『まかない君』の“鶏ひき肉の塩肉じゃが”を再現!

 先日、スーパーの中にある地元農家の方々が野菜を置かれている一角に、パッと見は自然薯に見える根っこがあったので、「おお~、珍しい。これで今夜はとろろご飯を…」と思って手に取ったのですが、よ~く見るとそれは桁外れに太いゴボウでした;。
 こういう、形の揃った野菜とは一味違う生命力あふれる野菜を発見出来るのが楽しい為、買い物の際には必ずそのコーナーに寄っています。

 どうも、結局その日は根菜汁ととろろご飯というどちらかと言えば秋らしい食卓になった管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『まかない君』にて浩平君が新じゃがを使って作った“鶏ひき肉の塩肉じゃが”です!
鶏ひき肉の塩肉じゃが図
 前回は浩平君と佳乃さんのお出かけエピソードを記事に載せましたが、今回はその帰宅後と食事中のエピソードを一度にご紹介しようと思います。
 買い物を終えた浩平君達が家に戻ると、お昼寝していた弥生ちゃんはとっくに目を覚まして居間でくつろいでいたのですが、佳乃さんが茶化して「おデートしてきたよん。アバンなチュールーをね」と伝えたものですから、浩平君は「いやあのその;」とこの時ばかりは日頃のマイペースさをかなぐり捨てて慌てふためきます(←後ろめたい事は何もしていないのに、誤解されたくないという一念でついムキになってしまう浩平君が可愛くて、ニヤニヤします)。
 けれども、ワタワタする浩平君の気も知らず弥生ちゃんは「ヨッちゃんのおごりで何かいい物食べてきたの?」「あたしばっかり留守番させといて、いいなー」と自分が食いっぱぐれた事だけを悔しがっており、浩平君と佳乃さんのデート疑惑はどちらでもいい様子なのが読んでてちょっと切なかったです;。
 結局、佳乃さんが「そんな弥生におみやげ」チュッパチャプスを一つプレゼントしたことで不機嫌はすぐに直っていましたので、大学一年とは信じられないくらい純朴だな~とほのぼのしました(←当管理人の場合、小学生の時点で既に「飴よりチョコやアイスや大福がいいのに」と考えてた記憶がありますので、その差に思わず落ち込みましたorz)。
買い物から帰って来た時、よっちゃんから「デート」と言われて焦った浩平君
 こうして、機嫌がよくなった弥生ちゃんと浩平君が“カツオたたきピリ辛マヨ和え”を作る時に準主菜として一緒に用意したのが、“鶏ひき肉の塩肉じゃが”です!
 作り方は結構お手軽で、にんにく油をひいたお鍋に鶏ひき肉・新じゃが・玉ネギ・にんじん・さやいんげんを入れてざっと炒め、油がなじんできたら水・日本酒・砂糖・塩・コンソメキューブを加えて煮込み、煮えたらバターと粗挽き黒胡椒を散らして出来上がりです。
 ポイントは新じゃがをよーく洗って皮ごと使う事だそうで、浩平君が言うには新物は皮が薄いので食べても大丈夫だとの事でした(←ただし、緑色の皮は芽と同じく毒なので必ずむきます)。
 長く貯蔵されて一年中出回るじゃがいもよりも、収穫直後であることが多い新じゃがいもの方がビタミンC保有量が多い為、その上さらに皮ごと食べて栄養を残さず摂取できるよう調理するこの肉じゃがは、栄養的にも優れた一品だと初見時は感心したものです。

 余談ですが、後に数冊の料理本とネットレシピで塩肉じゃがを調べた所、その多くは豚肉や鶏肉の切り身を使い、鶏がらスープor昆布ベースでさっぱりと味付けされている物がほとんどで、意外にもコンソメとバターでがっつり系の味付けをする鶏ひき肉使用の塩肉じゃがは浩平君のレシピだけだった為、ちょっと驚いたのを覚えています。
 第十話のはっさくのジャム同様、こちらもいろいろ試行錯誤した末に完成したレシピなのかと思うと、少し感慨深いものがあります。
 あと、この“鶏ひき肉の塩肉じゃが”はオムレツの具にしたり、スパゲティに絡めても美味だと浩平君は語っており、いつもながら痒い所まで手が届くレシピ作りをしているな~と思いました。
何とこの肉じゃがはスパゲティの具にもなるのだそうで、万能なおかずだな~と感心しました
 その後、“鶏ひき肉の塩肉じゃが”は弥生ちゃんや佳乃さんから「ほっこり優しい味だね。これ好きー」「バターの香りがふんわりしてとてもいいね」と大好評で浩平君も満面の笑みを浮かべるのですが、あんまり美味しかったせいかその対極にある肉じゃがを佳乃さんは思い出したようで、「あれはひどかったねえ」と懐かしそうに語りだしていました。
 何でもその昔、かつて弥生ちゃんが食事当番で、浩平君がまだ引っ越してきておらず佳乃さんと凜さんの三人だった頃、ある日の夕食に弥生ちゃんが「ドロドロの茶色いでんぷん糊」のようだったおぞましい肉じゃがを食卓にドンと並べ、二人とも声もなく慟哭した事があったとの事で、初見時は絶句しました;。 

 おそらく、浩平君が言った通り「水が多過ぎたか煮込み過ぎたか」のどちらかと思うのですが、弥生ちゃんは「さーてわかんない」「でも味付けはうまくいったでしょ!」と甚だアバウトな返答をしており、つくづく浩平君がやってきてよかったな~としみじみ頷きました(←考えてみれば、『クッキングパパ』の虹子さんは初期に食べる事すら出来ない謎の焦げた物体Xを作成してましたので、味はイケる分まだマシなのかもしれません;。ただ、それゆえに「食べられるならいっか」と危機感を感じず料理の腕が向上しないのだとしたら…何とも皮肉ですね)。
 弥生ちゃんとしては、「いーんだ!あたし肉じゃが作れなくても。浩平がいれば全然問題ないし!」という気持ちだそうで、浩平君自身深い意味はないと分かってはいても満更でもない様子に「弥生ちゃんは胃袋をがっつり掴まれ、浩平君は心を鷲掴まれ…うまくいかないなぁ~」と苦笑しました;。
かつて弥生ちゃんは、茶色いでんぷん質の塊みたいな肉じゃがを作ったことがあるそうです;
 新じゃががお手頃な値段になって来たので、再現する事にしました。
 作中には詳細なレシピと細かいポイントが記載されていますので、早速その通りに作ってみようと思います!


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、材料の下ごしらえ。新じゃがはボウルに入れて流水の中ゴロゴロと転がしながら洗った後皮付きのまま四つ割りにし、玉ネギは皮を剥いて約一センチの厚さに切り、にんじんも皮を剥いて乱切りにし、さやいんげんは二~三等分にして切ります。
 その間、お鍋へ油とスライスしたにんにくを投入して弱火でじっくり火を通り、にんにくの香りが油についたらにんにくを取り出しておきます(←今回使うのはこの油のみですが、にんにくの方もフライガーリックとしてそのまま食べたり、料理のトッピングに使ったり出来ますので便利です)。
鶏ひき肉の塩肉じゃが1
鶏ひき肉の塩肉じゃが2
 次は、炒め煮作業。
 先程のにんにく油がひかれているお鍋へ鶏ひき肉を加えて炒め、全体の色が白っぽく変わってきたら用意しておいた新じゃが、玉ネギ、にんじん、さやいんげんを投入して混ぜ合わせ、さらに炒めます。
鶏ひき肉の塩肉じゃが3
鶏ひき肉の塩肉じゃが4
鶏ひき肉の塩肉じゃが5
 やがて、野菜類の表面に油がなじんて透明になってきたら水と日本酒を加えて煮込み、段々沸騰してきたら砂糖、塩、コンソメキューブを入れて落し蓋をし、弱めの中火でコトコト煮ます。
 そこそこ煮詰まってきたらバターと粗びき黒胡椒を投入し、材料を崩さないよう全体へ行き渡らせます。
鶏ひき肉の塩肉じゃが6
鶏ひき肉の塩肉じゃが7
鶏ひき肉の塩肉じゃが8
 調味料が肉じゃが全域にざっと混ざったのを確認したら火からおろし、そのままお皿へ盛り付ければ“鶏ひき肉の塩肉じゃが”の完成です!
鶏ひき肉の塩肉じゃが9
 いんげんの緑は煮込むことによってくすんじゃいまいましたが、にんじんの赤・じゃがいもや鶏ひき肉の白・黒胡椒の黒の対比がきれいでしたので、そこまで気になりませんでした。
 香りは野菜を煮込んだコンソメスープそっくりで、一見しただけでは肉じゃがとはちょっと分かりませんでした;。
 塩味の肉じゃがと聞いても今一つ想像がつきませんが、見た目はとてもおいしそうなのでどんな味か楽しみです!
鶏ひき肉の塩肉じゃが10
 それでは、出来立て熱々の内にいざ実食!
 いっただっきま~す!
鶏ひき肉の塩肉じゃが11


 さて、味はと言いますと…この時期だからこそ食べられる旬の味わい!皮付き新じゃがの美味しい食べ方が増えました!
 普通の男爵いもを使った肉じゃがだとふかしいもみたいなホクホク感の強い仕上がりになりますが、新じゃがは中がしっとりなめらかで柔らかい口当たりが特徴的で、崩れにくい分食べやすいのがナイスです。
 最初は皮付きのまま煮たら食べにくいのでは…と心配していたのですが、新じゃがの皮は極薄であっけなくパキッと破れ(←ボイルしたウインナーを噛み破った時の食感に近いです)、シャリシャリとした歯触りが瑞々しい実を引き立てるいいアクセントになっていた為、逆に皮なしじゃ勿体ないと考えるようになりました。
 煮汁は甘じょっぱいシンプルな塩コンソメ味で、バターは後からフワリと漂う程度なのがくどくなく上品でいい感じです。
 正直、肉じゃがというよりは「ちょっぴり甘めな新じゃがのポトフ風バター煮物」というイメージですが、醤油を使わない分にんじんや玉ねぎ、いんげんの自然な甘味が活きていましたので、十分ありだと感じました。
 基本的にはさっぱり優しい味わいですが、荒挽き黒胡椒のビリリとくる辛さが全体をキリッと引き締めており、単調になるのを防いでいます。
 牛肉や豚肉みたいに濃い味のお肉だと、このいい意味でシンプルな味付けが壊れてしまっていたと思いますが、にんにく油で臭みが消えた鶏ひき肉の淡泊な脂分と適度な旨味はコンソメといい具合になじんでおり、ばっちり合ってます。


 塩味の肉じゃがにはあまりなじみがなかったので戸惑いましたが、食べてみるとしっくりきたのでほっとしました;。
 この後、スパゲティにして食べてみても浩平君の言う通り美味でしたので(残念ながら、その時の画像は誤って削除してしまいましたorz)、いろんな方におすすめしたい一品です。

●出典)『まかない君』 西川魯介/白泉社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

Comment

2014.07.26 Sat 18:11  |  

ごま油で適宜切ったジャガイモと豚炒めてちょっと水差して塩味で塩肉じゃがに仕上げてもシンプルおいしいです。

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・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
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 …『拳闘暗黒伝セスタス』
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