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『こまったさんのラーメン』の“マーボラーメン”を再現!

 年末年始の北海道旅行中、小樽にあるほとんどのお店がお休みでシャッター街状態になっており、それでも諦めずに極寒でも陽気な外国人観光客の方々に混じってありがたくも元旦営業している海鮮丼屋さんにたどり着いたのですが、当然の如く行列で少し絶望orz。
 とはいえ、せっかくここまで来たのだから本場の海鮮を食べたいと夫共々外で待っていたのですが、途中にある狭い小道の一部が踏み固められすぎてスケート場のリンク状態になっており、何も知らずに通りかかる人が滑って転ぶというトラップの床状態になっていてガクブルしました;(←当管理人含め、皆一丸となって転びかけた方々をキャッチしました。助け合いの精神、全国共通だと実感)。
 どうやったらこの問題を解決できるんだろうと待ち時間がてら考えていたのですが、新しく来た観光客の方が新しい雪を足で何度も蹴りいれてツルツル状態をあっという間に無効化し、見事トラップは解除されていました。
 ほとんどが国籍が違う人同士だったので言葉を交わすことはありませんでしたが、その場の空気が「おおー!」「すご~い!」「よかった、よかった」という喜びムードに染まっていたのははっきり分かり、たったこれだけの事ですが脳内で「We are the world~♪」の曲が流れました。

 どうも、海鮮丼に入っていた北海道産エゾバフンウニの濃厚でとろけるような甘さが未だに忘れられない当ブログの管理人・あんこです。


 本日作る再現料理は、『こまったさんのラーメン』にてこまったさんが夫のヤマさんと食べる為に作った“マーボラーメン”です!
こまったさんのマーボラーメン図
 これまで色んな不思議な世界に迷い込んだこまったさんですが、今回ご紹介するお話はそれまでご紹介してきたメルヘンな世界とは一味違った、『世にも奇妙な物語』チックなお話。
 ある日、こまったさんの花屋にホンコンやきそばに載っているステレオタイプの中国人みたいなおじさんが宅配業者としてやってくるのですが、サインをして荷物を受け取って振り返るとバラ一輪を残して大量の花が忽然と消えており、頭が?だらけになります。
 普通だったら「新手の外国人窃盗グループ!?」「警察に連絡しないと…!」と慌てる所ですが、ある時はスパゲティの川に流されてアフリカの大草原に迷い込み、またある時は「オムレツ作りに失敗したらうちに帰れない」と言われてオムレツ島に軟禁されたり、またまたある時は人食い鬼に捕まって危うく食べられかけるなど、なかなか波乱万丈な異世界ライフを送ってきたこまったさんには取るに足らない事だったらしく、「だれから、おくってきたのかしら」「これで、よし!」とのん気に言いながら荷物に入っていたヒヤシンスの球根をガラス瓶に活けていました。
 『Vガンダム』で初恋の女性であるカテジナさんにナイフで脇腹を刺されても、「…まったく」と呟いて軽くスルーしたウッソ君に通じる物があるたくましい精神力です。

 これだけでも結構な事件ですが、その直後、何故か中国風の服を着た夫・ヤマさんが「花がないから、花やはおしまい。きょうからうちはこまったラーメンだ」と言ってさっさとお店を片付け、ラーメン屋に改装し始めます(←週の半分だけラーメン屋をやってる美容室とか、本屋も兼業しているラーメン屋の話は聞いたことがありますが、花屋からラーメン屋の転身は大胆すぎるのか未だに見た事がないです;)。
 大抵の事には動じないこまったさんもこれには珍しく怒り、「わたし、いやよ。ラーメンや、はんたい。わたしは、花やのこまったさんですからね」とバイクに飛び乗り、「かってにすればいいわ」と店を出て行っていました。
 ほんのりファンタジーが入った児童書とは思えぬドキュメンタリー番組のようなリアル展開に、子どもの頃は「大丈夫かな…?」とドギマギしたのを覚えています;。
いきなりやってきてラーメン屋にすると言い出す夫に仰天するこまったさん
 しかし、バイクはこまったさんの意思とは無関係に知らない町へ走り出して色んなお店へ連れ回され、いつの間にかバイクの後ろについていた小さい荷車に野菜や肉や魚がどんどん投げ込まれ、最終的にはすっかりラーメン屋さんと化した元・花屋さんの所へと戻されてしまいます(←こちらの作品が発表されたのは1988年ですが、既に完全自動運転車みたいな乗り物が登場している事に驚き!作者である寺村輝夫先生の先見の明に脱帽です)。
 不思議な力で知らず知らずの内に買い物係にされていた事を知ったこまったさんは、シリーズで一、二を争う程激怒するのですが、自分が活けていた球根から何と本物の縮れ中華麺が生えてきたり、「きみでなければ、できないよ」とヤマさんにうまく乗せられて野菜炒めを作ったり、行列で並んでいるお客さんにラーメンを出していく内、段々その気になっていきます。
 その昔、イギリスのBBCは「スイスではスパゲッティが豊作を迎えています」と言って木に生るパスタを収穫する様子をニュースで流すという、まるで虚構新聞民明書房みたいなトンデモネタをエイプリルフールに流したそうですが、この球根から勝手に麺が生えてくるというのも似た匂いがするな~と感じたものです←二十歳くらいの時に初めて『魁!!男塾』を読んでしばらく民明書房を真剣に信じていた当管理人は、幼少期の時も当然の如く「へ~、麺って球根から生えるんだ」と信じていました)。
 ちなみに、こまったラーメンの値段は一杯100円。
 確かに現在でも100円でラーメンを出すお店はちらほらありますので、全く実現不可能という訳ではないんでしょうが、こまったラーメンの場合、豚ばら肉・にんじん・白菜・椎茸・玉ねぎ・ピーマン・たけのこを合わせて炒めた野菜炒めなどをラーメン二郎級にどっさりと乗せてこの価格ですので、このご時世では神レベルのコスパ最強店だと思います。
最初は怒っていたこまったさんも、徐々に楽しくなってきていました。
 その後、こまったさんは冒頭に出てきた怪しいホンコンおじさんが鳴らした大量の爆竹の音でやっと現実世界に戻り、とっくに閉店時間な事に気付いて店じまいをします。
 そして、家に帰ってから先程のこまったラーメンで得たインスピレーションを元に、夕食にラーメンを作っていました。
 それが、この“マーボラーメン”です!
 作り方はとても簡単で、油をひいて熱した中華鍋ににんにく・赤唐辛子・挽き肉・豆腐を入れて炒め、中華スープ・ケチャップ・味噌・水溶き片栗粉で作った合わせ調味料を加えて煮込み、市販の醤油味のインスタントラーメンの上に乗せたら出来上がりです。
 ポイントは、豆腐はあらかじめ下茹でしておくこと、仕上げにごま油をたらす事の二点で、こうすると豆腐に味がよく染みた香り高い麻婆豆腐になるとのことでした。

 実はこのケチャップ味の麻婆豆腐レシピ、カゴメ様も推奨している作り方でもあり、公式HPに近いレシピも掲載されていました。
 麻婆豆腐と言うと、本格的に作ろうとしたら豆板醤・甜麺醤・豆鼓・花山椒といった本場の調味料が必要な、ちょっと手のかかる料理というイメージですが、こちらのレシピは家によくある材料で気軽に作れるのが魅力的です。
 ちなみに、“マーボラーメン”を食べて余計火がついたのか、食事中こまったさんは「わたし、こまったラーメンのおみせ、やろうかしら」と言ってヤマさんをぎょっとさせており、九官鳥のムノ君に「コマッタ、コマッタ」と冷や汗をかかせていました;(←のび太君にはドラえもん、しんのすけ君にはシロ、ガジェット警部にはブレインというように、おっちょこちょいな主人公にはしっかり者の相棒がお約束で傍にいるものですが、こまったさんにとってはそれはムノ君という感じです。夫のヤマさんの立場がないですが)。
仕上げにごま油を少しだけたらすのがコツで、見るからに美味しそうでした
 麻婆豆腐といえば思いっきりスパイスを利かせたものばかり作っており、こういういい意味でラフな物はめっきり作っていなかった為、どういう感じか気になって再現する事にしました。
 作中にはカラー絵つきで詳細なレシピが載っていましたので、早速その通りに作ってみようと思います!


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、豆腐の下ごしらえ。
 木綿豆腐はサイコロ状の大きさに揃えて切って軽く水切りし、塩を少し入れてぐらぐら沸騰させたお湯へ入れて下茹でします。
 再度お湯が沸騰してきて豆腐がプルプル震えてきたらザルにあけ、湯きりをしておきます。
マーボラーメン1
マーボラーメン2
 次は、マーボ豆腐作り。
 中華鍋(又はフライパン)に油をしいたら、みじん切りにしたにんにく、種を取って輪切りにした唐辛子を加えて火にかけ、香りが出るまで熱を通します。
 いい匂いがしてきたら合い挽き肉を投入して強火で炒め、パラッとしてきたら先程の豆腐を入れてざっと混ぜ合わせます。
マーボラーメン3
マーボラーメン4
マーボラーメン5
 豆腐と挽き肉に香味野菜が行き渡ってなじんだら、味噌、ケチャップ、中華スープをしっかり混ぜ合わせて作った調味ソースを注ぎ、グツグツ煮込みます。
 少しずつ煮詰まって味がついてきたら水溶き片栗粉を回しかけて手早く混ぜ、とろみがついたらごま油をひとたらししてさっとあおります。
マーボラーメン6
マーボラーメン7
 その間、自分の好きな醤油味の袋ラーメンを用意して裏面に載っている手順通りに作り、丼容器へ盛り付けておきます。
※スープは気持ち薄めにした方が、後々塩気のバランスがよくなります。
マーボラーメン8
マーボラーメン9
 出来立ての醤油ラーメンへ熱々のマーボ豆腐をたっぷりかけ、麺がのびない内に急いでテーブルへ運べば“マーボラーメン”の完成です!
マーボラーメン10
 今まで色んなアレンジ麻婆豆腐を食べてきましたが、麻婆味のラーメンはさすがに食べたことがなかった為、見た目はおいしそうだとは思いつつも「不思議な絵面だな…」と思いました;。
 ただ、香りは如何にも中華風で芳しく期待が持てましたので、どんな味がするのか楽しみです!
マーボラーメン11
 それでは、冷めない内にいざ実食!
 いっただっきまーす!
マーボラーメン12


 さて、感想は…中華街風のラーメンっぽくて美味!麻婆を乗せるだけなのに、どうしてこんな本格的な味になるのか不思議です!
 豆板醤を入れず輪切り唐辛子だけ使っているせいか、通常の麻婆豆腐よりも比較的まろやかな辛さで、トマト由来の甘酸っぱい旨味と挽き肉のコクが口の中に広がる中、最後に控えめながらもピリッとスパイシーな後口が残るのが爽やかです。
 そのままだとあっさりなオーソドックス系中華そば的スープも、麻婆豆腐が入る事によって坦々麺や台湾ラーメンを思わせる刺激的で奥行きのある旨味のピリ辛のスープに変身し、食べ応えと深みがぐっと増していました。
 本場風の味というよりは、 陳建民さんが日本の家庭にあわせて作ったなんちゃって風の味という感じですが、ソースの主張が強すぎないおかげでラーメンが付け足しにならず、両方とも存在感があって丁度いいバランスで調和しているのがよかったです。
 一度茹でた豆腐は水分が抜けているせいかスープをぐいぐい吸い込んで濃厚な味わいになり、ふわふわの豆腐にはないしっかりした食感で挽き肉に負けない豆の味が凝縮したような旨さが特徴的でした。
 また、とろみのついた麻婆ソースがスープに溶け込むせいか、まるであんかけラーメンみたいなトロンとした口当たりの麺になっており、見た目よりも優しい味わいになっているのが印象的。
 とろみでコーティングされた滑らかな舌触りの麺は広東麺っぽい上品な味わいで、たったこれだけなのにいつも食べるラーメンよりもワンランク上の美味しさになっていて満足です。


 袋ラーメンのアレンジは今まで色々と見てきましたが、こんな単純なやり方で味がガラッと変わるとは思わず、いい勉強になりました。
 塩ラーメンでやってみてもまた違った感じでおいしそうですので、また試したいな~と思います。


P.S.
 恭さん、kawajunさん、コメントとご指摘下さりありがとうございます。
 あと、本文には全く関係ないんですが、以前リクエストを頂いたうちの猫の写真と、簡単な性格を下に載せます(←二匹とも、それぞれ生後一ヶ月頃に保護して出会いました。名前は他にちゃんとあります;)。


○オス猫(二歳半、去勢済)
 野良出身。やんちゃで社交的かつ図太い性格。自分で扉を開け、自由に家の中を行き来できる。夫には懐いてるものの、当管理人とその母には牙を剥く(←しかし、当管理人の膝で暖を取ったりじゃれつく一面も。飴と鞭の使い方が上手すぎて末恐ろしいので、人間じゃなくてよかった)。同居しているメス猫は赤ちゃん猫だった頃からすごく可愛がっており、今でもよく猫だんご状態になっている。
オス猫二歳
○メス猫(一歳半、避妊済)
 野良出身。臆病で内気な性格だが、パニックになると壁を走りかねない身体能力を披露。当管理人とおやつが大好きで、両者の気配がしたらどんな遠くからでもすっ飛んで来て甘える。飼い主に似て社交下手と思いきや、ご飯が欲しい時は夫にぶりっこしておねだり出来るので、当管理人よりは社会性がある事が判明。オス猫の事は恋人というより、いい遊び相手のお兄ちゃんと思っている模様。
メス猫一歳


●出典)『こまったさんのラーメン』 原作:寺村輝夫 作画:岡本颯子/あかね書房
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。
※レシピの分量や詳しい内容は、以前こちらでご説明した通り完全非公開に致しております。

プロフィール

あんこ

Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『どんぶり委員長』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『ミスター味っ子』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『BAR・レモンハート』
 …『ぶたぶた』シリーズ
 …『ベーグル食べない?~幸せカフェごはん~』
 …『飯盛り侍』


○当ブログについて
 このブログで使用されている記事の画像、一部文章は、それぞれの出版物等から引用しております。
 引用物の著作権は全て作者様、出版社様等に準拠致します。
 もしご関係者様に問題のある画像及び記事がございましたら、御連絡頂ければ速やかに修正、削除等の対処を致します。

○お知らせ
・当ブログでは作品のネタバレを含んだレビューも同時に行なっておりますので、作品を未見の方はご注意をお願いいたします。
・各作品に掲載されているレシピの分量は、例外なく全て非公開にする方針を取っておりますので、ご了承の程をお願いいたします(←この件についてご質問頂いた場合、誠に失礼ながら下記の理由でご返信しない方針にしております)。

※現在、公私の多忙と、再現記事のペース維持を理由に、コメント欄へのご返信が出来ない状態が続いております。
 こういう場合、コメント欄は停止するべきなのかもしれませんが、励ましのお言葉やアドバイスを頂く度、ブログのモチベーションアップや心の支えとなったこと、そして率直なご意見や情報を聞けてとても嬉しかったこともあり、誠に自分勝手ながらこのままコメント欄は継続する事に致しました。
 図々しい姿勢で恐縮ですが、ご返信をこまめに出来なくて余裕がある分、ブログ内容を充実&長期的に続けられるよう力をいれる事で皆様のご厚意にお応えし、感謝の気持ちをお返ししていきたいと考えております。
※ただ、ご質問を頂いた際はなるべくお力になれるよう、すぐご返答できるように対処致します。

 応援して下さる方々に少しでも楽しんでご利用して頂けるよう、沢山の作品に触れるちょっとしたきっかけになれるよう、これまで以上に心掛けていきます。
 恐れ入りますが、よろしくお願い致します。

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