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『酒のほそ道』の“カニの卵白焼き”を再現!

 先日、近所にあるマンガ倉庫へ相方さんと一緒にぶらりと立ち寄ったんですが、何故か「クゥ~リスマスが今年もやぁ~ってくる~♪」とあの定番ソングが大音量でガンガンに流れており、ちょっと気圧されました;。
 数分聞くだけだったらほほえましいのですが、何度もエンドレスで聞くと結構精神的にクル物があるので、「もしかしたら、立ち読み客を追い払う為の対策なのかな…?」と少し疑惑の心が芽生えてしまいました。

 どうも、この時期になると昔投稿雑誌で読んだ「ゲームショップの店員さんに<天狗の花嫁というソフトはありますか?>と聞いていたおじいさんは、あの後無事にドラクエⅤを購入できたんだろうか…?」ネタを思い出す管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『酒のほそ道』にて主人公・岩間宗達さんが朧月の夜におつまみとして作った“カニの卵白焼き”です!
カニの卵白焼き図
 それは、ある朧月の夜の事。
 無性にカニを食べたい気持ちになったものの、値段の高さから断念した宗達さんは、本物のカニの代わりにカニカマやほぐし身のカニ缶を使って満足度100%の「なんちゃってカニ料理」を作ろうと心に決め、いそいそと帰宅します。
 確かにこの季節になると、一度くらいは奮発して思いっきりタラバガニや毛ガニを食べたくなりますが、宗達さんの言う通り目の玉が飛び出るくらい高いお値段で諦める事が多い為、大いに共感しました;せいぜい、最安値の冷凍ズワイガニを買って鍋の具の一つにするのが庶民の限界ですorz)。
 「なんちゃってカニ料理」と言っても、ほぐし身のカニ缶はフレーク状とはいえ一応本物のカニなので、ワンコインにも満たないお値段でカニの贅沢出汁がたっぷり効いた料理が楽しめるのはかなりお得な気分になれるんじゃないかな~と思います。
 ちなみに、このお話の後に載っているコラムで作者のラズウェル細木先生はカニカマを「逆に、あんまり本物に酷似していないところがいい。あんまり似てると、<ニセモノ><代用品>といった印象が強くなり、悲しくなっちゃうもんな」と話しており、カニカマはなるべく本物っぽい味の方がいい派な当管理人は少し衝撃を受けました;。
 よくよく考えれば、カニカマは純粋な意味での代用品というより、<カニカマ>という一つの食ジャンルが築けてしまえそうなほどカニとは違った魅力のある食材だと認知されてきた観があるので、ラズウェル細木先生の言いたい事は何となく分かるような気がします。
本物のカニではなく、カニカマとカニ缶でどこまで満足できるか挑戦する宗達さん
 カニカマやカニ缶の調理法といえば、当管理人はカニ玉・サラダ・スープorチャーハンの具くらいしかアイディアが出ず、実際宗達さんの方も無難なカニ玉を作っているのですが、それでも精一杯工夫してゴージャスになるよう調理しているので流石だな~と思いました。
 その中でも、一番個性的で目を引いたのがこの“カニの卵白焼き”!
 作り方はなかなかお手軽で、卵白・カニ缶・えのき・塩・水溶き片栗粉を混ぜた物をふわふわに焼き上げ、その上に生の卵黄をつぶしてかけたらもう出来上がりです。 味が非常に淡白な卵白とカニを合わせることにより、カニの旨味をさらに強調できる異色のかに玉との事で、別に卵黄をかけると一番安いカニ缶でもリッチな気分が味わえると作中で宗達さんが自画自賛していました(^^;)。
 似たような料理を挙げると中国の芙蓉炒蟹粉(カニと卵白の炒め物)がありますが、あちらは炒めた卵白の上に濃く味付けしたカニ餡を乗せるか、もしくは卵黄を使わずごま油やスープなどで調味するかとそこそこ手を加えた感じのレシピが大半なので、この“カニの卵白焼き”は和のテイストを強めにして日本人好みに仕上げた一品といえそうです。 

 こうして、宗達さんはカニカマ玉と“カニの卵白焼き”をおつまみにしてビールをガンガン飲み、お腹いっぱいになって「セールのカニカマとベニズワイ缶でこんなに満足出来るんなら、わざわざお高いカニなんか食わなくてもいいや」と豪語するのですが、そう言った瞬間に宅急便で親戚の叔母さんから送られてきたタラバガニが届き、「一足遅いんだよー!!」と嘆いていました;。
 やっぱり、本心では本物のカニの方が恋しかった模様です;。
卵黄と卵白に分けてふわっふわに仕上げるのがおいしさの秘訣だそうです
 奇遇な事に、当管理人も近所のスーパーでベニズワイのほぐし身カニ缶をいつも以上に安く手に入れられた為、再現と決意しました。
 早速、作中に載っていたレシピ通り作ってみようと思います!


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、卵白液の用意。卵を卵黄と卵白に分け、卵白が入っている方のボウルへ大雑把にみじん切りにしたえのき、ベニズワイのカニ缶、塩、水溶き片栗粉を加えてよく混ぜ合わせます。
 この時、混ぜるのが中途半端だとフワフワ感のあまりない寂しいかに玉になりますので、メレンゲとまではいかなくてもぶくぶく泡立った感じに仕上げるといいです。
 ※卵黄は最後に使うので、別皿に取っておきます。
カニの卵白焼き1
カニの卵白焼き2
カニの卵白焼き3
 次は、焼き作業。
 油をひいて熱したフライパンへ先程の卵白液を一点に集中して流し込み、焼き目がついた所をひっくり返しながらかき混ぜるようにして炒めます(←柔らかすぎていっぺんに返すのは不可能ですので、ちょこちょこ返した方がいいです)。
 この時注意するのは火加減で、弱火でジワジワゆっくり火を通していかないとすぐに焦げてボソボソになる為、火力を上げすぎないよう気をつけます。
 全体が半熟状になったら丸くまとめてすぐに火からおろし、お皿へ盛り付けます。
カニの卵白焼き4
カニの卵白焼き5
 卵白焼きの中心に卵黄をつぶした物(卵黄の皮みたいな部分は、そのまま使っても除いてもOKです)をトロ~ッとかければ、“カニの卵白焼き”の完成です!
カニの卵白焼き6
 正直、もっと淡い色合いを予想していたのですが、カニがうっすら透けて所々が薄ピンク色になっている卵白と、余熱でわずかに熱が入って輝くようなオレンジ色になっている卵黄の取り合わせがとてもキレイでした。
 水っぽくなるかと思いきやちっともそんなことはなかったですし、お酒のおつまみどころかご飯のおかずとしてもいけそうです。
 食べる前から既に美味しそうなので、期待大です!
カニの卵白焼き7
 それでは、熱々の内にいざ実食!
 いただきま~す!
カニの卵白焼き8


 さて、味の感想ですが…淡くて儚い口溶けの卵白が美味!安いほぐし身がここまで化けるとは衝撃です!
 一体どんな食感なのかと思い探ろうとしたものの、辛うじて固まったという風な極限までふわふわに仕上がった卵白は、口へ含んだ途端サッと舌になじんであっという間に溶けていった為、まるで淡雪か薄雲のようとしか例えようがありませんでした。
 卵白のわずかな塩気と、カニエキスのジューシーな甘さがゆっくり合わさって優しくとろけゆく様はまさに溜め息物で、思わず正座をして頂きたくなるような品のよさに溢れています。
 後に残るのはカニの味わい深い出汁の余韻のみで、「ここまでデリケートな口当たりのカニ玉は食べた事がない」とうっとりしました。
 この淡泊な卵白に、卵黄の濃厚でまろやかなコクが加わると口の中が一気に華やかになるのがバランスよく、程よいボリューム感が出ているのがよかったです。
 卵白と卵黄が別々になっている分、それぞれの特徴と良さがはっきりしているのが卵好きにはたまりません。
 カニのほぐし身のしっとりした歯触りと、えのきのシャキシャキした噛み応えが卵白の柔らかさとよく合っている為、ちょうどいいアクセントになって飽きを防いでいるのもいい感じです。
 何気にえのきからにじみ出た旨味成分が、塩味だけの卵白に奥行きを与えていたのに感心しましたし、シンプルながらもよく出来た一品だと思いました。


 全卵使用のカニ玉もとろとろでおいしいですが、気軽にゴージャス気分を味わいたい時はこちらの方がいいんじゃないかな~と思いました。
 レシピ通り一番安いカニ缶でも十分いいお味になりますが、本物のカニを使うとさらに高級感が増してご馳走感がアップしそうです(ただ、材料費がネックですね;)。

●出典)『酒のほそ道』 ラズウェル細木/日本文芸社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

『クッキングカンタンタン』の“たらこスパ”を再現!

 先日、ひょんな事がきっかけでFIFAワールドカップの勝敗結果を100%の的中率で予言したタコ・パウル君を思い出し、「その後どうなったのかな?」と思い調べてみたのですが、大会終了後の三ヵ月後に老衰で死んだと知り、合掌しました。
 各方面から「フライにしろ!」「シーフードサラダにしてくれ!」「パエリアにして食ってやる!」等の殺気立ったコメントがきた時は安否が心配されましたが、無事寿命を全うできた事に遅ればせながら一安心です。
 愛すべき元競走馬・ハルウララが消息不明で後味が悪い思いを経験していただけに、ほっとしました。

 どうも、一年前になでしこジャパンの勝利を言い当てた物のその後がパッとしない後継タコ・パウル君二世の安否が気になっている管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『クッキングカンタンタン』にて簡単でおいしいスパゲティとして富豪パパが紹介した“たらこスパ”です!
たけだみりこ先生流たらこスパ図
 三年前、“中華スパ”“ホタテのペペロンチーノスパ”“イタリア風ソーセージスパ鍋”をご紹介して以来ずっと再現していなかった『クッキングカンタンタン』の簡単スパゲティシリーズですが、どうせなら中途半端に終るのではなく全部作ってみようと思いなおし、やっと重い腰を上げました;。
 ちなみに、このスパゲティシリーズの大まかなエピソードはこちらに載っていますので、気になる方はチェックして頂けると嬉しいです(^^*)。
 今回ご紹介するのは、控えめそうに見えて実は現実的な長男・ヨシオさんに受け継がれた、やや個性的な“たらこスパ”です!
 レシピは、初見時だと思わず「んん?!」と二度見する事必至な作り方で、たらこ・マヨネーズ・醤油・レモン汁をボウルで混ぜて作ったソースを、適量の茹で汁とバターを混ぜ合わせたスパゲティの上にかけて海苔などのトッピングをかけたら出来上がりです。
 ポイントは、スパゲティが半分浸かるくらいに残した茹で汁の入った鍋にバターを直接入れて混ぜ、その汁ごとお皿に盛りつける事で、それまでの定番たらこスパゲティのセオリーから外れた斬新な作り方に当初は度肝を抜かれたのを覚えています;。
 一応調べてみた所、フランスではスパゲティの茹で汁にバターや生クリームを入れたシンプルなソースを作るという記述はあったものの、さすがにバター+茹で汁のみをそのままお皿に盛りつけるというやり方は見当たらなかった為、どうやらこのレシピはたけだみりこ先生の完全なオリジナルといえそうです。
 ちなみに、この作中で富豪パパは「一般的にたらこスパは、たらこに結構たくさんのバターや生クリームを混ぜるのが多いが、これはマヨネーズを少し混ぜてるだけ」「仕上げにバターと茹で汁を混ぜたものをかける事で、風味豊かでさっぱりジューシーなたらこスパとなるわけよ」と話しており、かなり自信満々の様子でした(^^;)。
 それにしても、六人兄妹中最も精神的ハードルの高くてオリジナリティの高いレシピを託されたヨシオさんは(次男のヨシヒロさんは“和風きのこスパゲティ”、三男のヨシカズさんは“カルボナーラ”と無難なレシピばかり)、特に目をかけていないように見えて実は富豪パパから密かに見込まれていたのかな~とつい深読みしちゃいました。
なな何と、スパゲティの茹で汁を半分残して和えるのがポイント!
 正直、何度も作るのを躊躇していたのですが、たけだみりこ先生のレシピは大はずれする確率が極端に低い信頼性の高いものばかりでしたので、腹を決めて再現する事にしました。
 幸い、ちょうどいつもなら高い価格設定のメーカーのたらこがセールで安く手に入ったので、早速作中のレシピを忠実に作ってみようと思います!


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、ソース作り。ボウルに皮からしごき取ったたらこ(皮が気にならない場合は、小さくぶつ切りにしてそのまま使ってもいいそうです)、マヨネーズ、醤油、レモン汁を入れ、なめらかなペースト状になるまでよく混ぜます。
 たらこは物によって塩気が異なってくる上、後々茹で汁の塩分も加わってきますので、味見をしながら慎重にどのくらいの塩加減がいいか確認した方がいいです。
たけだみりこ先生流たらこスパ1
たけだみりこ先生流たらこスパ2
 次は、茹で汁とスパゲティの用意。
 塩を入れた熱湯で袋に表記されているより一分短くスパゲティを茹でて火を消し、スパゲティに半分そこそこ浸かるくらいにまでお湯を捨てて減らしたらバターを鍋に投入し、菜箸で素早くかき混ぜます。
 ※ちなみに、下の写真は二人分作ったので茹で汁の量も少し多めになってます。
たけだみりこ先生流たらこスパ3
たけだみりこ先生流たらこスパ4
たけだみりこ先生流たらこスパ5
 お皿に汁ごとスパゲティを移してその上にたらこソースをかけ、仕上げにちぎった海苔と青のりをパラリと散らせば“たらこスパ”の完成です!
たけだみりこ先生流たらこスパ6
 微妙に作中の完成図とは違った感じに出来上がってしまい、少し反省しました;。
 パッと見は普通ですが、やはりよく混ぜ合わせた後でもお皿に汁気がたっぷりなのはちょっと違和感のある感じで、珍しく「本当に大丈夫かな…(´Д`;)」と心配になりました。
 ただ、匂いの方はごく普通のたらマヨスパと変わりはなかったので、恐らく味の方もOKだと信じて食べてみようと思います! 
たけだみりこ先生流たらこスパ7
たけだみりこ先生流たらこスパ8
 それでは、麺が延びないうちにいざ実食!
 いただきまーすっ!
たけだみりこ先生流たらこスパ9


 さて、味はと言いますと…意外と軽く頂けるスープ風スパ!まさか茹で汁がここまで見事に変身するとは驚きです!
 初めは「くどいか薄いかのどちらかだろうな…」と不安だったのですが、一口含んだ途端びっくりする程まろやかでちゃんと調味したみたいな旨味のスープ状に生まれ変わっており、驚愕しました。
 たらこの塩気とマヨバターの油分がしっかり調和し、まったりと膨らみのある甘塩っぱい仕上がりになっています。
 スープに溶け込むと何故かマヨネーズの酸味はほぼ飛んで逆にクリーミーさが強調され、バターの風味豊かなコクと茹で汁のとろみが加わる事により不思議とチーズっぽい味わいになるのが印象的でした。
 面白い事に、マヨネーズやバターを使っている割には結構あっさりした後味で、まるでマスタードの辛さのように最初ガツンときてすぐに引いていくという感じのちょうどいいコクなのがよかったです。
 一言で例えるとするならば「チーズクリーム風味のたらこスープスパ」で、作中で富豪が「さっぱりジューシー」と表現するのも頷けました。
 海苔と青海苔から漂う磯の香りがアクセントになって飽きを防ぐのもよく、食が進みます。
 牛乳や生クリームを入れているかのように錯覚してしまうスープとプチプチした食感がたまらないたらこがたっぷりアルデンテのスパゲティに絡み、安くお手軽に作れたとは思えない大満足な一皿でした。


 たったこれだけの材料でこんなに完成度が高いなら、充分満足です。
 たらこではなく明太子を使ってみてもいけそうですので、色々試してみようと思いました(ただ、バターをマーガリンで代用する事だけは絶対NG!とても食べられない代物になるので注意です)。

P.S.
 とりあえず、漫画『まかない君』と小説『立場茶屋おりき』シリーズを「再現料理を予定中の漫画」一覧に加えさせて頂きました。
 他にも、コメント欄にて『にがくてあまい』『おせん』『深夜食堂』『極道めし』などの作品をリクエストして頂いていますが、これらの漫画料理はかの有名なマンガ食堂のumebon様をはじめ、ネット上にて数多くの方が既に素晴らしい再現をなされていて「当管理人の出る幕ではない;」と腰が引けておりますので、現時点での再現予定はございません(『スーパー食いしん坊』は味っ子以上にアレなので…しばらく考えさせてくださいorz)。
 誠に申し訳ございません。
 ただ、こんな事をお話した上で言うのは図々しいのですが、リクエストをされる事自体はとても嬉しくて再現意欲が沸きますので、宜しければ今後もコメント欄にてお伝えして頂けますと幸いです。
 ※直接コメント欄にて料理名を指定された漫画料理は、材料及び文章が用意出来次第ぼちぼち再現していく予定ですので、気を長くしてお待ちして下さると大変助かります(^^;)。

●出典)『クッキングカンタンタン』 たけだみりこ/永岡書店
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

『せやしだし巻京そだち』の“ぐじの酒蒸し”を再現!

 先日、真鯛のアラ煮を食べている時に「鯛の中の鯛」を見つけたのに浮かれた当管理人は、早速洗って取っておこうと流水ですすいでいたのですが、少し残っていた身をとろうと力を込めた途端パキッと割れてしまいましたorz。
 今年中に、また見つける事が出来ればいいな~と願っています。

 どうも、明日二十七歳の誕生日を迎えるにあたり、「とうとうスパイクアナゴさんと同い年になるんだな~」と感慨深い心境になっている当管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『せやしだし巻京そだち』にて著者・小林明子先生が昔から冬になるたび作ってらっしゃる実家の定番料理“ぐじの酒蒸し”です!
ぐじの酒蒸し図
 『せやしだし巻京そだち』とは、一九六〇年代に京都の老舗呉服問屋で三姉妹の次女として誕生した生粋の京都人である著者・小林明子先生が、まだ幼く「アッコ(ちゃん)」という愛称で呼ばれていた幼少期を回顧して描かれた、リアル京都エッセイ漫画。
 まだ昭和の匂いが色濃かった頃、曾祖母・祖父母・父母・叔父叔母・姉妹・お手伝いさんの総勢十三名の大所帯で商家の娘として過ごされてきた小林明子先生だからこそ思い返せる、独特の京都事情や京都人らしい言動がユーモアたっぷりに書かれており、他県民の当管理人にとってとても興味深い一冊です。
 本作は春夏秋冬の四つにテーマを分けて書かれている為、おぼろげながらも本当に京都で一年を過ごしているような気分に浸れていい感じでした(ア○ゾンレビューにて「京都版ちびまるこちゃん」と表現されている方がいましたが、まさにそんなイメージです)。

 生粋の京都人エッセイといえば、まず第一に小林明子先生とほぼ同世代のグレゴリ青山先生が頭に思い浮かびますが、グレゴリ青山先生が庶民風&中高生時代のお話が主であるのに対し、小林明子先生は旧家風&小学校時代中心のお話ばかりでよりセピア色な仕様になっており、一味違った感じなのが面白いです。
 正直、『京都人だけが知っている』系の書籍に共通する強烈な自意識は苦手なタイプでしたので、実際に読む前は「代々呉服屋さんの家系だったのなら、相当すごいのでは…」と少し腰が引けていたのですが、いざ読んでみると程よい客観的視点で説明される「しぶちん(ケチ)」「よそさんの前で見栄を張る」精神が嫌味でも高圧的にでもなくスッと頭に入ってくる、ごく自然な作風で、すぐに好感が持てました。

 自慢どころか、後書きで「イケズなところもある。狭いし、うっとうしい街でもある」と話されている通り、数々の笑いありトホホありのエピソードが作中で何度も登場するのですが(家業を仕切っているお婆ちゃんがただならぬ迫力で「ゆっくりしておいき~」と言うのを、「なんか分からんけど、はよ帰らなアカン気がする」と感じ取るアッコちゃんのシーンは京都らしさが凝縮されてて笑いました;)、それでも「ぬるま湯の京都が好き」と語られる小林明子先生の生まれ育った地への愛情がじんわり伝わってきますので、京都人エッセイを読んでみたい方には是非とも推奨したい作品です。
京都の老舗呉服問屋で、三姉妹の次女として誕生した主人公(=筆者)のあっこちゃん無言の「早う帰れ」というプレッシャーが恐ろしい…(((゜Д゜;)))
 どのエピソードもおすすめなのですが、中でも好きなのが春の章の「さすが老舗の」というお話に出てくる永楽屋の一と口椎茸というおかずのエピソード。
 永楽屋の一と口椎茸とは、小ぶりで肉厚な国産どんこ椎茸を佃煮にしたおかずにしては高価な品で(調べた所、100g780円だそうで確かに贅沢品!)、家族全員が好物だった事から小林明子先生はほぼ毎回一個しか食べられなかったと嘆かれていました;。
 おじいちゃんとおばあちゃんが見ていない時に三姉妹が残り三個を「今や!」とこっそり取ろうとしても、何故か直前に猛烈な争奪戦になったという下りが読んでいて面白く、「家族が多いとおかずの取り合いになるのは、老舗も同じなんだな~」と共感を覚えました。

 そのせいか、やっとの思いで死守した一と口椎茸を小林明子先生はそのままパクッと食べてお仕舞いにせず、「少なめに盛った熱々のご飯にまず椎茸の汁を搾り取るようにしてこすりつけ、一旦茶色くなったご飯だけを味わう→完食したらもう一度少しだけご飯をよそって先程の椎茸を乗せ、椎茸を漂白する勢いですすいでお湯に椎茸エキスを洗い出して食べる→最後に、やっと椎茸を噛み締めて食べる」とかなり凝った食べ方をされていたとの事で、おかあさんから「あんたぁ、いつまで食べてんの!はよ片づけ手伝い!」と怒られていたそうです;。
 この他にも、小林明子先生流・卵かけご飯と味醂漬の食べ方が紹介されていたり、水無月や鯖寿司といった京都の食べ物が紹介されていたりと、食いしん坊にはたまらない描写がてんこもりで、読んでいるだけでおなかがすいてきます。
総勢十三名の食卓だと、豪華なおかずの取り合いは熾烈を極めます;
 しかし、楽しいお話だけではなく切なくなるエピソードも僅かながらあります。
 その代表的な一話が、夏の章の「仕出し屋さん」。
 昔、京都では来客用のお料理を用意するのに仕出し屋さんという業者に頼む事が珍しくなかったとの事で、業者さんがプロの道具や下ごしらえ済みの食材を持ち込んで自宅の台所で色々料理をしに来るのを幼いアッコちゃん(=小林明子先生)は興味津々で覗き込んでいたそうなのですが、そんな時によくお話していたのがにしやんというちょっと怖そうなお兄さん。

 当初は「にしやん、元はヤ○ザやったりして」と少しビクビクしていたアッコちゃんですが、ある日余った出汁巻きを貰って喜んだアッコちゃんを見て、にしやんは「なんや妹に食べさせてるみたいやなぁ」と笑い、それ以来余った料理を内緒でつまみ食いさせる仲に。
 どうやら、にしやんには離婚した母に連れられて五年以上会っていないアッコちゃんくらいの歳の妹さんがいて、知らず知らずの内に妹さんの面影を重ねていた模様で、アッコちゃん自身お兄さんが出来たみたいな気持ちになって嬉しかった為、密やかな交流が続いたとの事。
 その内、出汁巻きがうまく負けないアッコちゃんにいつか時間が空いたら巻き方を教えると約束してくれるようにまでなります。
 けれども、この不思議な交流もある時唐突に終わりを迎えます―。

 恐らく二度と会えないという事を漠然と感じつつも、幼さゆえに深刻に感じ取れないまま離れてしまい、そのまま大人になったある日ふと思い出して「どうしているんだろう」と考えては色んな感慨にふける、あの鈍い痛みの感覚を蘇らせてくれるお話です。
親の離婚で行方知れずな妹さんに面影を重ね、優しくしてくれたにしやん
 今回作ってみるのは、冬の章の「ハンコ掃除」というお話に出てきたある定番の一品。
 年の瀬、小林家では父と子ども達で家族全員分のハンコ掃除をするのが恒例行事だったそうで、冬になるとハンコの溝に詰まった汚れを黙々と取り除いていたとの事。
 そんな時、お父さんは裏を見なくても天地が分かるハンコはほかしなさい(=捨てなさい)とアッコちゃん達に説教したそうです。
 お父さん曰く、「ハンコっちゅうもんは商売人の命や」「ええ契約や思っても、すぐ判押さんとゆっくり天地を確認して、この契約はほんまにうちにとって有益やろか、と今一度自分によぉ問わなアカン」だそうで、この一節を読んだ際、取引が日常茶飯事である商家らしい教訓だと感心したのをよく覚えています。
 ほんの一瞬で終わった銀行員時代、支店長や上司から聞いた背筋が凍るような逸話や、応接間で涙ながらに「何とかしてもらえませんか?」と訴えられた方を数人見た経験からか、この教えは深く突き刺さります…orz。

 この時期、ハンコ掃除が終るとよく食卓に上がっていたお父さんの好物がこの“ぐじの酒蒸し”。
 作り方は簡単で、ぐじの切り身を湿らせた昆布で挟んでお酒をたらし、アルミホイルで包んで蒸したら出来上がりで、三つ葉と柚子を添えたら尚良しとのことでした。
 “ぐじの酒蒸し”が夕食に出た日のお父さんは、必ず上機嫌になったと後に小林明子先生は回想されており、それから数十年経った今でも“ぐじの酒蒸し”を作る晩は「ハンコの掃除せんと…」と条件反射的に思い出すと話していました。
判子を押す寸前、もう一度よく考えてから押すのが商人の基本と語るお父さん
 最近、やっと近所のスーパーでも甘鯛を手に入れられるようになってきたので、思い切って再現しようと決めました。
 巻末にレシピもある事ですし、早速作ってみようと思います!


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、甘鯛の下準備。甘鯛のウロコ・ヒレ・頭を落として二枚下ろしにし(骨を残した方が、旨味が濃い仕上がりになります)、食べやすい大きさの切り身にしたら両面に薄く塩を振って二十分程度放置します。
 表面に水滴が浮かんで汗をかいたようになってきたら臭みが抜けた証拠なので、キッチンペーパーでしっかり水気を拭き取ります。
ぐじの酒蒸し1
ぐじの酒蒸し2
ぐじの酒蒸し3
 次は、蒸し作業。
 濡れ布巾で拭くなどして水分を含ませた幅広昆布に先程の甘鯛を乗せて挟んでアルミホイルの上に置き、日本酒を振りかけてしっかり口を閉じたら蒸気の出ている蒸し器に並べ、中に火が通るまで蒸します。
 ※昆布に水分が足りていないと、甘鯛が昆布にひっついてはがれなくなるので要注意です。もし、「水分が足りないかも…」と思ったら、日本酒をやや多めにかける事をお勧めします。
ぐじの酒蒸し4
ぐじの酒蒸し5
ぐじの酒蒸し6
 甘鯛に程よく火が通ったらそのまま昆布ごとお皿に移し、仕上げにくし切り柚子と結び三つ葉を飾り付ければ“ぐじの酒蒸し”の完成です!
ぐじの酒蒸し7
 春の真鯛も鮮やかな紅色の皮が白い身に映えて美しいですが、冬の甘鯛のほころびかけた桜を思わせる初々しいピンク色も、なかなか風情があります。
 昆布の控えめながらも品のいい香りと、柚子のはっとさせられる酸味がかった芳香の組み合わせがいい感じで、非常に典雅な印象を与えられます。
 あんなに簡単なのにここまでご馳走っぽい一皿になるとは予想外だった為、一体どんな味がするのか楽しみです。
ぐじの酒蒸し8
 それでは、蒸したての内にいざ実食!
 いっただっきまーす!
ぐじの酒蒸し9


 さて、味はと言いますと…「甘鯛」の名前通り甘さが際立っている身で美味し!昆布がいい仕事をしています!
 甘鯛は水気が多い魚なので生だといま一つぼんやりした味なのですが、蒸すと程よく水分が抜けて身が引き締まり、ほんのりついた塩味で旨味がギュッと凝縮されるので印象がガラリと変わりました。
 真鯛よりもずっと柔らかく、しっとりホロホロと口の中で崩れていく繊細な身質が特徴的で、短時間蒸しただけとは思えない程儚い口当たりなので感心します。
 不思議な事に、鯛だというのに甘海老やホタテの刺身を噛んだ時みたいなねっとり濃密な甘味が舌にじわ~っと広がる感じで、白身魚系の中では一番甘さが強い魚だと思いました。
 そのくせ上品かつあっさりした後口で癖がなく、どちらかというと淡泊な味わいで、まさにイメージ通り老舗料亭向きの高級魚だな~と改めて実感させられます。
 脂肪分がほとんどない為、重厚さやパンチには欠けていますが、優しく後を引く旨さでした(その為、若年層よりご年配の方に受けがよさそうです)。
 また、昆布で包んで蒸したのが功を奏して全体に昆布エキスが効いた粘りがうっすらついており、餡かけとまでいかなくとも薄いくず餡風のとろみで甘鯛の風味を封じ込めたみたいな凝った味わいに仕上っています。
 昆布の穏やかな滋味が甘鯛の身全域に染み渡っているのがしみじみ美味しい上、絞りたての柚子のフレッシュな酸味や三つ葉の香りが爽やかな一品で、簡単な割には随分本格的な出来栄えです。


 昆布締めと酒蒸しのいい所取りみたいな料理で、個人的に一番美味しい甘鯛の調理法はこれではないだろうかと思いました。
 日本酒にぴったりなご馳走なので、確かにこれはお父さんもご機嫌になるはずだと納得しました。

●出典)『せやしだし巻京そだち』 原作:小林明子 作画:ハンジリョオ/140B
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

『クッキングパパ』の“カキとホタテのしぐれ丼”を再現!

 先日、毎年冬から初春にかけてのみオープンする期間限定の牡蠣小屋がもうすぐ営業開始すると聞きつけ、ワクワクしています。
 炭火焼きで醤油を直にたらしつつ、殻から取り出してハフハフいいながら頬張る牡蠣は生とは又違ったよさがあるので、今年も通い詰めようと目論んでいます。

 どうも、以前炭が「バチィッ!」と派手な音をたてて破裂した時、ますだおかだの岡田さんみたいに大声で「ワオ!」と言って恥をかいた事がある管理人・あんこです。


 今回再現する漫画料理は、『クッキングパパ』にて田中君が久しぶりに再会した弟の二郎さんと三郎さんの為に作った“カキとホタテのしぐれ丼”です!
カキとホタテのしぐれ丼図
 それは、『クッキングパパ』の単行本がちょうど百巻目に突入した頃の事。
 年末、鹿児島にある夢子さんの実家へ一日遅れで駆けつける予定になっていた田中君は、久々に一人暮らしをしている三郎君のアパートへぶらりと会いに行きます(どうやら西鉄大橋駅付近に住んでいるようで、近辺に在住している当管理人は無茶苦茶親近感を持ちました;)。
 何でも、大学へ進学して以来三郎君は一人で頑張っていると聞いていた田中君はずっと気になっていたそうで、ちゃんと一人暮らし出来ているかどうか確認したり、一緒に飲んで話をしたくなったとのことでした。
 普段はけいこちゃん曰く「ちゃらんぽらん」「やんちゃ坊主」な田中君ですが、時々お兄ちゃんらしさを発揮するのでさすがだな~と思います。
 その後、運よく休みが取れて早めに地元へ帰ってきていた東京のデパート勤めの次男・二郎君も訪れ、偶然とはいえ奇跡的に三人揃った田中君達は、すき焼きやお寿司を囲みつつ宴会をすることになります。
 田中家の三兄弟は顔も性格もそっくりで、連載初期から仲はいい方だったものの、如何に気が合ったとしてもやはり社会人になると疎遠になるんじゃないかな~と心配していたんですが、実際はたま~にとはいえちゃんと交流を持っていたのでほっとさせられました。
 下のコマで田中君自身が言っている通り、結婚して子どもが生まれて以来すっかり落ち着いて歳相応になった(お酒を飲んで暴れない、喧嘩っ早くなくなるなど)のには、連載当初の荒れた生活を送っていた田中君を見ていた当管理人にとって感無量です。
久々に会って近況報告をしあう田中さん兄妹
 実はこの時、二郎君は高校時代から付き合っていたはるみちゃんと結婚して新婚早々もう尻にしかれていた模様で、田中君に「いいな~、俺なんか飲みに行くのも嫁さんの顔色うかがいながらだもんな~」と哀愁を漂わせつつ言っていたのには泣かされました(つД`)。
 考えてみれば、高校時代もはるみちゃんからデレ抜きでツンツンされていたような気がしますので、この未来は必然だったのかもしれません;。
 ちなみにその際、三郎君と二郎君は「昨日は仲間と朝まで飲んでたぜ」「お前はいいさ。まだ独身だし、大学の研究室に入って、好きなラッキョウの研究をしてりゃいいんだから…」「兄ちゃん達も、好きなところで好きな事すりゃいいじゃん!!」「そうはいかないんだよ、サラリーマンはなー」と危うく軽い言い争いをしそうになったシーンは、まさに学生VS社会人の縮図みたいで、思わず苦笑しました(^^;)。
 正直、社会に出てから辛酸を舐めるどころかジョッキで一気飲みする羽目になった当管理人は、「お勤めしてみたら自然と分かるよ、三郎君…orz」と二郎さんの方に共感を覚えてしまいます。

 そんな一幕もありつつ、お酒を飲みながらインディアンポーカーやファミコンで盛り上がっていた田中君達ですが、手元にほとんど食べ物がなくなった状態で小腹がすいてしまいます。
 すき焼きの残りを食べようにも糸こんにゃくのみで、二郎君も三郎君も困るのですが、そんな時田中君が珍しくピンときてありあわせで作った料理が、この“カキとホタテのしぐれ丼”です!
 作り方はそこそこ簡単で、醤油・みりん・しょうが・唐辛子・砂糖を合わせて作ったつゆでカキとホタテをさっと煮、鍋から引き上げる時に溶き卵につけ、甘辛く炒り煮にしておいた糸こんにゃく乗せご飯の上へ乗せたら出来上がりです。
 田中君が言うには「ポイントはしょうがだね!」「中途半端より思い切り甘い方がうまいよ」だそうで、溶き卵でとじるのではなく生のまま絡ませることによってすき焼きっぽい味に仕上がると話していました。 
すきやき鍋に残っていた糸こんにゃくを、新しい料理にリサイクルするまで上達した田中君
 「田中家流の飲み会といえば、すき焼きやろ!」という程すき焼きが大好きな田中三兄弟は大喜びでこの“カキとホタテのしぐれ丼”をかっこみ、ますますテンションが上がって余計お酒が進んでいましたが、調子に乗ってギターまで持ち出し大合唱した為「うるさいぞー!!」と近所から苦情が来ていました;。
 こうしてつかの間の自由なひと時を満喫した田中君と二郎君でしたが、翌朝になると少しスゴスゴしながらそれぞれのお嫁さんの下へ戻っていったと書かれていた為、思わず「男はつらいよ」のフレーズが頭に蘇りました;。
 それにしても、最初は荒岩主任指導の下“たかなライス”“荒岩流サンサンド”といった初心者おすすめメニューしか作れなかった田中君がこんな立派なオリジナル料理を考えつくようになるとは思わなかったので、ちょっと感動です;。
この後、調子に乗った田中三兄妹は夜中にドンチャン騒ぎをして怒られてました;
 海産物大好き人間な当管理人にとって、カキもホタテも大好物だった為、一も二もなくすぐさま再現を決意しました。
 作中には詳細なレシピもあるので、早速その通りに作ってみようと思います!


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、糸こんにゃくの炒り煮作り。ボウルに糸こんにゃくと塩を入れてよくもみこんだらザルに移して熱湯を回しかけてアクを取り、食べやすい大きさに切ります。
 小鍋に先程の糸こんにゃく、砂糖、醤油、みりん、日本酒、合わせ出汁、しょうがの千切り、輪切り唐辛子を投入して火にかけ、焦げないよう絶えずかき混ぜながら炒め煮にします。
 水分が充分飛んで味が染みたら、糸こんにゃくの炒り煮は準備OKです。
カキとホタテのしぐれ丼1
カキとホタテのしぐれ丼2
 次は、具の用意。
 フライパン(又は小鍋)に醤油、みりん、千切りしょうが、輪切り唐辛子、砂糖を入れ中火にかけて溶かし、つゆを用意します。
 つゆが沸騰してきたら、塩水でさっともんで洗った生食用カキと、横に半分に切っておいた生食用ホタテを入れ、約一~二分火を通します。
 ※あんまり加熱し過ぎると固くなるので、カキがぷっくりしてきた頃にさっと取り出すくらいにしていた方が無難です。目指すは、半生です。
カキとホタテのしぐれ丼3
カキとホタテのしぐれ丼4
カキとホタテのしぐれ丼5
 カキとホタテに火が通ったらすぐに火からおろして溶き卵に素早く絡め、炊き立てご飯の上に糸こんにゃくの炒り煮をドーナツ状に盛り付けておいた丼の中心へ乗せていきます。
カキとホタテのしぐれ丼6
カキとホタテのしぐれ丼7
 カキとホタテを全部乗せおえたらさっきの溶き卵とつゆをお好みでかけ(やや多めがお勧め)、しょうがの千切りを散らせば“カキとホタテのしぐれ丼”の完成です!
カキとホタテのしぐれ丼8
 飴色に光り輝くカキとホタテがとにかくおいしそうで、見ているだけで思わず喉が鳴ります。
 すき焼きを作ったときに漂うあの甘辛~い香りがプンプン漂うのが空腹にはたまらない感じで、田中君達みたいにシメに食べるよりも最初からメインとして食べた方がいいんじゃないかな~と思いました。
 カキとホタテをすき焼き風にして丼にするのは初めてなので、一体どんな味になるのか楽しみです。
カキとホタテのしぐれ丼9
 それでは、出来たての内にいざ実食!
 いただきま~す。
カキとホタテのしぐれ丼10


 さて、味の感想はと言いますとカキとホタテの二大スターが見事な共演を果たしていて旨し!これは、半生だからこそ味わえる醍醐味です!
 表面はさっくり、中はしっとりなめらかな舌触りのホタテと、ぷっくりトロンとした食感がたまらないカキが濃いめの味付けに負けないくらい甘みが濃くて美味で、食べ応え満点です。
 作中で田中君が言った通り、みたらし団子のタレやウナギのタレのようにまったり甘辛~い味わいのつゆで、どこまでも優しくとろけていきそうなのを、しょうがのキッと舌を刺激してすぐに消えるドライな辛さと鮮烈な香りが後口を爽やかにしてくれるのがちょうどいい感じでした特に、カキは時雨煮にそっくりな味わいです)。
 一言で例えるとするなら「カキとホタテの辛甘すき焼き丼」という感じで、海鮮すき焼きの残りをご飯にかけたらこんな美味しさなんだろうな~と幸せ気分になりました。
 糸コンニャクはブルブルシコシコした弾力のある歯触りが癖になる上、中にまでしっかりきんぴら風ピリ辛醤油味が染み込んでいるのがご飯のおかずにぴったりで、これも辛い所を除けば本当にすき焼きに入っている糸コンニャクみたいなのでカキやホタテとも相性抜群です。
 魚介類の旨味エキスが溶け出た昆布風味の溶き卵がご飯全域にたっぷり染み込んでいるせいか、白ご飯というよりは豪勢な卵かけご飯っぽい濃厚な味わいに仕上がっており、他の丼に比べて食べ応度がアップしているような気がしました。


 すき焼きの残り汁にうどんを絡めたり、溶き卵入りの取り皿に残った汁をご飯にかけて食べるのが好きな方には、気に入る事間違いなしな料理です。
 ただ、原作のレシピの分量ですと、甘すぎるのが苦手な方にはきついかもしれませんので、その通りに入れるよりは味見しながら調整する事をお勧めします。

●出典)『クッキングパパ』 うえやまとち/講談社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

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あんこ

Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『どんぶり委員長』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『ミスター味っ子』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『BAR・レモンハート』
 …『ぶたぶた』シリーズ
 …『ベーグル食べない?~幸せカフェごはん~』
 …『飯盛り侍』


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