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『ミスター味っ子』の“味吉陽一特製スペシャルお好み焼き”を再現!

 ここ一ヶ月程、毎年冬恒例の乾燥による皮膚荒れ現象がひどくなっている為、保湿効果のある入浴剤を入れては長時間入浴しています。
 以前はパッケージがかわいい系の、見ているだけでストーリーが浮かんできそうな絵本風の個包装入浴剤が好みだったのですが(←例えるならこういう感じの)、最近は効き目&成分&コスパ重要視で大きな缶に入った昔ながらの薬湯入浴剤ばかり使っており、年を経るごとにリアリストになっているな~と実感しています。
 近頃お気に入りなのはオリヂナル薬湯 シルクで、シルクパウダーのキラキラした感じや登別カルルスみたいな白いお湯が僅かな乙女心をギリギリ保ってくれる為、ありがたく感じています(←効き目も上々で、おかげで腕部分がほぼ元通りになりました)。

 どうも、子どもの頃「三十歳くらいになったら流石にしっかりするだろう」と未来の自分に希望を持っていたものの、いざなってみるとそんな事はなかった当ブログの管理人・あんこです。


 今回再現する漫画料理は、『ミスター味っ子』にて陽一君が岡田屋さんとのお好み焼き対決の際に作った“味吉陽一特製スペシャルお好み焼き”です!
味吉陽一特製スペシャルお好み焼き図
 ある春の日、近所の公園で毎年行われている桜祭りで屋台をしたいと思った陽一君は、町内会へ出店の申し込みに行くのですが、お好み焼き屋の岡田屋さんが人気を盾にスペースを二件分とっているので無理だと断られた為、陽一君と法子さんは岡田屋さんへ直談判しに行きます(キャンプの炊き込みご飯騒動といい、日之出食堂立ち退き騒動といい、たこ焼きトレーラー騒動といい、揉め事が多い町で大変ですね;。まあ、高い頻度で強盗や殺人が発生する米花町よりはマシかもしれませんが…)。
 しかし、「桜祭りゆうたら岡田屋のお好み焼きが一番の目玉なんやで」「あかんあかん、帰れ帰れ!!」と言って一向に取り合わず、最終的に「あんたら定食屋やろ!!定食屋が屋台でなんの店をやるんや!!屋台でレバニラ炒めやらサンマ定食を出すんか!?」と馬鹿にする岡田屋さんに堪忍袋の緒が切れた陽一君は、「何が伝統の味だい!!お好み焼き一筋の五十年だい!!そんな味日之出食堂ならもっとすごいもの作ってみせらあ!!」と啖呵を切り、その結果興味を引かれた岡田屋さんは「わし以上のお好み焼きを作ることができれば場所を譲ろやないか!!」と勝負に乗ってくれていました。

 何故この流れで岡田屋さんがハイリスク・ローリターンなお好み焼き勝負を申し出る事になるのか、何度考えてもよく分からないのですが、日之出食堂or自分をけなされる→陽一君怒って煽る→料理勝負決定!という基本の流れは、『美味しんぼ』の「明日もう一度ここに来てください。本物の○○というものをお見せしますよ」という山岡さんのお約束に通じる物があるくらい様式美な展開ですので、突っ込むほうが野暮なのかもしれません。
 実を言いますと、陽一君はこの時半ば確信犯的に料理勝負を持ちかけていたらしく、慌てる法子さんに対して「へへへ…やったやった、のってきたよ」「これで出店するチャンスが回ってきたよ!!」とニコニコ笑っており、一馬君とのカレー対決に勝って味ビル建設を撤回させた一件以来、随分交渉上手になったな~と苦笑したものです(←ただ、それに付き合う法子さんは「おまえまたいつもの悪いクセ…」と呆れており、まるでギャンブラーの夫に苦しむ苦労性のおかみさん状態になっているな~と同情しましたorz)。
この頃になると大分勝負慣れしていた陽一君、確信犯で喧嘩をうっていました;
 ちなみにこの岡田屋さん、「ズブの素人のおまえに勝ってもなんの自慢にもならん。せめて作り方ぐらいは教えといてやるか!!」と大まかなレシピを教えてくれたりしてなかなかいい人なんですが、その反面、万が一にも負けないよう町内会に働きかけ、審査員三人の内二人は自分の商売仲間を採用させるという大人のズルさを発揮しており、まだ若くて真っ直ぐな陽一君を「ひきょうだぞ岡田屋!はじめっからオレとまともに勝負する気なんかなかったんだ!!」と激昂させていました。
 寿司対決の時の寿司虎さんはガチで嫌われていたので無理でしたが、岡田屋さんはそれなりに人望があるから可能な技だったんだと推察されます(←そのせいか、陽一君が「ちょっと待ってよ!!この審査員には異議があるよ!!」『逆転裁判』風に異議を申し立ててもスルーされていました。まるで魔女裁判並に不利な状況で、初見時はこちらまで絶望したものです;)。

 真面目に戦おうとしていた陽一君の気持ちを考えるとひどい話のはずなんですが、寿司コンテストの審査員をほぼ全員買収して絶対勝つ出来レースにした『将太の寿司』の笹寿司、敵キャラのお色気攻撃に負けて食べる順番を言われるままに変えた『中華一番』の審査員、初めから主人公を負かせてやるという私怨だけで全国大会を開いて審査員にも仕掛けをした『鉄鍋のジャン』の大谷日堂を見てきて感覚が麻痺しているせいか、「これくらいならまだマシか…」と思ってしまいました;。
 特に『中華一番!』を読み終わった後だと、調理中に首へ針を刺されて味覚を失ったり、勝負に負けた後に責任を取って死ぬ必要がないんだから、それに比べたら何とかなるなる!と極端な事を考えちゃいます(←味将軍グループの刺客に付け狙われているのは地味に心配ですが…)。
審査員を自分の知り合いで固めて有利にするという、大人ずるさを発揮;
 その後、陽一君は「よーし!!それならそうと心得てかかってやる!!」「文句の言いようのない絶対の味の差をつけてやる!!」と決意し、工夫に工夫を凝らしたオリジナルのお好み焼きを作って出します。
 それが、この“味吉陽一特製スペシャルお好み焼き”です!
 作り方は凝っており、山芋100%で作った皮でキャベツ・天かす・カツオ節・とろろ昆布・牛すじ煮込み・明太子・お餅をサンドして蒸し焼きにし、仕上げにトンカツソース・ケチャップ・マヨネーズを合わせた即席お好み焼きソースをかけ、ブレンドしたふりかけを散らしたら出来上がりです。
 お好み焼きの皮に山芋を加えたら粉っぽさがない最高の生地になるというのは有名な話ですが、陽一君は何と100%、それも加えるのはお出汁だけで卵などは一切使わず、よりふわふわさっくりとした食感に仕上げたと説明しており、今でもなかなか見ないやり方で興味深いな~と感じました。
 明太子を入れたのは、岡田屋さんのようにソースにマスタードを入れて熟成する時間がない陽一君が、同じような柔らかい辛味をプラスする為に思いついたからだそうで、「単に辛いだけじゃない!充分に練りこまれたまろやかな辛味がいっそうの食欲をわきたたせるわ!!」と法子さんも大絶賛していました(←現在、明太子はお好み焼きやもんじゃで定番の具になっていますので、陽一君の先見の明には毎度驚かされます)。
 岡田屋さん同様、広島のお好み焼きに似ている作り方ですが、焼きそば&豚バラ肉の代わりにお餅&牛すじ肉で食べ応えを出しているのが全く違うところで、相変わらず未知の組み合わせだな~と思ったものです。
皮は山芋100%、具は牛筋肉の煮込み、ボリューム感はもちで出します唯一ふりかけでは無理だった熟成された辛味は、明太子で代用!
 中でも画期的だったアイディアが、上にかけるブレンドふりかけ!
 陽一君曰く、「工夫のしようのない完成されつくした味つけなんかこの世の中に存在しないよ!!」だそうで、ソースを寝かせる時間がないなら上にかけるふりかけで工夫すればいいと思い、これでもかというくらいふりかけをブレンドする事でトンカツソース・ケチャップ・マヨネーズだけで作った即席ソースの味を深めたとの事。
 使ったふりかけは、分かる限りではのりたま・梅ジソ・野沢菜・黒ゴマ・鰹・鮭の六種類で、そのままだとのっぺりした味のソースに複雑な風味を補ってくれると作中で語られていました。
 何とも大胆な発想ですが、海外ではフライドポテト・ホットドッグ・ポップコーン・サラダ・焼き魚にふりかけをかけては「何にでも使える魔法の調味料」だと認識しているみたいですので、それを考えるとお好み焼きにかけるのもアリなのかも…と思わされます。
 残念ながら、このやり方だけは現代でも斬新すぎるのかまだ一般化はされていないのですが、発想を逆転させた広島お好み焼き味のふりかけは商品化されて店頭に並んでいますので、考え自体はそう悪くないんじゃないかと睨んでいます。
即席ソースに、ブレンドふりかけをかけることで深みを出していました
 お手頃価格なのにいい牛すじ肉を手に入れたので再現する事にしました。
 作中には大体の材料とレシピが載っていますので、早速その通りに作ってみようと思います!


 ということで、レッツ再現調理!
 まずは、牛すじ煮込み作り。
 お鍋にお水、ブツ切りにした長ネギの青い部分、スライスしたしょうが、牛すじ肉を入れて沸騰させ、十分程経ったら一旦お湯を捨てて新しくお水を張り、再度沸騰させます(←下茹でを丁寧にすればする程アクがしっかり取れ、えぐみが一切ない牛すじ肉になります)。
 アクが出なくなったら火を止めて牛すじ肉を流水で洗い、薄くスライスします。
味吉陽一特製スペシャルお好み焼き1
味吉陽一特製スペシャルお好み焼き2
 圧力鍋に先程の牛すじ肉、スライスしたしょうが、薄く切って塩もみした後下茹でしておいたこんにゃく、お酒、醤油、砂糖、お水を投入し、加圧して数十分煮込みます。
 煮込み終えたらそのまま放置し、味がよく染みたら牛すじ煮込みは準備OKです。
※冷ましては加熱を繰り返すと、より濃厚な仕上がりになります。
味吉陽一特製スペシャルお好み焼き3
味吉陽一特製スペシャルお好み焼き4
味吉陽一特製スペシャルお好み焼き5
 次は、山芋100%の生地作り。
 山芋は皮を剥いてすりおろし器にかけた後すり鉢でよくすり、滑らかになったら合わせ出汁を少しずつ加えてその都度混ぜあわせます。
※山芋は長芋・大和芋・自然薯などの総称ですので、その中からお好みで選んで下さい。当管理人の場合、しっかりした生地にしたかったので、粘りが強めの大和芋を使用しました。長芋だけだと水分が多めでより固まりにくい上、食感もあまりよくないかもしれません。
味吉陽一特製スペシャルお好み焼き6
味吉陽一特製スペシャルお好み焼き7
味吉陽一特製スペシャルお好み焼き8
 この生地を、油を気持ち多めに入れて中火に熱したフライパンへ流し込んでスプーン等で丸く伸ばし、焦げないよう火加減を中火と弱火を行き来させつつ慎重に焼きます。
 生地の表面が乾いたら破かないよう気をつけながらひっくり返し、裏側もパリッと香ばしい焼き目がつくまで焼いていきます。
 一枚焼けたら、もう一枚同じようにして焼いて計二枚用意します。
※ずっと弱火だとねちねちして形にならず、かといって最初から中火だと焦げ付いてしまいますので、火加減が重要です。途中、何度も様子を見ながら焼いて下さい。
味吉陽一特製スペシャルお好み焼き9
味吉陽一特製スペシャルお好み焼き10
 二枚焼き終えたら、一枚をフライパンに戻して弱火で温め直し、その上へ大雑把に千切りにしたキャベツ→天かす→とろろ昆布→カツオ節の順に具を乗せていきます。
味吉陽一特製スペシャルお好み焼き11
味吉陽一特製スペシャルお好み焼き12
味吉陽一特製スペシャルお好み焼き13
 さらに、温め直しておいた牛すじ煮込み→皮を取ってほぐした明太子→しゃぶしゃぶ用の薄いおもち→皮を取ってほぐした明太子を全体に行き渡るよう広げながら乗せていきます。
味吉陽一特製スペシャルお好み焼き14
味吉陽一特製スペシャルお好み焼き15
味吉陽一特製スペシャルお好み焼き16
 あらかたの具を全て乗せ終えたら、最後に千切りキャベツをたっぷり乗せてもう一枚の生地をかぶせ、フタをして弱火のまま数分かけて蒸し焼きにしていきます。
味吉陽一特製スペシャルお好み焼き17
味吉陽一特製スペシャルお好み焼き18
 その間、ソースとブレンドふりかけ作り。
 ボウルへとんかつソース、ケチャップ、マヨネーズを入れ、スプーン等でしっかりかき混ぜておきます(←シンプルなソースなので、とんかつソースは上等な物を使うと尚いいです)。
味吉陽一特製スペシャルお好み焼き19
味吉陽一特製スペシャルお好み焼き20
 もう一方の容器には、のりたまふりかけ、梅ジソふりかけ、野沢菜ふりかけ、黒ゴマふりかけ、鰹ふりかけ、鮭ふりかけを同じ量ずつ加え、ざっと混ぜ合わせます。
味吉陽一特製スペシャルお好み焼き21
味吉陽一特製スペシャルお好み焼き22
味吉陽一特製スペシャルお好み焼き23
 キャベツに火が通ってかさが減ったら障子紙を敷いたお皿へ盛り付け、上からソースをたっぷり塗ってブレンドふりかけをかければ“味吉陽一特製スペシャルお好み焼き”の完成です!
味吉陽一特製スペシャルお好み焼き24
 山芋と出汁だけでそれらしく固まってくれるか心配でしたが、うまくいけば小麦粉入りの生地のようにしっかりした強度で焼けてくれたのでほっとしました。
 お好みソースの香りも強いですが、牛すじ煮込みの醤油系の香りもそれなりに漂う感じで、味の想像が全くつきませんが、陽一君を信じて食べてみようと思います!
味吉陽一特製スペシャルお好み焼き25
 それでは、熱々の内に切り分けていざ実食!
 いっただっきまーす!
味吉陽一特製スペシャルお好み焼き26


 さて、感想ですが…予想以上においしくて感激!お洒落な創作系お好み焼き屋さんにあっても違和感がない味で、山芋オンリーでもちゃんとお好み焼きの皮っぽくなってます!
味吉陽一特製スペシャルお好み焼き27
 生地はさっくりというよりふんわりもちもちしたヘルシーかつ優しい口当たりで、小麦粉を使った生地よりもぷわ~としててすぐに散ってほどける軽い後味が特徴的。
 この淡白ながらも噛むごとにじわじわと山芋の滋味が溢れる生地に、こっくりと奥行きのある甘辛醤油味でホロホロとろけるように柔らかい牛すじ肉と、ぷりぷりした歯触りのこんにゃくがよく合っており、お店の牛すじネギ玉よりもずっとさっぱりして油っこくないのが印象に残りました(←関西風よりも広島風に近い焼き方で、キャベツたっぷりで混ぜ込まないタイプだからかもしれません)。
 とろろ昆布とかつお節の強烈に濃い旨味成分や、天かすの適度な油分が生地と他の具を馴染ませて一つにまとめる役割をしており、地味にいい仕事をしています。
 豚バラ肉を使ったお好み焼きみたいなこってりジューシーな味わいや、ずっしりくるボリューム感はないものの、牛すじ肉の上品で深みのある旨味をしっかり吸い込んでしんなりしたキャベツの甘味がしみじみ美味で、濃厚さとあっさり感を両立させた大人向けの高級お好み焼きというイメージでした。
 この牛すじ肉や、明太子のマイルドな辛さと魚卵特有の濃密なコクを、どっしり力強いもちがねっとり絡み取って全体に奥深い旨さを与えているのが食べ応え満点で、強引に例えるなら「山芋鉄板焼き風明太もち入りコク旨すじ玉」って感じです。
 一方ふりかけですが、正直不安だったものの熱で溶けてソースにやや溶けるせいか食感に違和感はなく、かつお節の風味、赤ジソの酸味、黒ごまの香ばしさ、野沢菜のシャリシャリ感などがいいアクセントになっおり、そこまで悪くありません。
 さすがにプロのソースには及びませんが、これはこれで足りない味をピンポイントで補って細かく自分好みにカスタマイズできる強みがありますし、半ば駄菓子感覚で楽しく頂けるのがよかったです。
 お好み焼きの一種というよりも、煮こみ料理の粉もん仕立てと呼びたくなる程熟成した深みのある別格な一品で、全く新しい鉄板料理だと感じました。


 障子紙も半信半疑でしたが、余分な汁気や油分をある程度きってくれるので確かに味の輪郭がしゃっきりする感じで、意外にいいかもと思いました(←ただ、破ったらいけないと慎重に食べ進めるので、やや食べづらいのが難点)。
 いつもなら、お好み焼きソースは専用の物を使っていますが、トンカツソースとケチャップをマヨネーズで割るだけでも結構いけるものなんだな~と感心しました。
 作るのに大分手間がかかりますが、思い出したらむしょうに食べたくなりそうな味で、また作りたいな~と感じた再現でした。 


●出典)文庫版『ミスター味っ子』2巻 寺沢大介/講談社
     文庫版『ミスター味っ子』3巻 寺沢大介/講談社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。
※レシピの分量や詳しい内容は、以前こちらでご説明した通り完全非公開に致しております。

『どんぶり委員長』の“サプライズカレーマボチ丼”を再現!

 猫が二匹いるので結構な頻度で猫砂を買いに行くんですが、パッケージが個性的な商品が多く、つい観察してしまいます。
 マリ◯ッコリ風のスケベな目をした白黒猫がモチーフだったり、一昔前の何ともいえない猫イラストで原色ハデハデなデザインだったり、洋服を着て二本足で立っているリアル絵の猫が立ち◯ョンするという謎の構図だったり、実写だと何故か高確率でアメリカンショートヘアがモデルだったりと、見ているだけで飽きません。
 中身の砂も色んな長所が売りになってて面白いのですが、唯一「そこまでこだわらなくてもいいんじゃ…」と思ったのは四万十檜という天然の木を素材にした猫砂で、そんな貴重そうな木をわざわざ使わなくてもと感じたものです。

 どうも、布団に入ろうと毛布をめくると猫達が既にとろけており、「何するんじゃ~…」と言いたげなネムネムお目々をしているのを見るとほっこりする当ブログの管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『どんぶり委員長』にて吉田君が委員長の誕生日の翌日に作った“サプライズカレーマボチ丼”です!
サプライズカレーマボチ丼図
 ある日、吉田君らクラスの有志は委員長の誕生日を明日に控え、ちょっとしたプレゼントやお菓子を持ち寄ってサプライズパーティーを開こうと密かに計画するのですが、偶然その背後を通りかかった委員長はうっかり全てを聞いてしまいます←これが某推理漫画に出てくるお酒の名前がコードネームの黒ずくめの男達だったら鉄バット攻撃されて非常に危険でしたので、料理漫画でよかったと思いました)。
 コミュ力があってこういうイベントに慣れている方だったら卒なく対処できそうですが、真面目で融通が利かない性格の委員長にそんな器用なアドリブが出来る訳がなく、帰宅してから「どんな反応をするべきか」を真剣に悩んでいて同情しました;。
 二~三人参加のサプライズパーティーでもこんなに緊張するのですから、これが大勢の人間を公共の場で巻き込むフラッシュモブだったりしたらもうパニック状態になっていたと推測されますので、ある意味これくらいで済んでラッキーだったと思います…。
 しかし、幾度練習しても「えーっ、プ…プレゼントぉ!?わ~い!!う~れし~い~!!」といつものキャラと違いすぎてわざとらしい演技になったり、「プ…プププププププレプレプレプレゼゼゼ…!?」とゲシュタルト崩壊みたいなオーバーリアクションになったり、「あ、どーも」とクールビューティーを通り越して友達を失いそうな塩対応になったりと、どれも問題がありすぎてイマイチ決めきれずにいました。
 まあ、演劇界のサラブレッドと呼ばれる姫川亜弓さんと即興で演技対決出来ちゃう北島マヤさんじゃあるまいし、ごく普通の女子高生なら無理のない反応ですよね;。
自分に対するサプライズ計画をうっかり聞いてしまった委員長、絶望…!
 翌日、結局いい案が浮かばないまま本番を迎えた委員長は、ガッチガチに固まりながら「び、びっくり!!!驚き!!!」「開いた口がふさがらない!!!」「寝耳に水!!!」「鳩が豆鉄砲を食ったよう!!!」と極めて挙動不審に反応してしまい、吉田君達から何となくお察しされていましたorz(←余談ですが、この時委員長がしていた真ん丸すぎる目は『よつばと!』のよつばがびっくりした時の目にそっくりで、デジャブを感じます;)。
 恐らく、表情やしぐさで自然な演技が出来ないのなら、せめて言葉だけでも「こんなサプライズ全然知らなかった!」と強調したかったんだと思うのですが、まるで汚職政治家のお役所言葉な記者会見の如く堅苦しくて白々しい言葉のオンパレードだった為、完全に逆効果だったな~と苦笑しました。

 そして帰り道、「もしかしてこの事知ってた?」と気まずそうに聞いた吉田君に、委員長は本当の事を話して謝るのですが、「も…もちろんみんなの気持ちはとっても嬉しいんだけど、せっかくだったらホントにサプライズにしたかったな…」という本音も漏らしていました(←日頃、丼への好奇心のあまり何度も恋愛フラグをへし折っている委員長の貴重な乙女心シーンです;)。
 その言葉を聞いた吉田君はちょっとしんみりするのですが、「だからさ吉田君…」「アタシのためにサプライズでどんぶり作ってくれる!?」と委員長から唐突に依頼され、「今までで一番の難題じゃね!?」と完全に意表を疲れて戸惑っていました。
 吉田君には気の毒ですが、委員長は振り回されるより、吉田君を丼愛で振り回す姿の方がしっくりくる為、このシーンを見る度「それでこそどんぶり委員長!」と感じてほっとします。
結局、いつも通り吉田君が無理難題の丼作りをする事になってました;
 こうして誕生日の翌日、吉田君がいつもの家庭科室で委員長の為に作ってくれたのが、この“サプライズカレーマボチ丼”です!
 作り方は簡単で、熱したフライパンで牛豚合い挽き肉・麻婆豆腐の素・豆腐を炒め煮して、途中カマンベール入りチーズとカレー粉を加えてさらに煮込み、ご飯の上にかけて刻んだ長ネギをまぶし、半熟卵を乗せたら出来上がりです。
 ポイントは、カマンベール入りチーズは豆腐の大きさに合わせて切ることで、こうするとチーズがすぐに溶けにくくなる上、豆腐と見分けがつかなくなって食べた時びっくりさせられるというお遊び要素もプラスできると語られていました。
 パッと見はただの麻婆豆腐に見えますが、一口食べるとカレー味も同時に口に広がり、もう何口か食べるとチーズが出てきたりするという二段構えのサプライズが潜んでいる面白い一品で、中華とインド料理が見事に入り混じったコラボ丼だと思いました(←生クリーム味トマト味といった変り種が出たり、グラタンパスタのソースに使われたりなど、麻婆豆腐には色んな可能性があるな~と実感させられます)。
 実際に食べた委員長曰く、「考えてみれば、ひき肉も入ってて味にクセのない豆腐も入ってるから、スパイシーなカレーと合わないワケがない!!」「マーボー豆腐とカレーのお互いの辛さや香りが一層引き立つ!!」「こ…これは!!チーズ!!」「この絶妙なとろけ具合が、カレー風味のマーボー豆腐とごはんに絶妙に口の中で絡み合い…もう、たまらなく絶妙!!」だそうで、あまりの美味しさに身悶えていました。
一瞬、もこみちさんの塩ファサーに似ているな~と思いました;幾重にも仕掛けられたサプライズに、驚きまくっていました!
 以前、麻婆カレーという市販のレトルト商品を食べてその相性の良さは既に知っていた為、それをさらに丼にしてチーズもあわせたらどんな感じになるか知りたくて再現する事にしました。
 作中には詳細な分量つきのレシピがきっちり記載されていますので、早速その通りに作ってみようと思います!


 ということで、レッツ再現調理!
 まずは、炒め作業。
 熱したフライパンへ牛豚合い挽き肉を入れて細かく切るようにして混ぜながら炒め、香ばしく火が通って色が変わってきたら市販の麻婆豆腐の素を加え、ざっと合わせます。 
サプライズカレーマボチ丼1
サプライズカレーマボチ丼2
サプライズカレーマボチ丼3
 次は、煮込み作業。
 火力を強火にして煮立て、ソースが挽き肉にしっかりなじんだのを確認したらさいの目切りにした木綿豆腐を加え、形を崩さないよう気をつけながらそっと混ぜてから中火で煮込みます。
サプライズカレーマボチ丼4
サプライズカレーマボチ丼5
 少し経って豆腐にソースが染みこんで来たら、豆腐と同じサイズのさいの目切りにしたカマンベール入りチーズを投入して混ぜ、カレー粉を振りかけて合わせた後少し煮ます。
 その間、水でさっと濡らしておいた平皿に生卵を落として爪楊枝で数箇所穴をあけ、電子レンジに三十秒くらいかけて半熟状になるまで熱を通しておきます。
※素についてきていたスパイス小袋は、この段階で入れておきます。
サプライズカレーマボチ丼6
サプライズカレーマボチ丼7
サプライズカレーマボチ丼8
 炊き立てご飯をよそっておいた丼容器に先程の麻婆豆腐をかけて刻んだ長ネギを全体に散らし、真ん中に半熟卵を乗せれば“サプライズカレーマボチ丼”の完成です!
サプライズカレーマボチ丼9
 見た目はごく普通の麻婆豆腐にそっくりですが、香りはカレーの方が圧倒的に目立つ感じで、見れば見る程頭が混乱してます;。
 チーズも思った以上に豆腐へ擬態出来ている感じで見分けがつかず、一体どういう味になっているのか非常に楽しみです!
サプライズカレーマボチ丼10
 それでは、熱々の内にいざ実食!
 いっただっきまーす!
サプライズカレーマボチ丼11


 さて、感想は…色んな辛さが交差して生まれる複雑な味わいにうっとり!半熟の黄身とカレーの相性が鉄板過ぎで、ご飯が進むおいしさです!
 麻婆豆腐とカレーの割合は2:8で圧倒的にカレーが強く表に出ており、カレーの香辛料が奥行きのある風味が即席とは思えぬ深みを出しています。
 ソースの量に対して挽き肉があまりに多いせいか、普通の麻婆豆腐よりも肉々しくコクがある印象で、脂を吸って肉っぽい旨味が増した豆腐と共にご飯へ絡めると結構食べ応えがありました。
 例えるとするなら「麻婆豆腐入りでとろみのある中華風キーマカレー丼」という感じで、唐辛子や山椒といった中華のスパイスと、カレーの香り高いスパイスが幾重にも混じりあって二重奏を奏で、他のカレー料理にはないエキゾチックなスパイシーさが出ているのがたまりません。
 カマンベール入りチーズは他のチーズに比べて一、二を争う程まろやかかつこってりしており、チーズならではの濃厚なコクが活きているのに酸味がマイルドな味わいはクリームチーズに似ていて、ピリ辛な麻婆ソースを時折中和してくれるのが絶妙な箸休めになっていました。
 それなりに大きい塊なのにねっとりトロリと簡単にとろけるチーズが麻婆風カレーのご飯に合わさると、その一口だけこの上なくクリーミーでリッチなチーズカレーを食べている気分になり、ほっこりします。
 生の長ネギのシャリシャリシャキッとした小気味良い食感と、清涼感溢れる香りが後口を爽やかにするのが地味にいい仕事をしており、全体を引き締める重要なアクセントになっていました。
 かなり辛くて舌にピリピリと響く刺激的な味付けなので好みが分かれそうですが、辛い物&エスニック好きは中毒になりそうな一品です。


 夫には何の前情報も教えず食べてもらったのですが、匂いで即座にカレー入りだと見破られはしたものの「これ、旨いな!」とすごく喜んで瞬く間に平らげており、チーズも合うと言っていて大好評でした。
 ごま油をたらして新しい風味をプラスしたり、納豆を足してもおいしかったです。


P.S.
 ほーりーさん、銀猫さん、kawajunさん、ここさん、とめさん、おもちさん、コメントを下さりありがとうございます。
 平成が終わり新しい時代が始まる2019年が、当ブログにお越しになる皆様にとって幸多き一年となりますよう、心からお祈りしております。


●出典)『どんぶり委員長』 市川ヒロシ/双葉社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。
※レシピの分量や詳しい内容は、以前こちらでご説明した通り完全非公開に致しております。

『銀平飯科帳』の“銀次流江戸あんぱん”を再現!

 皆様、新年明けましておめでとうございます!
 ブログを休んでいた約二年間はちゃんしたご挨拶も出来ずにズルズルと日々をすごしていた為、ずっと心にしこりが残っているようでしたが、今年は無事更新する事が出来てほっとしております。
 今後ともご縁がございましたら、何卒よろしくお願い致します。

 どうも、毎年干支を調べる時「猫年があったらいいのにな…今からでも作れないかな?」と飽きもせず考えている当ブログの管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『銀平飯科帳』にて銀次さんが江戸時代で食べたある物をヒントにして作り上げたオリジナル料理・“銀次流江戸あんぱん”です!
銀次流江戸あんぱん図
 ある日、銀次さんは数年前から徐々に流行りだしているコッペパン専門店に興味を持ち、早速スタンダードな粒あん&バター味を購入します。
 コッペパン専門店とは、その場でオーダーした種類豊富な具材をコッペパンに挟んで売ってくれる、出来立ての味にこだわったコッペパンサンドのお店で、コッペパン版サブウェイといった感じの新しいファーストフード系パン屋。
 企業によってメニューや具材は微妙に違いますが、どのお店も大体共通しているのは、給食で出てくるようなしっかり焼き目のついたコッペパンではなく、フワフワしっとりした柔らかめのコッペパンを使う・おかず系だけでなくデザート系も充実している・サイドメニューはほぼなく、あくまでコッペパンだけを主役に据えてシンプルに勝負しているといった三点で、他のファーストフード店に比べて価格がかなり安いのも人気の理由の一つではないかな?と思いました(←ほとんどが100円~200円台で、高くても300円台前半!マ○ドナルドのバーガーメニューに匹敵する低価格なのに、サイズはより大きくて具材もしっかり乗ってるなら、正直こっちを選んでも仕方がないくらいお得感があります)。

 かの有名な美食家・海原雄山氏は、ハンバーガーを「味覚音痴のアメリカ人の食べるあの忌まわしい」「あさましい」「下卑た食い物」と言って決して認めようとしませんでしたが、コッペパンサンドは果たしてどのように評価するのか…個人的に気になります(←現在の形のコッペパンは一応日本が発祥ですので、最近すっかり丸くなった雄山タンならギリギリ認めてくれるのでは、と少し希望を持ってます;)。

 その際、商売仲間である神田製パンの店主・小林さんがコソコソとコッペパンを買っているのを目にした銀次さんは不思議に思い声をかけるのですが、何故かそそくさと帰ってしまった為、次の日お店に来た時にどういう訳か尋ねます。
 実は小林さん曰く、近所で開店したばかりの店がコッペパンのおいしいパン屋と評判なのが気になって偵察に行ったらしく、「経営が苦しいので、コッペパンのような何か新しい商品を取り入れようと思ってるんですが…。うちは家族経営なので品数では勝負できないし、何かコレっていう一品が見つかれば…と、必死なんですよ…」と不安そうに語っていました。
 日頃はごく普通の事のように受け入れていますが、従業員数二名・品数○十種類以上・お昼時の出前もOKという『ミスター味っ子』の日之出食堂が、如何に化け物じみた個人経営店かという事を改めて実感させられます。
知り合いのパン屋・神田製パンさんは、コッペパン屋さんを偵察に行っていたとの事
 その後、銀次さんは幼馴染で片思い中の女性・葉瑠さんから「江戸にちなんだアイデア出してみてよ」「神田製パンがなくなったら、あたしがアンパン買うとこなくなっちゃうじゃない!」「そうなったら、銀次にお昼作ってもらうからね!」と言われて焦ったのもあり、江戸時代へタイムスリップして何かヒントになりそうな物を探しに行きます(←初登場時は優しいキャラだった葉瑠さんですが、巻が進むにつれてかぐや姫級の無茶振りをするドSヒロインになっており、まだ告白前だというのにすっかり尻に敷かれている銀次さんが気の毒ですorz)。
 銀次さんとしては単に江戸らしいだけでなく、それなりにインパクトがあって珍しい食材を使いたいと考えていたのですが、江戸時代の珍味は越前の汐うに長崎のからすみ三河のこのわたみたいなパンに合わない&高価なものばかりで、困り果てて心強い助っ人・平蔵さんに何かいい物はないか相談していました(←かつて“寿司サンドイッチ”で生の明太子やいくらをパンにそのまま乗っけた陽一君なら、色々挑戦していたかもしれません。基本、予算や手間は度外視するのが味っ子ワールドの特徴ですし;)。

 すると、江戸ではなく水戸の名産にはなるものの、「三鳥二魚」と呼ばれて珍重されている食材があると教えられます。
 三鳥は「鶴(ツル)」、「雲雀(ヒバリ)」、「鷭(バン)」、二魚は「鯛(タイ)」と「鮟鱇(アンコウ)」で、江戸時代には既に五大珍味として有名になっており、中でもアンコウは水戸徳川家が将軍家へ献上する程重要な食材だったとの事(←現在、鶴と雲雀は国が保護動物として指定しているので食べられませんが、鷭だけは食べてもOKみたいです)。
 通常、将軍家に献上されるような食材は庶民だと滅多に食べられないケースが多かったのですが、意外にもアンコウは江戸っ子達にも広く親しまれていたようで、あん肝をベースにお酒や味噌で味つけしたどぶ汁が人気だったと作中で語られていました(←それにしても、「どぶ」汁…なかなか衝撃的な名前で、いつも違和感を感じます。はんごろしべろべろ穴の中のヒキガエルに負けない響きで、一発で覚えます;)。
水戸には三鳥二魚という言葉があるそうで、昔は雲雀も食べられていたのだとか昔は鮟鱇鍋を溝汁と呼び、味噌などでこってり味つけしていたみたいです
 こうして平蔵さんの案内でどぶ汁を食べに行った銀次さんは、アンコウだけは珍味の中で唯一コッペパンに合いそうだと思うものの、「パンにははさめないしなあ…」という致命的な弱点に悩むのですが、ひょんな事でナイスな調理法を思いつきます。
 それが、この“銀次流江戸あんぱん”です!
 作り方は簡単で、卵黄・和辛子・一味唐辛子・塩・お酢を混ぜて作った自家製マヨネーズに刻んだスイカの奈良漬けを投入して合わせ、下味をつけた後にフライの衣をつけて揚げたあん肝やレタスと共に、コッペパンへ挟んだら出来上がりです。
 ポイントは、あん肝はお酒で臭みを抜いてラップで巻いて蒸してから使うことで、こうするとフォアグラっぽいガツンとした濃い旨さになり、香ばしい衣と相まってパン相手でもしっくりくる美味しさになると説明されていました。
 あん肝と言うと、夜にポン酢醤油で頂く居酒屋風おつまみというイメージが根強いので、お昼にフライにしてマヨネーズをかけてコッペパンに挟んでカジュアルにかぶりつくというイメージがあまり想像つかないのですが、考えてみれば似た味のレバーもカツやサンドにされてよく売られているので、むしろ今までなかったのが不思議なくらいかもしれません。
 奈良漬けとマヨネーズというのもびっくりな組み合わせですが、これが意外に和風ピクルスみたいになって合うらしく、複数の奈良漬け屋様のサイトや奈良県公式サイト様でもお勧めされており、その懐の深さにびっくりしたものです。 
あん肝のフライとすいかの奈良漬のタルタルソースで「あんぱん」を作っちゃいました!
 セールで思いがけずカナダ産あん肝を安く仕入れることが出来たので、いい機会だと思い再現することにしました。
 作中には大体の材料とレシピが記載されていますので、早速その通りに作ってみようと思います!


 ということで、レッツ再現調理!
 まずは、自家製タルタルソース作り。
 ボウルへ常温に戻した卵黄、和辛子、一味唐辛子、塩、りんご酢を入れて泡だて器でよくかき混ぜ、完全に液体状になったら菜種油を少しずつ加えながら丹念に攪拌していきます。
 やがて全体にもったりとしたとろみがつき、色が白っぽくなってツヤが出てくるまで混ぜたら、手作りマヨネーズは準備OKです。
銀次流江戸あんぱん1
銀次流江戸あんぱん2
銀次流江戸あんぱん3
 この手作りマヨネーズに、酒粕をキッチンペーパー等でしっかり拭い取った後細かく刻んだスイカの奈良漬けを投入し、塩加減やお酢の酸味の微調整をしていったら、自家製タルタルソースは出来上がりです。
※スイカの奈良漬けがない場合は、普通の瓜を使った奈良漬けでも可だそうです。
銀次流江戸あんぱん4
銀次流江戸あんぱん5
銀次流江戸あんぱん6
 次は、あん肝のフライ作り。
 血合いや筋を取り除いてお酒に浸けたあん肝を、ラップで筒状に包んで形を整えて蒸し器で蒸し、固まったらそのまま冷水につけて冷まします。
 全体が冷えて形が崩れにくくなったら、やや分厚めにスライスして醤油、お酒、みりんを混ぜ合わせた調味液につけ、何度かひっくり返しながら約一時間ほど味を染みこませます。
銀次流江戸あんぱん7
銀次流江戸あんぱん8
 味がついたらキッチンペーパー等で水分をしっかりふき取り、小麦粉→溶き卵→パン粉の順に衣をつけ、高温の油でさっと揚げます(←既に火は通っていますので、表面がキツネ色に色づいたくらいで取り出して大丈夫です)。
 揚がったらすぐに引き上げ、余計な油分をきっておきます。
銀次流江戸あんぱん9
銀次流江戸あんぱん10
銀次流江戸あんぱん11
 その間、少し温め直したコッペパンの横にパン包丁で切れ目を切れてレタスを挟み、その上に自家製タルタルソースをかけておきます。
銀次流江戸あんぱん12
銀次流江戸あんぱん13
 油分をきり終えたあん肝フライを先程のコッペパンに挟んでお皿に乗せれば、“銀次流江戸あんぱん”の完成です!
銀次流江戸あんぱん14
 パッと見ただけだとすぐにあん肝フライだとは分からなく、どちらかといえばホタテフライか小さめのメンチカツ、もしくはフォアグラのフライにしか見えません。
 あん肝といえば酒の肴というイメージでしたので、パンに合うのかどうかいまいち想像がつきませんが、見た目は如何にもおいしそうなので期待して食べてみようと思います!
銀次流江戸あんぱん15
 それでは、熱々の内にいざ実食!
 いっただっきま~す!
銀次流江戸あんぱん16


 さて、感想は…これ以上ないくらい抜群の相性で美味し!全く新しい純和風のサンドで、ジュースよりもビールが欲しくなる一品です!
 揚げたてのカリッと香ばしい衣を噛み破ると、まるで絹ごし豆腐をさらに滑らかで密にしたような舌触りのあん肝がクリーミーにふわっととろけ、重厚かつあっさりしたコクが口の中一杯に広がるのが最高で、この醍醐味はカキフライにちょっと似ているな~と感じました。
 醤油の下味もあって結構濃いめな味付けですが、シャキシャキと瑞々しいレタスや、しっとりふんわりしてほのかに甘いコッペパンがしっかり受け止めて程よく中和させており、あん肝だけ浮くことなくちゃんとした「フライサンド」になっています。
 フォアグラや白レバーと非常に似ている洋風味のフライですが、揚げて水分が抜けるとさらに味が凝縮するせいか、魚由来の強烈な脂の旨味がよりはっきりと強調される感じで、カニミソのクリームコロッケをもっと濃厚にしたような美味しさだとも思います。
 自家製のマヨネーズは練り辛子のキリリと凛々しい和の辛さがほのかに効いた、まろやかでサラリとした口溶けの上品な出来映えで、いつまでも舌にべっとり残らずすっきりした淡い酸味が濃い味のフライとぴったりでした。
 すいかの奈良漬けは瓜よりも食感がさりげない感じで優しく、ボリボリというよりはサクサクコリコリとしたしなやかな口当たりで、独特の癖もマヨネーズでうまく和らいで程よい香り高さになっており、他の具と衝突する事なく馴染んでいるのが印象的。
 これが普通のタルタルソースだと、余計くどくなる上にあん肝の個性の前に味がかき消されていたと予想されますが、こちらは奈良漬けの爽やかかつ熟成された強い甘酸っぱさと、極上の日本酒に近い雅やかな風味があん肝に負ける事なく存在感を主張し、あん肝の脂分をすっぱり断ち切ってさっぱりした後口にしていたのがよかったです。


 市販のマヨネーズよりも淡白でしつこくない自家製マヨネーズはとても食べやすく、久々に作りましたがこれはハマりそうです。
 奈良漬けとマヨネーズが合うとは考えてもみなかった為、他にも色々合わせてみたいな~と思いました(←カマンベールチーズフライみたいに濃い味のフライとか、魚系のフライにあいそうです)。


P.S.
 味っ子とクッキングパパ大好きさん、kawajunさん、コメントとご質問を下さりありがとうございます。
 再現料理のリクエストは、可能な範囲内でタイミングがあった時にお受けする形をとっております。
 うちの猫達は、とても元気です!kawajunさんのお宅の猫さん達は、お元気でしょうか?
 むしろ、まだ二〜三歳でやんちゃ盛りの子猫達の方が元気すぎて、めっきり疲れがたまりやすくなった30代の人間達はついていくのがやっとの毎日です(苦笑)。
 最近、やっと写真写りがよくてぶれてなくて眠り顔じゃない写真が撮れてきたので、機会があったらぼちぼちアップしようと思います。


●出典)『銀平飯科帳』 河合単/小学館
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。
※レシピの分量や詳しい内容は、以前こちらでご説明した通り完全非公開に致しております。

プロフィール

あんこ

Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『どんぶり委員長』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『ミスター味っ子』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『BAR・レモンハート』
 …『ぶたぶた』シリーズ
 …『ベーグル食べない?~幸せカフェごはん~』
 …『飯盛り侍』


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