『作って食べよう!全国有名駅弁』の“あなごちらし寿し”を再現!

 「シェフの気まぐれサラダ」が本当に気まぐれで作られている訳ではないことは、もうだいぶ前から有名になっている事実ですが(←実際は、余っていたり安かったりする有り合わせの材料で作っているケースがほとんど;)、偽装表示問題が持ち上がってこういった名づけが気軽にできなくなっていると知り、ちょっと窮屈に感じています。
 その為、先日「嘘をつかず、尚且つそこそこ洒落たオブラートに包んでこういったサラダを提供するには、どういう名称がいいのだろう…」とぼんやり思案していたのですが、その結果、「シェフの憂鬱サラダ」という名称が頭に浮かんできました。
 しかし、周囲の人々に提案した所「食べる気がしない」「マイナスイメージ」「誰がお金を出してまで憂鬱を買いたがるのか」と猛烈な突っ込みを受けてしまい、あえなく撃沈しましたorz。
 薄々分かっていたことですが、どうやら当管理人はネーミングセンスがゼロのようです。

 どうも、将来子どもの名前をつける時にうっかり変な名前をつけないよう気をつけねば…と自戒の念を強めた管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『作って食べよう!全国有名駅弁』にて森口さんが宮本さんの留守中に亀さんへ差し入れした“あなごちらし寿し”です!
あなごちらし寿し図
 入社二年目の初夏、宮本さんはお友達の結婚式へ出席する為に思い切って三日連続の有給を申請し、久々に故郷・小倉へ戻る事にします。
 無論、第一の目的はお友達の幸せを祝いにいく事でしたが、それと同じくらい目的だったのは「九州の美味しい物を堪能する事」「大好きな駅弁を沢山食べまくる事」だったようで、その証拠に宮本さんは小倉駅に着くや否や早速駅弁を購入しており、合流したお友達のえっちゃんから「何で駅弁?これから遊びに行くとに…?」と訝しまれていました;。
 考えてみれば、宮本さんが森口さんの影響を受けて駅弁好きになったのは上京した直後の事ですから、えっちゃんからすれば「一体東京で何が…?駅弁ブーム?」と不思議に思っても無理からぬことかもしれません。
 なお、宮本さんは小倉で羽のばしするのが余程嬉しかったらしく、こっそり仕事中の先輩・太田さんへ向けて「やっぱりふるさとはいいですよ~」「海が近いから海産物が新鮮でおいしくて」「小倉ってけっこう色んな駅弁をたくさん売ってるんですよ~」「太らないように気をつけま~す」とノリノリの写メ付きメールを到着早々送信しているのですが、<社長室・太田>で送るつもりがうっかり<社長>で送ってしまい、気の毒に太田さんは「何故キミ宛のメールがワシのところにきとるんじゃ?」とおかんむりな社長・亀さんから呼び出されてしまってました;(←どうやら、メールにあった「あ、社長にはナイショですよー、食いしん坊の社長なら絶対に買ってこいとか言うにきまってるもの」という一文にムスッと拗ねた模様)。
 それにしても、画像に写っている駅弁を食べる宮本さんの笑顔が本当に幸せそうで、「この分だと、危惧している通り確実に太りそうだな~(´∀`;)」と苦笑したものです。
すっかりくつろぎ旅モードに入った宮本さんは、太田先輩へ駅弁写メ入りメールを送信します
 当然、太田さんは宮本さんに間違いを指摘しようとするのですが、亀さんの「面白いからこのままにしておこう」という言葉によって、その後も宮本さんは色気よりも食い気なメールを社長に読まれ続けるという晒し者状態になってしまい、最終的には「本当にこやつは食べ物の事ばかりじゃなー。添付写真も食べ物ばっかりじゃないか」と呆れ笑いされています;。
 それにしても、普通部下の「きっと社長よだれ流してうらやましがるけんねーウフフ」「でも、かわいそうやから社長にもなにかお土産に何か駅弁買うていってやるばい(^^)/」という本音暴露メールをみたら、大抵の社長さんは「○○、帰ったら覚えとけよ!」と激怒しそうなものですが(←読んでいるこちらまでヒヤヒヤしました;)、亀さんはまるでケンカしつつも仲がいい孫娘へ言い返すかの如く「フン、なにがかわいそうじゃ、ちっとも羨ましくなんぞないわい!ぜーんぜん羨ましくないぞ、ぜーんぜん!!」とパソコンの前で強がるくらいで全く根に持たなかったり、それに対して太田さんも「どうやら今日の駅弁はこれのようね」とまるで察しのいいしっかり者なお姉さんといった風情のコメントをしたりと、むしろ親密度がアップしている感じで、着々と亀さんが日頃から目標にしている「皆が家族のような会社」になっていっている様子がとても微笑ましかったです。
 個人的に、こういう開放的で自由に意見を言い合える社風の会社の方が抑圧された環境の会社よりもずっと将来性を感じますし、効率もアップするのでは?と思っています(←もっとも、そのせいで宮本さんは休暇が明ける寸前、「コラ!早く戻ってこないとイスがなくなっちまうぞ!」という文章と亀さんの怒り顔ドアップの写メ付きメールが送られて肝を冷やしていますので、これはこれで結構怖い職場なのですが;。とはいえ、あんまり社員を野放しにし過ぎても問題ですので、これくらい恐ろしい上司がいた方がちょうどいいのかもしれません)。
宮本さんが予想していた通り、亀さんは九州の駅弁を非常に羨ましがってました
 ちなみに、この時宮本さんが食べているのを見て羨ましくなった亀さんが森口さんにリクエストして作ってもらったなんちゃって駅弁が、この“あなごちらし寿し”です!
 作り方は意外と簡単で、昆布入りの特製合わせ酢を炊き立てご飯が入った炊飯器へ加えて作った即席温寿司を弁当箱に詰め、その上へさくらでんぷ、錦糸卵、刻み海苔、そして日本酒・醤油・みりん・砂糖・しょうがの絞り汁で和えたあなごの蒲焼きを散らしたらもう出来上がりです。
 “あなごちらし寿し”とは、1965年2月に日本で二番目に発売されたあなご寿司の駅弁なのですが、何十年過ぎても人気は一向に衰えず現在まで発売され続けている、超ロングセラーな駅弁です。
 普通の酢飯ではなく、関西風の温寿司仕立てにしているのが特徴だそうで、バリエーションとしてはわさび飯バージョンもありますと作中で説明されていました。
 本来なら、蒸し器で蒸して作るのが正しい作り方なのですが(以前こちらで再現した事があります)、森口さんは何と炊飯器に直接寿司酢を投入して混ぜて保温するというかなり手抜き…もとい、簡単な作り方を考案していた為、初見時はびっくりしました;。
 一見乱暴な調理法に見えますが、森口さんが言うには十分「あり」なのでだそうで、本物にこだわる時はともかく、急いでいる時や面倒な時にさっと作りたい時には便利な裏技だと思います。
 実はその際、森口さんはいつも手伝ってくれる宮本さんがいなかった為、急遽料理初心者の吉井君を応援に呼んでいたのですが、あんまりお手軽なのでそれでもちゃちゃっと短時間で作れており、そのせいで吉井君は「何だ簡単じゃないですか。それとも私が天才なのか、ニャッハッハッ」と勘違いし、完全に調子に乗っていました;。
いつもは宮本さんとなんちゃって駅弁作りをしますが、今回は代理として吉井さんが参戦;
 とはいえ、吉井君が宮本さんそっくりにちょこまか動いて賑やかな空気にしてくれたおかげで、森口さんも宮本さんがいない物足りなさを何とか補えたようですし(←「もしかして、いなくて寂しかったりして?」とニヤニヤからかってくる太田さんに「んな訳ないでしょ、これで仕事に集中できますよ」とムキになってるシーンがありましたが、明らかに落ち着かない様子で、当管理人も同じくニヤニヤしました)、亀さんも前日から待ち焦がれた“あなごちらし寿し”を食べられてご機嫌になれましたし、全てが丸く収まってほっとしたエピソードでした。
 また、表面上は目立ちませんが宮本さんがいないとどことなくソワソワし、落ち着かない気持ちになる森口さんの心の変化がさりげなく描かれていたのが個人的に嬉しく、何の根拠もないのに「よしっ、あともう一息!」とつい力んでしまったのを覚えています;。
昨日、メールを見て以来ずっと食べたがっていたあなご寿しを食べられて、この笑顔!
 先日、鮮魚店の加工品コーナーでおいしそうなアナゴの蒲焼きを見つけましたので、再現する事にしました。
 作中には分量つきの詳細なレシピが書かれてありますので、早速その通りに作ってみようと思います!


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、あなごの下準備。包丁であなごの蒲焼きを真っ二つにした後、約五ミリ幅の細切りにしてボウルへ入れます。
 そこへ、あらかじめ日本酒、醤油、みりん、砂糖、しょうがの絞り汁を煮立ててタレ仕立てにしたものをかけて混ぜ、味をなじませておきます(←付属の蒲焼きたれがある場合は、それを足してもOKです)。
あなごちらし寿し1
あなごちらし寿し2
あなごちらし寿し3
 その間、炊き立てご飯が入っている炊飯器のお窯へお酢、砂糖、塩、昆布の切れ端を混ぜてレンジに軽くかけた合わせ酢を回しかけてしゃもじでさっくり混ぜ、温寿司仕立ての酢飯にします(←混ぜてすぐに使うのではなく、約三十分くらい保温で放置して酸味を飛ばしてから使った方がいいです)。
 あと、片栗粉と塩を入れた溶き卵を薄く焼いて作った薄焼き卵をやや短めの千切りにし、錦糸卵にしておきます。
あなごちらし寿し5
あなごちらし寿し6
あなごちらし寿し4
 ここまできたら、次は盛り付け作業。
 木製のお弁当箱(当管理人は、本物の容器を洗って保管したものを使用しました)に笹の葉代わりの大きいばらんを敷いて、先程の酢飯をふんわりよそって上からさくらでんぷを散らし、さらに錦糸卵と刻み海苔を飾り付けます。
 この時、右の隅っこにガリを添える事を忘れないようご注意です。
あなごちらし寿し7
あなごちらし寿し8
あなごちらし寿し9
 あらかた具を乗せ終えたら仕上げにあなごをバランスよく配置し、割りばしを傍らへ置けば“あなごちらし寿し”の完成です!
あなごちらし寿し10
 上の画像が本物、下の画像がなんちゃっての方ですが、本物のあなごがふっくら柔らかく煮えている感じがうまく出せていないのに見比べて気付き、ちょっと落ち込みました;。
 ただ、その他の酢飯や錦糸卵は見た目だとほぼそっくりに作れているように見えた為、ほっと一安心しました。
 果たして、なんちゃってあなごちらし寿しは本物のあなごちらし寿しにどれくらい近づけているのか…食べて確認してみようと思います!
あなごちらし寿し11
あなごちらし寿し12
 それでは、お箸で一口分とっていざ実食!
 いっただっきまーす!
あなごちらし寿し13


 さて、味はと言いますと…本家のあなごちらしと同じくらい美味し!あなごのおかげでご馳走感のある味わいになってます!
 ホロホロッと柔らかでしっかり甘辛いあなごと、昆布の出汁がほのかに染みてふっくらした噛み心地の酢飯が相性抜群で、この二つだけだと重くなりそうな所をさくらでんぷのじわ~っと強烈に効いてくる幸せな甘さが優しく和らげ、一つにまとめてくれているのいいです。
 本家のあなごちらしは一口食べて「結構甘い!」と分かる程砂糖が入ってて、疲れが吹っ飛ぶ甘々な味わいなんですが、なんちゃっての方はやや甘味が控え目な感じで、駅弁としてだけではなく普段使いとして食べてちょうどいい甘さ加減なのに感心しました。
 海苔から漂う磯の風味があなごの旨味をさり気なく引き立て、錦糸卵のふんわりした食感がいいアクセントになっているのがナイスで、中盤まで食べ進んだ時に口の中が甘ったるくなりかけたのをガリの強い甘酢っぱさがキリッと引き締めてくれるのがよかったです。
 あなごは鰻に比べると脂が控え目で身も薄いですが、程よく脂が乗っているのにあっさりトロリとなめらかにとろけていくのが濃厚な鰻とはまた違った旨さで、しょうがのキリリとシャープな爽やかさが活きた特製蒲焼きダレがさっぱりした後口を増しているのが堪えられません。
 また、当初は「炊飯器で温寿司風になるのかな?」と不安でしたが、確かに酸味は本物より若干立っているものの酢の酸っぱさは大体飛んでそれらしく仕上がっていましたので、お弁当として気軽に食べるなら十分ありなんじゃないかな?と感じました。


 冷めても美味しくいただける、まさにお弁当向けのちらし寿司です。
 食べる前、さくらでんぷのあの強い甘さはどうも得意ではなかったのですが、このあなごちらしのおかげで一気に「あり!」と思えるようになりましたので、感謝しています。

●出典)『作って食べよう!全国有名駅弁』 原作:守靖ヒロヤ 作画:上農ヒロ昭/日本文芸社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

Comment

2014.02.23 Sun 20:20  |  

はじめまして。いつも楽しく拝見しています。
漫画の解説も再現レシピの工程もとてもワクワク読んでますが、私はあんこさんの近況が一番好きです、和みます!

たまたま先日「シェフの気まぐれ」について友人と語ったことがありまして、「憂鬱…その発想はなかったわ!」と吹き出してしまいました。
我々は「閃き…天啓とかどうよ?」「いっそ主婦のありあわせ?」という所で落ち着きましたが、お洒落感のなさに苦笑いでした。ネーミングは難しいですね。

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Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
 …『銀の匙』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『スイーツ本部長一ノ瀬櫂』
 …『旅のグ(2)月は知っていた』
 …『テルマエ・ロマエ』
 …『土曜日ランチ!』
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 …『百姓貴族』
 …『ぶたぶた』シリーズ
 …『ベーグル食べない?~幸せカフェごはん~』
 …『飯盛り侍』
 …『夢色パティシエール』


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