『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』の“タッパーで簡単!!豆とゴマのタルト”を再現!

 ジブリ映画『かぐや姫の物語』のワンシーンに、翁が一人でたどたどしく歩けるようになったかぐや姫を「ひ~め、お~いでっ!」と歌うように呼び寄せる場面があるのですが(←一時期CMに出ていました)、そのシーンを思い返すたび愛おしさのあまり目に熱い物がこみ上げてきます。
 十代か、もしくは二十代前半の頃は「微笑ましいなあ」でにこにこするだけだったのですが、もはや親になってもおかしくない年齢で見たせいか、かよわい命が自分を頼って少しずつ歩み寄るのがかわいくてかわいくて仕方がない、という翁側の想いの方が我が身に迫って考えられるようになり、しんみりしています。

 どうも、昔だったら泣かなかった映画にもいちいち涙が出るようになって「これが涙もろくなるという事か!」と実感している管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』にて芝田先生がご自身のお料理教室で教えられていた“タッパーで簡単!!豆とゴマのタルト”です!
タッパーで簡単!!豆とゴマのタルト図
 それまで「タルト作り」と聞くと、同時に「面倒臭そう…」「重石とか型とか麺棒とか、用意しなくちゃだめ…ですよね?」「外側と内側を作るから、手間も時間も二倍…」というマイナスイメージがついて回ったんですが(←我ながら悲観的だな~と苦笑;)、本日ご紹介する芝田先生のレシピは何もかもが規格外で、目から鱗が落ちます。
 というのも、何とタッパーとアルミホイルでアーモンドタルトが簡単に作れちゃうと作中で謳っている為!
 作り方は触れ込み通りお手軽で、小麦粉・溶かし無塩バター・塩・水をタッパーに入れて振って冷蔵庫で寝かせて作ったタルト生地をバターを塗ったアルミホイルに広げ、四隅をねじって丸い形に成形してタルト台に仕立て、その中へアーモンドプードル・卵・砂糖・無塩バターをホイッパーで混ぜて用意したアーモンドフィリングを流し込み、そこへ金時豆と黒ゴマを乗せた後に高温のオーブンで約三十五分焼いたら出来上がりです。
 最初にタッパーへ入れて振る作業があると知った時、「最低でも二十分は振る必要があるとか、そんな後出し条件がありそうな予感…」と勘ぐっていたのですが、何と僅か三十秒(!?)しか振らなくていいとの事で、これは本当に手間いらずのタルトだ…と激しく感動したものです(←振れたら何でもいいそうですので、お子さんに遊び道具として振り回してもらってもOKなのだとか;)。
 おまけに、下焼きもしなくていいので重石は不要、手で伸ばすので麺棒も不要、型も「だってタルト型ってタルト以外に使わないし、買うのも面倒でしょう?」という芝田先生の素晴らしい提案によってアルミホイルで代用可能ですし、当管理人のようなズボラ人間にとってはまさにいい所尽くしなタルトだと思いました。
 芝田先生曰く、「だってなっちゃん(←広田奈都美先生の愛称)!これは魔法のレシピ!!普通じゃ面白くないじゃない!!」「きっちり作っておいしいのは当たり前!」だそうで、初めて読んだ時は「おっしゃる通り!」と共感したものです。
 美味しく作れるレシピを提供するのはプロとしてむしろ当然、それだけじゃなく、読者が楽しみながら作れる面白い発見に満ちたレシピを教えたい…という芝田先生のサービス精神と挑戦心が痛いほど伝わってきて、胸がいっぱいになったのを覚えています。
何と、タッパーで一分未満振るだけでタルトの台が出来上がるという画期的レシピ!
 元々このお菓子は、広田先生が芝田先生のお料理教室へ通われていた時に偶然紹介されたレシピみたいなんですが、当初はいまいち芝田先生を信じ切れず、「目新しいけど…エー、そんなんでほんとにうまいんかー?」と心の中で毒づいていたとの事(←当管理人も再現料理を始めてからというもの、数えきれないくらいそういう機会があった為、広田先生のお気持ちはよく理解できますorz。ちなみに、それらの中でもかなり疑心暗鬼になったのはこれこれです)。
 しかし、実際に焼き上がってみるとその出来栄えの良さに意外性を感じて驚き、一口食べてからは「う、うまい。何コレ」と衝撃を受けられたようで、芝田先生のすごさを改めて実感されていました。
 実を言いますと、芝田先生はこういう変わった&簡単な作り方なのに美味しい!という料理を生み出す為に、日頃から空いた時間を使って周囲が絶句する調理実験をしているのだそうで、一見天才的な閃きで思いついたように見えるものの、その裏では多大な犠牲と努力があるからこそ今日の魔法のレシピが完成しているのだな~と感心したものです(←以前、余ったパイシートを流用して画期的な組み合わせを見つけ出そうとした際、広田先生に赤飯や大福入りのパイを食べさせて「うわぁ…先生これなんですか」と涙目にさせた一幕も;。食品メーカーや外食産業の方々がメニュー開発する時も、同様のご苦労をされているんだろうな~と思うと感慨深くなります)。
教えられた当初は、内心「そんなんで本当においしいの?」と疑ったそうです
 なお、基本的にこのタルトには何を乗せて焼いても大抵美味しくなるとの事で、洋梨・ナッツ類・栗の甘露煮・チョコ・バナナのバター焼き・キャラメリゼしたリンゴといった王道のトッピングはもちろん、大学芋・甘納豆・羊羹・金柑の甘露煮といった変わり種を使用しても美味だそうが、その中でも芝田先生が一押しされているのが、今回ご紹介する金時豆と黒ゴマの組み合わせ!
 正直、黒ゴマはともかく金時豆は日頃あまり馴染みがありませんでしたので今一つピンとこなかったのですが、意外にもバターの洋風な風味と金時豆の古風な甘味は相性が良いらしく、作中で試食した広田先生は「うわあ先生!これ金時とゴマがバター風味に合う!」「まさに和風タルトって感じです!」「濃いめのお茶と合う」と絶賛していました。
 また、作ったその日よりも翌日の方が味が落ち着いておいしいのも特徴で、ちょっとした集まりで手土産として持っていくのにも向いているのでは?とお勧めされていた為、色々と使い道がありそうなタルトだな~と感じさせられました。
けれども、簡単にできたとは思えない程上品で本格的なタルトで驚愕したと力説されてます
 近所のスーパーを回っている時、大豆の煮豆とかが並んでいる地味な一角で金時豆がひっそりと鎮座しているのを発見し、すぐさま再現を決意しました。
 作中には分量とコツつき詳細なレシピが載っていますので、早速その通りに作ってみようと思います!


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、タルトの台作り。中くらいの大きさのタッパーへ電子レンジで溶かした無塩バター、ふるいにかけた小麦粉、水、塩を投入してしっかりフタをし、手動でガンガン振りまくります(隙間なく密封できるタイプのタッパーがいいです)。
 約三十秒~一分かけて目一杯振ったらそのまま冷蔵庫に入れて十分寝かせます。
 時間が経ったら、スプーンでかき混ぜるなどして生地が「ふわっ」「もちっ」としているかどうかを確認し、タッパーから取り出します。
 ※生地が大体混ざって弾力が出ていたら、少しムラがあっても大丈夫です。もし耳たぶくらいの柔さではなく、どろっとしていた場合は小麦粉を加減して加えて再度混ぜます。
タッパーで簡単!!豆とゴマのタルト1
タッパーで簡単!!豆とゴマのタルト2
 この生地を、バターをまんべんなく塗り付けたアルミホイルの上へ置いて指で均等に伸ばしながら円型に広げ、アルミホイルの四隅をねじってタルトの形になるよう成形します(←ちょっとくらい形が崩れても、大体でOKです)。
 これで、タルトの台は準備万端です。
タッパーで簡単!!豆とゴマのタルト3
タッパーで簡単!!豆とゴマのタルト4
 次は、タルトの中身となるフィリング作り。
 ボウルへ室温に戻して柔らかくした無塩バター、生卵、砂糖、アーモンドプードルを投入してホイッパーで白っぽくなるまで一気に混ぜ合わせ、よく混ざったら先程のタルト台の中へ平らに流しこみます。
 その上へ、左側はさっと洗ってから水気をきっちり拭いておいた金時豆(甘く炊いた煮豆タイプの物)、右側には黒ゴマを乗せ、190度に熱した電気オーブンの下段で三十五分~四十分かけて焼きます。
タッパーで簡単!!豆とゴマのタルト5
タッパーで簡単!!豆とゴマのタルト6
タッパーで簡単!!豆とゴマのタルト7
 端が少し焦げっぽくなって香ばしくなったらオーブンから取り出し、型から外して冷ませば“タッパーで簡単!!豆とゴマのタルト”の完成です!
タッパーで簡単!!豆とゴマのタルト9
 ショッピングモール内の洋菓子店から強烈に漂ってくる、魅惑的な焼き菓子の香りに似たバターの風味ががぷ~んと漂い、うっとりさせられます。
 金時豆のこげ茶と、黒胡麻の色合いの取り合わせが見るからにそそられる感じで、形があちこち崩れているのもあまり気になりませんでした。
 金時豆を洋菓子に使った事は皆無ですのでどうなるのかドキドキですが、実際に食べて味を確認してみようと思います!
タッパーで簡単!!豆とゴマのタルト10
タッパーで簡単!!豆とゴマのタルト11
 それでは、タルトを人数分に切り分けていざ実食!
 いっただっきまーすっ!
タッパーで簡単!!豆とゴマのタルト12


 さて、味の感想ですが…タッパーとアルミホイルで作ったとは信じられないくらい本格的な美味しさ!サツマイモタルトに似た味わいで、お店で売っててもおかしくありません!
タッパーで簡単!!豆とゴマのタルト13
 まるで別々に焼いたかのように水分が飛んでいてザクザクに砕けるタルト台と、しっとりホロホロほどけて卵の優しいコクやバターのなまめかしい風味が口の中へ広がっていくフィリングの相性が、完璧です←不思議な事に、タルト台はややパイ生地にも似たパリッとした食感があり、フィリングはフィナンシェをもっと柔らかくさせたような味だな~と感じました)。
 広田先生がおっしゃる通り、黒ゴマのプチプチ弾ける香ばしさ・アーモンドのリッチに薫る香ばしさ・タルトのほんのり焦げた香ばしさの相乗効果がすごく、これ以上ないくらい香りの余韻が心地よい大人の一品です。
 甘さは控え目で洋風タルトのような華やかさはないんですが、その分品のある和風タルトというイメージで、アーモンドの高級感溢れる濃厚な旨味を、ふっくら煮えて味わい深い金時豆がさり気なく引き立て、和と洋が複雑に調和しているのがたまりません。
 タルト台はよーく噛むとわずかに塩気が浮かんでくる程度で強い味はついてないんですが、それが返って小麦の素朴な風味やフィリングの「和」な甘味をくっきりと浮かび上がらせるのに成功していました。
 小豆入りの洋風菓子はよく見掛けますが、金時豆は小豆よりもさらに上品な甘さで滑らかな口当たりなせいか、後味がくどくないのがよかったです。


 不恰好な形がどうしても気になる方はタルト台の型を使って焼いてもいいと思いますが、使っても使わなくても味に差はありません。
 何よりも、全く下焼きをしていなのに水分が理想の状態に飛んでいて、香ばしい仕上がりなのが素敵です!
 アーモンドプードルとバターを使いますので材料費は少々かかりますが、あっという間に出来上がりますので初心者の方におすすめです。

●出典)『ママの味♥魔法のおかわりレシピ おやつ編』 作者:広田奈都美 監修:芝田里枝/秋田書店
   (2014フォアミセス1月号別冊ふろく)
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

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2015.05.08 Fri 00:14  |  管理人のみ閲覧できます

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Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
 …『銀の匙』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『スイーツ本部長一ノ瀬櫂』
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