FC2ブログ

『華中華』の“秋茄子のカレー炒めチャーハン”を再現!

 記憶に残っている最初の飛行機搭乗は中学生の時の事で(←本当はもっと小さな頃に何度か乗ったことがあるみたいなんですが、覚えていません;)、当時から読書が好きだった当管理人は、座席前のネットに挟まっていた『Winds』という機内誌を暇潰しに読んだのですが、そこで初めて目にした特集記事が「せつないハワイ」でした。
 そこには、≪メリー・モナーク(陽気な王様)≫という渾名とは裏腹に受難の道を歩んだカラカウア王、王朝の終焉を見届けたリリウオカラニ女王、そしてハワイ王室最後の王位継承者・カイウラニ王女の一生が細やかに描かれており、慣れない機内で極度に緊張していたのと、その名通り切ないハワイ史に胸を打たれたのもあって鮮明に印象に残った為、未だに当管理人はハワイ王朝に強い興味を抱いています。
 中でも、当管理人が好きなのは、カイウラニ王女
 気品に満ちた知的な美貌と、23歳と若くして亡くなる直前まで、故国の為「ノブレス・オブリージュ(高貴なる者の義務)」に殉じた生き方に好感を持ったのは勿論のこと、一番魅力に感じたのは、その目。
 20代前半だと10代の名残りが色濃いせいか、まだ幼い目をしている方もちらほら見受けられるのですが、彼女は22歳の頃には既に達観したような眼差しをしていて、「私はこの歳になっても、まだ追い付けていないだろうな」と直感したのを覚えています(←その予感は、後に見事的中しました;)。
 初めて写真で王女の瞳を見た時、この世にはバラのような華やかな美しさだけではなく、沈みゆく夕陽のように憂いを帯びた美しさもあるのだと、心震えたものです。

 どうも、初めてでワクワクした記憶はいくつになっても結構はっきりと覚えているものなんだな~としみじみしている管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『華中華』にてハナちゃんが独自に配合した特製カレー粉を使って作った“秋茄子のカレー炒めチャーハン”です!
秋茄子のカレー炒めチャーハン図秋茄子のカレー炒めチャーハン 卵トッピングバージョン図
 島野料理長と雑誌の企画で料理対決をして以来(詳しくはこちらこちら)、新しいお客さんが増えた上海亭は毎日満員御礼で、遠方から来られるお客さんも目立つようになります。
 この頃、季節はやっと初秋を迎えたものの、まだ夏の暑さが残っていてバテ気味の方が行列にちらほらいるのを見かけていたハナちゃんは、「食欲がないお客様に、疲れを吹き飛ばしていただきたい」と考え、ある新作チャーハンを出す事にします。
 それが、この“秋茄子のカレー炒めチャーハン”です!
 作り方は簡単で、フライパンへクミンシードと油を入れて熱し、香りが出たら一センチ角に切った秋茄子・鶏がらスープの素・特製カレー粉を投入してさっと炒め、最後に基本チャーハンへ入れて炒め合わせたら出来上がりです。

 実を言いますと、ハナちゃんは以前本格的なカレー粉作りをインド人幽霊のシンちゃんに教わった事がある為、スパイスの調合はお手の物で、この日はなんと二十種類(!?)もの香辛料を独自の配合でオリーブ油と炒め、一週間寝かせた特製カレー粉を使用しており、これがたった三百円で食べられるなんてすごいな~と感心しました(←元々カレーチャーハンの完成度を高めるために習ったんですが、もはやカレー屋さん顔負けの腕前で中華料理人の範疇を超えています;。ですので、一瞬「お蕎麦屋さんのカレーみたいなノリで、<中華街のカレー>として本格派カレーを出したらうけるんじゃ…」と考えましたが、チャーハンを食べてるお客さんの横でカレーを出したらちょっとした匂いテロになりそうですので、難しそうです;)。

 ポイントは、クミンシードの風味を油へしっかり移してインド風の香味油仕立てにしてから秋茄子を炒めることで、こうするとスパイシーな香りがアップすると作中で語られていました←クミンシードには、食欲・消化増進、胃痛の緩和、滋養強壮の効果がありますので、気温の変化でバテている方にはまさにうってつけのスパイスです)。
 ハナちゃんとしては、三百円という縛りさえなければ牛や豚の挽き肉もプラスしてもっと美味しくしたかったみたいなんですが、景気が冷え込んでてお客さんの懐が寂しい今はしょうがないよとおじいさんから慰められ、また景気がよくなったらお肉も追加して売ろうと決していました。
まだ暑さが残っていて夏バテ気味のお客様に、元気を出してもらいたいと思って作ったとの事
 お肉が入っていないとはいえ、味自体はとっても美味しい“秋茄子のカレー炒めチャーハン”はお客さん達から大好評で、あちこちで「旨い!」「カレーの香りで食欲が湧くよ」喜びの声が溢れるのですが、その中で一組だけ、勇気を出して「確かに美味しいわ、でも…」と率直な意見を言おうとしたお客さん達がいます。
 それは、上海亭の評判を聞いて「早く食べてみたいわ」と楽しみにしながら茨城から来られた、職場の同僚同士らしき女性三人組。
 お一人は「凄く美味しいわ!」と他の方同様満足していたのですが、立花さんという眼鏡っ子女性は「ちょっと物足りない気もするわ」「これに鶏のひき肉でも入ってたら、もっと美味しいと思うのよ」と惜しがり、ちょっとふくよかな神谷さんは「美味しいんだけど、私には少し辛すぎる感じ…」としんどそうに水を飲み、三人揃って考え込んじゃいます(←当管理人の場合、気付いたことがあっても伝えるのが恥ずかしいばかりに黙って行かなくなるケースがほとんどですので、お店の為になるようはっきり口に出せるお二人は偉いと感じます)。

 しかし、周囲にいた常連客の皆さんは、上海亭が質のいい国産品を使って赤字ギリギリ少人数体制で営業しているのを知っている分、「コンビニの様に工場で大量生産なら、挽き肉入り300円も可能でしょうけど」「この店では一つ一つが手作りされているんだ。これで300円なんて安いくらいだ」とハナちゃんを想って説明した為、店内は微妙な空気に包まれてしまいます。
 ちなみに、楊貴妃さんはこのシーンを見て「様子を覗きに来たら、面白い展開になってるじゃないの…ウフフ」と笑い、ハナちゃんの機転をみるのにいい機会だと捉えたみたいですが、当管理人はこういう、誰も悪くないのに何とも言えない雰囲気になる展開は苦手ですので、胃がキリッとしましたorz。
眼鏡がチャームポイントの立花さんは、ひき肉が入っているとさらにおいしいと残念がります二十種類ものスパイスを合わせたせいか、辛いものが苦手な方にはちょっときつかったみたいです 
 けれどもそんな時、ハナちゃんは島野料理長から受け継いだ「店はお客様が育てて下さる…だから、意見や注文には真摯に耳に傾けるように」という精神を思い出して立花さん達の元へ駆けつけ、「出来ましたら、ご意見をもう少しお聞かせ願えないでしょうか?」と迅速に行動していました。
 正直、ワクワクしながら初めて行ったお店で残念な事があったら、それまでの期待が大きかった分余計ショックが激しくて悲しい気持ちになるものですが、その後の対応が残念さを覆い隠すくらい素晴らしいと「やっぱりいいお店だった!」と感動が大きくて心に残りますので、ハナちゃんの対応は百点満点だな~と頷いたものです。(←ハナちゃん自身、これまで一見立派でも業者さんにぞんざいな扱いをしているのが透けて見えるホテルや、料理長を軽んじて嫌な空気が漂っていた高級料理店を見てきた分、自分はそうなるまいと自戒しているのかもしれません)。
 
 この時、立花さんは「例えば今、流行のチョイ足しというか…何かトッピングする事で…さらに美味しく出来たら、最高だと思うの」、神谷さんは「辛さを和らげるチョイ足しがあれば、辛味が苦手な私には嬉しいんだけど…」という意見を伝えるのですが、それを聞いてハナちゃんがピンときておすすめしたトッピングが、生卵!
 チャーハンの真ん中に窪みを作って生卵を落とし、レンゲで卵黄を割ってかき混ぜて食べるだけなのですが、単純な割にびっくりするほどワンランク上の味わいに変化するようで、神谷さんと立花さんも「さっきまでは口の中が火事みたいにヒリヒリしてたのに、凄くまろやかだわ」「ただ卵を乗せただけなのに、旨味がグッと増してるわ」と大満足しており、思わずこちらまでほっとしました;。
 なお、生卵の代金を聞かれたハナちゃんは「卵の仕入れ値は1個29円…じゃ、切り良く1個30円でお願いします」とあくまで採算度外視の姿勢を崩しておらず、それを聞いた常連さんから「それって1円の儲けしかねえじゃんか…それじゃダメだろ」と呆れられてました;。
 大抵は「損しないように注文しよう」と考えるものですが、上海亭は「お店が潰れないように、たくさん注文しよう」と自主的に考えさせる、非常に稀有なお店だと感じたエピソードでした;。
生卵のトッピングは、満足感をプラスするうえ、辛さを和らげる効果ありで大好評でした
 つい最近までスパイス集めにてごずっていましたが、先日やっと全種類揃えましたので再現する事にしました。
 作中に分量つきの詳細なレシピが載っていることですし、早速その通りに作ってみようと思います!


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、特製カレー粉作り。作中に書いてあった通り、ターメリック、クミンシード、陳皮、コリアンダー、フェンネル、フェネグリーク、シナモン、カイエンペッパー、ジンジャー、ガーリックグラニュー、ディル、オールスパイス、カルダモン、クローブ、スターアニス、セージ、タイム、ナツメグ、ベイリーフ、黒胡椒といった香辛料の粉末を揃え、オリーブ油をひいたフライパンへ入れ、焦がさないように弱火でじっくり炒めます。
 ※正直、合わせる前は「こんなに沢山あると、一つや二つ欠けてても分からないんじゃ…;」と思っていたんですが、実際に香辛料を一つずつ合わせてその都度香りをかいでいった所、はっきりとはわからないんですが、合わせる前と後とでは「言葉にできないけど、何かが微妙に違う」感じになりましたので、これは何個か省略したらかなり違う味になるだろうな~と、改めてスパイスの奥深さを思い知りました。
秋茄子のカレー炒めチャーハン1
秋茄子のカレー炒めチャーハン2
秋茄子のカレー炒めチャーハン3
 やがて、全てのスパイスがしっかり混ざって香りが際立つようになってきたら急いで火を止め、一旦濡れ布巾にフライパンを置き、熱が通り過ぎて香りが飛ぶのを防ぎます。
 カレー粉の粗熱が取れたら空いた瓶に詰めて冷蔵庫に入れ、約一週間程寝かせます。
 これで、ハナちゃんの特製カレー粉は出来上がりです!
秋茄子のカレー炒めチャーハン4
秋茄子のカレー炒めチャーハン5
 次は、秋茄子の炒め物作り。
 フライパンへクミンシードと多めの油を入れてじっくり熱し、段々香りが立ってきたら一センチ角の大きさに切った秋茄子を投入して炒めます。
 クミンシードの風味が秋茄子に移り、油もなじんでシナッとしてきたら顆粒タイプの鶏がらスープの素を入れ、味付けします。
秋茄子のカレー炒めチャーハン6
秋茄子のカレー炒めチャーハン7
秋茄子のカレー炒めチャーハン8
 秋茄子にスープの味が染みたら特製カレー粉を加え、まぶすようにしてよく炒めたら、秋茄子の炒め物は準備完了です。
 この秋茄子の炒め物を、仕上げ直前まで用意しておいたハナちゃん流基本チャーハンに入れて、ざっと混ぜ合わせます。
 ※カレーの色がチャーハンに移るくらいきっちり混ぜた方が、より美味しく仕上がります。
秋茄子のカレー炒めチャーハン9
秋茄子のカレー炒めチャーハン10
秋茄子のカレー炒めチャーハン11
 秋茄子の炒め物ごと特製カレー粉が全体に行き渡ったら火からおろし、そのままお皿へ丸く盛り付け、傍らに生卵を待機させれば“秋茄子のカレー炒めチャーハン”の完成です!
秋茄子のカレー炒めチャーハン12
 これは炒めてる最中から分かっていたことですが、とにかくカレーの香りがブワー!!とむせんばかりに濃密で、何も知らない方に目をつぶって匂いを嗅いでもらったら、間違いなく「カレー!」と即答されると思います;。
 カレーチャーハン自体は以前作った事がありますが、二十種ものスパイスを正確に調合してまで作った事はない為、どういう味がするのかすごく楽しみです。
秋茄子のカレー炒めチャーハン13
 それでは、熱々の内にいざ実食!
 いっただっきま~す!
秋茄子のカレー炒めチャーハン16


 さて、感想はといいますと…二十種類ものスパイスの香りが、口から鼻へ一気に流れ込んで旨し!ここまで鮮烈なカレーチャーハンは、初めてです!
 ハナちゃん流に調合した特製スパイスは、市販の物よりもさらに骨太で刺激が強いのですが、その分風味豊かでメリハリのある味わいが特徴的でした。
 茄子をキュッキュッと噛み締めると、中からコクのあるカレースープがジュ~ッと少しずつ出てくるのが美味で、癒されます。
 作中で言われていた通り、確かに結構な辛さでうっすらと汗がにじむ程だったんですが、爽快感のあるスパイスが何種類もグラデーションのように効いて舌の上をすっきりさせた為、最後までずっしり残る事はありませんでした。

 仮に段々きつくなってきたとしても、ここに生卵を絡めて自由軒的卵かけご飯風にして食べると、辛味はぐっと和らいでトロッとマイルドな口当たりになり、びっくりする程味のイメージが変わって違ったおいしさになるのがよかったです。
 例えるとするなら、「肉抜きの本場インド風ジューシー茄子のドライカレー」という印象で、いつもと違ってあまり中華っぽくなく、もはやチャーハンの域を超えていると感じました;。
 肉が入ってないので確かにボリューム感はやや劣りますが、油を吸った茄子の旨味と、クミンシードのキリリとした香味油がいい仕事をしているせいか物足りない感じはなく、かえってあっさりした後味なのが好ましかったです。
秋茄子のカレー炒めチャーハン14
秋茄子のカレー炒めチャーハン15


 当管理人は辛い物が好きな方なので、そのままでも「辛!けどおいし!でもやっぱ辛!」と食べられましたが、そこまで辛い物が得意ではない母は生卵がないときつかったみたいですので、辛い物が苦手な方は初めから生卵を乗せた方がいいと思います;(←本当に、生卵だけで驚くくらい辛味が緩和するんです!)。
 作中で言われていたように、お肉を入れてみても合いそうですので、そちらも近い内に作ってみる予定です。 

●出典)『華中華』 原作:西ゆうじ 作画:ひきの真二/小学館
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』の“魔法のカルボナーラ”を再現!

 博多区に古くからある櫛田神社の拝殿には、雷神と風神が向き合っている木彫りがあるのですが、先日地元番組で「ここの風神は、雷神にあっかんべーをしている」と放送されており、驚きました;。
 視聴後、気になってここここで注意深く画像を見ると、確かにお茶目な表情であっかんべーをしながら走って逃げる風神と、そんな風神を「ちょ、お前ふざけるな!待てー!」と怒って追いかけているように見える雷神の姿が彫られており、思わず笑いました。
 実際は、「暴風雨を一緒に起こそうと風神を誘っている雷神」と、「神社の氏子の願いを聞き入れて<嫌だよ、あっかんべー>と退散する風神」を模している図との事ですが、いつも絵画の中で厳めしくポーズを決めている風神雷神よりもずっと身近に感じられて、ほのぼのしたものです。

 どうも、意見が対立して収拾がつかなくなった時は風神のようにすたこらさっさと逃げたくなる当管理人・あんこです(←もちろん、あっかんべーは抜きで;)。


 本日再現する漫画料理は、『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』にて広田先生が「出したくない」と恥じらう芝田先生を説得して公表されていた“魔法のカルボナーラ”です!
魔法のカルボナーラ図
 これは今回初めて知ったんですが、広田先生がおっしゃるには『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』に毎月載せているレシピが一回の打ちあわせですんなり決まるケースは、なんと稀だとの事。
 大抵は、広田先生・芝田先生・担当編集者のAさんの三人で何度か試食会を兼ねた打ち合わせをし、「これはどう!?」と意気込んでおすすめレシピを持ち込む芝田先生に、毎回Aさんと広田先生が「おいしい…けど、どっかで食べた味かなー」「うーん、クックパッ○にありそう。あとちょっと材料が多いかな?時間もかかりすぎかな」と厳しく却下し、何度も考え直しをお願いして吟味した末にやっと決まるのがほとんどだとの事で、初見時はそのこだわりっぷりに感動したのを覚えています(←それでもへこたれない芝田先生を見ていると、ネームのやり直しを何十回命じられてもめげないある新人漫画家の方を思い出し、涙が出てきます;)。

 それもこれも、お三方共「おかわりレシピは月に一度だけ!!だからこそ皆さんに本当に作ってほしいレシピを熟考してお届けしているのです」という理念を持って作品作りをしているだからだそうで、プライベートでも当ブログでもその恩恵を預かっている当管理人は、頭が下がる思いがしました。
 『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』に出てくるお料理は、ただ作るのが簡単で美味しいというだけではなく(←もちろん、そういうレシピも貴重でありがたいんですが)、再現前から「これをこうしたらこうなるなんて、本当かな?楽しみ!」というワクワク感と夢があり、食べた後も「確かに美味しい!そして簡単、斬新!!」という喜びを感じるのとリピ率が高いのが特徴的で、だからこそ夢中になった観がありますので、こういう背景を知ってますます応援したくなったものです(^^)。
なんと,一発OKはそこまでなく、何度も熟考&試食して決められているとの事!
 どうやら、芝田先生は考えすぎるとスランプになるタイプでいらっしゃるらしく、ある日「考えると駄目なのよねー」と珍しく落ち込まれるのですが、広田先生が「先生が普段作っているレシピでいいんですよ」とおっしゃると、「横着しすぎて恥ずかしくて、そんなの出せないわぁっ」と嘆きます(←…とは言うものの、実は芝田先生がそう恥じらいながら紹介される簡単レシピは毎度とても評判がよく、その度複雑そうな反応をされています;。当管理人が思うに、料理研究家である芝田先生が横着されても、それは一般の方が普通に感じるくらいの手間にしかならないので、むしろちょうどいい感じになるのが原因なのでは?と思いました)。
 けれども、興味津々の広田先生は「えーどんなの?」と何とかその内の一つを作って頂くのですが、これがまさかの大好評で、広田先生もAさんも「えっ、こんな作り方でいいの!?えっコレウマイ!激ウマ!!」と満場一致でこのレシピを採用されていました。

 その時のレシピが、この“魔法のカルボナーラ”です!
 作り方は簡単で、中火でベーコンを炒めておいたフライパンへ小麦粉・牛乳・コンソメ・茹でたパスタを投入してぐるぐるかき混ぜ、全体に火が通ってきたらピザ用ミックスチーズ(又はプロセスチーズ)を加えてさらにぐるぐる混ぜ合わせ、仕上げに卵黄と粗挽き黒胡椒を乗せたら出来上がりです。
 ポイントは、小麦粉と牛乳はあらかじめ別の器でよーく混ぜ合わせてから入れること、パスタは袋に書いてある時間よりも一分短くゆでること、コンソメは砕いて溶けやすくしてから加えること、ソースを混ぜている時は手を休めずとにかくぐるぐるまぜることの四つで、たったそれだけで濃厚クリーミーになると書かれていました。
 正直、牛乳とチーズを組み合わせたカルボナーラはそこまで珍しくないのですが、塩を使わずコンソメのみで味を調整して深みを出したり、牛乳とベーコンさえあれば後は家に常備している材料だけで手軽に作れるようにしていたり、卵黄はあえて生にしてとろける感じを演出していたりと、相変わらずオリジナル要素満載で 、思わず「こんな高クオリティで申し訳なく思う必要はないです!それ以上手を抜いて料理をしている自分が情けなくなりますorz!」と自虐をおりまぜた投書をしたくなったほどでした;。
先生曰く「横着し過ぎで恥ずかしい」カルボナーラですが、これがお二人から大絶賛!
 ちなみに、試食された広田先生の感想は「ウマーーー!!冗談みたいにおいしい!古典的な家庭の味的ウマさ!」「生クリーム使ってないのにものすごいクリーミー」、Aさんの感想は「ああっ、コレ男子が好きなガッツリ系かも!!女子のクリーム系好きにもうけそう」「グラタンみたいに濃い味」というもので、材料さえ見なければとても生クリーム&パルメザンチーズ抜きとは信じられないくらい濃厚な味わいなのだとか。
 あと、もう一つ特徴的なのは、味が濃い割に満腹状態で食べても気にならない程油っこさがない所みたいで、沢山試食された後でもお箸が止まらなくなっていた広田先生のご様子を見て、「どんな感じなんだろう…」とかなり気になりました。

 何でも、芝田先生は料理研究家としての性なのか、見映えがよくて凝ったお料理をご紹介したがるそうなのですが、広田先生としては「パッと見派手でも作らなければ意味がないですよね」と考えていらっしゃるらしく、「地味でシャレた感じはないですが、読んで確実に今日作れる!!そして、作りたくなる!!というレシピ」との基準を定めて発表されているようで、だからこそ当管理人はこんなにおかわりレシピに惹きつけられるんだな~と実感しました(←ただ、当管理人も「力の入った文章の方が受けがいいのでは?」と考えて書いたものの、適当に書いた文章の方が逆に評価されてギャフンとなった事があった為、力作よりも普段の簡単レシピを求められて困惑されるお気持ちは、少し分かるような気がします;)。

 これからも、「ごはんを食べる人だけじゃなくて作る人もハッピーになれるレシピ」をご紹介すると宣言された広田先生と芝田先生とAさん、そして『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』に携わる編集部の方々を、陰ながら応援したいと改めて感じた回でした。
生クリームもパルメザンチーズも使わないのに、安いチーズと牛乳だけで濃い美味しさに!「食べる人だけじゃなく、作る人も幸せになれるレシピ」を目指すとのお言葉、非常にありがたいです
 自宅でいつも作るカルボナーラは、卵黄&生クリーム&パルメザンチーズ&にんにくをどっちゃり入れて作るゴテゴテ系だった為、どういう味になるのか気になって再現する事にしました。
 作中には分量つきの詳細なレシピがきっちり記載されていますので、早速その通りに作ってみようと思います!


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、炒め作業。中火に熱したフライパンへ拍子木切りにしたベーコンを投入し、油が出てカリッとするまで炒めます(←テフロン加工のフライパンでしたら何もひかなくて大丈夫ですが、そうでない場合は食用油やバターをお好みで加えます)。
 ※大きめのフライパンをお持ちの方でしたら、「フライパンでパスタを茹でる←茹で上がったらザルにあける←空いたフライパンへ急いでベーコンを入れて炒める」というやり方にすると、洗い物が減ります!
魔法のカルボナーラ1
魔法のカルボナーラ2
 次は、炒め煮作業。
 ベーコンがこんがり焼けたら、小麦粉を合わせてよ~く溶いた牛乳、細かく砕いたコンソメキューブ、袋に記されている時間よりも一分短く茹でてざっと湯切りしておいたパスタを加え、中火のまま菜箸でグルグルと絶えずかき混ぜます。
 この時、混ぜる手を休めると小麦粉がダマになってしまいますので要注意です。
魔法のカルボナーラ3
魔法のカルボナーラ4
 やがて、ソースにふつふつと火が通ってぷっくり大きな泡がでるようになったらピザ用ミックスチーズ(又はプロセスチーズ)を投入し、全て溶けきるまでまたぐるぐると混ぜ合わせます。
 ※余熱で溶かそうとするのではなく、火はつけたままで混ぜます。
魔法のカルボナーラ5
魔法のカルボナーラ6
 ソース全体にチーズがしっかり溶け込んだらすぐに火からおろしてお皿へ盛り付け、中央に卵黄を乗せて上から粗挽き黒胡椒を振りかければ“魔法のカルボナーラ”の完成です!
魔法のカルボナーラ7
 こんもりとしたオレンジ色の卵黄と、びっくりするほど純白のカルボナーラソースに、真っ黒な粒々でアクセントをプラスしている粗挽き黒胡椒の色合いがとても美しく、「早く食したい!」と喉が鳴ります。
 いつも作るカルボナーラとは全く違った感じですので味の想像がつきませんが、芝田先生のレシピはいつも感動を与えてくれるものばかりですので、安心して食べてみようと思います!
魔法のカルボナーラ8
 それでは、卵黄を崩して絡めていざ実食!
 いっただっきまーすっ!!
魔法のカルボナーラ9


 さて、感想はといいますと…これは全く新しいタイプのカルボナーラ!お腹いっぱいでもバクバクいける、稀有な一皿です!
 作中で言われている通り、生クリームを使ってないのが信じられないくらいクリーミーで、ガツンと濃厚なのに全然油っこくなく、不思議とさっぱりした後口なのがすごいです。
 塩は一切入れてませんが、コンソメのまろやかな洋風出汁が効いた甘塩味と、チーズやベーコンの味わい深い塩気のおかげでちょうどいい塩加減になっており、癖になる旨さに仕上がっていました。
 例えるとするなら「カルボナーラ風チーズクリームパスタ」というイメージで、もったりと麺に絡んで離れないくらい強いとろみなのに、口溶けがサラッと滑らかなのが特徴的です。
 担当編集者・Aさんはこの味を「グラタンみたいな濃い味」だとおっしゃっていましたがまさにそんな印象で、ゆるくてシンプルな味付けのチーズ系ホワイトソースに生の卵黄が組み合わさって釜玉っぽくなり、あっさりとこってりが両立した複雑なコクになるのがたまりませんでした。
 通常のカルボナーラは、個性の強い材料が我先にと存在感を主張し合う荒々しい美味しさが売りですが、こちらは卵黄とチーズとホワイトソースが反発せず優しく調和して生まれた穏やかな美味しさがほっとする感じで、癒されます。
 このままでもいいですが、刻みネギを入れるとシャキシャキしたアクセントと鮮やかな香りで一気な和風になり、また違った味わいになるのがよかったです。
魔法のカルボナーラ10


 卵黄オンリーのカルボナーラはごってり系の味しか知らなかった為、今回はいい意味で予想を裏切られた再現でした。
 特に、粗挽き黒胡椒の辛さは味を引き締めるいい仕事をしていましたので、一度は是非挽きたてを使用される事をおすすめします。
 なお、芝田先生はこのパスタがあまった時はグラタンに転用しても美味しいとおっしゃっていますが、今のところ一度もあまった事がない為(←冗談じゃなく、本気で「あと一口…」とつい手がのびる味なのです)、今後作る機会はないだろうな~と感じました;。


P.S.
 麻さん、先日はコメント欄で誤字のご指摘をして下さり、誠にありがとうございます。実を言いますと、幼い頃「おさか」のところまで読んだ時点で「おさかなやさん!」と勝手に脳内変換していた模様で、教えていただくまで「おさかやさん」という不思議な表記になっている事に気がついていませんでしたorz。当管理人も、「酒屋さん」の意味合いで書かれたという説の方が正しいと思いますので、そのように訂正させて頂きました。心より感謝いたします。

●出典)『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』 作者:広田奈都美 監修:芝田里枝/秋田書店
     (月刊フォアミセス 2014年10月号掲載分)
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

『わかったさんのドーナツ』の“レモンドーナツ”を再現!

 今年夏、Gパンのまま室内で過ごすと暑くて仕方なかった為、ユニクロのリラコ(←柄がかわいいステテコみたいなものです;)を着て過ごしていたのですが、これがなかなか風通しがよくて涼しく、いくつか買って重宝しました。
 中でも気に入っているのは紺と白のシンプルな縦縞模様のリラコで、一番よく着ているのですが、ある日鏡の中の自分をまじまじ眺めると、まるでバカボンのパパが着ている縦線ズボンそっくりに見えて、少し複雑な気持ちになりました;(←画像だと白い部分がありませんが、黒い線を白に代えるとそのまんまです)。

 どうも、それ以来そのリラコは家族から「バカボンパパのパンツ」と呼ばれるようになった為、最近は開き直って「おそ松くんに出てくるデカパンおじさんみたいな柄も探そうかな~」と考えている管理人・あんこです。


 本日作ってみる再現料理は、『わかったさんのドーナツ』にてわかったさんがある不思議な少女との出会いをきっかけに知った“レモンドーナツ”です!
レモンドーナツ図
 児童書『わかったさん』シリーズとは、ご両親が営むクリーニング屋さんで働いている一人娘・わかったさんが、こまったさん同様ファンタジーな世界に巻き込まれて色んなお菓子と出会うストーリーを描いた、お子さん向けのロングセラーお菓子絵本です。
 明るく活発なわかったさんが、不思議な世界のおかしな登場人物にふりまわされながらも、何とか問題解決して元の世界へ戻る美味しい冒険劇は大人が読んでも充分に面白く、読み返すごとに違った発見があって楽しいです(←これは、『こまったさん』シリーズにも言える事ですが;)。 
 『こまったさん』シリーズが“スパゲティ”“カレー”といった料理が中心なのに対し、『わかったさん』シリーズはお菓子オンリーなのが特徴で、『こまったさん』が日常のご飯を紹介する「ケ」とするなら、『わかったさん』は日曜日に作るおやつを紹介する「ハレ」で、子ども心にお洒落な印象を受けたのを覚えています。

 こまったさんの方は結婚して数年が経過している上、家の事を色々しているしっかり者な為(←と同時に、実はうっかりミスも結構多かったりするのはご愛嬌;)、大人の女性というイメージが今も昔もありますが、わかったさんは同居しているお父さんとお母さんから出かけ間際に注意されるシーンがあったり(←親としては二十歳そこそこの子はまだ頼りないと思うのか、「火に気を付けろよ」「戸締りしてね」など、まるで小学生の子供に注意するような事を言う為、わかったさん同様当管理人も「わかった、わかった」と半ば適当に返事していた記憶があります;)、飼い犬でダックスフントのポレとじゃれているシーンが数多いせいか、社会人になりたての若いお嬢さんというイメージを持っています。
 その為、子どもの頃に親近感を感じていたのはわかったさんなのですが、今となっては立場的にこまったさんの方を身近に感じていますので、時の流れを実感しています;(←元々、昔から家にあったのが『こまったさん』シリーズだからという事も関係しているのかもしれません)。
わかったさんのドーナツ図
 今回ご紹介するのは、ドーナツのお話。
 ある日、クリーニング屋さんが定休日で家の留守番をしていたわかったさんは、家でのんびりTVを見つつ「ケーキを焼こうかな。それとも、ドーナツにしようかしら」とのんびり空想にふけるのですが(←休日の自分の姿そのもので苦笑;)、そんな時一人のかわいいお客さんがやって来ます。
 そのお客さんは、ぱっちりした瞳と長い三つ編みがトレードマークな小学生くらいの女の子だったのですが、わかったさんが今日は定休日だと何度説明しても、「このブラウス、洗濯してください」「明日、取りに来ます。お願いします。さようなら」と一方的に言い、そのままお店から出ていってしまいます(←大人しそうな外見に見合わずかなり強引な性格で、初見時はびっくりしたものです;)。
 こういう時、こまったさんだったら「こまったわ」と気弱に呟く所ですが、わかったさんは勝気なタイプなので「こうなったら、意地でも、ブラウスを返してやるわ」と燃え、飼い犬のポレにブラウスの匂いを嗅がせて後を追わせていました。
 ちなみに、この時作中には「さすがのわかったさんも、<わかったわ。>とはいえません」という冷静な一文がある為、ここを読むと不意打ちで毎回笑ってしまいます;。
ある朝、定休日でのんびりしていたわかったさんの元へ不思議な女の子がやってきます
 そして、わかったさんはポレについて行って見た事もない公園に足を踏み入れ、池に浮かんでいた巨大な浮き輪がどんどん膨らんでレモンの香りがするドーナツになったり、そのドーナツが「シュワー フ フ フフフフ」「あぶらは ぬるめの 170度」「こがさず ゆっくり きつねいろ」と歌いだしたり、かと思えば揚がった途端いきなり池から出てきてくるくる回って砂場へいったりと、あからさまに奇妙な世界に迷い込んでしまうのですが、それでもわかったさんは「でも、いまは、それどころではありません(byナレーション)」と解釈して、あくまでも三つ編みの女の子探しを優先します(←当管理人なら人探しどころではなくなりそうですので、大物だな~と感心します;)。

 その後、わかったさんは何故か作曲家と名乗る近所の酒屋・ラムさんに「きみを、音楽界に、招待しよう」と言われて迷路みたいなダンジョンへ放り込まれたり、そのダンジョンで間違った扉を開けて落とし穴に落ちた挙句小人化して危うくドーナツになりかけたり、やっと出口についたと思ったらあの女の子がいて、ブラウスを持ってきていないのを知った途端「あたし、あのブラウスを着て、シンフォニーで、歌うのよ。ブラウスがなければ、音楽界は、始まらないわ。帰ってよ。帰って!」と突き飛ばされてふりだしに戻ったりと、一言では語りつくせない程大変な体験をするのですが、最終的には洗濯されたブラウスを届けて音楽会は無事開催されていましので、他人事ながらほっとしました;。
 個人的に、誰かを追ってファンタジーな世界に行ったり、小人化したり、謎かけしたりと、『不思議の国のアリス』を彷彿とさせる点が多い為、この話は内心「チェシャ猫や帽子屋が出てこない、不思議なドーナツの国のわかったさん」と呼んでいます。
ブラウスを返そうと後を追うと、何故か見た事のない公園が現れ、池にドーナツがぷかり!
 その際、音楽祭で女の子がレシピを歌詞にして歌い、現実の世界へ戻ってきたわかったさんが早速再現したのが、この“レモンドーナツ”です!
 作り方はそこそこ簡単で、ボウルに無塩バター・砂糖・卵・バニラエッセンス・レモン汁・牛乳・ブランデーを入れてかき混ぜた所へ小麦粉とベーキングパウダーを投入してさっくり合わせ、冷蔵庫で寝かせたらドーナツ型で型抜きして油で揚げたら出来上がりです。
 ポイントは、油は高過ぎず低過ぎない170度に設定すること、小麦粉とベーキングパウダーは事前に何度もふるいにかけること、粉類を合わせたら耳たぶくらいの硬さになるよう混ぜて一時間寝かせることの三つで、難しそうに見えて実はお手軽なのに感心したものです。

 お菓子作りには香りが甘やかでアルコール分が適度なラム酒が使われる事が多いので、作中でラムさんが「ブランデーを入れるのを、忘れてはいかんのだ」とこだわる理由が少しわからなかったのですが、調べてみた所、ブランデーはラム酒より若干香りが控え目な分フルーツの風味がぐっと際立つのが特徴との事でしたので、レモンの鮮烈な香りを引き出すためにブランデーを選んだのかな?と思いました。
へとへとになったわかったさんの目の前で、レモンドーナツ・シンフォニーが奏でられます
 実を言いますと、わかったさんは「わたし、あの子のような、三つ編みにするわ」とあみあみした生地を揚げていたんですが、上記の画像のように「ベーグル?!」と突っ込みたくなる程ぷっくり丸いドーナツの方が食欲を掻き立てられた為、そちらの方を再現する事にしました;。
 巻末には、詳しい分量と細かい手順が書かれたレシピがきちんと記載されていましたので、早速その通りに作ってみようと思います!


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、生地作り。ボウルへ室温に戻して柔らかくした無塩バターを入れて泡立て器でよく混ぜ、滑らかなクリーム状になったら砂糖を投入し、白っぽくなるまでかき混ぜます。
 段々ふわっとした感じになってきたら、溶き卵を何回かに分けて少しずつ注ぎ、さらによく混ぜます。
レモンドーナツ1
レモンドーナツ2
レモンドーナツ3
 すぐ下にある画像のように溶き卵をまんべんなく混ぜ終えたら、続けてバニラエッセンスとレモン汁を入れ、分離しないように手早く混ぜ合わせます。
 ※特にレモン汁を入れる時は生地が分離しやすいので、ちょっとずつ入れながらガーッと混ぜる事をお勧めします。
レモンドーナツ4
レモンドーナツ5
レモンドーナツ6
 両方とも混ぜたら、牛乳とブランデーを加えてよ~くかき混ぜます。
 ここまできたら泡立て器を木べらに持ち替え、あらかじめ小麦粉とベーキングパウダーを合わせて何度かふるいにかけておいた合わせ粉を何度かに分けてふるい入れ、練らないようさっくりと切り混ぜます。
 やがて生地が耳たぶくらいの柔らかさになったらひとまとめにしてラップに包み、約一時間冷蔵庫に入れてゆっくり休ませます。
 これで、生地は出来上がりです。
レモンドーナツ7
レモンドーナツ8
レモンドーナツ9
 次は、揚げ作業。
 小麦粉をふっておいた清潔な台の上に生地を置いたら、同じく小麦粉をまぶしておいた麺棒で適度な厚さに伸ばし、ドーナツ型を押し当ててわっかの形になるよう型抜きします(←この時出来た丸型の生地は、そのまま揚げちゃってOKです!)。
 この型抜きした生地を170度に熱した油で二~三分揚げて、表裏をひっくり返してもう一度二~三分揚げ、段々両面がきつね色になってきたらキッチンペーパー(又は油切り網)の上へ引き上げて、余分な油をしっかりきります。
レモンドーナツ10
レモンドーナツ11
レモンドーナツ12
 揚げたドーナツ全体に砂糖を適度にまぶして粗熱が取れるまで待ち、そのままお皿の上へ盛り付ければ“レモンドーナツ”の完成です!
レモンドーナツ13
 パッと見はごく普通のドーナツという感じですので、一瞬「あれ?」と思うのですが、よく匂いを嗅いでみるとレモンのきゅっとくる香りがさりげなくふわりと漂ってきますので、すぐに「あ、ちゃんとレモンドーナツだ」とほっとしました;。
 こういうわっか型のドーナツをきちんと作るのは初めてですので正直自信がありませんが、わかったさんを信じて食べてみようと思います!
レモンドーナツ14
 それでは、一口大に割っていざ実食!
 いっただっきまーす!
レモンドーナツ15


 さて、感想はといいますと…児童書のレシピと言うよりはお菓子専門本のレシピみたいな、本格的な美味しさ。レモンのおかげで、どことなく洗練された味になってます!
 一口目は小麦と卵のコクがお口にじんわりと広がる、ほんわか温かい素朴な味わいの卵ドーナツという印象だったんですが、噛み締めるごとにレモンの上品な甘酸っぱさと、ちょっぴりほろ苦い後口が段々ふわ~っと立ち上がってくるのが個人的に新鮮で、ありふれていそうで実はありふれていないドーナツだと面白く感じました(←うまく言えないんですが、一見地味に見える女の子と話してみたら実はどこぞの令嬢だった…というような意外性があります;)。
 レモン汁入りのアイシングをかけたドーナツは食べた事がありますが、こちらの方が内からスーッと香気が溢れる分より一体感が強く、完成度が高いと実感しました。
 絞りたてレモンのフレッシュで爽やかな酸味と、香り高いブランデーの熟成された風味が全体をしっくりまとめあげているのがいい感じで、子ども用のおやつというよりは、大人が自分用の息抜きにと用意するお菓子というイメージです。
 表面はさっくりザクザクと香ばしく、中はややしっかりめながらも十分ふっくらホロホロと柔らかい口当たりで、何だか「ミ○タードーナツのオールドファッション」を彷彿とさせるドーナツだな~と思いました。


 ドーナツの穴部分を揚げて作ったボール型ドーナツもコロコロした形で可愛らしく、おいしくいただけました。
 ただ、食べている内に少しずつ喉が乾いてくるのが難点ですので、牛乳と一緒に頂く事をお勧めします。

●出典)『わかったさんのドーナツ』 原作:寺村輝夫 作画:永井郁子/あかね書房
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

『まかない君』の“ツナとなめたけのそうめん”を再現!

 実を言いますと、当管理人の名前は一昔前の男性に多かった名前の為、字面だけだと時々「男か、女か?」と迷われる事があります。
 おまけに、名字の方も単純な漢字なのに、何故か一字を別の漢字に変換されて書かれる事が多い為、性別にしろ漢字にしろ間違われる事に慣れてしまいました。
 しかし、最近付き合いが十年近くになる相方さんから名前の漢字を間違えたメールをもらった時はさすがに複雑な気持ちになり、いっそ全部平仮名表記にしたいな~とため息をつきました;。

 どうも、おかげ様で現在はHNで呼ばれた方がしっくりくる管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『まかない君』にて浩平君が小腹を空かせた弥生ちゃん達の為に作った夜食・“ツナとなめたけのそうめん”です!
ツナとなめたけのそうめん図
 十月も半ばを過ぎたある日の夜中、自室で執筆活動に勤しんでいた佳乃さんは急にお腹が減り、台所で何か食べられるものはないかとガサゴソ物色します。
 途中、物音に気付いてやって来た弥生ちゃんも夜食と聞いて「あたしも食べるー」と参加するのですが、気軽に食べられるカップラーメンは切らしており、ご飯も残っていなかった為、何を食べるべきかちょっと悩みます(←夜食欲というのは伝染するのか、妹が実家にいた頃は全く同じ事が何度もあったのを思い出します)。
 晩ご飯時だったらがっつりした物でも抵抗感なく食べられますので、案外思い切ってパパッと用意出来ますが、寝る前に小腹を満たすのが目的の夜食は、「胃に重すぎない」「手間がかからない」「極力調理器具を使わない」という三つの条件を満たす物でないと作れませんので、佳乃さん達が悩む気持ちはすごく分かりました;。

 実を言いますと、一応食パンはあったのですが、「うーん、パンって気分でもないんだよね」という佳乃さんの意見で、却下されてます。
 この時、自分は一体何を食べたいのかよく分からなくなった佳乃さんは、思わず「あたしの腹は今なに腹だ?」ドラマ版五郎ちゃんみたいな台詞を漏らすのですが、間髪入れず弥生ちゃんから「三段腹」と鋭く突っ込まれており、初見時はその容赦なさについ「ブッ!」と噴き出してしまったものです(←恐らくジョークだと思うのですが、半ば本気そうな表情がまた何とも;)。
 が、日頃は肉ネタを笑ってかわす佳乃さんも、この時は無防備だった分不意打ちされたショックが激しかったらしく、「なんか言ったかな」とまるで『北斗の拳』の敵キャラ並に恐ろしい形相になっており、その迫力にさすがの弥生ちゃんも「空耳だよ」と目をそらしてました;。
 女性にとってこの問題は極めてデリケートなものなんだと、身に染みて実感したシーンです。
ナイスツッコミですが、周囲の女性を敵に回しかねないので発言するのに勇気がいります;
 その後、気を取り直したお二人は「ここで二人してのたくってても餓死するだけだから、浩平になんか作ってもらおう」という結論に達し、弥生ちゃんはいつも通り「浩平!夜食作って!」と元気よく呼びかけに行ってました。
 こうして、同じく小腹をすかせていた浩平君が夏の名残の素麺を使い切って作った夜食が、“ツナとなめたけのそうめん”です!
 作り方はとても簡単で、茹でた後お湯で洗った素麺・ツナ缶・なめたけ・わさびをよく混ぜ合わせて器へ移し、最後に刻み海苔を振りかけたらもう出来上がりです。

 ポイントは、水ではなく手で触れられる温度のお湯で素麺を洗うことと、材料をまんべんなく混ぜ合わせることの二つ。
 浩平君曰く、「寝る前に冷たいの食べるのもなんだからね。でも、ゆでたままだとダマになって混ぜにくいから、お湯で洗ってほぐすんだよ」「なめたけだけで丁度いい味加減になるから」「なめたけだけじゃさびしいから、ツナ缶入れたけど」との事で、一見単純に見えても夜食らしく胃に負担にならないよう考えられているのが伝わってきて、相変わらず芸が細かいな~と感心しきりです。
 当初は「麺つゆがなくても、満足できる味付けになるのかな?」と半信半疑でしたが、なめたけは出汁以外は麺つゆと味付けがほぼかぶりますし、肝心の出汁もツナ缶の旨味が代わりになると思えば納得できますので、なかなかいい線をいってるな~と思います。
ツナと油となめたけの塩気だけで、味付けは十分だと浩平君は行っていました
 この重すぎず軽すぎない“ツナとなめたけのそうめん”は、あーでもないこーでもないと危うく夜食難民になりかけていた弥生ちゃんと佳乃さんのお腹にドストライクな美味しさだったみたいで、三人で二束茹でたにも関わらず、むしろちょっと物足りないくらいだとと絶賛されてました。
 中でも、佳乃さんは「丼に山盛りで欲しいとこだね」と言うくらい気に入っており、浩平君から「夜中にそんなに食べてどうするの」と笑われていました;。
 佳乃さんの持論としては、「睡眠にもそれなりにエネルギーを使うものだよ」だそうで、気合を入れて寝たい時はコンビーフを一個丸かじりすると豪語しており、懲りない弥生ちゃんから「太るはずだよ」と言われてました(これはどうやら予想出来てたみたいで、「ある程度脂肪がついてる方がイザって時ふんばりが効くんだよ」と笑顔で言い返していました。同様に脂肪でいじられる身として、佳乃さんは希望の星です←背後から「どこが同じだ!」という猛烈なツッコミを感じつつ;)。

 ちなみにこの後、浩平君は自分の部屋に遊びに来ていた弥生ちゃんが布団でゴロゴロしている内に寝てしまった為、弥生ちゃんの部屋にある布団まで抱っこして寝かせてからようやく自室の布団にもぐるのですが、なんと布団に弥生ちゃんの匂いがほのかに移っており、ドキドキし過ぎて寝られなくなってしまってました;。
 慣れてくると、相手の匂いがついた物はむしろほのぼのと程よく幸せになれるアイテムになりますが、青春真っ盛りで未だ両想いにはなれていない浩平君にとって弥生ちゃんの匂いは強烈すぎたらしく、珍しく真っ赤になって取り乱している様子を見て、微笑ましい気持ちになりました。
 思いがけず、昔はこういう初々しい時期もあったな~と懐かしい心境になったエピソードでした。
夜中にコンビーフを丸ごとかじるネタを言って、また弥生ちゃんからいじられていました;蒲団から弥生ちゃんの匂いが色濃くかおり、さすがの浩平君も困惑していました;
 先日、台所から今年の夏大量に買って余った素麺がゴロゴロ見つかった事から、再現する事を決意しました。
 作中には絵入りで大体の作り方が書かれていますので、早速その通りに作ってみようと思います!


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、素麺の準備。袋の裏にある時間通り素麺を熱湯で茹で(←びっくり水をして茹でると、歯応えがさらによくなる…気がします;)、茹で上がったらザルにあけてお湯で洗います。
 洗い終えたらザルで水気をちゃっちゃときって、ボウルに入れます。
 ※洗い物を減らす為、先程茹でるのに使ったお鍋に戻し入れちゃっても可です。
ツナとなめたけのそうめん1
ツナとなめたけのそうめん2
 次は、味付け作業。
 素麺が入っているボウルへ、なめたけ、ツナ(←油ごと使います)、わさびを投入し、菜箸で隅々まで行き渡るようよ~く混ぜ合わせます。
 この時、軽く混ぜるだけにしちゃうと全体に味がなじまない上、麺がダマダマになってイマイチな味になりますので、面倒でもツナの油やなめたけをなじませるようちゃんと混ぜた方がいいです。
ツナとなめたけのそうめん3
ツナとなめたけのそうめん4
 材料がしっかり混ざったらお皿へ盛り付け、仕上げに刻み海苔を上からパラリと散らせば“ツナとなめたけのそうめん”の完成です!
ツナとなめたけのそうめん5
 パッと見はチャンプルーに見えなくもないですが、その割には麺の艶々感が残っている感じなのが不思議です。
 素麺といえば冷たい麺つゆという印象が強いのでどういう味なのか想像がつきませんが、勇気を出して確認してみようと思います!
ツナとなめたけのそうめん6
 それでは、冷めない内にいざ実食!
 いっただっきま~す!
ツナとなめたけのそうめん7


 さて、感想はといいますと…全く新しい美味しさなのに、不思議としっくりくる味わい!温かい汁なしそうめん、ありです!
 そうめんは時間が経つと水分がなくなって塊になる為、なかなか取れなくて閉口するのですが、これはツナの油分のおかげでオイル系パスタのようにいつまでもツルツルシコシコとしており、箸で取れやすいままなのがいい感じです。
 わさびのツンとする涼しげな辛さが効いた、ちょっぴり甘辛いなめたけ醤油味のそうめんは、濃すぎず薄すぎず本当にちょうどいい塩梅の塩気で、むしろ麺つゆよりもさっぱり軽い後口だと思いました。
 ほんのり温かいせいか、まるで「ツナとなめたけのカッペリーニ風温そうめん」というイメージの旨さで、材料は和なのにイタリアンみたいな印象を受けるのが面白かったです(←一方で、油分を帯びた極細麺が一気にモサッと口に入る感じは「舌触りが滑らかな生ビーフン」というイメージでもあり、頭が混乱しました;)。
 細い刻み海苔が絡んでパリパリしたアクセントが加わり、最後に磯の香りが鼻にきて目先を変えるのがよかったです。
 正直、なめたけとわさびだけだったらやや物足りなかったはずですが、ツナのあっさりしたコクが程よいボリューム感をプラスし、お腹にきつくないギリギリの食べ応えが実現出来ていて満足しました。


 温かい素麺といえばにゅう麺かチャンプルーというイメージでしたが、こんな風に温かい和え麺にしても十分いけるな~と感心しました。
 かなり簡単ですので、余った素麺を片付ける為にちょくちょくお世話になりそうです;。

●出典)『まかない君』 西川魯介/白泉社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

プロフィール

あんこ

Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『どんぶり委員長』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『ミスター味っ子』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『BAR・レモンハート』
 …『ぶたぶた』シリーズ
 …『ベーグル食べない?~幸せカフェごはん~』
 …『飯盛り侍』


○当ブログについて
 このブログで使用されている記事の画像、一部文章は、それぞれの出版物等から引用しております。
 引用物の著作権は全て作者様、出版社様等に準拠致します。
 もしご関係者様に問題のある画像及び記事がございましたら、御連絡頂ければ速やかに修正、削除等の対処を致します。

○お知らせ
・当ブログでは作品のネタバレを含んだレビューも同時に行なっておりますので、作品を未見の方はご注意をお願いいたします。
・各作品に掲載されているレシピの分量は、例外なく全て非公開にする方針を取っておりますので、ご了承の程をお願いいたします(←この件についてご質問頂いた場合、誠に失礼ながら下記の理由でご返信しない方針にしております)。

※現在、公私の多忙と、再現記事のペース維持を理由に、コメント欄へのご返信が出来ない状態が続いております。
 こういう場合、コメント欄は停止するべきなのかもしれませんが、励ましのお言葉やアドバイスを頂く度、ブログのモチベーションアップや心の支えとなったこと、そして率直なご意見や情報を聞けてとても嬉しかったこともあり、誠に自分勝手ながらこのままコメント欄は継続する事に致しました。
 図々しい姿勢で恐縮ですが、ご返信をこまめに出来なくて余裕がある分、ブログ内容を充実&長期的に続けられるよう力をいれる事で皆様のご厚意にお応えし、感謝の気持ちをお返ししていきたいと考えております。
※ただ、ご質問を頂いた際はなるべくお力になれるよう、すぐご返答できるように対処致します。

 応援して下さる方々に少しでも楽しんでご利用して頂けるよう、沢山の作品に触れるちょっとしたきっかけになれるよう、これまで以上に心掛けていきます。
 恐れ入りますが、よろしくお願い致します。

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

ブロとも申請フォーム

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

Copyright © あんこ