皆様にとって、来年が良いお年でありますように。

 今年一年、当ブログにお付き合い下さり、誠にありがとうございました。
 ご訪問して下さった方、コメントを下さった方、拍手をして下さった方、皆様に感謝です。

 未だに読みやすい文章の書き方が確立できておらず、再現料理数が六百を超す現在でも試行錯誤を繰り返しておりますが、そんな中頂くアドバイスや励ましのコメント、叱咤のコメントのおかげで、今年もまた乗り切る事ができました。
 本当に、ありがたいことです。

 色々と思う所のある一年でしたが、おかげで腹を据える事が出来ましたので、全て無駄ではなかったのだとこれまでを振り返られたのが一番の収穫だったと思います。


 来年も、ご縁がありましたら宜しくお願い致します。


P.S.
 2014年は、1月2日に再現料理の記事をアップする予定です。

『酒のほそ道』の“鰤のづけ山かけ”を再現!

 先日、右の柱に載せている「再現料理を予定中の漫画」一覧に、『浅草人~あさくさびと~』、『ハルの肴』、『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』を新たに追加しました。
 前者二つは人情噺系の心温まる作品、後者はびっくりする程簡単で身近な材料のみで作れちゃうレシピ満載ですので、近々ご紹介できたらと思います。

 どうも、大掃除も年賀状書きも数の子の下ごしらえも仕事納めも忘年会も終えてほっと一息ついている管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『酒のほそ道』にて宗達さんが十二月三十一日の夜に作った年越しメニュー・“鰤のづけ山かけ”です!
鰤のづけ山かけ図
 ある年の大晦日、宗達さんは一人で年越しの宴をする事を決め、街中をぶらぶらしつつ年末年始に必要な物を買いそろえようと大型スーパーへ向かいます(←神社に一足早く行って柏手を打ったシーンを見た時は「何事?」と頭の中がはてなマークだらけでしたが、「後ほど年が明けたらお神酒を頂きにきますんで、よろしく」と挨拶していたのを見てずっこけました。本当に飲兵衛なんだな~と、呆れを通り越して天晴れな気持ちになります^^;)。
 大型スーパーには年始に向けて買いだめをしようとする人々でごった返しており、初売りの時特有の華やかでめでたい活気とはまた違った、クライマックスに向けていそいそと足早になる独特の活気に満ち溢れていて、読んでいるだけで「これこれ、この何とも言えない慌ただしい空気こそ年末!」と大きく頷かされました。
 いつもと同じに見えて、あちこちに「れんこん」「昆布巻き」「くわい」「黒豆」「栗きんとん」と書かれたチラシがこれ見よがしに貼られているのも「あるある!」という感じで、思わずニヤニヤします。
 なお、宗達さんはメイン食材を肉ではなく魚を選び、お酒もちょっと奮発して大吟醸を選んで帰宅していました(←やはり、お正月間近だと和食寄りのセレクトになるみたいです)。
年末年始のスーパーって、独特の浮足立った雰囲気があっていいですね(^^*)
 ちなみに、宗達さんが選んだ魚は鮭と鰤の二種類。
 宗達さんが言うには、東日本は鮭・西日本は鰤が年取り魚(かつて日本には、大晦日にその土地で釣れる魚を調理して年越しをする風習があったのですが、年取り魚とはその際に食べられていた代表的な魚です)だとの事で、今年は贅沢にも東西のどちらでも通用するようなメニュー作りに勤しんでいました。
 この時、宗達さんが作った四種類の年越し料理の内の一つが、この“鰤のづけ山かけ”です!
 作り方はとても簡単で、あらかじめ麺つゆに浸けて下味をつけた鰤の刺身にすりおろした山芋をかけ、青海苔とわさびを上からかけたらもう出来上がりです。
 マグロの山かけはよく聞きますが、鰤の山かけは初耳だったため、初見時は「お!」と目に留まったのを覚えています。
 鰤も鮭も味が美味しいだけではなく、EPA・DHA・ビタミンD・ビタミンE・ビタミンB1・タウリン・鉄分・良質なタンパク質と脂質など、多数の優れた栄養素を持つ非常に健康にいい魚でもありますので、新しい年を健康的に過ごせるよう祈りながら食べるのに相応しい食材といえそうです。
年取り魚は地域によって異なり、東は鮭、西は鰤がそれにあたります。
 その後、宗達さんはさりげなく紅白歌合戦にチャンネルを合わせ、大吟醸もキンキンに冷やし料理を全てコタツの上に並べて宴の準備を完了させ、「今年一年お疲れさまーっ!」と自身を労いつつ飲もうとしたのですが、タイミングよく一本の電話が鳴ります。
 電話をかけてきたのは、行きつけの飲み屋でちょくちょく顔をあわせている常連仲間・リサさんで、要件は年越しパーティーのお誘い。
 なんでも、居酒屋<スマイル>で偶然いつもの面子がそろったリサさん達は、自然と「みんなでしゃぶしゃぶやりながら年越ししよう」と和気藹々とした雰囲気になったそうで、どうせなら宗達さんも誘ってみんなで盛り上がろうという話になって電話をかけたとの事でした(←日頃から自分の世界に浸りがちでみんなから「ま~たやってる」と苦笑されがちな宗達さんですが、何だかんだ言って「仲間」として受け入れられている様子なのが読んでてほっとしました;)。
 当初は「そんなに大勢じゃなあ。年越しは一人で静かにやるに限るよ」と、またいつもの通ぶりたい心理が働いた宗達さんは「やめとくワ、俺は。うん、じゃあよいお年を、バイビー」と素っ気なく電話を切っていましたが、案の定わずか十分後に猛烈に寂しさが募ったようで、「年取り魚は正月にゆっくり食えばいいや。おーい、肉とっといてくれーっ!」と急いでリサさんに電話をかけ、除夜の鐘が鳴る中<スマイル>へ駆け出していました←肉がないしゃぶしゃぶは悲惨の一言に尽きますので、慌てているように見えてしっかりしてるな~と、安定した食い意地っぷりに苦笑しました;)。
 確かに、一人で侘び寂びを噛み締めながらのんびり過ごす年越しムードも乙なものですが、気の置けない仲間たちと鍋をつつきながら賑やかに迎える新年も楽しいものだと思いますので、早い内に素直になってくれてよかったな~と安心しました。
 おそらく、リサさん達は電話を切った後「岩間ちゃん、やっぱり来るって」「だと思ったよー、最初からそう言っとけばいいのに~」「いつもの事、いつもの事」と軽口をたたき合いつつもちゃんとお肉を残して待っているんだろうな~と推察されますので、その様子を想像するとついニコニコ顔になったエピソードでした。
年取り魚の料理を用意し、年越しパーティーの準備が完了します最初は断った物の、少し経ってから「やっぱりみんなと年越しいいや!」と思い直してました;
 生食用のいい鰤が近所で見つかりましたので、再現する事にしました。
 今まで生の鰤といいますと、せいぜいわさび醤油をつけて刺身にして食べるくらいしか想像がつきませんでしたので、山かけにしたらどういう感じになるのか食べて確かめたいと思います。


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、下ごしらえ。約一センチ弱の分厚い刺身状に切った生食用の鰤をボウルに入れて麺つゆをそそぎ、さっと混ぜてラップをしたら冷蔵庫へしまい、十五分以上かけて漬け込みます。
 あんまり漬け過ぎますと、鰤の風味が損なわれますので要注意です。
鰤のづけ山かけ1
鰤のづけ山かけ2
 次は、仕上げ作業。
 鰤に下味がついたのを確認したら余分な汁気を切って器へ盛り付け、その上になめらかなペースト状になるまでよくすりおろした山芋をトロリとかけます。
 ※おろし金ですった山芋をそのまま入れてもOKですが、すり鉢で丹念にあてた山芋を使った方が、より繊細な口当たりになりますのでお勧めです。
鰤のづけ山かけ4
鰤のづけ山かけ3
 その上から青のり(出来れば国産のすじ青海苔がいいです)をふりかけ、最後にわさびをちょこんと飾り付ければ“鰤のづけ山かけ”の完成です!
鰤のづけ山かけ5
 真っ白な山かけの中からうっすらとのぞく鰤の身と、わさびの緑色の組み合わせがとても風流で艶めかしく、見るからに食欲をそそられました。
 青のりから漂う磯の香りが鼻腔を心地よくくすぐるのも、ポイントが高かったです。
 それまで、山かけに合わせる魚はマグロだとばかり考えていましたので、鰤だとどんな風になるのかとても楽しみです。
鰤のづけ山かけ6
 それでは、全体をざっと軽くひと混ぜしてからいざ実食!
 いただきまーす!
鰤のづけ山かけ7


 さて、味はと言いますと…マグロの山かけとはまた違った味わいで美味し!鰤の良さを活かした一皿です。
 鰤はトロどころかマグロの赤身程も柔らかくはなく、なめらかな舌触りでもないのですが、幾重にも折り重なった細かい脂と筋繊維の層を噛み破った時のあのジャクッとした独特の歯応えと、舌に沿うようなしなやかな口当たりが特徴的で、それがトロトロの山かけの中でいいアクセントになっていました。
 ツルンとすべるようなつややかな張りや、しっかりとプリプリした身は、溶けるようとまではいかないものの濃厚な脂をたっぷりと蓄えており、噛むごとに豊潤なコクが口の中へと溢れ出します。
 麺つゆのかすかな塩気、そしてわさびの風味豊かな辛味によって余計引き立つ強い甘味が美味で、しみじみとした余韻が残る乙な一品でした。
 淡泊な味で素材の旨さをぴったり包み込む山芋と、こってり濃い鰤の取り合わせは思いの他ぴったりで、醤油ではなく麺つゆであっさり和風出汁仕立てのが功を奏し、意外と上品に仕上がっていたのがよかったです。
 当初は「山芋に全く味付けしてないと、物足りないのでは…」と心配でしたが、さっぱりした山芋がかえって鰤の味の輪郭をくっきりと浮き立たせていましたので、感心しました。
 青海苔の強烈な磯の香りも山かけ鰤と相性抜群ですし、言う事なしです。


 冬に旬を迎える魚の中でも、一~二を争うほどこってりした味わいの鰤を思う存分堪能できる一皿でした。
 そのまま食べるのはもちろん、ご飯の上に乗せてとろろ丼風にして食べてもよかったです。

●出典)『酒のほそ道レシピ 四季の味特別編』 ラズウェル細木/日本文芸社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

『たけだみりこの極楽ゴハン』の“フルーティポーク”を再現!

 これまでジャムは、「千何年かぐらいにヨーロッパのどこかで発明されたのでは?」という想像を勝手にしていたのですが、最近有史以前から既に存在していたらしい事を知り、驚きました;。
 とはいっても、旧石器時代の人々は砂糖ではなく、どうやら蜂蜜で甘味をつけて煮て保存性を高めていたようで、その原始的なジャムも一度試したいな~と思いました。

 どうも、イブの夜は知人らと某店で食べ放題&飲み放題のコースを選んで盛大に飲み食いをしてきた管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『たけだみりこの極楽ゴハン』にてかまどの神様がある気の毒な青年に教えた“フルーティポーク”です!
フルーティポーク図
 それは、クリスマス・イブの夜の事。
 どこもかしこもクリスマスモードで浮かれている街を、空飛ぶお鍋に乗りながら興味深そうに眺めていたかまどの神様でしたが、ある道に差し掛かった時、見るからに興奮しながら走っている若い男性を目撃します(←残念ながら名前不詳ですので、走る=かけるさんと呼ぶ事にします)。
 あまりにも周りが見えていない様子だった為、ちょっとイタズラ心が騒いだかまどの神様は「メリークリスマス!」と言いながら出会い頭に飛び出してかけるさんをびっくりさせるのですが、その瞬間不幸な事にかけるさんはクリスマスケーキを落としてベシャッと潰してしまい、「うわぁ…ぐちゃぐちゃだ…二人のスイートクリスマスケーキが…縁起でもない…」と絶望して泣き出していました;←クリスマスケーキは大きいものだと最低四千円以上はして結構値が張りますので、それを台無しにされたら泣きたくなる気持ちも分かりますorz)。
 実は今かけるさんには、まだ単なる友人同士なものの近い将来には恋人にしたいと願う女友達がいるのですが、どういう訳か部屋に遊びに行きたいという電話が唐突にかかって来たらしく、「クリスマスの夜に二人きり→いい雰囲気になる→友達から一気に恋人へと昇格、記念すべきスイートナイトに…!」というやや飛躍した期待を抱いて大きなクリスマスケーキと赤ワインを奮発して購入していたとの事で、それを聞いたかまどの神様はさすがに「ス、スマン、ワシはただおぬしがあまりにも気負っていたから、ちょっとほぐしてやろうと思ってな;」と責任を感じて謝罪していました。
 正直、かけるさんの怒りはごもっともなのですが、前のコマに載っていたかけるさんの表情はかなりギラギラ&ニヤニヤしていてうまくいくものもいかなさそうな状態でしたので、かまどの神様が「ほれ、リラックスリラックス」と老婆心で声をかけたくなったのも分かる気がします(^^;)。
 しかし、それでは収まらないかけるさんから猛然と責められてほとほと弱ったかまどの神様は、「わかったわかった、何とかしよう」とクリスマス向けのロマンチックなメニューを教えにかけるさんの部屋へ向かいます。
せっかく買ったクリスマスケーキをグチャグチャにされ、不吉な予感に震えていました;
 その際、かまどの神様がかけるさんに調理器具が不十分でもすぐに作れる料理として教えた中の一つが、この“フルーティポーク”です!
 作り方はそこそこお手軽で、塩・こしょう・各種ハーブをすり込んだ豚ヒレ肉の塊をオーブントースターに入れてじっくり火を通した後、上からジャム・コーンスターチ・ワインを熱して作ったソースをかけて再度こんがり焼き、最後に残しておいたソースを切った豚ヒレ肉の上にかけたら出来上がりです。
 ポイントは、オーブントースターでも火を通せるギリギリのサイズで細くカットされた豚ヒレ肉を用意する事(200g前後の大きさなら、アルミホイルで焦げを防ぎつつ中心まで無理なく焼けるのだとか)、ジャムは甘さ控えめで果実の形が残っているタイプの物を使う事の二つだと作中で語られていました。
 かまどの神様曰く、「ローストポークは中までしっかり焼くので、ローストビーフのように微妙な仕上がりを気にせず誰にでも気軽に焼ける」「オーブントースターは熱源が近いせいか、カリッとした焼き上がりになる。大きい肉はムリだけどな」「カリッと焼けた肉に、甘酸っぱいソースが実によくマッチじゃ」だそうで、一人暮らしの男性が初めて挑戦するのにうってつけな初心者向けメニューという印象を受けました。
 そこまで手間がかからない割には一見レストラン風の出来栄えになるのも嬉しいところで、出来る事ならこれに茹でたブロッコリーやじゃがいもに塩こしょうとバターを和えて準備したホットサラダも添えたらほぼ完璧なクリスマスディナーになると、かまどの神様はアドバイスしていました。

 また、ローストポークのWikiを調べた所、「豚肉は牛肉よりも水分含量が多く肉質が緻密でない為、火の通りが早く加熱時の変化が急激である。従って、塊肉を適切な状態で仕上げるためには緩やかに加熱する必要がある」(引用元はこちら)との事で、その点を踏まえますと、急激に温度を上げる事が出来ないオーブントースターは、まさにローストポークを作るのに最適ともいえる調理器具なんだな~と感心したものです。
何と、オーブンがなくてもトースターさえあれば作れてしまうという超お手軽レシピです!簡単に作れる割には、かなり手が込んで見えるのが特徴。ホットサラダも添えれば完璧だそうです
 その後、かまどの神様は崩れて無残な状態になっていたケーキに桃缶や生クリームを組み合わせて作るトライフルのレシピも教えてクリスマスケーキを新しく生まれ変わらせ、かけるさんを「おお、これがあの潰れたケーキだったとは思えないゼ」「ありがとう、神様っ!!何かぐっと雰囲気が盛り上がったゼ、これなら俺たち、きっと友達から恋人へ…」と見事に立ち直らせます(←ちなみにこの時、かけるさんは気が高ぶってかまどの神様の手をガシッと握っているのですが、何故かかまどの神様は頬をポッと染めて照れていた為、「もしや、ソッチの気が…?」と非常にヤキモキさせられました;)。
 タイミングがいい事に、料理が完成した途端に女友達から電話がかかってきましたので「お、彼女だ、駅に着いたかな」とかけるさんはウキウキしながら通話するのですが、残酷な事に彼女から告げられたのは「彼との約束があって来られない」という、読者のこちらまで「今さらそれ(クリスマスパーティー開始直前にドタキャン&本当は彼氏がいる)を言っちゃいますか~!?」と二重の意味で叫びたくなる爆弾発言|||orz||| 。
 案の定、かけるさんは手を震わせながら「か…彼って誰だよ…;」と呆然としながら電話を切っていましたが、かまどの神様が「おっ、なんだ来れないのか?そんじゃワシが付き合ってやってもいいぞ、二人っきりのクリスマス」という虚しさ倍増の発言をしたのを聞いてブワッと号泣していました;。
 ただ、「ほらみろっ、やっぱり縁起悪かったじゃないかーっ!どうしてくれんだ、えーっ?!」とかけるさんはかまどの神様へ八つ当たりしていましたが(←当管理人なら平謝りする所ですが、かまどの神様は「わしゃ知らん」とスルーをしながらトライフルを食べてました;)、考えてみれば自分をキープ扱いした女性との縁が切る事が出来て、むしろ厄払いが出来たのではないか…という予感がしないでもありませんので、一見不幸なようでもかまどの神様は福を運んできてくれたのではないかな?と苦笑したエピソードでした;。
無残なことに、彼と過ごすから来れないという残酷な電話がかかってきていましたorz
 クリスマスは家族と過ごしますので別段ロマンチックにしなくてもいいのですが;、前々からおいしそうだと思っていましたので、これをいい機会と思い再現する事にしました。
 ソースの隠し味にジャムを使う事はあっても、ジャム主体のソースをお肉に使うのは初めてですので、一体どういう味がするのか早速作って確かめようと思います!


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、ローストポーク作り。豚ヒレの塊肉へ塩とこしょうをすり込んだ後、バジル、セージ、オレガノを全体へまんべんなくまぶしてもみ込みます(←ミックスハーブでもOKです)。
 全体に調味料やハーブがなじんだらクッキングシートを敷いた鉄板(安定感には欠けますが、しっかり持ているならアルミホイルでも可)に置き、上からオリーブ油を縦に一筋垂らして、あらかじめ温めておいたオーブントースターへ入れて約十五分~二十分かけて焼きます。
 なお、今回は少しでもスペシャル感が出せるようにと当管理人は六白黒豚を使用しましたが、スーパーで普通に売られている豚肉を使われても十分美味に仕上がります。
 ※中に火が通っていないのに表面が焦げかけてきた場合は、アルミホイルをかぶせてそのまま焼き続けます。
フルーティポーク1
フルーティポーク2
フルーティポーク3
 その間、次はソース作り。
 小鍋にいちごジャム(←りんご・あんず・ブルーベリー・マーマレード等、他のお好みのジャムで作っても大丈夫です)、コーンスターチ、赤ワインを入れて木べらで混ぜ合わせ、弱火で五~六分かけてこまめにかき混ぜながらコトコト煮込みます。
 なお、使用するジャムは完全なペースト状ではなく、「プリザーブタイプ」という果実の形が残っている種類で、尚且つ「甘さ控えめ」と明記してある物を使うと、美味しさが俄然跳ねあがりますのでお勧めです。
フルーティポーク7
フルーティポーク8
 ここまできたら、いよいよ仕上げ作業。
 お肉の中心に竹串を刺して透明な肉汁が出てきたら大体焼き上がりですので、一旦オーブントースターから取り出して先程のソースを半量かけ、またオーブントースターで五分程度焼きます。
 時間が経ったらすぐに取り出し、少し時間をあけて肉汁が落ち着いてから、よく切れる包丁でやや分厚い一センチ幅の大きさに切り分けます。
 これで、ローストポークは準備完了です。
フルーティポーク4
フルーティポーク5
フルーティポーク6
 このローストポークを、あらかじめクレソンを飾り付けたお皿へ並べながらゆったりと盛り付け、仕上げに上から半量残していたソースをかければ“フルーティポーク”の完成です!
フルーティポーク9
 クレソンの鮮やかな緑色、いちごジャムソースのシックなワインレッド、ローストポークの見るからに香ばしそうなこげ茶色の取り合わせが如何にもクリスマスというイメージで、確かにこれがあるとテーブルの上が華やぎそうです。
 いちごジャムと赤ワインのフルーティーな香りといい、ローストポークの淡いピンク色の断面と言いい、食欲をそそられます。
 正直、パイン入り酢豚に抵抗感があるタイプですのでジャム&ローストポークの組み合わせはちょっぴり不安ですが、たけだみりこ先生と見た目を信じて食べてみようと思います!
フルーティポーク10
 という事で、熱々の内に切り分けていざ実食!
 いっただっきま~っす!
フルーティポーク11


 さて、味の感想ですが…たったあれだけの工程に見合わない程本格的な味わいで、美味し!豚ヒレ肉とも相性ばっちりです!
 肉汁たっぷりでしっとり潤った、きめが細かくて柔らかな肉質の豚ヒレ肉を噛み締めると、各ハーブの濃密な芳香が鼻をスーッと通り抜ける為、優雅な気持ちになります。
 こしょうのスパイシーでドライな辛さに、バジルの澄み切った爽快な香り、オレガノの上品で落ち着く香り、セージの青っぽくて清涼感溢れる香りが複雑に入り交じり、ただ単に焼いただけとは信じられない高級感のある仕上がりが印象的でした。
 例えるとするなら、ペッパーステーキと香草焼きを足して二で割ったような旨さで、カリッと香ばしく焼けた表面と、旨味エキスがギュッと詰まったジューシーな汁気が滴る内側の対比が素晴らしかったです。
 分厚く豪快に切った豚ヒレ肉はざっくりと歯が簡単に通って筋が噛み切れないという事もなく、肉を食べる醍醐味が堪能でき、肉料理にしてはあっさりした後口なのが特徴的でした(←噛むたびにギュッギュッとジューシーな汁が溢れます)。
 最初は「ジャムとお肉か…」と抵抗感がありましたが、実際に食べると果実の形が残った、新鮮ないちご特有の瑞々しいフルーティさがそのまま活きた甘酸っぱいソースは豚ヒレ肉とよく合っており、いちごの種のプチプチ感がいいアクセントになっているのに満足しました。
 甘味が控え目なのでバランスがよく、赤ワインの豊潤な風味のおかげでただ甘いだけではない深みが生まれ、まるで洋風の照り焼きタレとも言うべき癖になる甘じょっぱさが、塩味のお肉とぴったりでした。


 元がジャムですのでフランスパンともばっちり合いますし、赤ワインに至ってはゴールデンコンビといっても差支えない組み合わせです。
 クレソンのほろ苦いシャキシャキ感が次の一口を新鮮なものにしてくれますので、出来ればあった方がいいな~と感じました。
 オーブンを使ってももちろん作れますが、個人的に「トースターでこんな素敵な料理が!」という感動が味わう為にも、是非一度はトースターで挑戦して頂きたいな~と思ったレシピです。


P.S.
 なみさんからご指摘して頂いた明太フランスの発祥に関する件ですが、実は大分前から地元では「明太フランスの発祥店は、福岡県東区にある<国産小麦パン工房 Full Full>だ」という説が有名で、その為記事を書いた当初も「福岡県から生まれたパン」という想いがつよくてそのように表記したのですが、お店の方々があまりその事を主張していない上、結局最近ではどこが先だったか正確には分からないというお話が広まっている為、福岡が正式な発祥元とは断言できない状態です。いい加減な表記をしてしまい、申し訳ございません。ただ、やはり依然として<国産小麦パン工房 Full Full>さんがかなり初期から明太フランスをお出ししているのは確からしく、発祥元が福岡である可能性も依然としてあることから、文章はそのままにさせて頂こうと思っております。また、何か新しい続報が入りましたらその際にご変更させて頂きますので、よろしくお願い致します。

●出典)『たけだみりこの極楽ゴハン』 たけだみりこ/竹書房
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

『華中華』の“クリスマス・ロールチャーハン”を再現!

 ブッシュドノエルの発祥話には、色々と諸説があるのですが、「貧しく、恋人へのクリスマスプレゼントも買えないある青年が、せめてもと、薪の一束を恋人に贈った」という一説が存在すると知りました(こちらに記載があります)。
 一見ロマンチックですが、これは現代の物に置き換えると、カセットガスか灯油を贈られたようなものなのかな~と、身もふたもないような空想をしてしまいました;。
 けれども、寒い冬には暖が取れるのが一番嬉しいですので、少々無骨なようでも気の利いた贈り物でいいと思います(但し、相方さんは除く)。

 どうも、一人用クリスマスケーキを複数買って色んな味を楽しもうと考えている管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『華中華』にてハナちゃんがタミルさんをもてなす為に作った“クリスマス・ロールチャーハン”です!
クリスマス・ロールチャーハン図
 前回、上海亭で食事代代わりに手伝いをした後一段落したタミルさんは、今後どうするべきかを心配したハナちゃん達と一緒に、少し話し合う事にします。
 どうやらタミルさんは身分を隠したまま、一人の外国人観光客として日本のごく普通の生活を体験したかったらしく、王女の身分を隠して「国際会議の仕事がある友達と来日して一人で中華街を歩いていたものの、バッグもパスポートもスリにとられて失くしてしまった。友達に事情を伝えようにも、今は極秘の仕事をしていて邪魔したくないので、連絡できない。日本に来る前、あらかじめ明後日に山下公園で落ち合う約束はしているので、それまでどこかで目立たぬよう過ごしたい」という作り話をわざわざハナちゃん達に話し、最終的にはハナちゃんの何とか力になりたいという意を汲み取った康彦さんが、「何にもない、畑ばかりの田舎だけど…美味しい物はいっぱいあります…よかったら一緒にきませんか、タミルさん?」と提案してくれ、無事三浦半島にある斎藤家で過ごせることになっていました。
 タミルさんがとった行動はかなり無謀かつ行き当たりばったりで、読んでいてドギマギした為(←俗世間を知らない王女様だからこそ、却ってここまで大胆な行動がとれたのかもしれません;)、他人事ながら「これがハナちゃん達でなかったら強引に警察へ連れていかれて大騒ぎになっていただろうから、強運だな~」と感心したものです;。

 こうして、ハナちゃん達の好意で一時的に保護されたタミルさんですが、「大事な嫁さんが、初めて友達を連れてきてくれた」と言ってのほほんと歓迎してくれるお義父さんとは正反対に、突然の来客&宿泊・結構な量のご馳走を用意して痛い出費・大根の収穫日前日だというのに人手が足りなくなりそうな予感(←タミルさんをもてなす為、東京観光へ行こうかという話が出ていました)に対してむっすり不機嫌顔になった義母・淑子さんが、「ちょっと予定外の出費でしたけどね」「おやおや、大根の収穫を休んでかい…明日は花子さんにも手伝ってもらうはずじゃなかったの?」とさりげなくチクリチクリと不満をこぼしていたせいか、温室育ちで空気を鋭く察知できないタミルさん以外は皆焦り、当初は空気が張りつめてしまってました;。
 はっきり言って、淑子さんの「いきなり何?」と主張したい気持ちも分からなくはないのですが、お客さんを前に真っ向からそういう嫌味を言っても場の雰囲気が悪くなるだけで大抵物事はすっきり解決せず、周囲からも「確かにそうけど、よりによってこういう場で当てつけなくても…」と白い目で見られて自分の立場が悪化するの明らかですので、もうちょっとやりようはなかったのかな~と、初見時はこちらまでいたたまれなくなったのを覚えていますorz(←なお、意味深長な事に、淑子さんが嫌味を言う時ハナちゃんの顔は影で見えないようになっていて、一体どういう表情になっていたのか分からないようになっているのですが、恐らく胃が痛そうな表情だったのではないかな~と推測しています;)。
 結局、日本の農業を積極的に体験したがったタミルさんが「私もお手伝いさせてください!」とお願いしたことによってやっとその場の空気はおさまり、淑子さんも一気に機嫌がよくなってタミルさんに食事を勧めていたので、ほっと一安心しました;。
ハナちゃんの義実家に泊まらせてもらう事になったタミルさんは、農作業を手伝う事に
 そして翌日、タミルさんはハナちゃん達と一緒に大根を収穫して丸一日を過ごしたのですが、タミルさんは初めての畑仕事がよほど楽しかったのかずっと笑顔で、「収穫って最高ですね!」と大根を片手に満足そうでした。
 おかげで、その日の収穫作業は予定よりも順調に終わったらしく、淑子さんは昨日の言動についてちょっと反省したのか、「今夜もご馳走にしましょうかね」「康彦とお父さんは、クリスマスケーキを買ってきてくださいな」「クリスマスはまだ先だけど、タミルさんの日本の思い出に、クリスマスパーティーをやってあげたいのよ」とタミルさんに優しく接しており、和やかなムードになっていました(←もっとも、皮肉屋の楊貴妃さんは「全くもって、ここんちの姑は現金だね~。まあ…でも世間ってそんなもんか!?」と素直に喜べない様子でしたが;)。

 その夜、ハナちゃんは淑子さんのアドバイスによってクリスマス風のチャーハンを作る事にし、タミルさんの希望で共に台所へ立って調理する事になるのですが、この時にハナちゃんが即興で作り上げたのが“クリスマス・ロールチャーハン”です!
 作り方は意外と簡単で、大根・鶏のひき肉・赤唐辛子・醤油・ごま油の炒め物と基本チャーハンを薄焼き卵でロール状に丸め、最後にクリスマス風の飾りつけをしたら出来上がりです。
 「タミルさんに自分で収穫した大根を食べてもらいたい」「タミルさんの好きな辛い味付けにしたら喜ぶはず」というハナちゃんの思いやりから誕生したチャーハンで、いつもながら気が利いているな~とほのぼのします。
 実はこの時、タミルさんは「帰国したら結婚するんです」「彼は石油関連の会社を経営しています」と、珍しく本当の話もしています。
 正直、どうして危険を冒してまでハナちゃんの元へ逃げてきたのか最初は分かりませんでしたが、もうすぐ結婚すると知った時、「今までは王家の王女として、そしてこれからは結婚して上流貴族の妻として生きる事になるけれど、自由が許されない生活を送るという点だけは変わらないはず。多分、監視の隙をつきやすい外国の地で(しかも、日本なら一、二を争うほど治安のいい国)、最初で最後の自由を味わってみたかったんだろうな…」と何となく理解出来る気がしました。
巻きすで巻き寿司風にクルクルと巻き、ブッシュドノエル風に仕立てていました
 ハナちゃんの“クリスマス・ロールチャーハン”を食べてその美味しさに大喜びしたタミルさんは、翌日の朝、満足感と寂しさの入り混じった表情で山下公園でハナちゃんと別れ、侍女とSPが待つ場所へと戻って行ってました。
 そして数時間後、上海亭のおじいさんとおばあさんは、TVの生放送の中継でタミルさんが本当はパルネイ王国の王女だった事を知り、大いに驚きます。
 とはいえ、顔が似ているだけだったらさすがに「き、気のせいよね…」と思われていたかもしれませんが、取材陣を前にタミルさんが「私をとても幸せにしてくれたものが、日本にはございました。それは、私の友達が作って下さったクリスマスチャーハンです」「モチのロン!日本の友人です」と言ったり、前日夜にうっかり切って絆創膏を貼った指を見せたりした為、この王女様はあのタミルさんと同一人物だと確信されていました(←淑子さんはTVを見ておらず、その事実を知らないままだった様子ですので、これからも「ごく普通のガソリンスタンドのお嫁さん」としてタミルさんを誤解し続ける事になりそうですが;)。
 残念ながら、ハナちゃんは満点大飯店でお仕事中でしたのでその事実は後々おじいさんとおばあさんから聞いて初めて知っていましたが、「お友達と言って下さって、最高に嬉しいです」と家族への手紙に書いてしみじみ喜びをかみしめていました。
 将来、ハナちゃんが世界的に有名な中華料理人になった時、お忍びで遊びに来てくれたら面白そう…と夢が広がったエピソードでした。
帰国する時、ハナちゃんを大事な友達、そしてチャーハンの味が忘れられないと話してました
 もうすぐでクリスマスという時期にさしかかり、その影響か妙に食べたくなったので、再現する事にしました。
 作中には詳細なレシピがある事ですので、早速その通りに作ってみようと思います!


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、大根の炒め物作り。ごま油を引いて熱したフライパンへ、皮を剥いて一センチ角のダイス切りにした大根と鶏ひき肉を投入してざっと炒めます。
 種を取って輪切りにした赤唐辛子を加えてさらに炒め、大根が軟らかくなり出したら醤油で濃いめに味付けします。
 全体に味が染みてきたら、大根の炒め物は出来上がりです(もし水気が多いようでしたら、ザルである程度汁をきっておきます)。
クリスマス・ロールチャーハン2
クリスマス・ロールチャーハン3
クリスマス・ロールチャーハン4
 その次は、巻き作業。
 砂糖を少し入れて調味した卵液でやや大きめの薄焼き卵を焼き、粗熱を取ったらラップを敷いておいた巻きすの上に広げます(大ぶりな卵焼き器で焼いてもいいですが、丸いフライパンで焼いて海苔型に切ってもOKです)。
 この上へ、あらかじめ中華鍋(又はフライパン)で作っておいたハナちゃん流基本チャーハンを平らにしながら置きます。
クリスマス・ロールチャーハン5
クリスマス・ロールチャーハン6
 この基本チャーハンの上へ、先程用意した大根の炒め物を多すぎず少なすぎず置き、海苔巻きの要領でクルッと巻いていきます。
 その際、両端が不恰好で見栄えが悪くなっていた場合、包丁で切って綺麗に揃えた方がいいです。
クリスマス・ロールチャーハン7
クリスマス・ロールチャーハン8
 四角い大皿の中央へさっきのロールを乗せ、仕上げにその周りへクリスマス風の飾り付け(「メリークリスマス」と書かれたプレート、もみの葉風の飾り、リース付きの鈴、サンタ人形など)をすれば、“クリスマス・ロールチャーハン”の完成です!
クリスマス・ロールチャーハン9
 当初、チャーハンや薄焼き卵の上にお菓子風の飾りをゴテゴテ乗せるのは抵抗感がありましたが;、やってみるとそこまであからさまに変ではなく、意外でした。
 目にも鮮やかな黄色のロールは、食卓をパッと華やかにしてくれますので、お祝いムードを出したい時に向いていると思います。
 辛い大根と甘い玉子の取り合わせはどういう感じなのか、食べて確かめようと思います。
クリスマス・ロールチャーハン10
クリスマス・ロールチャーハン11
 それでは、出来立てほやほやの内にいざ実食!
 いっただっきまーす!
クリスマス・ロールチャーハン12


 さて、味はと言いますと…大人しい見た目によらずガツンとくる旨さ!大根の良さが際立つ一品です!
 炒められて絶妙なシャグシャグ感へと変身した大根が美味で、噛むごとにジュワッとほとばしるほんのり苦い汁気が、パラッとしたチャーハンの中でいいアクセントになっています。
 焼いて火を通した大根は、味的にも食感的にも「固めに煮たふろふき大根」みたいになるのですが、柔らかいようで不思議と張りのある口当たりと瑞々しいジューシーさは普通に煮ただけではまず出ない為、面白い味だな~と思いました。
 唐辛子の刺激的な辛味が活きたピリ辛醤油味の鶏ひき肉に、大根から溶け出た甘苦いエキスが絡んで複雑な甘辛さが生まれているのが基本チャーハンにぴったりで、他の肉と違ってどうしても淡泊になりがちなのが一転して力強い美味しさになっているのがよかったです。
 極度にさっぱり仕上げた、しっとり柔らかな和風クレープといった感じの甘い薄焼き卵は、醤油特有の旨味の濃い塩気を吸った大根といい対比になっていて、全体をマイルドにまとめあげるのに役立っていました。
 作中では赤ワインが出されていますが、正直ビールの方が圧倒的に合うこってり系ですので、雰囲気は台無しでもビールを合わせた方がいいと感じました。


 見た目の可愛らしさと、味の和風っぽさのギャップが面白い一品です。
 この大根の炒め物はチャーハンだけではなく白いご飯にも合い、冷めても美味しくお弁当のおかずにしても十分いけますので、色々と応用がききそうだと思いました。

P.S.
 いつも楽しく拝見してますさん、前回は非公開コメントをして下さりありがとうございます(今回アップした記事が『華中華』だったのは挑発の意は全くなく、あらかじめ書いていた予約投稿記事が偶然『華中華』の記事だった為です。御気に障りましたら、すみません)。
 私は全く気にしておりませんので、謝っていただいて逆にいたたまれなくなりました。却ってお手間をかけさせてしまい、申し訳ございません。
 ご質問とご希望頂いた、「本格的な料理」と「自分なりの分量の表記」の件ですが、前者は『華中華』のようなお手軽な料理と共にこれまで同様なるべくご紹介致しますという意味では対応可能ですが、後者は誠に心苦しく思いつつも、完全には承諾致しかねます(←今まで通り正確な原材料・大体の時間・制作中に気づいたコツは表記するつもりです。また、今回言及するのは分量が載っているタイプの作品ではなく、レシピが非常に曖昧なタイプの作品の事です)。
 大変勝手ながらそれぞれ理由を述べさせて頂きますと、本格的な再現を喜んで下さるいつも楽しく拝見してますさんのような方もいらっしゃる一方、身近な材料で作れる再現を喜んで下さる方もいらっしゃる為、どちらのご希望にも沿う為に偏りのある再現をしていくという方針変更は出来ないというのが、まず前者の理由です。一方後者の理由は、最適な基本分量の割り出しを模索してから現在アップしているような記事を今のペースのまま発表していく事はほぼ不可能な事が一つで(←他の方の類似レシピを参考にしてちょっと手を加えただけの物なら速やかに分量つきでアップできるかもしれませんが、他の方が苦心してアップされたレシピを少しアレンジしただけで「自分のレシピ」という顔をする事は、個人的に最もしたくない事の一つです)、もう一つは、如何に中立的な味になるような分量をアップしても最終的にご自分の舌に合う分量はご自分にしかお分かりにならない可能性が非常に高く、それゆえに私の味覚と近い方だけが喜ばれるブログをアップするよりは、あえて試行錯誤して「このくらいが一番ちょうどいい」という量を見つけ出した方がその方にとってもっと美味しく、より感動も深くなるのでは…と傲慢にも考えたからです(ご本人の好みで作っていたら口にあっていたはずの再現料理を、当管理人の味覚が原因で「美味しくない」という感想になってしまうのを防ぎたいという想いもあります)。
 誠に恐縮なのですが、以上が当管理人の現時点での返答となります。
 自分本位な事ばかり書き連ねて胃が痛くなっておりますが、もしご了承して頂けましたら、幸いです。

●出典)『華中華』 原作:西ゆうじ 作画:ひきの真二/小学館
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

『くーねるまるた』の“覚醒ミルクスープ”を再現!

 先日、某ショッピングモールに行くと、広場に短冊をぶら下げたクリスマスツリーが堂々と据え置かれ、その前に「あなたの願い事を短冊に書いて、ツリーに飾ってみましょう!」と書かれた看板が立っていたのを見てびっくりしました;。
 クリスマスと七夕の融合と言うと聞こえがいいかもしれませんが、個人的には「とうとうこの領域まで踏み込んでしまったか…(´Д`;)」と複雑な気持ちになりました。
 ただ、複数の宗教が並び立つ日本だからこそ成立した光景と考えると、ちょっと感慨深かったです。

 どうも、プレゼントのみならずお願い事まで叶えるよう希望されたサンタさんが気の毒になった管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『くーねるまるた』にてマルタさんが二日酔いで苦しむ神永さんに差し入れした“覚醒ミルクスープ”です! 
覚醒ミルクスープ‏図
 ある日、マルタさんは医師業で多忙な同じアパートの住人・神永さんにおつかいを頼まれ、駒込まで足をのばします。
 そのおつかいとは、駒込に支店があるお煎餅屋<煎遊>の名物・黒胡椒せんべいを代理として何袋か買ってくるというもので、マルタさんはお駄賃代わりに毎回一袋頂いていると語っていました(←ちなみに、このお店お煎餅も実在します)。
 そのままパリパリ食べてしまっても十分美味しいみたいなのですが(←今回、マルタさんはちょっとお行儀が悪い事に数枚歩き食いをしていました;)、マルタさんがさらに気に入っている食べ方は、その名もズバリ「黒胡椒追加大量トッピング」!
 ポルトガルから日本へ移り住む時に大切に持ってきたプジョー製のペッパーミルを煎餅袋の上にセットし、黒胡椒をたっぷり挽いて煎餅にまぶすだけなんですが、これがかなり美味で、黒胡椒せんべいを手に入れたら必ず試すのだとか。
 当管理人自身、クッキーバニラ味のアイスにオレオを砕き入れてクッキー増量して食べるのが密かに好きだったりする為、マルタさんの「もうちょい足したい!」という気持ちには非常に共感したものです。
 ※車メーカーとして有名なプジョーですが、実は最初は祖先が粉挽き業をしていたのを鋳鉄工場へと路線変更し、様々な製品を作っていく内に自動車が主力商品となったみたいで、むしろミルの刃の方が歴史が古いのだと知り感心しました(←何でも、特許をもつ切削加工技術が活かされた独自の構造で作られているとの事で、切れ味ならぬ挽き味はさぞいいんだろうな~と思わずこちらまで欲しくなっちゃいました;)。
自動車の部品を作る会社・プジョーは、ミルの刃を作っている事でも有名
 本来でしたら、このまま黒胡椒せんべいを神永さんに渡すだけでおつかいは終了のはずだったんですが、その日神永さんは病院の歓送迎会で帰りが遅くなる事を知っていたマルタさんは、ある予感を察知して料理を作り始めます。
 この時、マルタさんが神永さんへ差し入れする為に前もって拵えておいたのが、この“覚醒ミルクスープ”です!
 作り方は簡単で、ひき肉・玉ネギ・じゃがいも・水・牛乳・コンソメをゆっくり煮込んで作ったスタンダードなミルクスープへ、大量に挽いた黒胡椒をかけたら出来上がりです。
 この料理のポイントは、食べる直前に挽きたての黒胡椒を「これでもか!!」というくらいたっぷりかける事で、こうすると黒胡椒の鮮烈な香気が一気に引き立ってスッキリ爽快な味になり、何も食べたくないような時でも胃が目覚めて食欲が復活すると作中にて説明されていました。
 調べた所、黒胡椒に含まれるピペリンという成分には代謝能力の向上・冷え性改善・食欲増進効果・栄養吸収の促進効果があるのだそうで、まさに体が弱りかけている時にはうってつけのスープだと思います。
二日酔いで死にそうになっている神永先生の食欲を戻そうと、ミルクスープを差し入れ
 事実、マルタさんの嫌な勘が当たって神永さんは飲み過ぎで見事な二日酔いになっていたんですが;、“覚醒ミルクスープ”を一口飲むや否や「!?」「なんだコレ!?うっま~~!!」とまるで成長期の小学生男児のような勢いで平らげ、つい数分前まで「…食欲ないよ…」と弱っていたのが嘘だったみたいにお代わりしまくっています;。
 正直、マルタさんが楽しげに「まだまだ。もっともっと~!」と無邪気にペッパーミルを回していた時は内心「本当に大丈夫か…?」と心配していたっぽかったんですが、疑いつつも傍でニコニコしているマルタさんを気遣って「じ、じゃあせっかくだから…ちょっとだけ…」ととりあえず素直に口にしてくれた神永さんの思いやりがほんわかする感じで、一見傍若無人で気ままに見えて実は友だち想いの優しい性格という一面は、やはりジャイアンにそっくりだな~と苦笑しました;。
 ただ、この“覚醒ミルクスープ”には「黒胡椒がたくさん入っているので刺激が強い→飲み過ぎると唇がヒリヒリして喋りにくくなる」という難点があり、後にマルタさんの制止をふりきってかなりの量を飲んだ神永さんは勤務中に唇が火事になってあまりしゃべれなくなり、他の医師の方々から「神永先生、今日はやけに無口だな」と不審がられていました(^^;)。
 という訳で、もし再現をされるとするなら、飲み過ぎにはご注意です!
つい調子に乗って食べすぎてしまった神永先生は喋れなくなり、同僚の先生方から不審がられてました
 当初は「もし唇が大変なことになったら、仕事は…」とチキン状態になっていたので再現に躊躇していたのですが、仮になったとしてもギリギリ翌朝までには治るだろうと強気な気持ちになりましたので、再現する事にしました。
 優しいミルクスープと、刺激の塊のような黒胡椒が出会った時、果たしてどんな味になるのか…レシピ通り作って確かめてみようと思います!


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、ベースとなるミルクスープ作り。熱したお鍋に合いびき肉を投入してざっと炒め(すぐに混ぜようとすると肉が引っ付いて離れませんので、少し置いて肉から脂が出て鍋肌から離れていくのをじっと待った後かき混ぜた方がいいです)、香ばしくなってきたらお水を加えて弱火~中火の間で煮ます。
 やがて沸騰してきたら、薄いくし型切りにした玉ネギと、電子レンジで適度に温めてスライスしたじゃがいもを入れ、アクをこまめに取りながら約二十分ほどコトコト煮込みます。
覚醒ミルクスープ1
覚醒ミルクスープ2
覚醒ミルクスープ3
 玉ネギとじゃがいもに火が通ってきたら、一旦火を止めてコンソメキューブを加えて溶かし混ぜ、再度火にかけて牛乳を注ぎ込んで少し煮ます(コンソメでいい塩味が付きますので、味見をしながら量を調節します)。
 これで、ミルクスープは準備完了です!
 ※このまますぐに食べてもOKですが、作中だとマルタさんは一晩置いていましたので、当管理人もそれに倣って一晩寝かせてみました。
覚醒ミルクスープ4
覚醒ミルクスープ5
 次は、トッピングに使う粗挽き黒胡椒の用意。
 ミルクスープが出来上がる直前を見計らって、ペッパーミル(又はすり鉢とすりこ木)を使ってホールの黒胡椒を粗挽きにします。
 最初から粗挽きタイプになっている黒胡椒と、ホールタイプを直前に粉々にした黒胡椒とでは風味も味も天と地ほど違いますので、是非ともホールタイプの黒胡椒を使う事をお勧めします。
覚醒ミルクスープ6
覚醒ミルクスープ7
 温め直してスープ皿に移したミルクスープへ、先程すったばかりの粗挽き黒胡椒を「まだまだ~!!」とばかりにドバーッと振りかければ、“覚醒ミルクスープ”の完成です!
覚醒ミルクスープ8
 挽きたて黒胡椒の鮮烈な香りが鼻腔を通り抜けて脳を直撃する為、全細胞がグワッと目覚めていくかのような感覚に陥ります。
 ミルクの淡い乳白色のスープを覆うようにして浮いている黒胡椒はインパクト大で、見た目は予想通りかなり衝撃的です;。
 こんなにかけちゃって普通に食べられるかどうか心配ですが、実際に食べてみないと分かりませんので、怯まず挑戦してみようと思います!
覚醒ミルクスープ9
 それでは、ほかほかの内にいざ実食!
 いただきま~すっ!
覚醒ミルクスープ10


 さて、味の感想はと言いますと…優しいミルクスープが、途端にスカッとした味わいへと大変身!その名通り、脳も目も一気に覚醒します!
 ミルクスープ自体は、コンソメ特有の牛肉の深い出汁や野菜の甘い滋味がまろやかな牛乳へ溶け込んだ、シンプルながらも後を引く洋風スープ。
 一晩置いたおかげで落ち着いたコクが生まれており、シチューに似た心温まる美味しさですが、バターや小麦粉が入っていないのであっさり頂けて胃に負担がかからないのがよかったです。
 しかし、ここに黒胡椒が加わると癒し系がワイルド系へと180度変わり、神永さんの言う通り味がスッキリ爽やかになっていました。
 唐辛子の舌全体に広がるズシンとした辛味とは違い、黒胡椒は一か所に集中するようなキレのある、ピンと張り詰めたシャープな辛味が印象的です。
 意外な事に、結構な量を入れても「辛すぎてこれ以上は無理!」とはならず、黒胡椒のスーッとむせ返るような、どことなく神秘的なスパイスの風味がガツンと効いているせいか複雑な後口になっており、尚且つ牛乳のまったりした乳脂肪で刺激が少し和らいでいる為、逆に食べ過ぎてしまうくらいでした。
 塩は全く入れていないものの、コンソメから出たほのかな塩気でちょうどいい塩梅になってて牛乳と黒胡椒の味を引き立てていますし、じゃがいものホコホコ感もスープにぴったりでナイスです。


 マルタさんの言う通り、食べすぎると口の中がしばらくの間ヒリヒリしますので注意が必要ですが;、よっぽどドバドバと注ぎ込まない限りは唇は大丈夫ですので、辛い物に自信がある方にはおすすめしたいスープです。
 パンを浸しながら食べても美味しいので、朝食メニューとしてもってこいです!

●出典)『くーねるまるた』 高尾じんぐ/小学館
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

プロフィール

あんこ

Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
 …『銀の匙』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『スイーツ本部長一ノ瀬櫂』
 …『旅のグ(2)月は知っていた』
 …『テルマエ・ロマエ』
 …『土曜日ランチ!』
 …『BAR・レモンハート』
 …『百姓貴族』
 …『ぶたぶた』シリーズ
 …『ベーグル食べない?~幸せカフェごはん~』
 …『飯盛り侍』
 …『夢色パティシエール』


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 もしご関係者様に問題のある画像及び記事がございましたら、御連絡頂ければ速やかに修正、削除等の対処を致します。

○お知らせ
・当ブログでは作品のネタバレを含んだレビューも同時に行なっておりますので、作品を未見の方はご注意をお願いいたします。
・各作品に掲載されているレシピの分量は、例外なく全て非公開にする方針を取っておりますので、ご了承の程をお願いいたします(←この件についてご質問頂いた場合、誠に失礼ながら下記の理由でご返信しない方針にしております)。

※現在、公私の多忙と、再現記事のペース維持を理由に、コメント欄へのご返信が出来ない状態が続いております。
 こういう場合、コメント欄は停止するべきなのかもしれませんが、励ましのお言葉やアドバイスを頂く度、ブログのモチベーションアップや心の支えとなったこと、そして率直なご意見や情報を聞けてとても嬉しかったこともあり、誠に自分勝手ながらこのままコメント欄は継続する事に致しました。
 図々しい姿勢で恐縮ですが、ご返信をこまめに出来なくて余裕がある分、ブログ内容を充実&長期的に続けられるよう力をいれる事で皆様のご厚意にお応えし、感謝の気持ちをお返ししていきたいと考えております。
※ただ、ご質問を頂いた際はなるべくお力になれるよう、すぐご返答できるように対処致します。

 応援して下さる方々に少しでも楽しんでご利用して頂けるよう、沢山の作品に触れるちょっとしたきっかけになれるよう、これまで以上に心掛けていきます。
 恐れ入りますが、よろしくお願い致します。

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