『ハルの肴』の“塩ダレシラス丼”を再現!

 去年のクリスマス・イブは、実は仕事でちょっともやもやする事があってあまり愉快な気分ではなかったのですが、街中にサンタ服を着て楽器を片手に掲げているカー○ルサンダース人形を見かけた途端、ふっと力が抜けて笑う事が出来ました。
 結局、その日夕食はお鍋に決めていたのでチキンは買わなかったのですが、おかげでカーネル○ンダース人形(とアイディア元である店員さん)にはちょっと恩を感じている為、近々その店舗へ買いに行ってみようかな~と考えている今日この頃です。

 どうも、コンビニのチキンを買ってみようか精算前にいつも迷うものの、フライヤーの油の匂いをかいだだけでお腹がいっぱいになってやめてしまう軟弱な管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『ハルの肴』にてハルちゃんの兄弟子・一朗さんがママ友会のお客さん達に出した“塩ダレシラス丼”です!
塩ダレシラス丼図
 『ハルの肴』とは、画家を目指して上京したものの、グラフィック系の寮つき専門学校が一年足らずで閉鎖して路頭に迷っていたもじゃもじゃ頭がトレードマークの主人公・春野ハルちゃんが、ひょんなことで老舗居酒屋<大門>の主・康造さんに拾われて住み込みで働く事になり、徐々に料理人としての才能を開花していくという、下町人情派料理漫画です。
 ハルちゃんは目立つ金髪の持ち主ですので当初は派手な印象を抱かれがちですが(←何でも、専門学校時代の友達が「染めた方が合うよ!」とわざわざ染めてくれた思い出の髪色との事)、その内面はちょっぴり内気で素朴なごく普通の心優しい女の子な為、近所の理髪店の店主から「キャンディキャンディみたいな…」と乙女チックなイメージを持たれたのも無理ないな~と感じました;(←性格的にはキャンディとパティを足して二で割った感じですが、金色のくせっ毛といい、生まれてから現在まで続いている逆境といい、確かに現代のキャンディといえなくもない気がします)。
 故郷の北海道寿都町にいた頃は漁師である祖父の為に料理をよく作っていたそうですが、プロの料理人としての経験も夢を持った事も皆無で、最初の内は画家の夢を諦めずにいたハルちゃんですが、康造さんの作る料理によって大事な友達が背中を押されて新たな道を選んだ瞬間を目の当たりにし、「喜・怒・哀・楽…私っちは元々人の心バ動かすような絵バ描けるようになりたくて、上京して来たんだ…したけど、料理で人の心バ動かせたら」と考え直すようになっていく過程が、ゆっくりと自然に描かれており、和まされます。
 舞台が東京下町の古くは江戸時代から連綿と続いている居酒屋というだけあり、出てくるのは和食系の料理がほとんどなのですが、食材はごくありふれた物でも多種多様な調理技術が登場してくるせいか見ていて飽きず、逆に「昔の人はこんなにも多くの料理法を生み出していたのか~!」と感心させられる事しきりです。
キャンディキャンディの主人公のようだと理髪店の店主から言われた春野ハルちゃん
 飄々として捉えどころがないけれども料理の腕はピカイチの康造さん、そんな康造さんと<大門>をやんわりかつしっかりと支える女将・旭恵さん、酸いも甘いも噛み分けている粋な大女将・宇佐子さん、相当に頑固なものの料理に対しては真っ直ぐな職人肌の板長・塚内一朗さん、クールな現代っ子アルバイト・愛弥さんら従業員達と、お店の常連さん達は皆家族のように仲良しなのですが、常連客の多い店にありがちな「一見さんには素っ気ない」「よくするのは、馴染みになってから」という独特の空気はなく(←気持ちは分からなくもないんですが;)、一歩店内へ入ったらスッと輪の中に入れる、まるで陽だまりのような温かい雰囲気が読んでいるだけで伝わってきて、こんな居酒屋が近所にあったらな~と憧れます。
 ハルちゃんのお手製お通しがいい出来栄えだった時、ハルちゃん同様北海道出身の女将さんから伝播されて使うようになった「ビューだね!」(←北海道の一地域の方言で、「とても」「最高」「素敵」との意味合い)という誉め言葉が常連さん達から飛び出すのも微笑ましく、こういう内輪ノリだったら大歓迎だと思いました。

 人情系漫画は、さじ加減を間違えると説教臭くなりすぎる&現実味がない助言なのにうまくいって違和感を感じてしまう作品もあったりしてバランスが難しいジャンルでもあるのですが、『ハルの肴』はうまくいく時もあれば、ほろ苦くも伝わる物は確かにあったというエピソードも数多い為、ストンと素直に胸に収める事が出来る稀有な作品です。
 不本意な出来事が続いて起きても、ヤケにならず不貞腐れず、迷いつつも地道に料理の道を手探りで進んでいく様子はこちらまで勇気づけられますので、いろんな方にお勧めしたいです。
北海道で一時期流行ったという「ビューだね!」という言葉が大門でプチ流行中です料理で心を伝える事に感動したハルちゃんは、少しためらいつつも料理の道を歩みます
 今回ご紹介するのは、女将の旭恵さんの年が離れた友達・さやかさんが<大門>でママ友会を開いた時、一朗さんが出したランチセットメニューの一つ・“塩ダレシラス丼”です。
 その昔、旭恵さんが東京へ嫁いだばかりで近辺に誰も友人がいなかった頃、最初に知り合ってお店へちょくちょく遊びに来てくれるようになったのが当時まだ小学生くらいだったさやかさんだったそうで、「お姉ちゃん」と呼んで懐いてくれた小さな女の子が今は結婚して子供を生み、ママ友を連れて<大門>でランチ会を開きたいと申し入れてきたのに感無量になって喜び、一朗さんに子どもたちの分までランチを作ってもらえないかお願いして、一朗さんは快く了解します。
 その際に新しく考えたのがこの丼ですが、作り方は簡単で、藻塩・ブラックペッパー・ごま油・二番出汁・片栗粉を火にかけて用意した特製塩ダレを、シラス、ネギ、水菜をご飯の上へたっぷり乗せた丼にとろ~っとかけたら出来上がりです。
 単行本にあるレシピ欄の説明によりますと(←『ハルの肴』のレシピは、高木雄一さんというプロの料理長が作成していますので、本格的かつ分量も正確な物が多いです)、ポイントは塩気がまろやかでミネラル分の豊富な藻塩を使う事と、香りが劣る分味は勝っている二番出汁をベースに使用する事の二つだそうで、特に塩は料理の完成度を左右する重要な要素なので、是非藻塩を使ってくださいと書かれていました。
 作中でさやかさん達が言っていた通り、シラス丼が醤油じゃなくて塩ダレなのはかなり意表を突かれる感じで驚いたのですが、醤油をかけると味の淡泊な食材はみんな醤油一色に染まって繊細な味の違いが分かりづらくなってしまいやすい為、いいところに目を付けたな~と初見時は興味深く感じたのを覚えています。 
幼い日に嫁いだばかりのおかみさんを「お姉ちゃん」と呼んで慕った子が、ママ友会を大門で開きます
 ゴマ油やブラックペッパーをシラスに合わせると一体どんな感じになるのかが知りたくて、再現する事にしました。
 一巻には詳しいコツと共にレシピが記載されていますので、早速その通りに作ってみようと思います!


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、特製塩ダレ作り。一番出汁をとった後に残った昆布と鰹節の出汁がらを水と共にもう一度鍋へ移して火にかけ、沸騰してきたら新しい鰹鰤を追加して弱火にし、数分煮出してから火を止めます。
 そのまま自然に冷まして綺麗な布巾等で出汁を漉したら、二番出汁は準備完了です。
 この二番出汁が入った小鍋へ、藻塩、荒く砕いたブラックペッパー、ごま油を加えて火にかけ、味見してちょうどいい塩加減になっていたら一旦火を止めて水溶き片栗粉を投入し、再度火にかけてゆるめのとろみをつけます。
 これで、特製塩ダレは出来上がりです。
 ※この塩ダレににんにくを足し、ソテーした豚肉に絡めても美味だそうです。
塩ダレシラス丼1
塩ダレシラス丼2
塩ダレシラス丼3
 その間、シラス(乾燥させたタイプではなく、釜揚げしてしっとり感を保っているタイプ)をザルに開けて一旦熱湯をざっとかけて風味を蘇らせ、長ネギは小口切り、水菜は二~三センチ幅で切っておきます。
 あと、ご飯は炊き立ての方が断然合いますので、この時までに炊いておいた方がいいです。
塩ダレシラス丼4
塩ダレシラス丼5
 炊き立てご飯を盛った丼へ先程のシラスをどっさり乗せてその上に温め直した塩ダレをたっぷり回しかけ、さらに水菜と長ネギを飾りつければ“塩ダレシラス丼”の完成です!
塩ダレシラス丼6
 シラス丼というと、醤油か麺つゆ系のタレがかかった和風のイメージがありますが、この丼からは合わせ出汁の温かな香りだけではなくごま油の香ばしさも湯気にまじって漂ってくる為、少し混乱します;。
 見た目も一見完全に和風っぽく見えますが、よくよく見ると黒胡椒の細かい粒が入っているのですぐに違うとわかり、簡単には味の想像がつきません。
 今までに食べた事がない組み合わせですので、興味津々です。
塩ダレシラス丼7
 それでは、シラスとご飯に出汁餡をからめていざ実食!
 いただきまーすっ!
塩ダレシラス丼8


 さて、味の感想ですが…結構がっつり系で衝撃的美味さ!二番出汁がいい仕事をしててビューです!
 一見さっぱり風の海鮮丼に見えますが、一口食べるとごま油の香ばしいコクがまろやかに効いた塩味が濃厚な味わいへと仕上げており、やや中華寄りの創作和食といった趣。
 塩ベースの中華丼と味付けが似ていますが、こちらは鶏や帆立の強烈な旨味の効いた出汁ではなく、鰹と昆布の穏やかな中にしみじみとした深さがあるあっさりした旨味の出汁を使用している為、より日本人好みな落ち着いた出来栄えなのが特徴的です。
 時折、ブラックペッパーのピリッとくるストレートな辛味が適度にアクセントを付け加えており、おかげでシンプルな味の割には丼全体にメリハリがついていて単調さをまるで感じませんでした。
 舌をトロリと包んだすぐ後にスッとほどけていく、例えるならば癒し系の柔らかなとろみの出汁餡に、しっとりホロリと優しい口当たりのしらすが一つにまとまってご飯と調和するのが心地よかったです。
 あと地味ではありますが、藻塩のミネラル分によって塩辛いだけではないより複雑な塩気が餡をワンランク上の美味しさに仕立て、シラスに含まれる磯の風味をぐっと引き出していたのが印象的に残りました。
 長ネギの爽やかな辛さと、水菜のシャリシャリシャキッとした瑞々しい食感もいい箸休めになると同時に目先を変えますし、言う事なしです。


 塩ダレは最初からシラスと混ぜてしまうより、後からかける方がお勧めです。
 出汁餡をかけたおかげで最後まで熱々のまま頂けますので、冬向けの一品だと思いました。

●出典)『ハルの肴』 原作:末田雄一郎 作画:本庄敬/日本文芸社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

『華中華』の“ぶつ切りロースハムのチャーハン”を再現!

 最近、近所にあるスーパーの生鮮コーナーの担当者がかわったのか、ポップや価格のシールに書かれる宣伝文句がえらく個性的なものへと移り変わりつつあります。
 「もう限界」「赤字覚悟」「今夜はこれで鍋に決定!」というスタンダードな物から、「お父さんお疲れちゃん!」「奥さん、これ安かよ!」「久々に仕入れてみたよ!」という語り掛け系までジャンルが幅広く、おかげでほぼ毎日このハイセンスな宣伝文句を見たいがゆえにスーパーへ通っている今日この頃です。

 どうも、ごく普通の田舎町だというのに生きた白魚やカニ、マグロの頭まで仕入れて店頭に置く担当者さんの豪気さに目が離せない管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『華中華』にてハナちゃんが安く仕入れられたロースハムを使って作った三百円チャーハン・“ぶつ切りロースハムのチャーハン”です!
ぶつ切りロースハム・チャーハン図
 前回の出来事から数日後、有田さんにハナちゃんの秘密がばれるのは時間の問題だと悟った楊貴妃さんは、自分と同じくハナちゃんを影ながら見守っている大叔父・竹三郎さんの元へ駆けつけ、今後どうするべきか相談します(←この時竹三郎さんは観覧船に乗っており、船員の一人から楊貴妃さんは目撃されていたのですが、「横浜港の船には大昔の綺麗な中国衣裳を着た幽霊が時たまあらわれる。その姿を見た物は呪い殺されるから気を付けろ」という噂がまことしやかに囁かれていたおかげで、大騒ぎされずに済んでいました;。普段コミカルなシーンばかりなので忘れがちなのですが、こういう時にやっぱり伝説級のすごい力を持った幽霊なんだな~と実感します)。
 しかし、話の一部始終を聞いても竹三郎さんは静かにほほ笑むばかりで、一向に喋り出さなかったものですから楊貴妃さんは「有田って奴は何をしでかすか分からないんだよ。下手すると告げ口されて、ハナちゃんは満点をクビになっちゃうよ!それでいいのかい?」と苛立ちを露わにするのですが、それに対して竹三郎さんは静かに「放っておいた方がいい」として自分の意向を述べ始めます。
 竹三郎さんが言うには、人は危機に直面した時に本当の実力が試される物、乗り越えられたらさらに実力は増し、仮に乗り越えられなかったとしてもその後地力がついて著しく成長していく為、無闇に手助けしたら逆にハナちゃんの可能性を狭めてしまう可能性があるとの事で、どうしようもない最終段階で手助けするならまだしも、今はまだ何もするべきではないと結論付けたそうでした(←竹三郎さん曰く、ハナちゃんが今直面している危機は「転んでひざをすりむいた程度」、「一国を滅亡に導いた悪女という汚名を着せられた楊貴妃さんに比べたら、蚊に刺された程度」みたいで、波乱万丈な人生を送ってきた方々はスケールが違うな~と妙な説得力を感じた物です;)。
 初見時は当管理人も楊貴妃さんと同じく、「早く助けてほしい!」と考える派だったんですが、竹三郎さんのいう事は至極ごもっともで、正直ハナちゃんの為になる事をしたいというよりはハナちゃんが辛い展開を迎える姿を見たくない、苦しそうな顔を見る自分に耐えられないからさっさと何とかしてほしいというあくまで自分本位な、我が子の自立を無意識のまま阻害する過保護親に似た感情を抱いていたんだな~という事に気づかされ、反省しました;。
 その為、楊貴妃さんも最終的には「いざという時は私だと気づかれないよう助けましょう」という竹三郎さんの言葉を受けて渋々ながらも了承しますが、「なんたってアタシたちは、ハナちゃんが世界一大好きなんだから」という愛情に満ちた一言を呟いており、今やすっかり母親寄りの感情に目覚めているんだな~と微笑ましく感じました。
本当はすぐにでも助け出したいところを、ハナちゃんを成長させるためにギリギリまで手を出さないことに
 一方、自分の知らない所でそんな会話が行われていることなど知る由もないハナちゃんは、今日も元気に上海亭へ出勤し、チャーハン作りに取り掛かります。
 実は、ハナちゃんは島野料理長から「お肉屋さんが暮れに仕入れたハムを売れ残らせたって言ってたから、もうすぐ大安売りされるはず」という情報を入手していたおかげでハムを大量に安く購入する事が出来ており、普段だったら価格的に厳しいはずの新しいハムチャーハンを考え出すのに成功していました(←奥さんになってからというもの、急に情報収集や節約術が旨くなったような気がします;)。
 その際、ハナちゃんが「たとえ三百円のチャーハンでも、赤字を出さずに、出来るだけ贅沢感のある物にしたいです」「お客さんに元気になってもらうと、私も元気が出ます」という想いを込めて作ったのが、この“ぶつ切りロースハムのチャーハン”です!
 作り方は結構簡単で、ぶつ切りにしたロースハム・玉ネギ・マヨネーズ・ブラックペッパー・塩・溶き卵・ご飯・刻みネギを順々に熱した中華鍋で炒め合わせたら出来上がりです。
 ポイントは、お得感と贅沢感を演出する為にロースハムを1.5センチ幅の分厚い角切りにする事、ハムと相性のいいマヨネーズを加えて味の決め手にする事の二つだそうで、特にハムはこれ以上大きくすると食べにくく、小さくすると特別感が少ないので、なるべくこの大きさを守った方がいいと書かれていました。
 ハムとマヨネーズが如何に合うのかは、すでにサンドイッチで定番の組み合わせになっている事からも明らかですので、初見時は「いつか試してみたい…」と猛烈に食欲を掻き立てられたのを覚えています;。
ハナちゃんは肉屋さんが正月用に仕入れたハムを余らせ、値引くことを予測していましたロースハムを使ったチャーハンの隠し味は、入れ過ぎない程度の量のマヨネーズ
 ハナちゃんの狙い通り、この“ぶつ切りロースハムのチャーハン”は雪混じりの雨が降る中でも皆並んで待つほど大好評を博し、その日も満足そうに満点大飯店へ戻ろうとするのですが、いきなり目の前に有田さんが立ちふさがって呼び止められます。
 それまでは適当にあしらっていれば回避できていた為、、ハナちゃんはいつも通り謝りながら先へ進もうとするのですが、「満点にいられなくなってもいいのか?」「俺は知ってるんだぜ…お前が毎日、上海亭で何をやってるのか、をな」と脅されて心臓が凍り付き、そのまま言われるがままに近くの公園へ連行されます(←この日、恐ろしい事に有田さんはハナちゃんがチャーハンを作る現場をドアの隙間から覗き見し、秘密が本当である事をきっちり確認してから脅しにきていました。その情熱を商品開発にむけたら真っ当に評価されるのにと小一時間問い詰めたry)。

 その後、火曜サスペンス劇場によく登場する開始十分で殺されるゆすり屋のように有田さんが最初に要求したのは、「バラされたくなければ、お前がこれまで考え出したチャーハンのレシピを全部俺に渡せ」というものだったのですが、どこまでもお人よしなハナちゃんは「もしかして、私の考えたレシピを使って頂けるんですか!」「私、自分のチャーハンをもっと多くの方に召し上がって頂きたかったんです。銀河楼さんのメニューにしてもらえるなんて…急いでレシピを書きます!」と斜め上の反応を見せ、図らずも器の違いを有田さんに見せつけるのですが、それが却ってプライドだけは高い有田さんの神経を逆撫でしてしまい、もっととんでもない要求をされてしまいます(←前回指摘した通り、ここでもハナちゃんの善良な性格がさらに苦境を招いているのがまた何とも…)。
 それは、「明日からはお前が新しく考えたチャーハンのレシピは、まず銀河楼のメニューにする。上海亭はその一週間後だ」「俺の専売特許だったパクリ屋の称号を、上海亭に進呈してやる」という、卑劣極まりない物。
 さすがにこれにはハナちゃんも到底受け入れられずに抵抗するのですが、有田さんがそれを聞き入れるわけもなく、「どうしても嫌というなら…満点大飯店にお前の裏切り行為…休憩時間に上海亭でチャーハンを作っている事をバラす」「そうなったら、お前は即刻クビだ!」と一方的に言い放ち、さっさと銀河楼へと戻っていきます。
 ハナちゃんは雪が降りやまぬ中呆然と崩れ落ちるのですが、その様子は今までに一度も見せた事がないくらい打ちひしがれていた為、本誌で初めてこのシーンを見た時は本当にどうなる事かとこちらまで暗い気持ちになったものです…。
 けれども、その様子を痛ましそうに見ながら楊貴妃さんが「…ハナちゃん、負けるんじゃないよ。必ず…打破できる手はあるはずなんだから。それを死ぬ気で考えるのさ…ハナちゃん!」と呼びかけるシーンが、暗闇の中にともる小さな灯のように思え、少しだけ希望を持ったのを覚えています。
 果たしてハナちゃんは、一体どんな道を選択するのか…次回、その先をご紹介しようと思います。
有田店長代理から恐喝を受けたハナちゃんは、一体どうするべきか、なやみになやみます…
 ハナちゃんのアドバイス通り時期が落ち着いてからスーパーへ行くと、ボンレスハムが一時期よりも明らかにお安く売られていた為、これ幸いと再現する事にしました。
 作中に載っている詳細なレシピ通り、早速作ってみようと思います!


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、炒め作業。油を引いて熱したフライパン(又は中華鍋)へ、大きめのみじん切りにした玉ネギと、幅1.5センチ以上の厚めの角切りにしたハムを投入して炒め、少ししんなりしてきたら粗挽きブラックペッパーを振って混ぜ合わせます。
 全体にブラックペッパーがまぶされてきたらマヨネーズを絞り入れ、ざっと炒め合わせます。
 ※マヨネーズは少なすぎても効果が実感できず、かと言って多すぎても脂っこい出来になりますので、注意が必要です。
ぶつ切りロースハムのチャーハン1
ぶつ切りロースハムのチャーハン2
ぶつ切りロースハムのチャーハン3
 マヨネーズが溶けかけてきたら、溶き卵→ご飯の順に食材を一気に加えてスピーディーに炒め、塩で調味しつつ混ぜていきます(←お玉や木べらの側面で押しつぶすようにして卵とご飯をなじませつつ炒めると、パラッと仕上がりやすいです)。
 次第にご飯がばらけ、具がチャーハン全域へ行き渡ったら刻みネギを入れ、さらに混ぜ合わせます。
ぶつ切りロースハムのチャーハン4
ぶつ切りロースハムのチャーハン5
ぶつ切りロースハムのチャーハン6
 刻みネギが混ざってきたら火からおろし、お皿へ丸く成形して盛り付ければ“ぶつ切りロースハムのチャーハン”の完成です!
ぶつ切りロースハムのチャーハン7
 ぶつ切りにされた大ぶりのハムがあちこちからゴロンと顔をのぞかせているのが豪快で、これは男性が喜ぶだろうな~という印象を受けました。
 マヨネーズの匂いはほぼなく、どちらかというとハムのそそる焼けた肉の香りの方が強い感じで、見るからに食欲をそそります。
 ハム・玉ネギ・マヨネーズは合う事間違いなしな組み合わせですので、どういう味がするのか楽しみです!
ぶつ切りロースハムのチャーハン8
 それでは、熱い内にいざ実食!
 いっただっきま~っす!
ぶつ切りロースハムのチャーハン9


 さて、味はと言いますと…ぶつ切りハムがゴロゴロ入ってて、迫力のある美味さに満足!単純な材料しか使っていないのに、とても贅沢な味です!
 ブラックペッパーによってピリッとした刺激がプラスされ、大きくカットしてザクッとしたボリューム満足の噛み応えになったハムは、「スパイシーサイコロハムステーキ」と例えたくなるような味わいで、噛めば噛む程豚の旨味が溢れ出します。
 豚肉特有のがっつりしたコクと甘やかな脂分が塩漬けされた事でギュッと凝縮されたハムと、炒めていく内に自然な甘味が増した玉ネギが組み合わさって生まれた癖になる甘じょっぱさがチャーハンにぴったりで、バクバクいけました。
 ご飯一粒一粒がハムからにじみ出た肉汁を吸い込み、噛めば噛む程深みが増していくのがたまりません。
 マヨネーズの酸味は全く残っておらず、醤油も使っていない為ベースは単純な塩こしょう味なんですが、味付けがシンプルな分具の旨味がひき立っている感じがしました。
 卵は基本チャーハンの物と違い、ふっくらというよりは細かいスクランブルエッグ状になっていますが、その分ご飯との絡みがよく、食べやすかったです。
 また、マヨネーズの油分で全体が覆われたおかげでしっとりした柔らかさとパラッと軽くほどける口当たりが両立しているのがナイスでした。


 ハムがない場合はベーコンのぶつ切りを使ってもいいですが、ハムの方が塩気のバランスがちょうどいいので、こちらの方がおすすめです。
 ビールのおつまみとしても最適なチャーハンですので、飲兵衛向きだと思いました。

●出典)『華中華』 原作:西ゆうじ 作画:ひきの真二/小学館
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『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』の“魔法のクリームチーズプリン”を再現!

 当管理人の母は結構こまめに手作りお菓子を作ってくれる方だったのですが、その中でも一番強く印象に残っているのは、大きいホットケーキです。
 家で一番大きなフライパンへタネを全部流し込み、焦がさずふっくらと分厚く焼かれた、まるで羽毛布団みたいにフッカフカな特大ホットケーキは今でも無性に食べたくなる母の味で、子どもの時に友達から「普通は何枚か焼いて重ねて食べる物だよ」と聞いた時は衝撃的だったものです。

 どうも、ホットケーキと合わせる飲み物は大抵冷たい牛乳だった管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』にて作者の広田奈都美先生が凄腕の料理教室講師・芝田里枝先生から教わっていた“魔法のクリームチーズプリン”です!
魔法のクリームチーズプリン図
 『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』とは、女性漫画誌で二十年以上漫画を描き続け、主婦歴も十年以上というあらゆる意味でベテランの漫画家・広田奈都美先生が(←個人的に『れんげ*たんぽぽ』がお勧めですが、『エレガンスイブ』に載る読み切りも秀逸な作品が多く、相方さん共々楽しく拝見しています)、静岡県でお料理教室「ぶどうの木」を主催しているプロの講師・芝田里枝先生から、お手軽なのにとても美味しいレシピを習って日々の生活を充実させていく様子を描いた、エッセイ風お料理教室漫画です。
 この作品が生まれたきっかけは、広田先生が知人の方から届いた「絶対に失敗しないエクレア作りを教えてくれる先生がいるよ」というメールに惹かれ、芝田先生のお料理教室へ通った事。
 それまで広田先生にとってエクレアは、材料費がかかる上に失敗率が極めて高いトラウマ菓子だったそうで(←シュー生地はかなりデリケートなので、ちょっとした失敗が大失敗へと繋がりやすいのです…当管理人も、幾度となく泣かされましたorz)、それゆえ知人の方の言葉に居ても立っても居られなくなって料理教室に参加したみたいなのですが、エクレアはもちろんその他の高レベルなお菓子を失敗なしで簡単に作れるようになったのに感動し、芝田先生に監修をお願いして漫画化→好評でめでたく長期連載化へと至ったようでした。
 自らを「ダラ奥」と称して「オーブン使うの面倒臭い」と言いつつも積極的に料理に挑戦する頑張り屋の広田先生、そして無邪気な乙女の部分とマイペースかつユニークな部分が同居してて魅力的な芝田先生の掛け合いも見ていて面白く、一度で二度おいしいお気に入りの作品です。
作者は主婦歴10年以上で三人のお子さんを持つ漫画家・広田奈都美先生です。お菓子教室「ぶどうの木」を主催される芝田里枝先生の作る料理とお菓子は、とにかくすごいです!
 正直、レシピ業界では「簡単に作れてびっくりするほどおいしい!」という表現はそこまで珍しい物ではないのですが(←あまりに多すぎて、確かに簡単でおいしいけどびっくりという程では…というレシピが氾濫している気がry)、作中に出てくる芝田先生のレシピはそのどれもが本当に簡単かつ独創的、加えてびっくりするほど美味しい料理ばかりで、実際に作ってみてがっかりしたり大失敗したりという事がないのが特徴的。
 一例を挙げると、タッパーとアルミホイルで作れちゃう和風タルト・スーパーで普通に売られている安価な食材で作れる生チョコ・三つの材料だけで高級感あふれる旨さになるラスクなどといったお菓子レシピから、子どもも大人も大絶賛する美味さのポークチャップ・入れて煮るだけなのにデパ地下風の味になる鶏手羽煮込み・ある調味料だけでガラリと本格的になる上品唐揚げ・五分で出来るココナッツカレー・子どもが大好きなあの材料で柔らかく仕上がる生姜焼きといった定番おかずレシピまで幅広く紹介されており、芝田先生の守備範囲の広さには毎度感心しています;。
 何でも、どんなに美味しい組み合わせを見つけたとしても芝田先生は「まだまだ色々試したいのよね…なんかこう…驚きの組み合わせがないかって考えちゃうのよね」「魔法のレシピが普通じゃ面白くないじゃない(´∀`*)!」と考え、皆から絶賛されてもレシピをより完璧にするために改良し続けるのだそうで、この妥協しない粘り強さと貪欲な研究心があるからこそ、看板に偽りなしの「魔法のレシピ」が完成するんだろうな~と思いました。
『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』は単行本ではなく、付録別冊として出ました
 今回ご紹介するのは、広田先生のリクエストで芝田先生が張り切ってレシピを教えた“魔法のクリームチーズプリン”です!
 作り方は例に漏れず簡単で、クリームチーズ・砂糖・卵・生クリーム・牛乳を混ぜて用意したプリン液を約三センチの厚みになるよう深めのグラタン皿へ注いで高温のオーブンで湯煎焼きにし、最後に冷やしたら出来上がりです。

 それまでも、広田先生は三人のお子さん達へおやつを安く美味しく一度に提供する為、ちょくちょく大きな手作りプリンを作っていたものの、味に変化がつけられず飽きられやすいのに困っていたみたいなのですが、そんな時に芝田先生が「それなら大丈夫!」と作中で教えていたのがこのレシピ。
 広田先生曰く、「うますぎる!」「ねっとり濃厚で、なのにチーズの爽やかさがあってウマイ!」のだそうで、この一文だけでもどんなに美味しいのかという事がヒシヒシと伝わって来たのですが、その上このプリンを知って以来ケーキ屋さんでプリンを買わなくなったという衝撃の事実まで書かれており、「それくらい旨くてリッチで完成度が高いプリンなのです!!」と力説されている広田先生に、妙な迫力と説得力を感じたのを覚えています;。
 ただ、お子さんたちはどちらかというとプリンと一緒に教わったパンナコッタの方をより気にいったみたいで;、改めて味覚は人によって相当に違うんだな~という事を痛感させられました。

 また、このレシピがすごいのは細やかな応用がきくところで、例えばオーブンが面倒な場合は卵を卵黄に代えてお湯をはったフライパンで蒸し焼きにするだけで出来たり、またはカロリーを少し抑えたさっぱり味にしたい場合は生クリーム抜きにするだけであっさりトロトロしたプリンになったりと、初見時は「便利なレシピだな~」「これなら試してみたい…」と感激したものです。
元々お子さんたちの為にプリンを手作りしていた広田先生ですが、このプリンには脱帽!
 別冊を手に入れて以来、ずっと作ってみたいと憧れていたレシピでしたので、この度再現してみる事にしました。
 作中にて詳細に書かれているレシピを見ながら、早速その通りに作ってみようと思います!


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、プリン液作り。ボウルへ室温に戻したクリームチーズと砂糖を入れて泡立て器でよ~く練り混ぜ、段々なめらかなクリーム状になってきたら溶き卵を少しずつ加えながら丁寧に混ぜ合わせていきます(←よりきれいに仕上げたい場合は、溶き卵は漉し器で漉しながら入れた方がいいです)。
 ※一気に入れちゃうと分離しやすくなりますので、要注意です!
魔法のクリームチーズプリン1
魔法のクリームチーズプリン2
魔法のクリームチーズプリン3
 溶き卵が全体へ均等に行き渡ったら、生クリームを注いで泡立て器でよく混ぜ、さらにその後牛乳を加えてグルグルと混ぜます。
 この時、生クリームと牛乳を一度で全部入れないのがポイントです。
 これで、プリン液は出来上がりです。
魔法のクリームチーズプリン4
魔法のクリームチーズプリン5
魔法のクリームチーズプリン6
 次は、火入れ作業。
 深めのグラタン皿へ先程のプリン液をかさが約三センチになるよう注いだら天板に入れて熱湯をはり、130度に熱したオーブンで四十~五十分かけてじっくり焼きます。
 その際、必ず四十分経過した時点でオーブンの様子を確認するのが重要なポイントです(縁にしわが出来てプルプルしていなければ焼き上がりOK、反対に少しゆすって波状にフルフル震えたらもう少し焼き時間を追加します)。
魔法のクリームチーズプリン7
魔法のクリームチーズプリン8
 プリン全域が固まってきたらオーブンから取り出して適度に冷まし、そのまま冷蔵庫で約三十分程冷やせば“魔法のクリームチーズプリン”の完成です!
魔法のクリームチーズプリン9
 冷えた後も尚薫る、焼けたクリームチーズのとろけるような風味が素晴らしく、食べる前から「美味しい事間違いなし!」というワクワク感が止まりません。
 ほんのり黄金色に色づいた表面のほのかな焦げ目が見るからに食欲を掻き立てます。
 正直手作りプリン自体は今までに何度もチャレンジしたことがあったものの、ここまで安くて簡単なプリンは初めてなため、どんな味がするのか非常に楽しみです。
魔法のクリームチーズプリン10
 それでは、スプーンでひとすくいしていざ実食!
 いっただっきま~っす!
魔法のクリームチーズプリン11


 さて、味の感想ですが…まさしく高級洋菓子店のプリンで感激!チーズならではの旨味が効いているのに、主張し過ぎないのがいいです!
 プッチンプリン系のツルンとした口当たりではなく、まるでクリームその物を食べているみたいなねっとり滑らかな舌触りで、かなり濃厚なのにも関わらずクリームチーズ特有の爽やかさが活きており、スルッと頂けました。
 チーズ系のお菓子と言うと、大抵がチーズのこってりしたコクによってくどい出来になりがちですが、これは生クリームや牛乳のミルキー感によって後味がマイルドに、口溶けがまるでムースのように軽やかに仕上がっている為、チーズのいい部分だけが純粋に抽出されている感じがします下手すれば、クリームチーズが入っていると言わなければ気づかない方も多いのではないか…と思ってしまうくらいチーズ特有の癖がありません)。
 作中で広田先生は「クリーミーで超柔らかなチーズケーキ」とおっしゃっていましたが本当にそんなイメージで、レアチーズケーキっぽい強い酸味とは違う控え目な酸味や、みっちり詰まっているのに空気を含んでいるかのようなふんわりした口当たりがナイスでした。
 オーブンで直に焼かれた上の方の、クリームチーズの乳脂肪分が凝縮された密度の濃い所(←ここだけベイクドチーズケーキ系の味がします)、下で蒸し焼きにされて上品かつリッチな旨味のクリーム状になった所と(←生クリームとカスタードクリームを混ぜた物に近い甘さです)、部分によって全く違う印象になるのが一度で二度おいしいです。


 大きめの器でド~ンと作るとベイクド感が、小さめの器で作るとクリーミー感が増し、中間の器を使うとどちらもバランスよく両立している感じで、色々作ってお好みの味を探ってみるのも楽しいと思います(←ちなみに左記の感想は上部分の事で、下の方はあまり差が出ません)。
 広田先生がおっしゃっている通り、お店でプリンを買うのが惜しくなる美味しさですので、いろんな方に是非推奨したいレシピです!
魔法のクリームチーズプリン12

P.S.
 きのこのこのこさん、前回はコメントを下さりありがとうございます。雑誌に関しては特にこだわりはなく、個人的に「作りたい」「食べたい」という欲求を感じた時に再現しております。その為、意識はしていませんでしたが、もしかしたら青年誌の方が好みの料理が出てくる確率が高いのかもしれません;。

●出典)『ママの味♥魔法のおかわりレシピ おやつ編』 作者:広田奈都美 監修:芝田里枝/秋田書店
     (2014フォアミセス1月号別冊ふろく)
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

『クッキングパパ』の“からしめんこん”を再現!

 先日、戦国漫画ばかりが載っている雑誌を手に取った所、『シグルイ』で有名な山口貴由先生が独自解釈して描いた『桃太郎』が載っていたので一読したのですが、のどかな昔話が一転して『本当は残酷なグ○ム童話』風の仕上がりになっているのを目の当たりにし、思わず「お美事にございまする」と心の中で呟きました;。
 他の日本昔話も、是非このノリで発表してほしいものです。

 どうも、個人的にトラウマになっている絵本のシーンは、従兄弟の家に置いてあった『ジャックとまめのき』に出てきた劇画調の巨人が「こらーっ、待てー!」と絶叫しているシーンの管理人・あんこです(ちなみに、こちらから絵も文もすべて読めます。それにしてもこの巨人、どことなく千原ジュニアさんに似ている気がしますので、そう思えば怖くないかも知れません)。


 本日再現する漫画料理は、『クッキングパパ』にて荒岩主任が大学時代の旧友・白川拓男さんの為に作った“からしめんこん”です!
からしめんこん図
 それは、荒岩主任がまだ三十四歳くらいだった時の出来事(←ちょうど、みゆきちゃんが虹子さんのお腹の中にいた頃です)。
 博多大学時代によくつるんでいた熊本県出身の友人・白川拓男さんが約四年ぶりに博多へやってくると聞いた荒岩主任は、ある日の夕方、仕事帰りに白川さんと待ち合わせて久々に飲み歩きます。
 白川さんは、荒岩主任曰く「口数少なく、いつもムスッとした顔」「肥後モッコスそのままの頑固者」で一見近寄りがたく見られていたそうですが、何故か若き日の荒岩主任とは気が合ったようで、自然と仲良くなっていったとの事(←肥後モッコスとは、作中の説明によると「熊本人に多いとされている頑固・意地っ張り・偏屈・個人主義の性格の人」を表す言葉なのだとか。なお、津軽じょっぱり土佐のいごっそうと共に日本三大頑固として称されている県民性だそうで、初めて知った時は「三大頑固…聞いただけで裸足で逃げ出したくなる響きだな~;」と苦笑したものです)。
 当時、四畳半一間の本で埋もれているアパートにて暮らしていた白川さんは、荒岩主任が遊びに来ても特に何を話すわけでもなく寡黙だったみたいですが、気が向くとギターを弾いたりと彼なりの歓迎をしてくれ、二人で何時間も無言のままお酒を飲み合っていたと荒岩主任は懐かしそうに思い返していました。
 女同士だと、おしゃべりこそが最高の交流手段であると同時に最上のおつまみであったりする為、会って飲もうものならそれこそ箸が転んだだけで何か爆発したのかと勘違いしそうな程激しく笑い転げて親交を深めるものですが、当管理人にも白川さんのように語らずとも自然に時間を過ごせる知人がいて、その不思議な心地よさも知っていますので、何だか共感したのを覚えています。
大学時代、白川さんと荒岩主任は仲が良く、よく部屋に行っては静かに飲んだとか
 しかし大学を卒業後、舶来品を扱う会社を熊本で興して大成功してからというものの、白川さんの性格や考え方は一変。
 その様子を、四年前に荒岩主任も間近で見ていたのですが、すっかり天狗になった白川さんは派手好みなよくある成金タイプの性格に変わっていて、もはや静かな語らいなど出来ない状態になっており、荒岩主任を閉口させていました(←「女?興味ないね」とでも言いそうな硬派タイプだったのが、クラブでホステスさんの胸を揉んで「金は腐るほどあるとたい、遠慮せんで飲め!」と言うまでに変化したら、そりゃ~面食らうだろうなと思います;)。
 そして現在、同業他社が多く参入してきてかつてのような殿様商売が出来なくなった白川さんは少し落ち着きを取り戻してはいたのですが、一度は支店を持とうとまで考えていた勢いがなくなった事、せっかく博多に来ても豪遊出来ず、屋台でしかお酒を飲めない事に白川さんはやさぐれており、つい酔った勢いで「情けねえなぁ~、飯がラーメンとはな…」「四年前は中州で豪遊していたのが…今夜はラーメンと屋台か。今の俺にぴったりのお似合いコースだぜ。ははは」と失言をしてしまいます。

 それまでは黙って話を聞いていた荒岩主任ですが、どんどん悪い方向へ陥ってしまいそうな考えをする白川さんを黙ってみていられず、とうとうピシャリと「白川っ。俺はそんなつもりでお前をここに連れて来たんじゃないぜっ!!」と言い放って席を立ち、馴染みの屋台の女主人にお願いして台所を借り、その場にあった材料である料理を作ります。
 それが、この“からしめんこん”です!
 作り方は意外と簡単で、下茹でした水気をきった蓮根の穴にほぐした明太子をぎゅうぎゅうに詰め、小麦粉をまぶしてから小麦粉・卵・お水・カレー粉を固めにといて用意した衣を全体につけ、低温の油でさっと揚げたら出来上がりです。
 熊本名物・辛子蓮根だったら辛子味噌を詰めて作る所を、代わりに辛子明太子を詰めて博多風に仕上げた一品で、荒岩主任が言うには「カ~ッと元気が湧いてくる味」だとの事。
 元々、辛子蓮根は生来病弱だった熊本藩藩主・細川忠利(←ちなみに、細川ガラシャの息子さんです)に何とか滋養をつけてもらいたいと考えた藩の賄方・平五郎氏がお坊さんのアドバイスを参考に試行錯誤を繰り返して生み出した料理なのですが、それだけに確かに栄養豊富で、蓮根の持つ造血作用・貧血予防・高血圧予防・便秘改善効果、そして辛子に含まれる食欲増進効果が弱った方に効果てきめんだそうで、まさに今の白川さんにぴったりな差し入れだと感じました。
中州で豪遊していた時代の事ばかり話す白川さんをピシャリと諌める荒岩主任
 辛子蓮根を連想した白川さんは懐かしさのあまり興奮し、すぐに“からしめんこん”をかじるのですが、その時脳裏によみがえったのは十四年前、まだ何も持たないがゆえに自由だった二十歳の頃の自分。
 本を買うのにお金を使い果たしてろくなものを食べられず、荒岩主任から「金か貸すぞ、これで何か食え!」とお金を渡されそうになっても断り、実家から送られてきた辛子蓮根を「いかにも肥後モッコスが作りだした料理だろ、俺好きでなーっ。これさえあれば元気が出る、この二日間これで生きてる」とどこか誇らしげに言いながら、堂々と生きていたかつての自分の姿でした。
 当時の記憶を思い出した白川さんは何とも言えない優しい表情になり、荒岩主任から「お前が儲かっていようがいまいが、俺にはどうだっていいことだ。ただな、中州で豪遊するお前より学生時代のお前の方が俺は好きだったよ」と言われるに至って、やっと「そうだな…あの頃の事を思えば何でも出来るな」「もう一度、一から頑張ってみるぜ!」とやっと本来の自分を取り戻し、元気に熊本へ帰って行っていました。
 均衡感覚を失って駄目な方向へ進もうとする時、言葉はきつくても正直に思いやって忠告してくれる友の存在はとても貴重だと思いますので、このエピソードを読むたび友人のありがたさを実感させられます。
お金がない時、故郷から送られてきた辛子蓮根で飢えをしのいだことを思い出します
 先日、おおぶりで新鮮な蓮根と特売の明太子を手に入れる事が出来ましたので、再現してみる事にしました。
 作中のレシピ欄に乗っている詳細な作り方に沿って、早速作ってみようと思います!


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、蓮根の下準備。蓮根についている泥を清潔なタワシと流水で丁寧に洗い落とし、適当な長さに切ったらお酢を少し入れたお湯で五~六分程度茹で、立てかけるなどして水気をしっかりきります。
 水滴が残ってないか確認したら、蓮根の穴が大きい方をほぐした辛子明太子が入っているボウルへギュッと何度も押し付け、明太子を穴に詰めます。
からしめんこん1
からしめんこん2
からしめんこん3
 穴のてっぺんまで明太子が押しあがってきたら、はみ出た明太子をヘラや手で綺麗に取り除き、蓮根の全面に小麦粉をまぶしてはたいて、さらに小麦粉、卵、お水、カレー粉を混ぜて固めに作った衣をまんべんなくつけます。
 ※衣はゆるいとすぐに垂れてしまいますので、お水を足す時は慎重にした方がいいです。あと、衣に明太子が混ざると焦げやすくなりますので要注意です。
からしめんこん4
からしめんこん5
からしめんこん6
 蓮根にしっかり衣をつけたら、160度に熱した揚げ油へ入れて数分間揚げます(←あんまり長い時間揚げていますと、中の明太子に火が通りすぎてパサパサになりますので、衣が固まったくらいでさっと引き上げるのがコツです)。
 いったん、キッチンペーパーの上へ置いて余分な油をきります。
からしめんこん7
からしめんこん8
 ざっと油を切り終えたら火が通り過ぎない内に包丁で手早く切り分け、お皿へ盛り付ければ“からしめんこん”の完成です!
からしめんこん9
 ほんのりと黄色く香ばしく色づいた衣と、目にも鮮やかなピンク色の明太子のおかげで彩りはよく、思ったよりも華のある仕上がりになりました。
 カレー粉を使っているもののカレーの匂いはそこまで強くなく、明太子の個性が殺されていない感じなのが好印象です。
 大分前から話には聞いていましたが、実際に食べてみるのは生まれて初めてですので、どういう味になっているのかとても楽しみです。
からしめんこん10
 それでは、一切れお箸でつまんでいざ実食!
 いっただっきまーーすっ!


 さて、味はと言いますと…ご飯というよりはお酒のおつまみとして最良の出来!辛子明太子というよりは蓮根が主役の一品です!
 和辛子と味噌を使用した通常のから辛子蓮根は、鼻や頭をツーン!と駆け抜ける刺激的な辛さが特徴的ですが、辛子明太子オンリーのからしめんこんはほんのりピリッとくるくらいのちょうどいい辛さで、その分蓮根本来の素朴な甘味が主張してくるのが印象的でした。
 辛子蓮根との最大の違いは、噛めば噛む程明太子の旨味成分が次から次へとプチプチ弾ける所で、飲兵衛にはたまらない仕上がりです。
 当初はカレー粉入りの衣に「明太子と合うんだろうか…」と不安を抱いていましたが、ふんわり柔らかな口当たりで食べやすい上(←フリッターの衣に似てます)、加熱したカレー粉特有の複雑な香ばしさや後からジワジワくる油分が蓮根と抜群の相性で、癖になりました。
 どの部分を噛んでも「ザクッ」「カリッ」「パリッ」と、まるで採れたてのきゅうりを丸ごとかじっているかのような小気味良い爽やかな食感で、歯に嬉しい感じです。
 明太子の熟成された旨辛さ、魚卵ならではの後引くコクが、食べ進めるごとに蓮根からにじみ出てくる粘り気交じりの瑞々しい汁気とバランスよく絡み合い、しみじみ美味でした。


 明太子&揚げ物なので、見た目によらず結構ボリューム感がある為、たった数切れ食べるだけでもうおなか一杯になります;。
 揚げたては勿論、冷めても美味ですので、お弁当に入れてもいいかもしれません。

●出典)『クッキングパパ』 うえやまとち/講談社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

『くーねるまるた』の“ケークサレ”を再現!

 現在ではホットケーキミックスを使った様々なアレンジレシピが世に出回っているものの、内心「お菓子系しか存在しないだろうな」と甘く見ていたんですが、調べてみるとピザ生地山型食パン肉まん生地のレシピもあってびっくりしました。
 冗談抜きで、ホットケーキミックスさえあれば大抵の物は作れるんじゃないかな~と感心している今日この頃です。

 どうも、森永さんの公式HPにあったココアの豆腐オムレツマリーde夏野菜キッシュに地雷レシピの香りを感じ取っている管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『くーねるまるた』にてマルタさんが由利絵さんからお裾分けされたスモークサーモンで作った“ケークサレ”です!
ケークサレ図
 ある日、マルタさんは馴染みのスーパーでホットケーキミックスが大安売りされているのを発見し、大量に買いだめします。
 もともとポルトガルにいた頃も日常的にパンケーキ(←ホットケーキは和製英語で、要は分厚いパンケーキ=ホットケーキのようです)を食べていたマルタさんでしたが、日本にあるホットケーキミックスのような便利なものはなかったようで、作中では「日本のホットケーキミックスの手ごろさとおいしさ、満足感は、地球最強だと思うのです!」と断言していました。
 ちなみに大学時代、マルタさんは教授に連れられて行った神田のパーラーでパンケーキをご馳走されたことがあったそうなんですが、完全に自分好みな物を作れる上に、妙な旨さがある生の生地をちょこっと舐められる事もあって、やっぱり自宅で作るホットケーキが一番だと語っていました(←実は当管理人も、生の生地の何とも言えないクリーミーな甘さが好きで、マルタさん同様少しだけなめては「どれくらいなめたらお腹に悪いんだろう…」とスリルや罪悪感を味わいながらお行儀悪な行為をしていましたので、思わず共感;)。
 ホットケーキというと、絵本『ぐりとぐら』に出てくるあのふっくらした黄色い生地のカステラを思い出す方が多いと思うのですが(←何と2013年はぐりとぐらが誕生して五十周年を迎える記念すべき年だったそうで、本家HPにレシピが載っていました)、マルタさんも例にもれずそうだったようで、「あれ見るとホットケーキが食べたくなるよね…」と心の中で呟いていました。
 個人的に、『ぐりとぐら』に匹敵するほどホットケーキを食べたくなる作品は『ちびくろサンボ』で、幼い頃『ぐりとぐら』は「お布団みたいにフカフカでおいしそうなカステラ!ぐりとぐらがちまちま動いて作っているシーンもかわいい」と目を輝かせ、『ちびくろサンボ』は「169枚も食べたくなるトラのバターのパンケーキって、一体どんな味なんだろう…」と好奇心を刺激される感じで、マルタさんのおかげで懐かしい記憶を掘り起こすことが出来て感謝です。
シュトロハイムさん風に言うなら「日本のホットケーキミックスの満足度は世界一チィィィィ!!」
 そんなこんなでホットケーキについて一通り空想し終えたマルタさんは、買ったばかりのホットケーキミックスを見ている内にうずうずしてきて早速一つ作ろうとするのですが、タイミングよく由利絵さんがやってきて作業は一時中断されます。
 北海道に実家がある由利絵さんは今月たくさんの物資援助があり、一人ではとても食べきれないと思ってアパート中のみんなに色んな食料をお裾分けしようと訪ね回っていたそうなのですが(←女性しかいないアパートだと、こういう長屋的ご近所付き合いが安全かつ気楽にできて楽しそうだな~と羨ましくなります)、その際にマルタさんは何と高そうなスモークサーモンを一パックもらってしまいます。
 未だに値崩れしにくい高級品を目の前にしたマルタさんは、「い、いいんですか、こんな高価な物頂いちゃって…」「パンの耳くらいしかお返し出来ませんが…」と思わずよだれを垂らしながらも遠慮しようとするのですが、どうやら由利絵さんは前々から何度も送ってもらってていささか持て余し気味だった様子で、快く分けてくれていました。
 思わぬ収穫に興奮したマルタさんは、嬉しい事に第一話以来見せていなかった喜びの舞をクルクルと踊り、ホットケーキの事はすっかり忘れて何を作ろうか考えるのですが、やっと落ち着いて台所に準備されていたホットケーキミックスや牛乳を見るや否や、いいアイディアを思い付きます。
思いがけずゆりえさんから、北海道の実家から送られてきたスモークサーモンを頂きます
 この時、マルタさんがホットケーキとスモークサーモンを合体させて作ったのが、この“ケークサレ”です!
 作り方はびっくりするほど簡単で、ホットケーキミックス・牛乳・卵・オリーブオイル・粉チーズ・ハーブミックスを混ぜて作った生地を炊飯器に少し入れ、そこへスモークサーモンやブロッコリーを並べ、その作業を三回ずつ繰り返して最後に生地でフタをし、普通に炊飯ボタンを押して炊きあがるのを待ったら出来上がりです。
 お恥ずかしい事に、これまで当管理人は“ケークサレ”を「ケーキサレ=ケーキ去れ(←ダイエット中の女の子が叫んだ魔法の呪文的な意味で捉えていました;)」と何度も見違えるくらい“ケークサレ”とは縁遠かったので調べてみたのですが、どうやら日本語に訳すと「塩ケーキ」という意味合いのフランスの家庭料理・素朴なお食事ケーキだとの事。
 見た目のお洒落さ、味付けを自分好みに調節できる自由さ、野菜をたっぷりとれるヘルシーさが受けて去年ちょっとしたブームになったみたいで、相変わらずマルタさんは食に関するセンサーが敏感だな~と感心したものです。
ケーキ型に入れてオーブンで焼くのではなく、何と炊飯器で炊いて作るのです!
 その後、マルタさんは焼きたての“ケークサレ”を持って由利絵さんの部屋へ赴き、「スモークサーモンのお返しですっ!」とお礼をしに行っていました。
 長らくスモークサーモンを食べ慣れていた由利絵さんも、こんなアレンジ料理は初めてだったようで、「んっ、おいっし~!サーモンの塩味効いてる~!」と嬉しそうに食べており、好評でした。
 ただ、あまりの美味しさに由利絵さんはマルタさんを「なるほどねえ…マルタに食材を渡すと料理になって戻ってくる訳か。いいこと知ったわ」と冗談半分本気半分でからかっており、マルタさんを困らせていました;。
 考えてみれば、マルタさんは神永さんを始め、<笑明館>にいる住人ほぼ全員に美味しい差し入れをしていますので由利絵さんの言っている事はあながち間違いではないのですが、それとこれとは別なんだろうな~と苦笑したエピソードでした。
マルタさんの料理上手っぷりに、よからぬたくらみをして眼鏡を光らせるゆりえさん;
 マルタさん流のケークサレは一体どういう味がするのか気になった為、再現する事にしました。
 いつもは高価なスモークサーモンもセールで比較的安価に手に入れる事が出来ましたし、作中のレシピ通り作ってみようと思います!


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、生地作り。ボウルへ卵、牛乳、オリーブオイルを入れて泡立て器で均一になるまでかき混ぜ、途中ホットケーキミックスを投入してさらによく混ぜ合わせます。
 ホットケーキミックスの粉と卵液が混ざったら粉チーズとハーブミックスを加え、全体へ行き渡るようにさっくり合わせたら生地は準備OKです。
ケークサレ1
ケークサレ2
ケークサレ3
 次は、焼き作業。
 バターを薄く塗っておいた炊飯器の窯に先程の生地を約一センチを流し込み、その上へスモークサーモンを並べ、食べやすく切っておいたブロッコリーを隙間に差し込むようにして入れます。
 この作業を三回繰り返して最後に生地を注いでフタをし、炊飯器の「炊飯」スイッチを押して後は焼けるのを待ちます。
 ※…と簡単そうに書きましたが、実は炊飯器によっては炊きあがる時間にかなり差が出ますので、スイッチを入れても安心しきらず、炊飯器の癖を確認しつつ慎重に焼き上がりを待った方がいいですorz。ただ、もし炊飯器で炊きあがらなかった場合は、レンジ可の器に移して電子レンジで加熱し、熱を通すのが一番手っ取り早いです(←その時、火を通し過ぎないよう小まめに様子を見てあげて下さい)。
ケークサレ4
ケークサレ5
ケークサレ6
 炊飯器から炊きあがりを知らせる音楽が鳴ったらちゃんと生地に火が通っているか竹串を刺して確認し、焼けていたら大皿へ移して人数分に切り分ければ“ケークサレ”の完成です!
ケークサレ7
 ホットケーキの黄色いふっくらした生地から覗くブロッコリーの緑色とスモークサーモンのオレンジ色のコントラストが綺麗で、見た目だけでも十分楽しめます。
 ナイフを差し込むと、ハーブの爽やかな香気が蒸気と共にふわ~と立ち上ってくるのがとってもいい感じで、簡単なレシピのはずなのにぜいたくな気分に浸れます。
 ホットケーキミックスに粉チーズやハーブを入れて事は一度もないので少しおっかなびっくりしてますが、一体どんな味がするのか気になりますので食べてみようと思います!
ケークサレ8
ケークサレ9
 それでは、食べやすく一人前に切り分けたらいざ実食!
 いっただっきまーすっ!
ケークサレ10


 さて、味の感想はと言いますと…ホットケーキミックスで作ったとは思えない本格的な仕上がり!ハーブがいい仕事をしていて、何故かシチューみたいな匂いがします。
ケークサレ11
 作る前はしっかり甘そうだと予想していたのですが、実際に食べてみると粉チーズの奥深い塩気がほんのり舌に響いてくる感じで、味の割合は「塩:砂糖=8:2」くらいだと思いました。
 ケークサレは塩ケーキという意味ですが、お菓子やケーキというよりはお洒落な洋風惣菜系パンというイメージで、スモークサーモンの風味豊かな旨塩味が、生地に残っているわずかな甘さを程よく引き立ててちょっぴり甘じょっぱい後口になっているのが癖になります。
 材料が近い為かどことなくキッシュを彷彿とさせる味がしますが、こちらは小麦粉が入ってパウンドケーキみたいなずっしりくる口当たりになっているので食感がまるで違い、おまけにオリーブ油と牛乳が組み合わさって生まれた優しいコクのおかげで、キッシュとはまた違った濃厚な美味しさになっているのが印象的でした。
 スモークサーモンの香ばしい燻香と、バジルの澄み切った爽快な香り、オレガノの上品で落ち着く香り、タイムの清々しい清涼な香りが混然一体となって、本来は素朴な味わいのホットケーキを華やかな一品料理へと一変させています。
 炊飯器でじっくり熱を通して蒸すように調理したせいか、ふんわりした中にモチッとくる弾力のある噛み心地が特徴的で、時折ブロッコリーの瑞々しいジャクッとした歯触りがいいアクセントになっているのもよかったです。


 小腹が空いた時の軽食にはもちろん、赤ワインと一緒に頂いてもいいおつまみになります(←その時は、粉チーズだけではなくプロセスチーズを刻んで入れるともっと合うかもしれません)。
 炊飯器ではなくケーキ型&オーブンでもちゃんと作れますので、色んな方々に是非食べて頂きたい料理のひとつです。

●出典)『くーねるまるた』 高尾じんぐ/小学館
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

プロフィール

あんこ

Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
 …『銀の匙』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『スイーツ本部長一ノ瀬櫂』
 …『旅のグ(2)月は知っていた』
 …『テルマエ・ロマエ』
 …『土曜日ランチ!』
 …『BAR・レモンハート』
 …『百姓貴族』
 …『ぶたぶた』シリーズ
 …『ベーグル食べない?~幸せカフェごはん~』
 …『飯盛り侍』
 …『夢色パティシエール』


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※現在、公私の多忙と、再現記事のペース維持を理由に、コメント欄へのご返信が出来ない状態が続いております。
 こういう場合、コメント欄は停止するべきなのかもしれませんが、励ましのお言葉やアドバイスを頂く度、ブログのモチベーションアップや心の支えとなったこと、そして率直なご意見や情報を聞けてとても嬉しかったこともあり、誠に自分勝手ながらこのままコメント欄は継続する事に致しました。
 図々しい姿勢で恐縮ですが、ご返信をこまめに出来なくて余裕がある分、ブログ内容を充実&長期的に続けられるよう力をいれる事で皆様のご厚意にお応えし、感謝の気持ちをお返ししていきたいと考えております。
※ただ、ご質問を頂いた際はなるべくお力になれるよう、すぐご返答できるように対処致します。

 応援して下さる方々に少しでも楽しんでご利用して頂けるよう、沢山の作品に触れるちょっとしたきっかけになれるよう、これまで以上に心掛けていきます。
 恐れ入りますが、よろしくお願い致します。

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