『てんまんアラカルト』の“フレンチ流唐揚げ”を再現!

 近頃、ようやく夜風がぬるくまとわりつくようになったのを肌で実感し、初夏が近づいてきているのを感じています。
 さらに季節が進むと、ビールの美味しさがまた格別になるので、今からビアガーデンの開店が楽しみです。

 どうも、基本ビアホールの方が料理の充実率が高いものの、雰囲気の良さを考えるとビアガーデンも捨て難いと思う管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『てんまんアラカルト』にて主人公・七瀬蒼司君があるお客さんの要望に答えて作った“フレンチ流唐揚げ”です!
フレンチ流唐揚げ図
 『てんまんアラカルト』とは、農業高校の食材調理科に通いつつも授業をサボりまくり、型にはまらないびっくり箱みたいな料理を作る事で問題児扱いされている十八歳の少年・七瀬蒼司君が主人公の独創系料理漫画です。
 八歳の時に引っ越しして離れ離れになったものの、半年間料理を教わって以来ずっと尊敬している師匠・渋谷克洋さんに再び胸を張って会う為、渋谷さんが経営する完全予約制のフレンチレストラン・<BLUE>の近くにある農業高校へ進学して腕を磨いてきた蒼司君でしたが、ある日渋谷さんの幼い娘・天満ちゃんが一人でやってきて「俺はもう店に戻れない。二度と家族やお前の前に姿を見せることが出来なくなった」「お前に店を預ける」「娘の天満に料理を教えてやってくれ」と書かれた手紙を渡されてからは、生活が一変!
 十年ぶりのコンタクトだというのに詳しい説明は何もないまま、お店と天満ちゃんをいきなり託された蒼司君は最初かなり困惑しますが、ひょんなハプニングがきっかけで<BLUE>の厨房に立って料理を作り、昔と同じくらい充実した時間をを過ごしてからは一切迷わず、渋谷さんの頼みを聞き入れる事を決意します。
 果たして、蒼司君は日々難しい注文ばかりしてくる訳アリ予約客の期待に添える料理を出し続けられるのか…というのが、大体のあらすじです。

 一巻を初めて読んだ時、初めの数ページを読んで「問題児過ぎる主人公だなぁ;」と苦笑したものでしたが、さらに数ページめくると主人公が真面目に見えてくるくらいパンクな生き様を見せる師匠・渋谷さんの姿に、こちらまで「どないなっとんじゃあああッ?!」と相当パニックになったのを覚えています…;。
何が何だかわからないまま、恩人から娘さんの料理修行を託される主人公;
 主人公・蒼司君の作る料理は、一見すると斬新すぎるので見た目だけではすごさがあまり伝わってこないのですが(面白い見た目だな~とは感じますが;)、小林有吾先生による味の表現や調理工程の説明が的確なのでどう美味しいのかが伝わってきやすく、見ているこちらまで食べたような気持ちになれるのが素晴らしいです。
 はっきり言って、一昔前のグルメ漫画に出てくる料理は「本当に試作と試食したんだろうか…?」と首を傾げたくなる程、現実味のない物がほとんどでしたが(まあ、それはそれで面白いので好きなんですが;)、『てんまんアラカルト』に出てくるレシピは何とミシュランガイドで二つ星を獲得している一流のシェフが完全監修しているだけあり、荒唐無稽にみえてリアリティと説得力のある創作料理ばかりが出てくる為、読んでいて勉強になります。

 また、まだ五歳くらいなのにレストランをしっかり守ろうと頑張る関西弁の天満ちゃんの描写が愛らしく、今後物語でどのように成長していくのか非常に楽しみです(←実は、蒼司君の料理をすぐにコピーして作るなど、料理の才能はかなりある模様!何かの伏線っぽいのでワクワクしてます)。
 ただ、おかげでヒロインであるはずの蒼司君の幼馴染・久石香織ちゃんの存在感が薄くなっている気がするので、ちょっと気の毒です;。
お客さんが来た時は、ソムリエールの姿をしてもてなす天満ちゃん
 今回ご紹介するのは、蒼司君が<BLUE>で迎えた二人目の予約客・布袋勝也さんのお話。
 二十一歳で銀座の一流フレンチレストランの副料理長にまで上り詰めている凄腕で、二か月前に雑誌の取材で渋谷さんを知ってから興味を持ち電話をした所、「なら料理を食べに来るがいい」「今は作る気にならない。予約は二か月後でいいか?」と返されたのでジリジリしながら待って<BLUE>へ訪れたとの事でしたが、来てみるといるのは渋谷さんではなく代理の蒼司君と天満ちゃんのみで、布袋さんは怒り心頭になります(正直、これは怒っていいと思います、布袋さんも蒼司君も;)。
 その為、布袋さんは当初すごい剣幕だったのですが、蒼司君の顔を見ている内に思い当たる節があったようで気を変え(←理由は三巻以降明らかになります)、「渋谷はこう言ったんだ、何か材料を一つ持ってこい。それを即興で料理してやる」「俺が用意したのはブラジル産の解凍した鶏胸肉と鶏もも肉だ。これを、一流フレンチレストランに出すに相応しい物に調理してこい!」と、蒼司君にリクエストしていました。
 それにしても、何か理由があるとはいえ約束を反故された事をすっぱり忘れて代わりに何か作る事で勘弁してくれるとは…顔は怖いものの、布袋さんは実はすごくいい人なのかもしれません(^^;)。
ブラジル産の解凍した鶏もも肉か鶏むね肉を使って料理をするようリクエスト
 そんな時、蒼司君が布袋さんのリクエストに応えられるよう鶏胸肉と有り合わせの材料だけで作り上げたのが、この“フレンチ流唐揚げ”!
 作り方は意外とお手軽で、ヨーグルトから出てくる半透明な水分・乳清に、塩、にんにく、しょうがを混ぜた物へ鶏胸肉を漬け込み、炭酸水で溶いた小麦粉につけて揚げたら出来上がりです(←何でも、炭酸の気体が衣と身の間に隙間を作ってサクサクになるのだとか)。

 ヨーグルトがお肉を柔らかくする事はすでに有名になっていますが、蒼司君が言うには「肉を柔らかくするには乳清だけで十分」「乳清に含まれる乳酸の作用で肉の保水性が上がる」「乳清だけを使うから、加熱時にヨーグルトが焦げる心配がなく、余計な味がつかない」のだそうで、たったこれだけの手順でよくここまで鶏胸肉の完成度をアップさせたものだと感心しました。
 一見、鶏もも肉の方が唐揚げに向いているように思いますが、旨味成分は鶏胸肉の方が多く含まれているのが研究で分かっているらしく、むしろ保水性を高めて硬くならないようにするなら鶏胸肉の方が唐揚げに向いているとの事でした。
 個人的に、鶏もも肉の方が硬くなりにくくて脂が多い分、唐揚げに最適だと前々から考えていただけに、初見時は結構衝撃を受けたものです。

 その後、布袋さんは“フレンチ流唐揚げ”を一口食べるなりすぐに「結果から逆算して一つ一つの手段を突き詰めて完成に向かう。合理的かつ綿密な工程…まさしくフランス料理だ!」と蒼司君のすごさを認め、やっと渋谷さんの事を許す気になっていました。
ヨーグルトではなく、何と乳清を使って鶏むね肉を柔らかくしていました何と、卵ではなく炭酸水で小麦粉を溶いて衣にしていました!
 乳清に鶏肉を漬け込む技法も、炭酸水で衣をサクサクにする方法も、今まで全く知らなかったので、読むなりすぐに「再現しよう!」と決めました。
 ちょうど近所のスーパーでヨーグルトが大安売りされて大量にゲットしたことですし、早速作ってみようと思います!


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、漬け込み作業。ペーパータオルを敷いたザルに無糖ヨーグルトを入れた後、下にボウルをセットして一晩放置し、乳清を漉し取ります。
 この乳清入りボウルへ、塩、皮をむかず適当に薄く切ったしょうが、芯を取ってスライスしたにんにくを加え、混ぜ合わせておきます。
フレンチ流唐揚げ1
フレンチ流唐揚げ2
フレンチ流唐揚げ3
 そこに、あらかじめ余分な脂肪を取り除いて一口大に切っておいた皮つき鶏胸肉を投入し、数時間漬け込みます(出来れば、丸一日置いた方がより効果的です)。
 やがて、鶏胸肉が柔らかくなったのを確認したら漬け汁から引き揚げ、きっちり水分を拭き取ります。
 その間、小麦粉に炭酸水を入れて泡立て器でよく混ぜておきます。
 ※衣については小麦粉と炭酸水の二つしか明記してなかった為、あえてこの二つだけ合わせて衣を作りました。なので、それだけでは物足りない方は、他に何か足してみるのもありだと思います。
フレンチ流唐揚げ4
フレンチ流唐揚げ5
フレンチ流唐揚げ6
 次は、揚げ作業。
 鶏胸肉にごく薄く小麦粉をまぶした後、先程用意した炭酸水入りの衣をまんべんなくつけ、高温に熱した油で揚げます。
 なお、唐揚げというと二度揚げの技法がポピュラーですが、今回の衣はなかなか繊細ではがれやすい傾向にある為、一回でしっかり揚げて仕上げるのをお勧めします。
 ※余談ですが、小麦粉に炭酸水を投入して混ぜ混ぜするとボウルから溢れんばかりに泡がシュワワワァーッ!、揚げてもジュワ~~ブクブクブク!と勢いよく弾けるので、面白いです。
フレンチ流唐揚げ7
フレンチ流唐揚げ8
フレンチ流唐揚げ9
 鶏胸肉の中心にまで火が通り、衣がサクッと揚がったらキッチンペーパーの上に引き上げ、くし型に切ったレモンが乗ったお皿へ盛れば“フレンチ流唐揚げ”の完成です!
フレンチ流唐揚げ10
 普通の茶色くトゲトゲな唐揚げに比べるとかなり色白かつさっくりした出来栄えで、正直言われなければ唐揚げだと分かりません;。
 しょうがとにんにくの香りはそこまで強く漂ってこないのですが、揚げ物特有の香ばしい匂いがするので物足りなくありませんでした。
 真っ二つに切り分けると、中からジュワワ~ッと肉汁が予想以上に出てくるのが見るからに美味しそうで、味が楽しみです!
フレンチ流唐揚げ11
 それでは、揚げたての内にいざ実食!
 いっただっきまーす!
フレンチ流唐揚げ12


 さて、味の感想ですが…カリッとした衣からジューシーな鶏肉が飛び出して美味し!胸肉にありがちなパサつきが全くありません!
 作中で言われていた通り、肉と衣の間に適度な隙間があって空気が含まれているのが非常に食べやすく、揚げ物の割には油っこくないのが特徴的です。
 普通の唐揚げに比べるとぐっと薄くて軽い衣で、噛んだ途端サクサクッとあっけなく砕けていく食感になっている為、どちらかというと天ぷらっぽいな~と思いました。
 乳清によってしっとりと潤いが保たれた鶏胸肉から、鶏もも肉に匹敵する肉汁が噛むごとにじわ~っと溢れ出していくのが美味で、そのくせさっぱりしているのでパクパクいけちゃいます(意外な事に酸味は全く感じられず、ヨーグルトの匂いも消えてました)。
 鶏もも肉のような脂分やコクはないですが、その代わり味わい深い旨味成分と柔らかい弾力は鶏胸肉の方が圧倒的に上で、感心です。
 また、下味として漬けたにんにくのこってりした風味や、しょうがのキリッと爽やかな香りは全体に染み込んではいるものの、間接的にしか触れていなかった為あくまでふんわり漂う程度で、そのせいか専門店の唐揚げみたいながっつりした味にはならず、「あっさり上品なにんにく塩味」というべき品のいい仕上がりなのが印象的でした。


 冷めてからだと僅かに固くなりますので、熱々の内に一気にバクッと食べるのが理想の食べ方です(なので、お弁当には向いていません)。
 レモン汁をかけるとまた違った感じで頂けるので、おすすめです。


P.S.
 無記名さんからご質問頂いた水切りヨーグルトの再利用法ですが、そのまま食べるとかなり濃厚かつクリーミーで甘味のないレアチーズ風というイメージで、ご指摘通りジャムを足してデザート風にして食べると美味しいです(不思議なことに、酸味はあまり感じませんでした)。
 当管理人はいちごジャムやブルーベリージャムを乗せたり、塩を足してバゲットに塗ったりなど単純な食べ方しかしませんでしたが、ネットには他にも様々な調理法が載っていますので、そちらを参考にされるとより幅広い再利用法がお分かりになるかと思います。


●出典)『てんまんアラカルト』1巻 小林有吾/講談社
    『てんまんアラカルト』2巻 小林有吾/講談社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

『美味しんぼ』の“美食倶楽部謹製・和風ハンバーグステーキ”を再現!

 先日、実に十二年ぶりの回らないお寿司を相方さんと食べてきました。
 中学を卒業して以降、お寿司は出前か回転寿司のみの生活を送って来た為、本物のお寿司の記憶は薄れかけていたんですが、一口食べた途端「あ、やっぱり回転寿司と全然違う!」という衝撃と一種の懐かしさが全身にビリビリきました(←知人に話すと「当たり前だ!」と突っ込まれました;)。
 勿論、ス○ローのお寿司も百円にしてはクオリティが高い物ばかりで美味しいんですが、大ぶりで崩れないのに頬張るとハラリとほどける絶妙の握り具合といい(←一貫でも、回転寿司のゆうに二貫分のボリュームがあります)、これでもかと分厚いのにすっと噛みきれるようネタごとに微調整している包丁技術といい、とにかく段違いに美味で感動しました。
 あまりに幸せすぎて余韻がまだ残っていますので、当分は回らないお寿司の方を贔屓にしたいな~と相方さん共々大興奮しています;。

 どうも、穴キュー巻きならぬ穴子納豆巻きという巻物がある事を知って驚いた管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『美味しんぼ』にて美食倶楽部の料理人達がレストランを立て直す為に考えた“美食倶楽部謹製・和風ハンバーグステーキ”です!
和風ハンバーグステーキ図
 それは、『美味しんぼ』が百一巻目を迎え、山岡さんと栗田さんの間に次女・遊璃ちゃんが誕生した頃の事(←双子の陽士君と遊美ちゃんの名前を決める時は散々もめてましたが、幸い今回はすんなり決まってました;)。
 美食倶楽部の料理人達へ徐々に指揮権を譲りつつあった海原雄山氏は、中川さんを部屋に呼ぶなり「最近の美食倶楽部の料理はつまらぬ」と一喝します(←初めて読んだ時、「最近の美味しんぼはつまらぬ」と自虐ギャグを飛ばしているように見えてしまった当管理人は、かなりの無礼者ですorz)。
 どうやら、雄山氏は料理人達がお手本をなぞっているだけで新しい料理を考えず、既に雄山氏が完成させた定番料理ばかり作って守りに徹しているのを危惧しているようで、「退屈だ。この献立では、新しい味覚の発見がない。だから興奮がない」「美食倶楽部は一流の上を行く義務があるのに、お前たちは現状に満足している。それではおしまいだ」と中川さんを叱咤し、今後は独創性のある料理を作れるようになれと課題を出します。
 確かに、どんなに非の打ち所のない料理でも頻繁にローテーションで出されると次第に飽きてしまうので、雄山氏の言う事はもっともだと思います。
 当管理人自身、行きつけにしている居酒屋さんの突き出しがもう何年も豆腐かきんぴらごぼうオンリーなのに少しずつつストレスが溜まってきている為、気持ちはよく分かります。
雄山タンから、最近の美食倶楽部の料理はつまらないと叱責される中川さん;
 しかし、いきなり独創性をつけようにもやり方が分からず困り果てた中川さんや良三さんは、山岡さんと栗田さんの元を訪れて指導を仰ぐのですが、案の定山岡さんは当初「美食倶楽部の根底に関わる事に首を突っ込むのはごめんだね!」といつもの調子でけんもほろろに断わり、中川さん達はほとほと弱ってしまします。
 けれども、ちょうどその頃タイミングがいい事に、山岡さん達はある潰れかけた洋食レストランを再建しようとしている最中だった為、「美食倶楽部の料理人達を畑違いである分野に関わらせたら、いい刺激になるかもしれない」と考え直した山岡さんによって、中川さん達はアドバイザーとして立て直しに参加する事になります(←なんだかんだ言って、山岡さんはやっぱり面倒見がいいですね;)。
 和食料理人が洋食レストランの再建を手伝うと聞くと、一見チグハグなように見えますが、意外な事に中川さんは長年の経験から的確な助言が出来ていた上、洋食の新しい看板メニューを生み出そうとしていく内に応用力が身についてきていたので、山岡さんの先見性には感心しました。
 さすが、人の相談を一石二鳥で解決し続けてウン十年!頼りになります(´∀`)。
マンネリを打破する為、山岡さんからお願いされた洋食レストランの立て直しに取り組みます
 こうして、中川さん達が他店に負けない新作メニューとして考え出した料理の一つが、この“美食倶楽部謹製・和風ハンバーグステーキ”です!
 作り方は結構簡単で、豚ひき肉・豆腐・ごぼう・長ネギを練って丸めた物をラードで焼いておろししょうがを乗せ、仕上げにかつお出汁や醤油で作った葛餡をかけたら出来上がりです。
 実を言いますと、新作メニューの試食には渋々言いながらやって来た雄山氏も参加していたのですが、一口食べた途端「ハンバーグを葛餡で食べることは私もしたが、豆腐やごぼうを入れるところは…」と感心していました(←個人的に、雄山氏が豆腐ハンバーグを食べた事がなかったという事実の方に驚きました;)。
 最初は認めてもらえるかドキドキしていた中川さんでしたが、「ごぼうの風味がよい。豆腐が入ったことで、さっぱりして塩梅もいい」と雄山氏からお墨付きをもらえて、ほっと一安心していました。
 なお、百巻ラストで一応和解(?)したはずの山岡さんと雄山氏は、直接言い争う事こそしなかったものの互いに口を聞かず仕舞いという安定した仲の悪さで、それに呆れた栗田さんは「なんて強情な親子でしょう」とため息をついていました;。
 どうやら、山岡さんと雄山氏の仲は、和解した後もまだまだ微妙なままのようです;。
豆腐とごぼうのダブル効果で、和風っぽさも美味しさもアップしました!雄山タンからも認めてもらえた和風ハンバーグとして、今後ヒットしそうな予感。
 豆腐ハンバーグは食べた事があるものの、葛餡やしょうがで食べることは今までありませんでしたので、試してみることにしました。
 無表情だった雄山氏の心をわずかに動かしたハンバーグとはどんな味なのか、早速作って確かめてみようと思います!


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、パテつくり。ボウルへ塩、豚ひき肉、しっかり水切りして手で崩した豆腐、泥を落としてみじん切りにしたごぼう、小さく刻んだ長ネギを投入し、よく練り混ぜます。
 その間、カツオ節と昆布でとった一番出汁を入れた小鍋に水で溶いた葛粉を加え、葛餡を用意しておきます。
 ※実は、パテの味付けについては作中で何も語られていなかった為、ここはシンプルに塩のみで調味しました。なので、皆様が作る時はお好みでこしょうや醤油、味噌を足してみるのもありだと思います。
和風ハンバーグステーキ1
和風ハンバーグステーキ2
和風ハンバーグステーキ3
 次は、焼き作業。
 ラードを熱して溶かしたフライパンに、空気を抜きながら楕円形に成形したパテを並べ、両面がこんがりきつね色に色づくまで焼き上げます。
 途中、日本酒を入れて蒸し焼きにすると、さらにふっくら感が増します。
和風ハンバーグステーキ4
和風ハンバーグステーキ5
和風ハンバーグステーキ6
 パテが焼けたら火からおろし、ほうれん草のバター炒め、蒸したにんじん、しめじの焼き物を飾ったお皿へ盛り付け、上におろししょうがを乗せて葛餡もかければ“美食倶楽部謹製・和風ハンバーグステーキ”の完成です!
和風ハンバーグステーキ7
 葛餡がまんべんなくかかっている為、表面がツヤツヤしているのが見た目に美しいです。
 パッと見は和洋折衷という感じですが、しょうがと和風だしの香りがふわっと漂ってくるので、匂いだけだったら完全に和風というイメージです。
 切り分けてみると、やはり豆腐が入っているせいかハンバーグというよりつくね風で、一体どんな味がするのか非常に気になりました。
和風ハンバーグステーキ8
和風ハンバーグステーキ9
 それでは、一口大に切って葛餡とおろししょうがを絡め、いざ実食!
 いただきま~す!
和風ハンバーグステーキ10


 さて、味はと言いますと…思わず頬が緩む優しい美味しさ!ほぼ和風ですが、ご飯にもパンにも合う懐の深さがあります。
 豆腐の淡い甘さがふんわり柔らかくほどけていくパテに、みじん切りにしてもなおザクザクバリバリと砕けていくごぼうがいいアクセントを与えており、癖になります。
 ごぼうの土気を帯びた、野趣溢れる風味がハンバーグの味を数段上げている印象で、尚且つ葛餡との相性をさらに引き上げるのに成功していました。
 通常、豆腐ハンバーグはさっぱり食べやすい分コクにかけるという欠点がありがちなのですが、これは豚ひき肉とラードから引き出された強い脂分がパテ全域にしっとりと染み込んでいる為、そこそこボリュームのある旨さが出ているのがよかったです。
 豆腐がつなぎに入っているのでややジューシー感に欠ける所はありますが、その分肉料理とは思えない程あっさりかつヘルシーな味わいで、つくねの淡泊な味わいと、ハンバーグのフワフワした口当たりを合体させたまさにいい所取りな料理でした。
 カツオ節と昆布の奥深い出汁が効いた葛餡がハンバーグの口当たりを上品に(葛餡だと片栗粉で作ったぼってりした餡より、サラリと滑らかなとろみがつくので、より繊細な出来栄えになります)、そしてしょうがのキリリとした風味が後味を爽やかに引き締めてくれており、文句なしの一品でした。


 今となってはそう珍しくない組み合わせなのかもしれませんが、実際に食べてみると「お!」と目を見張るような斬新さを感じるハンバーグです。
 ビールにもそこそこ合いますが、ソースが徹底的に和風なせいか何と日本酒にも結構合いますので、飲兵衛にもおすすめしたい逸品です。

P.S.
 桜海さんからご質問を頂きました、いちご菓子再現の際に使用するいちごの品種の件ですが、どの漫画にも特に指定されてなかった為、その時々に手に入るいちごを適当に選んで使っていました(あまりこだわってなくてすみません;)。
 ただ、唯一こだわりがあるとするなら甘味が飛び抜けて濃い、そのまま生で食べて美味しい物より、甘さと酸味のバランスが取れた製菓向きの品種であるとよのか、さちのか、さがほのかを優先的に選んで使っています。

●出典)『美味しんぼ』 原作:雁屋哲 作画:花咲アキラ/小学館
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『華中華』の“新玉葱のチャーハン”を再現!

 最近、相方さん共々『テラフォーマーズ』を愛読しています。
 あらすじは、西暦2619年に様々な生物の遺伝子を組み込むという特殊手術を施された地球人達が、火星に放たれて凶悪に進化したゴキブリの駆除に向かう物語なのですが、なかなかハードボイルドかつ燃える展開で、目が離せません。
 相方さん曰く、「ゴキブリが勝手に進化したんじゃなく、地球の誰かが主人公たち同様、ゴキブリと人間をバグズ手術させて生まれた存在なんじゃない?」と考えているようで、これには当管理人も「ありうる!」と思っています。

 どうも、『ベルセ○ク』や『セス○ス』のように完結まで時間がかかりそうな作品ばかり好きになる当管理人・あんこです。


 本日再現した漫画料理は、『華中華』にてハナちゃんが康彦さんと義両親の為に作った“新玉葱のチャーハン”です!
新玉葱のチャーハン図
 前回、夫の康彦さんから春キャベツ全滅の知らせを受けたハナちゃんは、その日の週末に原因を確認する為、義実家のキャベツ畑へ向かいます。
 すると、不幸中の幸いで市場に出荷する分を栽培している畑は無事だったものの、憎たらしいことにハナちゃんが上海亭で使う分として康彦さんが農作業の合間を見て育てていた春キャベツのみ集中的に食い荒らされており、さすがのハナちゃんもその悲惨さに怒りと悲しみを露わにしていました(←「予算を気にしないでチャーハンを作って欲しい」と康彦さんが丹精込めて育てていたのを知っていた分、よけい悔しかったと思います)。
 なお、この惨状を生み出した元凶は、『華中華』ワールドだけではなく現実でも神奈川県各地で被害を出している外来生物・タイワンリス
 何でも、1951年に江の島の動物園で飼われていたのが逃げ出して徐々に増えていき、年月が過ぎていくにつれ莫大な数が増えていった為次第に農作物が被害にあうようになっていったとの事。
 見た目はモフモフしていて可愛らしくはあるのですが、自分が育てた物を食い荒らされたらもう悪魔以外の何物にも見えないと思いますので(←その昔、庭に植えていたさくらんぼの実を鳥に食べられまくり、殺意を抱いた経験あり^^#)、作中で「くそー!」とタイワンリスめがけて小石を投げつける康彦さんの姿には共感しました;。
台湾リスの被害によって、ハナちゃんの為に栽培されたキャベツは全滅します
 結局、ハナちゃんは気を使って春キャベツを使うことをすっぱり諦め、康彦さんに「上海亭のチャーハンは他の食材でも作れます…いえ、作ります!だから、気にしないでください!」と不安を押し隠して明るく振る舞うのですが、そんなハナちゃんの様子を見て気の毒がった淑子さんが「今、うちで穫れる野菜で、被害がなくて安く卸せるものといったら…新玉葱ぐらいかしら」と言ったことから、ハナちゃんの頭に新たなチャーハンのアイディアが思い浮かびます。
 こうして、急いで義実家に戻ったハナちゃんが試作兼昼食として作り、康彦さん達に食べてもらったのが、この“新玉葱のチャーハン”です!
 作り方はかなり簡単で、新玉葱と豚コマ肉を醤油・胡椒・ガーリックパウダーで味付けした炒め物を、基本チャーハンを仕上げる時に投入して混ぜ合わせたらもう出来上がりです。
 ハナちゃん曰く、「新玉葱は、香りが清々しくて甘く、肉厚なのに柔らかい…それを生かす為、大きめに切ります」「300円のチャーハンと言っても、豪華に感じて頂きたいので、豚コマは刻まずにそのまま炒めます」の二点がポイントだそうで、相変わらずの細やかな心配りに読んでいて温かい気持ちになりました。
 ちなみに、ハナちゃんは新たに買い出しをしたりせず、義実家にあらかじめ買い置きしてあった材料だけでこれだけのチャーハンを作り上げています。
 「限られた材料・場所・時間でこれだけの物を作れるとは…さすがプロだな~!」と、未だに何十分も料理に時間がかかったり、ありあわせで料理が作れない不器用な当管理人は感心しました;。
新玉ねぎなら用意できると言うお義母さんの言葉によって、新しいチャーハンを思いつくハナちゃん
 その後、ハナちゃんは休日婚を選択したがゆえ、農業の苦労を康彦さん達へ一身に背負わせてしまう事への申し訳なさから、「お義父さんやお義母さん、康彦さんがご苦労されている中で…こんなチャーハンしか作れない、ダメな嫁で申し訳ございません」と頭を下げて謝っているのですが、すぐに康彦さん達から「何言っているんだよ…ちっともダメなんかじゃないよ!」「そうよ、華子さんのその気持ちだけで十分だわ」と言い返されていたので、こちらまでほっと胸をなでおろしました;。
 実を言いますと、後々ハナちゃんと義実家は距離が近くなるにつれてどんどん現実的な問題が浮上し、結構ハラハラする展開が多くなるのですが(主に、姑である淑子さん関係でry)、この頃はちょうどいい距離感と関係が築けているので安心して読むことができます;。
 ちなみに、ハナちゃんは“新玉葱のチャーハン”を食べ終えた後、すぐに康彦さんの軽トラへ乗って満点大飯店の厨房に戻り、みんなと一緒に目玉となるような肉包みチャーハンの試作に取り掛かっています。
家族みんなから感謝され、新玉ねぎチャーハンを喜んで食べてもらえました
 ちょうど新玉葱が手ごろな値段で出回ってきたので、いい機会だと思い再現することにしました。
 新玉葱とチャーハンは果たして合うのか…早速試してみようと思います!


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、具作り。油をひいて熱したフライパン(または中華鍋)へ豚コマ肉を切らずにそのまま投入して炒め、表面に軽く火が通ってきたら、皮をむいて大ぶりなくし切りにした新玉葱を加え、ざっと混ぜます。
新玉葱のチャーハン1
新玉葱のチャーハン2
 新玉葱の表面に油がなじんできたら、ガーリックパウダー、黒胡椒、醤油を入れて味付けし、全体に火が通るまで炒め合わせます。
 この時、新玉葱を炒めすぎてしまうと味も香りも台無しになってしまいますので、ほんのり透き通ってきたかな?と感じるぐらいで火を止めてOKです。
新玉葱のチャーハン3
新玉葱のチャーハン4
 次は、チャーハン作り。
 以前、詳しい作り方をご紹介したハナちゃん流基本チャーハンのレシピ通りに基本チャーハンを手早く作り、そこへ先程の炒め物を投入してよく混ぜ合わせます。
 両方とも火が通っていますので、軽く混ぜる程度で大丈夫です。
新玉葱のチャーハン5
新玉葱のチャーハン6
 チャーハン全域に具が混ざり切ったら火を止め、そのままお皿へ丸く盛り付ければ“新玉葱のチャーハン”の完成です!
新玉葱のチャーハン7
 ほんのり透き通った乳白色に炒めあがった新玉葱が、見るからに美味しそうです。
 にんにくと新玉葱の濃い香りによって豚コマ肉特有の匂いが和らいでいるのに、感心しました。
 一体どんな味がするのか、非常に楽しみです!
新玉葱のチャーハン8
 それでは、レンゲですくっていざ実食!
 いっただっきまーす!
新玉葱のチャーハン9


 さて、味の感想ですが…見かけによらず迫力満点な味で美味し!旬を迎えた新玉葱の旨味が、全体に活きてます!
 大ぶりに切られた新玉葱は、ザクザクした小気味良い食感ととろけるような優しい舌触りが両立しているのが何とも不思議な感じで、普通の玉葱の何倍も上をいく瑞々しい甘さが癖になります。
 この新玉葱の甘い汁気と、焦がし醤油の香ばしい塩気とが入り交じって生まれる甘塩っぱさが何とも言えず美味で、単なる基本チャーハンとは思えないくらい奥深い味わいでした。
 また、生のにんにく程ではないものの、十分がっつりした風味が効いているガーリックパウダーのおかげで新玉葱と豚肉の匂いが緩和されているのがちょうどよく、食べやすかったです。
 当初は「切っていない豚肉は食べ辛そう…」と少し心配でしたが、実際に食べてみるとむしろ食べ応えがあって豪華という印象で、「肉を食べた!」という満足感でいっぱいになりました。
 作中で淑子さんが「安い豚コマだけど新玉葱の味が染みてて、いいお肉に感じるわ!」と言っていた通り、そこまで高い豚肉でなくても新玉葱の甘味たっぷりなエキスのおかげで複雑な下味がつき、ワンランク上の味に変化しているのがよかったです。


 新玉葱と豚肉の相性の良さを、改めて実感しました。
 ただ、普通の玉葱だと平凡すぎる味になりますので、やはりこれは新玉ねぎが出回る時期限定のレシピにしておいた方がいいと思います。

●出典)『華中華』 原作:西ゆうじ 作画:ひきの真二/小学館
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

再現料理のまとめリンクが、一部未表示になっている件について

 コメント欄でグリーンさんからご指摘頂きました、再現料理のまとめリンク内のURLが一部未表示になっている件について述べさせて頂きます。
 実は、これらの記事は指定した日時に投稿されるよう予約している下書き記事の為、現時点ではまだ表示されないようになっております;(忙しい時期が続いて更新が極端に遅れる事がないよう、前倒しして書いていく内にこうなりました)。
 その為、現在五~六記事程がクリックしても読めないようになっておりますが、早くて三日、遅くて四日に一度は投稿されて徐々に読めるようになっていきますので、恐れ入りますがその時までお待ちしていただけますと幸いです。

 本来なら、アップした時にリンクへ加えた方が皆様を混乱させずに済むと思いますので、そう考えると非常に申し訳ない気持ちになるのですが、以前慌ててアップし続けた結果まとめリンクの管理が杜撰になった事がありましたので、予約投稿をセットすると同時にまとめリンクにも登録するという現在の形に落ち着きました。

 恐縮ですが、何とぞご了承の程よろしくお願い致します。

『くーねるまるた』の“パン耳生地のなんちゃってエッグタルト”を再現!

 先日、長芋と牛乳で作る和風クリームパスタのレシピを知って作ってみたのですが(こちらのレシピです)、長芋感がないとろとろな味わいですっかり癖になり、週一で作っています。
 安くあっという間に作れるのに、生クリームやホワイトソースっぽいもったりしたコクがあり、そのくせカルボナーラよりもあっさりしているので、おすすめです。
 ちなみに、相性がいいのは発泡白ワインです(^^)。

どうも、生クリームではなく豆乳で作った明太子クリームスパにもはまっている管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『くーねるまるた』にてマルタさんが秋の季節に作った“パン耳生地のなんちゃってエッグタルト”です!
パン耳生地のなんちゃってエッグタルト図
 ある秋の日、マルタさんは近所で催されていた入場料無料のキルト展へ、「芸術の秋ってことで」という理由で足を運びます。
 何でも、キルト作りの仲間として集まった7人の女性達の人生を描いた『キルトに綴る愛』という映画を観て以来、急速にキルトの世界に興味を抱き始めたとの事。
 マルタさん曰く、「何気ないモチーフの中にも、作った人のメッセージが込められている―そう思うと、キルトに秘められた物語に心が惹かれます」だそうで、帰宅後、いつかキルト作品を作る時の為に保存している布地を眺めて昔の思い出に浸っていました。
 実は当管理人も、この映画を一度だけ観たことがあったのですが、「若者は完全な愛を求め、歳を経た者はハギレを縫い合わせ、色の重なりの中に美を見出す」という言葉が印象的な作品で、一時期影響されてあれこれ布地を集めた経験があった為(←結局、とん挫しましたが;)、マルタさんの気持ちは分かる気がしました。
 過去の思い出を懐かしむように、慈しむようにして生み出されるキルト作品の魅力を、マルタさんのおかげで久々に思い出すことが出来ました(^^)。
キルト作品の展覧会を見て刺激されたマルタさんは、自宅の端切れを引っ張り出します
 しかし、故郷・ポルトガルへ思いを馳せていたのもつかの間、無性にお腹がすいてきて腹の音を鳴らしたマルタさんは、ちょっぴり照れつつもいそいそと料理に取り掛かっていました;。
 この、何をしている時でも結局食べ物のことばかり考えてしまう食いしん坊っぷりは、ドラマ版『孤独のグルメ』の五郎さん似だな~と思います;。
 今回、マルタさんが作ってみたのは、ポルトガル発祥の焼き菓子を自分なりにアレンジした“パン耳生地のなんちゃってエッグタルト”!
 作り方はお手軽で、生クリーム・卵黄・砂糖・バニラエッセンスを混ぜて作ったフィリングを、バターをぬって食パンの耳を敷き詰めた金型に流し込み、そのままオーブンでこんがりするまで焼いたら出来上がりです。
 本当は、砕いたビスケットやクラッカーで台を作るのが正式なレシピだそうなんですが、無意識内にマルタさんが全部食べきっていた為、急遽パンの耳で代用して作る事になったと作中に書かれていました;。
 どうやらマルタさんは、近所にあるお気に入りのパン屋さんで安く売ってもらえるパン耳にしょっちゅう空腹を救ってもらってるらしいので、パン耳があること自体はそう驚かなかったのですが、初見時は「主食としてだけでなく、お菓子までパン耳でまかなってしまうとは…!」と結構衝撃を受けたのを覚えています(^^;)。
クラッカーやビスケットがなくなっていた為、食パンの耳を代用して台を作ってました;
 その後、マルタさんは焼きあがったばかりの“パン耳生地のなんちゃってエッグタルト”を味見と称してすぐに食べようとしていたのですが、お隣に住んでいる美緒子さんが「いいもの焼いたんですけど、一緒にどうです?」と思いがけず焼き芋パーティーに誘ってくれた為、二人仲良くおやつの分けあいこをして話は終わっていました。
 やっぱり、マルタさんは「芸術の秋」より「食欲の秋」の方がしっくりきたようで、当分キルト作りは先になるであろう事が独白で書かれていてちょっぴり苦笑しました;。
お隣さんの美緒子さんから焼き芋を差し入れされ、楽しく半分こしていました。
 パン耳がタルトの台に変身するのか、当初はかなり疑念を持っていたのですが、『くーねるまるた』のレシピには今まで裏切られたことが一度もございませんので、思い切って再現を決意しました。
 果たして、パン耳はちゃんと代用品になるのか…実験して確かめようと思います!


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、タルトの台作り。バターをまんべんなく塗ったタルト用の小さな金型に、おおざっぱに千切ったパン耳を隙間がないようきっちり敷き詰めます。
 ※実を言いますと、作中でマルタさんは細かく千切ったパン耳で台を作ってたのですが、実際にやってみると相当に成形しづらくて苦戦しましたので、皆様は下記二枚目の画像のように、金型に合わせて大きく千切ったものを場所によって使い分けつつ詰めることをお勧めします;。
パン耳生地のなんちゃってエッグタルト1
パン耳生地のなんちゃってエッグタルト2
 次は、フィリング作り。
 ボウルへ卵黄、生クリーム、砂糖、バニラエッセンスを投入し、全体が滑らかになるまで泡立て器でよ~く混ぜ合わせます。
 このまま使用してもOKですが、より滑らかさを追求する場合は、ザルか漉し器で一~二回漉してから使うとよりおいしくなります。
パン耳生地のなんちゃってエッグタルト3
パン耳生地のなんちゃってエッグタルト4
 ここまできたら、いよいよ焼き作業。
 先程用意したフィリングを、パン耳入りタルト型へそれぞれ均等に流し込み、180度~190度に熱したオーブンで約三十分かけて焼き上げます。
 この時、マルタさんのように一つだけ熱々のうちに味見するのも一興ですが、出したばかりの金型は火傷しそうな程熱々なので、ご注意を!
パン耳生地のなんちゃってエッグタルト5
パン耳生地のなんちゃってエッグタルト6
パン耳生地のなんちゃってエッグタルト7
 粗熱が取れたら金型から取り出し、そのまま大皿に並べながら乗せれば“パン耳生地のなんちゃってエッグタルト”の完成です!
パン耳生地のなんちゃってエッグタルト8
 卵とバターのとろけるような香りが鼻腔をくすぐり、思わずため息が出てきます。
 当初はぐにゃっとするのではと心配していたのですが、意外にもフィリングはもれず、しっかりしたパイ生地風に焼けていて安心しました。
 少し透明感のある黄色が如何にも食欲をそそる為、一体どんな味か楽しみです!
パン耳生地のなんちゃってエッグタルト9
 それでは、まだほんのり温かい内にいざ実食!
 いただきま~す!
パン耳生地のなんちゃってエッグタルト10


 さて、味の感想ですが…どこか懐かしい味のするお菓子!優しい余韻の甘さが癖になります!
 卵黄のコクがギュッと詰まっていて素朴な甘味が特徴的な卵クリームと、しっかり焼けて香ばしくなった小麦の風味が濃いパン耳タルトの相性が抜群で、思わず頬が緩みます。
 例えるとするなら、焼きプリンとカスタードクリームの中間くらいのとろみを持つクリームで、焼きプリン程硬くなくカスタードクリームよりもねっとりした卵クリームが舌の上でふんわりトロトロとろけていくのは、卵好きには堪えられない感じでした。
 一方、パン耳タルトはバタートーストを何倍にもサクサクさせて水分を飛ばしたような軽い食感が美味で、まるで焦がし砂糖の香りを纏わせたラスクみたいな洒落たおいしさが口に広がります。
 面白い事に、元がパンなせいか卵クリームの染みたタルトの底部分は「やや硬めのフレンチトースト」と言いたくなるような味わいで、そのせいかすぐに親しみを持ちました。
 不思議な事に、アーモンド風味のカスタードクリーム・パイと似た味わいに仕上がっており、とてもパン耳で作ったとは思えない程の完成度です。
 また、卵クリームは卵の旨味自体は濃厚であるものの見た目程こってりしておらず、予想以上にあっさりした後口だったのでびっくりしました。


 物が食パンの耳ですので、おすそ分けできる人はそこそこ限られそうですが;、味は本当にちょっとないくらいおいしいので、いろんな方に食べて頂きたい逸品です。
 パイやビスケットを使うよりもカロリー低めなので、「ダイエットとまでいかなくても、カロリーが気持ち控え目な焼き菓子が食べたい…」という方にもおすすめです。

●出典)『くーねるまるた』 高尾じんぐ/小学館
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

プロフィール

Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
 …『銀の匙』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『スイーツ本部長一ノ瀬櫂』
 …『旅のグ(2)月は知っていた』
 …『テルマエ・ロマエ』
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