『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』の“魔法のサイダーしょうが焼き”を再現!

 数日前、再現料理を予定中の漫画一覧へ『3人分クッキング』『甘々と稲妻』『課長レシピ』『百姓貴族』『銀の匙』を追加しました。
 年々、積ゲーならぬ積再現予定漫画がひどくたまってきていますので;、なるべくためないようコツコツご紹介していけたらと考えております。

 どうも、コメント欄にてご助言やご感想を率直に教えて下さる皆様に、日々深く感謝している管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』にて広田先生が芝田先生から教わった革新的なおかず・“魔法のサイダーしょうが焼き”です!
魔法のサイダーしょうが焼き図
 芝田先生は料理教室を運営されているだけあり、毎日料理していてもあまり苦ではないようなのですが、広田先生は夕食作りが日々負担となっているそうで、作中でも何度か苦悩している様子を描いています;。
 ロールキャベツはキャベツを茹でたりタネを作ったりが面倒、コロッケはじゃがいもを茹でたりひき肉を炒めるのが面倒、とんかつは筋切りや衣づけする作業が手間など、考えただけでうんざりしちゃうとの事で、「よせー、何もしたくね~」と言いながら目をぐるぐる回されているシーンに「確かに…」とこっそり共感したものです(←ロールキャベツの場合、「生キャベツを破かずはぐ作業は結構難易度が高い」「芯を抜いて丸ごと茹でる手もあるけど、それだと余ったキャベツの使い道が…」という悩みが必ずついて回る為、特にゲンナリ度が高いですorz)。
 食事の手抜きはいけないと頭では分かってはいても、仕事と家事の板挟みだとたまには楽をしたくなる日があるのも現実で、実際当管理人もきつい時は切る・煮る・食べるだけのお鍋or温野菜サラダだけで夕食を済ませる事も多々ある為、両方ともこなしてしまうスーパーマンのようなお母さんは心底尊敬しています…(勿論、一日も休まず働いて大黒柱となっているお父さんにも敬礼!)。
 とはいえ、広田先生が「でもそこはホラ、お惣菜買ってくるほどの度胸はないワケですよ」とおっしゃっている通り、罪悪感がチクチクつつかれるので買って済ませる事も出来ず、結果冬は鍋ばっかり食べて過ごしている有様です;。
楽して作りたいものの、スーパーでお惣菜を買ってくるほどの度胸はないなっちゃん先生
 そんな悩みを広田先生が打ち明けている時、芝田先生が「このレシピは今日みたいな作りたいけどちゃんとした一品を出したい日にはピッタリよ」と前置きして教えて下さったのが、この“魔法のサイダーしょうが焼き”です!
 作り方はかなり簡単で、筋切りして小麦粉をまぶした豚ロース肉をフライパンで両面をさっと焼き、両面に焼き目がついたらサイダー(!?)、しょうが、にんにく、醤油を入れてフタをして数分間蒸し焼きにし、フタを開けた後はソースを煮詰めてお肉ごとそのまま器へ盛り付ければ出来上がりです(←器へ移す前に食べやすいサイズに切るのがお勧めとの事)。
 これまで数多くのしょうが焼きレシピを見てきましたが、正直サイダーで味付けする調理法は見た事も聞いたこともなかった為、初見時は一、二を争う程「…信じていいんですか?」と疑心暗鬼になったものです;。
 しかし、芝田先生曰く「サイダーの炭酸の力でお肉が柔らかくなる」、実際に食べられた広田先生がおっしゃるには「嘘みたい!この厚さの豚肉で素人の私がこんなに柔らかく焼けるなんて!!」「サイダーの甘さが爽やかな甘さ」「洋食屋さん風」との事で、当初は疑いしかなかったものの読めば読むほど信憑性が増し、最終的にはやっと半信半疑くらいの気持ちに回復したのを覚えています(←小心者なため、さすがに作る前はまだ全面的に信じられなかったです;)。
今回芝田先生が生姜焼きを味付けする時に使ったのは、何とサイダー!
 ちなみに、何故サイダーに含まれる炭酸のおかげでお肉が柔らかくなるのだと芝田先生が確信されたのかと言いますと、試作されている時に何とガリ○リ君ソーダ味でこのしょうが焼きを作ろうとし、見事に硬い仕上がりになってしまったからなのだとか(゜Д゜;)。
 なお、そのしょうが焼きは硬いだけではなくガリ○リ君その物の味がするという恐ろしい代物だったそうで、これにはさすがに付き合いが長い広田先生も「わーーー」と真顔で引いていらっしゃいました;。
 それにしても、いくら味が似ているとはいえ本当にあのガリ○リ君ソーダ味でしょうが焼きを作ってしまうとは…こんな罰ゲームすれすれな冒険をしてでも、新しいレシピの開発に余念がない芝田先生はすごいプロだな~と畏敬の念を感じたエピソードでした。
 この情熱に対抗するには、ガリガリ君コーンポタージュ味で斬新なレシピを生み出すくらいの気概がなければ到底敵わないなーとしみじみ思いました(←…と思って調べた所、失敗された方が大半だったとはいえ既に多くの方が挑戦されていました;。すごいです)。
何と、好奇心旺盛な芝田先生はガリガリ君ソーダ味でも生姜焼きを作っていました
 味の予想が全くつかないだけに好奇心が刺激された為、再現してみる事にしました。
 作中には分量つきの詳細なレシピが記載されていますので、早速その通りに作ってみようと思います!


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、豚肉の下処理。とんかつ用の厚さに切られた豚ロース肉の筋に、包丁で切れ込みを入れて筋切りをし、両面へ軽く小麦粉をはたきます。
 この豚肉を、中火に熱して油をひいたフライパンに並べて両面に焼き目をさっとつけます(この時、中に火が通らなくても大丈夫です)。
魔法のサイダーしょうが焼き1
魔法のサイダーしょうが焼き2
魔法のサイダーしょうが焼き3
 豚肉に大体焼き目がついたら、フライパンへサイダー(←ダイエットタイプの物は嫌な甘味になりますので、必ずオーソドックスなタイプのソーダを使用してください)、千切りしょうが、すりおろしにんにく、醤油を加えてフタをし、そのまま一~二分ほど蒸し焼きにします。
 時間が経ったらフタをとり、水分を飛ばすようにしてソースを煮詰めます。
魔法のサイダーしょうが焼き4
魔法のサイダーしょうが焼き6
 ソースが煮詰まってとろみがついてきたら火からおろして食べやすい大きさに切り分け、千切りキャベツやプチトマトを飾ったお皿へ盛って上からソースを全てかければ“魔法のサイダーしょうが焼き”の完成です!
魔法のサイダーしょうが焼き7
 ナイフでお肉を切ってみると、確かにいつものお肉とは違って刃がスッと通りやすい印象で、食べる前から手ごたえを感じていました。
 作中で推奨されていた付け合わせの刻みキャベツやミニトマトと言った色鮮やかな野菜のおかげで、見るからに食欲をそそられます。
 よーく嗅ぐと、サイダーのおかげかしょうが焼きにしては爽やかな風味が混ざっていましたので、一体どういう味がするのか楽しみです。
魔法のサイダーしょうが焼き8
 それでは、熱々の内にいざ実食!
 いっただっきま~す!
魔法のサイダーしょうが焼き9


 さて、味の感想ですが…サイダー入りとは思えない正当派な旨さ!お店でこれが出て来ても納得する味わいです!
 とんかつ用の厚い豚肉を使っているのに、炭酸パワーのおかげでさっくりとすぐに噛み切れる驚きの柔らかさで、脂身もホロトロッとろけるような舌触りになっていました(←脂身に限るなら、豚角煮一歩手前の溶けるような仕上がりになっています)。
 小麦粉で全体がコーティングされている為、肉汁たっぷりとはいかなくても噛むごとに旨味がにじみでてくる感じで、安い豚肉でも銘柄豚に匹敵する食べ応えになっているのに感動しました。
 一方味付けも、甘さ辛さしょっぱさのバランスが非常に巧みでしつこくなく、広田先生のおっしゃる通り「万人受けする味」「サイダーの甘味が爽やかな甘さでくどくなくて、上品な味なんです」な出来栄えで、おろしにんにくを入れた割には独特のがっつり感が表に出過ぎず、しょうがのすっきりした風味の方が際立って後味が重くないのが特徴的です。
 定食屋のしょうが焼きというよりは、レストランのポークジンジャーという印象を受ける品のよい味わいで、ご飯に合うのはもちろんなんですが、単品だけでも十分楽しめる程おいしいしょうが焼きはこれが初めてでした。
 サイダーに含まれる様々な香料か、それとも酸味料のせいなのか、サイダーと醤油と香味野菜オンリーな調味だとは信じられないくらいワンランク上の複雑な甘辛さが生まれているのがよかったです。


 サイダーを使うか使わないかでここまで差が出るとは思わなかった為、とても参考になった再現でした。
 今回はとんかつ用肉で試しましたが、正直もっと分厚い肉でも柔らかくなるのでは…とにらんでいる為、近々試してみる予定です。

●出典)『ママの味♥魔法のおかわりレシピ おかず編』 作者:広田奈都美 監修:芝田里枝/秋田書店
    (2013フォアミセス5月号別冊ふろく)
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

『クッキングパパ』の“スナックえんどうと豚肉の炒めもの”を再現!

 先日、近所のショッピングモールで偶然物産展が開かれていたのを発見し、少し見て回ったのですが、途中イカの塩辛が小山のように積み上げられていた一角を発見し、びっくりしました。
 確かに、大抵の物は高く盛り付けると美味しそうに見えるものですが、赤紫色でヌメヌメしたイカの塩辛が「これでもか!」とばかりに大量にせり上がっていても購買意欲は一向にわかず、かえって川口浩探検隊がアマゾンの奥地で遭遇したあの生物を連想して食欲が失せたものですorz。

 どうも、お茶漬けならワタ入り塩辛、白いご飯&おつまみなら透明な塩辛が好きな管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『クッキングパパ』にて大平課長の奥さんが晩酌用に作った“スナックえんどうと豚肉の炒めもの”です!
スナックえんどうと豚肉の炒めもの図
 今回ご紹介するのは、穏やかな性格で連載初期より金丸産業の皆に慕われていた大平課長が定年退職を間近に控えた頃のお話。
 ある日、打ち合わせの為に荒岩主任や田中君と一緒に博多リバレインへ訪れた大平課長は、それまでひっそりしていたはずの下川端町が賑やかになっているのを見て驚きます(この回が掲載された1999年当時は新築したばかりで、確かに騒がしかったように思います。あれから十五年経った現在はさすがに沈静化しましたが、歴史のある街特有の落ち着いた雰囲気は蘇っており、個人的には今の方が好きだったりします)。
 まだ若かった田中君は町が活性化したことを単純に喜んでいましたが、大平課長は同時期に七十年以上の歴史を持つ老舗・福岡玉屋が閉店した事に「世は移ろい変わりすすんでいく。残念だが、仕方がないことかもしれないな…」と一抹の寂しさを感じ、新しい建物ばかりと思いきや何十年も続いている名店がまだぽつぽつと残っているのを「変わることも大事だし、変わらずに残っていくこともまた…」という感慨を抱いて眺めていました。
 残念ながら、田中君は今一つ大平課長の持つ複雑な心境が分からず「何だか今日の大平課長、感傷的ですね…。定年が近いから…ですかね?」とポカーン状態でしたが、遠くも近くもない位置から変わりゆく博多の街を「今後も変わらず残る建物は、神社くらいかな?」と諦めを持って見てきた当管理人は、大平課長の在りし日を怒りも悲しみもなく淡々と水のように懐古する姿は、胸に迫るものがありました。
 ただ、大平課長は「人は新しい店、何かイベントをやってる店にすぐ飛びつく」「近所のコンビニに行けば新発売、新商品と銘打って大して変わり映えのしない物を売ってる」とおっしゃっていましたが、個人的に同じ日々の繰り返しだと身近で簡単に手に入る「おっ、何かやってる。気になるな~、行ってみよう!」「また新しい味を出したんだ、頑張ってるな~」という一種の張りと言いますか、刺激みたいなものはありがたいので、そこまで責められると切ないな~と苦笑しました;(←確かに数年前まではあまり珍しくない物も「新商品」とされる事が多かったですし、今も決してない訳ではないのですが、最近はメーカーの方も力を入れて柔軟な発想で面白い物をぼちぼち出されている印象がありますので、長い目で見て頂けたらと思います)。
定年退職直前、大平課長は少し感傷気味になってあちこちの馴染みのお店へ通います
 その夜、大平課長は馴染みのお店で飲んでから遅くに帰宅するのですが、変わっているようで変わらない、ただ一つの確かな存在を見つけます。
 それは、大平課長の妻・幸子さん。
 新婚当初は一滴も飲めない大人しいお嬢さんだった幸子さんですが、妻として母として過ごしていく内、時には一人で晩酌を楽しみつつ夫が帰ってくるのを心待ちにするしっかりした女性へと成長しており、思いがけない発見に大平課長は喜んでいました(←一人の時間を余裕を持って楽しめるようになれたという事は、それだけ互いを信頼し合えるようになれたという事ですので、喜ばしい変化だと思います)。
 けれども、一番肝心な大平課長への愛情はかわらないままで、「お前俺が定年したら…どうする?」と聞かれても、「別に…何も変わらないわ。あなたはあなたなんだから――これからも楽しくやっていきましょう」と揺るがず答えており、大平課長をほっとさせていました。
 定年間近にこんなセリフを言われるという事は、どちらも納得できる形で二人三脚が成功していた何よりの証拠ですので、静かながらも感動的なシーンです。
大平課長が定年退職しても、何も変わることはないと語っていた奥さん。 
 おかげでお二人は定年後の生活について話が盛り上がり、このまま寝てしまうのは勿体ないといういい雰囲気になれた為、何かつまみながら一杯飲む事になります。
 その際、幸子さんが大胆な手順で作り上げたのが、この“スナックえんどうと豚肉の炒めもの”です!
 作り方はそこそこ簡単で、豚バラ肉の塊を大きくブツ切りにしたものをお鍋でこんがり焼いてからお水・醤油・砂糖・お酢を入れて煮込み、そこへキャベツを加えて煮えたら一旦キャベツだけお皿へ取り出し、煮詰めてからスナックえんどうを投入してさっと火を通して、キャベツの上へ汁ごと盛り付けたら出来上がりです。
 ポイントは三つあり、一つ目は豚バラ肉をよく焼いて脂分を落としたらその脂を全て捨てる事(←煮物には使わないという意味で、もちろん捨てずともラードとして別の料理に転用可能です)、二つ目はキャベツもスナックえんどうも一切切らずに丸ごと使う事、三つめはスナックえんどうは火を通し過ぎない事です。
 時にはこってり過ぎる豚バラ肉の脂を捨てる事により、豚肉特有の濃厚な旨味を活かしつつ野菜の爽やかな味や食感を堪能できるようにした炒め物だそうで、これはお酒が進みそう…とそそられたのを覚えています。
 とはいえ、おっとりした幸子さんが考え出したとは信じられない程豪快な手順なのが初見時にはすごく意外で、事実大平課長も「お前、意外と思い切った料理をするんだねー」と驚いていましたが、幸子さんは「そうよ、私は結構思い切った人間よ」「もう昔の大人しいお嬢さんじゃありませんからね」と茶目っ気たっぷりに答えており、人は見た目では分からないものだな~と微笑ましく感じました。
 当管理人自身、「あんこさんって真面目で大人しそうだな~」とよく言われるものの、少し経った後に「あんこさんって意外と行動的だね~」と言われる事も時々あり、その都度ちょっぴり得意気になりますので(←まあ、「というか大雑把だね」「鈍いね」「むしろ何も考えてないっぽい」とやんわり指摘される機会の方が圧倒的に多いのですがorz)、幸子さんが意外な一面を見せられて誇らしげになる気持ちは分かる気がしました。
新婚当初は大人しいお嬢さんだった奥さんは、いつの間にか大胆な性格になってました
 その後、“スナックえんどうと豚肉の炒めもの”で日本酒をあっという間に飲みきった大平課長は、「こんなうまいつまみがあると、ますます酒が進むなー」と次第に乗ってきて、最終的にはとっておきのウイスキーまであけて幸子さん共々遅くまで飲んでいました(←お酒だけだとあまり飲み過ぎるという事はありませんが、いいおつまみがあると倍以上杯を重ねてしまうのは当管理人も同じですので、激しく共感;)。
 案の定、飲み過ぎてしまったお二人は翌朝二日酔いになるのですが、昨日の幸せな余韻が未だ残っていた幸子さんはこれ幸いとズル休みをすすめ、普段は真面目一筋な大平課長も興に乗って「そうだな…勤続三十云年、初めてズル休みしてみるか」「お前が元気だと嬉しいよ」とその気になり、二日酔いがマシになってから久々に幸子さんと散歩をして過ごしていました。
 相変わらずラブラブなご様子で、こちらまで熱くなってきたエピソードでした。
ご夫婦そろって二日酔いになり、顔を見合わせて苦笑いしていました;
 近頃、スナックえんどうがお店で売られるようになってきましたので、これをいい機会だと思い再現する事にしました。
 作中には分量つきの詳細なレシピが載っていますし、早速その通りに作ってみようと思います!


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、豚肉の調理。豚バラ肉の塊を大きめの一口サイズへとブツ切りにし、油を多めにひいておいた厚めのお鍋へ脂身を下にしながら並べ、中火で全面をしっかり焼きます(←お肉が柔らかくて立たない場合は、なるべく脂が多い方を下にする&お箸で一個一個順番にお肉を強引に立たせ、脂身を焼く時間を長めにするよう調整する事を意識しながら火を入れます)。
 この時、どの面にもまんべんなく火が通るよう、こまめにひっくり返した方がいいです。
スナックえんどうと豚肉の炒めもの1
スナックえんどうと豚肉の炒めもの2
スナックえんどうと豚肉の炒めもの3
 豚肉に火が通りきったら油を取り除き(←これはラードとして再利用できますので、取って置いて後々他の料理に使う事をおすすめします)、洗わずそのまま豚肉を戻し入れたら水、砂糖、醤油、お酢を加え、約二十分煮込みます。
 これで、豚肉単体での調理は終了です。
 ※焦げる直前まで火を通して余分な油を取ると、かえって油の旨味が濃縮されて美味になりますので、惜しまずガンガン油を出す事をお勧めします。
スナックえんどうと豚肉の炒めもの4
スナックえんどうと豚肉の炒めもの5
スナックえんどうと豚肉の炒めもの6
 次は、仕上げの煮込み作業。
 引き続き中火にかけている先程のお鍋へ、キャベツの葉を切らずにそのままドサッと大胆に重ねて煮ます(←最初は鍋から出る蒸気をふさぐようにしてキャベツを乗せ、段々しんなりしてきたら破かないよう気をつけながら煮汁に浸します)。
 キャベツに火が通ってきてくったりし、少し歯ごたえが残っている状態にまで煮えたら一枚一枚取り出して、器へ飾ります。
スナックえんどうと豚肉の炒めもの7
スナックえんどうと豚肉の炒めもの8
スナックえんどうと豚肉の炒めもの9
 煮汁が若干減るまでコトコト煮詰めたら、流水で汚れを落として筋を取っておいたスナックえんどうを上に乗せ、くっきり色よくなるまで煮ます。
 ※スナックえんどうは一分経つか経たないかですぐ煮えますので、注意深く火の通り加減を観察しておいた方がいいです。
スナックえんどうと豚肉の炒めもの10
スナックえんどうと豚肉の炒めもの12スナックえんどうと豚肉の炒めもの11
 スナックえんどうが彩りよく煮上がったらすぐに火からおろし、さっきのキャベツが乗っているお皿の上へ具を全て豪快に盛り付け、最後に煮汁を少しかければ“スナックえんどうと豚肉の炒めもの”の完成です!
スナックえんどうと豚肉の炒めもの13
 色濃く煮上がった豚肉と、鮮やかな緑色のスナックえんどうの対比が美しく、食欲がそそられます。
 炒め物と言うよりはどちらかというと煮物風の仕上がりでしたが、しっかりした味付けですのでむしろ炒め物以上に濃厚そうな味が予想され、思わず喉が鳴りました。
 これまでスナックえんどうは茹でてマヨネーズをつけて食べるくらいでしたので、煮物だと一体どんな味になるのか、味が楽しみです!
スナックえんどうと豚肉の炒めもの14
スナックえんどうと豚肉の炒めもの15
 それでは、熱々の内にいざ実食!
 いっただっきまーす!
スナックえんどうと豚肉の炒めもの16


 さて、味はと言いますと…野菜と肉の食感の対比が見事で美味し!ボリューム満点なのにいくらでも入る軽さが特徴的です!
 噛むごとに実が「ザクザクッ」「シャキッ」「バリバリ」と小気味よく砕けるのが歯に嬉しい感じで、瑞々しくて甘い汁気がふき出すスナップエンドウの爽やかさな味わいが、ガツンとくる豚バラ肉の濃厚な脂分をほんのり和らげているのがバランスがよくてナイスでした。
 お酢を加えたおかげで肉に柔らかな弾力がついてジューシーになり、脂がまるで角煮っぽいとろけるような舌触りになっているのがよかったです。
 お肉の味付けに砂糖と醤油をたっぷり使うと、パンチの効いた旨さになる代わりに後味が大抵ズシッと重くなるのが難点なんですが、これはお酢が後々かすかに効いて清々しいさっぱり感をプラスしている為病み付きになりました←例えるとするなら、鶏の甘酸っぱ煮の酸味をぐっと控えた味に近く、照り焼きのタレにも似ています)。
 豚肉特有のこってりした旨味が溶け込んだ、甘辛酸っぱい煮汁を吸い込んだキャベツのしんなりジャクッとした歯応えも堪えられません。
 最初は「キャベツを切らずに煮たら食べにくそう」と不安でしたが、クタクタなようで十分張りのある葉を引き千切る時のワイルドな快感や、濃い美味しさの豚肉をレタス巻きみたいにすっぽり包んでマイルドに食べられるようになっているのがよく、感心しました。


 この煮汁は、実はごま油を抜いた酸っぱくない冷やし中華のタレといえなくもない味ですので、中華麺を絡めてみてもなかなか美味でした。
 もちろんご飯にかけてもさっぱりして食が進みましたので、いろんな方にお勧めしたいレシピです。

●出典)『クッキングパパ』 うえやまとち/講談社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

『華中華』の“スープハンバーグ包みチャーハン”を再現!

 先日、現代に名を残している著名な画家・作曲家・建築家らから熱烈に愛され、彼らに作品のインスピレーションを与えつつも決して深奥まで征服されなかった事から「全ての芸術と結婚した女性」「あらゆる天才達のミューズ」「世紀末ウィーンの妖婦」と呼ばれた女性・アルマ=マーラーがちょこっとだけ紹介されていたを読んだのですが、その中で一つ印象に残ったエピソードがあります。
 それは、彼女がまだ幼かった頃の事。
 当時、有名な風景画家であった父の元へは多数の芸術家仲間が遊びに来ていたようなのですが、その際父は彼女を子ども扱いして別室へ行かせるのではなく、「(芸術の)神様たちと遊びなさい」と積極的に大人たちの世界へ関わる事を奨励したのだそうです。
 恐らく、彼女がただそこにいるだけで芸術家達の創作意欲を掻き立てるようになれたのは、まだ純粋で何でも吸収できたこの時期に、芸術家の琴線に触れる術を無意識に会得したからではないか…と推測してます。

 どうも、小学生時代に通っていたお習字教室でクリムトの「接吻」を初めて見た時、何か見てはいけない物を見た気がして思わず目をそらした記憶がある管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『華中華』にてハナちゃんが楊貴妃さん・幽霊仲間・観光に来た女子高生達の為に作った“スープハンバーグ包みチャーハン”です!
スープハンバーグ包みチャーハン図
 横浜は一年中観光客が数多く訪れる人気スポットですが、中でも春の時期は特に人が殺到するみたいで、おかげで普段夜遊びとお昼寝のヘビーローテーションをしている横浜外国人墓地の幽霊たちは連日寝不足で、「しばらくは夜寝るようにしますかな?」と相談しあっていました(←むしろ健康のためにはそれがいいような気が…と思いかけましたが、考えてみれば身体を持たない幽霊達にとってはあまり意味のない物なのかもしれません;。もしかしたら、逆に「幽霊は夜起きてないと消えやすくなるので注意!太陽の光がある昼はちゃんと休むように!」という幽霊式健康法があったりするかも…と空想が広がります)。
 もちろん楊貴妃さんも例外ではないのですが、墓地で眠れなくても以前はハナちゃんのアパートの押入れ、今は義実家の押入れで安心していつでも眠れるようになっているのでさほど深刻な問題にはなっておらず、おまけにハナちゃんの美味しいチャーハンをいつでも食べられる事もあり、周囲の幽霊達から羨ましがられていました。
 楊貴妃さんとしては、ハナちゃんを世界一の料理人として育てる為に影から見守り的確にアドバイスする師匠という責任重大なお仕事を持っているようなものですので、それなりに気の抜けない毎日ではあるそうなのですが、それでも日々遊び暮らすしか出来ない幽霊には魅力的な生活みたいで、当管理人自身も「お酒とお食事がいつでも口にできる無料の家があって、時々洋服もプレゼントされて、夜遊びしても怒られないなんて…考えてみれば破格の待遇!」と密かに羨ましくなったものです;。
観光シーズンの到来でおちおちお昼寝も出来なくなった楊貴妃さん達は、世間話をしだします。
 そんなこんなで、幽霊仲間である元インド人シェフ・シンちゃん、元イギリス人の船長さん、元水兵さん(←恐らく、横浜外国人墓地が成立するきっかけとなったアメリカ人水兵・ロバート=ウィリアムさんがモデルだと思います)らの「僕らだってハナちゃんのチャーハンが食べたい!」という声が気の毒になった楊貴妃さんは、みんなをハナちゃんのいる上海亭へ連れていってチャーハンを食べさせる事にします。
 こうして墓地を出ようとした楊貴妃さん達ですが、そんな時珍しく楊貴妃さん達がはっきり見える女子中学生達から「やっぱり横浜ってスゴ~イ。外国人墓地のコスプレイヤーがいるよ!」「一緒に記念写真を撮らせてもらおうよ!」と声をかけられ、ちょっとびっくりします。
 楊貴妃さん曰く、幽霊は霊感のある人だけでなく純真な心が残っている人にも見えるのだそうで、「いつまでも純真なまま」「特別」「何しろ、このアタシの事がいつも見えてるって言うんだから」なハナちゃんならともかく、この子たちだったらあと一年もしない内に見えなくなるよと言ってしんみりした表情になっていました(←この時、幽霊仲間から「また始まった、楊貴妃さんのハナちゃん自慢が」と言われていました;。こうして見ると、「うちの子はすごいのよ~!」と自慢するお母さんみたいで微笑ましいです)。
 それについ同情したのか、結局楊貴妃さん達は女子中学生達のお願いを聞いて一緒に写真を撮ってあげるのですが、当然幽霊である楊貴妃さん達は写真に写れていなかった上、驚いた女子中学生が後ろを振り向くとさっきまでいた楊貴妃さん達は忽然と姿を消していた為、可哀想な事に「ま、まさか幽霊!?」とすっかり怯えてしまっていました;。
 確かに、真っ昼間とはいえはっきり見える幽霊とおしゃべりしたり近くに寄り添ったと後々分かったら背筋が凍りそうですので、気分が盛り下がるのは無理ないと思います(←ましてや、友達への共感力や感情の伝播力が人一倍高いこのお年頃だったら尚更です;)。
楊貴妃さんが言うには、幽霊が見えるのは霊感のあるなしではなく心が純粋な方のみだそう。
 とはいえ、偶然とはいえ退屈だった中ドッキリが大成功した楊貴妃さん達は、「イタズラする気なんてなかったんだけど…」「久々に面白かったアールね」「生前は真面目一方の船長でしたが…死んでから楊貴妃さんに色々と楽しい遊びを教えて頂き、感謝してます」などと大盛り上がりして上海亭へ向かうのですが、その話を知ったハナちゃんは怒り、楊貴妃さんからチャーハンをご馳走してほしいとお願いされても「いえ、ダメです!」と手厳しく断ります。
 ハナちゃんが言うには、「私たちにとって、横浜へおいでになるお客様は、大切にしなくちゃいけないんです。それをよりによって驚かすなんて、許せません」との事で、ちょっぴり拗ねた楊貴妃さんが「だから、たまたまそうなっただけだってば!」と口をとがらせても、心優しいハナちゃんにしては珍しく一歩も引かず、「でも、結果的には一緒です。悪気はなくても、悪い事をなさったんですよ」とこんこん説いた為、とうとう楊貴妃さんも反省した子どものように「まぁ、そうだけど…」と遂に非を認めてしょんぼりしていました(←日頃は楊貴妃さん=母&姉・ハナちゃん=娘という構図になっていますが、この時だけは見事に役割が逆転していて苦笑;。ハナちゃんなら、「私じゃないもん!」とそっぽを向くお子さんでも、感情的にならず根気強く注意する事が出来るだろうな~と感じました)。
 現に、その頃女子中学生達は幽霊と普通に話したショックが抜け切れずに食欲減退しており、満点大飯店の島野さん特製ランチを残すなど確実に悪影響がでていましたので、たかがイタズラといえど軽く考えず、してしまったらしてしまったでしっかりアフターケアしないと駄目だよな~と改めて思った物です。
思いがけずハナちゃんからピシャリと怒られ、ショボーン(´・ω・`)な楊貴妃さんたち
 しかし、ハナちゃんの目配りの広さはさすがで、楊貴妃さん達も女子中学生達もがっくりさせたままでいさせるのではなく、楊貴妃さん達には「私がその子たちの為にもチャーハンを作りますから、女の子を連れてきてください。お代は楊貴妃さん達から貰います」←幽霊からでも容赦なくお金を請求するハナちゃんはすごいです;。恐らく、上海亭でも義実家でも経理関係で頭を悩ませてるんだろうな~とほろ苦く笑いました;「その代わり、チャーハンは皆さんの分も作りますね」と約束させ、お店にやって来た女子中学生達には食欲が湧いてくるようなチャーハンを食べてもらう事で、両者の落ち込みを解消しようと頑張ります。
 その際、ハナちゃんが若い女の子達に喜んでもらえるような三百円チャーハンを…と考えて作りだしたのが、この“スープハンバーグ包みチャーハン”です!
 作り方は少し変わっており、豚ひき肉・鶏ひき肉・生卵・玉ネギ・冷ご飯・顆粒チキンスープの素・オイスターソースを練ったハンバーグの生地の上へ基本チャーハンを乗せて丸め、ごま油をひいて熱したフライパンで両面に焼き目をつけて蒸し焼きにし、最後に顆粒チキンスープとお湯を合わせて作った簡易版チキンスープをかけて刻みパセリを散らしたら出来上がりです。
 牛と豚の合挽き肉ならポピュラーなものの、豚ひき肉と鶏ひき肉をブレンドするというのは聞いたことがなかった為初身時は衝撃を受けたものでしたが;、気になって調べてみると、この二つを組み合わせるとあっさりかつジューシーな美味しさのタネに仕上がる上、牛豚合挽き肉の例と同じく味に深みが出るとの事。
 また、冷ご飯を加えるというのも一見奇異に見えますが、こうするとひき肉を柔らかく肉汁たっぷりに仕上がるのだそうで、ハナちゃんの物知りっぷりに感心させられたものです←何と、かの有名な元鉄人シェフ・坂井宏行氏も提唱している技法なのだとか。出典元はこちら)。

 その後、楊貴妃さん達はやっと再会できた女子中学生達から「キャ~!出たぁ、コスプレ幽霊!」と怖がられつつも、「次のコスプレ会場へ急がなくちゃいけなかったから、すぐいなくなったの」「デジカメは、時々そうした誤作動を起こすものアールよ」という苦しい言い訳で何とか納得させ(←正直まだ疑っている様子でしたが、人ごみの中でも普通に見えているのが決定打となって信じてもらえたようです;)、無事上海亭へ案内して“スープハンバーグ包みチャーハン”を食べてもらい、横浜での思い出をいい物に塗り替える事に成功していました。
 おかげでハナちゃんから許してもらえた楊貴妃さん達は、出来立ての“スープハンバーグ包みチャーハン”を食べる事が出来て大満足したのですが、楊貴妃さんは一人「百年以上、この横浜にいるアタシ達より…ハナちゃんの方が…この横浜を愛しているんだねぇ…」「やっぱり、ハナちゃんには敵わないね!」としみじみ感じ入っており、より幸福感に包まれていた様子でした。
女子高生達も楊貴妃さん達もハナちゃんのおいしいチャーハンを食べられて、大満足!
 「中華と洋食のコラボとは、素晴らしいアイディアですな」という船長さんの台詞が気になっていた為、再現を決意しました。
 単行本には詳しい分量つきのレシピが記載されていますので、早速その通りに作ってみようと思います!


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、ハンバーグ生地の用意。ボウルへ豚ひき肉、鶏ひき肉、生卵、電子レンジで加熱したみじん切りの玉ネギ(必ず冷ましてから使います)、冷ご飯、顆粒チキンスープの素、オイスターソースを入れ、粘りが出てくるまで手でよ~く練り混ぜます。
 ひき肉全体がふわっとしてきたら、大きめに切ったラップの上へ移してやや薄めに伸ばして広げます。
スープハンバーグ包みチャーハン1
スープハンバーグ包みチャーハン2
スープハンバーグ包みチャーハン3
 次は、包み作業。
 さっきのハンバーグ生地の真ん中へ、中華鍋(又はフライパン)でレシピ通り作って粗熱を取っておいたハナちゃん流基本チャーハンを乗せ、肉の厚さが均一になるよう気をつけながらラップを丸めるようにして包みます。
 ラップの上から形を整え直したら、準備OKです!
 ※チャーハンは冷ましたものをただ乗せようとすると形が崩れやすく苦戦しますが、あらかじめラップで優しく丸めて冷蔵庫で保管してから使うと、かなり乗せやすくなります。
スープハンバーグ包みチャーハン4
スープハンバーグ包みチャーハン5
 ここまできたら、いよいよ焼き作業。
 ごま油を引いて強火にかけたフライパン(又は中華鍋)へ、先程のチャーハン入りハンバーグを置いて焼き、下にこんがりした焼き目がついたら裏返します。
 ここで初めて弱火にし、水を回し入れて素早くフタをしたら、後はじっくりと蒸し焼きにして中まで火を通します。
 その間、顆粒チキンスープの素と水だけを小鍋に入れて沸騰させ、シンプルなチキンスープを作っておきます。
スープハンバーグ包みチャーハン6
スープハンバーグ包みチャーハン8
スープハンバーグ包みチャーハン7
 ハンバーグ部分に火が完全に通ったのを確認したら大きめで深みのあるお皿へ取り出し、その上からチキンスープをかけて仕上げに刻んだパセリを散らせば“スープハンバーグ包みチャーハン”の完成です!
スープハンバーグ包みチャーハン9
 スープの中でドドンと佇む巨大ハンバーグは迫力満点で、一人分というよりは二~三人前用のチャーハンだな~と苦笑しました;。
 切り分けて中を見ると、やや薄めのハンバーグの中に閉じ込められたチャーハンは肉汁によっ若干しっとりめに仕上がっており、見るからに食欲を掻き立てられます。
 スープチャーハン、もしくは肉包みチャーハンは食べた事があるものの、両方を合体させたチャーハンは食べた事がない為、一体どういう味がするのがとても楽しみです。
スープハンバーグ包みチャーハン10
スープハンバーグ包みチャーハン11
 それでは、スープが冷めない内にいざ実食!
 いっただっきま~すっ!
スープハンバーグ包みチャーハン12


 さて、味はと言いますと…体中がポカポカに温かくなる優しい味のチャーハン。スープによってほんわかした口当たりになってておいしいです。
 見た目はハンバーグですが、一口食べると第一印象は「小籠包に入ってる肉餡をもっとしっかりさせたみたい」と思える仕上がりで、100%中華風な味わいです。
 牛肉が入っていませんので若干薄味ではありますが、豚肉の濃い油分によってジューシーなコク、そして鶏肉の癖のない旨味によってあっさりした後口のハンバーグになっており、おかげでこんなに大きなサイズなのにも関わらず最後までさっぱりと頂けました。
 冷ご飯によって柔らかい肉質に、チキンスープによって濃い旨味に、オイスターソースによって熟成された塩気になっているのがチャーハンとぴったりで、チャーハンにハンバーグが付け足しになっているのではなく、二つで一つになっていて調和しているのがよかったです。
 スープはごく普通の鳥ガラ塩味なはずなんですが、肉の旨味が溶け込んでいるせいかしみじみ奥深い癒される味わいのスープに変化しており、チャーハンとの相性が引き上げられていました。
 玉ネギのシャキシャキ感もいいアクセントになっていますし、お酒のおつまみにもいけるのが嬉しいです。
 チャーハンがハンバーグの肉汁とスープを吸って、スープチャーハンみたいにサラサラッと頂ける落ち着いた旨さになるのがいい感じでした。


 最初は「ハンバーグに冷ご飯?」と怪訝となりましたが、本当にひき肉が柔らかくなっていましたので感心しました。
 とろみのついた餡で食べるチャーハンもいいですが、こういうスープで後味を軽やかにするチャーハンもいいな~と思った再現でした。

●出典)『華中華』 原作:西ゆうじ 作画:ひきの真二/小学館
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

『最後のレストラン』の“豆のガレット豆腐クリーム乗せ”を再現!

 最近、仕事帰りの電車の中で時々マンガボックスを読んでいるのですが、面白い作品が沢山あって退屈しません。
 主にチェックしているのは『タチコマなヒビ』『高遠少年の事件簿』『人間でした』(←三作品とも現在は終了していますが、連載中はずっとチェックしていました)『蛙のおっさん』『アコヤツタヱ』『初恋心中』『天空侵犯』『ホライズン』『でぶせん』『グリーンワールズ』『チャリに乗れない!』『穴殺人』『邪風のストラ』『たわら猫とまちがい人生』なのですが、中でも一際続きを楽しみにしているのは『アコヤツタヱ』と『初恋心中』で、これからどんな展開になるか楽しみです。

 どうも、また『タチコマなヒビ』が本誌で連載が再開される事を切に望んでいる管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『最後のレストラン』にて園場さんがガンディーのリクエストに応えて用意した“豆のガレット豆腐クリーム乗せ”です!
豆のガレット豆腐クリーム乗せ図
 それは、安徳天皇こと言仁君(←読み方は「ときひと」で、諱です。有賀さんは「言君」と読んでおり、弟感覚で可愛がっています;)が有賀さんの実家へ引き取られ、数か月が経過した頃のお話。
 前回ご紹介した新メニュー・“ふわふわフレンチ風親子丼”が当たって<ヘブンズドア>は大繁盛し、御奴さん達はてんてこ舞いになりながらもお店が上り調子になってきたのを喜ぶのですが、お客さんが来すぎて休みが激減したのに不満を持った園場さんが「待遇の改善を要求します!」「私に休息を!経営者に未来を!」と主張し、ハンストを宣言します。
 園場さんがこういう面倒な事を言い出すのはいつもの事ですので、有賀さん達は「まかないは四人分でいいわね」「言君が来るから五人前でお願いします」と軽やかにスルーするのですが(←休みの要求だけならまだ同情の余地がありますが、極端な手段に出られると呆れの方が勝りますので、無視されてもやむなしだと有賀さん達に共感したものです;)、奇遇にもこの時、ちょうどハンスト中だった歴史上の有名人物がタイムスリップしてきます。

 その方の名は、マハトマ=ガンディー
 死の直前、ガンディーはインドとパキスタンが分離独立した事が原因で激化した宗教暴動を防ごうとし、断食という手段で双方に争いを収めるよう呼びかけていた為、案の定有賀さんから心配されるほど弱っていたのですが、当初は自らの信念を通して食事を取ろうとはしませんでした。
 そのせいか、同じくハンストをしている園場さんにも「君も私の考えに共感してくれるのだね」と親しみを感じていたようなのですが、前田さんからハンストの真の理由を聞かされると「バカモーン!」「個人的な利益を実現するための断食など…己の意志を他人に強要するための手段。暴力と変わらん!」と大激怒して波平さんタッチの顔になり、園場さんへゲンコツを食らわしていました;。
 作者の藤栄道彦先生曰く、ガンディーは「伝記とか見てみると結構言ってる事はマッチョと言うか、頑固親父といった感じですね。一般の人にはちょっと真似できないんじゃないかなぁ」な人物だそうで、なぜ波平さんっぽく模したのかと言いますと「しかし特徴を押さえて描くと、どうしてもあのキャラになる…」だったからだそうですが、正直波平さんに似せて描かれた事によってガンディーの特徴がすんなり頭に入って来ましたので、このアイディアは大当たりだと思いました;。
著書を見ると、穏やかと言うよりは頑固おやじなイメージを受けた為このキャラが思い浮かんだのだとか
 とはいえ、始めはこのシーンに園場さんと同じく当管理人も「あれ?非暴力じゃないんじゃ…」と疑問に思ったのですが、作中の説明によると「ガンディーの提唱した非暴力とは、<悪法には従わないが、法を破った罰は甘んじて受ける>というもの」「非暴力は暴力よりも優れてるが、臆病と暴力ならば私はむしろ暴力をすすめる。許しは最上だが、許すというのは罰する力を持つ者のみが口にできる台詞だ」「インドがいくじなしで、はずかしめに甘んじて、その名誉ある伝統を捨てるよりも、わたしはインドが武器をとってでも自分の名誉を守ることを望んでいる」こそがガンディーの考えだったとの事で、初見時は「これなら世間的に流布されている非暴力理論よりも、納得出来る!」と大いに共感したものです。
 特に、後者の理論は『北斗の拳』にてラオウが遭遇した無抵抗村のエピソードを思い出します。
 この村人たちも一応は非暴力を謳っていますので、その代表的提唱者であるガンディーまでもが貶められている場面をネット上で時折みかけるのですが、罰する力もないのに許している気になっている、なのに「笑顔」の信念や名誉を最後まで貫き通す勇気も意地もない、そのくせ自分の命に対する卑小なまでの臆病さだけは旺盛という「非暴力」者達を見たら、むしろ一番激昂するのはガンディーなのでは…と感じたものです。

 ※ちなみに、ガンディーは暗殺者によって三発の銃弾を撃ち込まれ、絶命する寸前すらイスラム教で「あなたを許す」という意味を持つ動作をとっています。この逸話を知った際、自らを殺そうとする者にすら慈愛を向けるのかと感銘を受けたものでしたが、実際はそれだけではなく、著書で「許しは罰よりも、さらに雄雄しい勇気と力がいることを知っている」と述べている事から、ガンディーはこれが最後の時だと分かってしまったからこそ、未だ不安定なインドを残して逝く前に「インドもこうあって欲しい」と、半ば祈るような気持ちで雄々しい勇気と力を自ら示して世を去ったのではないだろうかと思えてなりません。
ガンジーは非暴力で知られていますが、実は「臆病よりは暴力」という言葉を残しています
 ちなみに、この時ガンディーは「そう何でもかんでも否定されてたら、人類は進歩出来ないんですけど」「矛盾した欲望をどう解決するかで人間は知恵を絞ってきたわけで」と少し反論した園場さんに興味を示し、「私は欲望に基づく食事はせんが、確かに空腹でもある。この矛盾を解決する料理が君にできるかね?」という難しいリクエストをし、園場さんに頭を抱えさせています;。
 なお、ガンディーは牛乳や成熟して下に落ちた実くらいしか口にしないというかなり厳格な菜食主義を実行していたようで、余計園場さんを悩ませていました。
 個人的に、一部の菜食主義の方がおっしゃる「植物を食べるなら命を奪わなくて済む」という意見には猛烈な反論がある為、ガンディーはどういうタイプなのか気になっていたのですが、調べた所ガンディーは「殺されるのを嫌がっているものは食べない」というこだわりを持ち、しっかり根付いている植物は一切食べず自然に地面へ落ちた物しか口にしなかったとの事。
 その為、園場さんの言う「菜食主義だから命を奪わないなんて大間違いです。農耕や牧畜の過程で、直接でなくとも間接的にたくさんの命が奪われているんですから」という意見に同調しつつも、その意志の強さは尊敬に価すると感じたものです。

 園場さんがこの自論を発表した際、ジャンヌさんは「なぜ人は他の生命を奪わないと生きていけないのでしょう」とこれまた難しい問いをぶつけているのですが、一瞬悩みつつも園場さんは「傲慢にならないためですよ」「人間は単体では存在できません。立つ大地、仰ぎ見る空、全てがあるから生きている。それを忘れないためです」「人は犠牲になった命の重さに見合う存在にならないといけません」という至言を残しています。
 よく「いただきます」「ごちそうさま」という言葉の意味について議論されていますが、当管理人としては奪われた命に対する言葉というよりは、当たり前すぎて日頃忘れてしまいがちなこの真理を忘れないようにするための自戒の意味合いが一番強いのでは、と考えています。
菜食主義にして「命を奪わず生きられる」と考えるのは、ちょっと傲慢なように思います
 その後、園場さんがガンディーのリクエストに応えるべく作ったのが、この“豆のガレット豆腐クリーム乗せ”!
 作り方は簡単で、お好みの豆類(エンドウ・いんげん・空豆等)を茹でてオリーブ油で和えたものをそば粉・小麦粉・お水で作ったガレットの中央に乗せて折り畳み、最後に上からミキサーで木綿豆腐・レモン汁・メープルシロップを滑らかなクリーム状になるまで混ぜて作った豆腐クリームをかけたら出来上がりです。
 園場さんが言うには、このガレットは元々ルイ十三世の王妃・アンヌがブルターニュへ狩りに出かけた際に現地の住民が食べていたものを偶然口にして気に入ったという伝説が残る食べ物だそうで、「何も贅沢だけが料理ではありません。粗末な食材の味を引き出し、価値を高める。それは食材への敬意というものです」という自分なりの料理に対する信念を語るのに役立てていました。
 何でも、豆腐を十分にクリーム状にする事によって豆の臭みが消えて柔らかな味わいが残るのだそうで、甘い味わいにする事によって豆の旨味が違った味で引き出させる為、塩味でも美味しいのをあえてメープルシロップで味付けしたと語っていました。

 ちなみに、園場さんは同じ料理を空豆が苦手な安徳天皇こと言仁君にも出しており、わざと「いやじゃ食べぬ!空豆が入っておる!」「(ガンディーを指さして)この者も食べぬ!」という言葉を引き出させ、ガンディーに「なるほどなるほど、そう来たか」と真意を読み取らせ、言仁君に豆の滋養を教える為、「このひと口は…欲望のためではない…他者に想いを伝える…その為のひと口…」という理由で“豆のガレット豆腐クリーム乗せ”を自発的に食べさせるのに成功していました。
 おかげで、言仁君は不承不承ながらも“豆のガレット豆腐クリーム乗せ”をちゃんと食べているのですが、思いのほかガレットは言仁君の口にあったみたいで、後々有賀さんが小豆のクレープをお土産に持って帰った時などは「クレープ!?」と目を輝かせるまでに成長を遂げていました;。
ガレットはフランスの宮廷料理の一つに数えられてますが、元は農民の料理だったという説が
 当初は「緑色の豆を使ったクレープ?」と今一つしっくりこない感じがしましたが、かえってどんな味になるのか木になりましたので、新鮮な豆が手に入る今再現する事にしました。
 作中にはおおむねの材料やレシピがきちんと掲載されていますので、早速その通りに作ってみようと思います!


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、豆類の下ごしらえ。空豆はさやから取り出し、筋なしいんげんは両端を少し切って、絹さやとスナックエンドウは筋を取り、塩を入れて沸騰させたお湯でざっと茹でます(豆はすぐに火が通りますので、面倒でしたら同時に入れてもいいですが、出来ればいんげん&空豆→スナックエンドウ→絹さやの順に時間をずらして投入した方がいいです)。
 豆類が茹で上がったらすぐにザルにあけて水気をきり、粗熱が取れたらオリーブ油をまぶして軽く混ぜます。
 これで、豆は準備OKです。
豆のガレット豆腐クリーム乗せ1
豆のガレット豆腐クリーム乗せ2
 次は、豆腐クリーム作り。
 ミキサー(又はフードプロセッサー)へ、茹でて冷ました後徹底的に水切りした木綿豆腐を入れてクリーム状になるまでスイッチを押し、段々滑らかになってクリームっぽくなってきたらレモン汁とメープルシロップを加え、さらにスイッチを押してよく混ぜ続けます。
 豆腐全体にザラザラした感じがなくなり、まるですったクリームチーズのように艶やかな光沢のあるクリーム状になるまで混ぜられたら、豆腐クリームは出来上がりです。
 ※木綿豆腐は元の大きさの三分の一以下になるまで水切りしないと、豆の臭みも消えない上に水っぽい仕上がりになりますので、要注意です。
豆のガレット豆腐クリーム乗せ6
豆のガレット豆腐クリーム乗せ7
豆のガレット豆腐クリーム乗せ8
 ここまできたら、今度はガレット作り。
 ボウルへそば粉と小麦粉を混ぜた物をふるいにかけて入れ、水を少しずつ注ぎながらダマにならないよう泡立て器で丁寧にかき混ぜます。
 粉と水がよく混ざって生地が出来上がったら、薄く油を引いて熱したフライパンへ垂らして薄く広げ、両面をちょっとだけ焦げ目がつくまで焼きます(←小麦粉のみのクレープに比べるとやや厚めになりやすいですので、気を付けた方がいいです)。
 焼けたら大皿へ取り出し、粗熱を取ります。
豆のガレット豆腐クリーム乗せ3
豆のガレット豆腐クリーム乗せ4
豆のガレット豆腐クリーム乗せ5
 このガレットをお皿へ広げ、中央にオリーブ油で和えた豆類を置いて四角い形になるよう折り目をつけながらしっかりたたみ、上から豆腐クリームをかけたら“豆のガレット豆腐クリーム乗せ”の完成です!
豆のガレット豆腐クリーム乗せ9
 ほんのりとそば色のようなこげ茶のようなに趣のある色合いに染まっているクレープと、瑞々しい緑色の豆、そして豆腐クリームの白色の取り合わせが美しいです。
 豆の臭みはほとんど匂わず、逆にメープルシロップの芳しい香りの方がふわっと漂う為、かろうじてデザート風だと分かりました。
 今までに出会った事がない組み合わせですので味の想像が全然つきませんが、覚悟を決めて確認してみようと思います。
豆のガレット豆腐クリーム乗せ10
 それでは、手で直接つかんでいざ実食!
 いっただっきま~すっ!
豆のガレット豆腐クリーム乗せ11


 さで、味の感想ですが…一言では言い表せない不思議な味わいですが、決して不味くはないです。ただ、人を選ぶ一品ではあります;。
 当初は「デザートにえんどう豆?」と怪訝になりましたが、実際に食べてみると「メープル風味の煮豆風フランス仕立て」というイメージの味付けで、意外とそこまで抵抗感はなかったです。
 元が木綿豆腐だったとは信じられないくらいぽってりかつなめらかなクリーム状になった豆腐は、見た目よりもずっと大豆特有の濃厚なコクがギュッと凝縮されており、茹でた豆に負けないくらい力強い旨さなのが特徴的でした。
 メープルシロップのカラメルみたいに少し焦がしたような独特の甘味が、豆の瑞々しさを際立たせるのに成功しており、妙な美味しさを生み出しているのに頭が混乱します。
 このクリームと合う順に豆を挙げるとするなら、スナックえんどう・空豆・絹さや・いんげんで、特にスナックえんどうのジューシーな甘い汁気はメープルシロップのサラッとしてべとつかない甘さとよく合っていました(←空豆に豆腐クリームが合わさると、「ちょっと青っぽくて爽やかな食感の甘納豆や金時豆」と例えたくなる味になります)。
 そば粉のクレープは小麦粉で作るクレープよりもどうしてもやや厚めになりますが、モチモチした噛み心地と香ばしい風味が豆腐クリームとも豆ともしっくり馴染んでいて、最後まで頭を傾げたくなりますが「これはこれでありなのかな…?」と思いました。


 そば粉のクレープには卵&チーズを合わせるのが至高だと思っていましたが、甘い物とも合うと知り満足しました。
 煮豆がお好きな方にはたまらないものがあると思いますので、おすすめです。

●出典)『最後のレストラン』 藤栄道彦/新潮社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』の“タッパーで簡単!!豆とゴマのタルト”を再現!

 ジブリ映画『かぐや姫の物語』のワンシーンに、翁が一人でたどたどしく歩けるようになったかぐや姫を「ひ~め、お~いでっ!」と歌うように呼び寄せる場面があるのですが(←一時期CMに出ていました)、そのシーンを思い返すたび愛おしさのあまり目に熱い物がこみ上げてきます。
 十代か、もしくは二十代前半の頃は「微笑ましいなあ」でにこにこするだけだったのですが、もはや親になってもおかしくない年齢で見たせいか、かよわい命が自分を頼って少しずつ歩み寄るのがかわいくてかわいくて仕方がない、という翁側の想いの方が我が身に迫って考えられるようになり、しんみりしています。

 どうも、昔だったら泣かなかった映画にもいちいち涙が出るようになって「これが涙もろくなるという事か!」と実感している管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』にて芝田先生がご自身のお料理教室で教えられていた“タッパーで簡単!!豆とゴマのタルト”です!
タッパーで簡単!!豆とゴマのタルト図
 それまで「タルト作り」と聞くと、同時に「面倒臭そう…」「重石とか型とか麺棒とか、用意しなくちゃだめ…ですよね?」「外側と内側を作るから、手間も時間も二倍…」というマイナスイメージがついて回ったんですが(←我ながら悲観的だな~と苦笑;)、本日ご紹介する芝田先生のレシピは何もかもが規格外で、目から鱗が落ちます。
 というのも、何とタッパーとアルミホイルでアーモンドタルトが簡単に作れちゃうと作中で謳っている為!
 作り方は触れ込み通りお手軽で、小麦粉・溶かし無塩バター・塩・水をタッパーに入れて振って冷蔵庫で寝かせて作ったタルト生地をバターを塗ったアルミホイルに広げ、四隅をねじって丸い形に成形してタルト台に仕立て、その中へアーモンドプードル・卵・砂糖・無塩バターをホイッパーで混ぜて用意したアーモンドフィリングを流し込み、そこへ金時豆と黒ゴマを乗せた後に高温のオーブンで約三十五分焼いたら出来上がりです。
 最初にタッパーへ入れて振る作業があると知った時、「最低でも二十分は振る必要があるとか、そんな後出し条件がありそうな予感…」と勘ぐっていたのですが、何と僅か三十秒(!?)しか振らなくていいとの事で、これは本当に手間いらずのタルトだ…と激しく感動したものです(←振れたら何でもいいそうですので、お子さんに遊び道具として振り回してもらってもOKなのだとか;)。
 おまけに、下焼きもしなくていいので重石は不要、手で伸ばすので麺棒も不要、型も「だってタルト型ってタルト以外に使わないし、買うのも面倒でしょう?」という芝田先生の素晴らしい提案によってアルミホイルで代用可能ですし、当管理人のようなズボラ人間にとってはまさにいい所尽くしなタルトだと思いました。
 芝田先生曰く、「だってなっちゃん(←広田奈都美先生の愛称)!これは魔法のレシピ!!普通じゃ面白くないじゃない!!」「きっちり作っておいしいのは当たり前!」だそうで、初めて読んだ時は「おっしゃる通り!」と共感したものです。
 美味しく作れるレシピを提供するのはプロとしてむしろ当然、それだけじゃなく、読者が楽しみながら作れる面白い発見に満ちたレシピを教えたい…という芝田先生のサービス精神と挑戦心が痛いほど伝わってきて、胸がいっぱいになったのを覚えています。
何と、タッパーで一分未満振るだけでタルトの台が出来上がるという画期的レシピ!
 元々このお菓子は、広田先生が芝田先生のお料理教室へ通われていた時に偶然紹介されたレシピみたいなんですが、当初はいまいち芝田先生を信じ切れず、「目新しいけど…エー、そんなんでほんとにうまいんかー?」と心の中で毒づいていたとの事(←当管理人も再現料理を始めてからというもの、数えきれないくらいそういう機会があった為、広田先生のお気持ちはよく理解できますorz。ちなみに、それらの中でもかなり疑心暗鬼になったのはこれこれです)。
 しかし、実際に焼き上がってみるとその出来栄えの良さに意外性を感じて驚き、一口食べてからは「う、うまい。何コレ」と衝撃を受けられたようで、芝田先生のすごさを改めて実感されていました。
 実を言いますと、芝田先生はこういう変わった&簡単な作り方なのに美味しい!という料理を生み出す為に、日頃から空いた時間を使って周囲が絶句する調理実験をしているのだそうで、一見天才的な閃きで思いついたように見えるものの、その裏では多大な犠牲と努力があるからこそ今日の魔法のレシピが完成しているのだな~と感心したものです(←以前、余ったパイシートを流用して画期的な組み合わせを見つけ出そうとした際、広田先生に赤飯や大福入りのパイを食べさせて「うわぁ…先生これなんですか」と涙目にさせた一幕も;。食品メーカーや外食産業の方々がメニュー開発する時も、同様のご苦労をされているんだろうな~と思うと感慨深くなります)。
教えられた当初は、内心「そんなんで本当においしいの?」と疑ったそうです
 なお、基本的にこのタルトには何を乗せて焼いても大抵美味しくなるとの事で、洋梨・ナッツ類・栗の甘露煮・チョコ・バナナのバター焼き・キャラメリゼしたリンゴといった王道のトッピングはもちろん、大学芋・甘納豆・羊羹・金柑の甘露煮といった変わり種を使用しても美味だそうが、その中でも芝田先生が一押しされているのが、今回ご紹介する金時豆と黒ゴマの組み合わせ!
 正直、黒ゴマはともかく金時豆は日頃あまり馴染みがありませんでしたので今一つピンとこなかったのですが、意外にもバターの洋風な風味と金時豆の古風な甘味は相性が良いらしく、作中で試食した広田先生は「うわあ先生!これ金時とゴマがバター風味に合う!」「まさに和風タルトって感じです!」「濃いめのお茶と合う」と絶賛していました。
 また、作ったその日よりも翌日の方が味が落ち着いておいしいのも特徴で、ちょっとした集まりで手土産として持っていくのにも向いているのでは?とお勧めされていた為、色々と使い道がありそうなタルトだな~と感じさせられました。
けれども、簡単にできたとは思えない程上品で本格的なタルトで驚愕したと力説されてます
 近所のスーパーを回っている時、大豆の煮豆とかが並んでいる地味な一角で金時豆がひっそりと鎮座しているのを発見し、すぐさま再現を決意しました。
 作中には分量とコツつき詳細なレシピが載っていますので、早速その通りに作ってみようと思います!


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、タルトの台作り。中くらいの大きさのタッパーへ電子レンジで溶かした無塩バター、ふるいにかけた小麦粉、水、塩を投入してしっかりフタをし、手動でガンガン振りまくります(隙間なく密封できるタイプのタッパーがいいです)。
 約三十秒~一分かけて目一杯振ったらそのまま冷蔵庫に入れて十分寝かせます。
 時間が経ったら、スプーンでかき混ぜるなどして生地が「ふわっ」「もちっ」としているかどうかを確認し、タッパーから取り出します。
 ※生地が大体混ざって弾力が出ていたら、少しムラがあっても大丈夫です。もし耳たぶくらいの柔さではなく、どろっとしていた場合は小麦粉を加減して加えて再度混ぜます。
タッパーで簡単!!豆とゴマのタルト1
タッパーで簡単!!豆とゴマのタルト2
 この生地を、バターをまんべんなく塗り付けたアルミホイルの上へ置いて指で均等に伸ばしながら円型に広げ、アルミホイルの四隅をねじってタルトの形になるよう成形します(←ちょっとくらい形が崩れても、大体でOKです)。
 これで、タルトの台は準備万端です。
タッパーで簡単!!豆とゴマのタルト3
タッパーで簡単!!豆とゴマのタルト4
 次は、タルトの中身となるフィリング作り。
 ボウルへ室温に戻して柔らかくした無塩バター、生卵、砂糖、アーモンドプードルを投入してホイッパーで白っぽくなるまで一気に混ぜ合わせ、よく混ざったら先程のタルト台の中へ平らに流しこみます。
 その上へ、左側はさっと洗ってから水気をきっちり拭いておいた金時豆(甘く炊いた煮豆タイプの物)、右側には黒ゴマを乗せ、190度に熱した電気オーブンの下段で三十五分~四十分かけて焼きます。
タッパーで簡単!!豆とゴマのタルト5
タッパーで簡単!!豆とゴマのタルト6
タッパーで簡単!!豆とゴマのタルト7
 端が少し焦げっぽくなって香ばしくなったらオーブンから取り出し、型から外して冷ませば“タッパーで簡単!!豆とゴマのタルト”の完成です!
タッパーで簡単!!豆とゴマのタルト9
 ショッピングモール内の洋菓子店から強烈に漂ってくる、魅惑的な焼き菓子の香りに似たバターの風味ががぷ~んと漂い、うっとりさせられます。
 金時豆のこげ茶と、黒胡麻の色合いの取り合わせが見るからにそそられる感じで、形があちこち崩れているのもあまり気になりませんでした。
 金時豆を洋菓子に使った事は皆無ですのでどうなるのかドキドキですが、実際に食べて味を確認してみようと思います!
タッパーで簡単!!豆とゴマのタルト10
タッパーで簡単!!豆とゴマのタルト11
 それでは、タルトを人数分に切り分けていざ実食!
 いっただっきまーすっ!
タッパーで簡単!!豆とゴマのタルト12


 さて、味の感想ですが…タッパーとアルミホイルで作ったとは信じられないくらい本格的な美味しさ!サツマイモタルトに似た味わいで、お店で売っててもおかしくありません!
タッパーで簡単!!豆とゴマのタルト13
 まるで別々に焼いたかのように水分が飛んでいてザクザクに砕けるタルト台と、しっとりホロホロほどけて卵の優しいコクやバターのなまめかしい風味が口の中へ広がっていくフィリングの相性が、完璧です←不思議な事に、タルト台はややパイ生地にも似たパリッとした食感があり、フィリングはフィナンシェをもっと柔らかくさせたような味だな~と感じました)。
 広田先生がおっしゃる通り、黒ゴマのプチプチ弾ける香ばしさ・アーモンドのリッチに薫る香ばしさ・タルトのほんのり焦げた香ばしさの相乗効果がすごく、これ以上ないくらい香りの余韻が心地よい大人の一品です。
 甘さは控え目で洋風タルトのような華やかさはないんですが、その分品のある和風タルトというイメージで、アーモンドの高級感溢れる濃厚な旨味を、ふっくら煮えて味わい深い金時豆がさり気なく引き立て、和と洋が複雑に調和しているのがたまりません。
 タルト台はよーく噛むとわずかに塩気が浮かんでくる程度で強い味はついてないんですが、それが返って小麦の素朴な風味やフィリングの「和」な甘味をくっきりと浮かび上がらせるのに成功していました。
 小豆入りの洋風菓子はよく見掛けますが、金時豆は小豆よりもさらに上品な甘さで滑らかな口当たりなせいか、後味がくどくないのがよかったです。


 不恰好な形がどうしても気になる方はタルト台の型を使って焼いてもいいと思いますが、使っても使わなくても味に差はありません。
 何よりも、全く下焼きをしていなのに水分が理想の状態に飛んでいて、香ばしい仕上がりなのが素敵です!
 アーモンドプードルとバターを使いますので材料費は少々かかりますが、あっという間に出来上がりますので初心者の方におすすめです。

●出典)『ママの味♥魔法のおかわりレシピ おやつ編』 作者:広田奈都美 監修:芝田里枝/秋田書店
   (2014フォアミセス1月号別冊ふろく)
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

プロフィール

Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
 …『銀の匙』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『スイーツ本部長一ノ瀬櫂』
 …『旅のグ(2)月は知っていた』
 …『テルマエ・ロマエ』
 …『土曜日ランチ!』
 …『BAR・レモンハート』
 …『百姓貴族』
 …『ぶたぶた』シリーズ
 …『ベーグル食べない?~幸せカフェごはん~』
 …『飯盛り侍』
 …『夢色パティシエール』


○当ブログについて
 このブログで使用されている記事の画像、一部文章は、それぞれの出版物等から引用しております。
 引用物の著作権は全て作者様、出版社様等に準拠致します。
 もしご関係者様に問題のある画像及び記事がございましたら、御連絡頂ければ速やかに修正、削除等の対処を致します。

○お知らせ
・当ブログでは作品のネタバレを含んだレビューも同時に行なっておりますので、作品を未見の方はご注意をお願いいたします。
・各作品に掲載されているレシピの分量は、例外なく全て非公開にする方針を取っておりますので、ご了承の程をお願いいたします(←この件についてご質問頂いた場合、誠に失礼ながら下記の理由でご返信しない方針にしております)。

※現在、公私の多忙と、再現記事のペース維持を理由に、コメント欄へのご返信が出来ない状態が続いております。
 こういう場合、コメント欄は停止するべきなのかもしれませんが、励ましのお言葉やアドバイスを頂く度、ブログのモチベーションアップや心の支えとなったこと、そして率直なご意見や情報を聞けてとても嬉しかったこともあり、誠に自分勝手ながらこのままコメント欄は継続する事に致しました。
 図々しい姿勢で恐縮ですが、ご返信をこまめに出来なくて余裕がある分、ブログ内容を充実&長期的に続けられるよう力をいれる事で皆様のご厚意にお応えし、感謝の気持ちをお返ししていきたいと考えております。
※ただ、ご質問を頂いた際はなるべくお力になれるよう、すぐご返答できるように対処致します。

 応援して下さる方々に少しでも楽しんでご利用して頂けるよう、沢山の作品に触れるちょっとしたきっかけになれるよう、これまで以上に心掛けていきます。
 恐れ入りますが、よろしくお願い致します。

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