fc2ブログ

『花散らしの雨―みをつくし料理帖』の“忍び瓜”を再現!

 『キャプテン翼』のスカイラブハリケーンを真似した子どもは大勢いる…というお話を聞いても、それまでは「いやいや、都市伝説に違いない…」とつい最近まで考えていましたが、数ヶ月前に相方さんから「俺の友達で試したヤツいるよ」と聞いてびっくりしました。子どもの好奇心って果てを知らないんだな~としみじみ思い知らされます。ちなみにそのお友達二人の内一人は足を骨折してしまったとの事…(((゜Д゜;)))ガクブル。
 どうも、その他にも『ドラゴンボール』のフュージョンごっこも流行ったと聞いて「それは分かる気がする」と思った管理人・あんこです。

 今回再現する漫画料理は、『花散らしの雨―みをつくし料理帖』にて主人公・澪ちゃんがお武家のお客さんを呼び戻す為に考え出した夏の新定番・“忍び瓜”です!
『花散らしの雨―みをつくし料理帖』
 前回、“ありえねぇ”というタコときゅうりを使った涼しげな酢の物を考え出して<つる家>のお客さんを虜にした女料理人・澪ちゃんですが、どういった訳か武士のお客様は例外なく“ありえねぇ”を一目見るなり怒ったように顔をしかめて一切手を付けずに帰ってしまうという事態が勃発し、遂には<つる家>自体にお武家の方は全く足を運ばなくなってしまった為澪ちゃんは途方に暮れてしまいます。<つる家>の近所はお武家屋敷がたくさんある土地柄なので、お得意さんである武士のお客さん達が来なくなる事は一大事。澪ちゃん達は必死に原因を考え、その末にちらりと「そういえば、京にある祇園社の氏子達は御神紋が木瓜紋である事を理由にきゅうりを食べないけれど…」という信心によるきゅうり断ちを思いだしますが、根っからの江戸っ子である老店主・種市さんから「江戸の侍が揃いも揃って、遠く離れた京の祇園社の氏子って訳はないさね」とあっさり一刀両断された為、お武家さんたちが何故きゅうりを食べるのか分からないままじりじり時は過ぎてしまいます。
 けれどもその後、澪ちゃんの考えは結構惜しい発想だった事が分かります。というのも、祇園社の御神紋だからという理由ではないものの、きゅうりの断面にある三つの丸い模様は江戸の侍達が忠義を誓う徳川将軍家の家紋・三葉葵にそっくりで、「公方様の御紋に似た食べ物を、家臣である自分が食べるのは畏れ多い」という理由で直参旗本から下流武士に至るまで江戸の侍達は断固としてきゅうりを食べない、というある意味忠誠心から来るきゅうり断ちだったからです。正直、現代に生きる侍でも何でもない九州住まいの当管理人には忠義の証としての食断ちはどうもピンときませんが、澪ちゃん同様その一途な行動には「何と律儀な」と感嘆させられます。さっぱりしていて歯ごたえのいいきゅうりは食が進みにくい時でも口に入りやすく、冷たく冷やして食すと夏場には質素ながらも何よりのご馳走だと思うのですが、至高の存在を敬うあまりにおいしい物を我慢する強靭な精神は天晴れだと思います。ふと、大学時代の講義や漫画『ダシマスター』でちらりと紹介された歌舞伎・『伽羅先代萩』のある武家の子どもが言った「侍の子というものは、ひもじいめをするのが忠義じゃ」「お腹がすいてもひもじゅうない」という印象的な台詞が頭の中をよぎりました。不器用かもしれませんが、これと決めた事にはテコでも動かない頑ななまでの精神力が根底にあったからこそ、日本の文化と国力は一時期他国を圧倒する物にまで成長したのかもしれません。
 後に、澪ちゃんは越瓜を干して作る「雷干し」のお料理を出す事で武家のお客さん達をぽつぽつと呼び戻しますが、それでも美味なきゅうり料理を食べてもらえたら…という気持ちは心の隅に残り続けます。そんなある日の昼、炎天下だというのにお客さんがひっきりなしにやってきてとても慌てていた澪ちゃんは気が動転し、何と乱切りにしたきゅうりをお湯の中へプカプカ浮かべてしまうという失敗をしてしまいます。どうしようと慌てふためいている時、これまた種市さんも気が動転していたのかまだ手付かずだった合わせ酢の器を澪ちゃんに差し出し、きゅうりを放り込ませてしまいます。その場はお互い「やってしまった!」という照れ笑いをし合う事で話は終ったのですが、お店が終った後に澪ちゃんがもったいないという理由で茹できゅうりの合わせ酢漬けを食べた時、てっきりグニャグニャになっているとばかり思っていたきゅうりが信じられないほど歯ごたえがよくなっているのを発見し、「これはもっと美味しくなる!」と確信した澪ちゃんは数日かけてさらに美味しくする為に試作を繰り返します。そうして最終的に完成したのが、この“忍び瓜”です。
 作り方はものすごく簡単で、一言で言ってしまえばすりこぎで叩き割ってさっと茹でたきゅうりを、鷹の爪・ゴマ油・酢などで作った合わせ酢に加えて約一時間近く冷やせばもう出来上がりです。一回すりこぎで叩く事によって武士が「畏れ多い」と思うきゅうりの三葉葵に似た模様が崩れて分からなくなる上味がしみこみやすくなりますし、何より茹でて段違いに歯ごたえがよくなったきゅうりとピリ辛ごま油の漬け汁は相性も最高との事で、<つる家>の“忍び瓜”は一般のお客様はもちろん、お武家様にも好評な一品になるのでした(^^)。
 ちなみに、“忍び瓜”という名前は「お侍もつい、隠れてこっそり食べに来てしまうような料理に」との願いと、澪ちゃんの密かな片思いの相手・小松原様にも密かに食べに来て欲しいという想いを込めて澪ちゃんがつけたもの。その祈りが通じたのか、“忍び瓜”はお侍さん達にも人気、小松原様にもやんちゃな子どものように夢中になって食べてもらえていたので、読んでいて内心ほっとしました。
 これからの季節、きゅうりをもっとおいしく沢山食べたいと思っていた矢先でしたので、早速巻末レシピ通り再現してみようと思います!

 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、きゅうりの下準備。きゅうりはよく水洗いをして汚れを落とした後、まな板と塩を使ってゴリゴリと板ずりします。この作業をする事によって味がずっと染みやすくなるので、割としっかり塩をきかせてする事をおすすめします。手が荒れやすい方は、ゴム手袋をしてやるとぐんと手に負担がかからなくなります(ただ、ゴム手袋は少々痛むのが難点;)。
忍び瓜1
 この板ずり済きゅうりをすりこぎでバンバンと叩いて繊維を壊し(叩きすぎに注意!)、ヘタを切り取って四~五等分に切り分けます。叩き終わりの目安は、指で押して「ちょっとグラグラしだしたかな?」というくらいが
頃合いだと思います。
忍び瓜2
忍び瓜3
 きゅうりの断面を見て件の模様が崩れているのを確認したら、グラグラに沸かした熱湯でさっと湯がき、すぐにザルにあけて取り出します。その際、あんまり湯がきすぎても微妙な歯ごたえになるので数十秒で引き上げるのがお勧めです。
忍び瓜4
忍び瓜5
 この熱々のきゅうりを、あらかじめ酢、醤油、砂糖、ごま油、カツオ節と昆布の出汁、水で戻して種を取った後小口切りにした鷹の爪をよく合わせて作っておいた特製合わせ酢が入っているボウルの中へ一気に放り込み、ざっと混ぜて約一時間冷蔵庫でキンキンに冷やします(もしくは数十分~一晩迄、お好きな浸け時間を模索するのがベストだと思います^^)。
忍び瓜6
忍び瓜7
 きゅうりが芯まで冷えて味が染みているのを確認したら取り出し、そのまま漬け汁と鷹の爪ごと器へ盛りつければ“忍び瓜”の完成です!
忍び瓜8
 味が染みた方が好みなので二~三時間浸けていたら、何だかイマイチそそらない色になってしまいましたorz。ただ、うっすら茶色がかったきゅうりの緑色に鷹の爪の鮮やかな赤色が映え、見るからに食欲をそそる配色になっているのが救いです。漬け汁からほのかに漂うゴマ油の香りがいい感じで、写真を撮っている間中たまらない気持ちにさせられました;。
忍び瓜9
 それでは、きゅうりがまだ冷たい内にお箸でつまんでいざ実食!いっただっきまーす!
忍び瓜10

 さて、味の感想ですが…とにかく、信じられないくらい歯に心地いい歯触りで美味しっ!夏にふさわしい涼しげな一品です!
 「パキパキ、パリッ」「カリカリ、コリコリ」「ボリボリッ」など、多種多様な小気味良い食感が口の中で鮮やかに響き渡り、噛み砕くごとに快い爽快感が味わえます。うまく言えませんが、強引に例えるならばハリハリ漬けを囓る時のあの張りある食感に通じる物があるように感じました。一回火を通して冷やす事により、生の時よりも歯応えが飛躍的に向上したひんやり冷たいきゅうりが何とも爽やかで、程よく割れ目がはいっているおかげで味がよく染みて食べやすくなっているのに感心させられます。合わせ出汁のふくよかな旨味と酢のさっぱりした酸味がじんわり舌を刺激した後、唐辛子のピリッとくる辛さやごま油の香ばしいコクがゆったり広がっていくのが絶妙で、あっさりしているようで濃厚な甘辛酸っぱい後味が病み付きになりそうでした。
 完全に和風というよりはどことなく和中折衷的な味わいで、一口漬け汁を飲むと「中華風の酢の物かな?」と一瞬思うのですが、徐々に浮き上がってくるカツオ節のキリリとした風味と昆布の優しい旨味が和風らしさを強調しています。浅く漬けたきゅうりはパキパキした歯触りの妙、よく漬けたきゅうりは隅々まで味がなじんでいるきゅうり自体の味が楽しめる感じで、思わず漬け汁まで飲み干してしまう程完成度の高い一皿でした。冷やし中華風に麺を入れて食べてみるのもありかもしれません。

 うだるような暑さで食欲が出ない時でも、一度食べたらあと一口、もう一口と芋づる式に手が出てしまいそうなくらいおいしい小鉢です。巻末レシピによると、白ゴマをふってもまたおいしいらしいので、近い内に試したいと思いました。手間要らずな上に材料費がほとんどと言っていい程かからないのであまりお金がなくてもでも気軽に作れますし、これからの季節繰り返し再現したいです。

●出典)『花散らしの雨―みをつくし料理帖』 高田郁/角川春樹事務所
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

『風流つまみ道場』の“イカボナーラ&イカのウニマヨ焼き”を再現!

 相方さんと付き合ってもうすぐ七年目に突入する為、よく周囲から「飽きない?もう新鮮じゃないでしょ?」と言われるのですが、当管理人の記憶力が鶏並みしかないせいか(←メモを取らずに電話を保留にし、お得意先の名前を営業さんに伝えようとするほんの数秒の間でお得意先の名前を忘れたりするので、お恥ずかしい話ですが本当に鶏みたいだな~と自嘲していますorz)、一~二週間会わないだけですぐ付き合い当初のような新鮮さを相方さんに抱く事ができます。ただ、やはり忘れっぽいせいで相方さんには迷惑を掛けまくっているので、大事な事は忘れないようすぐにメモを取るようにしています。しかし、そのメモをどこにやったのか忘れてしまうので、あまり意味はないです。こうなったら、どうしても忘れたくない事は映画『メメント』の主人公みたいに全身へ刺青を入れるしか方法はないのかと自問自答している今日この頃です…。
 どうも、その割には忘れてもかまわないようなどうでもいい記憶は残るので自分で自分に腹が立っている管理人・あんこです。

 本日再現する漫画料理は、『風流つまみ道場』にて主人公・錦ちゃんが<夕月>のママにお願いされて作った“イカボナーラ&イカのウニマヨ焼き”です!
イカボナーラ図イカのウニマヨ焼き図
 錦ちゃんがよく通っている小料理屋兼居酒屋・<夕月>のママは、調理するのが億劫になった時は「いい素材をそのまま活かした料理よ(^^)」と白々しく言い、全く手を加えていない極めて原始的なおつまみを出すという悪癖があります;。その手抜きっぷりはある意味芸術的で、ある時は切ってマヨネーズを添えただけのトマト・枝付きのまま茹でただけの枝豆・焼いただけのサンマなど、常連さんでなくても「ちょっと、ママ!仮にも飲食店をやっている人としてのプライドは~(´Д`;)?!」「だって、面倒だから…(・ω<) テヘ☆」というシュールなやり取りをしたくなるおつまみのオンパレードなので、読み返すたびに苦笑してしまいます。もしかしたら、<夕月>はお料理というよりはズボラなママとのそういう愉快なノリ突っ込みが目玉なお店なのかもしれません…。
 今回も似たようなお話で、この時ママが連日扱っていた食材はイカ。ママ曰く「だって楽なんだもん。刺身用のイカ買ってきて切るだけだから」との事で、おかげで常連さん達は「いくら日本人が世界で一番イカを食べるイカ好き民族でも、さすがに刺身にしただけのイカは飽きたよ~ヽ(`Д´)ノジタバタ」と不満たらたらになります。けれども、我らがママはそれでも「じゃ、頑張るか…」と重い腰を上げるのではなく、何と「じゃ、錦ちゃん呼んじゃおっかな~」と携帯で帰宅したばかりの錦ちゃんをお店に召還していました。正直、ここまでサボリ魔だと「のびた君とドラえもんみたいな関係だな~」とある意味感慨深い心境に陥ります;。ママの脳内は、「働いたら負け」ならぬ「作ったら負け」という考えで支配されているのかもしれませんね。
何と、料理に困ったママに携帯一本で呼び出された錦ちゃん;
 そんな時、錦ちゃんが「もぉーママ。今日は晩飯食って早く寝ようと思っていたのに、イカ刺しを使って何かアレンジしろだって~?」と不満たらたらながらも、自慢の料理の腕を頼りにされてまんざらでもない表情になりつつ手早く考えて作り出したのが、この“イカボナーラ&イカのウニマヨ焼き”です!
 作り方は、常連さんたちが「これならママでも簡単に作れるね!」とからかい混じりにもらした程お手軽。“イカボナーラ”はイカそうめんに卵の黄身・醤油・レモン汁・荒挽き黒こしょう・パセリを混ぜるのみ、“イカのウニマヨ焼き”はイカの表面に練りウニとマヨネーズを酒でゆるめたものをぬって焼くのみで出来上がるので、時間がない時でもパパッと作れるのが魅力的でした。錦ちゃんが言うには、“イカボナーラ”はパセリや黒こしょうの代わりにネギや赤唐辛子を入れて胡麻油で風味付けしたらユッケ風、“イカのウニマヨ焼き”は練りウニの代わりに酒盗をマヨに混ぜて焼けばよりおつまみ向きな酒盗マヨ焼きになるとの事で、読んでいて「おお~!」と錦ちゃんを尊敬しました。さすがおつまみを作り続けて十余年、酒飲みが聞いているだけでいてもたってもいられなくなるような見事な創作イカメニューです。
 ちなみにこのイカ料理二種は他のお客さん達にも大好評でお店は繁盛するのですが、その代わり使い道が思いつかず大量に余ってしまう卵白とお刺身についてくる袋わさびにママは頭を抱えてしまい、「どうしたらいいのかしら?」と錦ちゃんに泣きついて大いに困らせていました;(個人的に、卵白はカニ缶と組み合わせてフワフワカニ玉にしたり、わさびはマグロヅケ丼の漬け汁に使用したらどうかな~?と思いました)。それにしても、どうしてこんなに面倒見がよくて料理上手なのに、錦ちゃんには念願の美人な彼女が一向に出来n(イカだけに以下略。
難点は、白身とわさびが大量に余ってしまう事です^^;
 イカはタコ同様、疲労を回復するのにうってつけな栄養のタウリンがたくさん含まれていますし、おまけに肝機能を強化する作用があるので飲兵衛にとってはまさに一石二鳥な食材なので、これをいい機会に早速レシピ通り再現してみようと思います。

 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、“イカボナーラ”作り。刺身用の新鮮なイカの両端を切り落としてから約三ミリ幅に細く切り(この両端は、普通の刺身として当管理人がおいしく頂きました^^)、イカそうめんにします。その際、イカを少々凍らせてから包丁の先をたてるようにして切るとうまい具合に細く切れやすいです。このイカは、和える直前まで冷蔵庫で冷やしておくと舌触りがよくなります。
イカボナーラ&イカのウニマヨ焼き1
イカボナーラ&イカのウニマヨ焼き2
 このイカそうめんに、絞りたてのレモン汁と醤油を混ぜて作ったレモン醤油を上からかけてざっと混ぜ、全体にしっかり下味をつけます。なお、レモン醤油は入れすぎるとベチャベチャ・入れなさ過ぎると物足りない味になるので、ちょうどいいバランスを探りながら少しずつ加えた方がいいと思います。
イカボナーラ&イカのウニマヨ焼き3
イカボナーラ&イカのウニマヨ焼き4
 イカそうめんに下味がついたら、常温に戻した卵の黄身を加えてよく混ぜ合わせ、その上からパセリのみじんぎりと挽きたての荒挽き黒こしょうを気持ち多めにふります。これで、“イカボナーラ”の準備完了です。
 ※余談ですが、荒挽き黒こしょうは黒こしょうのホールを直前に挽いたものを使った方が断然美味しくなります!もしあのガリガリ挽く専用容器がない場合は、すり鉢とすりこぎでガンガン砕くようにして粗めに潰しちゃえばそれっぽくなるのでお勧めです(←洗うのが面倒ですが^^;)。
イカボナーラ&イカのウニマヨ焼き5
 次は、“イカのウニマヨ焼き”作り。“イカボナーラ”の時と同様、新鮮な刺身用のイカを用意し、片面によく切れる包丁で細かい切れ目を縦にも斜めにも入れ、魚焼きグリルで両面を軽くさっと焼いて火を通します。あんまり火を通しすぎると、ウニマヨを乗せて焼く時に硬くなりすぎる危険性が高まるので、「本当にこれくらいでいいのかな~?」と不安になるくらいでOKです。
イカボナーラ&イカのウニマヨ焼き6
イカボナーラ&イカのウニマヨ焼き7
 切れ目を入れている方の片面に、お酒・マヨネーズ・練りウニをよく混ぜ合わせて作った特製ウニマヨを自分好みの量だけ塗りつけ、また魚焼きグリルで表面に少々焦げ目がつくくらいまでこんがり焼きます(何ならオーブンやトースターで焼いても大丈夫です)。この際、刺身用のイカなので中をほんのり半生にして仕上げた方がもっとおいしくなります。その後、イカを食べやすい大きさに切ったら“イカのウニマヨ焼き”は用意万端です。
 ※特製ウニマヨは、あんまりゆるいとイカからせっかくのウニが垂れて味も見た目も悪くなりがちですので、やや粘度を保たせた出来にしたほうがいいです。
イカボナーラ&イカのウニマヨ焼き8
イカボナーラ&イカのウニマヨ焼き9
 これらのイカ料理二種を出来たての内にそれぞれのお皿へ盛り付け、そのままお好みのお酒と共に机へ運べば“イカボナーラ&イカのウニマヨ焼き”の完成です!
イカボナーラ&イカのウニマヨ焼き10
 こうして見てみると、簡単に作れる割にはパッと見「ちょっとした居酒屋で出されてもおかしくない小鉢と一皿」っぽいイメージです。作ってみて意外だったのは“イカボナーラ”で、結構和食みたいな見た目に仕上がったのであんまりカルボナーラに似てないな~という事でした;(もっとも、これは和風な器のせいかもしれません)。ただ、“イカのウニマヨ焼き”は予想通り本格派な和のおつまみって感じで、焦げたウニの香りが漂ってくる為見ているだけでお腹がすいてきます。
イカボナーラ&イカのウニマヨ焼き11

 それでは、いざ実食!
 一番目は、“イカボナーラ”から。いただきまーす!
イカボナーラ&イカのウニマヨ焼き12
 さて、味の感想ですが…想像していたよりも遥かにまともなおいしさ。イカそうめんにありがちな生臭みがすっかり消えています!
イカボナーラ&イカのウニマヨ焼き13
 細くてシコシコ感がぐんとアップしたイカそうめんに、トロリととろける卵黄ソースがもったり絡まってなめらかな舌触りになっているのが非常に美味で、次から次へとツルツルいけちゃいます。カルボナーラというよりはイカの黄身和えの方にそっくりな味わいですが、こちらの方がレモンの爽やかな酸味とフレッシュな香りが口当たりをさらに軽くさっぱりさせている分、さらに食べやすい印象でした(強いて例えるならば「レモンカルボ風味の洋風イカ黄身和え」がより正確なイメージです)。生のイカならではの淡い甘味と柔らかさが、これまた同じく生の卵黄のコクで包み込まれているのがたまりません。
 最初はレモン醤油のしょっぱ酸っぱい下味が先立つので和風っぽい味ですが、後々挽きたて荒びき黒胡椒のビリッときてすぐに消えていくドライな辛さや鮮やかな風味、そして刻みたてパセリのシャッキリパリパリした歯触りがイカの旨味を引き立てる為、その名通り洋風な感じもします。イカ自体にしっかり下味がついているので食べやすく、白ワイン・ビール・日本酒・焼酎などどんなお酒にもばっちり合うのがおつまみとして優秀だな~と思いました。

 二番目は、“イカのウニマヨ焼き”です。では、いっただっきま~す!
イカボナーラ&イカのウニマヨ焼き14
 さて、味の感想はと言いますと…こってり本格派な味わいでかなりウマー!おつまみとしてはもちろん、炊きたてご飯のおかずとしても相当に合います!
ウニとイカの香ばしさがたまらない逸品です
イカボナーラ&イカのウニマヨ焼き15
 一旦軽く焦がす事によって香ばしく仕上がった練りウニソースがものすごく濃厚な味わいになっている上、コリコリのプリップリな食感に焼き上がったイカの身と抜群の相性だった為思わず頬が緩みました。練りウニ特有の濃ゆい磯の風味と、舌がとろけそうにクリーミーな旨味が熱で活性化される事によって深みが倍増されていて、それが淡泊な焼きイカの味をぐんとアップさせています。刺身用の新鮮なイカを使ったせいかそこそこ火が通った後もなおさっくり歯が通る歯応えのままで、ソースがかかっている部分のほんのり蒸し焼き状になっている所と外側のカリッとした部分とのギャップがいい感じでした。
 イカに細かく入れた切れ目が効をなし、どこを食べてもウニの豊かな美味しさがジュワッと溢れてくるのがよかったです。これが練りウニのみだったら塩辛くて少々きつい味になっていたと予想しますが、このソースの場合マヨネーズのまろやかな油分やお酒のふくいくとした香り高さがちょうどいい塩梅にしていた為、「程よい塩加減の和洋折衷ウニマヨソース」って感じでした。中が半生でレアっぽいイカステーキとウニの相性の素晴らしい一品です。

 イカ料理は大抵出尽くしたとばかり思っていたと考えていましたが、今回の再現でそれは間違いだったと思います。「イカは何にでも合うから、色んな創作料理に使える優れ食材で飽きないな~」としみじみ実感しました。ヤリイカ・スルメイカ・シロイカ・アオリイカ・モンゴウイカなど、料理によってイカを使い分けてみるのも面白いかもしれません。

●出典)『風流つまみ道場』 ラズウェル細木/芳文社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

『華中華』の“秘密の中身はなんじゃろな?チャーハン”を再現!

 今だからお話できる事ですが、昔の私は流行り物にすぐ手を出す事を何となく気恥ずかしく感じ、すぐには飛びつかないような少々気取ったところのある嫌な人間でした;。けれど、最近発想がやや変わり、「どうせすぐ廃れてしまうなら、旬の内に楽しんでしまえ!今のこの瞬間にしかないご縁を、大事にしよう。楽しむ阿呆に見る阿呆なら、楽しむ阿呆!」「それに、これがきっかけで新しい楽しい事を見つけられたら、まさに一石二鳥」と思うようになった為、急に色々試すようになりました(結果、無駄な出費や徒労も倍増してますが;)。
 どうも、そういうご縁で最近はこの暑いのにシリコンスチーマーで作る蒸しとうもろこしにはまりつつある当ブログの管理人・あんこです。

 今回再現する漫画料理は、『華中華』にてハナちゃんが日頃の感謝の想いを込めて考え出した“秘密の中身はなんじゃろな?チャーハン”です!
秘密の中身はなんじゃろな?チャーハン図
 これまで数々の困難があったハナちゃんと康彦さんのお二人ですが、前々回のお話では康彦さんのご両親、その前のお話ではハナちゃんのご両親の結婚承諾の許しを得る事が出来、いよいよ結婚話が本格的に動き出します。しかし、最後の最後まで一番手ごわい相手の許しが得られないままだった為、結納の日を迎えた後もハナちゃんの気は晴れずにいました。その相手とは、ハナちゃんの修行先である<満点大飯店>の上司達。というのも、実はハナちゃんの職場はいまだ封建主義的な雰囲気がまかり通っており、その中のルールには「修行中の料理人は、一人前になるまで結婚してはいけない。もし未熟者なのに結婚したら、即破門」という不文律が未だ頑として存在していた為。一流の料理技術を身につけるのに<満点大飯店>以上のお店はない、けれども続ける為には結婚はそれこそ十何年待たなければならない…と、ハナちゃんは大いに苦しみます。正直、結婚は相手と場合によって良くも悪くも本人に多大な影響を与えて変えてしまうものなので(未婚者である私が言うのは気が引けますが、個人的視点で身近な知人達を見ているとそう感じます;)、「料理を極める」という目的に対して体力的にも精神的にも揺れを防ぐ為にもそういう不文律を作りたくなる気持ちも分からなくもないのです。ただ、自分を強く律する事が出来る人に対しては害にしかならない決まり事なので、難しいな~と思います。こればかりは、本当に結婚してみないと見極めがつかない感じですね。…まあ、当管理人はほんの小さな変化で音を上げるチキンなので、間違いなく悪い影響が出そうなタイプですがorz。
 けれども、ハナちゃんが勇気を出して直属の上司である陳料理長に相談すると、散々悩みつつも「いいな、結婚する事はオーナーにも職場の誰にも話すな!」「頑張ってくれ!休日婚を許してくれた、お前の旦那さんの為にもな!」と、エールを送ってくれます。というのも、ネギの切り方一つとっても手抜きをせず誰よりも丁寧な仕事をするハナちゃんを、結婚するからという理由だけで辞めさせて芽を摘んでしまうことがあまりに惜しかったからなのだとか。もっとも、最終的にはハナちゃんの大叔父であり<満点大飯店>の前オーナーである中村竹三郎氏が「内緒にしたらいい」「人の秘密を共有してやるのも、上に立つ物に必要な資質だよ」と背中を押したのが最大の一押しとなった一面もありますが、それでもバレた時にはきつい罰があるにも関わらず秘密にする覚悟してくれる陳料理長は、いい師だと思いました(^^)。
結婚を影ながら許され、感謝の気持ちをチャーハンに込めたくなったハナちゃん
 そんな陳料理長の心遣いと、全てが順調に行きつつある現状を心底ありがたく感じたハナちゃんはそれらの感謝の気持ちを料理に還元したいと考え、ちょうどその頃偶然焼き肉屋の解体現場で大量に無料で譲ってもらえた石焼ビビンバの器を使い、スペシャルなチャーハンを作り出そうと一大決心します。そして、上海亭のおじいさんとおばあさんにも協力してもらって編み出したのが、この“秘密の中身はなんじゃろな?チャーハン”です。
 名前を聞くと「一体、中には何が入っているんだろう…!」とワクワクさせられますが、その正体は何と“豚の角煮と半熟卵のビビンバ風チャーハン”。作り方は凝ってそうな見た目の割には比較的簡単で、時間をかけてじっくり煮込んだ豚の角煮の煮汁を回しかけたチャーハンを用意して半量だけ石焼ビビンバの器へ入れ、そこへ豚の角煮と生卵をそっと乗せてさらに半量のチャーハンをかぶせれば出来上がりです。
 実は最初、ハナちゃんは豚の角煮には付き物な味付き煮卵を一緒に入れようと考えていたのですが、とうじつにうっかりゆで卵を準備することを忘れてしまった為、苦肉の策として生卵を直接入れることを思いついたのでした。豚の角煮と生卵と聞くと一瞬ミスマッチそうに見えますが、石焼ビビンバの器とチャーハンの熱によって辛うじて半熟に固まった卵は作中で見る限りいかにも美味しそうでしたし、何よりビビンバ風にかき混ぜて食べる時に一体度がさらに高まって旨さが倍以上になりそうな印象を受けました。まさしく、怪我の巧妙な名組み合わせだと思います(・∀・)。
味付き卵の代わりに、生卵を乗せるのが最大のポイント!
 ちなみに、この時豚の角煮を用意したのは上海亭のおじいさんで、レシピは奇遇にも前オーナー・中村竹三郎氏の物が原型だった模様。おじいさんの思い出話によると、どうやらまだお互いがそこそこ若かった頃に偶然居酒屋で出会い、「日本人の口に合う豚の角煮」について話が盛り上がった事から秘蔵の豚の角煮レシピを教えてもらえたとのことでした。
 おじいさん曰く、中華風に豚の角煮を作るとどうも八角の香りが強すぎるとの事で、基本は中華の技法をお手本にしつつ調味は砂糖・日本酒・みりん・醤油・鷹の爪などで和風に仕上げると日本人なら誰にでも素直に受け入れられる味の豚角煮になると話していました。ただ、おじいさんは竹三郎さんのレシピを自分流にアレンジして、日本酒を焼酎にしていました。理由は「俺の好きな飲み物だから」だそうです(^^;)。こうやって、レシピはいろんな人の試行錯誤や好みによって独自の進化を遂げていくのかと思うと、なにやら感慨深いものがあります。作中で竹三郎氏は「あとは、それをどう自分の料理にするかですよ。楊貴妃さん」と話していますが、まさに言いえて妙だと思いました。
何と、若き日におじいさんは前オーナーから豚角煮のレシピを習ってました
 その後、この“秘密の中身はなんじゃろな?チャーハン”は上海亭のお客さん達にいつもの値段設定で大判振る舞いされるのですがこれが大好評で、「うまい、うまい!卵も入ってるぞ!」「お肉が口の中でとろけちゃうわ!!」「これで500円打なんて信じらんな~い!」と店中がおいしいという笑顔によって満たされていました。
 久々に読み返していくうちにたまらなくなり、とうとう先日石焼ビビンバの器を買っちゃいました(´∀`;)ヤッチャッタ。こうなったら、早速作中のレシピ通り作ってみようと思います!

 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、豚の角煮作り(実を言いますと、作中に記載されていたのは大まかな手順と調味料のみでしたので、多分に想像が入り混じった内容になります;)。大量の水、しょうがのスライス、ぶつ切りにした長ネギを入れた大鍋に五センチ幅に切った豚バラ肉の塊を加えて冷たい上体から弱火でじっくり火を通し、十五~五十分前後かけて納得がいくまでしっかりと下茹でします。こうする事によって、余計な脂と臭みが抜けます(煮汁は上澄みとアクを捨てて味付けするとコクのあるスープへと生まれ変わりますので重宝します)。時間がたち、豚バラ肉が煮えたら火からおろし、そのまま流水で優しく汚れとアクを洗い流せば下準備OKです。
秘密の中身はなんじゃろな?チャーハン1
秘密の中身はなんじゃろな?チャーハン2
秘密の中身はなんじゃろな?チャーハン3
 この豚ばら肉の塊、たっぷりの焼酎、醤油、みりん、鷹の爪をお鍋に入れ、数時間かけてゆっくり弱火で火を通す→火を消してしばらく放置(この時に味が染みます)→また火入れする→また放置するのループを繰り返します。ちなみに、私は約一日かけてこの工程を繰り返しましたが、やはり部屋の温度が何度か上がったのでつくづく「涼しい日に挑戦してよかった~」と思いました(^^;)。あと、その際味付けは最初は薄く、徐々に足して濃くするというやり方の方がお肉がぐっと柔らかくなりやすいので、おすすめです。
 ※作中では圧力鍋が使われていますが、実は圧力鍋で豚の角煮を柔らかく作るのは結構至難の業。脂身はすぐ柔らかくなるんですが赤身がガチガチになりがちですので、初心者の私は普通の鍋で慎重に作る道を選びました;。その為、腕に自身のある上級者の方々は圧力鍋で再現するのもいいと思います。
秘密の中身はなんじゃろな?チャーハン4
秘密の中身はなんじゃろな?チャーハン5
 お肉の脂身にまで調味料の味が染み込み、お肉がトロトロになったのを確認したら豚の角煮は用意完了です!その間、大分以前に作り方をご紹介したハナちゃん流基本チャーハンのレシピ通りにチャーハンを手早く作っておきます。この時、塩気は幾分か控えめにしておきます。
秘密の中身はなんじゃろな?チャーハン6
秘密の中身はなんじゃろな?チャーハン7
 この基本チャーハンの仕上げの際に、先程の豚の角煮の煮汁を程ほどに回しかけ(入れすぎると、ベチャベチャになって味もくどくなるので要注意です)、ざっとあおって混ぜ合わせて味を微調整し終えたら特製煮汁入りチャーハンの出来上がりです。
秘密の中身はなんじゃろな?チャーハン8
秘密の中身はなんじゃろな?チャーハン9
 ここまできたら、そろそろ最終段階の焼き作業。あらかじめ、塩湯等でコーディングしてから洗ってきっちり乾かした石焼ビビンバの器(詳しくは、付属の説明書を見た方がいいです)をそのままコンロの上に置いて強火で熱し、ごま油をしいておきます。個人的にこのお料理に使用する胡麻油は、太白胡麻油などよりも太香胡麻油や純正胡麻油のようなゴマの香りが程よく強いタイプがお勧めです。
秘密の中身はなんじゃろな?チャーハン10
秘密の中身はなんじゃろな?チャーハン11
 段々石焼ビビンバの器が熱されてきたら半量の特製煮汁チャーハンを入れて少々くぼみを作り、そこへ潰れてしまわないよう生卵をそっと落とします。余談ですが、そこまで似ていないのに内心「チキンラー○ンのたまごぽけっとみたい」とつい連想してしまいました;。もしくは、「自○軒のカレー・チャーハンバージョン」とも言えなくもない見た目です;。
秘密の中身はなんじゃろな?チャーハン12
秘密の中身はなんじゃろな?チャーハン13
 生卵の横に、黄身を潰さないよう慎重かつ丁寧に温めておいた豚の角煮を添え、その上へ残り半量の特製煮汁チャーハンを全部乗せて中が見えないようにフタをします。その時、手を抜いてチャーハンを上からドサドサッと乗せてしまうと生卵はあっけなく崩れてしまいがちですので、面倒がらずに少しずつそろ~っと乗せることを推奨いたします。
秘密の中身はなんじゃろな?チャーハン14
秘密の中身はなんじゃろな?チャーハン15
 数分火にかけてお好みの焦げ加減になったら火からおろし、火傷をしないように付属の木の板の上において机へ運べば“秘密の中身はなんじゃろな?チャーハン”の完成です!
秘密の中身はなんじゃろな?チャーハン16
 パッと見は何の変哲もないただのチャーハンですが、いそいそと中をほじってみたらそこには豚の角煮と蒸されて半熟状になった卵が出てくる為、思わず「これこれ、これですよ(´Д`*)」と一気に贅沢な気分になります。作った張本人なので仕掛けは分かってはいるのですが、それでも実際に豚の角煮がゴロゴロ出てくるととても嬉しい気持ちになりました。何より、石焼ビビンバの器のおかげでかなり時間がたった後もなお熱々のままだったので、楊貴妃さんのおっしゃる通り本当に「身も心もとろけちゃいそうな味」っぽそうです!
秘密の中身はなんじゃろな?チャーハン17
秘密の中身はなんじゃろな?チャーハン18
 それでは、お箸で豚の角煮をちぎって一口大にし、半熟卵とチャーハンを軽く混ぜ混ぜしたらいざ実食!いっただっきま~すっ!
秘密の中身はなんじゃろな?チャーハン19
秘密の中身はなんじゃろな?チャーハン20

 さて、味の感想ですが…豚の角煮の魅力が十二分に活きていて、素晴らしく美味!豚肉ってこんなにおいしかったんだな…と再確認する一品です。
熱々のままを食べる楊貴妃さんの食べる様子がいかにもおいしそうです…
秘密の中身はなんじゃろな?チャーハン21
 カリカリのパリパリに香ばしく焼き上がったお焦げ付きのチャーハンと(表面のゴマ油風味がついてザクッとした歯応えの焦げ目がまた良し)、蒸し焼き状態になってふっくらトロリとした口当たりになった半熟卵が口の中でまったり絡み合い、普通のチャーハンとはひと味違った感じに仕上がっています。仕上げに煮汁をたらしたおかげで、濃厚極まりない豚肉の旨味エキスが表面にきっちり染み込んでおり、ダブル効果でより奥深く豚本来の美味しさを堪能出来る味わいになっていました。ビビンバ風に混ぜてパラパラ部分とこんがり部分の両方を楽しめる上、ネギのしゃっきりした歯触りと鮮やかな風味が豚まみれになる所だったチャーハンをほんのり緩和させているのがよかったです。
 とにかく豚の角煮がかなり柔らかくて激ウマで、唇で簡単に押しつぶれちゃうくらいフルフルトロトロな舌触りの脂身と、肉汁をたっぷり保ったまましっとりジューシーに煮えた赤身が口の中でとろけていく為、豚バラ肉好きにはまさに垂涎物な味でした。焼酎の効果なのか、普通に作った物よりも肉の繊維がホロホロほどけていく感じがすごく、そのくせジュワッと肉汁が残ったままなのにびっくりです。また、こってり特濃な豚のコクが効いてガツンとくる出来なのに、くどくなり過ぎるギリギリ寸前で脂の余韻がうまく押さえられてキレがよかった為、「純粋な旨味部分のみが凝縮された焼酎風味の豚角煮」だと感じました。

 時間がある方は、生卵の代わりに半熟の味付き卵を使用してみてもいいと思います。レシピ欄の追記によると、石焼ビビンバの器がない方は普通の丼で作ってみても十分美味しいとのことでしたので、そちらも是非試してみたいな~と思いました(その時はフライパンである程度焦げ目をつけてから入れると、石焼ビビンバ気分がより気軽に楽しめそうです^^)。

●出典)『華中華』 原作:西ゆうじ 作画:ひきの真二/小学館
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

プロフィール

あんこ

Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『どんぶり委員長』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『ミスター味っ子』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『BAR・レモンハート』
 …『ぶたぶた』シリーズ
 …『ベーグル食べない?~幸せカフェごはん~』
 …『飯盛り侍』


○当ブログについて
 このブログで使用されている記事の画像、一部文章は、それぞれの出版物等から引用しております。
 引用物の著作権は全て作者様、出版社様等に準拠致します。
 もしご関係者様に問題のある画像及び記事がございましたら、御連絡頂ければ速やかに修正、削除等の対処を致します。

○お知らせ
・当ブログでは作品のネタバレを含んだレビューも同時に行なっておりますので、作品を未見の方はご注意をお願いいたします。
・各作品に掲載されているレシピの分量は、例外なく全て非公開にする方針を取っておりますので、ご了承の程をお願いいたします(←この件についてご質問頂いた場合、誠に失礼ながら下記の理由でご返信しない方針にしております)。

※現在、公私の多忙と、再現記事のペース維持を理由に、コメント欄へのご返信が出来ない状態が続いております。
 こういう場合、コメント欄は停止するべきなのかもしれませんが、励ましのお言葉やアドバイスを頂く度、ブログのモチベーションアップや心の支えとなったこと、そして率直なご意見や情報を聞けてとても嬉しかったこともあり、誠に自分勝手ながらこのままコメント欄は継続する事に致しました。
 図々しい姿勢で恐縮ですが、ご返信をこまめに出来なくて余裕がある分、ブログ内容を充実&長期的に続けられるよう力をいれる事で皆様のご厚意にお応えし、感謝の気持ちをお返ししていきたいと考えております。
※ただ、ご質問を頂いた際はなるべくお力になれるよう、すぐご返答できるように対処致します。

 応援して下さる方々に少しでも楽しんでご利用して頂けるよう、沢山の作品に触れるちょっとしたきっかけになれるよう、これまで以上に心掛けていきます。
 恐れ入りますが、よろしくお願い致します。

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

ブロとも申請フォーム

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

Copyright © あんこ