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『クッキングパパ』の“荒岩流冷やし中華”を再現!

 その昔、素麺やうどんに比べて冷麦があまり好きではなく、夏に昼食として出ると何ともいえない無の表情になったのを覚えています。
 今となっては正確な原因は分からないのですが、素麺みたいに細くもなく、うどんみたいに太くもないという中途半端な所が扱いづらく、食べていてムズムズするのが苦手な理由だったように思います。
 しかし、大人になってシンプルな麺つゆではなく“田舎風そうめん”みたいな濃い甘辛つゆにつけたり、チャンプルーみたいに炒めたりするようになってからは「おいしい!」と手の平返しをするようになっており、味覚の変化って面白いな~と思います。

 どうも、二十代の頃は月見蕎麦に入っている卵は先割り溶き崩し派だったものの、現在は後残し半熟トロリ派になっている当ブログの管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『クッキングパパ』にて荒岩主任が出産を控えて食欲がないけいこちゃんの為に作った“荒岩流冷やし中華”です!
荒岩流冷やし中華図
 連載初期、まだ新婚ほやほやだったけいこちゃんは程なくしておめでたが判明し、妊娠八ヶ月が経過した頃でも金丸産業で事務としてバリバリ働いていました。
 妊娠初期はつわりがあったようですがその後はおさまり、産休三ヶ月のみで育休なしでもすぐに復帰できていたようですので、『クッキングパパ』ワールドでは虹子さんやカツ代さんに次ぐくらいタフな女性だな~と思います。
 お腹も大きくなって動くのに大分難儀していましたが、「ひゃーっ、けいこちゃんずいぶんふくらんできたね」「コラコラ、ひとを風船みたいにいうんじゃないっ」と軽口を叩き合いつつ明るく頑張る姿は、『魔女の宅急便』のおソノさんに似ていて微笑ましかったものです。
 実は子どもの性別は出産するまでのお楽しみにしていた為、男の子のまさし君が産まれてくる事はこの時点では全く分からなかったのですが、「でも男がいいなー。あたしに似ていい男になるぞー」と既に未来を予知するような発言をしており、母の勘というのは鋭いものだと感じました(←「お母さんに似てかわいい女の子になる」というのはよく聞きますが、「お母さんに似ていい男になる」とお父さんそっちのけで宣言したのは後にも先にもけいこちゃんだけで、けいこちゃんの男気がヒシヒシと伝わってくる名シーン;)。

 ちなみに、日頃けいこちゃんと男友達感覚で仲良くしている田中君もこの時ばかりは色々気遣って手助けしていたのですが、けいこちゃんが「もう動くんだよ、おなかけったりするんだからー。ホラッ」「ネッ、不思議ねっ」とお腹を触らせてくれた際、「な、なんかけいこちゃん女っぽくなったというか、きれいになったみたいだな…」と少しときめいており、新しいフェチの門を開きかけていて苦笑しました。
 考えてみれば、田中君はしっかり者で優しい王道ヒロイン・夢子さんの他にも、年上のキャリアウーマン人妻・虹子さん、おしとやかなお嬢様・間宮千香さん、甘え上手な妹系女子高生・はるみちゃん、グラマーで色っぽいダンスクイーン・マリアさん、『ローマの休日』のアン王女似のイタリア人・ソフィアさん、ミステリアスで陰のある訳あり美女・美奈子さんなど、年齢・性格・外見が見事にバラバラな女性達にメロメロになるという、苦手なジャンルが皆無な生粋の女性好き←酒池肉林を実現させた大の女好き・董卓の生まれ変わりを疑うレベル)。
 ギャルゲーの主人公にはうってつけで、登場する女性キャラも多種多様なので、田中君を主人公にした『ときめきメモリアル』の会社版恋愛ゲームがあったら面白そう…と半ば本気で考えたものです。
産休直前に出社してきたけいこちゃんと盛り上がる荒岩主任達。
 ある日、けいこちゃんは荒岩主任から「立ちっぱなしはよくない、椅子に座って見積書をまとめてくれ」と指示を受けて座ろうとするのですが、いきなり目眩がしてフラフラッとし、周囲から心配されます。
 けいこちゃんが言うには、夏の暑い時期でただでさえぐったりしている中、赤ちゃんに胃が圧迫されて食欲が減退し、ほとんど食事を取っていないとの事で、「なんかさ、さっぱりしておいしいものないかしら?」とみんなに相談します。
 『美味しんぼ』の妊娠していた女性陣だと、ジュディさんは分厚いステーキ、歌子さんとみさ子さんは焼き鳥三昧、テルエさんはブラックさんの豆腐料理ご膳など、かなりボリューミーな食事をしていてケロッとしていた為、子どもの頃は感覚が麻痺していて「意外とけいこちゃんって食べない方なんだな~」とトチ狂った感想を抱いていたのを覚えています(←今はもちろん、けいこちゃんの反応の方が一般的だと分かっています;)。
 すると、一部始終を見ていた田中君が「ヘイッ、けいこちゃん。今日の昼おいし~い冷やし中華をおごってやろうかっ!!」と粋な申し出をし、それを聞いたけいこちゃんも「冷やし中華…いいわネッ!」と乗り気になります。
 かつて、海原雄山氏から「あんな物は中華料理なんかじゃないっ!!」「あんな下等な物食べてみなければクズかそうでないかわからぬと言うのなら、食べ物について云々する資格はないわっ!」など、まるで冷やし中華に親を殺されたかの如くディスられていましたが、実を言うと体力回復&つわり対策に最適な料理の一つ。
 酸味がきいてさっぱりした味だと食欲がない時でも食べやすいのは勿論、お酢の疲労回復効果、きゅうりの水分補給効果、トマトに含まれるクエン酸のつわり軽減効果が妊婦にふさわしいらしく、偶然とはいえ「田中君ナイスアイディア!」と感心したものです。
真夏の時期に出産間近というタイミングも相まって、食欲減退中のけいこちゃんいつも金欠な田中君ですが、この時ばかりはけいこちゃんの為におごると宣言!
 残念ながら、田中君のおすすめするお店は運悪くお休みだったので行けませんでしたが、「けいこくん明日からしばらくこれないからな」と気を使った荒岩主任が、自宅で作る事になります。
 その際、荒岩主任が夢子さんに協力してもらって用意したのが、この“荒岩流冷やし中華”です!
 作り方は簡単で、茹でて冷水でしめた中華麺へ細切りにしたきゅうりと茹で豚、錦糸卵、ハーフカットにしたパイン、スライスしたトマトを飾りつけ、その上から醤油・ごま油・お酢・砂糖・料理酒をよく混ぜて作ったタレを回しかけ、最後にちぎった海苔と紅しょうがと練り辛子をトッピングしたら出来上がりです。
 ポイントは、お水を一滴も使わずアルコール分を飛ばした料理酒でタレを割ること、パインは必ず生を使用すること、麺は冷水で四~五回は揉み洗いしてぬめりを取ることの三点で、こうするとすっきりした仕上がりになるのだとか。
 冷やし中華のタレは鶏がらスープやお水等で割ってマイルドに仕上げるレシピが多いのですが、荒岩主任はキレのいい濃い目の味が好きなようで、あえて料理酒を使ったみたいでした。
 賛否両論である「冷やし中華にパイン」に挑戦するなんてチャレンジャーだな~と思いましたが、荒岩主任曰く「肉とパインってすごくあうぞ」だそうで、実際に食べたけいこちゃん達にも「おいしいーっ」「うんっうまいっ」と好評でした。
近所のお店がお休みだったので、自宅で自家製冷やし中華を作る事に
 最近、急に暑くなってきて早くもバテそうになっているので再現する事にしました。
 作中には大体のレシピが絵入りで記載されていますので、早速その通りに作ってみようと思います!


 ということで、レッツ再現調理!
 まずは、具とタレの用意。
 きゅうりは薄く斜め切りにしてから千切り、トマトはヘタを取って輪切り、卵は溶いて薄焼きにしてから錦糸卵を作り、豚肉は中に火が通るまで茹でて細切りにし、生のパインは皮を取ってハーフカットにします。
 その間、ボウルへアルコール分を飛ばした料理酒、醤油、ごま油、お酢、砂糖を入れてよくかき混ぜ、タレを作っておきます。
※豚肉を茹でる時は、料理酒を多めに入れてお湯で茹でたり、八割方熱が通ったら火を落として余熱でじっくり茹でるとしっとり仕上がります。あと、薄焼き卵は何も入れずに焼いてもいいですが、水溶き片栗粉を入れて焼くと破れにくいのでお勧めです。
荒岩流冷やし中華1
荒岩流冷やし中華2
荒岩流冷やし中華3
 次は、盛り付け作業。
 たっぷり沸かした熱湯で生の中華麺を茹で、茹で上がったら一気にザルにあけてたっぷりの冷水で何度も揉み洗いし、ザルで余分な水気をしっかりきります(←すぐに使わない時は、ごま油をまぶして冷蔵庫に入れて保管します)。
 麺がしゃっきりしたらお皿へ高く盛り付け、先程の五種類の具をそれぞれ彩りよく飾ります。
荒岩流冷やし中華4
荒岩流冷やし中華5
荒岩流冷やし中華6
 具を乗せ終えたら一番上にもみ海苔と紅生姜をトッピングし、お皿の隅に練り辛子を絞り、仕上げにタレを回しかければ“荒岩流冷やし中華”の完成です!
荒岩流冷やし中華7
 トマトと紅生姜の赤、きゅうりの緑、錦糸卵とパインの黄色、もみ海苔の黒、豚肉の茶色の取り合わせが見るからに美しく、食欲をそそります。
 その昔、缶詰みかんが使われた冷やし中華を食べて以来この手の組み合わせは避けていたのですが、荒岩主任を信じて食べてみようと思います!
荒岩流冷やし中華8
 それでは、冷たい内に軽く混ぜていざ実食!
 いただきまーすっ!
荒岩流冷やし中華9


さて、感想は…昔ながらのラーメン屋さんで出されそうな冷やし中華っぽくて美味!これからは冷やし中華にパインを標準にして欲しいくらい、アリです!
けいこちゃんや営業二課のみんなにも大好評だった冷やし中華!
 冷やし中華のタレは、ごま油が効いたオーソドックスな甘酸っぱい酢醤油ベースのさっぱりした味付けで、甘い・辛い・酸っぱいのバランスがよく、冷たいツルツルの中華麺にぴったり。
 水を一滴も使っていないので味がビシッと決まっていて濃いめで、麺のタレというよりは具にもちゃんと調味するタレというイメージで、通常の冷やし中華よりも輪郭がくっきりとして垢抜けているのが特徴的です。
 水の代わりに料理酒で割っている為塩辛すぎるという事もなく、お湯で茹でただけの豚肉の臭みをしっかり消しており、後口の風味がキリリと引き締まっているのが爽快で、大人向けのおいしさだと思いました。
 豚肉はしっとりあっさりと茹で上がり、噛むごとに旨味たっぷりの肉汁が溢れるのが食べ応え満点で、ハムや鶏肉よりも全体を本格的で豪華な仕上がりにしているのがよかったです。
 荒岩主任の言う通り、ジューシーで瑞々しくさらっとした果汁の生パインと茹で豚は相性抜群で、衣がなく麺にも違和感なく合うせいかパイン酢豚よりも断然しっくりくる組み合わせになっており、「辛くないトロピカル雲白肉風」な旨さになっていました(←個人的に、メロンよりもパインの方が豚肉とナイスコンビだと思います)。
 紅生姜や練り辛子のピリリとくるシャープな辛味のアクセント、きゅうりのパリパリシャキシャキした涼しげな食感、錦糸卵の優しいふんわりした口当たり、トマトの弾けそうなくらいフルーティーな酸味が存在感のあるタレによって一つにまとまっており、夏向けのすっきりした一皿になっていました。


 本当に食欲がない時でもスルスルいけそうな飽きのこない味付けで、市販よりも安価なのに市販よりも断然おいしくて驚きました。
 缶詰パインの甘ったるい味と違い、生のパインは自然な甘さなのでどの具とも反発しないのがよく、安心しました(←但し、海苔と紅生姜は要注意;)。
 タレ作りも具作りもびっくりするくらい簡単なのに、想像以上に満足度の高い味わいに出来上がったので、これから夏の定番にしたいメニューだな~と思いました。


P.S.
 いちろうさん、もふさん、kawajunさん、コメントを下さりありがとうございます。


●出典)『クッキングパパ』 うえやまとち/講談社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。
※レシピの分量や詳しい内容は、以前こちらでご説明した通り完全非公開に致しております。

プロフィール

あんこ

Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『どんぶり委員長』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『ミスター味っ子』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『BAR・レモンハート』
 …『ぶたぶた』シリーズ
 …『ベーグル食べない?~幸せカフェごはん~』
 …『飯盛り侍』


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※現在、公私の多忙と、再現記事のペース維持を理由に、コメント欄へのご返信が出来ない状態が続いております。
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※ただ、ご質問を頂いた際はなるべくお力になれるよう、すぐご返答できるように対処致します。

 応援して下さる方々に少しでも楽しんでご利用して頂けるよう、沢山の作品に触れるちょっとしたきっかけになれるよう、これまで以上に心掛けていきます。
 恐れ入りますが、よろしくお願い致します。

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