『まかない君』の“自家製プラムジャムのしょうが焼き”を再現!

 ヤンジャンで不定期掲載されているギャグ漫画・『パープル式部』が、個人的に大好きです。
 と言いますのも、『よんでますよ、アザゼルさん。』の初期以来、久々にお腹を抱えて大爆笑した作品だからで(大分前に読んだ、清リトル納言との仁義なきホワイトデー戦争の話は特によかったです)、今となっては「連載にならないのが一種のネタ」と化しつつあっても、連載&単行本を渇望しています。

 どうも、ヤンジャンのHPにある掲載作品一覧の中で唯一クリック出来ない『パープル式部』の扱いに切なくなっている管理人・あんこです。
 

 本日再現する漫画料理は、『まかない君』にて浩平君がお手製のプラムジャムを使って作った“自家製プラムジャムのしょうが焼き”です!
プラムジャムのしょうが焼き図
 自炊する男性が昔よりかなり増えた昨今、料理上手な男性の存在はそれほど珍しくなくなってきていますが、『まかない君』に出てくる浩平君は単にうまいのではなく、まるで雑誌に出てきそうなくらい小洒落れているのに生活感の漂う料理を作れるという非常に稀有な存在なので、憧れています←「料理=材料費をふんだんに使って贅沢に作る」の方々ほど費用がかかっていないのに、同じくらい垢抜けた一皿を生み出せるのが凄し。当管理人など、年々エンゲル係数が上昇しているというのに、レシピがなければ未だもさい出来にry)。
 そんな浩平君が、作中でちょこちょこ手作りしているのがジャムで、いちごジャムといったオーソドックスなものからグレープフルーツジャムみたいな変わり種まで幅広く拵えている上、カクテルベースや料理の下味として普段から活用してるのに舌を巻きました。
 『きのう何食べた?』のシロさんは、ジャムの乙女っぽいイメージに負けて「いや、いちごジャムみたいな簡単なヤツしか作らないよ?ママレードとか難しいのは作らないし!」と、毎年春にジャム作りをする別の一面をムキになって否定していましたが;、浩平君は過去に淡々と「料理に男も女もないと思うけど」と言っていただけあってジャム作りは正々堂々と公表しており、恥ずかしがるどころか「果物を砂糖と一緒にガッと煮れば、大概ジャムになるから」と言ってジャム作りに潜む意外な漢らしさを発表していた為、「確かに!」と感心しました。

 中でも、当管理人的に気になったのは、第六話に出てきたプラムジャム。
 浩平君が言うにはあんずジャムみたいな味になるお手軽ジャムだそうで、実は白いものの煮ると皮の色が煮出して綺麗なルビー色に変わると作中で語っていました(詳しいエピソードは、また次の機会にご紹介します)。
弥生ちゃんが女子会で持っていく分のジャムを、手作りしてあげる浩平君
 正直、浩平君がプラムジャムを作ったのは全くの偶然だったのですが(←スーパーで一番安かったからという単純な理由;)、これが思いの他弥生ちゃんや佳乃さんから「なにこれ、すごいおいしー!びっくりした!」「生のより好きかも」と大好評で、浩平君はどうせならこれを使って晩ご飯のおかずを作っちゃおうと考えます。
 こうして、浩平君が出来たばかりのお手製プラムジャムをソースに使用して手早く用意したおかずが、この“自家製プラムジャムのしょうが焼き”です!
 作り方は簡単で、両面に片栗粉をはたいた生姜焼き用豚肉をフライパンでカリッと焼き、途中プラムジャム・しょうが・醤油・酒・水を混ぜて作った調味液を回しかけてに煮絡めていき、最後に付け合わせと共にお皿へ盛り付けたら出来上がりです。
 浩平君曰く、「砂糖代わりにジャムを入れる」のが最大のポイントとの事で、甘酸っぱさが豚肉に合うと話していました(初見時は、「ロシア風にジャムソースをお肉へ直接かけるの?!」と弥生ちゃん同様、少しドキドキしたのを覚えています;)。
 佳乃さんが苦笑しながら言っていた通り、「ガッツリ系の生姜焼きに、メルヘン極まるお手製ジャムって漢なんだか乙女なんだか」と反応に困る一品です。(←フルーツとお好み焼きを合体させたトロピカルモダン並に戸惑いました;)。
ロシアみたいにジャムをそのまま乗っけるのではなく、砂糖代わりにタレへ加える作り方。佳乃さんの言う通り、メルヘンなお手製ジャムでがっつり系しょうが焼きなんて、乙女なのか漢なのか分かりません;
 その後、浩平君達はいつも通り四人で食卓を囲み“自家製プラムジャムのしょうが焼き”に舌鼓を打つのですが、個人的に「分かります!」と膝を打ちたい気持ちになったのは、弥生ちゃん達が生姜焼きを豪快に噛みきるシーン!
 生姜焼き用にスライスされた豚肉はどういう訳か肉も筋も脂身もやや固めな為、ちょっと力を入れないとなかなか切れてくれない事が多いのですが、それは弥生ちゃん達も同じだったようで、ある者は赤身部分を強めにバツンと噛み切ったり、ある者は歯でギリギリと脂身部分を引っ張りながら千切ろうとしていたのが妙にリアルで、思わずこちらの方まで本当に豚の生姜焼きをかぶりついているような気分になりました。
 あと、佳乃さんが付け合わせのレタスにかかっていたマヨネーズを生姜焼きにつけて頬張った時、「このタレと混ざったマヨネーズ…人を堕落させる魔性の味だねぇ」と顔がゆるみきったのが妙にそそられる感じで、照りマヨ系ソースが好きな身としてはおおいに共感したものです;(←佳乃さんの背後に、リンゴではなくマヨネーズをもって誘惑する西洋画風のヘビが描かれているのですが、高カロリーに対する背徳感を見事に表現してて実にいい感じです)。
このシーンを見た時、思わず「分かる!生姜焼き用の肉は大抵こんな感じ!」とかなり共感しました;甘辛ダレとマヨネーズが入り混ざった味を「人を堕落させる魔性の味」と見事に表現;
 プラムジャムを手作りするだけでなく、それでソースを作るという面倒臭さに一時は躊躇していましたが、ジャム風味の生姜焼きはどんな味がするのかずっと気になっていた為、再現を決意しました。
 運のいいことにプラムを入手できたことですし、早速作ってみようと思います!


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、自家製プラムジャム作り。表面をきれいに洗った後種を取りつつ皮ごとザク切りにしたプラム、大量の砂糖、レモン汁を大鍋に入れて全体をざっくり混ぜ、約三十分放置します。
 ※事前に、瓶とフタを煮沸消毒して自然乾燥させておくと、後々作業がスピーディーに進みます。
プラムジャムのしょうが焼き1
プラムジャムのしょうが焼き2
プラムジャムのしょうが焼き3
 プラムの表面に水分がにじみ出てきたら強火にかけて木べらで絶えず混ぜ、沸騰してきたら中火に火力を下げ、アクをこまめに取り除きつつコトコト煮込みます。
 やがて、皮の色が全体に溶けてきて果肉がとろけ、段々とろみがついてきたら自家製プラムジャムの出来上がりです(熱い内に消毒しておいた瓶の中へ注いで冷まし、フタをして冷蔵庫で保存します)。
 一見、いちごジャム風の鮮やかなルビー色でしたが、香りはそれよりも爽やかですっきりしたイメージで、やっぱり桃のジャムなんだな~と実感しました。
プラムジャムのしょうが焼き4
プラムジャムのしょうが焼き5
プラムジャムのしょうが焼き6
 次は、生姜焼き作り。
 ボウルに先程のプラムジャム、おろししょうが、醤油、日本酒、お水を入れてよ~くかき混ぜ、合わせ調味料を作っておきます。
 一方、生姜焼き用の豚肉は両面に片栗粉を薄くはたき、そのまま数分放っておいて表面にじんわりと粉をなじませます。
 ※豚肩ロースのスライスでも、豚ロース肉のちょっと厚めの切り身でも、ご自分のお好きな方をご使用されてOKです。ちなみに当管理人は、作中の絵を見る限り予想された前者のお肉を使用しました。
プラムジャムのしょうが焼き7
プラムジャムのしょうが焼き8
プラムジャムのしょうが焼き9
 油を引いて中火~強火の間に熱したフライパンに豚肉を並べて両面をこんがり焼き、いい焼き目がついたら一旦火を消して合わせ調味料を回しかけ、中火でじっくり煮絡めていきます。
プラムジャムのしょうが焼き10
プラムジャムのしょうが焼き11
プラムジャムのしょうが焼き12
 その間、別の油をひいて中火に熱したフライパンへ軸を取ってほぐしたしめじと、縦に薄切りして塩水に浸けてアク抜きした後水気を絞ったナスを投入して炒め、塩としょうがを漬けた焼酎(焼酎を入れた密閉瓶にしょうがを適当に切った物を付けると長持ちする上、漬けている焼酎にもいい風味がついて一石二鳥だと浩平君が紹介していました)をふりかけ、ざっと炒め合わせます。
 これで、付け合わせの野菜炒めは準備完了です。
プラムジャムのしょうが焼き13
プラムジャムのしょうが焼き14
プラムジャムのしょうが焼き15
 野菜炒めと水洗いしてから千切ったレタス(上にマヨネーズをひと絞り)を飾っておいたお皿へ、焼きたての生姜焼きを並べてソースをかければ“自家製プラムジャムのしょうが焼き”の完成です!
 ※仕上げに、傍らへ炊き立てご飯や豆腐とえのきの味噌汁を添えると尚良しです。
プラムジャムのしょうが焼き16
 ナスときのこの組み合わせが秋っぽさを漂わせ、プラムの甘やかな風味が過ぎ去ったばかりの夏をほのかに思い出させます。
 片栗粉によって照りがさらに増した濃厚そうな生姜焼きが見るからに食欲をそそり、撮影中ずっと「早くご飯に乗せてバッツンと噛みきりたい!」とうずうずしていました;。
 マヨネーズをかけたレタスもいい箸休めとして活躍してくれそうですし、一体どんな味がするのか非常に楽しみです。
プラムジャムのしょうが焼き17
 それでは、熱々の内にいざ実食!
 いっただっきま~っす!
プラムジャムのしょうが焼き18


 さて、味の感想ですが…漢より乙女が勝った味わいで美味し!プラムジャムがいい仕事をしています!
プラムジャムのしょうが焼き19
 味付けはこってり甘辛じょっぱい照り焼きダレ風の味なんですが、後口はしょうが焼き風にすっきり爽やかでキレのいい感じで、両方のいい所取りをしているな~と感心しました。
 プラムの上品で控え目な甘酸っぱさがソース全体へ溶け込んでいる為、砂糖の平面的な甘味とはまた違った瑞々しくて丸みのある甘味が効いており、しょうが共々豚肉にありがちな臭みを完全に消しているのがよかったです。
 普通のしょうが焼きよりも若干甘めで、例えるとするなら「しょうが風味のフルーティ照り焼き」というイメージの一品でした。
 豚肉の濃厚な油分と、まったり深い甘辛ソースによってただでさえガツンと濃い旨味が構築されている所に、クリーミーなコクのマヨネーズが混然と入り交じると、佳乃さんが言う通り「人を堕落させる魔性の味」としか言い様のないジャンクッぽい美味しさへと変身し、ご飯との相性がグンと跳ね上がるのがたまりません(←一番近い組み合わせを挙げるとするなら、マヨネーズをたっぷりかけたお好み焼きです;)。
 片栗粉使ったせいか、甘辛いもったりしたとろみが豚肉を隅々まで覆っていてどこを食べても味が均一なのが食べやすい上、肉汁が逃げ過ぎず柔らかな食感なままなのがナイスでした。


 シンプルな塩味でしょうがの風味がほんのり漂うナスとしめじの炒め物と、フレッシュでシャキシャキしたレタスがいい箸休めになり、交互に食べると止まらなくなります。
 えのきから出たとろみや出汁がしみじみ美味な味噌汁も癒されますし、大満足な献立でした。


○追記
 hamaさんから前回ご質問頂きました大皿について、お答えさせて頂きます。
 実はあの大皿は、当管理人が物心つくころから自宅にあった古い器で、自分一人では由来が分からず母に聞いてみたのですが、どうやら三十年以上前に知り合いから結婚祝いとして頂いたお皿だったとの事で、知り合いと音信不通になった今となってはどこのお皿だったのか全く分からないと言われてしまいました…。
 その為、「お力に慣れないかも…」と一時は落ち込んだのですが、後ろに「庫山窯(?)」と読めなくもない漢字が載っておりましたので(下の画像がその銘です)、ネットで情報収集をしつつ調べたのですが、どうやらこれは「美濃焼 庫山窯」の作品であるらしいことが分かりました。
 確信を持ったのは、こちらの方のブログ記事にあったお皿の後ろの銘で、当管理人の持つ画像とほぼ同じだったことから「これだー!」と思わずガッツポーズをしました。
 さらに調べた所、基本的に安定した価格設定で入手も比較的簡単だそうですので、よろしければご参考にしていただけると幸いです。
九州にいる知り合いから結婚祝いとしてもらったとの事でしたので、ご推測通り、恐らく九州のお皿だと思います

●出典)『まかない君』 西川魯介/白泉社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

『クッキングパパ』の“ホタテご飯”を再現!

 先日、袋入りかき氷マンハッタンが九州限定だと知り、かなりびっくりしました。
 そんなおやつはブラックモンブランくらいだろうと思っていた為、ダブルでショックです。
 正直そんなに食べた事がないのであまり親しみは感じてなかったのですが、その事を知って以来妙な身内感を抱いた為、スーパーやコンビニで見かける度「お、いるいる」と嬉しくなっており、我ながら単純だと呆れている今日この頃です。

 どうも、北海道チーズ蒸しケーキが本家サイトで「和菓子」扱いされているのが何だか釈然としない管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『クッキングパパ』にて虹子さんが取材先の北海道で親切な奥様方から教わった“ホタテご飯”です!
ホタテご飯図
 まことくんが小学生、みゆきちゃんがまだ一歳くらいだった頃、虹子さんは勤め先であるニチフク新聞社の上司・深井部長やカメラマンの土井さんと共に、北海道紋別市へ一週間の取材旅行に行きます。
 何でも、当時「オホーツクの旅」と題した大型集中連載企画があった為ひとっ飛びしたとの事で、虹子さんら取材陣はまるでプライベートの旅行のように北海道の自然の恵みを満喫しつつ、しっかりオホーツクの魅力を写真や文章に収めていました。
 深井部長曰く、「オホーツクは単なる日本の北の果てではないのです。国境に関係なくサハリン・カムチャッカ・シベリア、あるいはアラスカまでも含む巨大な北方文化圏という、人類文化発生のカギを握る重要な地域なんです」「また、もともと九州人は北への憧れを持っているという事がありましてね。宮崎出身の若山牧水しかり、福岡出身の北原白秋しかり、それぞれ北海道へきて特別の愛着を持った」という理由で今回の企画を決めたようで、その熱弁っぷりに日頃は「あいつの言いたいことは分かる!分かるけど、頭が固いんだよ~!(以上、酔った時の本音;)」と深井部長に対して思っている虹子さんも、「さすが文化部長!」と感心して拍手していました(←けれども、この弁論を聞いていると確かにちょっと固そうな人だな~と苦笑してしまいます;)。
 確かに、当管理人も周囲の人間も九州とは正反対に位置する北海道の地に対し、「美味しそうな物いっぱいありそう」「こっちにはない雄大な自然を体感してみたい」「遠すぎるからなかなか思いきれないけど、一度は行きたいな~」という強い憧憬の念を持っているので、無邪気にカニを食べる虹子さんを見て心底羨ましかったものです(´Д`*)。
 なお、取材初日に虹子さんは紋別市観光課の方のご厚意で、茹でタラバガニやボタンエビの刺身などといった海の幸をおなか一杯ご馳走してもらうのですが、その時の「これ以上の幸せはない!」という表情が秀逸だった為、土井さんから満面の笑みを不意打ちで写真に撮られて少々赤面していました(←どうやら後々、この写真は本当に記事に使われた模様;)。
新聞社の取材で、虹子さんは紋別市へひとっ飛びして美味しい物を食べまくっていました
 その後、虹子さん達は魚市場、ホタテ貝柱の加工工場、オホーツクとっかりセンター(←とっかりとは、アザラシの事。個人的にアザラシと聞くと、『少年アシベ』に出てくるゴマフアザラシのゴマちゃんを真っ先に思い出して瞬時に萌えます;)、流氷科学センターへ行って順調に取材を重ねていくのですが、次の目的地である稚内へ行く直前、土井さんが貴重なフィルムを一個無くしたことに気づくというハプニングに見舞われます。
 ちなみにそのフィルムは、初日に撮った紋別の海鮮料理や虹子さんの笑顔が収められた事もあって色んな意味で大事な資料だったそうで、皆から「ど、土井ちゃんそこまでやる…?」「ここまで探してなかったんだ、しょうがないよ」と何度言われても、心当たりのある道路脇の排水溝で泥だらけになりつつ、無我夢中で探しまくっていました(←この数年後、土井さんはある有名なコンテストで最優秀グランプリを獲得して一躍有名になるのですが、このシーンを覚えていた当管理人は、「あれだけ写真に情熱を注げる人なんだからちっとも不思議じゃない」と妙に納得したものです)。
 結局、土井さんの熱意に根負けした深井部長と虹子さんは一緒にフィルムを探す事にするのですが、何が幸いするのか分からない物で、先程取材したホタテ貝柱の加工工場で働く奥様方がその様子をみかねて一緒に探してくれることになり、地元の方ならではの詳しい情報や道具提供のおかげで、奇跡的にフィルムを見つけ出す事に成功していました;。
 正直、失くしたであろう場所の範囲が広い&探す物が小さすぎると、探す身としては「もうダメだ…」とものすごく絶望しますので(←似たような経験何度もありorz)、作中で「あったあった、バンザーイ!」と喜ぶ土井さんの姿を見てわがことのように嬉しくなりました(^^)。
あやうくフィルムを失う所でしたが、漁協の方々が手伝って下さったおかげで無事見つかってました
 これだけでも十分ありがたいのですが、その上奥様方は「ちょっと自分たちの格好をみてごらんよ」「うちにおいで、シャワーでも浴びて着替えないとそれじゃどこにも行けないよ」と言って自宅のお風呂まで貸してくれ、服も体もきれいになってすっきりした虹子さん達へさらに夕食までご馳走してくれます。
 その際、紋別市に住まう奥様方が虹子さん達に振る舞ってレシピまで教えてくれたのが、この“ホタテご飯”です!
 作り方は結構簡単で、醤油やみりん等で煮つけたたけのこ・にんじん・しいたけから出た汁気、もち米を少し混ぜたうるち米、日本酒に入れて戻したホタテの貝柱、塩、水を炊飯器に入れてご飯を炊き、炊けたらその上へ煮野菜の具の方も投入してさらに蒸らし、最後にグリーンピースを散らしてざっと混ぜたら出来上がりです。
 巻末コメントによると、どうやらこのレシピはうえやまとち先生が実際に紋別市の漁協の奥様方から教わった料理みたいで、虹子さんも「海の香りがするごちそう!」「とってもおいしいご飯よ、ぜひ作ってみて!」と絶賛していました。
 タラバガニやボタンエビといった贅沢な食材もいいですが、個人的にこういう普段から地元の人達に親しまれている家庭料理も、すごく興味があります。
漁協の奥様方はホタテの貝柱をくれた上、美味しいホタテご飯のレシピまで教えてくれました
 干し貝柱がなかなか見つからなかったのでずっと作れずにいましたが、最近やっと日常的に置いている店を見つけた為、再現する事を決意しました。
 作中には詳細な分量つきレシピが載っていますので、早速作ってみようと思います!


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、材料の下ごしらえ。ホタテの干し貝柱は出来るだけ細かく砕いて日本酒に浸け、そのまま一晩放置して柔らかく戻します。
 時間がない時は、電子レンジにかけるとあっという間に戻せます。
ホタテご飯1
ホタテご飯2
 一方、底が深めのフライパン(又は鍋)に油を引いて熱したら薄く切ったにんじん、しいたけ、たけのこを投入して炒め合わせ、続けてみりん、砂糖、醤油を投入して味付けし、約五~十分程度煮込みます。
 野菜全体へ調味料の味が染みたら煮汁のみ取り出し、あらかじめ研いで一時間ザルにあけといたもち米入りうるち米、干し貝柱(浸けておいた日本酒ごと)、塩、水が入っている炊飯器へ流し込んでフタをし、そのまま普通に炊きます。
 ※必ず煮汁や具を入れ切った後に水を注ぐようにします。なお、水加減は通常通りでOKです。
ホタテご飯3
ホタテご飯4
ホタテご飯5
 ご飯が炊けたらすぐに先程の煮野菜を広げてフタをし、十分以上蒸らします。
 蒸らし終えたらしゃもじで練らないようさっくり優しく混ぜ、途中茹でグリーンピースを加え、下からおこるようにして混ぜ合わせます。
 ※炊飯器の中で混ぜちゃっても大丈夫ですが、大皿へ移してから混ぜた方がムラなく混ざる上に作業しやすいので、おすすめです。
ホタテご飯6
ホタテご飯7
ホタテご飯8
 具がご飯全域へ大体行き渡ったらそのまま大皿へ盛り付け、一人前ずつ取り皿へよそえば“ホタテご飯”の完成です!
ホタテご飯9
 干し貝柱、しいたけ、にんじん、グリーンピース、たけのこなど、色とりどりの具がご飯にたっぷり混ざっている為、一見慣れ親しんだかやくご飯に見えました;。
 湯気から干し貝柱特有の練れたいい風味がふわりと香ってくるのが、また食欲をそそります。
 貝柱から出た出汁をふんだんに吸ってほんのり茶色に色づいたご飯は、果たしてどんな味なのか…早く食べて確認してみようと思います!
ホタテご飯10
ホタテご飯11
 それでは、熱々の内にいざ実食!
 いっただっきま~すっ! 
ホタテご飯12


 さて、味の感想ですが…干し貝柱の出汁が効いてて美味!地味ですが、飽きのこない家庭的な炊き込みご飯です。
 カニ飯やウニご飯みたいな圧倒的美味さはないのですが、噛めば噛む程干し貝柱ならではの熟成された深い出汁や滋味溢れる旨味が口の中でジワジワと膨らみ、しみじみ癒されます。
 味付けはほんのりした甘味を帯びたあっさり醤油味で(←甘辛いと言うには甘さがかなり控え目だった為、こういう表現になりました)、例えるとするなら「海の香り漂う港町の五目御飯」というイメージです。
 戻った干し貝柱を噛み締めると、ホロホロと繊維にそって貝柱がほどけ、パッと潮の風味が鼻腔をくすぐるのが何とも心地よく感じました。
 また、ご飯自体の味はやや薄めですが、事前にしっかり煮た濃いめの具が混ざっている為、味わいのバランスがとれているのがいいです。
 柔らかく煮上がったにんじんのサクサク感、クニクニした弾力がたまらないしいたけのコク、芯まで味が染みたたけのこのザクザクと小気味良い食感、ちょっと固めなグリーンピースのホコホコした歯触りが、シンプルな味付けのご飯へ奥行きを与えると同時にいいアクセントをプラスしていました。
 もち米が混ざっているせいか、うるち米のみの時に比べてどことなくモチッとした噛み応えなのもナイスで、かなり気に入りました。


 もち米の割合をもっと増やしておこわ風にしてもいけそうでした。
 高品質な干し貝柱でも、安価な干し貝柱でもそれぞれ安定した美味しさが出せますので、多くの方にお勧めしたいです。

●出典)『クッキングパパ』 うえやまとち/講談社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

『高杉さん家のおべんとう』の“わさび醤油ソースの焼き肉丼弁当”を再現!

 当管理人が『ジョジョの奇妙な冒険』を初めて知ったのは、小学校時代に家族と訪れた今はなきラーメン屋さんで手にした、ある油ぎったジャンプがきっかけでした。
 物語は第四部がちょうどクライマックスに突入する直前で、川尻早人が「運命」に打ち勝つべく吉良吉影と対峙していたシーンだったのですが、当時少女漫画ばかり読んでいた当管理人でも「これは面白そうな漫画だ」と強く印象づけられたのは覚えています。
 特に、周囲に誰も頼りになる味方がいなかった早人の状況は、当時同じクラスの誰かがついた嘘を信じたクラスメート達から「正義の制裁」を受けていた当管理人にとって他人事ではなかった為、尚更心に刻みこまれたものでした。

 どうも、結局その漫画が何という題名だったのかを知って読んだのは、相方さんと出会う約十年後の事だった管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『高杉さん家のおべんとう』にて主人公・高杉温巳さんが松坂牛で奮発して作った“わさび醤油ソースの焼き肉丼弁当”です!
わさび醤油ソースの焼き肉丼弁当図
 本当は両思いなのに、何年たっても一向に進展しなかった温巳さんと小坂さんですが、久留里ちゃんが高校進学した記念すべき六巻の中盤で、何と海辺で手をつないで散歩するという大前進を果たします。
 とは言っても、実はお二人とも三十代に突入したれっきとした大人なので、何ともじれったい気がするのですが;、超絶奥手な温巳さんと頭の中で全てが完結しちゃう小坂さんの組み合わせではたったこれだけでもすごい進歩なので、初見時は「これは、六巻中に交際宣言くるかも?!」とワクワクしたものです。
 しかし手を握り合った翌日、小坂さんから「10年後とか考えたりしますか?」と聞かれた温巳さんは、ついつい久留里ちゃんの未来予想図ばかり熱心に語り、小坂さんとの未来像は「やっと偉大なる飛躍を遂げたところなのに…っ。勢いで銀河系突破企ててよいものなのか!?」と臆病になるあまり、とっさに口ごもってしまいます。
 当管理人は鈍感な楽天家のせいか、もしこういう事態に遭遇したら「口に出すと決定的告白になるから、躊躇してるんだろうな~」と自分にいいように曲解しますが、小坂さんは前日に香山さんから「口ごもるってことは、頭の中にない証拠!」と断言されたのを思い出し、想像力が豊かなのが災いして「私との未来は、全く頭にない」という結論に至ってしまい、「その頃私、高杉さんのよい研究ライバルになれたらステキだな」と温巳さんに距離をとる発言をします。
 ちょうど折悪く、この時小坂さんは海外派遣に誘われていて行くか行かないか悩んでいる時期だったのですが、温巳さんとの仲を一旦冷静に考えたかった小坂さんは承諾し、次の話ではとうとう半年間ドイツへ研究をしに行くことが決まっちゃっていました(´・ω・`)。
 てっきりどんどん進展するかと思いきや、たった一~二話で地面に叩きつけられるかのようなドン底展開に、当初は結構ショックを受けたのを覚えていますorz。
手を握り合った直後のお二人。この時は99%うまくいくように思えたのですが…。
 その後、温巳さんと小坂さんはギクシャクした関係のまま日を過ごした上、唯一の挽回機会かと思われた送別会すらドイツにいる研究メンバーの手配ミスで小坂さんの出発が早まったせいで中止となってしまう有様で、「もはや呪われているのか?」というくらいお二人はすれ違ってしまいます…。
 こうして、小坂さんが出発する前日、温巳さんは久留里ちゃん・香山さん・香山家ファミリー・風谷教授と主役不在のままタラバ蟹(←海外へ行くにあたり、冷蔵庫を空にしたい小坂さんが在庫一掃の為に全部譲ってました。何とも豪気な話で羨ましいです;)と松阪牛で豪華なお食事会をするのですが、そんな中温巳さんは面白いレシピを香山さんの母・節子さんから聞き(以前、“たけのこご飯”のレシピを教えてくれたベテラン主婦の女性です^^)、つかの間憂鬱な気持ちを忘れます。
 それが、この“わさび醤油ソースの焼き肉丼弁当”です!
 作り方はとっても簡単で、松阪牛などの高級牛肉を塩こしょうで焼いた後のフライパンに、醤油・酒・練りわさびを溶き合わせた物を流し込んで煮詰め、ソース状になったら別に炒めておいたお好みの野菜と和え、最後にご飯を一面に敷いたお弁当箱の上へ乗せて出来上がりです。
 おすすめの野菜の組み合わせは、秋だときのこ+さつまいも、ししとう+かぼちゃ、まこも茸+ピーマンだそうですが、温巳さんみたいにいざ作ろうとして冷蔵庫に何も残っていな時は、玉ネギ+ピーマンのシンプルな組み合わせでも十分美味しいと作中で描かれていました。
 わさび醤油ソースと聞くと、思わず「辛そう」「大人向け」というイメージの方が先行しがちですが、節子さんが言うには「わさびってね、火を通すと甘くなるの。子どもでもおいしく頂けるのよ」「抗菌作用もあって、お弁当にぴったりなの」だそうで、初見時は感心しました。
小坂さんが出発する前日開かれた焼肉パーティーにて、わさびソースの作り方を教わります
 こうして翌朝、温巳さんは自分と久留里ちゃん用に“わさび醤油ソースの焼き肉丼弁当”を作りつつ、あともう少しで小坂さんが日本からいなくなるという事実で心がちぢにに乱れるのですが、「今日の午前は講義があるから、見送りに行く訳にはいかない。仕事優先、それが大人だ!」と自身に言い聞かせ、大学へ向かいます。
 けれども、出かけ間際に久留里ちゃんから「本当に 行かなくて いいの?」と言われた事、そして久留里ちゃんの顔をちゃんと見られなかった自分に対して「これが大人か?大人になりつつある彼女に、これが大人だと見せるのか?」「久留里の顔を見られない大人にだけはなりたくない」という想いを強め、その結果、色々ゴタゴタしつつも小坂さんのいる中部国際空港へ駆けつけ、息を上げつつもドイツ行きの便へ乗る準備をした小坂さんを必死に呼び止めていました。
 普段、恋愛どころか誰かに自分の気持ちをストレートにぶつける事自体が苦手だった温巳さんが、かつては頼りなくて保護すべき存在だったのに、今や誰かの気持ちを推し量って応援するまでに成長していた久留里ちゃんに背中を押され、空港へ駆けつけるまでの過程は不器用ながらもとてもかっこよく、いつ読んでも胸が熱くなります。
 久留里ちゃんは五巻以降、何かにつけ「早く大人になりたい な」と言っていましたが、少なくとも温巳さんに対する淡い恋心を抑え込み、自分よりも相手の心を大事にした時点で大人への道を何歩も前進したと、当管理人は確信しました。
息せき切って空港に到着する高杉さんと、驚く小坂さん。この時の小坂さんの嬉しそうな顔がまたよいのです
 当然、小坂さんは驚きつつも最高に幸せそうな顔をしたので、「これはもしや…」とワクテカしたのですが、温巳さんが「久留里に言われて、これは絶対外しちゃいけないって思って」と言った次の瞬間、様々な想いが入り混じった表情を浮かべ、最後に苦笑いします。
 そして、何か伝えようとした温巳さんをさえぎって「好きでした」と先手パンチを打ち、それから何故好きが過去形になったのか遠まわしに伝えてから「さよなら!高杉さん」と決定的な別離の言葉を残し、無情にもそのまま旅立ってしまいました。
 後に、小坂さんが語った独白によると、この時小坂さんはどうやら「自分の意志じゃなくて、久留里ちゃんに言われて来たの?」とムッとする想いと、「そっか。高杉さんにとって久留里ちゃんが一番の行動原理で、好きな対象なんだ。叶わないな~」「久留里ちゃんがいる限り、高杉さんの特別にはなれない」という想いが交錯して負けたと痛感した模様で、結局この一言が決定打となって温巳さんへの恋心を「断捨離終了!」と打ち捨てる決意をしたようでした。
しかし、駆けつけた高杉くんの気持ちは全く伝わらず、返って小坂さんの気持ちは離れてしまいます。
 小坂さんの言いたいことは、分からないでもないです。
 が、それでも当管理人は内心、「やっぱり、その結論はちょっと独りよがりな気がします…」と残念に思う気持ちを、押しとどめる事が出来ませんでした。
 確かに、温巳さんが勇気を出せたのは久留里ちゃんのおかげ。その事実は、動きません。
 しかし、仮にそれが事実だとしても、久留里ちゃんの背中を押す一言が効力を持ったのは、小坂さんに対する気持ちが、まぎれもなく本物だったからです。
 そもそも、小坂さんに対する想いがさほどでなかったり、ましてや小坂さんが邪推する通り久留里ちゃんが家族としても異性としても一番大事という事態になっていたら、自分の気持ちとよくよく向き合った末に「やっぱり、行かない」と結論付ける事も出来たはずです。
 けれど、それをしなかったのは、他の誰でもない、自分の意思で小坂さんを求めたという何よりの証拠。
 少なくとも、駆けつけたこの時、温巳さんは久留里ちゃんという「娘」とはまた違ったベクトルで、小坂さんをこの先ずっと一緒にいたい異性として大切に想っていた。
 それは、紛れもない事実ではないでしょうか。
 もしかしたら、小坂さんは恋愛する上で「オンリーワンになりたい」という願望が強かったからこういう結末になったのかもしれませんが、仮にそうだとしたら、それを「娘」を育てるのに必死な時期の父親に求めるのは、あまりに酷ではないかと感じました。

 ともあれ、この事も含め、ここには記しませんが七巻でのある変化もあり、お二人はもはや元の「同僚以上恋人未満」の状態には戻れなくなってしまいました。
 小坂さんにふられた直後、“わさび醤油ソースの焼き肉丼弁当”を「何この甘さっ!火通すと甘くなるって本当だったんだ」「いやもうホント困ったな、辛くないよ。わさびのせいにできないじゃないか…」と大泣きした温巳さんですが、今後仕事も恋愛も幸に恵まれるよう、祈らずにはいられません。
この涙を見ると、「久留里ちゃんの存在が大きいから駆けつけた」のではなく、「久留里ちゃんに背中を押してもらえたから」来たと思うのです
 わさびが本当に火を通すと甘くなるのかどうか確かめたくて、再現を決意しました。
 作中で詳しい作り方が載っていることですし、早速作ってみようと思います!


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、牛肉を焼く作業。手にはいる限り最高の牛肉を用意して食べやすい大きさに切り(どの部位かは明言されてませんでしたので、作られる方がお好きな部位を選ぶといいと思います^^)、何もひいていないフライパンで両面を焼きます。
 両面がこんがり焼けて油が出てきたら、牛肉を別皿へ移します。
 ※作中では松坂牛が使われていましたが、当管理人のいる地元では手に入らなかった為、自分なりに奮発して佐賀牛のロース肉を使う事にしました。それにしても、1パックだけで千円すれすれって結構高い…orz。
わさび醤油ソースの焼き肉丼弁当1
わさび醤油ソースの焼き肉丼弁当2
わさび醤油ソースの焼き肉丼弁当3
 次は、わさび醤油ソース作り。
 牛肉の脂が残った先程のフライパンへ、醤油、日本酒、練りわさびをよ~く混ぜ合わせた物を加え、木べらでかき混ぜながらじっくり煮詰めます。
 やがて、ソース全体がとろとろして煮詰まってきたら、わさび醤油ソースは出来上がりです。
 ※火を通す時、わさびの刺激臭や辛味成分が湯気となって顔面を襲い、涙がボロボロ出てきますので、要注意です;!!
わさび醤油ソースの焼き肉丼弁当4
わさび醤油ソースの焼き肉丼弁当5
わさび醤油ソースの焼き肉丼弁当6
 ここまできたら、いよいよ仕上げ作業。
 細めのくし切りにした玉ネギと、種やヘタを取って細切りにしたピーマンを軽く塩こしょうで下味をつけつつ炒めたら、わさび醤油ソースと牛焼肉が入ったボウルへ加え、具材全体にわさび醤油ソースが行き渡るまでよーく混ぜます。
 ※お弁当に入れるので、混ぜた後はしっかり冷ましておいた方がいいです。
わさび醤油ソースの焼き肉丼弁当7
わさび醤油ソースの焼き肉丼弁当8
わさび醤油ソースの焼き肉丼弁当9
 あらかじめ白ご飯を一面に敷き詰めておいたお弁当箱へ、先程ソースで和えた具材をどっさり乗せれば“わさび醤油ソースの焼き肉丼弁当”の完成です!
わさび醤油ソースの焼き肉丼弁当10
 見た目ではさっぱりわかりませんが、わさびの爽やかな風味がふわっと漂う為、匂いだけで「わさびだ!」と気づきます。
 お肉が主役のお弁当ですが、ピーマンの緑色や玉ネギの白色のおかげでそこまで殺風景な感じにはなっておらず、ほっとしました(茶色一色のお弁当はおいしそうではありますが、彩りがないとどこか寂しい気持ちになるのも事実;)。
 正直、「辛そうだな…」という不安がどうしてもぬぐえませんが、実際に食べて確認する事により、その気持ちを吹っ飛ばそうと思います。
わさび醤油ソースの焼き肉丼弁当11
 それでは、一口分すくっていざ実食!
 いただきまーす!
わさび醤油ソースの焼き肉丼弁当12


 さて、味はと言いますと…わさびの香りはガツンとくるのに、辛くなくて旨し!ご飯がモリモリ進みます。
 炒めきった後はツンと目に染みる刺激は感じなくなったものの、わさび特有の清々しくて品のいい和の香りは一向に消えていなかった為、当初は「少しは辛いのが残ってるんだろうな」と予想していたんですが、どんなにかみ締めても辛さは全くなく、それどころか砂糖をいれたかのような濃い甘さが出ているのに驚きました。
 一口食べると、わさびの爽やかな風味が鼻をスッと通り過ぎる時、しっかりと肉を噛んでいる満足感があるのに冷めても尚しなやかに柔らかい佐賀牛のサシ入り赤身が口の中でとろけて一体となり、恍惚とした心境になります。
 例えるとするなら「わさびの風味漂う和風甘辛醤油味」というイメージで、それも単に甘辛いというのではなく、わさび由来のせいかこってり系の甘味なのに後味はべとつかずさっぱりした感じなのが印象的でした(みりんを使用したかのような、照り焼き風の味付けにもなっていてナイス!)。
 よく高いお肉は塩こしょうだけで十分と言われますが、このソースは牛肉の脂に本来含まれる官能的なまでに甘い脂分をさらに引き立てる役目を果たしていたので、もったいないという気持ちにはなりませんでした。
 玉葱やピーマンのシャキシャキ感や瑞々しい汁気がいいアクセントになっており、一歩間違えばしつこくなっていた牛焼肉をあっさりさせていたのに感心です。


 全く辛くないのでお子さんや辛い物が苦手な方にもおすすめですし、何より防腐効果があるのがお弁当のおかずとして嬉しいです。
 牛肉だけではなく、他の食材にも応用がききそうです。

●出典)『高杉さん家のおべんとう』 柳原望/メディアファクトリー
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

『たけだみりこの極楽ゴハン』の“月見ごはん&ナスの梅ジソあえ”を再現!

 当管理人がまだ小学校にあがるかあがらないかの頃、友達の家にあった『ジャングル大帝』の単行本を熱心に読みふけったことがありました。
 何度も読み返しましたが、初期のシーンの中で一番心に残ったのは、主人公レオの父・パンジャと、当時妊娠中だった妻・エライザのあるエピソード。
 普段はジャングルの王として皆から畏怖されているパンジャですが、狩りを終えると真っ先にエライザの元へ行って丸々獲物を渡して食べさせ(←エライザの食事中、パンジャはじっと空を見て微動だにしないのが泣かせます;)、自分はエライザが食べ残した骨をチビチビ舐めて食事を終えるというたった数コマのシーンなのですが、良くも悪くも九州男児な父を持った当管理人にとって、この行為はかなり衝撃的だったのを覚えています。
 そして、子ども心に「将来は、レオのお父さんみたいに美味しい食べ物や意見を奥さんに譲れるような人と結婚したいな~」と空想していた為、当時から食い意地が張っていたのだな~と思い出すたび苦笑してしまいます;。

 どうも、成人後も無意識にその願望を持ち続けたのか、気が付けば好物をニコニコ譲ってくれる相方さんと歳月を共にしていた管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『たけだみりこの極楽ゴハン』にてかまどの神様が十五夜の夜に現れて作り方を教えた“月見ごはん&ナスの梅ジソあえ”です!
月見ご飯図ナスの梅ジソ和え図
 それは、日本に中秋の名月シーズンが到来した時の事。
 某所アパートの二階にあるベランダで、奥さんが部屋の中にいるご主人に「ねえ、出てこない?いい月よぉ」と呼びかけるのですが、ご主人はゲームでそれどころではないらしく、「今いいとこなんだ、それより飯まだ?」と素っ気なく返されてしまいます。
 正直、仕事が終わって家でやっと一息つき、「さあ好きな事やるぞ~!」モードの時は部屋の中から出る事すら億劫になるのもままある為、ご主人の気持ちも分からないでもないのですが、奥さんの「今しか楽しめないことは、今しようよ~!」という気持ちも分かる為、初見時は「うーん、どちらの言い分も分かるだけ難しい…」と頭を悩ませたものです(^^;)。
 とはいえ、中秋の名月を見上げられるのは一年に一度だけで大変貴重ですので、本格的にお供え物を用意して数時間単位でのんびり鑑賞するとまではいかなくとも、「そういえば、今夜はそういう日だったな~」と少し話題に乗りつつ、数分だけでも一緒に月を見てくれたらそれだけでもう嬉しいな~と個人的に思います;。
お月見をしようと夫をさそいますが、ゲームに熱中していて断られてしまいます
 そんなご主人のつれない反応に、奥さんは「…もったいない…今日はこんなにいい月なのに」と思わずため息をつくのですが、偶然にもその場へ空飛ぶお鍋でお月見飛行をしていたかまどの神様が立ちより、話を聞いてくれます。
 奥さんが言うには、どうやら単にお月見が出来なくて寂しいというよりは他に月を見て欲しい理由が存在するそうで、「ねえ、何かいい方法ないかしらー?どうしてもあの人にこの月を見せたいんだけど…」と真剣に相談されます。
 最初は「そうよのぉ…」と思案顔だったかまどの神様ですが(←そこそこ難題ですので、当然ですね;。ちなみに、当管理人は月見団子やとろろそばを食べさせるという案くらいしか思いつきませんでしたorz)、真ん丸なお月見様を見ていて何か閃いたらしく、「おおっ、そうじゃ!この月をご飯の中に閉じ込めるというのはどうじゃ!!」と提案します。
 その際、かまどの神様が奥さんにレシピを教えたのが、“月見ごはん&ナスの梅ジソあえ”です!
 作り方は両方ともすごく簡単で、“月見ごはん”は炊飯器のご飯に人数分の穴を開けて生卵を落とした後十分蒸らし、茶碗によそってから醤油ともみ海苔を散らすだけ、“ナスの梅ジソあえ”は切ったナス・青ジソ・梅干し・かつお節・日本酒・醤油・塩をボウルに入れて混ぜたらもう出来上がりです(←珍しい事に、ナスの下ごしらえは塩もみではなく、塩水に浸けて絞ると書かれていました)。
 かまどの神様曰く、「炊き立てご飯の余熱で卵がちょうどいい半熟に仕上がるのじゃ。余計な味付けをせず醤油で食べるのが一番じゃ」「出盛りの新鮮なナスで作るとうまいぞよ。酒のつまみにもなかなかじゃな」との事で、いずれにせよ秋の新米の季節に作ると一際おいしいと紹介していました。
 うっすら半透明の膜で覆われた半熟卵の黄身が朧月そっくりに仕上がるのだそうで、これを見たらつい頭の中で「半熟卵=月見」と連想され、いい話題作りになるのではとアドバイスされていました;。
満月を丼に封じ込めた料理として紹介されたのは、半熟卵が乗った白ご飯でした炊飯器のご飯に人数分の穴を開けて卵を落とし、そのまま数分蒸らしたらもうOK
 その後、奥さんは出来立ての“月見ごはん&ナスの梅ジソあえ”をゲームに夢中の夫がいるテーブルへ運ぶのですが、何故かご主人は「うわっ、つ、月だーっ!!」と驚き、「ま…満月だ…それも美しい」とワナワナ震えだします一瞬、奥さんが一服盛ったのか勘ぐっちゃいました;)。
 この時点でもうすでにおかしいのですが、驚くのはこのすぐ後で、何とご主人は“月見ごはん”を持ったままいきなり狼男に変身(゜Д゜;)!
 実はご主人は人間に変身できる狼男で、現在ではすっかり野性を忘れてずーっと人間形態のまま過ごしているはぐれ者みたいなんですが、奥さんが言うには年に一度はちゃんと変身しないと体に悪いとの事で、それで執拗に満月を見せて変身させようとお月見に誘っていたと説明していました。
 大抵、こういう人間に変身できる動物は身分を隠して生活するパターンがほとんどですが(『おおかみこどもの雨と雪』然り、『平成狸合戦ぽんぽこ』然り)、この作品は完全にギャグテイストのせいかご主人は狼男である事をご近所に受け入れられている模様で、狼姿で「九月に毛皮は暑いんだよぉ!ワオオ~ン!!」とベランダで遠吠えしても、奥様方から「あら、あそこのご主人今年もっ!」「もう秋ねぇー」と風物詩扱いされていました;。
『おおかみこどもの雨と雪』の二人とは違い、この夫婦に切ない事情は一切なしです;
 ちょうど新米が近所のお米屋さんで手に入った矢先でしたので、再現を決意しました。
 レシピは分量つきで作中に記載されていますので、早速作ってみようと思います!


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、“ナスの梅ジソあえ”作り。ナスは軸を切り取った後、薄くスライスしてやや強めの塩水に浸けて十~十五分程度放置します(塩水は、なめてしょっぱいくらいがベストです)。
 一方、ボウルには種を取って包丁で細かく叩いた梅干し、日本酒、醤油、薄く削ったかつお節を入れ、よ~く練り合わせておきます。
月見ごはん&ナスの梅ジソあえ1
月見ごはん&ナスの梅ジソあえ2
 ナスを両手で挟んで握りしめてギュ~ッと絞り、余計な水分を取り除いたら先程のボウルへ投入して菜箸でかき混ぜ、最後にみじん切りor千切りにした青ジソを加えてざっと混ぜ合わせます。
 これで、“ナスの梅ジソあえ”は出来上がりです。
 一方、炊飯器で普通にご飯を炊いてスイッチが切れたらすぐにフタを開け、スプーンで真ん中へ小さな穴を掘った後生卵を割り落としてまたすぐにフタをし、そのまま約十分放置します。
月見ごはん&ナスの梅ジソあえ3
月見ごはん&ナスの梅ジソあえ4
 黄身が半熟っぽく固まったのを確認したら、玉子が崩れないよう慎重にご飯ごと茶碗へ盛り付けて周りにもみ海苔を散らし、仕上げに傍らへあえ物入りの小鉢を添えれば“月見ごはん&ナスの梅ジソあえ”の完成です!
月見ごはん&ナスの梅ジソあえ5
 トロリとした半透明の膜に覆われた真ん丸の黄身が満月、真っ黒なもみ海苔が夜の闇を連想させ、何とも風流な一品です。
 あえ物の方もナスの紫、青ジソの緑、梅干しの赤が如何にも「和」な感じで目にも美しく、見るからに秋らしいと感じました。
 半熟卵と白ご飯の取り合わせは数多く存在しますが、果たしてこちらはどんな味なのか、実際に食べて確かめようと思います。
月見ごはん&ナスの梅ジソあえ6
 それでは、お箸で黄身を突き崩して醤油を回しかけ、いざ実食!
 いっただっきまーす!
月見ごはん&ナスの梅ジソあえ7


 さて、味の感想ですが…これ以上ないくらいシンプルなのに、十分美味し!ナスもご飯のおかずとして最適です!
 炊飯器で蒸した卵は半熟というよりむしろ温泉卵に近いイメージで、醤油をかけてさっとかき混ぜてから一気に口へ運んだ所、目玉焼きご飯から香ばしさやお焦げを抜いたらこんな味わいになるんじゃないかな~と思いました。
 噛み締めるたびにパリパリと砕ける海苔の磯風味と、醤油ご飯のストレートな塩気に卵が加わるとまさにゴールデントリオといった感じで、卵かけご飯同様バクバクいけます。
 白身はまるで茶碗蒸しのようにフルフルしたとろけるような柔らかさですが、黄身はご飯に染みないギリギリの半熟加減でねっとり濃厚に変身しており、正直同じ調理法と調理時間でここまで火の通り加減が違うのは珍しいと感じました。
 じんわりゆっくりと熱が中央にまで浸透していったせいか、生の卵黄特有の臭みが消えている上、黄身の濃い甘味が何倍にも増幅されているのがナイスで、これなら目玉焼きや半熟卵といった半生系卵が苦手な方でも大丈夫なのでは…と思わずにはいられません。
 一方ナスは、カツオ節の出汁が効いた醤油によってマイルドになった梅干しの酸味がいい具合に馴染み、何とも言えないさっぱりした甘塩っぱさに仕上がっているのがご飯にぴったりでした。
 直接塩をふりかけず塩水でアクや水分を抜いたせいか、身がパサパサにならず瑞々しくキュムキュムした歯応えのままなのがよかったです。
月見ごはん&ナスの梅ジソあえ8


 新米が入った時期には、ぜひ一度は挑戦したい組み合わせです。
 単純な材料だけ使う料理なので、その分品質の高い素材を用意する事をお勧めします。

●出典)『たけだみりこの極楽ゴハン』 たけだみりこ/竹書房
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

『華中華』の“ペペロンチーノ・チャーハン”を再現!

 先日、ふと相方さんに「『ハチワンダイバー』ってどんな漫画?」と聞いたところ、「面白いからちょっと読んでみて」と単行本を手返されたので、試しに一~五巻までぶっ続けで読んだのですが、確かに面白いやら予想と全然違っているやらで衝撃を受けました。
 といいますのも、恥ずかしながら当管理人は『ハチワンダイバー』をギャンブル漫画とずーっと勘違いしており(注:将棋バトル漫画です)、何となく手に取らないままいたずらに月日を過ごしていたのですが、このたび読んでその誤りに気づいた時、「もっと早く読みたかった…!」と身悶えしました;(以前はまっていた某ギャンブル漫画が、どんどん主軸から話がずれて小難しくなるのに耐えられなくなって読了を諦めた事があったので、それ以来ギャンブル系漫画の新しい開拓は敬遠していました。それがまさか、ギャンブルじゃなかったとは…不覚orz)。
 なので今後は、遅まきながら『ハチワンダイバー』もヤンジャンが出る度読もうと考えています。

 どうも、ヤンジャンのHPで掲載作品をクリックすると一旦黒い画面になのですが、その時画面が鏡みたいになってやつれた自分の顔が映り、その都度精神打撃を受けている管理人・あんこです。


 今回再現する漫画料理は、『華中華』にてハナちゃんの先輩・チビ太さんがデートの最後に作った“ペペロンチーノ・チャーハン”です!
ペペロンチーノ・チャーハン図
 それは、まだ食べるラー油がブーム真っ盛りだった頃の事。
 ハナちゃんに時々意地悪をするものの根は努力家で、デコボコ三人組の中では一番料理のセンスがあるチビ太さんが、ある日時間が空いた時を見計らい、自分流の食べるラー油を拵えます。
 チビ太さんが言うには、「今話題の調味料を使う事によって、満点料理店の料理に活かせたら…」と思って作ったそうですが、料理長の島野さんに見つかって「あたしは、料理人が新しいメニューに挑戦する事については否定しないわ」「でも、これ…あの食品会社の味付けそのままじゃないの!あんたは、横浜中華街の一流店の料理人でしょ!」「だったら、パクリ屋の有田のような真似はしちゃダメ!分かった?」とこっぴどく怒られてしまい、その上罰として一時的に下働きの身分に落とされちゃっていました。
 正直、悪気があってやった訳ではないのは明白だったので気の毒でしたが、楊貴妃さんが後で可哀想がるハナちゃんに「人は痛い思いをしてこそ、覚えたり身につくもんだよ。島野がそれを、身をもってチビ太に教え込んだって訳さ!」と言ったのを見て、なるほどと感心しました。
 優しく手取り足取り教えるだけで全ての教育が完了するなら、本人も教える側も大分楽ではありますが、本当の意味で身につけさせたり、後々自分一人でも考える力を養わせるには、あえて突き放すことも大事な場合もあると個人的に感じている為、島野さんのやり方はある程度で切り上げるならありだと思います。
横浜中華街の一流料理人が、他所の味をそのままパクった新商品を作るなと怒られてしまいます
 けれども、そんな島野さんの親心を知らないチビ太さんは毎日下働きだけなのに次第と元気を失った為、おおよその事情を知っていたハナちゃん・ブーさん・ノッポさんは、チビ太さんを何とか励まそうとして一計を案じます。
 それは、ハナちゃんの後輩であり、チビ太さんが密かに恋している相手でもある新人事務員・原田明菜さんを、チビ太さんとデートさせる事!
 実を言いますと、日頃チビ太さんは明菜さんにさりげなくアピールしているものの、「意地悪だしタイプじゃない…」と考えている明菜さんから素っ気なく応対していたのですが、ブーさんやノッポさんに「明菜さんに頼んでみてくれ、頼む!」と言われて断り切れなかったハナちゃんからデートのお願いをされた明菜さんは、薄々事情を察知して苦笑しながらOKし、おかげでチビ太さんはかなり元気を回復しいました(はっきり言って、ハナちゃんが嫌々お願いしていなかったらお二人の仲が進まなかった事はほぼ確実ですので;、その後チビ太さんが喜びの余りハナちゃんへのお礼をすっかり忘れて「早く帰って、デートの用意をしなくっちゃな!」と走りかえったのには、ザ・たっち並に「ちょっと、ちょっとちょっと!」と突っ込みたくなりました;)。
日頃お世話になっているハナちゃんの頼みだからと、仕方なく苦笑して承諾した明菜さん;
 こうしてデート当日、最初はぎことなかったものの、お昼を回る頃には大分打ち解けた雰囲気になっていたチビ太さんと明菜さんは、あるイタリア料理店へ入ります(←スタンドが出るイタリア料理店とは全くの無関係です;)。
 そこはまあまあ有名なお店だったみたいで、二人ともワクワクしながらペペロンチーノを注文するのですが、世間話に熱中して呼んでも来ない店員&にんにくと赤唐辛子が真っ黒焦げというお粗末なペペロンチーノ&新しいのに替えて欲しいと告げると「お客さん、食べもしないで交換しろなんて失礼でしょ!」「ちっ、グルメぶりやがってさ。田舎者が…」と笑う等、飲食店でやられたら確実に腹が立つ所業を三連続でされたチビ太さんは激怒して席を立ち、少々気まずいムードのままお店を出ていました。
 ちなみにその際、興奮状態で「客を小馬鹿にするわ、こんないい加減な料理を出すわ…料理店として失格だよ!行こう、明菜さん!」とチビ太さんに対し、明菜さんが「は、はい。でも…お金は払わないといけませんよね?」と冷静に突っ込んでいたのがおかしく、悔しそうに渋々お金を支払っていたチビ太さんがちょっぴり気の毒でした(^^;)。
 これまで、グルメ漫画でしばしば問題視されていた文句をつけてお金を払わず、ナチュラルにお店を出る→読者「あれ?これって食い逃げなんじゃ…ひょっとしてスルーですか;?」現象ですが、少なくとも『華中華』ではそういううやむやを許さなかったようなので、少し好感を持ちました;。
態度の悪い店員、手を抜いた雑な料理、とげとげしい空気など、嫌な料理店に入ってしまいました
 結局、お二人は何も食べられずに帰途につくのですが、ラッキーにも「…私、嬉しかったです。チビ太さんの取って下さった行動…。とっても素敵でしたよ」と思いがけず好感度が上がった明菜さんにテンションが上がったチビ太さんは、自分のアパートへ明菜さんを誘い、ペペロンチーノで思いついた新作料理を振る舞います。
 それが、この“ペペロンチーノ・チャーハン”です!
 作り方は簡単で、にんにく・赤唐辛子・オリーブ油・岩塩・水で作ったペペロンチーノ風ソースへご飯を投入してパラパラになるまで炒め、最後に生バジルを加えて混ぜ合わせたら出来上がりです(←なお、ご飯ではなく茹でたてパスタを入れたら、ペペロンチーノ・スパゲティになります^^)。
 チビ太さんが言うには、「ペペロンチーノソース作りって、食べるラー油作りに似てると思わない?」との事ですが、確かに熱した油へ塩やにんにくを足してじっくり香りを移すところは似ていなくもないな~と感じました。

 その後チビ太さんは、この“ペペロンチーノ・チャーハン”を明菜さんからだ絶賛された上、島野さんに作って下働きの身分から解いてもらうようお願いしてみては?とアドバイスされ、すっかり気をよくしてその日一日を終えます。
 しかし、この時点ではお二人の仲が進展するようにはまだまだ思えなかったので(←「これからも、明菜ちゃんに食べてもらえる料理を作ろうかな?」と提案して、遠まわしに断られています)、楊貴妃さん同様「アタシゃ、多分ダメだと思うよ」の方に一票を投じたい気持ちになったエピソードでした;。
その後、チビ太さんの部屋で生バジルとにんにくを使ったチャーハンを食べ、少しいい雰囲気になります
 先日、近所のお店で鮮度がよくて大ぶりなバジルを見つけたので、再現する事を決めました。
 作中で詳細なレシピが紹介されている事ですし、早速作ってみようと思います!


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、ペペロンチーノソース作り。フライパンへ芯を取り除いた後みじん切りにしたにんにくとオリーブ油を入れ、弱火でじっくり火を通します。
 やがて、にんにく全体がほのかに色づき香りも立ってきたら、種を取って輪切りにした赤唐辛子と岩塩を加えて木べらでざっと混ぜ合わせます。
 ※にんにくは包丁の刃を入れた途端すぐ酸化しますので、なるべく迅速にオリーブ油をかけるよう気を付けます。
ペペロンチーノ・チャーハン1
ペペロンチーノ・チャーハン2
ペペロンチーノ・チャーハン3
 岩塩が溶けきったら、お水を少しずつ注いでは木べらでまんべんなくかき混ぜる&フライパンを丸く揺らすを繰り返してソースを乳化させ、ソースが白っぽくとろみが出てきた所へご飯を投入して炒め合わせます。
 ご飯全域にソースが行き渡ってパラッとしてきたら、ザク切りにしておいた生バジルを加えてさっと混ぜ、火が通り過ぎない内にコンロからおろします。
ペペロンチーノ・チャーハン4
ペペロンチーノ・チャーハン5
ペペロンチーノ・チャーハン6
 刻みバジルがまんべんなく混ざったら丸いお皿へ盛り付け、仕上げに生バジルの葉を数枚周囲に飾り付ければ“ペペロンチーノ・チャーハン”の完成です!
ペペロンチーノ・チャーハン7
 炒めてもなお白いチャーハンに、バジルの目にも鮮やかな緑色と、赤唐辛子の赤色がよく映えていて美しいです。
 正直、にんにくの匂いが勝るのでは?と思っていたのですが、実際に使ってみるとバジルの香りの方がずっと強くて驚かされました(←何と、にんにくとバジルを切り終えてふと手の匂いを嗅いだ時すらバジル臭の方が勝っており、身震いしました)。
 岩塩のみの味付けのチャーハンは今まで食べた事もないので、一体どういう味がするのかとっても興味深いです。
ペペロンチーノ・チャーハン8
 それでは、熱々の内にいざ実食!
 いただきまーす。
ペペロンチーノ・チャーハン9


 さて、味はと言いますと…日本人好みの、シンプルな中に奥深さがある塩味が美味し!じっくりチビチビ食べつつ、白ワインを飲みたくなります。
 調味料は岩塩のみなので、単純極まりない味付けのはずなんですが、にんにくとオリーブ油が乳化する事によって生まれたこってりかつまろやかなコクがご飯の隅々にまで浸透しており、噛むごとにしみじみする味わいが特徴的です。
 ペペロンチーノ特有の、鼻にも舌にもガツンとくる濃厚なにんにく風味が効いているのが癖になる印象で、時折ピリッとくる赤唐辛子の辛味がいい仕事をしています。
 面白い事に、全く粘りがなくパラッとした出来栄えなのにも関わらず、まるで極力水分を抑えてドライに仕上げたリゾットのようなとろみのある噛み心地な上、それでいて炊き込みご飯みたいなふっくらモチモチ感がたまらない感じで、正直この不思議な食感だけでも作った甲斐がありました。
 バジルが沢山入っているせいか、紛れもなくイタリア風の旨さなのに東南アジアのバジルを使ったご飯料理(ガッパオなど)の旨さにも近く、複雑な気持ちになります。
 例えるとするなら、「イタリアン風爽やかバジルのガーリックライス」というイメージで、バジルの鼻をスーッと突き抜けていく甘やかで清々しい香りがいいアクセントになっている一品でした。


 食べ終わると、ハーブ独特の清涼感溢れる食後感により、胸がスーッとします。
 中華というよりは、どちらかというとエスニック風の趣があるので、女性の方に受けがよさそうな一品といえそうです。

●出典)『華中華』 原作:西ゆうじ 作画:ひきの真二/小学館
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

プロフィール

あんこ

Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
 …『銀の匙』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『スイーツ本部長一ノ瀬櫂』
 …『旅のグ(2)月は知っていた』
 …『テルマエ・ロマエ』
 …『土曜日ランチ!』
 …『BAR・レモンハート』
 …『百姓貴族』
 …『ぶたぶた』シリーズ
 …『ベーグル食べない?~幸せカフェごはん~』
 …『飯盛り侍』
 …『夢色パティシエール』


○当ブログについて
 このブログで使用されている記事の画像、一部文章は、それぞれの出版物等から引用しております。
 引用物の著作権は全て作者様、出版社様等に準拠致します。
 もしご関係者様に問題のある画像及び記事がございましたら、御連絡頂ければ速やかに修正、削除等の対処を致します。

○お知らせ
・当ブログでは作品のネタバレを含んだレビューも同時に行なっておりますので、作品を未見の方はご注意をお願いいたします。
・各作品に掲載されているレシピの分量は、例外なく全て非公開にする方針を取っておりますので、ご了承の程をお願いいたします(←この件についてご質問頂いた場合、誠に失礼ながら下記の理由でご返信しない方針にしております)。

※現在、公私の多忙と、再現記事のペース維持を理由に、コメント欄へのご返信が出来ない状態が続いております。
 こういう場合、コメント欄は停止するべきなのかもしれませんが、励ましのお言葉やアドバイスを頂く度、ブログのモチベーションアップや心の支えとなったこと、そして率直なご意見や情報を聞けてとても嬉しかったこともあり、誠に自分勝手ながらこのままコメント欄は継続する事に致しました。
 図々しい姿勢で恐縮ですが、ご返信をこまめに出来なくて余裕がある分、ブログ内容を充実&長期的に続けられるよう力をいれる事で皆様のご厚意にお応えし、感謝の気持ちをお返ししていきたいと考えております。
※ただ、ご質問を頂いた際はなるべくお力になれるよう、すぐご返答できるように対処致します。

 応援して下さる方々に少しでも楽しんでご利用して頂けるよう、沢山の作品に触れるちょっとしたきっかけになれるよう、これまで以上に心掛けていきます。
 恐れ入りますが、よろしくお願い致します。

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