『酒のほそ道』の“カツオの玉ネギソース”を再現!

 先日、こちらのようなカツオ節を使った鉄砲巻きがあると知って試しに作って食べた事があったんですが、カツオの強力な旨味成分が効いた醤油がご飯に極上の味付けを施し、しっとり湿った海苔から磯の香りがぷ~んと漂うのがたまりませんでした。
 これは時間が経てば経つほど美味しくなりそうですので、今度はわざと味をなじませてから食べようかな~と考えています。

 どうも、最近ネギおかかでご飯を食べるのにハマっている管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『酒のほそ道』にて宗達さんが余ったカツオのたたきを使って作った“カツオの玉ネギソース”です!
カツオの玉ネギソース図
 ある日曜日、宗達さんは前夜にある食べ物をたっぷり食べてお酒もたらふく飲んだせいもあって、いつもよりやや遅い時間に起床します。
 その食べ物とは今季初の初ガツオで、刺身とたたきにして気が済むまで食べたのはいいものの、おかげで喉がネギとにんにくでイガイガすると嘆いていました。
 実は当管理人も、カツオのたたきは生のにんにくを「これでもか!」とつい大量にブチ込みがちで、ちょっと食べすぎると口の中が大変な事になって慌ててしまう機会は数えきれない程あった為、「あるある」と苦笑しました;。
 通常なら「今度からにんにく控え目で作ろう」と決めたら解決しそうな問題ですが、別巻の宗達さん曰く「カツオは生のにんにくと一緒に食うのが最高なんだよなーっ!!」だそうで、一度など、翌日上司との打ち合わせがある為にカツオのたたきをおろししょうがだけで食べなくてはならなかった時は声をあげて号泣してましたので、今後もにんにくを控える事はなさそうです;。
 ちなみに、作者のラズウェル細木先生はにんにく派なのはもちろんの事、「分厚いたたきの上にスライスした生にんにくをのっけて食うのが好き」「刺身にはみじん切りかおろしたやつがいい」と切り方にまでこだわっておられ、そのこだわりっぷりに脱帽しました(←なお、こっそり付け足しますとラズウェル細木先生は「そんなに活きのよくないカツオの刺身もケッコー嫌いじゃないんだな」「ちょっとドス赤く変色してカツオ特有の匂いが強まったテロンとした刺身をしょうがでやるのも、それはそれでオツなものだ。ま、腐ってたら、さすがにヤだけど…」とも仰っていて、思わず心の中で「どれだけ守備範囲広いんですか!」と突っ込んでしまいました;)。
今季初の初ガツオをたらふく食べ、たらふく飲んだ宗達さん;
 その後、宗達さんは昨夜残った初ガツオを冷蔵庫にしまっていたことを思い出し、「カツオだけになるべく早く食った方が…」と取り出すのですが、興奮してつい買い込み過ぎたせいか結構な量が残っており、「夕べあれだけ食ったのに」「どんだけ買い込んだじゃ」と反省していました(←ハイテンションになると買い物の量が莫大になるのは、何も女性だけに限った話ではないみたいですね;)。
 そこで、宗達さんは早速これらのたたきや刺身の残りを使って初ガツオ晩酌パート2を開始しようとするのですが、一日経って鮮度が落ちているカツオは加熱した方が無難だと判断し、いつも通り即興で色々な料理を作リ出します。

 その内の一つが、この“カツオの玉ネギソース”です!
 作り方は簡単で、小麦粉をまぶした初ガツオのたたき(刺身でも可)をフライパンで両面を焼いて取り出し、同じフライパンへおろし玉ネギを入れて炒めたら醤油・日本酒・みりん・砂糖を合わせたタレを加えて混ぜ、最後にカツオを戻し入れて仕上げに刻みネギを絡めたら出来上がりです。
 注意点は、玉ネギをおろす時に目や鼻がツーンときて痛くなるのに気を付けるくらいで、慣れれば所要時間十分で作れそうなお手軽さが嬉しいレシピです←ラズウェル細木先生によりますと、初ガツオのシーズンに同じく旬を迎える新玉ネギを使えば多少痛みが和らぐとの事)。
 調べてみますと、玉ネギと魚を一緒に食べた場合何とデトックス効果が期待できるとの事で、カツオの身を柔らかくするだけでなく栄養学的に好ましい組み合わせと知り、感心しました。
たくさん買い込んだ初ガツオを前に、「どんだけ買い込んでんじゃ」と苦笑していました
 この他にも、宗達さんは酒盗と手作りの煮カツオを卵に混ぜて焼いた“酒盗角煮入り卵焼き”、カツオに塩こしょう・溶き卵・粉チーズ入りパン粉などをつけて焼いた“にんにく風味パン粉焼き”、表面だけ焼いたカツオをヅケにして辛子や青ネギと共にご飯へ乗せる“カツオの焼きづけ丼”等を次々作り出し、見事残った初ガツオを全て活用し切っていました。
 ラズウェル細木先生がおっしゃるには、「カツオは癖が強い魚だが、いろいろアレンジできる重宝な素材だ。多少鮮度が落ちていても、火をくれてやると十分復活するし」との事で、こうして見ると確かにそれは説得力があるな~と実感しました。
 当管理人はたま~にカツオがあまると、少しきつめのヅケにしてちらし寿司やお茶漬けにするくらいが関の山でしたが、これらだとお酒のつまみになる上目先も変わる為、初見時はわざと大量にカツオを買い込みたくなったものです;。

 こうして、宗達さんは一年分くらいの初ガツオを胃に収めて満足するのですが、その夜、気を利かせた高知県に住む友人・坂本さんから初ガツオが丸々一尾分宅配便で届き、一瞬ギョッとしていました;。
 既にかなり満腹だった宗達さんはしばしの間迷っていましたが、最終的に「やっぱ本場の初ガツオは、その日の内に生で食わなきゃ…」と最後の気力を振り絞り、涙ぐましい事に刺身とたたきにして食べ始めていました(つД`)。
 気の毒な事に、宗達さんにはこういう「よりによって、今届いたか…」という嬉しいような悲しいような届け物がそこそこ多く、読者としては読んでて気をもみます;。
高知にいる友達から初ガツオを贈ってもらった宗達さんは、その日の内に食べていました;
 今年もまた初ガツオが出回りだした為、いい機会だと思い再現する事にしました。
 作中には分かりやすいレシピがきちんと記載されていますので、早速その通りに作ってみようと思います!


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、カツオの下ごしらえ。初ガツオのたたき(刺身でもOKです)の両面に小麦粉を薄くはたきながらまぶし、一旦油を引いたフライパンで焼きます。
 表裏にこんがり焼き目がついたら、別皿へすぐに取り出しておきます。
 ※後々また火を通しますので、中まで火が通らなくて大丈夫です。むしろ、半生の方がしっとりした出来になりますのでお勧めです。
カツオの玉ネギソース1
カツオの玉ネギソース2
 次は、炒め煮作業。
 先程のフライパンを洗わず再度火にかけ、玉ネギのすりおろしを投入して水分が少し飛ぶまでさっと炒めます。
 そこへ、醤油、日本酒、みりん、砂糖を合わせて作った合わせ調味料を加えてかき混ぜ、よく混ざったら取り出しておいた初ガツオを戻し入れ、ゆっくり揺すりながら玉ネギソースを絡めます(←この時、乱暴に扱うとカツオの身が崩れますので、要注意です)。
カツオの玉ネギソース3
カツオの玉ネギソース4
カツオの玉ネギソース5
 玉ネギソースがカツオ全体に絡んだらお皿へ盛り付け、その上から刻んだ細ネギを散らせば“カツオの玉ネギソース”の完成です!
カツオの玉ネギソース6
 煮えた玉ネギ特有の甘い香りがふんわり漂い、思わず喉がゴクリと鳴ります。
 玉ネギソースは醤油に染まってどうしても濃い茶色に仕上がる為、刻みネギは彩りとして絶対に必要だな~と見ていて思いました。
 リメイク品とは信じられない程ちゃんとした一品ですので、一体どんな仕上がりなのか楽しみです。
カツオの玉ネギソース7
 それでは、熱い内にいざ実食!
 いただきまーすっ!
カツオの玉ネギソース8


 さて、味はと言いますと…少量でもお酒がグイグイ進む乙な味!カツオと玉ネギは意外にも合います!
 魚肉は焼くとすぐに油分が抜けてパサパサになりやすいものですが、これは小麦粉ががっちりガードしているので美味さが流れ出るのを防いでおり、噛めば噛む程カツオ節を思わせる濃い旨味成分が口の中に溢れ出る仕上がりになっていました。
 玉ネギの自然な甘味と、奥深い風味が効いた甘じょっぱい醤油味のソースがカツオとぴったりで、にんにく醤油よりも癖がなくさっぱりしている割にガツンと濃い味付けなのがよかったです(←例えるとするなら、しょうが抜きのジャポネソースというイメージで、おつまみとしてだけでなくご飯のおかずとしてもナイスです)。
 トロ程ではないものの豊富な脂が身にそっくりそのまま残り、まるで極上に柔らかい豚のしょうが焼きを噛んでいるようなザクッとした噛み応えがあるせいか、魚というよりは肉を食べているような感じで、ボリューム満点でした。
 カツオのたたきを再利用した為、ふっくらした食感の身と、強い火で炙る事によってコリコリした噛み心地に変化した皮が両方味わえるのがお得な感じで、焼いたとしても部位ごとに味が違うのがしっかり分かるのに驚きです。
 また、材料が微妙に似ているせいか卵抜きのカツ丼を連想させる味わいで、卵でとじてもいけそうだな~と感じました。


 カツオの刺身さえ手に入れば一年中作れると思いますが、戻りガツオだとこってり度が上がって好みが分かれそうですので、やはりこれは初ガツオ限定の一品だと感じます。
 ご飯のおかずとしても秀逸な出来ですので、夕食メニューとしてもおすすめです。


P.S.
 東さん、先日はコメント欄にてご指摘をして下さりありがとうございます。おかげ様でうっかり表記間違いをしていた事に気づき、すぐに訂正できました。心より感謝いたします。

●出典)『酒のほそ道』25巻 ラズウェル細木/日本文芸社
     『酒のほそ道』2巻 ラズウェル細木/日本文芸社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

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・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
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 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
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・再現料理を予定中の漫画:
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