『風流つまみ道場』の“芋煮のチーズ焼き”を再現!

 実を言うと当管理人は夜型な方で、休日の深夜にぶらりと近所を散歩してコンビニや深夜営業の本屋まで遊びに行ったり、明け方近くまで部屋飲みしつつゲームや読書をしたりするのが大好きだという根っからの不健康人間です;(あまり健康的な趣味ではないので、周囲に話す度ドン引きされてますorz)。そんな中でも最近一番のお気に入りは、PS3ソフト『キャサリン』のサントラをえんえんと聞きつつラムコークやスクリュードライバーを飲んでのんびりする事で、中でも「ルウ」「R30の憂鬱」「ブルックスはかく語りき」は休日の夜にぴったりな空気にしてくれるのでお気に入りです(^^)。
 どうも、つい油断して鏡の方を向いてしまうと真っ赤に酔っ払った老け顔が目に入って瞬時に酔いが冷めるので、極力目をそらすようにしている管理人・あんこです;。

 今回再現する漫画料理は、『風流つまみ道場』にて錦ちゃんが居酒屋<WINE Napa BEER>のマスターを助ける為に教えたアレンジ料理“芋煮のチーズ焼き”です!
芋煮のチーズ焼き図
 九~十月頃のある秋の日、錦ちゃんがアメリカ西海岸をイメージした毎度お馴染みな居酒屋・<WINE Napa BEER>へ遊びに行くと、マスターが突き出しとして例の如く洋風なお店の雰囲気から浮いてしまっている純和風メニュー・芋煮を提供してきた為、怪訝とした錦ちゃんはつい興味をひかれて「何これ?」と尋ねます。すると、何でもマスターは休日を利用して山形県へ立ち寄った際に地元の芋煮会に参加したとの事で、その時に教わったレシピがあまりにもおいしかった為、お店でも大量に作ってやって来るお客さん全員に<WINE Napa BEER>特製の芋煮を最低でも一杯は振舞いようにしているのが原因だとマスターは得意気に語っていました(「マイブームを堂々と店内に持ち込む」のは、マスターの困った癖の一つです;。けれども、探せば案外そういう店主ってゴロゴロいそうな気がします^^;)。マスター曰く、今では東北全域にて秋の風物詩として知られている芋煮ですが、どうやら元祖は山形県で作られている牛肉を使った醤油味がベースとなった芋煮みたいで、錦ちゃんが言うには「シンプルな材料と味付けだけに、一つ一つの素材の味が生きてるね(・∀・)」という昔懐かしい美味しさとの事でした。この他にも、味噌味の芋煮・豚肉の芋煮・ごぼうやきのこを入れた具沢山な芋煮など多種多様な味の芋煮が東北各地に存在すると作中でご紹介されており、芋煮の主役である煮込んだ里芋が大好きな当管理人は「全部食べてみたい…(´Д`*)」と内心ワクワクがとまらなかったです。
東北地方で昔から伝わっている秋の風物詩・芋煮会
 しかし、ルミちゃんは「マスターったら調子に乗って、こんなに作っちゃったんです」と寸胴鍋を目の前にして呆れ半分困り半分の表情で、錦ちゃんにこの芋煮を使ったアレンジ料理は何かないかと相談します。ちなみにこの時、マスターは図々しい事にルミちゃんがそう言うやいなやすかさず「出来ればワインにも合うようなのがいいんだけど…(´∀`)」という難しい注文も、しれっとした顔で追加しています;。どうやら、一時のハイテンションで大量に作ったはいいもののいささか持て余し気味だった模様で、相変わらずの行き当たりバッタリな性格についつい苦笑してしまいました。まあ、何だかんだ言いつつもどうにも憎めない、逆に手伝ってあげたくなるような愛嬌をこのマスターには感じますので、こういう人徳を持つ方は得だよな~としみじみ感じます。
 案の定、錦ちゃんも「わかったわかった」と苦笑いしており、すぐにワイシャツの袖を腕まくりして手早くアレンジ料理を作っています。その際、錦ちゃんが用意したのが、この“芋煮のチーズ焼き”です!作り方は山形県風芋煮さえあれば大変簡単で、にんにくと赤唐辛子と共に汁気をきった芋煮を入れて炒め、それをバターをぬっておいたグラタン皿に盛りつけてチーズとパセリを散らしてオーブントースターで焼いたらもう出来上がりです。この料理には赤ワインがとにかく合うそうですが、豚肉&味噌味の芋煮で作った場合は白ワインにも合うみたいですので、色々な芋煮で試してみると新たな発見があって面白いかもしれません。あと、作中では“芋煮のチーズ焼き”を作る時にたっぷり余ってしまう煮汁を使った再利用料理・“芋煮の煮汁雑炊”のレシピもちゃんと用意されているため、まさに一石二鳥です(作り方はこれまたすごく簡単で、芋煮の汁にご飯と粉チーズを入れて煮込んだところへ溶き卵をタラ~ッと回しかけて半熟にし、仕上げに刻みネギを散らしたら完成です^^)。
 その後、試食中にマスターは「おお!こいつはいける!」「ありがとう錦ちゃん、これからはこのメニューをお店で出すよ」と大喜びして錦ちゃんに御礼を言うのですが、数日後に何とあまりに美味しかったからという理由で寸胴鍋いっぱいの芋煮を全てマスターが平らげていた事が判明し、「天高く、マスター肥ゆる秋か…」と錦ちゃんから思いっきり呆れられてしまうのでした;。
マスターの悪い癖・作りすぎが芋煮に対しても発動してしまってました;
 芋煮のシーズンは大分前に過ぎ去ってしまっていた為、時期はずれな再現は辞めておくべきか…と大いに悩みましたが、何度も読み返しているうちに辛抱出来なくなってきた為、自分の食い意地を恥じつつも遅まきながら再現する事に致しました。作中に載っているレシピ通り、早速作ってみようと思います。

 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、作中でご紹介されていた山形県風芋煮作り。油を中火で熱したお鍋に牛肉の薄切り肉を入れて炒め、段々牛肉に焼き色が着いてきたら水、一口大にちぎって塩もみをした後下茹でを済ませたこんにゃく、皮をむいて塩もみをして流水で洗っておいた里芋を投入し、アクを丁寧に取り除きながらしばらく煮込みます。この時、鍋の底にこびりついている牛肉の焦げ跡は煮物のいいお出汁になりますので、最初の内に一旦木ベラでこそぐようにして水に溶かし込んでおく事をお勧めします。
芋煮のチーズ焼き1
芋煮のチーズ焼き2
 アク取りが大体終わり、里芋が中まで煮えて柔らかくなってきたら醤油、砂糖、お酒を加えて混ぜ、さらに煮込みます。数十分後、食材に味がしみこんできたのを確認できたら斜め切りにした長ネギを入れ、ひと煮立ちさせます。やがて、長ネギがしんなり煮えてきたら山形県風芋煮の出来上がりです。すぐさま食べてもおいしいですが、一日寝かせて味をじっくり含ませてもまた美味です。
芋煮のチーズ焼き3
芋煮のチーズ焼き4
 次は、いよいよ“芋煮のチーズ焼き”作り。味をしっかり煮含ませた山形県風芋煮が入っているお鍋から芋煮の具をザルに取り出し、汁気を十分きっておきます。この作業をしておかないままだと中途半端な出来になりますので、数分間放置しておいた方が無難です。
 ※残った煮汁は、“芋煮の煮汁雑炊”として一味違った旨さに生まれ変わりますので、捨てずに大事にお鍋に取っておきます。
芋煮のチーズ焼き5
芋煮のチーズ焼き6
 フライパンに多めのオリーブ油、つぶしたにんにく、種を取った赤唐辛子を入れて弱火でじっくり熱を通し、時間が経ってにんにくがキツネ色になって赤唐辛子の辛味がオリーブ油に溶け出してきたら、両方ともフライパンから取り出します。そこへ、先程汁気をきっておいた芋煮の具を投入してザッと軽く炒め、こしょうを振って味付けしなおしたら適度なところで火を止めます(もう十分火が通っている食材なので、本当にサッとでOKです)。
芋煮のチーズ焼き7
芋煮のチーズ焼き8
芋煮のチーズ焼き9
 炒め終えた芋煮の具を、バターを薄く塗っておいたグラタン皿へ好きな量だけ盛り付け、ピザ用チーズと刻んだパセリを乗せてオーブントースターに入れて約十五分前後(トースターの個性によって時間は変わってきますので、最初はちょくちょく除いた方がいいです)かけて焼き上げます。
芋煮のチーズ焼き10
芋煮のチーズ焼き11
 チーズの表面に程よい焦げ目がついてきたらオーブントースターから取り出し、そのまま赤ワインの入ったグラスと一緒に食卓へ運べば“芋煮のチーズ焼き”の完成です!
芋煮のチーズ焼き12
 こんがりキツネ色に焼きあがったチーズの下に、見るからにほこほこしてそうな山芋や香ばしく焦げ目がついている牛肉がチラリと見え隠れしているのが食欲をそそります(^^*)。芋煮ならではの醤油の香り、にんにくのガツンとくる香り、チーズのとろけるような香りが渾然となった匂いが食卓に強く漂い、どういう風に美味しいのか期待が高まります。
芋煮のチーズ焼き13
 それでは、焼きたて熱々の内にいざ実食!いっただっきま~す!
芋煮のチーズ焼き14

 さて、味はと言いますと…赤ワインにぴったりな洒落た味で旨し!ごく平凡な芋煮が一転して重厚なおつまみに変身しており、食べ応えがあります!
芋煮を作ったマスターもお気に入りのアレンジ食
 にんにくのがっつりした風味と赤唐辛子のピリッとくる辛さが溶け込んだオリーブ油が全体になじんでいるせいか、どことなくイタリアンっぽい印象を受けました。基本的には牛肉のお出汁が効いた醤油ベースの和風あっさり味ですが、チーズの濃厚なコクや時折舌を程よく刺激してくるピリ辛味がプラスされている為、メリハリのある味わいへと変化していてまた違った美味しさが楽しめるのがよかったです。
 正直、こんなに手を加えたらそれぞれの食材の個性をシンプルに引き出している芋煮の良さを殺してしまうのではと冷や冷やしていましたがそんな事はなく、逆にその利点を残しつつ旨味を底上げしていたので感心しました。例えるとするならば「ペペロンチーノ風焼きチーズ芋煮」って感じで、和食でも洋食でもない不思議な無国籍料理です。
 作中でマスターが言っていた通り「ねっとりした里芋ととろけたチーズの食感がいい」感じで、里芋のホコホコした意外に力のある味をチーズのまろやかな塩気ががっちり受け止めていたのが大変美味でした。にんにく醤油炒め煮っぽい味付けになった牛肉も、すっかりクタクタに甘くなった長ネギも全部美味しかったですが、驚くべき事にこんにゃくがこの辛旨な味わいと一番よくマッチしており、一回煮た後に焼いたおかげで雷こんにゃくみたいな味になっていたのが美味だったです。

 後々、芋煮の汁を使って作中にてご紹介されていた雑炊を作ってみましたがこちらも大層美味で(画像は後日アップいたします)、粉チーズのコクと芋煮の奥深い旨みが凝縮された味わいがシメとしてぴったりでした。応用編として、芋煮を肉じゃがや筑前煮に代えて調理してみても何だかいけそうな予感がするので、近い内に試してみたいと思います。

●出典)『風流つまみ道場』 ラズウェル細木/芳文社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

『おかわり飯蔵』の“帝国海軍風スキヤキうどん”を再現!

 セブンイ○ブンの新商品・もちモチスイートリングドーナツの見た目とコンセプトが、某ドーナツチェーン店の某ロングセラー商品にものすごくそっくりなのに驚愕しました;。許可をもらっているのか、それとも半ば黙認状態なのか、個人的に非常に気になるところです…。
 どうも、こんなに衝撃を受けたのはガチャパンを見て以来な管理人・あんこです。

 本日再現する漫画料理は、『おかわり飯蔵』にて飯蔵さんが夜勤中に暖かくなれるようにと知人の中田さんに教えた“帝国海軍風スキヤキうどん”です!
帝国海軍風スキヤキうどん図
 飯蔵さんの自宅兼お店である<古道具屋JIN>の隣には小さなアパートがあるのですが、作中で社交的な飯蔵さんはそこの住人達とちょこちょこ交流を持ってはすぐに仲良くなっており、それが元でしょっちゅう悩み事を聞いたりしています。今回ご紹介する飯蔵さんのお知り合い・中田さんも、その中の一員。中田さんは岩手から弁護士になる夢を叶える為に上京してきて数年目に突入している司法試験受験生で、深夜にビルの中を警備するバイトを週五日こなしつつ日夜勉学に励んでいるのですが、既に過去二回試験に失敗しておりやや自信喪失&ホームシック気味。本当は人一倍寂しがりやなのに、自身の東北なまりに対するコンプレックスや内気な性格が災いして飯蔵さん達からの鍋パーティーの誘いに「参加しま~す!」と素直に参加出来なかった事をきっかけに落ち込み、ちょうどその頃勉強が行き詰っていた事や故郷の家族からの叱咤激励の電話があったばかりな事もあり精神的に段々追い詰められていきます(´Д`;)。
 確かに、寒い冬場に大勢でお酒を飲み交わしつつ熱々のお鍋をつつくのは心浮き立つ物がありますので、そういう訳にもいかずに食べるものといえばコンビニの冷えたおにぎりだけなのは想像すると結構寂しい気持ちになります…。最近はコンビニの食べ物もどんどん美味しくなってきているので、それなりに工夫をすれば充実した夜食ライフが楽しめそうな気がしないでもないですが(ちなみに、コンビニでそろう食材で作れるおすすめな夜食レシピはこちら)、やはり寒い時期は温かい物をワイワイ言いながら食べるのが何よりのご馳走なのかもしれません。それにしても、夜勤中の風景や心情を「夜中のビルって昼間のビルと違って、暗くて冷たくて…すごく寂しいんです。まるで、コンクリートの墓場にいるみたいなんですよ…」「そんなところに一人でいると、自分だけが世の中から取り残された気になるんです…」という秀逸な表現をした中田さんは、実はなかなか文才があるんじゃないかな~と個人的に思いました(いっそ、孤独な主人公を深夜がずっと続く世界で活躍させるラノベっぽい作品を書いたらどうだろうか…など、つい一方的に妄想が暴走してしまいました^^;)。
飯蔵さんの知り合い・中田さんは弁護士志望の警備員
 そんな中田さんの「鍋の残りで作ったうどんみたいに温かくて美味しい物が、夜勤中でも食べられたらな…」という悩みに答える為に、飯蔵さんが昔戦前の料理本から発見したと言って教えたのが、この“帝国海軍風スキヤキうどん”です。作り方はビルの給湯室でもさっと作れちゃうくらいお手軽で(ただ、フライパンとお鍋が必要なので荷物はかさばりそうです;)、バター・醤油・砂糖で味付けした牛肉とうどんを昆布・水・焼き豆腐・長ネギ・しめじ・しいたけを入れて煮ておいたお鍋に投入して味を調え、三つ葉を乗せたら完成だそうです。飯蔵さん曰く「帝国海軍は肉は別に味付けする」のが特徴との事で、こうする事によって肉の旨みを残しつつうどんやおつゆにも肉の旨みを染み込ませる事が可能になると説明されていました。
 その後、普段料理をしない中田さんは“帝国海軍風スキヤキうどん”を自分ひとりでも夜勤中に作る事が出来たのに感動して改めて飯蔵さんに感謝しつつ涙を流し、「自分から人との距離を作っていたら、人の気持ちが分かる弁護士になれない」「僕も飯蔵さんみたいに、分け隔ての無い人になろう…もっと積極的になって、いい弁護士になるんだ!」と生まれ変わったような顔になっていました(^^)。しかし数日後、中田さんが企画して開いた鍋パーティーの場では普通のお鍋ではなく“帝国海軍風スキヤキうどん”が用意され、「スキヤキうどんなら肉を取り合うこともないし、仲良く食べられるでしょ?ノーベル平和賞もののうどんなんです.:*゚..:。:.(・∀・).:*゚:.。:.」などというちょっとズレた考えを披露し、みんなから心の中で「大勢いるんだから、普通に鍋をすればいいのに…」と思いっきり突っ込まれていました;。
何と、昔海軍で作られていたというすき焼きうどんがあると飯蔵さんが紹介!
 最近めっきり冷え込んできて、夜は温かい料理が一番の贅沢になってきた為、ちょうどいい機会だと思い再現する事にしました。早速、巻末のレシピ通り作ってみます!

 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、牛肉の用意。フライパンにバターを入れて中火にかけ、バターが音を立てて溶け出したら牛肉を投入して両面を軽く焼きます。牛肉の表と裏の色が変わったのを確認したら醤油と砂糖を加えて味付けし、そのまま焦げ付かないようじっくり焼きます。牛肉にすき焼き風の味が染み込んだら、牛肉の用意は完了です(割り下を使わない九州風の調味だと思いました。『美味しんぼ』風に言うなら、小泉局長流ですね)。
帝国海軍風スキヤキうどん1
帝国海軍風スキヤキうどん2
 次は、うどんとおつゆの下準備。長ネギは斜め切り、焼き豆腐は縦に細長く切り、しいたけは軸を切り落として十文字の切れ目を入れ、しめじは軸を切り落として大雑把にほぐします。これらの具を、適度な大きさに割った昆布と水を入れて中火にかけ、沸騰させておいた小鍋に加えて煮ます。目安としては、この中では一番火が通りにくいしいたけに熱が通るまでです。
帝国海軍風スキヤキうどん3
帝国海軍風スキヤキうどん5
 野菜類に火が通ってきたら茹でうどん麺を投入し、おつゆに馴染ませながらゆっくり菜箸でほぐして混ぜていきます(茹で麺はほぐれる前は非常に千切れやすいので、最初からグリグリ混ぜずにゆっくり慎重にほぐすことをお勧めします)。やがて麺があらかたほぐれたら、そこへ先程炒めておいた牛肉を炒め汁を一緒に入れ、さらに煮ます。
帝国海軍風スキヤキうどん6
帝国海軍風スキヤキうどん4
 おつゆの味見をしながら醤油と砂糖で味の微調整を行い、すき焼きっぽい味を目指して自分好みの濃度に仕上げます。おつゆの最終確認が終ったらざっくり食べやすい長さに刻んでおいた三つ葉を投入し、少しだけ熱を通します。
 ※あんまりこゆい味だと後々胃にもたれやすいので、一口飲んで物足りないくらいがちょうどいいのではと思いました。
帝国海軍風スキヤキうどん7
帝国海軍風スキヤキうどん8
 三つ葉を入れて数十秒経ったらすぐさま火を消し、なるべく素早く丼容器へ具とうどんとおつゆを移せば“帝国海軍風スキヤキうどん”の完成です!
帝国海軍風スキヤキうどん9
 三つ葉の清涼感溢れる香りと、牛肉とバターの艶かしい香りが複雑に入り混じり、匂いを嗅いでいるだけだというのに思わずお腹が鳴ってしまうほど魅惑的な出来栄えです(´Д`*)。意外にもうどんが煮汁をそこまで染み込ませておらず、比較的白いままだったのが予想外でした。鍋焼きうどんよりもずっとボリューム感がある感じなのがたのもしく、ぷりぷりに煮上がったしめじとしいたけが見るからに食欲をそそります。
帝国海軍風スキヤキうどん10
 それでは、熱々の内にいざ実食!いっただっきまーす!
帝国海軍風スキヤキうどん11

 さて、味はと言いますと…本当にすき焼きを食べているみたいな気分になれて美味し!体がポカポカ温まる一品です!
体と心が温まって心底幸せそうな中田さん
 すき焼きのシメに食べるうどんをもう少しマイルドかつあっさりさせた感じのしみじみ美味しい味わいで、野菜類や牛肉の旨味を吸ってツルツルもちもちした噛み心地に仕上がったうどんがたまらないです(完全に柔らかいのではなく、味が染みつつも中心に弾力のあるしなやかなコシが残っているのが煮込みうどんの魅力だと思います)。
 心とろかすようなバターの風味がほんのり漂う和洋折衷のおつゆが意外にもうどんにぴったりで、牛肉から出たまったりコクのある濃厚なお出汁がベースになった甘辛醤油味が癖になる旨さでした。牛肉だけ別にして味付けしたせいか牛肉本来の美味さがちゃんと残っている上にすき焼き風の味が上乗せされ、単に煮込んだだけよりも肉汁がさらに味わい深くなっているのがいい感じです。
 外側はシャクシャク・中身はトロトロに煮上がった長ネギ、肉厚で噛むと歯をブリンッと押し返してくるしいたけ、シコシコキュッと小気味良い歯触りになったしめじ、噛み締めた途端にお出汁がジュッとにじみ出てくる焼き豆腐が甘塩っぱいおつゆと相性抜群で、うどんというよりはお鍋、もしくはちょっと豪勢な肉うどんを食べているような感覚になりました。全体的に少々濃いめでそこそこボリュームがありますが、三つ葉のしゃっきり鮮やかな食感と爽やかな香気が牛肉の癖を見事に押さえ込んで程よく調和させていた為、後口がさっぱりしているのがよかったです。

 気楽に一人前だけ作ってすき焼き気分を満喫したいという時には、このうどんが最適だと思いました。きのこをもっと沢山入れてみたり(エリンギと舞茸がおすすめです)、さらに鍋っぽさを出したい時には三つ葉の代わりに春菊を加えてみてもそれっぽくなるので一押しです(^^)。

●出典)『おかわり飯蔵』 原作:魚柄仁之助 作画:大谷じろう/小学館
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

『想い雲―みをつくし料理帖』の“ふわり菊花雪”を再現!

 当ブログの長ったるい割には不明瞭な文章をご存知の方々はとっくの昔にお気付きだと思いますが、当管理人はお世辞にも仕事が出来るとは言えない人間に分類されます。その為、数年前には「ここが駄目ならどこへ行っても駄目」「やるべき事から逃げて、楽な道を選ぶんだね」と言われて当然の叱責を受け、ある職場を退職した事がありました。その為、辞めた直後はこれ以上ないくらい落ち込んで消え入りそうな心境に陥ったのですが、ある年上の女性に相談した時に返された「その職場が駄目だったからって、何でその後の人生まで全否定されなきゃいけないの。人によって自分が活かせる場や生き方は全く違ってきて当たり前なんだから、それを探そうとする動きを全部逃げとしか決め付けられない奴の言う事なんか気にすんな」「我慢する事は大事だけど、矛盾する事を平気で突き付けてくる人間が幅をきかせる所は、いつでも逃げ出せる準備をしとけ。報われる可能性は絶望的だから」「他人を否定する事でしか自分を肯定出来ない人だと割り切ったらいい。いちいち気にしてたらキリがないよ」という言葉に一種の救いを感じ、肩の荷が少し降りて何とか立ち直り現在があります。もちろん、仕事をする以上は持続する責任感や改善案を追求する姿勢は必要なのは重々承知ですが、おかげでとことん落ち込んで身動きがとれなくなるという事はなくなったので、その方には未だに感謝し続けています。
 どうも、今となっては新卒時に厳しく指導された事を感謝している管理人・あんこです。

 今回再現する漫画料理は、『想い雲―みをつくし料理帖』にて澪ちゃんが江戸の粘りが少ない山芋だからこそ美味しく作れる料理として考案した“ふわり菊花雪”です!
『想い雲―みをつくし料理帖』  澪の鮎飯
 澪ちゃんが江戸にやって来て三年目、“「う」尽くし”を出して大好評を得た夏から数ヶ月経過して秋になった頃、<つるや>にまたもや危機が訪れます。実を言いますと初秋の時、元飯田町へ移転する前の<つるや>があった神田御台所町の跡地で、澪ちゃんに逆恨みをしている<登龍楼>の元板長・末松が澪ちゃん達に無断で<つるや>という屋号を騙り、美貌の女料理人を売りにしたパクリ&ぼったくり料理店を開いてお金儲けをしていた時期があったのですが(料理を作る末松と、それをあたかも自分が調理しているように見せる錦絵風の美人料理人がタッグを組んでいたお店で、味見をする時にわざと口紅を白い小皿につけるなどとお世辞にも食欲をそそられない描写があってつい苦笑してしまいました;。が、よくよく考えれば割高メニューが置いてあるメイド喫茶の先駆け的存在だったのかもしれません。末松、恐るべし!)、そのお店が食中毒事件を起こして人気歌舞伎役者・坂田寿三郎を食あたりで舞台に穴を空けさせた事で澪ちゃん達がいる本物の<つるや>までもが食中毒を起こした不衛生なお店だと江戸っ子達から誤解されて大いに非難され、いっぺんに客足が遠のくという非常に理不尽な事態に陥ってしまいます。おかげでお店は連日閑古鳥が鳴く始末で、それどころだけならまだしも暖簾に泥が投げられる・店先に芥がばら撒かれる・口汚い罵倒を浴びせかけられるなど、<つるや>の面々にとっては苦難の日々が続く羽目になります。はっきり言って、現代でも食品を扱うお店にとって食中毒が起きたという重い事実は余程の大手でない限り死刑宣告に近い物がありますので、正しい情報よりも根拠の無い噂話の方が幅を利かせやすかった江戸時代でこういう事件が起きたら尚更辛い立場だったろうと、読んでいて澪ちゃん達が気の毒で仕方がありませんでした(´・ω・`)。
 何とかしてまた客足を戻したいと悩んだ澪ちゃんは、少し前から構想していた「三方よしの日」をとうとう実行する事にします。「三方よしの日」とは、一言で言ってしまうなら「特別にお酒が飲めるお楽しみの日(三がつく日限定)」で、普段はお酒が飲めない決まりになっている<つるや>で物足りなく感じていたお客さん達にまた来て欲しいと思った澪ちゃんが近江商人の三か条である「売り手よし、買い手よし、世間よし」にちなんで名づけた、新しい試み。これをいいきっかけにして、<つるや>を懐かしむお客さんに勇気を持って足を伸ばして欲しいと考えた澪ちゃんの苦肉の策でしたが、そんな澪ちゃんの必死な想いと努力が通じたのか<つるや>は徐々にかつての勢いを戻していきます。この頃から、吉原の大手廓<翁屋>お抱えの料理人であると同時に、澪ちゃんの生き別れの友である野江ちゃんを影ながら守り続けている料理人・又次さんが「三方よしの日」の度に<つるや>へやってくる事が決まって定期的に登場するようになるのですが、武骨でちょっと怖い一面を持ちつつも本当は優しい心根を持つ又次さんと、ほのぼのしている<つるや>の面々が冬から春に向けて徐々に解けていく雪のようにそろりそろりと打ち解けていく過程がたまらなく温かな感じで、個人的には好きな組み合わせです(^^*)。
 実は「三方よしの日」初日、澪ちゃんは又次さんから店先でひときわ香りのいい食材を焼いて香りでお客さん達を中へ呼び込むという大変効果的な手法を目の前で学び(ちなみに、その際又次さんはなおも「ここは女料理人の店だろ?」といぶかしむお客さんに対して「俺が女に見えるのか?」というシュールな返答をしており、おかげで初見時は思いっきり噴き出してしまいました^^;)、それをヒントにあくる日はカマスの塩干し、またあるあくる日は松茸、またまたあくる日は味噌焼きおにぎりなど次々とそそる食材を七輪で焼き、見事お客さんの胃袋を鷲づかみにしていました。一見単純な戦略に見えるかもしれませんが、人間の五感の中で最も敏感な器官はズバリ「嗅覚」らしいので、とても説得力のあるエピソードだと思います。
 本日取り上げるのは、「三方よしの日」も常連客もすっかり定着してきた頃に、澪ちゃんが江戸でよく出回っている山芋だからこそ美味しく作れる料理はないかと又次さんと意見を交わし合い、夜が更けるのも忘れて二人であれこれ試行錯誤ながら完成させた“ふわり菊花雪”です。作り方は思いの他お手軽で、細長く切ってから布巾に包んで叩いた長芋・軽く茹でた菊花・塩を混ぜたものを合わせ酢で味付けしたヒラメの刺身の上にかけたらもう出来上がりです。澪ちゃんが言うには、大阪で主流だったつくね芋への慕情を「ないものは仕方がない。この山芋だからこそ作れる、ご飯にも熱燗にも合う料理を作りたい」という熱意がきっかけで生まれた一品だそうで、試食した源斎先生によって「山芋は体力が落ちた病人には何より」「菊花には魚の毒を消す力があるのです」と太鼓判を押されていました。
 前々から気になっていた料理で、初めて読んだ時から「秋から冬にかけて、いつか再現したい!」と熱望していた思い入れの強い料理でしたので再現を決意しました。早速、巻末レシピ通りに作ってみようと思います。

 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、各食材の下ごしらえ。長芋はやや厚めに皮をむいてしばらく酢水に浸し、鰹と昆布でとった合わせ出汁・お酢・醤油をよく混ぜて合わせ出汁を用意しておきます。
 ※使用するお酢は特に指定されていなかったので何でもOKですが、なるべく菊の香りを最大限に活かせるようにスタンダードな米酢を使われることをお勧めします。
ふわり菊花雪1
ふわり菊花雪2
 食用菊(黄色と紫色の物がありますが、このお料理では黄色の方を選択します)は花びらをちぎり、色落ち防止の為に塩とお酢を入れて沸かしておいた熱湯へ放ち、さっと茹でたらすぐに冷水へ入れて冷やします。荒熱が取れたらキッチンペーパーか清潔な布巾のどちらかで優しく絞り、余分な水気を取っておきます。
ふわり菊花雪3
ふわり菊花雪4
 酢水に浸けておいた長芋を取り出して包丁で細長い千切り状に切り、清潔な濡れ布巾にしっかり包んですりこ木で慎重かつ丁寧に叩きます。やがて、千切り状だった長芋があらかた細かくなったのを確認したら、濡れ布巾から取り出します(あんまり叩き過ぎても舌触りが残らなすぎて味気ないので、程ほどが肝心です)。
ふわり菊花雪5
ふわり菊花雪6
 この細かくなった長芋をボウルへ加えて塩で味を調え、絞った菊花を投入してさっくり混ぜ合わせます。これで、上にかける長芋は準備完了ですので、あとはラップをかけてから冷蔵庫にいれて冷やしておきます。物が物なだけにあまり日持ちしないので、出来る限りその日の内にすぐに食べるようにした方が無難です。
ふわり菊花雪7
ふわり菊花雪8
 黒いお皿(もしくは小鉢)に薄く切ったヒラメの刺身をなるべく高く盛り付け、上から合わせ酢を回しかけます。なお、ヒラメのお刺身の量が多い場合は重ねる行程の途中で二~三回に分けてかけた方が、まんべんなく味がついて食べやすくなります。
 ※もしヒラメが手に入らなかった場合は、他の白身魚でも代用可能です。
ふわり菊花雪9
ふわり菊花雪10
 ヒラメの刺身に合わせ酢をまんべんなくかけ終えたら、冷やしておいた菊花入りの長芋をふんわりとかけてそのまま食卓へ運べば“ふわり菊花雪”の完成です!
ふわり菊花雪11
 ふわっふわで真っ白な雪状へと変化した山芋に、目にも鮮やかな黄色の菊の花びらが所々に混ざりこみ、何とも言えない高貴な印象を受ける一品です。<つるや>のある常連さんは、一目見て「新造つきの花魁」という表現の仕方をしていますがまさしく言い得て妙で、思わず膝を正してお行儀よく食べなければいけないような気分にさせられるお料理でした。とろろよりもクリームの泡みたいなふんわり感が出ているのが驚きで、一体どういった味がするのか興味津々です。
ふわり菊花雪12
 それでは、山芋とヒラメねっとりと絡め合わせていざ実食!いただきます!
ふわり菊花雪13

 さて、味の感想ですが…今までに食べた事がない新しい味わいで、かなりおいしいです!白身魚好きには堪えられない、どことなく料亭を連想させる一皿です!
 噛み締めるごとに菊の典雅で気品溢れる香気が口の中へスーッと広がっていく為、作中で美緒さんが言っていた通り「とても雅な気持ちになる」感じがします。シャキシャキサクサクと不規則ながらも大変小気味良い食感と、ふんわりトロリとしたなめらかな舌触りが一体化した不思議な口当たりで、これは山芋そうめんととろろのいい所取りをした名調理なのではと思わず舌を巻きました。この程よい粘りがついた菊の香り漂う山芋をヒラメに絡ませて食べると、山芋のヌルヌル感とヒラメのシャッキリ感が交互に押し寄せて来る為、溜め息ものな旨さです。山芋全体にうっすら塩気が効いているのがあっさりしたヒラメの身にちょうどよい味付けを施しており、食べれば食べる程余韻が深まる完成度の高い逸品でした。
 薄くそぎ切りにされてもなおシコシコした弾力のある歯触りを失わないヒラメの淡泊かつ上品な脂が美味で、上からかけたお酢で身がほんのり引き締まっているせいかさっぱり食べられます。鰹と昆布でひいた出汁の奥深い風味と、旨酸っぱい味わいが印象的な合わせ酢がヒラメ本来の奥ゆかしい美味さを見事に引き出しており、品がいいゆえに調味料によってはすぐに半減してしまうヒラメの繊細な味が活きているのに感嘆しました(なので、個人的にポン酢よりも合わせ酢の方がヒラメと相性がいいように感じます)。一言で例えるならば「ヒラメの菊花散らし旨酢山かけ」ってイメージで、ほんの一口で優雅な気分が楽しめる粋な料理でした。

 ヒラメをタイやスズキに置き換えて作ってみても合うとのことですので、四季折々の白身魚を使用してこしらえてみると味に違いが出て面白そうです。また、山芋ではなく大和芋で作ってみても独特の美味しさになるとのことでしたので、機会があれば是非試したいです(ちょっと勿体無いかもれませんが、自然薯を使ってみてもおいしそうですね)。

●出典)『想い雲―みをつくし料理帖』 高田郁/角川春樹事務所
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

『蛍のレシピ』の“クールブイヨンのイクラ丼”を再現!

 先週相方さんがふらりと実家に戻った時、夕食の席で妹さんからほうれん草のキッシュをご馳走になったそうですが、洋風の料理に疎い相方さんが「キッシュって何?」と聞いた時に妹さんが「洋風の卵焼き」と返答したと聞いて「キッシュってそんなもんだったのΣ(゜Д゜;)?!」と今更ながら驚きました。…が、実際にネットで調べてみると確かに外国版卵焼きといえなくもないレシピばかりだったので、改めて妹さんの説明力の的確さに感服しました。
 どうも、長い割には分かりづらい駄文しか書けない暦二十余年の管理人・あんこです。

 本日再現する漫画料理は、『蛍のレシピ』にて主人公・山野辺蛍さんが「旬」をテーマとした料理対決の際に作った“クールブイヨンのイクラ丼”です!
クールブイヨンのイクラ丼図
 『蛍のレシピ』とは、出張料理やフードコンサルティングのお仕事をしながら全国を駆け巡り、別名「奇跡の舌を持つ男」とまで称されている凄腕のシェフ・山野辺蛍さんが主人公の放浪系料理漫画で、様々なお客さんの多種多様な調理依頼を蛍さんがいとも簡単に応えていく様が見物な作品です。山野辺蛍さんの経歴はぱっと見るだけでもびっくりする程きらびやかで、出自は日本でも屈指の料亭≪いせ兆≫次期三代目の跡取り息子、修行先はフランスの三ツ星レストランで最終的には料理長にまで上りつめており、その他にも中華料理人・寿司職人・バーテンダー・ラーメン屋としてもプロ並の腕を持っているという、ある意味「外食業界の総合デパート」と呼びたくなるくらいの才能ぶりです;(初見時、料理漫画界で山野辺蛍さんに対抗できるのは『ダシマスター』だけではないだろうか…と内心唸ったのを覚えています)。
 ただ、実を言いますとこの主人公、料理の腕はかなりの物なのですがいささか職業不祥っぷりが激しく、ある時は「レストランホームズ 山野辺蛍」と印刷された名刺をいたって真面目な表情で依頼人に渡したり、新宿内のとある公園で堂々とラーメンスープを煮炊きしていたりお店の売り上げ盗難事件の犯人探しをする探偵もどきの事までやってのけたりと、正直堅気の料理人とは思えないような多彩な活躍っぷりなので、時折「自分は一体、何の漫画を読んでいるんだろうか?」と頭の中がはてなマークだらけにさせられるのが唯一の難点です(^^;)。実際、『蛍のレシピ』の副題は「美食家探偵ホームズの事件簿」というなかなかカオスな題名なので、混乱すること必至です。
奇跡の舌を持つ男と呼ばれた三ツ星シェフ実は、日本屈指の料亭の跡取り息子だったりもします;
 今回再現するのは、色んな意味ですごいシェフ・山野辺蛍さんが同じく幻のシェフという異名を持つ男・立松信介さんとの<秋にしか楽しめない旬の味>をテーマにした料理勝負の時に出したある一品。立松信介シェフとは、今作の中で「生まれながらのロティスール(焼き肉師)」「TV番組・グルメチャンピオンで優勝した料理人」「日本人初の三ツ星シェフ」と呼ばれている有名人で、山野辺蛍さんにとってライバル兼いい友人として登場した人物。一見大人しそうな常識人に見えますが、ほぼ初対面だった山野辺蛍さんに対して「あなたが山野辺蛍さんですね。随分探しましたよ」などと唐突に語りかけ、「よかったら私と勝負してもらえませんか?テーマは旬の味」「場所は私の店で、明日の3時。来るまで待ってますから(^^)」と推定時間約三分余りで挑戦状をたたきつけて颯爽と帰るという、ある意味ものすごくエキセントリック…もとい、自由人なキャラです;。
 ちなみに、肉を常に極上の状態で焼き上げる事ができるロティスールとして大成するかどうかは、努力というより本人の生まれ持った素質や感性によるものが多分に大きいとの事。確かに、肉がうまく焼けたかどうかのタイミングは調理とはまた違った技術が必要ですので、大いに納得です。
前置きなしで、いきなり料理勝負の挑戦状を叩きつける立松シェフ
 立松シェフはそのロティスールとしての能力をフル活用し、渾身の“鴨肉のロースト ジロール茸添え”を作り上げますが、一方山野辺蛍さんが作ったのは、何と前日の夜から仕込んできたイクラを使った“クールブイヨンのイクラ丼”!作り方は普通のイクラの醤油漬けとはちょっと違う独創的なもので、合わせ出汁の代わりにクールブイヨンというフレンチでよく使われる野菜のお出汁と醤油を調合した漬け汁でイクラを漬け、一晩たったら炊き立ての新米のコシヒカリの上に海苔やワサビと共に乗せて出来上がりという変化球のレシピ。クールブイヨンとは、直訳すれば「短いお出汁」という意味で、玉ねぎ・にんじん・セロリ・レモン等の香味野菜をさっと短く煮立ててとるお出汁で、魚の生臭みを取って爽やかな芳香をつける為魚料理によく合う調味料だと作中では語られていました。が、やはり通常は白身魚に使用するのが主流とのことで、イクラの下味に使うのは前代未聞だと立松シェフは感心していました。
 かくして、温かい鴨料理と冷たいイクラという一見正反対ながらも共に秋が旬真っ盛りな二つの料理の優劣は最後までつかず、どちらも美味しいという事で勝負は引き分けに終わります;。引き分けだと中途半端だからどうもしっくりこない…と思われる方も多くいらっしゃるかもしれませんが、山野辺蛍さんと立松シェフ曰く「勝ったらお終いなんて勝負、つまらないですよ」「どうせなら、負けたほうがいい。その方がもっと高みを目指せるからね」だそうで、シンプルながらも深い名言で締めくくられていたのが印象的な一話でした。
魚料理との相性が抜群なお出汁・クールブイヨン
 イクラ料理はつい最近に一度再現したばかりですので、「しまった、また被ってしまった」と『孤独のグルメ』の五郎ちゃん状態になるのを恐れて躊躇していたのですが;、この機会を逃したらまた来年の秋まで待たなければいけなくなる…と一念奮起しました。幅の狭い退屈なブログで恐縮ですが、お付き合いして頂けますと幸いです。

 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、クールブイヨン作り。大鍋に水、白ワイン、白ワインビネガー、ザク切りにした玉ねぎ、にんじん、セロリ、パセリの茎、ブーケガルニ、ローリエを入れて二十分以上煮込み、出汁をとります。この時、まだ短時間しか煮ていないはずなのにかなり濃厚な野菜の甘やかなようですっきりした香りがプンと漂ってくる為、正直子の香りをかぐ為だけでも作ってよかった~と心が洗われるような心境になれます(^^*)。
クールブイヨンのイクラ丼1
クールブイヨンのイクラ丼2
 そこに、レモンのスライスと粒黒こしょうをお好みで入れ、十分~十五分程度アクを取りながら丁寧に煮出したら火を止めます。清潔なネル地の布巾でお出汁を慎重に漉し、そのまま自然に覚ましたらクールブイヨンの出来上がりです。白身魚の臭みを取るのに最適なお出汁と言われるだけあって確かにいい香りで、思ったよりレモンの酸味が勝っていないので料理に幅広く使えそうです。
クールブイヨンのイクラ丼3
クールブイヨンのイクラ丼4
 クールブイヨンを冷ましている間、こちらの記事でご説明したような下ごしらえを行ってイクラの臭みの原因を取り除きつつ一粒一粒優しくほぐし、最後に塩を振って流水をかけつつざっと混ぜます。そして、ザルにあけたら最低でも五分くらい放置して水気を落としておきます(この時余分な水分を取らないと、仕上がりが生臭くなってしまうので欠かせない作業です)。これで、イクラの下準備はOKです。
クールブイヨンのイクラ丼5
クールブイヨンのイクラ丼6
 次は、漬け込み作業。クールブイヨン、煮切った日本酒(より洋風にしたい場合は煮切った白ワインでも可)、醤油を好きな割合で混ぜ合わせて漬け汁を作り、この漬け汁へ先程下ごしらえを済ましておいたイクラを投入します。軽く混ぜたらフタをし、そのまま一晩寝かせて味を染み込ませます。
 ※一晩経過した時点でも十分美味ですが、三日くらい漬けこんだらさらに深い味わいになるのでこちらも推奨します。ただ、醤油漬けとは違い、お出汁を配合した漬け汁に入れたイクラは痛むのが早いので、一週間前後で食べきった方がいいです。
クールブイヨンのイクラ丼7
クールブイヨンのイクラ丼8
 一晩たったらイクラを漬け汁から取り出し、炊き立ての新米コシヒカリをよそった丼の上にかけて刻み海苔とワサビを飾り付ければ“クールブイヨンのイクラ丼”の完成です!
クールブイヨンのイクラ丼9
 イクラの醤油漬けよりも大分明るい色合いのキレイなオレンジ色で、見るからに食欲をそそられました。イクラ特有の少々癖のある匂いよりも、白ワインと野菜の煮汁が組み合わさった品のいい香りがふんわり漂うのが好印象です。見た目はどう見ても和風なのに、香りは全くの洋風なので、一体どういう味がするのか予測出来ませんでした。
クールブイヨンのイクラ丼10
 それでは、出来たての内にいざ実食!いっただっきまーす!
クールブイヨンのイクラ丼11

 さて、味はと言いますと…醤油漬けとはまたひと味違っていて美味し!和風な見た目を裏切り、どことなく洋風な味がします!
 イクラの醤油漬けは濃厚なイクラ本来の旨味が醤油のストレートな味付けでしっかり際立つ大人の味ですが、このイクラは醤油の他に野菜の香り高い出汁が効いたクールブイヨンをたっぷり使用した為、ほのかに野菜の優しい甘みが染み込んでマイルドに仕上がっているのが特徴的です。
 作中で言われている通り、レモンやパセリのすっきり爽やかな風味、セロリや香草類のキレがある清涼感漂う香りがイクラにありがちな独特の匂いをほぼ打ち消しており、生臭さをほとんど感じさせないのに感心しました。純然たる和食というよりは洋食やイタリアンに使用出来そうな和洋折衷の面白い味わいで、海産物にありがちな特有の癖が弱い分どんな料理にも合いそうです。ただ、その分イクラの潮の香りが消えているとも言える為、イクラ好きな方にはちょっと物足りないかもしれません。
 イクラのまろやかなコクがプチッと弾けた途端、醤油の深い塩気とクールブイヨンのふくよかな旨さが一気にとろける為、醤油漬けにするよりもさらに複雑な味わいになっていました。野菜のブイヨンの味は意外にもそこまで強くなく、あくまでイクラを引き立てる為の脇役といった風の淡い感じでしか主張しませんが、おかげでイクラの味とケンカせず見事なバランスで調和しています。クールブイヨンとイクラのエキスが混じってとろみがついた漬け汁がご飯に絡んで、「イクラと香味野菜の出汁が効いたあんかけご飯」風になっているのがまた美味ですし、わさびのツンとくる辛味や海苔の磯風味がいい箸休めになっていました。

 全く新しいタイプのイクラ丼で、個人的にとても勉強になる再現でした。あっさりした後口なので、お子さんや海産物が苦手な方にもそこまで抵抗感なく食べていただけそうな丼です。醤油漬けよりも塩分が抑えられるのが嬉しいですし、色んな方におすすめしたい調理法です。

●出典)『蛍のレシピ』 原作:まりあ志優 作画:市川智茂/双葉社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

『華中華』の“戻り鰹チャーハン”を再現!

 部屋の大掃除をしていた時、クローゼットの奥からアルバムが出てきてしばしノスタルジーに浸りました。幼かった頃の自分と今の自分とを見比べて「老けたな~」と思ったり、今の知人達の風貌を思い返しながら当時の写真を見返して「変わったな~」「全然変わってないな~」という二択の感想を抱いたりと結構楽しかったですが、大学卒業式の日に撮った記念写真に映っている猪八戒のような自分の顔を見てやっと現実に戻り、過ぎ去った昔の事よりもドンドン肥大している現在の体型の方を何とかせねば、という結論に達しました。
 どうも、先日アンパンマンに似てきたと指摘されてショックを受けた管理人・あんこです。

 今回再現する漫画料理は、『華中華』にてハナちゃんが数ヶ月ぶりに再会したお友達・玉環さんの為に作った“戻り鰹チャーハン”です!
戻り鰹チャーハン図
 前回、康彦さんと慌しい休日を過ごしてろくに眠れなかったハナちゃんはうっかり電車の中で爆睡し、横浜中華街付近で降りるはずが正反対の位置にある成田空港駅に到着してしまいます。そのおかげで、こっそり朝早くに寮に戻って外泊がバレないようにする計画がおじゃんになってしまった上に満点大飯店へも大幅に遅刻してしまう事が確定してしまい、「下手すると、クビになっちゃうかもしれない…」とハナちゃんは途方に暮れます。この時一緒にいた楊貴妃さんは、何百年も幽霊をやっているせいかどっしり大きく構えて「別にいいじゃないか、あんたには上海亭も嫁ぎ先の家もあるんだから!」などといとも簡単にあっけらかんと言ってのけますが、この度の極秘結婚に関して大きく力になってくれた満点大飯店の上司・陳料理長の元で基本の中華をみっちり学びたいと考えているハナちゃんはどうしてもそうは思えず、今からでも急いで出勤して駄目元で謝ってみる事を決意します。
 しかし、決意していざ横浜中華街へ向かおうとしたハナちゃんの前に、思いがけない救世主が現れます。その人の名は、中国でも有数の巨大投資グループの筆頭格である楊社長の一人娘・楊玉環さん!まだハナちゃんが満点大飯店で働き出した物語初期の頃、中国進出を目論んだ満点大飯店の現オーナーが楊グループから援助をしてもらう為に友好の証兼調理見習いとして財閥一族から預かったのが玉環さんで、何と楊貴妃さんの実家の血を引き継ぐ末裔だという触れ込みで来日していました(←が、楊貴妃さん自身の口で「嘘ね」と一蹴されています;。というのも、楊貴妃さんの一族はかの有名な安史の乱の際に一人残らず抹殺された為、子孫が残っている訳がないとの事。仕方がない事とは言え、楊貴妃さんの心境を考えると少し切なくなります)。当初は「わらわ」「~じゃ」「~ぞよ」というまるで時代劇のお姫様のような日本語を使う、どこか抜けていてちょっぴりわがままな典型的お嬢様のように振舞ってた玉環さんですが、結婚する為に中国へ帰る事になった際にそれは周囲を欺いて満天大飯店のあらゆる技術を盗み取る為の仮面だった事をハナちゃんに打ち明け、最後の最後でお互いの本当の姿を分かり合ってから帰国していきました。ちなみに、どうしてハナちゃんだけに心を開いたかと言うと、ハナちゃんだけが玉環さんに対して打算なしに心優しく誠実に接してくれたからとの事。、ここら辺のくだりを読むと、ハナちゃんの人徳の素晴らしさをしみじみ感じ取ると同時に、たとえ相手がどのように応対してきたとしても誠実にあろうとする寛容の心の大切さを実感します。
思いがけず着いた空港駅で、これまた思いがけない再会をしたお二人
 実は、玉環さんはハナちゃんのチャーハンをもう一回食べる為に再び上海を発って日本へやって来たとの事で、ハナちゃんから事情を聞くやいなやすぐさま満点大飯店のオーナー室へ直行して「急な来日でそなた達に断る時間がなく、急遽お華に空港へ迎えに来させたのじゃ」と言って見事ハナちゃんの遅刻を不問にさせ、その上丸一日ハナちゃんをお店から連れ出す許可までとっていました(^^;)。相変わらず強引な性格だな~と苦笑しつつ、上海に帰ってからもなおも変わらない様子に安堵させられる一コマです。
 こうして、玉環さんの機転のおかげで何とか窮地を脱したハナちゃんは心底ほっとし、「横浜へ戻ってきた私に、相応しい食材でチャーハンを作って欲しいの!」という玉環さんの希望をかなえる為に一日かけてデパートめぐりをします。この時、お二人は宮崎産のブランドマンゴー・松坂牛・本マグロの大トロなどの高級食材を目の前にして様々な会話をしているのですが、お二人の金銭感覚の違いや昨今の食事情が垣間見えてなかなか面白いので、個人的にはおすすめなエピソードです(特に、かの有名なマンゴー≪太○の卵≫の値段を見てハナちゃんが「あのマンゴー二個分が私の給料…(´ω`;)」と苦笑いする場面は、ハナちゃんの苦労が垣間見えて何だか不憫な気持ちになりますorz)。
デパートで、玉環さんにぴったりなチャーハンの食材探し
 そんなこんなで食材選びに大分迷うハナちゃんでしたが、ひょんな事がきっかけで「美味しければ高くてもいいんじゃないの?」と如何にもブルジョワっぽい発言をした玉環さんに対して「五百円で召し上がってもらい、元気を出していただく…それが上海亭のチャーハンなんです!」「上海亭では、安くて美味しくて元気の出る料理以外、作りたくないんです」と言い返したのをきっかけに、今が旬で安くておいしく、しかも戻ってきた玉環さんにぴったりなのは戻り鰹だ!とチャーハンのアイディアが閃きます。こうして、喜び勇んで上海亭へやって来たハナちゃんが期待に胸を膨らませて見守る玉環さんの目の前で手早く作り上げたのが、この“戻り鰹チャーハン”です!
 作り方は比較的簡単な方で、にんにく・しょうが・青じそ・長ネギ・醤油・お酒・みりんで仕込んだ漬け汁に漬け込んだ戻り鰹を溶き卵に浸けてからさっと焼いて取り出し、それを基本チャーハンに混ぜ合わせたらもう出来上がりです(実を言いますと、香味野菜を入れてたたき風に仕上げる事を即興で思いついたのは、上海亭のおじいさんの発案。こんなに手軽に味を向上させるとは、さすがプロですね^^)。ハナちゃん曰く、「旬の戻り鰹はお安い」んだそうで、これなら旬を大事にする日本人らしさを演出できる上に味の割には安く出す事が可能との事でした。確かに、旬真っ盛りの食材は安くて美味しいと一石二鳥なので、これを日頃の食卓に活かさない手は無いと思います(^^*)。
 その後、“戻り鰹チャーハン”は玉環さんに「凄く美味しいわ。こんなに美味しいチャーハンは、中国では味わえない。ハナちゃんにしか作れないわ!」と大絶賛されますが、皮肉にもこのチャーハンの美味しさが玉環さんにある決意を固めさせることになります。それは、「上海万博に向けて出店するチャーハン専門店の総料理長になって欲しい!」という、今のハナちゃんからすればとても応えられない壮大な野望。何でも、元々玉環さんはこの話をハナちゃんに持ちかける為に来日したとの事で、今の私では無理ですと断るハナちゃんに対して「嫌とは言わせぬ(`・ω・´)!わらわはそちをスカウトする為に戻って参ったのじゃ!」「ま、どうせそなたが満点大飯店に遅刻した本当の理由を言えばクビじゃろうからのぉ~!」と、とうとう脅しまでかけてくる非常にまずい事態に陥ってしまいます;。果たして、このままハナちゃんはなすすべも無く上海へ半ば引きずられるようにして総料理長にされてしまうのか?!それは、次のお話で語ろうと思います。…それにしても、女性が主人公の漫画だと大抵結婚を機に周辺が落ち着いてくるパターンが多いというのに、ハナちゃんの場合は逆にトラブルばかりで一向に落ち着く気配が無いので、少々気の毒になります;。
漬けにした戻りカツオを、溶き卵につけて焼くのがミソです!
 戻り鰹の時期はもうそろそろ終わりに差し掛かってきているため(九月~十一月が戻り鰹の旬です)、せっかくの旬が終ってしまう前に作らねば!と一念奮起しました。巻末のレシピ通り、早速再現してみようと思います!

 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、戻り鰹のヅケ作り。平たい容器かバットに醤油、日本酒、みりん、おろしにんにく、おろししょうがを入れてよく混ぜ、大雑把な千切り状にした青じそと刻んだ長ネギを投入してざっと混ぜ合わせます。味の濃さは各々のお好みでOKですが、あんまり濃すぎるとしょっぱくなって戻り鰹本来の味が損なわれてしまうので要注意です。これで、漬け汁は準備完了です。
戻り鰹チャーハン1
戻り鰹チャーハン2
 この漬け汁へ、厚さ一センチの刺身状に切った戻り鰹を隙間無く詰めながら入れて漬け込み(ラップをぴっちりかぶせるとより浸かりやすいです)、約三十分以上放置します。これで、戻り鰹のヅケの出来上がりです!これは生のまま食べても美味なので、この時点で食べきっちゃうのもありです。
 ※漬け汁の濃さを舐めてちょうどよくおいしい程度に留め、一晩以上漬け込んでも味わいがさらに深まって美味しいです。
戻り鰹チャーハン3
戻り鰹チャーハン4
 この戻り鰹のヅケに溶き卵を衣代わりに絡め、熱したフライパンで素早く両面を焼きます。あんまり焼き過ぎると身がパサパサになってしまいますので、溶き卵が固まったくらいでささっと器に取り出すのがコツです。こうして下ごしらえをしておくと、漬け汁でチャーハンが水っぽくなったりせずにパラリと混ざりやすくなります(溶き卵ではなく、小麦粉か片栗粉をつけて焼いてもいいとレシピ欄にてご紹介されていました。)。
戻り鰹チャーハン5
戻り鰹チャーハン6
 次は、チャーハン作り。あらかじめ、中華鍋(又はフライパン)で以前に作り方をご紹介したハナちゃん流基本チャーハンのレシピ通りに基本チャーハンをさっと作っておきます。この基本チャーハンに、先程取り出しておいた卵の衣がついた戻り鰹のヅケ焼きを加え、鰹の身が崩れないよう慎重に優しく混ぜ合わせます。
 ※木ベラで混ぜるのではなく、鍋を数回ゆっくりあおって合わせるだけに留めてもOKです。
戻り鰹チャーハン7
戻り鰹チャーハン8
 戻り鰹のヅケ焼きと基本チャーハンが混ざったのを確認したら火からおろし、器へ丸く盛って青じそを原作の完成図通り飾れば“戻り鰹チャーハン”の完成です!
戻り鰹チャーハン9
 火が通って一段と香り高くなったにんにくとしょうがのいい匂いがたまらなく、すきっ腹の時だと否が応にも食欲が掻き立てられます。チャーハン自体は色味の乏しい茶色一色な為、そのままだとあまりそそられませんが、ここに青じその緑色がプラスされると、俄然美味しそうに見えます。
戻り鰹チャーハン10
 それでは、出来立てほやほやの内にいざ実食!いただきま~すっ!
戻り鰹チャーハン13

 さて、味はと言いますと…旬の戻り鰹の味わいが十二分に堪能出来て旨し!今の時期だからこそ楽しめる、秋らしいチャーハンです!
玉環さんもお墨付きな秋の味覚のチャーハン^^!
 鰹のヅケ焼きは鰹のたたきにかなり酷似した味なのですが、火が入る事によって濃厚な脂のコクがより際立って複雑な旨味に仕上がっており、中がほんのり半生でしっとりジューシーな為噛み締めるとハラハラと淡くほどけていくのが美味でした。一言で例えるならば、「鰹のたたき風さっぱりピカタ」ってイメージです。鰹の回りにくっついている卵の衣も鰹の旨味エキスを染み込ませていて優しい口当たりで、それが鰹をふんわり包みこんでいるのが思わず口元がほころんでしまう程おいしかったです。また、ヅケの漬け汁を存分に吸い込んだネギや青ねぎのしんなりジャキジャキした歯触りが大変小気味良く、いいアクセントになっていました。
 脂が乗った戻り鰹のこってりした旨味を活かしつつ、同時に適度にあっさりさせてもいたのがナイスな一皿です(←意外かもしれませんが、チャーハンと一緒に食すといい具合に中和されるのでそのまま食べるよりも箸が進みます)。にんにくのがっつり濃いワイルドな風味としょうがのすっきり爽やかな香りが染みた香味醤油味が鰹とぴったりで、おつまみ兼夕食とするには最適なチャーハンでした。中華風のようで和風という複雑な味わいで、ビールが進みます。鰹の奥深い出汁が漬け汁に溶け込み、それがチャーハンへ行き渡っているので全体の一体度がすごかったのが印象的でした。

 とにかくお酒がすすむ逸品で、特にビールとの相性が抜群でした!カツオのヅケ焼きはチャーハンにいれずにそのまま食べても美味ですので、おつまみとしても最適な料理です。カツオではなく、マグロの赤身部分を使って作ってみてもよさ気な気がしました。

○おまけ
 原作通り、青じそを上に乗っけるだけ…という見た目に抵抗がある方は、チャーハンを丸く整形せずにバラッと乗せて飾り付けたり、下の画像のようにチャーハンの周りに飾る事をおすすめします(^^;)。
戻り鰹チャーハン11
戻り鰹チャーハン12

●出典)『華中華』 原作:西ゆうじ 作画:ひきの真二/小学館
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

プロフィール

Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
 …『銀の匙』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『スイーツ本部長一ノ瀬櫂』
 …『旅のグ(2)月は知っていた』
 …『テルマエ・ロマエ』
 …『土曜日ランチ!』
 …『BAR・レモンハート』
 …『百姓貴族』
 …『ぶたぶた』シリーズ
 …『ベーグル食べない?~幸せカフェごはん~』
 …『飯盛り侍』
 …『夢色パティシエール』


○当ブログについて
 このブログで使用されている記事の画像、一部文章は、それぞれの出版物等から引用しております。
 引用物の著作権は全て作者様、出版社様等に準拠致します。
 もしご関係者様に問題のある画像及び記事がございましたら、御連絡頂ければ速やかに修正、削除等の対処を致します。

○お知らせ
・当ブログでは作品のネタバレを含んだレビューも同時に行なっておりますので、作品を未見の方はご注意をお願いいたします。
・各作品に掲載されているレシピの分量は、例外なく全て非公開にする方針を取っておりますので、ご了承の程をお願いいたします(←この件についてご質問頂いた場合、誠に失礼ながら下記の理由でご返信しない方針にしております)。

※現在、公私の多忙と、再現記事のペース維持を理由に、コメント欄へのご返信が出来ない状態が続いております。
 こういう場合、コメント欄は停止するべきなのかもしれませんが、励ましのお言葉やアドバイスを頂く度、ブログのモチベーションアップや心の支えとなったこと、そして率直なご意見や情報を聞けてとても嬉しかったこともあり、誠に自分勝手ながらこのままコメント欄は継続する事に致しました。
 図々しい姿勢で恐縮ですが、ご返信をこまめに出来なくて余裕がある分、ブログ内容を充実&長期的に続けられるよう力をいれる事で皆様のご厚意にお応えし、感謝の気持ちをお返ししていきたいと考えております。
※ただ、ご質問を頂いた際はなるべくお力になれるよう、すぐご返答できるように対処致します。

 応援して下さる方々に少しでも楽しんでご利用して頂けるよう、沢山の作品に触れるちょっとしたきっかけになれるよう、これまで以上に心掛けていきます。
 恐れ入りますが、よろしくお願い致します。

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