもしれませんが、風邪をひいて治ったかと思えば今度は肌が炎症を起こして悪化してきた為、全身を回復する為にも早速作ってみようと思います!

 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、ブリのアラ煮兼煮こごり作り。流水で細かい汚れを流したブリのアラを強火で沸かした熱湯入りの鍋へそっと入れ、白っぽくなったらすぐに取り出して血合い、うろこ、ぬめりなどを徹底的に洗い流して水気をきります。あんまり力むと身の美味しい部分がはがれてしまうので、力の加減に気をつけます。
マグロとブリのコラーゲン入り餃子1
マグロとブリのコラーゲン入り餃子2
 大鍋に水、醤油、お酒、みりん、しょうがの薄切りを合わせて煮立て、沸騰したらブリのアラを加えて落し蓋をし、中火でコトコト煮込みます。約二十分~三十分経過してブリのアラの表面に味が染みてきたのを確認したら火を消し、そのままフタをして一晩放置します(寒い時期は翌朝既に煮こごりが出来ている事が多いですが、暖かい季節だと室温ではなかなか固まらないです)。
マグロとブリのコラーゲン入り餃子3
マグロとブリのコラーゲン入り餃子5
 ブリのアラに味が染みこみ、煮汁にもブリの旨みが十分出ていることが確認できたら煮汁のみ漉しながら他の容器へ移します(ブリのアラ煮はこの時点で美味しく食べちゃいます。ご飯にもビールにもぴったりな優秀おかずですよ~^^)。この容器にラップをして冷蔵庫で一晩寝かせつつ冷やせば、ブリのアラ煮の煮こごりは出来上がりです!何も入れてないのに、ブルンブルンのゼリー状になるので毎度感心します。
マグロとブリのコラーゲン入り餃子6
マグロとブリのコラーゲン入り餃子8
 次は、マグロのタネ作り。マグロの塊を包丁二刀流でダダダダー!と一気にみじん切りにし、粘りが出てペースト状になるまで叩き続けます。この時、面倒な方はフードプロセッサーを使用するのもありです(ただ、あんまりかけすぎてしまうと舌触りが悪くなってしまう上、旨さが逃げてしまうので要注意)。このマグロをボウルに入れ、醤油、塩(お好みでこしょうも入れちゃってもOKです)、すりおろししょうがで味付けしてよーく練り混ぜます。
マグロとブリのコラーゲン入り餃子7
マグロとブリのコラーゲン入り餃子9
 途中、味を見つつ合わせ味噌を投入してさらに混ぜ、全体的にねっとりした粘りとツヤが出てきたらタネは準備完了です。
 ※実を言いますと、作中ではマグロのタネにはどのような調味がされていたのか全く説明がなかった為、ここは多分に想像が入ります;。基本的な調味料は、以前に再現した『クッキングパパ』の“カツオギョーザ”を参考にしました。
マグロとブリのコラーゲン入り餃子10
マグロとブリのコラーゲン入り餃子11
 今度は、いよいよ餃子作り。餃子の皮の上へマグロのタネ→ブリの煮こごりを順々に乗せ、パパッと包みます。
 実はこの作業は相当に難しく、何度もくじけかけましたorz。包む事自体は簡単なんですが、煮こごりは火を通さなくても時間が経つにつれて室温で見る見るうちに溶けていく為、二十個目を包もうとしてふと最初の餃子を見ると液漏れしてフニャフニャ…という悲劇はよく起こりました(´;ω;`)。ですので、あらかじめ最初からゼラチンを入れてしっかり固めるか、もしくは一度に包むのはせいぜい十五個前後にしておくのが無難なように感じました。
マグロとブリのコラーゲン入り餃子12
マグロとブリのコラーゲン入り餃子13
 これらの餃子を、油をひいて熱したフライパンへせっせと手際よく乗せていき、底の部分がこんがり焼けてきたら小麦粉入りの水を回しかけてフタをし、蒸し焼きにします。なお、フタを開けると小麦粉入りの水が固まらずにジュクジュクした状態になっている為羽になるか心配になる方も多いと思いますが(例:当管理人)、最後に火を焦げない程度に強めて水気を飛ばすようにして焼くと、じきにパリパリになった羽がフライパンから浮き上がってきます。
 ※あんまり長く焼いていると、中のスープが餃子の皮の隙間をつき破るようにしてからあふれ出て台無しになってしまうので、注意が必要です。
マグロとブリのコラーゲン入り餃子14
マグロとブリのコラーゲン入り餃子15
 羽がついた餃子の底がパリッと、外側の皮部分が透明感のあるプリッとした状態に変化してきたら火を止め、お皿へすぐさま盛りつければ“マグロとブリのコラーゲン入り餃子”の完成です!
マグロとブリのコラーゲン入り餃子16
 見た目はお肉を使った普通の餃子との違いはないですが、香りはとてもさっぱりした感じで食欲がない時でも鼻につく事なくいただけそうです。私の腕が未熟なせいで、餃子に綺麗な羽がついていない&スープの量は作中のに比べるとそこまでないとい微妙な失敗作になっていますが、見た目はともかく味には期待が持てそうです。
マグロとブリのコラーゲン入り餃子17
 それでは、餃子も中の煮こごりスープも熱々な内にいざ実食!いただきま~す!
マグロとブリのコラーゲン入り餃子18

 さて、味の感想ですが…マグロとブリの旨味がダブルでジュワッと押し寄せて美味しっ!数多くある和風餃子の中でもかなり上出来な一品です!
スープがジュワジュワッと溢れてくるにこごり餃子!
 ゼラチンで固めた中華スープではなく煮こごりを使ったせいか、スープとあんの中間のような口の中でトロ~ンと広がる何とも言えないなめらかなとろみのついたスープで、噛んだ瞬間にジュバッと飛び出してゆっくり溶けていくのがたまりません。焼き餃子と言うよりは、汁気少なめのスープ餃子を食べている気分になります。
 ブリのアラをじっくり煮出したからこそ堪能出来るあっさりかつ濃厚なコク旨醤油味のスープが美味で、そこにマグロの深みあるエキスやしょうがのキリッとした風味が加わってうまく味が膨らみすぎるのを押さえていた為「濃ゆいのにくどくない」という不思議なおいしさになっていました(豚骨スープならぬブリ骨スープという言葉が頭をよぎりました)。鶏ひき肉の餃子と噛み応えや味は似ていましたが、それよりはずっと味わい深いコクがあるのが特徴的です。作中で言われていた通り、確かに火の入ったマグロは若干硬めに仕上がっていましたが、噛むごとにブリのアラのスープと混然一体となって柔らかくほぐれていくのでそこまで気になりませんでした。
 カツオ餃子よりも魚特有の匂いが少なく、よりお肉っぽいのですが脂っこさがない為とてもさっぱりした後味です(マグロの方が魚特有の癖がないので、万人向けそうでした)。また、味噌や醤油の塩気がちょうどよく効いていてタレをつけなくてもおいしい為食べやすく、冷めても特に味は劣化しなかったのがよかったです。

 実は、当初「煮こごりで餃子って、本当においしいのだろうか…(´Д`;)」と多少不安があったのですが、食べてみると予想以上においしくてびっくりしました!魚ですので食べ過ぎても胃にもたれませんし、何より健康的なのがいいです。どうしても魚っぽい匂いが嫌な場合は差し水をお酒に帰るとある程度は軽減されますし、満足な再現でした。

●出典)『ダシマスター』 原作:早川光 作画:松枝尚嗣/集英社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

『風流つまみ道場』の“白身魚のキムチサラダ”を再現!

 つい最近、実家へ一時帰省した妹さんに作っためかぶそば(めかぶのみで泡が出てくるまでよく混ぜ、粘りを出す→ネギと麺つゆを入れてさらに混ぜる、納豆や大根おろしなどを入れるとさらに美味→茹でて冷やして水気を切ったそばを投入→ガーッと混ぜて粘りが麺にしっかり絡んだら出来上がり)がえらく好評だったのにすっかり調子に乗ってしまい、ここ数週間はほぼ毎日作って食べている状態です;。普通のざるそばもさっぱりしていて好きなんですが、濃い目の味がついた混ぜそばは食欲がない時でも一気にズルズルッといけちゃうので、暑い日には重宝しています。
 どうも、この時期は水まんじゅうや串だんごといった和菓子が無性に恋しい管理人・あんこです。

 今回再現する漫画料理は、『風流つまみ道場』にて主人公・錦ちゃんが夏の暑さに弱い恵梨華さんに体力をつけてもらおうと思って作った“白身魚のキムチサラダ”です!
白身魚のキムチサラダ図
 ある夏の日、料理やお酒というよりはもはや物ぐさなママとの会話を楽しむのがメインとなりつつあるという本末転倒な馴染みの飲み屋・<夕月>でいつもの如くほろ酔いになっていた錦ちゃんは、密かに恋している美人なお嬢様・恵梨華さんと、そのお父さんが激しい口論をしているのを目撃します。よくよく話を聞いていると、どうやら毎年夏バテでひどく体力を落とす恵梨華さんを心配したお父さんが「キムチ鍋を食べて汗をかけば夏バテ知らずだぞ」とキムチ鍋を猛烈プッシュしてくるのを、恵梨華さんが「こんな暑い日にキムチなんて嫌!」と言って断固拒否したのが原因。何でも、恵梨華さん曰く「そんなもの食べたら、鼻水は出るわ…メイクは崩れるわでも~大変!絶対に女性向きじゃないって!」だそうで、確かにそんなすさまじい姿を人に見られるのは結構勇気がいりそうだな~とつい苦笑してしまいました(^^;)。キムチ鍋は美味しいですし栄養も取れますが、一旦食べだすと汗が止まらなくなるので一緒に食べる人を選ぶ食べ物だと思います。ただ、よくよく思い返してみると当管理人は新卒対象の研修合宿時に参加した野外バーベキューで初々しい交流をする同期達の輪から外れ、汗ダクになりつつ肉やら野菜やらホイル焼きやらを無心に頬張ったという恥知らずな所業を行っていた為、今更キムチ鍋で恥じらいを感じるのはおかしいのかも…とという事に気づきましたorz。
汗だくでキムチ鍋を全力否定するえりかさん
 そんなこんなで、あまりの嫌がりようにとうとうキムチ鍋を勧めるのは諦めたお父さんですが、それでもキムチは健康にいいのだから是非食べて欲しいとなおも言い募り、ついに恵梨華さんから「だけどキムチって味が強すぎてお酒のつまみになりにくいのよねぇ~」とそっぽをむかれてしまいます。うーん、そう言われてみればキムチ単品のみでお酒を飲むのはちょっと難しいような気がします。キムチ+他の食材(例:豚キムチ、キムチチャーハン、キムチのチヂミ、タコキム和え、キム奴など)だったら一気にお酒のおつまみ&おかずとして俄然量が入るようになりますが、油を使ったものはおつまみというよりは主菜や主食って感じですぐお腹一杯になりますし、だからと言って単純に組み合わせた物はお酒にすこぶる合うという訳ではない物ばかりですし…難しい所です。
 すっかり困り果てたお父さんは、最後の手段として料理上手な錦ちゃんへ「何かないかな、夏でもサッパリと食べられて酒のつまみにぴったりなキムチのつまみは?」と頼み込みます(ちなみに、お父さんは錦ちゃんが恵梨華さんを好きなのを知っててお願いしているので、なかなかの策士です;)。
キムチは健康食品なので、夏バテ対策に最適
 そんな時、錦ちゃんが「いきなりの難題だけど…まあ考えてみましょう。他ならぬ恵梨華さんの為ですし」と意気込んで考え出した新・キムチ料理が、この“白身魚のキムチサラダ”!作り方は下準備に少々時間がかかるもののお手軽な部類で、薄く切って塩や醤油で下味をつけた白身魚をレタス・赤ピーマン・玉ねぎ・キムチ・小ネギ・ピーナツなどと一緒に和え、レモン汁をたらしてよく混ぜ合わせたら出来上がりです。たったこれだけの手順なのに俄然お酒とぴったりなキムチ料理に変身するとの事で、栄養だけでなく食欲増進効果もあるみたいなので夏場にはもってこいなレシピだと感じました。
 ちなみにその後、恵梨華さんは“白身魚のキムチサラダ”を大いに気に入って食べまくり体力をつけますが、「今度お友達とハワイのコンドミニアムへ遊びに行くから、その時にも作っちゃおう」と言って錦ちゃんを「お友達なんて話してるけど、絶対男だよ、男!父親に嘘ついて行くにちげえねー。・゚・(ノД`)・゚・。ウワァァン」と奈落の底へ叩き落していました;。けれども、錦ちゃんの妄想が誤解にしろ本当にしろ(恵梨華さんの性格だと99%友達だとは思いますが^^;)、涙やら鼻水やらをダラダラ流しながらキムチ鍋をヤケ食いしている錦ちゃんを「友達って女の子だよ、きっと(・ω・)」「ともかく、その事はたくさん汗をかいて忘れなさいな(´∀`)」と慰めてくれる心優しい女性の友人やママが身近にいる錦ちゃんは、十分幸せな人なんじゃないかな~と個人的には感じます。
最後によ~く混ぜるのがポイント!
 初めて読んだ時から、この料理は是非暑い時期に再現したいと考えていました。レシピも作中で詳細に図入りで説明されている事ですし、早速作ってみようと思います!

 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、材料の下ごしらえ。白身魚(私の場合、お手頃価格だったセール品の鯛を使用しました)は斜めに出来る限り薄くそぎ切りにして刺身状にし、全体にパラリと塩をふって醤油をたらしたら軽くもみます。白身魚全体に味がなじんだら、そのまましばらく放置します。なお、より夏向きにしたい時はお皿に入れてラップでフタをし、冷蔵庫で軽く冷やすのもいいです。
 ※白身魚は鯛以外だと、スズキ、カレイ、アイナメ、ホウボウ、コチなどがおすすめだと欄外に書かれていました。筆者のラズウェル細木先生が言うには、カンパチ、ヒラマサ、アジ、サヨリなどもいけるとの事です。こうして書いてみると、白身魚なら基本的に何でもOKみたいですね。
白身魚のキムチサラダ1
白身魚のキムチサラダ2
 その間、流水で洗ったレタスはザク切り、赤ピーマン(パプリカでも可)はヘタと種を取って細くスライス、玉ねぎはスライスした後水にさらして辛味を抜いたらキッチンペーパーで水気をしっかり拭き取ります。今の時期だと、新たまの方がこのサラダによりぴったりなのでお勧めです。
白身魚のキムチサラダ3
白身魚のキムチサラダ4
 次は、混ぜ作業。ボウルへさっきのレタス、赤ピーマン、玉ねぎを投入して軽く混ぜたら続けて鯛の下味付き刺身、キムチを加えてざっくり混ぜ合わせます。この時、キムチは汁も少々たらした方が野菜にも鯛にも程よく絡んでいい味がつくので、お好みで量を調節しつつ入れることを推奨いたします。キムチ好きの方は、思い切ってドバッと入れてみてもナイスです(但し、あんまり入れすぎると汁っぽい出来になって後悔するので引き際が肝心です。まるで人生のよry)。
白身魚のキムチサラダ5
白身魚のキムチサラダ6
 材料が混ざったら、そこへレモン汁、小口切りにした青ネギ、刻んだピーナッツを投入し、底からすくいあげるようにしてまんべんなくザックザックとよ~~~く混ぜます。浅漬けっぽい軽めの仕上がりがお好きな方はキムチの汁が全体に回ったくらいの時、古漬けみたいに濃い目の味がお好きな方はキムチの汁で野菜類がしなっとするまでが混ぜ上がりの目安です。今回、私は一番無難な中間くらいの時に混ぜるのをやめました(^^)。
 ※真夏の時は、冷蔵庫で一旦冷やしてから供するのも乙です。ひんやり口当たりがよくなるので、お酒の進みが倍の速度になる事必至です。
白身魚のキムチサラダ7
白身魚のキムチサラダ8
 材料と調味料が混ざったらお皿へ適度な量だけ盛り付け、そのままお好きなお酒と共に机へ運べば“白身魚のキムチサラダ”の完成です!
白身魚のキムチサラダ9
 韓国風というよりは東南アジア風なイメージを抱かせる一皿で、案外果実系のチューハイにも合いそうな感じです。赤と緑と白の三色が綺麗で、突き出しとしてお客様に出すのに向いてそうでした。夏場に汗をかきつつつまんですかさず冷たいビールでキュ~ッと喉へ流し込んだら、スタミナがつくわ食欲がわくわで一気に元気が出てきそうです。
白身魚のキムチサラダ10
 それでは、作中で錦ちゃんがアドバイスした通りキムチと鯛を一緒にお箸でつまんでいざ実食!いっただっきまーす!
白身魚のキムチサラダ11

 さて、味はと言いますと…キレのあるさっぱりした辛味が効いていて、お酒にばっちり合って旨しっ!野菜がびっくりする程食べられる、ヘルシーな一品です。
夏のキムチのよさに目覚めちゃいました
 最初にしっかり塩を振っておいたおかげで鯛の身が程よく引き締まっており、キムチでしっとりし湿りつつもムチムチした弾力ある歯触りがたまりませんでした。作中で恵梨華さんが言っている通りキムチとその汁で十分ドレッシング代わりになっており、レモンのフレッシュな酸味と合わさってかなり爽快なすっきり甘辛味って感じのおいしさです。しかし、一見韓国風に見えますが実際に食べてみると相当にエスニックな味わいで、一応キムチを使ってはいるのですがどちらかと言うと「タイ風ピリ辛刺身サラダ」という印象を持ちました(タイのチリソースの甘味をぐっと控え目にし、海産物の複雑な旨味成分をプラスしたような感じのソースになってます)。キムチのおかげでちょうどいい塩加減がタイや野菜にしっかり染み込んでおり、どこを食べてもとても食べやすいのがよかったです。
 レタスのシャキシャキバリッとした張りのある食感、赤ピーマンのどこか青臭いほのかな甘さ、キムチに入っている白菜の絶妙に酸っぱ辛い後味、青ねぎの鮮やかな風味、玉ねぎのサクサク感やツンと舌を刺す辛さ、ピーナツの香ばしさがキムチの汁によって一つにまとめあげられており、結果バラバラなようでうまい具合に統一された仕上がりになっています。特にキムチとピーナツがいい仕事をしていて、ピーナツのカリカリした歯応えや豆類独特の強いコクが味のマンネリ感を防ぐと同時にいいアクセントとなっており、キムチの熟成された発酵食品ならではの練れた美味さが味に膨らみを与えていました。意外にも、キムチの汁気をまとった後もタイの味がちゃんと残っていたので驚きです。

 作中で紹介されていた通りビール・日本酒・サワーにぴったりで、お酒が進みます。サラダとお刺身を一緒に和えることによって食べやすさも栄養も飛躍的にアップしていますし、何よりキムチの辛さで食欲が刺激されるのが夏場には嬉しかったです。今度は、他の白身魚でも試してみたいな~と感じました。

●出典)『風流つまみ道場』 ラズウェル細木/芳文社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

『クッキングパパ』の“トリレバーグ”を再現!

 よく、「あなたにとってやり直したい時期は何歳ころ?」というアンケートがあちこちで定期的に行われていますが、私の場合強いて言うならば大学二~三年頃です。小学から高校にかけては集団行動が多かったり、行動的にも金銭的にも自由に振舞える範囲が狭かった為あまり戻りたいとは思えないのですが、大学くらいになるとやるべき事をやれば比較的気ままに過ごせた為、大変居心地のいい期間だったのを覚えています。また、周囲に異性がほとんどと言っていい程いなかった為、そういう方面でありがちな確執が皆無だったのも楽しかった理由の一つなのかもしれません。
 どうも、未だに当時の友人とはよく飲みに行って赤裸々な話をしている管理人・あんこです。

 今回再現する漫画料理は、田中君と花田君がレバーが苦手なみゆきちゃんの為に考え出したオリジナル料理・“トリレバーグ”です!
トリレバーグ図
 実は荒岩主任の長女・みゆきちゃんは、母の虹子さんに似て大のレバー嫌い。苦手な理由はこれまた虹子さん同様「独特の匂い=臭い」と感じるからで、ある夕食の席でそれが発覚して以来荒岩主任は何とかしてレバーを食べてもらおうとレバー料理の試作を繰り返します。けれども、荒岩主任が作る料理はどれもが涙ぐましい力作だったのにも関わらず、ことごとく不発に終わってしまいます(^^;)。ちなみに、それらの料理とみゆきちゃんの感想は以下の通り。
・第一弾…荒岩流レバーのパテ
 →「おいし~い!でも、もういい」
・第二弾…レバーにメレンゲと生クリームを加え、テリーヌにした料理
 →「ごちそうちゃまでした~!」(と言って笑顔で逃げ出します;)
・第三弾…香味野菜を入れてミキサーにかけ、裏漉しした後蒸したムース
 →「さっきのよりちゅきー。じゃ、そゆことで…」
 母の虹子さんは“荒岩流レバーパテ”でレバー嫌いがそこそこ直った為(ただ、レバー炒めみたいにレバーがガツンとくるお料理は未だに苦手みたいです;)、初見時はこれなら大丈夫なんじゃないかな~と思ったのですが、やはり幼稚園くらいのお年頃だと味覚も嗅覚も敏感なのか、みゆきちゃんは率先して食べようとしませんでした;。それにしても、苦手な食べ物を何度も出されても泣いたり怒ったりせず、笑顔で「いらない!」を表現するみゆきちゃんはかなりお行儀がいい子だな~と感心しました(当管理人が小学校低学年の頃は、まだまだ昭和の残り香が色濃い時期だった為給食で残し物が許されずに居残りさせられる事例が多々あったのですが、私の場合は一度だけ泣いてしまったので反省ですorz)。
 正直、個人的には「嫌な食べ物に含まれている栄養素は他の食べ物で代用したり、最終手段だったらサプリメントで摂取してもいいのでは…」と感じたのですが、後々調べてみると何でもかんでもサプリメントで栄養を取るようにすると食べ物から栄養を吸収して体内へ取り込もうとする体内の力自体が衰えてしまい、いざ食べ物で栄養を摂取しようとしても以前よりは効率的に吸収できなくなるという少々怖い情報が書かれていた為、やはり栄養は食べ物そのものから取る事が基本的には望ましいのだな…と感じました。
虹子さんに似て、レバーが嫌いなみゆきちゃん;
 そんな時、偶然遊びに来ていた田中君と花田君はこれらの事情を詳しく聞き、虹子さんと「実は俺もレバー苦手でー♪」「あたしも~♪」「ぼっ、僕も~♪」とみゆきちゃんの前で大いに盛り上がるのですが(←こらこらっ!と突っ込みを入れたくなる程息がぴったりでした;)、ちょうどその頃新婚ほやほやで妊娠中だった妻・夢子さんもレバーをあんまり食べていないことに気づいた田中君は一念奮起し、自身が苦手なのにも何のそので花田君と一緒にレバーレシピ案を練りに練ります。その後、夕方頃にようやくアイディアが閃いた田中君が花田君と一緒に「日頃からお世話になっているお礼に」とまずはみゆきちゃんの為に作ったのが、この“トリレバーグ”です!
たまたま遊びに来ていた田中君と花田君が、いいアイディアを閃きます
 作り方は、レバー嫌いの方だったら卒倒しそうなくらいハードコアな手順が盛りだくさん。水や牛乳で血抜きしたレバーを包丁でドロドロになるまでよく叩き、玉ねぎ・卵黄・パン粉・香辛料・調味料を入れてひたすら練り合わせ、最後に整形して焼いたら出来上がりです。作業自体は簡単そうですが、レバーがデロ~っとゲル状になるわ、挽き肉よりもにちゃにちゃしてそうなパテを練るわと相当にショッキングそうな映像が目の前で展開されそうなのが難かもしれません;。
 実際は田中君というよりはバイト先でかなりの調理技術を磨いた花田君が主に調理を担当していたのですが、それが逆に功を成して見るからにおいしそうな“トリレバーグ”が完成していました。おかげで、みゆきちゃんも夢子さん(実はレバー好きで、単に田中君が嫌いそうで作らなかっただけなのだとか;)も見事「おいしい!」とレバーをたくさん食べており、なんと一口食べた荒岩主任も「こりゃすごいぜ、田中」と脱帽していました。但し、内心は結構悔しかったようで、レシピコーナーでは「これが腹ただしい事にうまい!散々手を加えて苦心の末に作った私の料理よりもうまかった!!」と話していました。荒岩主任、ほろ苦い敗北宣言お疲れ様です(´∀`;)。
 思うに、これは食べる側に立って作ったからこそ考え出せた料理だと思います。食べる事は栄養摂取・生命維持・体力回復など様々な目的の為に必要な事ですが、中でも一番大切なのは「心底快く楽しめる事」だと思います。食べる事は本来、どんな憂鬱な事でも吹っ飛ぶ一日三回の愉快な作業なので、荒岩主任の作ったレバー料理のように「義務」を連想させる方よりはハンバーグのように「食べる楽しさ」を連想させる方が、そりゃ~魅力的に映るだろうなと感じました;。
レバーをみじんぎりにした物体は、非常に不気味そうでした;
 私はと言うとレバー好きなので、実際のところレバー嫌いの方がどう感じるのかという実験にはならないのですが、読んでいるうちに「どんな味なんだろう!」と気になりだしてきました。詳細なレシピもあることですし、早速作ってみようと思います!

 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、鶏レバーの下処理。鶏レバーはハツ共々最低でも一時間は流水にさらして血を流し、水気をきったら今度は牛乳に三時間~半日程度浸しておきます(時間がない方は、一~二時間つけておくだけでも大丈夫です)。こうする事により、臭みはかなり軽減すると作中で語られていました。
トリレバーグ1
トリレバーグ2
 牛乳から取り出して軽く水洗いし、レバーの赤身や匂いが相当おさまったのを確認したらハツを切り取って別皿によけ(荒岩主任の助言通り、醤油・しょうが・みりんなどで見つけて晩酌のおつまみにしました)、レバーは大き目のまな板の上で包丁二刀流で粗いペースト状になるまで何度も根気よく叩きます。
トリレバーグ3
トリレバーグ4
 ちなみに、下の画像が叩き終えたレバーですが…なんと言うか、お子さんが見たら逃げ出しちゃいそうなくらいグロイ物体にorz。頭の中で「これは内臓ではなく、あずき色にそっくりな別の物体だ」と言い聞かせてみても、やっぱり自分の心はごまかせませんでした。なので、レバー嫌いのお子さんに作ってみる方はこの光景を見られてしまわないように、全力で死守なさった方が無難だと思います(但し、昔話の鶴みたいに「決して台所を覗いてはいけませんよ…」と言ったら逆に興味を引いてしまいますのでお勧めしません;。出川哲郎さんのお約束「押すなよ、押すなよ!」並に危険な言葉です)。
トリレバーグ5
 無事密やかにレバーを叩き終えたらボウルに入れ、そこへ透き通るまで炒めた玉ねぎ(私の場合、生の玉ねぎを入れる方式が実家流なので折衷案として両方入れちゃいました;)、パン粉、卵黄、塩、こしょう、ナツメグ、粉末ローリエを加えて適度に混ぜます。通常のハンバーグのタネだと粘りが出るまで混ぜる作業が必要ですが、レバーの場合はそもそもそこまで粘りが出ませんので、ねっとりまとまったら止めるくらいでOKです。これで、ハンバーグのタネは準備完了です。
 ※粘りが出にくいので扱いにくい生地ですが、いざという時はパン粉のほかにも豆腐やお麩などを投入しちゃえばある程度まとまりつつボソボソにもならないです。
トリレバーグ7
トリレバーグ8
 次は、焼き作業。サラダ油を両手につけてからタネをひとまとめにして大体の形に整え、サラダ油をひいて中火で熱しておいたフライパンへ置いて引き続き指先でタネを広げつつ整形します(実はこのタネ、サラダ油をつけても手にベタベタ引っ付きやすいので、空気抜きはせずにあらかた形作れたらすかさずフライパンへ入れてのばすやり方をお勧めします)。片面が焼けたら崩れないようゆっくりひっくり返して焼き、フタをしてよく火を通します。その際、原作にはないですが白ワインか日本酒を入れて蒸し焼きにした方がもっと臭みが消えます。
トリレバーグ9
トリレバーグ10
 中にまで火が通ったのを確認したら火からおろし、レタス・茹でてオリーブ油をまぶしたスパゲティ・トマト(オレンジでも可)・ゆで卵が飾り付けられたお皿へ乗せ、仕上げにケチャップをかければ“トリレバーグ”の完成です!
トリレバーグ11
 レタスの緑、トマトやケチャップの赤、ゆで卵の白、スパゲティの黄色のカラフルな色合いがハンバーグを見るからに楽しげで華やかなものにしていた為、目立たないようでも付け合せはあるのとないのとではえらく違うんだなと改めて実感しました。断面を見ると、肉汁が出てこないのが気になる物のまず普通のハンバーグっぽい感じで、見た目ではまずレバーとは分かりません。これなら、確かにレバー嫌いの方でもとっつきやすそうな感じです。
トリレバーグ12
トリレバーグ13
 それでは、焼きたて熱々の内にいざ実食!いっただっきま~す!
トリレバーグ14

 さて、味はと言いますと…レバーの臭みがほとんどかき消されている上においしくて二度びっくり!スパイスが高級感溢れる味へ変身させていて満足です!
レバー嫌いのみゆきちゃんもペロリと完食しちゃったすごい料理!
 ナツメグの甘酸っぱい爽快な香り、ローリエのすっきり清々しくて甘やかな香りとが複雑に入り交じっているおかげで、レバーの強烈な癖が逆に旨味へと転化されています。ジャクッとしたレバー特有の軽いようでしっかりした歯触りに、卵黄が肉らしい粘り、パン粉がふんわりした口当たり、玉ネギがシャキシャキ感をプラスしており、食感にメリハリがついている分ある意味レバーペーストよりも食べやすいと思いました。甘酸っぱいケチャップをつけて頬張ると、ひき肉のハンバーグよりもやや重厚なコクと奥深い味わいが特徴的な大人好みのハンバーグって感じでいけます。
 ただ、やはり普通のハンバーグとはまた違ったおいしさなのでまるでそっくりという訳ではなく、それ故に苦手な方にはすぐ偽物だとばれそうです。おまけに、レバー100%なのが災いして肉質は若干ぱさついている上肉汁感がどうしても不足しており、結果ジューシーというよりはあっさりヘルシーな出来栄えに落ち着いているので、好みが別れそうだと思いました。ご飯というよりは、パンに合いそうなイメージです。
 玉ネギやケチャップとあいまってレバー本来のほのかな甘さが引き立てられており、個人的には十分ありなおいしさでした。付け合わせのトマトやスパゲティは舌を新しくする役目、茹で卵はレバーハンバーグのレバーっぽさを軽減する役目でちゃんと役立っていますし、レバーをごまかして食べる料理というよりは「レバーとハンバーグを同時に楽しむ料理」って印象です。

 合挽き肉か水切りした木綿豆腐を何割か混ぜた方がさらにレバーっぽさは消え、より完成度がアップすると思います(もちろん、レバー好きな方はこのままのレシピでOKです)。あと、何気に付け合せは食べているときに結構重要だと感じましたので、このハンバーグに限てはちゃんと用意する事を推奨いたします。

●出典)『クッキングパパ』 うえやまとち/講談社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

プロフィール

Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
 …『銀の匙』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『スイーツ本部長一ノ瀬櫂』
 …『旅のグ(2)月は知っていた』
 …『テルマエ・ロマエ』
 …『土曜日ランチ!』
 …『BAR・レモンハート』
 …『百姓貴族』
 …『ぶたぶた』シリーズ
 …『ベーグル食べない?~幸せカフェごはん~』
 …『飯盛り侍』
 …『夢色パティシエール』


○当ブログについて
 このブログで使用されている記事の画像、一部文章は、それぞれの出版物等から引用しております。
 引用物の著作権は全て作者様、出版社様等に準拠致します。
 もしご関係者様に問題のある画像及び記事がございましたら、御連絡頂ければ速やかに修正、削除等の対処を致します。

○お知らせ
・当ブログでは作品のネタバレを含んだレビューも同時に行なっておりますので、作品を未見の方はご注意をお願いいたします。
・各作品に掲載されているレシピの分量は、例外なく全て非公開にする方針を取っておりますので、ご了承の程をお願いいたします(←この件についてご質問頂いた場合、誠に失礼ながら下記の理由でご返信しない方針にしております)。

※現在、公私の多忙と、再現記事のペース維持を理由に、コメント欄へのご返信が出来ない状態が続いております。
 こういう場合、コメント欄は停止するべきなのかもしれませんが、励ましのお言葉やアドバイスを頂く度、ブログのモチベーションアップや心の支えとなったこと、そして率直なご意見や情報を聞けてとても嬉しかったこともあり、誠に自分勝手ながらこのままコメント欄は継続する事に致しました。
 図々しい姿勢で恐縮ですが、ご返信をこまめに出来なくて余裕がある分、ブログ内容を充実&長期的に続けられるよう力をいれる事で皆様のご厚意にお応えし、感謝の気持ちをお返ししていきたいと考えております。
※ただ、ご質問を頂いた際はなるべくお力になれるよう、すぐご返答できるように対処致します。

 応援して下さる方々に少しでも楽しんでご利用して頂けるよう、沢山の作品に触れるちょっとしたきっかけになれるよう、これまで以上に心掛けていきます。
 恐れ入りますが、よろしくお願い致します。

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

ブロとも申請フォーム

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

Copyright © あんこ