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『最後の小料理屋』の“お豆腐のカニあんかけ”を再現!

 今更感がものすごくて恐縮ですが、あけましておめでとうございます。
 去年は再現料理記事アップのペースが上がったかと思えばガクンと下がったりと、さながらジェットコースターのような年でした;。
 今年は、良くも悪くも色々バランスをとりながらゆっくり更新していこうと思っておりますので、もしご縁がございましたらお付き合い下さいますと幸いです。
 2020年も、何卒よろしくお願い致します。

 どうも、何か面白い事を言おうとして何も思いつかなかった当ブログの管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『最後の小料理屋』にて主人公・成雪さんがある迷い込んだ有名人の為に用意した“お豆腐のカニあんかけ”です!
お豆腐のカニあんかけ図
 『最後の小料理屋』とは、『最後のレストラン』の主人公・園場凌さんの従兄妹である成雪さんが、勤めている小料理屋へ現れる少々(?)性格に難ありな偉人男性達に料理を振る舞ってはあの世へ送り返す、タイムスリップ系歴史料理漫画(←※たまにまともなお客様も来店します)。
 園場さんは悲観的すぎて女性に消極的なタイプですが、雪さんはその真反対で、楽観的すぎるが故に危険な男性に惹かれては積極的に突撃してしまう、典型的なダメンズウォーカー。
 その為、いつも悪い男性やお友達に騙されては痛い目にあい、「雪は不幸ですわ」と嘆いては自殺未遂を繰り広げるのが鉄板パターンとなっています(←※『さよなら絶望先生』の糸色望先生同様、本気で逝く気はありません;)。
 しかし、その割にお話があまり辛気臭くなく明るい雰囲気なのは、雪さんが幕之内一歩ばりに打たれ強く全然懲りていないからで、見た目は純和風ですが、内面は恋多きハリウッド女優に匹敵する強靭な精神力の持ち主だからかと。
 園場さんと雪さんを足して二で割ったらちょうどいいのにな~と、つくづく思います。

 そんな雪さんの苦労多き雇用主であり、よきツッコミ役として登場するのが、小料理屋の名物パンチパーマ女将・笹谷きんさん。
 『スナックバス江』のママと同じく、見た目はかなり癖があるものの中身は至極全うな常識人で、お店のお金を何度も盗まれたり高価な食材を勝手に食べられたりしても通報せず働かせてくれる人格者(←雪さんは返済ゆえの薄給を嘆いていましたが、これが『喧嘩稼業』ワールドなら煉獄をかまされてもおかしくない所業なので、五体無事な事を感謝すべきかと…)。
 唯一バス江ママと違うのは天然ボケ要素がない所ですが、明美さん以上に浮世離れしている雪さんに続いて女将さんまでボケてしまったら修羅の国以上の無法地帯になる事が予想される為、ちょうどいいバランスだと思います。
園場さんの従兄妹・成雪さんが主人公ですしっかり者の女将・きんさんが手綱を握っています
 そんなお二人の元に、記念すべき第1話でやって来たのが、かの伝説的な文豪・太宰治
 自殺未遂・薬物中毒・破滅主義・女性遍歴といった、1900年代初期の文豪にとってはテンプレのような経歴の持ち主ですが、中でも太宰治がすごかったのは、女性を虜にする天性の才能。
 お付き合いをされた女性は、奥様も含め最低でも5名とそこまで多くないように見えますが、内2名とは心中未遂、内1名とは心中を果たしており、その密度の濃さには驚かされます(←男性を破滅させる運命の女を海外では「ファム・ファタール」と呼ぶそうですが、太宰治はその男版ではないかと常々思います)。
 写真を見る限りはごく普通の優しげな男性に見えますが、どことなく掴み所がない所が面倒見のいい女性を惹き付けたようで、恋愛って奥深いな~と感じます(←もっとも、写真を見ただけではその方の真の魅力は分かりませんので、本当は他に理由があったのかもしれません。かの有名なモテモテ怪僧・ラスプーチンも写真だと地味に見えますが、ある本に載っていたロシア宮廷の侍女の証言によると「彼の瞳を見ると吸い込まれそうで、ああ、もう逆らえない」という魔性の持ち主だったそうですし…)。

 なお、園場さんのいる<ヘブンズ・ドア>と同じく死の直前にタイムスリップしてきた太宰治は入水心中直後で、首に縄をかけたびしょぬれスタイルという非常にエキセントリックな状態で来店していましたが、雪さんは動じるどころか「まあ!ずぶ濡れで気の毒な方!」「きっと今までたくさんの辛いことを経験された方なんだわ」とすっかり感情移入していました;。
 ちなみに、太宰治の殺し文句は「死ぬ気で恋愛してみないか」だったそうで、そんな事をダメンズ萌えの死にたがり雪さんが聞こうものなら…と読んでいてヒヤヒヤしたものです(←一晩で枯れる月下美人のように儚げに見えるものの、実際はドクダミ草の如くしぶといたくましい雪さんですので、ちゃっかり一人だけ生還しそうですが。そういえば、「少女漫画界に咲くドクダミの花」と呼ばれた岡田あーみん先生はお元気でしょうか?)。
暗がりから現れたずぶぬれの男…怪しすぎます;太宰治は最期、愛人女性と入水して果てていました
 その後、女将さんの「太宰の好物はカニだのホタテだのだったそうだヨ」「あと豆腐とか納豆とか」という言葉にヒントをもらった雪さんが、体を冷やした太宰治に温まってもらおうと作ったのが、この“お豆腐のカニあんかけ”です!
 作り方はとても簡単で、フライパンへゴマ油・生姜・玉ねぎ・カニのほぐし身を入れて炒め、醤油・みりん・お出汁・水溶き片栗粉を加えて餡を用意し、仕上げにお出汁で似た豆腐の上にかけて刻んだネギを飾ったら出来上がりです。
 ポイントは、最初はごま油と生姜だけ入れて火入れし香りをたたせてから他の具を入れること、単品ではなく温かいご飯の上に乗せて食べることの二点で、こうすると香り高くカニの旨味がより分かりやすくなるみたいです。
 カニ餡と豆腐はポピュラーな組み合わせですが、和風出汁を使うのにゴマ油や生姜を使って香りを出すのが珍しい感じで、初見時から気になっていました(←あと、みりんも加えて甘さも足すのも意外)。
 生姜は体を温め、食欲不振をなおす効能もあるとの事ですので、川で死にかけた太宰治にとっては文字通り生き返るような食事だったろうな~としみじみしました←食事を出された数秒後、上等な料理にハチミツをブチまけるがごとき思想を行い台無しにしていましたが…)。
女将さんの言葉がヒントになって生まれた料理でした
 カニの値段が高く、なかなか手を出せないままでいたのですが、先日やっと安価なカニ缶を見つけたので再現する事にしました。
 作中には大体のレシピが記載されていますので、早速その通り作ってみようと思います。


 ということで、レッツ再現調理!
 まずは、豆腐の下準備。
 小鍋へ鰹と昆布からとった合わせ出汁を注いで絹ごし豆腐をそっと沈め、程よく煮えるまで弱火で静かに煮ます(←あんまり強火で長時間煮ると、スが入ってボソボソの食感になるので要注意です)。
お豆腐のカニあんかけ9
 次は、炒め作業。
 フライパンへごま油とみじん切りにした生姜を入れ、弱火にかけます。
 いい香りがしてきたら中火にし、みじん切りにした玉ねぎを投入してさっと炒めます。
お豆腐のカニあんかけ1
お豆腐のカニあんかけ2
 玉ねぎに透明感がでてくるまで炒めたら、カニのほぐし身を加えて混ぜ合わせます(←カニ缶を使うとお手軽です。その場合、缶汁も一緒に使います)。
 そこへ、醤油、みりん、お出汁を入れて味を調え、水溶き片栗粉を回し入れてゆるめのとろみをつけます。
お豆腐のカニあんかけ3
お豆腐のカニあんかけ4
お豆腐のカニあんかけ5
 深さのある器へ先程の豆腐を移し、上からカニ餡をたっぷりとかけて小口切りの万能ネギを散らせば“お豆腐のカニあんかけ”の完成です!
お豆腐のカニあんかけ6
 見た目は茶色系なので地味ですが、カニや鰹といった海鮮系の香りが強く鼻腔をくすぐるせいか、なかなかゴージャスな印象を受けます。
 カニとゴマ油という組み合わせは前例がない為、どんな味になるのか想像がつきませんが、雪さんを信じて食べてみようと思います。
お豆腐のカニあんかけ7
 それでは、豆腐をざっと崩してカニ餡ごとご飯へ乗せ、いざ実食!
 いただきまーすっ!
お豆腐のカニあんかけ8


 さて、味の感想は…見た目も味付けも完全に和風なのに、ちょっと中華っぽい趣のある味わい!両方のいい所取りで、ご飯にぴったりです!
 ほんのり熱が通ってふんわりプルプルになった豆腐に、よーく味わえば分かる程度の出汁の風味が移っており、ほのかに鰹の香りがする贅沢湯豆腐みたいな仕上がりになっています。
 湯豆腐は昆布主体のまろやかで甘やかな味付けにするのが王道ですが、鰹主体のしゃっきりした豊潤な味付けもイケると感じました。
 この豆腐へ、熱々トロトロの餡を絡ませると滑らかさと柔らかさが、そしてご飯に乗せると豆腐の甘味が相乗的にぐっと強調される感じで、さらに箸が進みます。
 味は全然違いますが、どことなく麻婆豆腐ご飯に似た口当たりだと思いました。
 餡は、カニのリッチな出汁がガツンと効いた優しく甘辛い和風仕立てですが、ゴマ油の香ばしい旨味が控えめに主張してくる為、想像よりも濃いめでしっかりとしたコクのある味わい(←中華料理店によくある”カニと豆腐のうま煮”に少し似ていますが、そちらよりもあっさりしていてカニの出汁がシンプルに活きている気がします)。
 やわやわとした舌触りの餡の中、玉ねぎのシャキシャキ感がいいアクセントで、刻みネギの青みと生姜の爽やかな香味が後口をキリッと引き締めてくれました。
 和:中華=7:3というイメージの一品です。

 簡単に作れる割にはなかなか凝った味になる為、忙しい時に便利なレシピです。
 豆腐の代わりに、茹でた青菜やブロッコリー、ふろふき大根、チャーハンに乗せても合いそうです。
 

P.S.
 kawajunさん、00092さん、無記名さん、コメントを下さりありがとうございます。
 今年もよろしくお願いします(´∀`)。


●出典)『最後のレストラン』 藤栄道彦/新潮社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。
※レシピの分量や詳しい内容は、以前こちらでご説明した通り完全非公開に致しております。

プロフィール

あんこ

Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『どんぶり委員長』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『ミスター味っ子』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『BAR・レモンハート』
 …『ぶたぶた』シリーズ
 …『ベーグル食べない?~幸せカフェごはん~』
 …『飯盛り侍』


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