『大使閣下の料理人』の“オヤジ風サンマ丼”を再現!

 最近、『九州戦国の女たち』を拝読したのですが、びっくりするくらいたくましい姫君&城主婦人たちの姿に驚き、一気に興味を抱きました。
 家と跡継ぎを守る為に四十代後半で家臣の元へ「押しかけ女房」として嫁ぐ事を決意し、後にその話を知った家康から感心された龍造寺隆信の母・慶誾尼、圧倒的に不利な状況にも関わらず計略の限りを尽くして城を守り抜き、秀吉から「対面して恩賞をとらせたい」とまで言われた妙林尼など、自ら道を切り開いていった女性も魅力的でしたが、その中で一番親しみを覚えたのが鍋島直茂の正室・陽泰院
 というのも、お二方とも戦国の世では珍しい恋愛再婚で、前妻と別れたばかりの鍋島直茂(32)が主君と共にあるお屋敷へ昼食を取りに立ち寄った際、炊事場で未亡人の陽泰院(29)が機転をきかせて大量の鰯をあっという間に焼き上げたのを見て一目惚れし、何度かお屋敷に夜這いして通った後に結婚したというエピソードがあったからで、現代でも通用しそうな馴れ初め話に親近感を抱いたものです(ちなみに夜這いした帰り、家臣から泥棒と間違われて追いかけられ、逃げる途中に足の裏を斬りつけられて跡が残ったという「どこのコメディですか?」と聞きたくなる実話も残ってます;)。

 どうも、夫婦共に八十代になるまで生きたおかげで夫と長く一緒にいられた陽泰院に、自分もあやかりたいな~と思った当管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『大使閣下の料理人』にて主人公である大沢公さんの長女・かおりちゃんが疲れた父を元気づける為、祖父の巧さんと一緒に考えた料理・“オヤジ風サンマ丼”です!
オヤジ風サンマ丼図
 それは、ひとみさんが長男・匠君を出産するのを手助けする為に公さんが日本に帰国し、ドタバタしていたある夏の日の事。
 浅草にある老舗洋食屋・<うさぎ亭>のオーナーシェフをしている祖父の巧さんから、バイトの子が夏風邪を引いて急に休むことになったので一日だけウエイトレスをして欲しいと頼まれたかおりちゃんは、喜んでお手伝いする事にします(←一瞬、「夏休み明けに提出する作文は、職場体験レポートがナイス!」「ウエイトレスを通じて知った仕事の厳しさと、おじいちゃんの働く姿を見て感じた感想だったら、すごく書きやすそう!」と考えてしまった当管理人は、大分打算的な大人になってしまったようです…orz)。

 幸いかおりちゃんは飲み込みが早く、混雑するランチタイムでもそつなくお運びをして巧さんを喜ばせ、仕事後に「親父がうるさいから現金は渡せないけど、現物支給で欲しいものがあったら何でも言ってみろ」と太っ腹な事を言われるのですが、この時かおりちゃんがお願いしたのは「パパぐらいの年齢の人が食べる、渋い料理を教えて!<オヤジ料理>ってやつ!」という、何と公さんに関する事。
 かおりちゃん曰く、匠君が生まれてお母さんが入院して以来、毎日の食事はずっと自分が担当しているそうなのですが、最近「私の好きな料理ばっかりパパに出しちゃってた」と気づいて反省したそうで、せめて今からでも大人の男性が食べて嬉しくなるものを出して力をつけさせたいと考えたとの事で、初見時は「こんなことを娘から言われていたと知ったら、多分泣いてしまう…つД`)」と思ったものです;。
初めてのバイト代は、自分の為ではなくパパの為に使う娘さん…かおりちゃんはよくできてます。
 最初は「思いっきりオヤジ臭いのがいいな。食べるとオヤジ度120%UPするやつ」と言うかおりちゃんを、「…かおりが食べるのか?」と怪訝そうにしていた巧さんですが(←普段はあまり孫娘に干渉しない祖父ですが、こんな幼い時からオヤジっぽい少女になるのはさすがに嫌だったみたいです;)、一通り話を聞いて納得してからはその心意気を気に入り、早速調理の準備に取り掛かります。
 とはいえ、巧さんが公さんの好みを知っていたのはせいぜい子どもの頃までで、成人してからの好みは全く知らなかった為、「どの道まかないを作るところだったんだ、二人でいっしょに考えてみようや」と手探りでオヤジ料理を考えてみる事にしていました。

 実を言いますと、結局お二人は二種類のオリジナルオヤジ料理を生み出すのですが、その内の一つはズバリ、丼。
 当初はてっきり洋食系のメニューだと予想していた為、少し意外に感じましたが、巧さんが主張するには「究極のオヤジ料理。それは、ホカホカ飯の上になみなみと具をのせた丼物に尽きる!」「かつ丼、玉子丼、親子丼、うな丼、天丼、かき揚げ丼…丼の中に飯とおかずを詰め込んで豪快にかき込むその単純明快さは、まさにオヤジそのもの」だそうで、そのあまりの熱さに圧倒され、妙に納得させられたのを覚えてます;。
 しかしよくよく考えれば、某牛丼店が開店した時主な客層はサラリーマンだったとの話ですし、周囲でも丼が好きだと公言されているのは男性の方がやや多い気がしますので、感覚論なようで結構鋭い所をついている気がします(←ただ、これはオヤジの方に限った話ではなく、「全年齢層の男性」が丼物を好みやすいと言った方が、より正しい気もしますが…;)。
親父料理としてふさわしいのは、単純明快な丼料理だと語っていました。
 この時、巧さんとかおりちゃんが冷蔵庫にあったサンマにいろいろ手を加えて作ったのが、“オヤジ風サンマ丼”です!
 作り方はそこそこ簡単で、オリーブ油をひいたバットへ三枚おろしにしたサンマを並べ、生姜焼きのタレ・山椒・黒胡椒・パン粉をかけてオーブンで焼いた後に炊き立てご飯へ移し、最後ににんにくチップと、オクラ・醤油・鰹節を混ぜた和え物を乗せたら出来上がりです。
 ポイントは、サンマを焼く時必ず皮目を上にしてパリッとさせることくらいで、手が込んでそうな見た目によらずお手軽なレシピに、強い魅力を感じたものです。
 何でも、 「脂ののったサンマとにんにくチップで疲れたオヤジの体に喝!」「そして栄養満点ネバネバ食品のオクラを加えてさらに喝!」というイメージで作ったみたいで、確かにこれはスタミナがつきそうだな~と思いました。

 サンマの味付け方法と焼き方は巧さんが決めたものでしたが、サンマを手際よく捌いたり、にんにくチップやオクラをトッピングするのを思い付いたのはかおりちゃんのお手柄で、こういう所はお父さんに似たんだろうな~としみじみしました(←ひとみさんも料理はそれなりに作れるのですが、公さんにくらべるとやや不器用でそこそこの味に留まるらしい事が作中で描かれてます;。けれども、公さんは一生懸命作ってくれるひとみさんの気持ちが嬉しいようで、いつも美味しいと食べていますので、いいご夫婦だな~と思います)。
 個人的には「オクラの粘りに疲労回復効果があって、尚且つ鰹節と醤油をかけたら男性受けする事まで知ってるなんて、勉強してるな~」と感心しましたが、どうやら巧さんは「オヤジの心がわかりすぎるのも不気味だな」という感想を抱いていたみたいで複雑な表情をしており、ハッとしました;(←もしかしたら、将来オヤジ並の酒飲みになるという伏線なのかもしれません;)。

 この後、かおりちゃんは自分だけの力でもう一つのオヤジ料理を考え出して巧さんをさらにびっくりさせるのですが、今日はいつもの如くまた長文になりましたので、また次回ご紹介したいと思います。
脂がのったサンマの身と、ネバネバオクラによって疲れた体に喝を入れる親父丼完成!あまりにも親父心が分かり過ぎる孫娘の姿を、心ならずも不気味だと思ったおじいちゃん;
 安くて脂が乗った新鮮なサンマが手に入りましたので、再現してみる事にしました。
 作中には大体のレシピが絵つきで載っていましたので、早速その通りに作ってみようと思います!


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、サンマの下ごしらえ。サンマの頭を落としてお腹を開き、ワタをかき出してお腹の中を流水で綺麗に洗ったら三枚おろしにし(←出来れば、小骨も丁寧にとるとさらにおいしくなります)、三等分になるよう切り分けます。
 サンマを切り終えたら、オリーブ油をひいたバット(又は耐熱器)へ皮部分が上になるよう並べます。

 ※ワタは料理に使いませんが、捨てずにボウルへ入れて醤油と日本酒で和え、フライパンで少し煮詰めたら日本酒のおつまみに最適なワタ醤油ができあがります(サンマの刺身にかけたり、カボスを絞った茸類にかけて食べるとナイスです)。ワタの苦味が大好きな方におすすめです。
オヤジ風サンマ丼1
オヤジ風サンマ丼2
オヤジ風サンマ丼3
 次は、焼き作業。
 サンマを並べた所へ、醤油、みりん、おろし生姜を混ぜて作った生姜焼きのタレを回しかけ、山椒と黒胡椒を挽いたものをふりかけます。
 調味液を味見して塩気がちょうどいいのを確認したらパン粉をふりかけ、強火のオーブンで様子を見ながら焼きます(あんまり長く焼き過ぎると身がぱさぱさになりますので、そこまで時間をかけなくて大丈夫です)。
オヤジ風サンマ丼4
オヤジ風サンマ丼5
オヤジ風サンマ丼6
 パン粉がサクッとした感じになり、サンマに火が通ったのが分かったらすぐにオーブンから取り出します。
 その間、ボウルへ茹でてヘタを取った後刻んだオクラ・醤油・鰹節を入れてよく混ぜ合わせた和え物と、油をひいた弱火のフライパンでにんにくスライスをじっくり焼いて作ったにんにくチップを用意しておきます。
オヤジ風サンマ丼9
オヤジ風サンマ丼7
オヤジ風サンマ丼8
 炊き立てご飯をよそった丼へ焼きサンマを汁ごと乗せかけ、その上にオクラの和え物とにんにくチップを飾り付ければ“オヤジ風サンマ丼”の完成です!
オヤジ風サンマ丼10
 オクラの瑞々しい緑と、焼きサンマのこんがりと美味しそうなきつね色の組み合わせもさることながら、脂が焦げた香ばしい香りが素晴らしく、喉が鳴ります。
 材料は和風ですが調理法はまるっきり洋風な為味の想像がつきませんが、かおりちゃん達を信じて食べてみようと思います!
オヤジ風サンマ丼11
 それでは、熱々の内にいざ実食!
 いただきまーすっ!
オヤジ風サンマ丼12


 さて、味の感想はといいますと…始めはガツンとくるのに、不思議とあっさりした後口で美味!全く新しいイタリアン丼です!
 通常、焼いたサンマは大小あれどどうしても水分が抜けてぱさっとするものですが、これはオリーブ油で半ば煮るようにして火を通しているおかげでトロトロリと滑らかな舌触りで、口に含んだ途端ホロホロと柔らかく崩れ、ジューシーな脂と共にご飯に絡んでいくのがたまりません(←例えるとするなら、「アヒージョ風しょうが焼きサンマ」というイメージでした)。
 黒胡椒のビリッと刺激な辛さと、山椒の清々しい和の辛さが複雑に入り交じり、旬のサンマ特有のこってり濃厚なのにしつこくない脂分をキリリと引き締めるのがよかったです。
 爽やかに甘辛いしょうが醤油味のサンマは白いご飯にぴったりで、タレが染みて半分カリッと半分しっかりとしたパン粉のせいか、まるで魚版のカツ煮ともいうべき味わいなのが印象的でした。
 にんにくチップを噛み締めると途端に「スタミナ抜群!」という感じの美味しさになりますが、おかか醤油をまぶしてしょっぱ旨い塩気がついたオクラと一緒に食べると、ザクザクした食感とねっとりしたとろみで急にさっぱりヘルシーな旨さに変化する感じで、組み合わせ次第で全く別物になるのが面白かったです。
 当初は丼つゆが少ないのが心配でしたが、実際に食べてみるとサンマが濃いめの味つけなせいかぴったりで、むしろちょうどいいくらいでほっとしました。


 見た目は洋風っぽいんですが、味付けは「これにはご飯、絶対ご飯!」と思わず興奮しちゃうくらいの和風味で、我を忘れてバクバク食べました;。
 ご飯なしでお酒のおつまみにしてもいけますので、また作りたいと思います。

●出典)『大使閣下の料理人』 原作:西村ミツル 作画:かわすみひろし/講談社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』の“魔法の鶏手羽煮込み”を再現!

 その昔、母は大阪にある某化粧品会社で美容部員として働いていたそうなのですが(この方と同期だったとの事)、ある日電車に乗ろうと切符売り場に行くと、見知らぬご婦人から「百円貸して!」とベタなお願いをされて渡した事が一度だけあったみたいで、時々ネタにしています。
 結局そのお金は返ってこず、ご婦人とも二度と再会しなかったようですが、とにかくびっくりして怒りの気持ちは湧かなかったらしく、「私も同じ反応しかできないだろうな~;」と苦笑しました(←以前、路上でいきなり「あなたいい顔相(?)してるわ~、私にはわかる!ちょっとお時間あります?」と危うく捕まりかけた時も、一瞬頭が真っ白になってしどろもどろになった事があるので、容易に想像がつきます;。恐らく、その時はかなり疲れてボーっとしていたので、余程「(何かを売りつけるor勧誘するには)いい顔相」だったんだと推測されます)。 

 どうも、その頃は大阪地下街のトレビの泉にあるピザ屋さんや札幌味噌ラーメン屋へよく食べに行っていたと母から聞き、食欲が刺激された当管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』にて芝田先生がとっておきの簡単レシピとご紹介されていた“魔法の鶏手羽煮込み”です!
魔法の鶏手羽煮込み図
 実を言いますと、広田先生はネットでも実世界でもよく見かける「料理本を読んで<これおいしそう!>と興味を持って買うものの、本に書いてない材料を入れたり、調味料を目分量で足してたりして大分異なる料理を作り、<んー?イマイチ!>と口コミで広げちゃうタイプ」でいらしたとの事で、初見時はその意外さに驚いたものです;。
 料理本のご担当をされている編集者・Aさんは、ご自身のお仕事柄「なんでそうなるかなー」と軽蔑のまなざしを送られていましたが、広田先生がおっしゃるには「めんどくさいんですよねー」「主婦にありがちな思い込みの激しさもあるんですけどねー」だそうで飄々とされており、苦笑しました。

 正直、適当に作るのはいいとしても、その事を言わず感想だけを周囲の方々へ伝えてしまうと著者の方が気の毒だと思う為、それは控えられた方がいいのでは…と少し思いましたが(←過去、作り方が杜撰だったせいで不完全な再現料理記事をいくつか載せてしまい、未だに後悔している身だからこそ切実にそう感じますorz。ちなみに現在、訂正計画をノロノロ進行中ですが、『ミスター味っ子』がやや多いです;)、当管理人自身、肝心な所をぼかして書かれている料理本や調理工程がふわっとしすぎな料理本、ファッション感覚で手に入りにくい食材が乱用されている料理本にぶつかっては頭を抱える事も多々ある為、自分流にアレンジされる広田先生のお気持ちも分かる気がしました;。

 個人的に、広田先生が巻末で「この作業をこうしたら、もっと楽に作れました(但し自己責任で)!」とご紹介されるご情報は毎回目から鱗が落ち、結果さらに簡単に作れるようになって助かった経験もありますので、めんどくさい精神も突き詰めればアイディア精神の母になると立証された事を尊敬しております。
目分量でデタラメに作っているのに、口コミで「いまいち」と評価しちゃうこと…ありますか?
 今回ご紹介するのは、そんな広田先生に芝田先生が「一回でバーッチリ味が決まる魔法のレシピなのよ!!」と教えて下さっていた、“魔法の鶏手羽煮込み”です!
 作り方はものすごく簡単で、お鍋へ黒酢ドリンク・醤油・鶏手羽中肉を入れて火にかけ、汁気がなくなるまで煮込んだらもう出来上がりです。
 ポイントは、黒酢ドリンクはなるべく「蜂蜜&リンゴ成分入り」と明記されてあるものを購入することと、お鍋が焦げないようちょこちょこ様子を見に行くことの二つくらいで、それさえ守ればあっという間に出来上がるとのことでした。

 魔法のレシピは基本的にどれもお手軽に作れるのが特徴なのですが、このレシピはそれらの中でも一、二を争う程の簡単さで、当初は広田先生とAさん同様「…なんか既製品っぽい味付けにならないのかなァ…」「本当にコレだけで作れるのだろうか…」と不安になったものです。
 おまけにネットで調べてみても、出てくるのはドリンクレシピや黒酢を使った酢豚くらいで、鶏肉の煮物どころか黒酢ドリンクを使ったお料理自体が出てこなかった為、余計ハラハラが加速しました;。
 しかし、骨付き鶏肉を黒酢で煮込むと骨からカルシウムが溶け出してそれも摂取できるようになったり、タンパク質が分解されて柔らかい肉質になったり、その上疲労回復や体脂肪燃焼効果があるクエン酸や各種アミノ酸まで効率よく取れるようになりますので、これでおいしいならまさにいい事尽くしな煮物だな~と感心したのを覚えています。
たった一発で味が決まるという、そんな魔法のレシピがあると先生はお話されます。
 その後、「エエエーッ簡単スギ!!」と驚きつつも皆さん試食されるんですが、Aさんは「お…おいしい…で…す」「うわぁコレ…私作ります」と感嘆され、広田先生は「うまっ」「みなさん半信半疑なんでしょーが、いわゆるデパ地下の味になります。高級感あふれる、あのキッチリ収まった味ですよ、差し引きなしの完全なグラフを作った味」「完全犯罪ですよ!」と絶賛されていました。
 そのくせ、既製品みたいに「作られた味」っぽい人工的な感じは全くしないらしく、「いやこれマジでばれないと思う」「こんなに簡単に完璧な煮物が作れるとはねー」と広田先生は評されていましたが、自分が奥様仲間に作って持っていったら日頃の行いのせいで絶対お店で買ったお惣菜だと疑われそうとも予想されており、涙が止まらないご様子でした;。
 
 家庭で一から作ると自然な味だがひと味物足りない、かといって素を使って作ると整った美味しさだがどこか人工的な味がするというのはよくある悩みですので、それらを一挙に解決できるなんて素晴らしいレシピだな~と感じます。
 何より、これなら如何にめんどくさがりな方(当管理人も含んで;)でも短縮とアレンジのしようがありませんので、芝田先生の力量をお手軽かつ正しく知って頂くのに最適な一品なのでは…と思いました。
半信半疑で食べられていましたが、予想を上回る味にびっくりされます;まるでデパ地下で売られているような本格的な味が、黒酢ドリンクだけで作れます!
 味の想像がどうしてもつかなかった為、もうこれは作ってみるしかない!と考え再現する事にしました。
 作中には詳細な分量つきレシピがきっちり記載されていますので、早速その通りに作ってみようと思います!


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、煮込み作業。お鍋へ黒酢ドリンク(出来れば箱に「蜂蜜りんご成分入り」と書かれているものがいいです)を全部入れた後、醤油と鶏手羽中肉を加え、火にかけます。
 ※火力は中火以上にすると焦げ付きやすくなりますので、要注意です。
魔法の鶏手羽煮込み1
魔法の鶏手羽煮込み2
魔法の鶏手羽煮込み3
 そのままコトコト煮込み、汁気がなくなるまで火にかけ続けます。
 段々煮詰まってくると、キャラメリゼする時みたいに粘りがついた調味料が鶏肉に絡み始めますので、その際はすぐに火を消して鶏手羽中肉によく絡めながら混ぜます。
魔法の鶏手羽煮込み4
魔法の鶏手羽煮込み5
魔法の鶏手羽煮込み6
 鶏手羽中肉にタレ状になった調味料をしっかり絡め終えたらコンロからおろし、お皿へ盛り付ければ“魔法の鶏手羽煮込み”の完成です!
魔法の鶏手羽煮込み7
 キラキラッと輝く琥珀色の照りが美しく、見るからに美味しそうです。
 見た目は買ってきたといっても通用しそうな出来栄えですが、果たして味は如何なものか…食べて確認してみようと思います!
魔法の鶏手羽煮込み8
 それでは、出来立ての内にいざ実食!
 いっただっきまーす!
魔法の鶏手羽煮込み9


 さて、感想はといいますと…確かにこれは、完全犯罪的旨さ!たったあれだけで、ここまで凝った出来になるなんてびっくりです!
魔法の鶏手羽煮込み10
 りんごのフルーティな果汁、蜂蜜のコクのある甘さ、黒酢の奥深い酸味が混然一体となったこっくり甘辛い味付けで、まさに黄金比率といったバランスのいい一品です(←ちょっと甘めでカラメルっぽい粘りを帯びたタレが秀逸で、塩味も濃過ぎず薄過ぎずいい塩梅でした)。
 お酢の効用か、短時間煮ただけなのに肉は骨からスルッと簡単に取れて口の中でホロリとほどける程柔らかく、皮はねっちりプルプルととろけるような口当たりになっているのが美味で、軟骨も程よくコリコリと食べやすく砕けていくのがよかったです。
 鶏手羽中肉は他の部位よりも脂肪が多くプリプリジューシーな肉質な為、濃いめのタレとばっちりの相性で、品がいい後味の割にご飯よりもおつまみにぴったりだな~と感じました。
 広田先生の仰る通り、「いわゆるデパ地下の味」「高級感溢れるあのキッチリ収まった味ですよ、差し引きなしの完全なグラフを作った味」というイメージのおいしさです。
 お店で出されるような五味がキリッと効いた味の割には大量生産されたレトルトっぽい「作られた味」は一切せず、手作り感のある自然な仕上がりなのが印象的です。


 こんなに限られた材料でも凝った料理が出来るという事実に、勇気をもらえました。
 煮詰めるのに少し時間がかかりますが、それだけ除けば本当に簡単ですので、いろんな方に試していただきたい逸品です。


P.S.
 『ママの味♥芝田里枝の魔法のおかわりレシピ』がめでたく単行本化されていましたので、単行本に収録されているお料理の再現記事は、下の方に単行本のリンクを貼る事にしました。単行本をご購入される際の参考にして頂くと幸いです。


●出典)『ママの味♥魔法のおかわりレシピ おかず編』 作者:広田奈都美 監修:芝田里枝/秋田書店
     (2013年フォアミセス5月号別冊ふろく)
●参考資料)『ママの味♥芝田里枝の魔法のおかわりレシピ』 著者:広田奈都美 監修:芝田里枝/秋田書店
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

『まかない君』の“焼き鳥缶とゴボウの炊き込みご飯&クリームチーズみそシチュー”を再現!

 先日、地元のローカル番組でわらべ歌を教えるサークルの特集があり、その中でいくつかわらべ歌がご紹介されていた為試しに歌ってみたのですが、なかなか歌詞を一発で覚えられずしどろもどろになり、苦戦しました;。

 唯一、「♪だ~いこん切って~切りすぎて~、たたいてつねってなーでーてー、階段のぼって~こしょこしょー!(←一種の触り遊び。こしょこしょのところは、子どもの脇をじっさいにこしょぐります;。こちらに詳しい動作がかかれてますが、こちらはちょっと長いバージョンです)」だけは何故か一発で覚えた為、たまたま手が空いていた母相手にその遊びを実践してみたのですが、一通り終わった後母から「それ、小さい頃あんたにしていたよ」と聞き、びっくり仰天しました;。
 私自身は全く覚えていなかったのですが、もしかしたら無意識の内に頭に染み込んでいたからこそスムーズに歌えたのかな~と思い、そのあまりの偶然っぷりに不思議な気持ちになりました。

 どうも、人間は思っているよりも幼い日の記憶に影響されているのかもしれないと考えた当管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『まかない君』にて浩平君がある秋の夕べに作った“焼き鳥缶とゴボウの炊き込みご飯&クリームチーズみそシチュー”です!
焼き鳥缶とゴボウの炊き込みご飯クリームチーズみそシチュー図
 それは、十一月もそろそろ終わりを迎えようとしていたある日の事。
 出かけ先から戻ってきた弥生ちゃんの頭にカマキリ(!?)が乗っているのを見つけた浩平君は、「おや、お友達も一緒だね」と茶化します(←虫が大の苦手な当管理人一家だったら、恐らくこれだけで阿鼻叫喚の騒ぎになってますので、余裕な浩平君が羨ましいです;)。
 幸い、弥生ちゃんは虫を触るのが大丈夫な方ですので、「べつに友達じゃないよ」と言い返しつつ素手で捕まえられたのですが、その後も逃がすところかちょっとの間「てりゃてりゃ」とカマキリに指で戦いを消しかけてた為、相変わらず少年っぽい振る舞いをする女の子だな~と苦笑しました;←小学生の頃、自転車のかごにカマキリを二匹入れて「よっしゃ、いけいけ!」「デスマッチ!」と喧嘩させてた同級生達を見て、「男子って野蛮!」と子どもらしい潔癖さで眉をひそめていた事をふと思い出しました;)。

 しかし、その様子を見ていた浩平君から「あまりいじめるとハリガネムシが出てくるよ」という恐ろしい情報を聞くとさすがに「わーいやー」と嫌がり、すぐに外へ逃がしていた為ほっとしました。
 最初は「生まれた年は同じだけど、あたしは3月あんたは5月、あたしの方が二か月早いし一学年上だもんね!名実ともにおねいさんだ!」と年上アピールをしていた弥生ちゃんですが、二巻の頃になると姉弟から兄妹に逆転する事がほとんどで、読んでてニヤニヤしちゃいます;。
知らない内にカマキリが頭に乗っていた弥生ちゃん。まさか素手で触れるとは…尊敬です。
 それから数十分後、着替えて落ち着いた弥生ちゃんの隣で浩平君が作った夕食が、この“焼き鳥缶とゴボウの炊き込みご飯&クリームチーズみそシチュー”です!
 作り方はそこそこ凝っているもののお手軽で、“焼き鳥缶とゴボウの炊き込みご飯”は水・日本酒・麺つゆ・ゴボウ・油揚げ・たれ味の焼き鳥の缶詰を煮込んだ物と生米と水を炊飯器に入れて炊くだけ、“クリームチーズみそシチュー”は大鍋へコンソメキューブ・味噌・クリームチーズ・ベーコン・玉ネギ・じゃがいも・にんじん・ブロッコリー・しめじ・はんぺんを入れて煮込んだら出来上がりです。
 ポイントは、“焼き鳥缶とゴボウの炊き込みご飯”はゴボウをささがきにした後水にさらさず使うことと、“クリームチーズみそシチュー”はクリームチーズをとにかくよ~く混ぜて火にかけてスープに溶かし切ることで、そこまで難しくなさそうで安心しました(←何でも、「今のゴボウはアクが少ないからそのままで大丈夫だよ。水にさらすとかえって香りがなくなっちゃうし」だそうで、ゴボウの香りが大好きな当管理人は「確かに!」と共感しました)。

 クリームチーズと味噌でシチューっぽく仕上げるというのは勿論、はんぺんを具にするという大胆さに初見時は衝撃を受けましたが、浩平君曰く「レシピ本で見て面白そうだから試してみたよ」「もともとはんぺんは煮て食べるものだったらしいね。はんぺんを油で揚げたのがさつま揚げになったそうだよ」という理由でチャレンジしたと語っており、研究に余念がないな~と感心しました(←ただ、はんぺんさつま揚げは材料から違う食べ物ですので、九州人の当管理人としては「んんん?」と頭の中がちょっとはてなになりました;。しかし調べた所、東海地方の一部ではさつま揚げみたいな揚げ物もはんぺんと呼ばれているケースもあるとの事でしたので、やっと納得しました)。
当管理人も牛蒡の香りをそのまま活かしたいので、あまり水煮はさらしたくないタイプですクリームチーズとはんぺんと味噌を使った、常識を覆すびっくりシチューです
 その後、弥生ちゃんは“焼き鳥缶とゴボウの炊き込みご飯”を「んふふーっ!笑っちゃうくらいおいしい!」、佳乃さんは“クリームチーズみそシチュー”を「んーほっこり。普通のクリームシチューとちょっと違うね」「和風っぽい味なんだね」と褒め、上機嫌になっていました。
 途中、はんぺんとさつま揚げの話題になった時、佳乃さんがまた悪戯心で弥生ちゃんに「輪っかにした生地をゆでたのがベーグルで、揚げたのがドーナツみたいな関係だよね(もちろん嘘です;)」と言って騙そうとした為、すねた弥生ちゃんがプンスカ怒るという一幕もありましたが、何だかんだ言いつつ和やかな食卓だったので微笑ましかったです(←弥生ちゃんの騙されやすさ、他人事ではないのでいつも同情してます;)。

 が、どういう訳か、食事中いつの間にか佳乃さんの頭にカマキリが出現するという珍事件が勃発し、「逃がしたはずなのに戻ってきた?!」「いや、別の個体だろうよ」「昼間窓開けてた時入ってきたのかなあ」と盛り上がってました。
 それをきっかけに、浩平君がカマキリの豆知識を色々披露していたのですが、中でも興味深かったのが「共食いはまれにしかない」というもので、弥生ちゃん達も「そうなの?」と食いついてました。
 詳しくは単行本にあるので割愛しますが、この時佳乃さんの背後に『我が子を食らうサトゥルヌス』が浮かび上がっているのが妙に生々しくて、「料理漫画にあるまじきシーンだなぁ;」と唸ったのを覚えています(←当管理人は「サトゥルヌスは子どもを丸呑みした」とあらかじめ原作で読んでいた為、中学の頃最初にこの絵を見た際は「ちょ、ゴヤさん、これメチャクチャ噛み砕いてるじゃないですか!」と芸術性を解せず全力で突っ込んだものです;)。
カマキリのオスは必ずしも食べられるわけではないと知り、驚く弥生ちゃん達
 味噌やクリームチーズでシチューを作るとどうなるのか気になっていましたので、再現する事にしました。
 作中には絵付きで詳細なレシピがきっちり記載されていますので、早速その通りに作ってみようと思います!


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、“焼き鳥缶とゴボウの炊き込みご飯”作り。小鍋へ水、日本酒、麺つゆ、ささがきにしたゴボウ(水にはさらしません)、みじん切りにした油揚げ、たれ味の焼き鳥の缶詰を汁ごと投入し、中火にかけて煮詰めます。
 小鍋の中の汁気が段々飛び、具に調味料がしっかり染みたら火からおろし、粗熱を取ります。
焼き鳥缶とゴボウの炊き込みご飯クリームチーズみそシチュー1
焼き鳥缶とゴボウの炊き込みご飯クリームチーズみそシチュー2
焼き鳥缶とゴボウの炊き込みご飯クリームチーズみそシチュー3
 研いだお米が入っている炊飯器へ具の煮汁だけ加え、そこへ水を足して普通の水加減に調節したら具も全て加え、ボタンを押して炊飯します。
 炊きあがった後、底から持ち上げるようにざっくりと切り混ぜたら、“焼き鳥缶とゴボウの炊き込みご飯”は出来上がりです。
 ※うっかり具と一緒に煮汁を投入すると、ちょうどいい水加減ができなくておかゆみたいな炊きあがりになりますので、要注意です(←昔、うっかりこの失敗をやらかして泣く泣く食べきった経験がありますorz)。
焼き鳥缶とゴボウの炊き込みご飯クリームチーズみそシチュー4
焼き鳥缶とゴボウの炊き込みご飯クリームチーズみそシチュー5
焼き鳥缶とゴボウの炊き込みご飯クリームチーズみそシチュー6
 次は、“クリームチーズみそシチュー”。
 お湯を沸かした大鍋へ、コンソメキューブ、味噌、常温に戻したクリームチーズを投入し、クリームチーズがまんべんなく溶けるようよーくかき混ぜます(←ザルを使ってクリームチーズを溶き入れても、最初の内はどうしてもモロモロと分離しますが、時間をかけてじっくり火を通していたらその内溶けきるので大丈夫です)。
 ※味噌とクリームチーズは同時に入れるのが本式ですが、クリームチーズが完全に溶けてから入れた方が塩気の調整がしやすいように感じましたので、各々の好みのタイミングで入れちゃっていいのでは…と感じました。
焼き鳥缶とゴボウの炊き込みご飯クリームチーズみそシチュー7
焼き鳥缶とゴボウの炊き込みご飯クリームチーズみそシチュー8
焼き鳥缶とゴボウの炊き込みご飯クリームチーズみそシチュー9
 味見してお好みの塩気になったのを確認したら、拍子切りしたベーコン、くし型切りした玉ネギ、食べやすく切ったじゃがいも、少し小さめにゴロンと切ったにんじん、房ごとに切り分けたブロッコリー、石突きを切ってほぐしたしめじを加え、ゆっくり煮込みます。
 じゃがいもに串がスッと通るくらい柔らかくなったら一口大に切ったはんぺんも入れ、全体的に火が通ったら“クリームチーズみそシチュー”は準備OKです。
 ※クタクタに煮えたブロッコリーは個人的に好きなのですが、写真的には色が鮮やかな方がいいのかな?と思い、今回ははんぺんと同じタイミングで入れました;。あまり忠実でなくてすみません。
焼き鳥缶とゴボウの炊き込みご飯クリームチーズみそシチュー10
焼き鳥缶とゴボウの炊き込みご飯クリームチーズみそシチュー11
焼き鳥缶とゴボウの炊き込みご飯クリームチーズみそシチュー12
 炊き込みご飯は熱々の内にお茶碗へよそい、シチューは冷めにくいよう深めの器に移せば“焼き鳥缶とゴボウの炊き込みご飯&クリームチーズみそシチュー”の完成です!
焼き鳥缶とゴボウの炊き込みご飯クリームチーズみそシチュー13
 焼き鳥とごぼうの甘やかな香り、シチューから漂うチーズの艶めかしい湯気がお腹を刺激する為、空腹時にはたまりません;。
 焼き鳥缶の炊き込みご飯も、クリームチーズで作るシチューも初めてですので味の想像がつきませんが、おいしそうな予感を信じて突撃しようと思います!
焼き鳥缶とゴボウの炊き込みご飯クリームチーズみそシチュー14
 それでは、両方とも出来立ての内にいざ実食!
 いっただっきまーす。


 一番目は、“焼き鳥缶とゴボウの炊き込みご飯”。
 いただきま~すっ!
焼き鳥缶とゴボウの炊き込みご飯クリームチーズみそシチュー15
 さて、感想はといいますと…意外とこってりした濃い味わいでナイス!冷めても変わず美味なのがすごいです!
焼き鳥缶とゴボウの炊き込みご飯クリームチーズみそシチュー16
 焼き鳥缶特有の香ばしくて甘辛いタレの味と、ゴボウの土気を帯びた力強い風味をしっかり吸い込んだご飯が最高で、噛めば噛む程鶏の出汁で口の中が満たされていくのがよかったです。
 正直、焼き鳥缶の鶏肉は硬いコンビーフ状のパサパサした肉という感じであまりおいしくはなかったのですが、それを除けばほぼ完璧なバランスで味が決まっており唸りました。
 缶詰に入っていた旨味出汁と、油抜きしていない油揚げからたっぷり出たコクのある油分がご飯一粒一粒に染み込んで為、他の炊き込みご飯に比べるとピラフ風のパラリとした口当たりになっていて、意外とあっさりした後口なのが特徴的です。
 例えるとするなら「やや甘めに味付けした昔ながらのかしわめし」というイメージで、ゴボウのザクザクした歯応えがいいアクセントになっていました。


 二番目は、“クリームチーズみそシチュー”。
 いっただっきまーす!
焼き鳥缶とゴボウの炊き込みご飯クリームチーズみそシチュー17
 さて、感想はといいますと…シチューの素を使っていないのが信じられない程本格的な味で感動!味噌が違和感なく溶け込んでます!
焼き鳥缶とゴボウの炊き込みご飯クリームチーズみそシチュー18
 最初は「なんと乱暴な作り方…」と半信半疑でしたが、確かにクリームチーズを入れただけでホワイトソースをベースにしたようなトロトロと優しいとろみと、牛乳か生クリームを加えたかのようなまろやかなコクが効いており、まるで本物のシチューみたいでびっくりしました。
 同じ発酵食品同士だからか、クリームチーズのクリーミーな酸味と味噌の奥深い塩気は非常に相性がよく混然一体となっていて、洋風のようで和風のような不思議な美味しさに仕上がっています(←一口目は完全に乳製品の味わいなんですが、後から段々味噌独特の少し癖のある熟成された旨味が立ち上ぼってくる感じで、どこか懐かしい気持ちになりました)。
 例えるとするなら「味噌風味の濃厚チーズクリームシチュー」という印象で、チーズ味がガツンと舌を刺激してくるのが印象的です。
 どの具もホコホコに煮えてて美味でしたが、中でもはんぺんの淡雪みたいにフワフワシュワッとした柔らかい食感はクリーム味とよく合ってて、うっとりしました。


 どちらもおいしかったですが、クリームチーズを溶かす手間というネックさえなければシチューは定番メニュー化確定なくらい感動的な味で、時間がある時にまた作りたいな~と思いました。
 個人的に、はんぺんのふわふわ感は焼くよりも煮た方がより引き出せるな~と実感した再現でした。


P.S.
 “ハニーマスタードチキンWITHカレー”の非公開コメントにて励ましのお言葉とアドバイスを下さった一番目の無記名さん、二番目の無記名さん、センさん、ありがとうございました。当管理人もここ数年そのように心がけていたのですが、決してそんなつもりはないと意思表示したいがあまりにあのようなことになりました;。今後は、再度そのようにしていこうと思います。お気遣い、心より感謝いたします。

 あと、先日『華中華』の“秋茄子のカレー炒めチャーハン”記事にて一番目にご助言して下さった無記名さん、この度はありがとうございます。基本チャーハンと、それに具を足しただけのチャーハンは一見同じように見えますが、作って食べてみないと分からない味の違いがある為、毎回奥が深いな~と感じております(毎回その違いを書いているつもりだったんですが、当管理人の文章力がお粗末なせいでうまく伝わらなかったみたいで、本当にすみません;)。恐らく無記名さんと同じ想いの方は他にもいらっしゃると思うのですが、それとは正反対のお考えをなさる方や、次のチャーハン再現をご期待されている旨のコメントを残される方も多くいらっしゃいますので、『華中華』のチャーハン再現は続けていきたいと考えております。せっかくご助言して頂いたのに、活かす事が出来ず申し訳ございません。

 そして、『華中華』のカレーチャーハン記事にて四番目にコメントして下さった無記名さん、当ブログのチャーハン記事について大変分かりやすいご説明をして下さり、ありがとうございました。無記名さんのように仰って下さる方のご期待に添えるよう、頑張っていきます。


●出典)『まかない君』 西川魯介/白泉社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

『くーねるまるた』の“ハニーマスタードチキンWITHカレー”を再現!

 大学時代、「カレールーでカレーを作る場合は、箱の裏に書いてあるレシピ通りに作るのが一番おいしい」という情報をTVで初めて知った時はかなり衝撃で、「そんな…!隠し味を入れる作業はすごく楽しいのに…」と心の中で崩れ落ちたのを覚えています;。
 というのも、それまで当管理人はカレーの鍋を沸騰させた時のぼこぼこした泡を見るたび魔女の鍋を連想し、「ヘッヘッ、ねればねるほど色が変わって…」と好奇心を刺激されて色々隠し味を足すという実験を楽しむタイプだったのですが(←「そんなタイプはお前しかいない」と突っ込まれた事有;)、それでも懐の大きいカレーは毎回美味しく仕上がってくれた為、お手軽に実験気分を楽しめたからです。
 けれども、試しに箱通り作ると確かにオーソドックスな感じでおいしく、「何も加えず美味しいなら、それに越したことはない(´・ω・`)」と反省して箱を見ながら作る日々が続いていました。
 しかし、それから何年かたって再現料理で様々な成功隠し味を知って以来(こちらとかこちらとかこちらとかこちらとか…あ、でもこちらだけは失敗でしたのでご注意をorz)、「生クリームを仕上げに散らそう」→「チーズはトッピングにあるくらいだから、溶かして大丈夫なはず…」→「白味噌を溶かしてみよう!」と段々大胆になってきている為、隠し味派への復帰の日は近いです…;。

 どうも、時空を超えて「いや、それもう復帰してるよ!」という総ツッコミをヒシヒシと感じている当管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『くーねるまるた』にてマルタさんがカレー煎餅の袋を使って作った“ハニーマスタードチキンWITHカレー”です!
ハニーマスタードチキンWITHカレー図
 それは、初詣してしばらく経った頃の事(詳しくはこちら)。
 コタツの中で緑茶を飲みつつ食べるおやつを探しに、マルタさんはスーパーのお菓子コーナーへ足を運ぶのですが、そこで醤油煎餅を買うべきか、カレー煎餅を買うべきか、真剣に悩みます;。
 マルタさんが言うには、「カレー煎餅の弱点は、手が汚れること。読書をしながらつまむには、少し向いてなかったりなのですが…時々、無性に食べたくなります」との事で、思わず当管理人も「確かに!」と深く頷いてしまいました。
 煎餅のほとんどはティッシュで軽く拭くだけで汚れが気にならなくなるのに、カレー煎餅はスパイスと油が合体しているせいかちょっと拭くだけではなかなか汚れは落ちず匂いも残る為、確かに読書中には禁物のおやつだな~と、つい苦笑しました。

 「読書中、小腹がすいた時につまむおやつは一体何が最適なのか?」というのは、当管理人も日頃から気になっているテーマなのですが(←我ながらくだらないな~と思うのですが;)、ポッキーは軽すぎる・パンだと重すぎる・アイスは崩落が気になって集中できない・ポテチは本に油がつきやすいのが気になって諦めた為、未だ自分にとっての理想の読書おやつは見つかっておりません。
 一度、ポテチをお箸で食べると手が汚れないという情報を知った時は「これだ!」と思い、試してみた事もあったのですが、指だと全然気にならないのにお箸だと急にお行儀悪く思えて罪悪感が刺激されたり、何よりお箸を使いつつ本を読むのは案外難しいという致命的な弱点もあり、最終的にはとん挫しました;。
醤油煎餅にするべきか…カレー煎餅にするべきか…彼方立てれば此方が立たぬで悩みます;
 その後、散々悩んだ結果マルタさんは醤油煎餅を選んでレジに並ぶのですが、前に並んでいる人の買い物かごにカレールーや玉ネギが入っているのを見つけた途端、頭の中がカレー一色に染まってしまい、結局ダッシュで醤油煎餅をカレー煎餅へと取り換えに行っていました;。
 他の方のかごをみるのは、正直あまりよろしくない行為なのかもしれませんが、マルタさんのように自分が本当に食べたい物に気づけたり、おかげで買い忘れた物を思い出したり、「この店にはこういう商品もあるのか!」と新しい発見があったりと、結構参考になる事も多い為、読んでて激しく共感したものです。
 家に帰ったマルタさんは、やはり本を読みながらカレー煎餅をつまむのは躊躇したみたいで、三時のおやつタイムにのんびりお茶しながら食べていましたが、色々制限がありつつも十分至福そうな笑顔で、ほっこり癒されました(カレー煎餅は一枚一枚が分厚く食べでがある為、「夕食前に食べたら危険なのでは…」と初見時は心配していたのですが、調べてみると意外にも一枚41kcalとそこまで高カロリーではなかったので、安心しました;←以前、プチ歌舞伎揚げのカロリーにびっくらこいた事がありましたので…;)。
一旦醤油煎餅に心を決めたものの、前のお客さんのかごに入ってたカレールーのパックでノックアウト;
 それから数時間後、近所のお肉屋さんで特売されていた鶏もも肉とカレー煎餅の袋を使ってマルタさんが用意した夕食が、この“ハニーマスタードチキンWITHカレー”です!
 作り方はとても簡単で、カレー煎餅の空き袋へ切って塩こしょうした鶏もも肉を入れてシャカシャカ振って味付けし、オリーブ油をひいて熱したフライパンで両面を焼いて蜂蜜と粒マスタードを投入し、よく炒め合わせたら出来上がりです。
 ポイントは、鶏もも肉を焼く時は皮から焼いてパリッとさせることと、ひっくり返したらフタをして蒸し焼きにすることの二つだけで(←こうすると、焦げる事なくジューシーに仕上がるみたいです)、一見洒落ているのに料理初心者でも安心して作れる便利な料理だな~と、好感を抱いたものです。

 カレー煎餅をシャカシャカ振りながらついでに踊るマルタさんは、喜びの舞の時とは違い、スナップをきかせたノリノリダンス(←死語でしょうか…?)なのが妙に楽しそうで、見ていてほのぼのさせられます。
 ちなみに、熱の入ったシャカシャカの末に出来上がった“ハニーマスタードチキンWITHカレー”は、マルタさん曰く「ハチミツの甘味と、粒マスタードの酸味、少しジャンクなカレーの風味で夢見心地のおいしさ」に出来上がったみたいで、一口食べた途端満面の笑みを浮かべていました。
 こういう再利用レシピは見ていて清々しいので、個人的に嬉しかったエピソードでした。
マルタさん喜びの舞いバージョン3!千税袋を無心にシャカシャカしているマルタさんかわいいです
 最近、何故か近所でカレー煎餅を扱うお店が激減した為慌てて探していたのですが、先日やっと見つかったので再現する事にしました。
 作中には絵入りで大体のレシピがかかれてますので、早速その通りに作ってみようと思います!


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、鶏肉の下ごしらえ。鶏もも肉を食べやすく一口大に切ったら塩、こしょうを振って軽く味付けし、カレー煎餅の袋(煎餅は必ず取り出してから!)に入れてシャカシャカふります。
 この時、踊っても踊らなくてもOKですが、踊るとなんだか楽しいです。
 鶏もも肉全体にカレー風味がついたのを確認したら、準備OKです。

 ※正直、思ったよりもカレー煎餅の袋にはお粉が入っておらず、シャカシャカしても「…うーん」と頭を抱えたくなるくらいしか鶏肉につかなかった為、ちょっとズルしてカレー煎餅にせっせと直接鶏肉をすりつけて味付けしました;。煎餅はさすがにそのまま食べるのは怖いので、オーブントースターでこんがり焼いてから食べましたが、風味は変わらずおいしかったです。
ハニーマスタードチキンWITHカレー1
ハニーマスタードチキンWITHカレー2
ハニーマスタードチキンWITHカレー3
 次は、焼き作業。
 オリーブ油をひいて熱したフライパンへ先程の鶏肉を皮を下にして並べ、皮がカリッとしてきたら裏返してフタをし、蒸し焼きにします。
 鶏肉の中まで火が通ったら、蜂蜜と粒マスタード(液体状の黄色いマスタードも風味づけにプラスすると、尚旨し)を回しかけてよく混ぜ、鶏肉へ絡めるようにして炒めます。
ハニーマスタードチキンWITHカレー4
ハニーマスタードチキンWITHカレー5
ハニーマスタードチキンWITHカレー6
 肉汁と調味料がしっかり混ざってソース状になり、鶏肉にもまんべんなく絡んだら火からおろし、そのままお皿へ盛り付ければ“ハニーマスタードチキンWITHカレー”の完成です!
ハニーマスタードチキンWITHカレー7
 原作に載っている蜂蜜の量が結構大胆だった為、「どうなるかな?」とハラハラしていたのですが、出来てみるとちゃんとおいしそうに焼けていてほっとしました;。
 火が通った蜂蜜特有の艶めかしい香りが食欲を掻き立てますので、どういう味がするのか楽しみです!
ハニーマスタードチキンWITHカレー8
 それでは、熱々の内にいざ実食!
 いっただっきま~すっ!
ハニーマスタードチキンWITHカレー9


 さて、感想はといいますと…見た目によらず、おつまみ向けな味わいで美味し!洒落たレストランにいるような気分になれます!
 パリパリに焼き上がった香ばしい鶏皮をバリッと勢いよく噛み締めた途端、まず口に広がるのは蜂蜜のこっくり濃密な大人の甘さと、粒マスタードの香り高い酸味が混然となったソースの味で、意外にもカレーの香りは最後にフワリと漂うに留まっている感じでびっくりしました。
 どちらかと言えばカレー粉は主役というより、ハニーマスタードソースの夢のように甘やかな後口を本格的なスパイシー風味でキリッと引き締め、だれないようにする名脇役というイメージで、ある意味絶妙なさじ加減だな~と感心しました。
 正直、レシピの分量だとかなり甘々になりそうだと最初は怖かったんですが、火を通したり他の調味料を合わせたせいか、ガツンとパンチがきいた甘味ではあるものの上白糖みたいにストレートにくる甘さではなく、みりんや三温糖のように静かに訴えかけてくるコクのある甘さだった為、塩味と全く反発する事なく融合していたのがよかったです←例えるとするなら、「洋風蜂蜜の照り焼き」というべき美味しさでした)。
 ねっとりつややかな甘ダレに、あられみたいにサクサクした煎餅の破片のアクセントが心地よく、なかなか完成度が高い一品だと思います。


 カレー風味なのにカレーの香りがガツンと来ない料理は初めてで、驚きました;。
 マルタさんの言う通り、刻んでサンドイッチの具にしたらかなり美味しそうですので、今度試してみようと思います。


P.S.
 コメント欄にて御礼のコメントを下さる皆様、誠にありがとうございます。
 当管理人にとっては過分なお言葉ばかりで、毎回恐縮しております。
 皆様のご厚意に恥じないよう、精進していきます。

 あと、ファンデーションさん。先日は非公開コメント欄にてご指摘して下さり、ありがとうございます。
 あのスパイスの組み合わせは自力で考えた物ではなく、『華中華』16巻にて細かく明記されていた全二十種類を、そのままご用意させて頂きました(基本的に、当ブログにて再現する料理は、原則作中に明記してある物だけで作るようにしております。どうしても想像で補う必要がある時は、複数の料理サイトやレシピ本、知人や身内の意見を参考にし、独自に手を加えた組み合わせで調理するようにしていますが、ご指摘された再現料理は想像で補う必要がなかった為、そのままのレシピで作りました)。
 その作品は現在手元にない為、該当する箇所はまだ確認しておりませんが、念の為自力で調べてみようと思います。
 私と致しましては、当ブログにて再現させて頂いた漫画・小説・アニメ・児童書の料理は全て各原作者様が知識と想像力を駆使して作り上げた唯一無二の著作物で、当管理人はあくまで「その著作物を使ってありがたくお料理させて頂いている一ファン」に過ぎず、「当ブログにて頂く再現料理に対するお褒めのお言葉の大部分は、各原作者様に向けられているもので、当管理人はそのお言葉を仲介する末端の代理人に過ぎない」と考えております。
 ですので、当ブログで頂く好評価をさも自分の実力かのように勘違いしているという印象を皆様に与え、ご不快な気持ちにさせてしまわぬよう、極力心がけてブログ運営をしてきたつもりでしたが、本当にそのつもりでしかなかった事を痛感させられ、深く反省しております。
 以後はさらに気をつけてブログ運営を続け、上記のような自己認識を持って記事を作成しているという事実を皆様にご認識頂けるよう、尽力していく所存です。
 ご連絡感謝いたします。


●出典)『くーねるまるた』 高尾じんぐ/小学館
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

『クッキングパパ』の“フルーツ春巻き”を再現!

 最近、ヨーグルッペを製造している会社から出ているスコールという商品を探していたのですが、先日あるお店でやっと発見しました(←父母はヨーグルッペを知りませんが、何故かスコールは知ってました;)。
 飲んでみると、シュワっと微炭酸で少しカルピスソーダに似た乳酸飲料なんですが(←しかし、カルピスよりも登場は早かったそうです)、蜂蜜が入っているせいかどこか懐かしい甘さで若干とろみがあり、冷やして飲むと癖になる美味しさでした。
 CM風に例えるなら、清純派女優が「初恋のような味」とコスモス畑で微笑みながら宣伝してそうなイメージで、コメント欄にてご情報を下さった方に、改めて感謝です。

 どうも、小学一年の頃に体験した初恋のピークは、ホワイトデーにお返しをもらった時だった当管理人・あんこです(←ちなみに、人外の初恋相手はスナフキンだったような気がします。帰ってくるのを家で待ってるとか、一緒に旅に行きたいとか思ったものでしたが、今ではとてもそんなガッツはありません;)。


 本日再現する漫画料理は、『クッキングパパ』にて荒岩主任とまこと君が協力し合ってさなえちゃんの為に作った“フルーツ春巻き”です!
フルーツ春巻き図
 それは、まこと君がまだ小学三年生だった頃の事。
 自転車で転んで怪我している所を助けて以来仲良くなり、遂にはラブレターで想いを伝えられて両思いになったマドンナ的美少女・さなえちゃんが、夏休みのある日一人で留守番していたまこと君の元を訪ねてきます。
 実はこの年の春、まこと君はお花見でえっちゃんにじゃれつかれて拒否できずにいた所を、偶然さなえちゃんに目撃されてからずっと気まずいムードになっており←えっちゃんは見ていてまぶしいくらい「好き!」というアピールをストレートに出来るのですが、さなえちゃんは奥手なせいか今一つ控え目な表現な上、どうしても後手に回る感じでしたので、見ている側としては非常に焦れてしまったものです;)、少し疎遠になっていたのですが、思いがけず家に来てくれてすっかり気が動転し、混乱しつつも何と言わなくてはと必死に言葉を探します。

 しかし、それよりも早くさなえちゃんが先に口を開いて衝撃的な告白をした為、まこと君は完全に呆然としてしまいます。
 その告白とは、「引っ越すことになったの…夏休みの間に転校するの」「(引っ越し先は)東京」「今日の夕方の飛行機で…」という、あまりにも急すぎる内容。
 やっと会えたと思ったのにあんまりな展開にまこと君は実感がわかず、頭真っ白ポカーン状態で「ふーん」「さよならー」と一見素っ気ない対応を取ってしまうのですが(←その様子を見て、「寂しいのは私だけなのかな?」と言いたげな悲しい表情をしていたのがリアルで、幼いが故のすれ違いっぷりが何とも胸に来ます)、さなえちゃんがゆっくり遠ざかっていくのを見てようやく我に返って追いかけ、苦し紛れに「そ、そうだ、食べ物はなにが好き?」と聞き、戸惑うさなえちゃんから「ケーキとか…クッキーとか…お菓子好きよ…」という答えをもらって、すぐ家へ戻っていってました。
東京の学校へ転校する事になり、引っ越し当日にお別れを言いにわざわざ来てくれます。
 この時、家に飛び込むなりまこと君は会社にいる荒岩主任に「ゴメンネ仕事中に」と気を使いながら電話をかけ、顔をぐしゃぐしゃにして大泣きしながら「とうちゃん…おっおがじのづくりがだおじえで~」と懇願しており、普段全く手のかからない息子の取り乱しようにさすがの荒岩主任も仰天していました;。
 大人になって行きたい場所へ自由に行き来できるようになり、誰とでも好きなだけ電話で話せるようになった現在、まこと君が抱いた絶望的な気持ちはもはや過去の自分でしか推し量れなくなっていて切ないのですが、当管理人自身、小学校時代は引っ越した友達とは手紙が何通か届いた後消息が途絶える経験を何度かしている為、自分ではどうにもできないもどかしさと哀しさで胸がいっぱいになり、涙を流さずにはいられなかったまこと君の気持ちは、朧気ながら分かるような気がします。

 今でこそ時代はインターネット全盛期で、小学生でもスマホやパソコンさえあればSNS・LINE・Skypeなどで瞬時に繋がる事が出来、離れていても気軽に交流する事が可能になっていますが、通信手段が限られていた昭和生まれの小学生にとって友達の引っ越しは「=永遠の別れとほぼ同一」でもありましたので、何かせずにはいられなかったんだろうな~とほろ苦い気持ちになったのを覚えています。
 このエピソードを読むと、親や大人の都合が絶対で、頭上に目には見えない分厚い壁があるような感じで息苦しく、何とも言えない焦燥感を持て余していた少女時代の自分を思い出し、甘酸っぱい心境になります;。
辛くて、でもすぐに行動したくて、まこと君は泣きながら荒岩主任に電話をかけます
 その後、泣き続けるまこと君を宥めてあらかたの事情を知った荒岩主任は大急ぎで仕事を終わらせて早退し、猛スピードで帰宅します。
 時間は四時半ちょっと過ぎで飛行機出発まで約一時間半、買い物に行く時間も凝った仕込みをする時間もなく、冷蔵庫を見ながらどうするべきか思案するのですが、中に春巻きの皮があったのを発見した荒岩主任はピンと閃き、すぐさままこと君と一緒にお菓子作りに取り掛かっていました。
 その際、荒岩主任が思いついたお菓子が、この“フルーツ春巻き”です!
 作り方は結構簡単で、春巻きの皮へ「りんご・チーズ・蜂蜜」、「バナナ・塩」、「黄桃・チーズ・ラム酒に漬けたレーズン」の組み合わせでそれぞれ具を乗せてくるくる巻き、160度の油でパリッとするまで揚げたら出来上がりです。

 ポイントは、具の全てを細長く切って巻きやすいサイズにすることと、りんごとバナナは塩水に浸けて変色を防ぐことの二つくらいで、慣れれば短時間で用意できるのが強みの即席デザートです。
 荒岩主任曰く、冷蔵庫でひんやり冷やしてもイケるとの事ですが、初めて読んだ時から味の想像がつかなかった料理の一つでもあります;。
 調べた所、中国には春巻きの皮に甘いカスタードや果物を巻いてあげた 「鮮奶皇捲」というデザートがあるという事で、決して合わない組み合わせではないと知り、俄然興味が湧いたものです。
時間が迫っていて、下ごしらえも買い出しもできず何を作るか迷う荒岩主任
 こうして、どうにか時間内に作り終えたまこと君は荒岩主任に連れられてタクシーで空港へ行き(←いいお父さんです…)、幸運にもお父さんに手をひかれてゲートをくぐる直前だったさなえちゃんに出会え、無事キレイにラッピングした“フルーツ春巻き”を手渡す事に成功していました。
 その時は驚いて無言で固まっていたさなえちゃんですが、飛行機に乗り込んで席に座るなり恐る恐る箱を開け、まだ出来立てほやほやで温かい“フルーツ春巻き”を目にした途端、一気に嬉しさが溢れて「まことくんが作ってくれたのーっ!!」とお父さんへ涙ぐみながら言っていました。

 おかげで、それまでのわだかまりがなくなったさなえちゃんは三日後まこと君へ「とってもおいしかったです」「文通しよう」という内容の手紙を出し、まこと君を大喜びさせていました。
 一見か細くて頼りない繋がりですが、この文通は何年も続いて二人を少しずつ確実に結び付け、最終的には大学時代本格的に付き合う関係にまで行き着いていますので、今思えばこの時がまこと君とさなえちゃんの重要なターニングポイントだったんだな~と感慨深くなりました。
限られた時間の中、まこと君がお菓子を作って持ってきてくれたことに感動したさなえちゃん
 うえやまとち先生が別の作品でおっしゃっていたのですが、このお話は「少しだけ余裕が出てきたかな。コマ割りや構成での楽しさを味わえた一話です。まことの表情変化が好きです」という思い入れがおありだとの事で、何だかそれが心に残っていた当管理人は、前から是非再現してみたいと考えておりました。
 作中には詳細なレシピがきっちり記載されていることですし、早速その通りに作ってみようと思います!


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、材料の下準備。りんごは皮を剥いて種を取った後幅五センチくらいの拍子切り、バナナは半分に切って縦に四つ割り切りにしたら、別々に用意した塩水入りのボウルへ浸けて変色を防ぎ、後でしっかり水気を拭き取っておきます(←バナナに限って言えば、塩水よりもレモン汁をかけるだけの方が効果的ですので、お好みでそちらの方にしても大丈夫です)。
 黄桃のシロップ漬けとプロセスチーズも同様に縦長サイズに切り、レーズンはラム酒に漬けて柔らかく戻しておきます。
 ※りんごとバナナは表面に塩水がしみるだけで充分ですので、五分くらいつけたら引き上げてOKです。
フルーツ春巻き1
フルーツ春巻き2
フルーツ春巻き3
 次は、春巻き作り。
 春巻きの皮の下の方へ、りんご・チーズ・蜂蜜、バナナ・塩、黄桃・チーズ・レーズンの組み合わせでそれぞれ乗せ、縁に小麦粉で濃いめに溶いた水をノリ代わりにつけながらクルクルと巻きこみ、角をしっかり止めます。
 ※水気の多い具がほとんどで、時間を置くと春巻きの皮がふやけて穴が開く原因になりますので、包んだら手早くさっと揚げる事をお勧めします。
フルーツ春巻き4
フルーツ春巻き5
フルーツ春巻き6
 すべての春巻きを巻き終えたら、160度とやや低めに設定して中火にかけた油へ投入し(←一度に入れ過ぎると温度が下がりますので、二~三本ずつがいいです)、表面がうっすらきつね色になって皮がパリッとしてくるまで数分揚げます。
フルーツ春巻き7
フルーツ春巻き8
フルーツ春巻き9
 揚がったらキッチンペーパーでよく油をきって器に盛り付け、仕上げに粉砂糖を振りかければ“フルーツ春巻き”の完成です!
 ※本当は揚げた直後に粉砂糖をかけるのが正式なレシピなんですが、それだと少し溶けてベトッとした感じになって食べにくくなりましたので、当管理人のようにそういう事が気になる方は、食べる直前に粉砂糖をふって食べる事をおすすめします。
フルーツ春巻き10
 正直、見た目はやや地味目ですが、揚げた春巻きの皮から漂う香ばしい香りと、バナナのフルーティーな風味が胃袋を刺激する感じで最高です。
 甘い春巻きを食べるのは初めてですので想像がつきませんが、荒岩主任を信じて食べてみようと思います!
フルーツ春巻き11
 それでは、冷めない内にいざ実食!
 いただきま~すっ!


 さて、感想はといいますと…アジア系の屋台菓子っぽくて美味し!出来立てでも冷めても、軽い歯触りのままナイスです!
 噛み締める度、「サクサク」「パリッパリン」「カリッザクッ」とあっけなく粉々に砕けていく春巻の皮から、熱々になって甘味がぐっと増したフルーツとチーズがドロリと溢れ、口の中で徐々に一体化していくのがいい感じで、パイや揚げ餅みたいな香ばしさがたまりません。
 当初は「甘い春巻き?」と今一つピンときませんでしたが、実際に食べると熱する事によってホロリと柔らかく、風味がより濃厚になったフルーツは冷たい生のデザートとはまた違った良さがあり、体が少し温まるのにほんわかしました。 

 バナナの場合は、トロトロに溶けて半ペースト状になったバナナと、春巻きのカリカリした極薄の皮がいい対比になっており、シンプルながらも王道な美味しさになっていました。
 ほのかに振りかけた塩が、甘さを引き立てています。
 「南国風揚げバナナ入り春巻き」という印象で、揚げてホクホク感が出たせいか、不思議と蒸した芋っぽさを思わせる味わいで面白かったです。
フルーツ春巻き12

 りんご&チーズの場合は、フレッシュさを保ったまましっとりシャグッと煮えたような感じに仕上がったりんごと、蜂蜜のねっとり奥行きのある甘さの組み合わせがまるで「揚げハニーアップルパイ」というようなイメージで、ちょっと洋風だな~と感じました。
 チーズの強い塩気が、りんごのジューシーな果汁を果汁を引き立てています(←りんごのチーズケーキ風?というような旨さでした)。
フルーツ春巻き13

 黄桃&レーズンの場合は、シロップ漬けになってしっかり甘くとろけるような口当たりの黄桃に、ラム酒の上品で熟成された香りが染みた甘酸っぱいレーズンが加わる事によって深みがでて、大人の一品になっています。
 おしるこに入れる塩みたいに、チーズの塩味が全体の輪郭をくっきり浮き立たせているのもよく、昔はよくあった組み合わせのせいか、古き良き昭和の味だと感じました;。
フルーツ春巻き14


 予想していたよりもチーズのサポートっぷりが優秀で、感心しました(そういえば、過去に こういう組み合わせをチャレンジしたこともありました;)。
 入れるフルーツや組み合わせによっては意外な発見がありそうですので、色々試してみたいデザートです。


P.S.
 椅子さん、名無しさん、先日はコメント欄にてご質問して下さり、ありがとうございます。
 椅子さんから頂いたご質問ですが、あれはドラゴンボールの「もうちっとだけ続くんじゃ」にあやかりたいと思って書いた言葉で、実際は「何だかんだ言いつつ長く続く…そんなブログでありたいな~」と思い、あんな書き方をしました(紛らわしくてすみません;)。もし、将来出産やそれに比例する一大事があった場合はさすがにしばらくお休みを頂くと思いますが、そうでない限りは当ブログのお経並に長い文章のように延々と続けるつもりですので、ご縁がありましたらまたお越し下さりますと幸いです。
 名無しさんから頂いたご質問ですが、当管理人が使ったチーズはスーパーでよく安売りされているピザ用ミックスチーズ・「マリンフード やわらかミックス コレステロール50%カット」ですが、少なくともそちらだとざらつきなく仕上がりました(何故かメーカー様のサイトにはこの商品が紹介されていませんでしたので、やむなく商品名だけお知らせいたします)。作中では「とろけるチーズ」と明記されていた為そのように記載されて頂きましたが、レシピに描かれていたチーズの絵はむしろピザ用ミックスチーズと説明した方が分かりやすそうな形状だと感じましたので、記事により詳しく表記しようと思います。ご指摘ありがとうございます。しかし、もし、ピザ用ミックスチーズを使った上のざらつきでしたら、大変申し訳ございませんが、素人の当管理人には一体何が原因だったのか判別できないというのが実情です。芝田先生のようなプロの方の知識もなく、ただ再現するだけの身ゆえお力になれず申し訳ございません。恐れ入りますが、ご了承頂けますと幸いです。

●出典)『クッキングパパ』 うえやまとち/講談社
●参考資料)『クッキングパパセレクション』 うえやまとち/講談社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

プロフィール

あんこ

Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
 …『銀の匙』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『スイーツ本部長一ノ瀬櫂』
 …『旅のグ(2)月は知っていた』
 …『テルマエ・ロマエ』
 …『土曜日ランチ!』
 …『BAR・レモンハート』
 …『百姓貴族』
 …『ぶたぶた』シリーズ
 …『ベーグル食べない?~幸せカフェごはん~』
 …『飯盛り侍』
 …『夢色パティシエール』


○当ブログについて
 このブログで使用されている記事の画像、一部文章は、それぞれの出版物等から引用しております。
 引用物の著作権は全て作者様、出版社様等に準拠致します。
 もしご関係者様に問題のある画像及び記事がございましたら、御連絡頂ければ速やかに修正、削除等の対処を致します。

○お知らせ
・当ブログでは作品のネタバレを含んだレビューも同時に行なっておりますので、作品を未見の方はご注意をお願いいたします。
・各作品に掲載されているレシピの分量は、例外なく全て非公開にする方針を取っておりますので、ご了承の程をお願いいたします(←この件についてご質問頂いた場合、誠に失礼ながら下記の理由でご返信しない方針にしております)。

※現在、公私の多忙と、再現記事のペース維持を理由に、コメント欄へのご返信が出来ない状態が続いております。
 こういう場合、コメント欄は停止するべきなのかもしれませんが、励ましのお言葉やアドバイスを頂く度、ブログのモチベーションアップや心の支えとなったこと、そして率直なご意見や情報を聞けてとても嬉しかったこともあり、誠に自分勝手ながらこのままコメント欄は継続する事に致しました。
 図々しい姿勢で恐縮ですが、ご返信をこまめに出来なくて余裕がある分、ブログ内容を充実&長期的に続けられるよう力をいれる事で皆様のご厚意にお応えし、感謝の気持ちをお返ししていきたいと考えております。
※ただ、ご質問を頂いた際はなるべくお力になれるよう、すぐご返答できるように対処致します。

 応援して下さる方々に少しでも楽しんでご利用して頂けるよう、沢山の作品に触れるちょっとしたきっかけになれるよう、これまで以上に心掛けていきます。
 恐れ入りますが、よろしくお願い致します。

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