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『ミスター味っ子 幕末編』の“鳥天茶漬け風透明スープカレー”を再現!

 最近、炭水化物の塊のようなカニクリームコロッケ寿司という物を恐る恐る食べたのですが、ゲテモノどころか案外いけてて拍子抜けしました。
 中のベシャメルソースとご飯が合わさると、一瞬カニクリームドリアっぽい味に変化する感じで、正当派とは言えないものの変り種としてだったらありだと思いました(←酢飯のお酢が後味をさっぱりさせるという嬉しいおまけつき)。
 ただ、これは天ぷら寿司にもいえることですが食べにくさ&確実に途中で分解するという弱点には閉口しており、何かいい案はないのかな~と考えてます。

 どうも、「塩っ辛いから絶対体に悪そうだけど、好きだから本望!」と思って昔からお寿司屋に行く度大量に食べ続けていたイクラが、実はアンチエイジングや中性脂肪低下にいいと知って肩透かしをくらったような気持ちになっている当ブログの管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『ミスター味っ子 幕末編』にてタイムスリップしていた一馬君が幕末時代の食材を駆使して作った“鳥天茶漬け風透明スープカレー”です!
堺一馬特製鳥天茶漬け風透明スープカレー図
 前回以来、勝さんに強い食欲が湧き上がるたびに幕末時代へタイムスリップするようになった陽一君ですが、何度も時を越えていく内に「何だかもうコレ…飽きちゃったな」とやり尽くしたゲームのような感想を述べており、タフだな~と思いました。
 タイムスリップ先で料理の腕を活かす主人公といえば『信長のシェフ』のケンさんを思い出しますが、「俺がこの時代にかかわる事で、生きるべき人が死んでしまう…そんな事が無いと言い切れるか…?」「歴史が変わる可能性があるのだろうか!?」など、自分の一挙一動が歴史を変えてしまう可能性について真剣に悩むケンさんに対し、陽一君はタイムスリップをものすご~くリアルな夢扱いしているせいかそこまで深刻に考えておらず、「オレたちの料理がまたまた日本の危機を救っちまったぜ!!」と実にあっけらかんと歴史に関与しまくっており、見ているこちらがヒヤヒヤします;←現実の歴史に影響を及ぼして教科書の内容が変更になりかけてもこんな感じで、この頑ななまでの鈍さは「鈍感すぎてヒロイン達の好意に気付かないハーレム漫画の主人公」に通じる物があると感じました)。

 そんなこんなで、陽一君が幕末シュミレーションゲーム感覚でタイムスリップを受け入れるようになった矢先、とんでもない大物が勝さんと陽一君の前に現れます。
 その人物とは、坂本龍馬
 この時はまだ一介の脱藩浪士に過ぎませんでしたが、「日本が四方を海に囲まれた島国ってことは海を通じて世界中と繋がってるってことじゃないですか!!だったらこんな小さな島国を飛び出して世界中に出ていけばいいんですよ!!」 「俺の夢は自分の船を手に入れて世界中の海を巡ることなんです!!」というスケールの大きい夢を抱いており、その夢の足がかりとして勝さんに近づいた事が作中で語られていました(←一瞬、アニメ版『ワンピース』のOPにあった「男たちはグランドラインを目指し、夢を追い続ける。世はまさに、大海賊時代!」というナレーションを思い出しました;。となると、龍馬さんはさしづめ和製ルフィといった所でしょうか?東の海を出るどころか、アーロンと出会う前あたりで暗殺されて終わりという打ち切りエンドにはなってしまいますが…)。
 これまで創作物で描かれていた「坂本龍馬像」は、豪放磊落かつ無邪気な性格で人懐っこく、出来る限り人を殺したがらない平和主義者という明るい物がほとんどでしたが、『ミスター味っ子 幕末編』では人がいい性格はそのままなものの、内戦状態になった日本に武器を大量に輸出するというビジネスプランを実現する為なら、外国人排斥運動で自身が危険に晒されてもやむなしと考える生粋の武器商人・トーマス=グラバーと裏で手を組み、「わしにもあんたにも野望がある。その夢のためなら多少の犠牲は仕方ないのォ」と割り切って暗躍する一人の冷徹な志士として描かれており、これはこれでいい味を出しているな~と思っています。
世間の純真無垢な坂本龍馬像とは一味違った造形が魅力的
 この時、龍馬さんが「オレと勝負しましょう!!それで勝先生が参ったをしたらオレの手下になって下さい!!」「料理勝負です!!勝先生が今まで食べたどんなものより旨いもんを出したら、オレの勝ちってのはどうです!?」と言って連れて来ていたのが、何と堺一馬君!
 どういう経緯でタイムスリップしたのかは全く明かされていませんでしたが、幕末時代にやって来ても一馬君は一馬君で、「お前がもっとすごい料理を作らんかぎり勝海舟は龍馬はんの手下や!!」と一方的に勝負を持ちかけていました。
 作中の説明や史実から察するに、この頃龍馬さんは既にトーマス=グラバーを通じてイギリスや豪商達の後ろ盾を間接的にしろ受けており、一見質素な見た目からは想像できないほど資金には困っていない身の上だったようですので、タイムスリップ先でも相変わらず一馬君はお金持ちのパトロンに困らない幸運の持ち主なんだな~と苦笑しました。
 史実によりますと、龍馬さんは食べる事よりも飲む事の方が大好きな酒豪だったようで、残っている手紙などの資料には食べ物について書かれている部分は皆無だった模様(←坂本龍馬を身近で見て知っていた地元の人々から、綿密な聞き取りをして執筆した小説家・田中貢太郎氏によりますと、実際は橙のお酢をかけた鯖のお刺身が唯一好物といえる食べ物だったみたいです)。
 ですので、一馬君は一体どうやって龍馬さんに美味しい食べ物の力を示し、協力する事になったのか非常に気になる所なのですが、残念ながら不明のままです…(←どっちにしろ、一馬君もタイムスリップを夢だと思ってのびのび過ごしているのは陽一君と共通しています。やっぱり似た者同士ですね;)。
何と、幕末にタイムスリップしたのは堺一馬君も同じでした!
 その際、一馬君が陽一君と勝さんに出したのが、この“鳥天茶漬け風透明スープカレー”!
 パッと見はごく普通の鳥天茶漬けで、大概の美味な物を食べ尽くしていた勝さんは「どんな変わった料理が出てくるかと期待したが…これじゃオレの食指は動かんなー」と余裕の表情を見せるのですが、一口食べた途端「辛ェーーーッ!!!」と大絶叫!
 それもそのはず、一見ただの和風出汁に見えたのは実は軍鶏落とし(←闘鶏用の軍鶏と鶏をかけ合わせた鶏肉)で取ったスープに山程の唐辛子や数え切れない程の薬味や香草を煮出した特製スープで、「こりゃ辛ェ!!!ハンパなく辛ェ!!!」「けど旨ェ!!!もんのすごく旨ェぞ!!!」と勝さんが思わず絶叫する味に仕立てていました。
 いわゆるブイヨンスープの一種だと推測されますが、和食に合うよう洋風の食材だけで揃えず、日本ならではの野菜やハーブも使用しているらしいのが斬新なアイディアで、どんな風味になるのか想像もできません。
 その割に目立って多量に使われているスパイスはたったの三種類で、スープに入っている唐辛子・ご飯に炊き込んでいるターメリック・鳥天の衣に仕込まれているクミンだけで、勝さん曰く「香りと風味のお祭り騒ぎ」だと例えられていました。
 青いカレー白いカレー紫色のカレーピンク色のカレーなど、今まで様々な色をしたカレーを見てきましたが、ここにきてまさかの透明度を追求したカレー…やはり天才の発想は凡人の予想を遥かに凌駕するな~と改めて実感します。
数え切れないほどの薬味や香草、トウガラシが入った激辛スープご飯にはウコン=ターメリック、鳥天の衣はウマゼリの実=クミンが混ぜ込まれています
 鳥天・スープ・ご飯の味わいはそれぞれ別々でも、口の中で合わさるとあっという間にスープカレーが再現されると陽一君は驚愕しており、「江戸時代だけじゃない!!現代の僕らの時代にだって、こんな絶妙のバランスを使ったカレーを作れるやつなんてそうはいない!!!」とその実力を認めていました。
 どうしてわざわざこんな手の込んだことをしてスパイスを分けたのか初見時は気になってましたが、陽一君の推理によると「カレーなんか食べたことがない江戸時代の人でも無理なく食べれる工夫」だろうとの事で、前作『ミスター味っ子』のピザ対決でチーズを使い分けた頃と同じく料理に細心の心配りをしているんだな~とほっこりしました。
 正直、食に対する好奇心が旺盛な勝さんなら現代のカレーでもためらいなく食べてくれていたと思うのですが、世の中にはカレーを初めて見るなり「オソマ…」と物騒な顔をして呟くアイヌの美少女もいる事ですし、万全を期したんだろうなと思います。
 アニメで「カレーの天才」と称されていた一馬君ですが、その面目躍如な一品です。
堺一馬特製鳥天茶漬け風透明スープカレー図その2
 どういう味がするのか大分前から気になって仕方がなかった料理で、カレーの天才でもなんでもない自分では完璧な再現は難しいと自覚はしつつ、どうしても挑戦したくて再現する事にしました。
 作中には大体の手順と材料が明記されているものの、詳細な材料が不明な部分があるので多分に想像が混ざったレシピになりますが、心にルネッサンス情熱を忘れず作ってみようと思います!


 ということで、レッツ再現調理!
 まずは、鳥スープ作り。
 鶏がらは流水に通しながら血合いや汚れをしっかり取り除いた後ぶつ切りにし、水と一緒にお鍋に入れて強火にかけ、塩を少し加えて沸騰させます(←普通の鶏ガラでも良いですが、軍鶏か地鶏のガラの方がおすすめです)。
 ぐらぐらに沸いてきたら中弱火にして約二~三十分ほど煮込み、その間アクを小まめに取り出していきます。
 段々アクが出なくなってきたら、幕末時代にも食用・観賞用・薬用などで既に存在していた野菜であるにんじん、三つ葉、セロリ、パセリ、生姜、長ネギ、にんにくをブツ切りにした物を投入し、さらに煮ます。
鳥天茶漬け風透明スープカレー1
鳥天茶漬け風透明スープカレー2
鳥天茶漬け風透明スープカレー3
 約三十分程経過して野菜が煮えてきたら、同じく幕末時代に料理の薬味&体にいい薬草(=ハーブ)扱いで使用されていた黒胡椒、唐辛子、シナモン、ローズマリー、カルダモン、マジョラム、コリアンダー、クローブのホールタイプ、山椒のパウダータイプを加えます。
 全ての薬味を入れ終えたら極弱火にし、約二時間かけてじっくり煮込みます。
※意外ですが、上記の薬味や薬草は江戸時代でも活躍していたそうで、調べて驚きました。胡椒はご飯やうどんの薬味にされたり、シナモンは利休あえ大根の材料にされたり、コリアンダーはお寿司の薬味に使われたり、クローブは油に香りを溶かしこみ日常的に使用されていたり、他の薬草は漢方薬系の用途で使われていたりと結構多用されており、びっくりです。
鳥天茶漬け風透明スープカレー4
鳥天茶漬け風透明スープカレー5
鳥天茶漬け風透明スープカレー6
 時間が経ち、スープに素材の旨味や香りがしっかり溶け込んだのを確認したら火からおろし、調理用ガーゼを敷いたザルで漉したら鳥スープの出来上がりです!
 当管理人の力量不足により、「真ッ透明!」といいたくなるような澄んだスープにはなりませんでしたが;、お玉ですくったらギリギリ底が見えるくらいには澄んでいましたので一見ではカレースープと分からず、感心したものです。
鳥天茶漬け風透明スープカレー7
鳥天茶漬け風透明スープカレー8
 次は、ターメリックライス作り。
 炊飯器へ研いだお米、お水、パウダータイプのターメリックを入れて約一時間ほど水を吸わせ、そのまま普通に炊きます。
 炊き上がったらしゃもじで切るようにして混ぜ、しばらく蒸らします。
鳥天茶漬け風透明スープカレー9
鳥天茶漬け風透明スープカレー10
 今度は、鳥の天ぷら作り。
 軍鶏と福岡の鶏の血統を合わせた一種の軍鶏落とし・はかた地どりの胸肉を用意し、余分な黄色い脂肪を切り取ったら一口大のサイズの斜め切りにしておきます。
 その間、ボウルへ薄力粉、片栗粉、お水、氷、お酢を入れてさっくりかき混ぜ、パウダータイプのクミンをたっぷり加えて特製天ぷら衣を準備します(←お酢を入れると時間が経ってもサクッとした衣になります。お酢がない時はマヨネーズでもOKです)。
鳥天茶漬け風透明スープカレー11
鳥天茶漬け風透明スープカレー12
鳥天茶漬け風透明スープカレー13
 洗った後しっかり水気をふき取って裏側だけに薄力粉をはたいた青ジソ、全体に薄く薄力粉をまぶした鳥の胸肉に先程の衣をつけ、高温の油でカラッとするまで揚げます(←青ジソは裏側だけに衣をつけ、表側にはつけません)。
 揚がったらキッチンペーパーに引き上げ、余計な油分をきっておきます。
鳥天茶漬け風透明スープカレー14
鳥天茶漬け風透明スープカレー15
鳥天茶漬け風透明スープカレー16
 丼器に炊きたてのターメリックライスをよそい、その上へ揚げたての鳥の天ぷらと青ジソの天ぷらを盛り付け、傍らに熱々の鳥スープを入れた器を添えれば“鳥天茶漬け風透明スープカレー”の完成です!
鳥天茶漬け風透明スープカレー17
 この時点でもうカレーっぽい香りが部屋中に充満しており、とてもただの鳥天茶漬けとは思えませんでした;(←帰宅してきた夫も「玄関までカレーの匂いがしてきたけど~?」と不思議そうに言ったくらいです)。
 ターメリックライスはともかく、ハーブたっぷりの鳥スープもクミン入りの鳥の天ぷらも初めての経験な為、一体どんな味になるのか、色んな意味でドキドキします。
鳥天茶漬け風透明スープカレー18
鳥天茶漬け風透明スープカレー19
 それでは、鳥スープを回しかけていざ実食!
 いっただっきま~すっ!
鳥天茶漬け風透明スープカレー20


 さて、味ですが…天茶仕立てなのに、味の密度が和食とは全く異質な濃さでびっくり!それぞれ単品でもいけますが、全部一緒にすると何十倍にも旨さが増幅し、立体的な重ね絵のようなメリハリが生まれます!
鳥天茶漬け風透明スープカレー21
 鳥スープは重要なスパイスなしでもちゃんとカレーに似た風味のピリ辛スープになっており、一口飲むだけで大量の薬味やスパイスが舌の上で花畑のように次々と溢れ返らんばかりに開花する、地味な見た目からは想像もつかない程艶やかな仕上がりが特徴的。
 調味料は塩のみなので淡白な味付けですが、鳥の滋味深い旨味エキスと野菜の優しい甘味がすごい濃度で凝縮されているのを、むせかえりそうなくらい爽やかな香辛料が鮮やかにまとめあげている為、贅沢かつ複雑な味わいのスパイス系すまし汁となっています。
 このスープとスパイシーなターメリックご飯が合わさると、「透明感があってエキゾチックなインドの料亭風鳥出汁茶漬け」という感じで、カレーなのにカレーとは断言しづらい不思議な余韻のおいしさにすっかり魅入られました。
 ここにスープを吸ってホロホロにとろけた、ちょっぴりほろ苦くて清涼な香りがするクミンの天ぷら衣が加わると、カレーと言い切るにはややさっぱり過ぎるお茶漬けに肉っぽい後を引く脂分と力強いコクがプラスされてぐっと濃厚になり、ほぼ完璧なカレー味になるのがナイスです。
 軍鶏ゆずりのギュッと引き締まった緻密な肉質の胸肉から、油っこさのない上品な味わいの肉汁が滴るのも天茶にぴったりで、ボリューム感を出しつつ全体のバランスを壊していないのに感心しました。
 スープカレーに少し近い気もしますが、こちらの方がよりあっさりしてキレがよく、透き通るように澄んだ飲み口で断然和食寄りの味なのが決定的に違うようにも感じる為、そっくりとは言い切れないのが悩み所です。
 パウダースパイスを直接溶かし込んでいない分、旨味が濃い割に舌触りがお茶みたいにサラサラして軽いのがコンソメスープに似ているイメージで、ここまでスパイスを多用して立派なカレー味なのに、あくまで「天茶」として成立させている一馬君って天才だな~と思いました。


 夫も一口食べて「うん、うまい!カレーみたいな味がする!」と喜んでおり、いわゆるカレー粉が使用されていないと知って面白がっていました。
 今回は原作通り鳥胸肉と青ジソを使用しましたが、現代風に海鮮や定番野菜の天ぷらを入れてもゴージャスでおいしそうだと思いましたので、スープストックを使ってまた試してみようと考えています。


P.S.
 拍手コメントを下さったりべあさん、コメントを下さりありがとうございます。ご連絡をしたいので、また非公開コメントでアドレスを教えて下さりますと幸いです。よろしくお願いします。


●出典)『ミスター味っ子 幕末編』1巻 寺沢大介/朝日新聞出版
     『ミスター味っ子 幕末編』2巻 寺沢大介/朝日新聞出版
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。
※レシピの分量や詳しい内容は、以前こちらでご説明した通り完全非公開に致しております。

『紺田照の合法レシピ』の“お茶漬け風親子丼”を再現!

 最近、友達丼というメニューがあると聞いて「何をもって友達だと認定するんだろう…」と疑問に思っていたのですが、先日いとこ丼というのもあると知り、「友達丼以上に食材の組み合わせが面倒かも…」と苦笑いしました。
 定義づけは地域ごとによって違うらしく、北海道ではサーモンといくら丼の俗称、大阪では鴨肉を卵でとじた丼の別称、東京の某地区ではうな丼とアナゴ丼のハーフ&ハーフなど、結構混沌としてて余計混乱しました;。
 改めて、親子丼ってシンプルで分かりやすくていいな~としみじみ思います。

 どうも、タコの卵がいくらそっくりの味と聞いてものすごく食べたくなっている当ブログの管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『紺田照の合法レシピ』にて紺田君がコンビニ強盗を落ち着かせる為に店内の食料を使って作った“お茶漬け風親子丼”です!
お茶漬け風親子丼図
 紺田君はトレーニングの一環として、ほぼ毎日新宿区の某公園でランニングに勤しんでいるのですが、数ヶ月前からとても癖の強い男性と激闘するようになっており、内心燃えていました。
 その男性とは、霜降肉組とライバル関係にある桃嘉十組直営のバーで働いているオネエ系ホステス・豊野華一吾さん!
 ランニングで抜きつ抜かれつのデットヒートを繰り広げ合うようになってから徐々に親しくなったようで、紺田君としては主に外見が理由でなかなか親しくなれる相手がいない中、気にせず競い合ってくれる相手が出来た事を内心感謝していました←とはいえ、紺田君は初期の綾波レイに匹敵する無表情キャラで滅多に感情が表に出ない為、そういう気持ちは見た目から全く伝わりませんでしたが;)。
 見た目はエイリアン3の坊主頭版リプリーさんにもう少し髪を生やさせた感じ、内面はIKKOさん似で、面倒見のいい姐御キャラなせいか紺田君を放っておけないみたいでした(←IKKOさんの本名・豊田一幸と豊野華一吾って漢字も響きも似ていますが、恐らくわざとですね;)。
 紺田君一人で深夜にトレーニングすると、連続バラバラ殺人のニュースが流れた直後に「あいつ…何か怪しくね?」と誤解されたり、おまわりさん達からも「…声掛けときますか?」「いや…ありゃあマルボウの仕事だ」と怯えられたりと、周囲から無駄に警戒されてやり辛そうでしたが、賑やかな豊野華さんが一緒だとお笑いコンビっぽくなって犯罪者予備軍のような扱いをされなくなっていましたので、よかったな~と思ったものです。
 ただ、名古屋の魔境と呼ばれる喫茶マウンテンの甘口スパシリーズ並に強烈な組み合わせのコンビなので、遠くからでも非常に目立つようにはなりましたが;。
夜中に日課であるランニングの特訓中、偶然知り合った癖の強い男性;
 ある日、紺田君は豊野華さんに連れられてコンビニに入るのですが、そこで偶然若い女性店員を人質にとり、中華包丁片手に立てこもる犯人と鉢合わせします(←幼い頃母を強盗の人質にとられたり、車に止まったら爆発する仕掛けをされたり、黒い組織に監禁されたり殺されかけられたりなど、コナン君ばりにスリリングな事件のエンカウント率が高くて気の毒です;)。
 当初はいつ人質に危害を加えてもおかしくない程犯人は興奮しており、紺田君は隙を見て取り押さえようとしていたのですが、そんな中豊野華さんは意外な特技で犯人と交渉しだします。
 その特技とは、心理学!
 豊野華さん曰く、実はまだ学生(!?)の身で学校では心理学を専攻しているらしく、知り合い相手には警戒心が薄くなりやすい心理を狙ってやや強引に故郷の親戚を装って油断させたり、「ドア・イン・ザ・フェイス」というテクニックを使って人質の女の子を解放させる一歩手前まで導いたりと大活躍しており、紺田君を感心させていました。
 交渉人というと、クールで硬派な元外交官が冷静かつ地道に交渉していくシリアスな作品・『ゴタ消し -示談交渉人 白井虎次郎-』を真っ先に思い出す為、のらりくらりと軽いノリでサクサク交渉しちゃう豊野華さんの様子を初めて見た時は「大丈夫かな~?」とハラハラしましたが、その陽気なキャラクターがかえって犯人を油断させている節がありましたので、こういう型破りな交渉人もありかもしれない…と後々考え直したものです。
 ちなみに、これらの心理学知識を紺田君に教えてくれたのは隣にいたコンビニの男性店員で、「知っているのか雷電」と思わず口を挟みたくなるくらい絶妙なタイミングで専門的な解説をしていた為、個人的に一番何者なのか気になりました。
心理学を専攻していることから交渉が得意で、犯人を少しずつ軟化させていました
 その後、単に交渉に応じるだけでは癪だと考えた犯人は、丼タイプのお弁当が売り切れなのを承知の上で「飯だ!いますぐ丼飯を持ってこい!!」と無茶な要求をしてきます(←最近のコンビニはカツ丼みたいな定番物の他にも、チーズソースダッカルビ丼台湾丼みたいな流行を取り入れた最新メニューもありますので、なかなか面白いですよね)。
 これにはさすがの豊野華さんも「丼だけぇ~?」とお手上げだったのですが、そんな時紺田君がコンビニ内にある材料だけで作り上げた丼が、この“お茶漬け風親子丼”です!
 作り方はとても簡単で、海苔を外した昆布おにぎりを丼に入れて温め、その上に焼き鳥のネギマを串から抜いて盛り付けて温泉卵を落とし、おでんつゆを注いで海苔をちぎってかけたらもう出来上がりです。 
 ポイントは、昆布おにぎりは海苔とご飯が別々のタイプを使うことくらいで、包丁やまな板がなくても電子レンジさえあれば三分もかからず用意できるのに衝撃を受けました。
 老舗のおでん屋さんの中には、おでんつゆをご飯にかけて薬味を散らしただけのシンプルなお茶漬けが〆として出される所もあるらしいのですが、さすがに焼き鳥や温泉卵まで載せて親子丼風に仕立てたお茶漬けは聞いた事がありませんので、相変わらず紺田君の柔軟な発想力はすごいと思います。
 実際に食べた犯人が言うには「こっ…こいつは、たましぽろぎ(驚愕)した!!」「香ばしい焼き鳥と…昆布と出汁の染みたご飯が合う…!」「こいつは懲役モノの一品だ…!」との事で我を忘れてかっこんでしまい、ハッとした時にはとっくに武器や人質を奪われており、あっさり逮捕されていました;。
紺ちゃんが「やる」って言うと、洒落にならない雰囲気に見えますね…
 コンビニで揃えた食品のみ使用&調理器具も使わないという条件下で、本当にちゃんとした丼が出来るのだろうか?という好奇心に抗えず、再現する事にしました。
 作中には大体の手順と材料がきっちり記載されていますので、早速その通りに作ってみようと思います!


 ということで、レッツ再現調理!
 まずは、ご飯の準備。
 コンビニの昆布おにぎりから海苔をはずして丼に入れてラップをかけ、電子レンジで全体を程よく温め、先っちょをさっと濡らしておいた菜箸で優しく軽くほぐします。
※海苔とご飯部分が別々になっているタイプのおにぎりがいいです。
親子丼風お茶漬け1
親子丼風お茶漬け2
親子丼風お茶漬け3
 この上に、オーブントースターで熱々に温め直して串から外しておいたネギマを乗せます(←調べた所、ローソンしかネギマを扱っていませんでした。塩味でもタレ味でも可です)。
※残念ながら近所の店全てでネギマが売り切れていた為、上部分にネギマがささっている4種串と、ももタレ串からもも肉とネギのみ取り出して使用する事にしました。残った焼き鳥は夫と晩酌タイム時に頂きましたが、ビールに合って美味でした。
親子丼風お茶漬け4
親子丼風お茶漬け5
 焼き鳥を全部乗せ終えたら真ん中に温泉卵を慎重に割り入れ、お鍋に移して温め直しておいたおでんつゆをそっと注ぎます(←おでんの具は使いませんので、そのまま美味しく頂いて下さい;)。
親子丼風お茶漬け6
親子丼風お茶漬け7
 ご飯が沈むくらいまでおでんつゆをかけたら、おにぎりから外しておいた海苔を手で千切って振りかけ、急いでテーブルへ運べば“お茶漬け風親子丼”の完成です! 
親子丼風お茶漬け8
 コンビニ商品を使って再現する事はたまにあったものの、100%コンビニ商品のみという再現は初めてだった為内心おっかなびっくりでしたが、結構まともな見た目でほっとしました(←こちらこちらみたいに、材料の大半がコンビニ商品というパターンはありましたが…)。
 おにぎり茶漬けはおいしかったですが、おでんつゆでお茶漬けとは果たしていけるのか…食べて確かめてみようと思います!
親子丼風お茶漬け9
 それでは、冷めない内に温泉卵にスプーンを入れていざ実食!
 いっただきま~す!
親子丼風お茶漬け10


 さて、味ですが…乗せてかけるだけという超高速料理なのに、お店っぽい立派な一品になっているのにちょっと感激!意外にも海苔と昆布の磯の風味がいい仕事してます!
 コンビニの焼鳥は屋台の焼鳥とやや味が違い、塩分がまんべんなく行き渡って少し引き締まった肉質と、それでいて筋張った所がまるでないやんわりした弾力が印象的で、それが出汁でさらさらになったご飯に自然と馴染んでいてするっと頂けます。
 炭火焼き風の香ばしい香りや鶏もも肉の旨味たっぷりな肉汁、そして昆布の甘やかな出汁がおつゆに溶け込んで即席とは思えぬ複雑な味わいを作り出しており、「焼き鳥屋さんの少し甘めなあっさり〆出汁茶漬け」ともいうべき本格的な味付けになっていました。
 ねっとり濃厚で甘い温泉卵の黄身が焼き鳥に絡み、おつゆに溶け込むと何とも優しいまろやかなコクが生まれ、ほっと癒される気持ちになります。
 こんがり焼けたネギのしゃっきりトロリとした歯触りと、白身のツルンとした舌触りや淡白な味わいもいいアクセントになっており、親子丼と鍋の残り汁で作った雑炊を足して二で割ったような旨さになるのがたまりません。
 色んな具材の旨味が溶け込んだ和風コンソメスープともいうべきおでんつゆは、一口ごとに癒されて内側からじんわり温まる遠赤外線スープと呼びたくなるような醍醐味があり、冬の時期には格別な一杯でした。
 一番重要な役割を果たしていたのが昆布おにぎりで、おでんつゆは普通の出汁と違ってみりんの上品な甘味と、大根から出た滋味深い風味が効いた癒し系の味わいが特徴的ですが、そのままご飯に合わせるとやや単調になる所を、昆布佃煮のこっくり濃い甘辛出汁醤油味が控えめかつくっきりと全体を引き締めており、そのバランスのよさに感心したものです。


 見た目的にも味的にも目立たないイメージの昆布おにぎりですが、お茶漬けにするとここまで有能感溢れる立場になるとは…ポテンシャルの高さにびっくりです。
 ネギマは鉄板ですが、つくねや皮を足してみてもおいしそうなので、また試してみるつもりです。


P.S.
 kawajunさん、コメントを下さりありがとうございます。


●出典)『紺田照の合法レシピ』 馬田イスケ/講談社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。
※レシピの分量や詳しい内容は、以前こちらでご説明した通り完全非公開に致しております。

『作って食べる!全国有名駅弁レシピ』の“ふわふわ卵の鶏カツ弁当”を再現!

 東京に行った時、『孤独のグルメ』で見て以来ずっと食べたかった崎陽軒のシウマイ弁当を食べたのですが、長年人気があるのも頷ける間違いの無い美味しさで、近所で売られていたら月一で食べるのにな~と地元の方が羨ましくなるほどでした。
 あんずのねっとりした甘さがまた心憎い感じで、デザートとしてでなく、箸休めとして優秀な立ち位置なのに感心です。
 シウマイも勿論おいしいのですが、鮪の照り焼き・卵焼き・鶏のから揚げ・筍煮といったおかずの数々が地味ながらもしみじみいける上、ビールのおつまみとしても最適な出来栄えで、個人的には車両の中と言うより自宅で夜にちびりちびりと頂きたいお弁当だと思いました。 

 どうも、本家HPにあったトンデモ!?シウマイ弁当診断をした際、「気持ちいいくらい欲望に素直な性格ですね!」というコメントをもらって複雑な気持ちになった当ブログの管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『作って食べる!全国有名駅弁レシピ』にて森口さんが亀さんのお孫さん・タクヤ君の為に作った“ふわふわ卵の鶏カツ弁当”です!
ふわふわ卵の鶏カツ弁当図
 亀さんの息子である専務には、しっかり者の妻・咲子さんと、心優しく頑張り屋の一人息子・タクヤ君という家族がいるのですが、気が強い者同士である亀さんと咲子さんはしょっちゅう衝突しており、会うとほぼ確実に険悪なムードになります;。
 とはいえ、ケンカばかりするものの本気で嫌いあっている訳ではなく、『美味しんぼ』の団社長とジュディさん夫婦のようにお互いを認め合っているからこそ逆に意見を譲りきれず、もはや口論が最高のコミュニケーションになっている関係な為、山岡さんのように「あの二人は仲が悪くて仲がいいんだから」という相反する言葉で締めくくりたくなります←団さん達のようなデレ要素が滅多に表に出ない為、周囲はハラハラさせられますが…)。
 ただ、タクヤ君が中学校で所属しているサッカー部の試合が日曜に開催される事が決まり、一年生のタクヤ君も補欠として行く事になるのですが、咲子さんは「出られるかどうかわからない試合なんて行く必要ありません」「日曜は家で勉強しなさい。今度の試験の結果悪かったら1組から落とされるかもしれないのよ!」と大反対し、それを専務から聞いた時ばかりは亀さんも激怒!
 「出られるかどうかわからない試合だからこそ行かねばならんのだ」「試験なんてあとでいくらでも取り返しがつく。試合は今、この時しかないんじゃ!!」と断言するのですが、専務に「じゃあお父さん、咲子にそう言ってやってくださいよ」といわれた途端、亀さんの脳裏には般若のように怒り狂った表情の咲子さんが浮かび、「お前の家の問題じゃからなあ…ワシが口を出すのはちょっと…」と珍しく口ごもっていました;。
 どうやら頭に血が上って突発的にケンカする分には平気みたいですが、事前に100%厳しい反撃が予想されるケンカは怖気つくそうで、みさえのおしおきシーンを連想しては震え上がる『クレヨンしんちゃん』のしんのすけみたいな表情だな~と思いました;。
息子の妻・咲子さんとは犬猿の仲な為、亀さんのイメージはこんな感じみたいです;
 しかし、そこへ主人公・宮本寿乃さんが「それじゃタクヤくんかわいそうじゃないですか!毎日毎日勉強してるんだから、日曜日くらい休んでなにが悪いの?」と援護射撃したのもあり、亀さんはその日の夕方に咲子さんの元へ訪れ、根気強く説得します(←それにしても、「また出たな」「いったいどこから入ってきたんでしょう」と亀さん達から呆れられるくらい社長室に易々と出入りして意見を言える宮本さんは、かなり心臓が強いと思います;。お土産のお菓子やお弁当をおねだりして譲ってもらう事もありますし、もはや宮本さんにとって社長室=おじいちゃんちという感覚で、孫娘のような気持ちなのかもしれません)。
 当初は取り合わなかった咲子さんですが、いつもなら頑固親父然として話す亀さんが落ち着いた表情で「タクヤの笑った顔を見たいとは思わんかね?」「心からの本物の笑顔じゃよ」「小学校のときから跡継ぎだの受験だので毎日勉強、そして試験。まだ子どもなのに好きなことも我慢して…本当の笑顔を忘れてしまったんじゃないかと気になってね…」と話すのを聞き、内心思い当たる物があった咲子さんは、タクヤ君の試合参加を認めて応援する事にしていました。
 十代は長い人生の中で体力的にも環境的にも伸び伸びと遊べる唯一の時期なのに、「ここをしくじったら将来が大変になる!」「チャンスは一度きり!」という重圧や決断のシーンが多く、子どもを追い詰めている感じがしますので、咲子さんが分かってくれてほっとしたものです。
 ちなみに、タクヤ君は「どうせ出れない」と思って来なかった一~二年生の子達が多かったおかげで、ラッキーにも午後の試合に大抜擢され、夢の舞台に出ることが出来ていました。
 『キャプテン翼』に出てくる天才達とは違い、オーバーヘッドキックやスカイラブハリケーンシュートを使えないタクヤ君は特に活躍したとは言えない初試合だったみたいですが、「おれは翼や日向のような天性のサッカーの才能はない!だから練習するんだ!才能のないやつは努力するしかないんだ!!」と死ぬ物狂いで練習した結果全日本チームに入れた松山光君の言う通り、やはり地道な積み重ねが何より大事なんだと思います(『スラムダンク』のシューター・神宗一郎君が、体格的にも能力的にもセンターは到底無理だと言われたにも関わらず、黙々とシュートの練習をし続けた結果活路を見出した例から分かる通り、スポーツは身体能力よりも精神力が何よりも大事なんだと改めて実感)。
サッカー漫画のような奇跡や活躍はいきなり出来なくても、継続こそが大事
 この時、半ば亀さんの専属駅弁料理人みたいになっている森口さんがタクヤ君の為に再現して渡したお弁当が、この“ふわふわ卵の鶏カツ弁当”です!
 元々は京都駅で鶏料理店・侘家古暦堂様が2010年3月から売り出している駅弁で、その名通り柔らかい卵と鶏カツが主役のお弁当。
 真ん中に大きめな鶏もも肉の鶏カツがどーんと八切れ乗り、お好みで甘辛い特製ソースをかけて頂きますが、その割には油少なめでさっぱりとした味わいが特徴的なお弁当で、試合に勝つ=カツというイメージと、その日京都に専務が出張すると聞いてこちらに決めたみたいでした。
 もう一つの特徴は、ふわふわ炒り卵・煮玉ねぎ・鶏そぼろの他に何とカレー味のキャベツがご飯に一緒に敷かれていることで、これがまた鶏カツによく合うとのこと。
 カツにキャベツというのは定番ですが、カレー味というのが意表をつかれる感じで、サッカーで疲れた体にピリッとした辛さは最高に疲れが取れそうだな~と森口さんのチョイス力の高さに感心したものです。

 本物のレシピは企業秘密なので、いつも通り森口さんが予想して作る形になっていましたが、中でも驚いたアイディアがふわふわ卵と鶏カツの作り方!
 ふわふわ卵はカツとあわせても油っこくならないよう水で濡らしたお鍋へ卵液を直に入れて火を通してザルで漉すなどして口当たりを徹底的によくし、鶏カツは麺棒で叩いて切り開いてマヨネーズ・お水・小麦粉を混ぜ合わせたバッター液もどきをまぶして本物みたいに軽くて柔らかい食感を実現しており、工夫しているな~と思いました。
 普通ならおいしく作ればそれでOKですが、『なんちゃって駅弁』には「出来る限り本物そっくりに作り上げる」というテーマも存在していますので、森口さんの細やかな気配りをきかす女子力には本当に頭が下がります;。
京都駅で売られている鶏カツ弁当は、男性向けのボリューミーなお弁当です炒り卵はザルで漉してさらに細かくするのが最大のコツ!
 数年前に京都旅行へ行った際に実物を食べ、「『なんちゃって駅弁』だったらどんな感じになるのかな~」とずっと気になっていた為、この度やっと再現する事にしました。
 作中には分量つきの詳細なレシピがコツと一緒に記されていますので、早速その通りに作ってみようと思います!


 ということで、レッツ再現調理!
 まずは、炒り卵作り。
 ボウルに卵を割り、白身を切るようにしてよ~くかき混ぜたら砂糖と塩を加え、さらに混ぜ合わせます。
 水でさっと濡らして中火にかけたお鍋に溶き卵を入れ、焦げないように絶えずかき混ぜながら少しずつ弱火に加減し、硬くなりすぎないように気をつけます。
ふわふわ卵の鶏カツ弁当1
ふわふわ卵の鶏カツ弁当2
 ある程度火が通ってきたらすぐに火を止めて余熱で火を通し、ザルにあけてヘラで漉します。
 ボウルに入れてラップをかけ、荒熱が取れるまで放置します。
ふわふわ卵の鶏カツ弁当3
ふわふわ卵の鶏カツ弁当4
 次は、カレー味のキャベツ作り。
 約五ミリ幅に刻んだキャベツの葉を中火でざっと炒め、少し火を通します(←油抜きで火を通すので、焦げ付かないようテフロン加工のフライパンを使用した方が良いです)。
 そこへお水、カレー粉、塩、こしょう、砂糖を加えて混ぜて弱火で煮詰め、キャベツがくったりするまで軽く煮たら別容器に移して冷ましておきます。
ふわふわ卵の鶏カツ弁当5
ふわふわ卵の鶏カツ弁当6
ふわふわ卵の鶏カツ弁当7
 今度は、鶏そぼろ作り。
 鶏胸肉の挽き肉をまな板に置き、包丁で縦に横にとさらに細かく刻みます。
 大体細かくなったら、鶏がらスープ、お酒、砂糖、醤油を入れてよく混ぜておいたお鍋へ加えて菜箸でかき混ぜ、完全にばらばらにほぐれるまでしっかりと溶かします。
ふわふわ卵の鶏カツ弁当8
ふわふわ卵の鶏カツ弁当10
 スープに鶏ひき肉が行き渡ったら弱火にかけてじっくり煮込んで徐々に水分を飛ばし、木ベラで肉の粒を潰すようにしながら混ぜ続けます。
 やがて汁気がほぼ飛んだら火からおろし、別皿へ移して荒熱を取っておきます。
ふわふわ卵の鶏カツ弁当11
ふわふわ卵の鶏カツ弁当12
 ここまできたら、いよいよ鶏カツ作り。
 鶏もも肉の厚みがある部分に包丁を入れて切り開き、全体の厚さが均等になるようやや薄めに広げ、麺棒で叩いてさらに平たくした後塩をまぶしてなじませます。
 この鶏肉に、マヨネーズ、小麦粉、水をよく混ぜ合わせて作ったバッター液を全面へまんべんなく塗りつけます。
ふわふわ卵の鶏カツ弁当13
ふわふわ卵の鶏カツ弁当14
ふわふわ卵の鶏カツ弁当15
 バッター液を隅々まで塗ったらパン粉を全面につけて少々寝かし、衣が密着したら180度に熱した揚げ油に入れて揚げます。
 皮部分を下にして三分、途中ひっくり返して身部分を下にして二分を目安に揚げ、キッチンペーパー等に引き上げて余熱で中まで熱をゆっくり通します。
ふわふわ卵の鶏カツ弁当16
ふわふわ卵の鶏カツ弁当17
 その間、煮玉ねぎと特製ソースの準備。
 小鍋にお水、お酒、砂糖、醤油を入れて沸騰させ、細いくし形切りにした玉ねぎを加えて中火でコトコト煮込み、茶色く色づくまで火を通します。
 もう一つの小鍋には、醤油、お酒、ウスターソース、みりん、砂糖を入れてひと煮たちさせ、ソース状のとろみが出たら小皿へ移しておきます。
ふわふわ卵の鶏カツ弁当18
ふわふわ卵の鶏カツ弁当19
ふわふわ卵の鶏カツ弁当20
 あとは、仕上げ作業。
 お弁当箱に白ご飯を盛り、その上へカレー味のキャベツ→鶏そぼろ→炒り卵→煮玉ねぎの順に具を乗せていき、最後に八等分にカットした鶏カツをのっけます。
ふわふわ卵の鶏カツ弁当21
ふわふわ卵の鶏カツ弁当22
ふわふわ卵の鶏カツ弁当23
 お弁当箱の左端に大根の漬物、右端には柴漬けを飾りつけ、特製ソースを傍らに添えれば“ふわふわ卵の鶏カツ弁当”の完成です!
ふわふわ卵の鶏カツ弁当24
 別の駅弁のお弁当箱を使用したり、鶏カツが予想以上にごつく出来上がったのもあり、実物の見た目からかなり遠ざかった海賊版みたいな仕上がりになってしまいました…orz(←下二枚が実物ですが、改めて美しいな~と思います…)。
 ただ、なんちゃっての方も香り的にはおいしそうな予感がビシバシと伝わってきますので、味の方はひょっとしたらいい線をいっているかもしれません!
ふわふわ卵の鶏カツ弁当25
実物のふわふわ卵の鶏カツ弁当1
実物のふわふわ卵の鶏カツ弁当2
 それでは、特製ソースを半分だけかけていざ実食!
 いっただっきまーす!
ふわふわ卵の鶏カツ弁当26


 さて、味ですが…本物とは所々違っているものの、「なんちゃって」ならではの新しい美味さに感心!ボリューム感とあっさり感が程よく入り混じった名作弁当です。
ふわふわ卵の鶏カツ弁当27
 基本的な味付けは、カツと卵と玉ねぎを別々に煮て口の中で完成させるタイプの鶏カツ丼という感じで、一緒に煮込んだ時のようなふっくらした一体感はない代わり、それぞれの具材の旨味が呆ける事なくくっきりと主張されて垢抜けた仕上がりになっているのが特徴的。
 おかげでカツの衣は湿気て重くなる事なくサクサクと軽い食感のままで、ウスターソースのスパイシーな酸味が効いてキリリとした甘辛ソースを多めにかけると、まるで料亭風のソースカツ丼を頂いているような気分にもなり、一度で二度おいしかったす。
 ミラノ風カツレツに通じる物があるやや薄めに伸ばされたカツは、揚げ物特有の香ばしい濃厚さと比較的スルッとライトに食べられる後味が絶妙なバランスで成り立っており、うまく揚げないと硬くパサつきやすい一枚肉の鶏肉でも、マヨネーズパワー&揚げ時間短縮でちゃんと柔らかくなっててにっこりしました(←ただ本物は肉に衣がよりしっかりと馴染んでおり、もっとふわっとした柔らかさなんですよね…。本当はどんなレシピなのか、激しく気になります)。
 カレーキャベツは本物よりもシャキシャキ感とスパイスの存在感が少し強く、舞台の裏方だったのが脇役でも表に出てきちゃったような感じになってますが、甘い味わいが多いお弁当を引き締める重要なアクセントであるのに変わりはなく、これはこれで華やかな深みが出てナイスでした。
 卵はふわっというよりしっとりホロリとしたジューシーな口当たりで、炒り卵というよりは甘い半熟の出汁巻き卵を細かく砕いたような、淡雪みたいな舌触りの品のいい味わい。
 鶏そぼろはそぼろにありがちな硬さは一切なく、むしろこっちこそがふわふわと優しいキメ細やかな出来映えで、そぼろに「口溶けがいい」という表現をしたくなったのはこれが初めてな程、上品に甘い旨さでうっとりします(←今回作った中では、鶏そぼろと卵の再現度が特に高し!)。
 鶏カツ以外は油を全く使用していない為、見た目よりも遥かにあっさりとした胃に持たれない食後感が印象的で、しみじみ満足しました。


 上品系の料理にあまり興味が無い夫も「うまいなー!」と瞬く間に食べつくしていた為、老若男女に幅広く受け入れられそうなお弁当だと感じました。
 冷めても美味しいので美味しさの持続力も文句なしで、また作りたいな~と思いました。


P.S.
 無記名さん、ノリスケさん、あめふらしさん、kawajunさん、コメントを下さりありがとうございます。
 非公開で頂いたコメント、大変分かりやすくごもっともな内容で、自らの浅慮と物分かりの悪さを改めて恥じました。
 お気遣いして頂いたこと、この場にて再度感謝いたします。
 ご指摘の件は、私の中の物差しという不十分な物が基準にはなりますが、極力抑えた記述にさせて頂きました。
 一度発表した以上、恥知らずの称号は消えませんが、これからは同じことがないようよく考えようと思います。


●出典)『作って食べる!全国有名駅弁レシピ』 原作:守靖ヒロヤ 作画:上農ヒロ昭/日本文芸社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。
※レシピの分量や詳しい内容は、以前こちらでご説明した通り完全非公開に致しております。

『ミスター味っ子 幕末編』の“黒船版超極厚カツ丼”を再現!

 先日、新しくオープンしたばかりのパスタ専門店へ行ったのですが、ランチセットについてきたサラダのクオリティがすごすぎて感動しました。
 常に真ん中のジューシーな部分のみ提供するモスバーガーのトマトを思わせる分厚いトマト、明らかに芯から削ったばかりだと思われる甘いコーン、葉野菜と根野菜合わせてざっと十種類以上使われているであろうサラダ、シンプルなのに後を引くドレッシングなどどれも最高で、「少し高めなお値段もこれなら頷ける…」と納得しました。
 ただサラダの意気込みがすごすぎて、ちゃんと美味しかったはずなのに肝心のパスタがあんまり印象に残っておらず、店名を聞いても真っ先に浮かぶのはサラダという本末転倒な事態になっており、何だか申し訳ない気持ちになっている今日この頃です。

 どうも、トマトは冷蔵庫で冷やさず常温で保存した方がリコピンの量がアップすると知ってショックを受けた、何でも冷蔵庫に放り込む派の当ブログの管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『ミスター味っ子 幕末編』にてタイムスリップした陽一君がペリー達に食べてもらう為に作った“黒船版超極厚カツ丼”です!
幕末風超極厚カツ丼図
 『ミスター味っ子 幕末編』とは、旧作『ミスター味っ子』の最終回で味皇様にやっと勝利した直後の陽一君が、どういう訳か陽一君の夢を見た勝海舟の「その力…日本のために役立ててもらわねばならん―!!」という想いに引き寄せられて幕末時代にタイムスリップし、現代と幕末を行き来しながらアイディア料理で日本の歴史に関わっていくという、時空旅行系幕末料理漫画です!
 タイムスリップというと、一度行ったきり最終回まで戻れない『JIN-仁-』タイプ、自分の意思で過去と現代をある程度行き来できる『犬夜叉』『銀平飯科帳』タイプ、何らかの要因でたまに現代へ戻るがすぐ過去に戻される『王家の紋章』タイプ、結局過去に留まったまま現代に戻れない『戦国自衛隊』タイプの四つが主流ですが、今作は何と眠っている状態の時に体は現代に残り、意識だけ過去にタイムスリップして実体化する&勝海舟が旨い物を食べたくなった時自由自在に幕末へ召喚されるという斬新な設定で、激しくオリジナリティのあるタイムスリップ物だな~と驚きました;。
 おかげで、陽一君は幕末時代で四苦八苦していても現実ではただ単にグースカ寝ている居眠り学生にしか見えず、割と頻繁に目覚める上に現代へ戻れなくなるタブー的条件は一切ない為、タイムスリップ物にありがちなシリアスなシーンは皆無でとことんギャグテイストなのが特徴的でした(←ちなみに、夢オチじゃない事は後々陽一君がうっかり歴史を変えちゃった事で立証済です)。
 今や数えきれない程多くの異世界転生モノが流行っている中、あえてタイムスリップ物という王道の古典ネタを取り上げ、それをさらに新しく面白く調理する道を選んだ寺沢先生は、心の底からルネッサンス情熱な作家さんなのだと感じます。
 個人的に『転生したら悪逆非道な笹寿司の跡取りだった件』とか、『高野聖也は異世界でも喰い尽くす!!』とか、『「中華○番!」の破滅フラグしかない裏料理界厨師に転生してしまった』とか、そういうマニアックな設定もそれなりに面白そうだと想像していますが、そちらは己の脳内だけで保管したいと思います(´∀`;)。
若き日の勝海舟の元へタイムスリップし、料理で日本を救うことに!
 なお、陽一君がタイムスリップする元凶となった勝海舟こと勝さんですが、一言で例えるなら「高野聖也にそっくりな食いしん坊幕末役人」という感じで、何かというと「旨味ー!!」と叫んで食欲を最優先する姿は、陽一君じゃなくても「この人って幕末の偉い人のはずだよなあ…」と不安になる程でした;(←江戸城を無血開城させる英雄となるのはこれから十五年後のお話ですので、この頃はまだまだヤンチャだったという可能性もありますが…)。
 一応史実にのっとって様々な歴史的場面も描かれているのですが、今までの幕末物では考えられない程勝さんが食レポするシーンがちょくちょく出るせいかそちらに意識が集中する感じで、別名『勝海舟のくいしん坊!バンザイ』と言っても差し支えないんじゃないかな?と思います。
 ある意味、作る陽一君と食べる高野さんという需要と供給がこれ異常ないくらいマッチした夢のようなコラボでもありますので、一度で二度美味しい読後感を堪能できます。
 ちなみに、史実の勝海舟が大食いの食通である事を示す記述はどの資料にも見当たりませんでしたが、勝海舟の子孫の方の証言で、あんパン・チョコレート・ケーキ・アイスクリームといったハイカラなお菓子が大好きなスイーツ男子だった事が判明しました。
 その上、勝海舟の家には甘い物を大事にしまっておく通称「お菓子部屋」が実在したそうで、もしかしたら作中の勝さんのように、本物の勝海舟も「このびすかうとって南蛮菓子旨味!!」と目を輝かせていたのかもしれない…と思い、ちょっとほっこりしました。
喰いタンの主人公・高野 聖也さんとそっくりという前代未聞な勝さん像;
 今回ご紹介するのは、第一話「黒船来航」のお話。
 タイムスリップ直後で混乱していた陽一君ですが、偶然黒船からやってきた士官達が港にある屋台の蓮根天ぷらを嘲笑っているのを目の当たりにして「ステーキかハンバーガーくらいしか味の分からないアメリカ人のくせしやがって!!」「文化の違う国の食べ物を馬鹿にするなんてそれこそ程度が低い証拠だぜ!!」など、まるで「アメリカ人=味覚音痴」「ハンバーガー=忌まわしい下卑た食べ物」と断定する初期の海原雄山氏みたいな事を言って激怒します(←相手の国の食文化を否定した後でそんな正論を言っても、激しくブーメランとしか思えないですが;)。
 陽一君が言うには英語の成績はそんなによくないそうですが、「お前らが腰を抜かすほどのとびっきりの料理を作ってやらあ!!」とケンカ腰に料理勝負を申し込める程度の語学力はあったようで、三日後に黒船で自分の得意な肉料理・カツ丼を出すことを決意していました(←事あるごとに血生臭い風が吹き荒れていたデリケートな時代・幕末で、アメリカ人の犯人を説得できる程の英語スキルを持つコナン君ばりの能力を陽一君が持っていたら、ほぼ確実に国際問題に発展していたはず…勉強が得意じゃなくて本当によかったですorz)。

 しかし、いざ勝さんに幕末時代に手に入る限りで最高の豚肉を手配してもらったところ、現代の豚肉とは比べ物にならないくらい臭みがきつくて硬く、大苦戦!
 どうやらこの時代、豚の品種改良はさほど進んでおらず、味も匂いも食感も大分癖があった為薄く切ってすきやき風にして食べるのが関の山だったようで、陽一君が日之出食堂で出しているような“超極厚カツ丼”をそのままの状態で作るのは無理があったとの事でした。
 『美味しんぼ』に出てくるような五ミリのトンカツだと面白くない、かといって肉を柔らかくするのに必要な重曹・玉ねぎ・パイナップルは幕末時代にはまだ存在しないという難題の数々に、陽一君はすっかり参っていまいます。
江戸時代に普通に育てられた豚の予想外の硬さに苦戦しますパイナップルも玉ねぎもない中、どうやって豚肉を柔らかくするのか?
 が、勝さんの庭に植えられていたヤマグミの木を見た陽一君は、幕末でとても柔らかい超極厚のカツ丼を出すたった一つの方法を思いつきます。
 こうして数日後、陽一君が自信満々で黒船にいる船員達やペリーに振舞ったのが、この“黒船版超極厚カツ丼”です!
 作り方は意外と簡単で、ヨーグルトに浸けて柔らかくした厚切りの豚ロース肉に山芋、小麦粉、溶き卵、細かく砕いた高野豆腐の衣をつけて二度揚げし、豚骨スープ・カツオ出汁・醤油・砂糖・みりん・日本酒などで作った丼つゆが入ったフライパンへ長ネギと一緒に入れて少し煮込み、最後にとき卵でとじてご飯に乗せたら出来上がりです。
 ポイントは、パン粉の代わりに高野豆腐を使う事でサクサクふわっとした一味違う食感を出すこと、カツオ出汁だけでは海外の人に魚臭く感じられてしまう所を豚骨スープをベースにする事でこってり味に仕立てること、玉ねぎの代用で長ネギを加えることの三点で、こうする事でアメリカ人でも抵抗感なく食べられるカツ丼に仕上げたと語られていました。

 豚骨スープでご飯を炊くのは前回試したばかりですが、それで卵をとじるのは全く未知の領域で、「相変わらず陽一君の独創性は予想の斜め上をいくな…」と感心しました(←高野豆腐を衣にして揚げ物をする手法はこちらで試した事がありましたが、お肉にたっぷりつけてパン粉代わりにするのは初めて。食パンの代用にも出来ますし、高野豆腐のポテンシャルの高さに脱帽しっぱなしです)。
 幕末時代にヨーグルトは存在しないので本来でしたら不可能な下処理法でしたが、不可能を可能にしてくれたのがヤマグミの木で、ブルガリアに生える「ヨーグルトの樹」と近縁種であるヤマグミの枝を牛乳に一晩つけることによって自家製ヨーグルトを作り、豚肉を柔らかくさせたと陽一君は誇らしげに話していました。
 日本よりも肉食文化に親しんでいる国からやってきたペリーも、ここまで分厚くて食べやすい豚肉を食べるのは初めてだったらしく、「魚食いの日本人にこんなに柔らかく香り高い肉の調理ができたのか…!!」と驚いていました。
山グミの枝を牛乳につけて一晩おくとヨーグルトに大変身!パン粉の代わりに、細かく砕いた高野豆腐を使って豚肉を包みます
 ヤマグミの枝0は残念ながら手に入りませんでしたが、それ以外でしたら手に入れることが出来ましたので再現する事にしました。
 作中には大体の作り方が書かれていましたので、早速その通りに作ってみようと思います!


 ということで、レッツ再現調理!
 まずは、材料の下準備。
 分厚い豚ロース肉の塊に竹串で数箇所穴をあけたら、無糖ヨーグルトをよ~くもみこんでそのまま丸一日以上冷蔵庫で寝かせます(←時々揉むとさらに柔らかくなります)。
 時間が経ったら取り出し、ヨーグルトをキッチンペーパー等でしっかりふき取ります。
 その間、高野豆腐をおろし金ですりおろして細かい粉末状にしておきます。
黒船風超極厚カツ丼1
黒船風超極厚カツ丼2
黒船風超極厚カツ丼3
 次は、トンカツ作り。
 先程の豚肉に塩と塩とこしょうをふり、山芋パウダーをミックスした薄力粉を薄くまんべんなくまぶしたら、溶き卵→高野豆腐パウダー→溶き卵→高野豆腐パウダーの順にくぐらせ、衣を二重付けにします。
 この時すぐに揚げたりせず、約十分程放置すると衣が定着してはがれにくくなります。
黒船風超極厚カツ丼4
黒船風超極厚カツ丼5
黒船風超極厚カツ丼6
 衣が豚肉になじんだら、高温の油で数十秒だけ揚げて表面を固めてからすぐに引き上げ、少し落ち着かせてから低温の油で中に火が通るまでじっくり揚げます。
 九割方揚がったらさっと取り出し、少し経ってから一口大に切っておきます。
黒船風超極厚カツ丼7
黒船風超極厚カツ丼8
黒船風超極厚カツ丼9
 ここまできたら、いよいよ丼作り。
 フライパン(又は丼鍋)へ豚骨スープ、カツオ出汁、醤油、砂糖、日本酒、みりんを加えて熱し、味見をしながら微調整して丼つゆに仕立てます。
 味が決まったら、斜めに薄くスライスした長ネギを投入し、少し煮ます。
※豚骨スープの濃度はお好みでいいですが、結構多めに入れてもしっくりくる感じでした。
黒船風超極厚カツ丼10
黒船風超極厚カツ丼11
 長ネギに半分くらい火が通ったら先程のトンカツを並べ、上下逆にしてカツ自体にも丼つゆを軽くなじませたら溶き卵を回しかけてすぐにフタをし、数十秒熱を通してから火を消して蒸らします。
黒船風超極厚カツ丼12
黒船風超極厚カツ丼13
 卵が半熟状になっていたらコンロからおろし、そのまま丼つゆや具ごとトンカツを炊きたてご飯の上へ移せば“黒船版超極厚カツ丼”の完成です!
黒船風超極厚カツ丼14
 豚骨スープよりも醤油系の和な香りが勝っており、意外とカツオ出汁って主張が強いんだな~と感じました(←豚骨を足してもそうなら、海外の方が日本料理を「魚臭い」と思うのも無理はないと思います)。
 相変わらず超極厚なトンカツは存在感が半端じゃなく、これは今回も味は期待できそうだとドキドキしたものです。
黒船風超極厚カツ丼15
黒船風超極厚カツ丼16
 それでは、熱々の内にいざ実食!
 いっただっきまーす!
黒船風超極厚カツ丼17


 さて、感想は…前回のカツ丼もよかったですが、今回さらに美味しく進化してて感心!味付けはがっつり系なのに、高野豆腐のおかげで意外とあっさりヘルシーに仕上がってて食べやすかったです!
 高野豆腐の衣は油をほとんど吸っていないのにも関わらず、出汁は染みてて衣自体が旨味の塊みたいになっており、すごく濃厚でコクのあるカリカリの揚げ焼きにした厚めの油揚げみたいになっているのが特徴。
 しっとりしているのにサクサクしたクリスピーな食感がかなり長持ちしているのがびっくりで、後の方になってもべちゃついたり溶けたりせず、ギュッと濃縮された豆腐の旨さがしっかりとした噛み応えと共に染み出るのがよかったです。
 ヨーグルトにつけたせいか、豚肉は獣肉特有の臭みが消えている上により肉汁たっぷりでざっくりと歯が簡単に通る程柔らかくなっており、単品でも通用する美味さたっぷりの分厚い肉にも関わらずご飯や衣を押し殺さずちゃんと調和する丼物になっているのに感動しました。
 前回のカツをアメリカンチックで食べ応え満点な衣つきポークステーキとするなら、こちらはホットケーキみたいにふっくらふんわりした空気感のあるヒレカツ風ジューシーロースカツというイメージです。
 丼つゆは豚骨スープを使っているので、和風出汁だけでは出ないこってりまろやかで複雑なコクが生まれているんですが、不思議な事に卵でとじた途端独特の臭いや油っこさは消えて豚骨の骨太な出汁成分だけが残り、言われなければ豚骨入りとは分からない甘辛出汁醤油味が基本ベースとなっているのに驚きました(←後味がほんのりラーメンライスチックなのが唯一豚骨らしい所;)。
 この個性的なとんかつとご飯に、さっぱりして清涼感ある香りの長ネギが相性ぴったりで、全体的にとてもバランスがとれたカツ丼でした。


 材料が乏しい中偶然出来たカツ丼ですが、現代に戻ってもこのレシピで作り続けるんじゃないかと思うくらい完成度が高い一品でした。
 高野豆腐の衣はむしろパン粉よりも扱いやすく低カロリーなのが便利な上、物が豆腐な分魚介類とも合いそうなのが面白そうなので、しばらくハマりそうです。


P.S.
 あめふらしさん、咲空さん、kawajunさん、コメントを下さりありがとうございます。
 実際どうなのか分からない以上、一読者に過ぎぬ当管理人が想像にまかせて発言する事は控えさせて頂きますが、あめふらしさんが仰った料理人の方のレシピの権利やモラルについてのご意見、そしてkawajunさんの仰った取材情報の扱い方や作品全てを否定するのはいかがかというご意見は、双方ごもっともなお考えだと思っております。
 情報の提供や違った視点のご意見は、一人ではとても分からぬ物ばかりで大変ありがたいです。
 改めて御礼を申し上げます。


●出典)『ミスター味っ子 幕末編』 寺沢大介/朝日新聞出版
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。
※レシピの分量や詳しい内容は、以前こちらでご説明した通り完全非公開に致しております。

『肉極道』の“チキンソテークリームソース(きのこ入り)”を再現!

 先日、スーパーでラムチョップが見切りで安く売られていたので思わず購入し、軽くソテーにして夫と一緒に食べたのですが、今まで食べたどんな肉とも違う美味さでお互い「おお~!」と歓声を上げました。
 どことなく高級感のある味わいで、そりゃ~レストランでスペシャリテの定番となるはずだと頷きました。
 ただ、豚肉や鶏肉みたいにご飯が欲しくなる味ではなかった為、そういう所が日本で未だマイナー扱いされる原因の一つなのかもしれない…と勝手に推理したものです。

 どうも、年齢柄脂を大量に摂取できなくなった影響か、お肉をがっつり大量に食べたい時はシュラスコへ繰り出すようになった当ブログの管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『肉極道』にて主人公・浅倉まなびさんがある常連さんの期待に応える為に作った“チキンソテークリームソース(きのこ入り)”です!
『肉極道』の“チキンソテークリームソース(きのこ入り)”図
 『肉極道』とは、一ヶ月前に店主である祖父が亡くなって肉料理専門店「あさくら」を急遽継いだものの、料理専門学校に一年通っただけで圧倒的に経験不足な二代目・浅倉まなびさんが、何故か肉料理に関して異様に詳しい謎の怖い男性・肉極道から半ば強引に肉の知識を叩き込まれる日々を描いた、熱血ギャグ系肉料理漫画です。
 食べる事専門だったら肉漫画というジャンルはこれまでにもちらほら見かけていたですが(←最近はお肉+女子という新境地ジャンルも登場しています)、こちらは恐らく史上初の肉料理専門漫画で、それぞれの肉の特徴・部位についての説明・その肉に一番合ったレシピ・最適な火の通し方・細かい調理のコツ・肉の豆知識などがこれでもかと言わんばかりに詰め込まれており、まるでお肉の教科書のような作品になっています。
 何しろ、「肉は完全栄養食!!」「肉は手をかければかけるほど旨くなる!」がモットーで、肉を愛しすぎるがゆえに暴走しては厨房に乱入し、まだ二十歳そこそこのまなびちゃんに美味な肉料理をスパルタ方式で叩き込む肉極道さんがもう一人の主人公みたいなものですから、その内容に妥協やぬるさは皆無で、肉に対して徹底的にこだわった内容なのが読者としては信用がおけます(←対するまなびちゃんは、肉極道さんと違って人当たりは良く接客が得意ですが、雑な性格が災いしてつい手抜き料理を出してしまうという致命的弱点がありますので、ある意味いいコンビです;)。
 とはいえ、同じく変態的なまでに食材を究極に旨く調理しようとする異色の料理漫画・『めしにしましょう』ほど再現難易度特Aクラスな調理法はほとんどなく、初心者からプロまで幅広く挑戦しやすい親切設計な内容にまとめられているのが作る側にとってはありがたく、とても便利!
 本格的なのに実践的な肉の料理法を知りたい、そして日常的な食材でお店のような感動を味わいたいという方には、自信を持ってお勧めしたい一冊です。
まなびさんが作る肉料理を厳しく批評しては、勝手に厨房へ入り肉料理をレクチャー!
 ちなみに、肉極道さんは『美味しんぼ』初期の山岡さんにサングラスをかけてヤクザっぽく仕上げたような外見なのですが、(肉)料理薀蓄やそれに関する超個人的な自論を延々と語る所も山岡さんにそっくりで、結構面倒くさい性格なのが特徴(←そういえば、頻繁に厨房を借りる所もよく似ていますね…)。
 説得力のある内容の時も多々ありますが、時々思い込みが激しい主張をするケースもあり、例えば「ブタは最も多く食べられている肉だ。トンカツ・しょうが焼き・角煮・ギョウザの具・ラーメンのチャーシュー。牛肉ほど高くなく、鶏肉より応用が利く。ブタ肉とはそういう存在なのだ」「なのに…肉といえば真っ先に連想するのは“牛”!酒のお供は“鳥”。ブタはいつも後回し。ナンバー2…場合によっては3…日陰者」「愛人!ブタは…常にそういう境遇を強いられてきたのだ!!」と豚肉を薄幸なヒロイン扱いしたり、「いいか…豚汁ほど恐ろしい肉はない…!」「例えばコロッケ定食。味噌汁の代わりにうっかり出そうものなら…あっという間に豚汁が主役になってしまう!!」「豚汁とはそれほどの存在感のものなのだ。考えた事ある!?コロッケの気持ち」とすぐに影が薄くなりやすいコロッケに同情して大泣きしたりなど、食材や料理を擬人化してはヒートアップして一方的に弁護し、まなびちゃんを困らせていました;。
 食へのこだわりをストレートに表しすぎて周囲をドン引きさせる姿は、山岡さんのみならず『ミスター味っ子』の陽一君に通じる物がありますが、お二方と違って肉極道さんは料理人ではなくただの一般人な為、天才ではなく単なる奇人変人扱いされているのがちょっぴり気の毒です…。

 ただ、「羊は約1万年前に家畜化された!人類史上初の家畜だと言われている…。それから羊は人類に尽くしまくってきた!羊毛…羊毛…羊毛…そして羊肉!!羊肉はどの地域宗教でも食べることのできる唯一の肉だ。貴様だって羊様で出来たコートの一着や二着持ってるだろうよ。それほどまでに尽くしてくれている羊様を…貴様らの、その無関心はなんだ!!」「獣臭いとか硬いとか…ラムなんかまだ子供なんだぞ!!かわいそうだと思わねーのかよ…!?」と未だ敬遠されがちな羊肉を擁護したり、「ホットプレートは焼肉を文化として根付かせた大恩人!!そんな恩人を最近はやたら軽く見る風潮が…炭火じゃないと焼肉じゃない…とか!!家焼肉でもなんか本格っぽいやつが主流だし!この…置いてかれたような疎外感。今まで散々利用しといて切り捨てる、そんな冷たかったですかねぇこの社会は!!」とグルメ漫画では論外扱いされるホットプレート焼肉を庇ったりするなど、肉極道にはマイノリティ(なお肉様)に対する慈しみに満ち溢れており、読んでいて優しい気持ちになります。
 他の料理漫画に出てくるエキセントリックなキャラクター同様、実在して近くにいたら嫌ですが、漫画で遠くから見る分には興味深い視点で面白い発見がありますので、ありがたいです。

※当管理人としては、九州はちゃんぽん・豚骨ラーメン・焼き鳥の豚バラ串など豚肉と親しむ機会が鶏肉とほぼ同じくらいあり、共に庶民派Wヒロインとして大事にされていると思う為、安心して下さいと肉極道さんに伝えたいです(←かといって、影の薄い牛肉が愛人って訳でもないんですよね…不思議。強いて言うなら、高級住宅街に住む高嶺の花のセレブでしょうか?但し、モツ鍋の牛モツは確かに愛人っぽいかもしれません)。
お肉を愛するあまり、ヒートアップしては擬人化してお肉の尊厳を守ろうとしてます
 今回ご紹介するお話は、第3話で初登場したキャラ・埼玉さん(←残念ながら本名不明で、結局最終巻までこのあだ名のままでした;)のエピソード。
 埼玉さんとは、ほぼ100%が男性常連客という「あさくら」において唯一の女性常連キャラで、平野ノラさんを彷彿とさせる1980年代風のバブリーなファッションが印象的なセクシーな美女。
 しかし、ひとたび口を開くと「わ…私が埼玉県人だからってバカにして…」「言っとくけど池袋まで乗り換え1回で行けますからね!」「…大丈夫?“埼玉県人のくせにこんな時間まで東京でお酒飲むなんてカン違いしてない?大丈夫?”」「こんなマズい物食べさせて…田舎者はとっとと帰れってワケね。言われなくても…埼京線は終電早いのよ!!」といった被害妄想が激しい女性で、幼い頃『翔んで埼玉』を読んで洗脳されたのではないかという疑いがある程埼玉県に対するネガティブイメージに囚われていました;(←当管理人としては全くのギャグだと思っていたのですが、その昔埼玉県で暮らしていた知人に埼玉さんの発言を話した所、笑いを漏らして「あー…うん、成程ね」と妙に納得していました…何故;?)。
 意外と恋多き女性みたいで、ある時など冗談なのか本気なのか「ふふ…私はね、同じ男とは寝ない主義!」という『攻殻機動隊』のパズさんみたいな事を言っており、その真逆を行く当管理人は「ドン・ファンの生まれ変わりか!」と突っ込みつつドギマギしたものです(゜д゜*)。
 九州はどの県も基本的に「東京に比べたら、周囲はどこも田舎!」という認識があるせいか、一種の平等主義が働いてそこそこ良好な関係が結ばれており、「東京に近ければ近い程都会!」という大雑把な認識もあるように思う為、初見時はどうして東京都の隣に位置する埼玉県がここまでネタ扱いされるのか分からず、混乱したものです;(←※一福岡県民のかなり偏見に満ちた九州観です)。
一見色っぽくていい女風のまともなお客さんに見えるのですが…;Before→埼玉県の事になると泣いたりムキになったりするちょっと変わった常連・さいたまさんAfter
 そのちょっと変わり者な埼玉さんが、もうじき会社を退社する大恩人の先輩が肉料理専門店に行きたいと言っていたからという理由で「あさくら」に送別女子会の予約を入れ、「メニューはまかせるわ。いい?大事な先輩なんだからね!しっかりやってちょーだいよ!!」とお願いしてくれたのに感動したまなびさんは、全力で女子会向けの肉料理を考えます。
 その際、まなびさんが肉極道に教わっていた「女性向けで華やかで楽しげ」な肉料理が、この“チキンソテークリームソース(きのこ入り)”です!
 作り方は簡単で、塩で下味をつけた鶏胸肉をバターやオリーブ油を敷いた弱火のフライパンでこまめにひっくり返しながら火を通し、アルミホイルに包んで肉を休ませた後にバターやオリーブ油を敷き直した弱火のフライパンで両面をさっと焼き、最後にマッシュルーム・にんにく・生クリームを煮溶かして作ったソースをかけて刻みパセリをかけたら出来上がりです。
 ポイントは、脂が少ない鶏胸肉を加熱しすぎないよう低温加熱を徹底すること、アルミホイルに包む時は八割程度火が通った時にすることなどで、こうすると鶏胸肉に豊富に含まれる旨味成分のイノシン酸を活かしたジューシーな焼き上がりになると作中で語られていました。

 肉極道さん曰く、「火を入れすぎてもダメ、入れなさすぎてももちろんダメ。鶏胸肉は女と一緒なのさ」「アルミホイルを優しくかける!疲れた女性をいたわる様に…。強引さと優しさはセットなのだ」だそうで、デリケートな鶏胸肉を構いすぎても構いすぎなくてもダメな難しい女心に例えており、あながち間違いではないな~と頷きました(←しかし、この理論が正しいならば肉名人=モテ男のはずなのですが、その割に肉を完璧に焼く焼肉奉行が疎ましがられてモテないのは何故なのか…。謎は深まります)。
 ここまで手をかけた料理がまずい訳がなく、実際に食べたまなびちゃんは「パリパリなのにホロホロと肉が心地よくほぐされていく感じ」「胸肉にこんな濃厚な旨味があるなんて知りませんでした」「きのこのふんわりとした風味が胸肉のしっとり感によく合います!」と絶賛しており、即女子会用メニューに採用していました。
徹底した低温加熱こそが鶏胸肉を美味しくする秘訣!鶏胸肉の扱いは女性の扱いと同じくらい難しいと語る肉極道さん
 大分前に一巻に載っているステーキの正しい焼き方を試し、夫共々「すごく美味しい…!」ととろけるような経験をして以来『肉極道』には絶大な信頼を抱いていた為、今まで苦手だった鶏胸肉の調理を克服すべく再現してみる事にしました。
 作中には詳細なレシピがきっちり記載されていますので、早速その通りに作ってみようと思います!


 ということで、レッツ再現調理!
 まずは、鶏胸肉の火入れ作業。
 常温に戻した鶏胸肉の全体へ塩を振り、オリーブオイルとバターを溶かして温めておいた弱火のフライパンへ、肉側を下にして入れて熱を通していきます。
 お肉の周りが白くなったら裏返し、今度は皮側を焼きます。
『肉極道』の“チキンソテークリームソース(きのこ入り)”1
『肉極道』の“チキンソテークリームソース(きのこ入り)”2
『肉極道』の“チキンソテークリームソース(きのこ入り)”3
 皮側が焼けてきたら、再度肉側が下に来るようひっくり返して焼き、それから何度か裏返しながら両面に火を通してます。
 鶏肉に八割程度火が通ったらフライパンから取り出し、一旦アルミホイルに包んで休ませます。
『肉極道』の“チキンソテークリームソース(きのこ入り)”5
『肉極道』の“チキンソテークリームソース(きのこ入り)”6
 鶏肉を充分に休ませたらアルミホイルをはずし、再度バターとオリーブオイルを加えて弱火に熱したフライパンへ今度は皮側を下にして入れて焼き色をつけ、肉側はさっと焼いて取り出します。
 肉汁が落ち着いたら、食べやすいサイズに切り分けます。
※決定的かつ重要なコツは他にもいくつかありますので、単行本で直接ご確認して頂けますと幸いです。
『肉極道』の“チキンソテークリームソース(きのこ入り)”7
『肉極道』の“チキンソテークリームソース(きのこ入り)”8
 その間、肉汁やバターが残ったフライパンを火にかけてスライスしたマッシュルームをざっと炒め、続けてみじん切りにしたにんにくと生クリームを投入して煮立てます。
 木べらでかき混ぜていく内にちょっと煮詰まってきてとろみが出たら、ソースは準備OKです。
『肉極道』の“チキンソテークリームソース(きのこ入り)”10
『肉極道』の“チキンソテークリームソース(きのこ入り)”9
 先程カットした鶏胸肉をお皿へ盛り付けてその上からクリームソースをたっぷりかけ、仕上げに刻んだパセリを散らせば“チキンソテークリームソース(きのこ入り)”の完成です!
『肉極道』の“チキンソテークリームソース(きのこ入り)”11
 にんにくとバターの食欲をそそる香りといい、鶏胸肉の程よい焼き色といい、画像をとっている間中空腹を激しく刺激され、「早く食べたい…!」とうずうずしました。
 見た目も家庭料理と言うよりは洒落たお店ですっと出てきそうな凝ったビジュアルで、肉極道さんが女子会用にと紹介したのも納得です。
『肉極道』の“チキンソテークリームソース(きのこ入り)”12
 それでは、冷めない内にソースを絡めていざ実食!
 いっただっきま~す!
『肉極道』の“チキンソテークリームソース(きのこ入り)”13


 さて、味ですが…今まで自分が作った鶏胸肉料理の中で断トツ一位の一品!何も下処理してないとは思えない程極上なお肉で、バターの芳しい香りがたまりません!
 鶏胸肉はそのまま焼くとパサついて硬くてあまりおいしくない物というイメージでしたが、こちらはどんなに分厚い部分でもまるで大根の煮物か朝採れ完熟トマトかの如くジャクッと歯が簡単に通り、油分はほとんどないのに深い余韻のコクが舌にいつまでも残る感じで、繊細かつ品のいい肉汁がこの上なくしっとりした肉からじんわりにじみ出るのに感嘆しました。
 棒々鶏・鶏ハム・塩麹漬に匹敵する柔らかさですが、棒々鶏は茹でる過程で肉汁がやや抜ける上に細く裂くので塊を食べる満足感はなく、鶏ハムは肉質が鶏肉というよりはハムという加工食品風に変化し、塩麹漬は水分が抜けて塩分が染みる分肉が本来より引き締まり、漬けた肉特有の練れた感じが出るなど、微妙に異なっています。
 勿論どれも違った良さがあっておいしいですが、こちらは生から焼いた時だけ出る肉質のフレッシュ感、繊維の一本一本まで旨味エキスで潤っている瑞々しい柔らかさ、ソテーならではの香ばしい風味が特徴的で、水分をほぼ抜かないからこそ可能な儚く優しい口当たりにうっとりしました。
 厚切りではありますが、このなめらかな舌触りはもう鶏胸肉のとろけるローストビーフ風と言ってもいい程です。
 柔らかいとは言ってもやわやわにはなりすぎず、ちゃんと肉らしい醍醐味が残るダイナミックな噛み応えも保たれているのがナイスで、正直お店でもこの相反する独特な歯触りを実現している所はそうないんじゃないかな?と感じました。
 この脂っこくないのに旨味たっぷりなチキンエキスが溶けこんだ、にんにくが効いてガツンとくる濃厚なクリームソースがまた絶品で、マッシュルームの上品なコクやパセリの爽やかな香りと相まって、フレンチレストランに出てもおかしくない出来映えです。
 ジューシーではあるもののあっさり淡白な鶏胸肉に、ソースとバターがいい具合に脂分を足しており、細やかな計算が行き届いているのがたまりません。
 鶏肉もソースも基本はシンプル極まりない塩バター味なのに非常に奥行きがあり、単純極まりない味付けで素材の味を引き出す所は日本料理に通じるものがあるな~と思いました。


 お行儀悪ですが、残ったソースをパンにすりつけて皿の隅々まで平らげるまで食が止まらないくらい美味でした。
 パスタソースにしても絶対いけると思いますので、オリーブオイルをまぶしたタリアテッレを付け合わせとして添えるのもありだと思います。
 手間と時間はややかかりますが、それ以上の価値がある料理で、材料費はそんなにかけられないけど特別なおもてなし料理を作りたい方におすすめしたい一皿です。


●出典)『肉極道』1巻 原作:佐々木善章 作画:森尾正博/芳文社
      『肉極道』4巻 原作:佐々木善章 作画:森尾正博/芳文社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。
※レシピの分量や詳しい内容は、以前こちらでご説明した通り完全非公開に致しております。

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あんこ

Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『どんぶり委員長』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『ミスター味っ子』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『BAR・レモンハート』
 …『ぶたぶた』シリーズ
 …『ベーグル食べない?~幸せカフェごはん~』
 …『飯盛り侍』


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