『クッキングパパ』の“荒岩流スパゲティーボンゴレ”を再現!

 近所にある大阪王将で時々天津飯を食べるのですが、作る方によって卵の厚さがかなり変動する為、毎回ドキドキしながら注文しています。
 運よく上手な方にあたると、ゆうに1.5センチ以上はあるふわふわで分厚い極上卵がご飯に乗っている為、内心ガッツポーズをするのですが、あまり得意でない方が作るとかき玉汁に入ってる卵に匹敵するくらいぺらっぺらで、油をほとんど吸ってないのかコクのない卵が出てくる為、勝手とは思いつつもがっかりします;。
 その為、最近では一種のギャンブルと割り切って行くようにしている今日この頃です。

 どうも、先日初めて天津飯チャーハンを食べた時に胃がもたれ、「こうやってどんどん油に耐性がなくなっていくのかな」と遠い目になった当管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『クッキングパパ』にて荒岩主任が新鮮なアサリを使って作った“荒岩流スパゲティーボンゴレ”です!
荒岩流スパゲティーボンゴレ図
 それは、田中君がまだ二十五歳くらいで独身だった頃のお話。
 あるうららかな春の日曜日、姪浜近くをぶらりと散歩していた田中君は、ふと「今日はなんか予定なかったっけ?結構大事な用だったような…」と考え込むのですが、たまたま美女が傍を通りかかった為一気にどうでもよくなって後をつけ、最終的にはフェリーに乗って能古島にまで足をのばしてしまいます(←結婚前の田中君はとにかく惚れっぽかったのですが、同時に「フラレの田中」と呼ばれるくらい振られてばかりだった為、内心「サラリーマン版寅さん」だと思ってました…性格もほんのり似てますし;)。
 一歩間違えばストーカーすれすれの行動ですのでかなり危険でしたが;、幸いこの女性はご主人と一緒に小料理屋を営んでいる三児の母でしたので、女性につられてお客として入店した田中君は早々といかついご主人の存在を知ってすぐにちょっかいを出すのを諦めており、ほっとしました(←普段は女性に目がない田中君も、さすがにそこら辺は自制心が働くみたいです;)。
 ただ、それでも余程好みだったのか田中君はこの美しい女性を眺めながら一杯飲みたかったようですが、ちょっと前に口から出まかせで「潮干狩りをしに、ぶらりと来た」と話していたせいで、気を利かせたご主人が子どもたちに田中君を浜へ案内するように言い、結果そのまま強引に退店して気が乗らないまま潮干狩りをする羽目になっていました。
 自業自得とはいえ、ちょっと気の毒ですね(^^;)。
能古島へ向かう美女を発見した田中君は後をつけますが、残念ながら既に結婚されてました;
 そういう訳で最初は不貞腐れていた田中君ですが、子どもたちから薦められて適当に掘ると、余程タイミングと場所がよかったのか大きなアサリがザクザク掘れてすっかり有頂天になり、結局日が暮れるまで潮干狩りを楽しんでいました。
 おかげでバケツ一杯の新鮮アサリを手に入れた田中君は、海水&泥まみれなのも気にせずお裾分けしようと荒岩主任の家へ直行するのですが、留守番していたまこと君から「いないよ、会社だよ。今日は休日出勤だって」と告げられた事で、やっと思い出しそうで思い出せなかった大事な用…今日は荒岩主任と二人で休日出勤する日だったという事を思い出し、血の気が引きます(←逆に、ここまで重大な要件を忘れられる田中君はある意味すごいです;)。
 その瞬間、田中君はアサリを置きっぱなしにして大急ぎで会社へ駆けつけるのですが、既に仕事は荒岩主任と代わりに休日出勤した夢子さん(←突然休日が台無しになったとは思えないくらい穏やかで、「気にしないで」と言いたげな微笑を浮かべていたのが余計胃を締め付けます…)によって片付けられており、愕然としていました。
当初は全く気乗りしていなかった潮干狩りでしたが、穫れまくるせいか思わず夢中に;
 普段だったら荒岩主任が雷を落として終了なんですが、この時はさすがに怒りが頂点を超えていたのか、まるで青い炎を思わせるような静かな表情で、「たった今終わったところだよ」「どこで泥遊びしてたんだい!?坊ちゃん」「お前を頼りにした俺が間抜けだったのさ」と冷めた視線で痛烈な皮肉を浴びせた後、すぐに部屋を出ていってしまってました…。
 これが携帯のある時代だったら、午前中に荒岩主任から「バカタレー!」と怒鳴られて慌てて出勤するだけで事は済んだと思うのですが、家から出たらどこにいるのか行動が全く掴めない時代だった分、余計イライラして許せなくなっていたんだろうな~と思います。
 おまけに、入ってきてすぐにすみませんと言った以外は「サボるつもりはなかったんスよ、つっ ついころーっと忘れて」と火に油をそそぐような言い訳をしたのですから、わざわざ相手を思って説教するのがバカバカしくなったとしても、荒岩主任を責める事は出来ません…。
休日出勤をすっかり忘れていたせいで、荒岩主任にも夢子さんにも迷惑をかけます;
 その翌日、荒岩主任は田中君と一言も口をきかず焦らせるのですが、夕方になって初めて「今夜うちに来いっ!七時かっきりに来いっ!!分かったか」と言われ、これからどうなるのかヒヤヒヤします。
 けれども、荒岩家へ向かう途中「わたしも呼ばれたのよっ」と夢子さんがついてきたり、出迎えた虹子さんがいつも通り陽気な様子だったりと怒られるにしては妙な感じで、田中君はすっかり戸惑ってしまいます。
 その後、先程とは打って変わって笑顔になっていた荒岩主任が田中君達に出したアサリ料理の一つが、この“荒岩流スパゲティーボンゴレ”です!
 作り方は簡単で、熱したフライパンへオリーブ油・バター・にんにく・アサリ・白ワイン・シソ・牛乳を入れて炒めてボンゴレソースを作り、そこへ茹でたてのパスタを加えたらもう出来上がりです。

 ポイントは、ディチェコの細めのパスタを使う事(←断然おいしいと作中で書かれていました)、みじん切りにしたシソを仕上げにたっぷり加える事、アサリから出る塩分のみで塩味は付け足さない事の三つとの事。
 ボンゴレ・ビアンコのレシピというと、赤唐辛子でピリッと仕上げたり、バジルかパセリで香りづけしたり、オイルベースでシンプルな味付けにしたりするのが基本とされていますが、荒岩流ボンゴレだと赤唐辛子は一切使わず、シソで和風の香りをつけ、牛乳とバターで丸みのある味にするのが特徴だそうで、初めて読んだ時は驚いたものです。

 どうやら、荒岩主任は昨日の内に家に置きっぱなしだったアサリとまこと君の話を見聞きして、心が広い事に「仕方ない奴だ」と苦笑しながら許す気になったそうで、仲直りがてらお世話になった夢子さんも読んでアサリパーティーをしようと決めて呼び出したそうでした(←何だかんだ言って、甘い上司だと思います;)。
 「昨日のお前の忘れもんだ」「まっ、今回だけはこの新鮮なアサリの土産に免じて許してやろうっ。今度やったらタダじゃ済まんぞ!」と笑う荒岩主任も大概ツンデレだと思いますが、危機が去ったと知るや否や「スンマセンでしたーっ。あのおかわり!」と立ち直りが早い田中君も大概図太い神経をしているな~と苦笑したエピソードでした。
幸い、荒岩主任は穫れたてアサリのお土産でぎりぎり許してくれていました
 アサリが大安売りされてたのを発見したのをきっかけに、再現しようと決めました。
 作中には詳細なレシピが細かいコツ付きで記載されていますので、早速その通りに作ってみようと思います!


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、ボンゴレソース作り。
 弱火に熱したフライパンへオリーブ油とバターを入れて溶かし、にんにくのみじん切りを加えて香りが立つまでじっくり火を通します。
 いい香りがしてきたら強火にし、殻と殻をすり合わせてよーく洗って砂抜きを済ましたアサリを投入して白ワインを注ぎ、全体に火を通します(なかなかアサリの口が開かない時は、フタをすると案外すぐに開きます;)。
荒岩流スパゲティーボンゴレ3
荒岩流スパゲティーボンゴレ4
荒岩流スパゲティーボンゴレ5
 アサリの口がほぼ開いたのを確認したら、オリーブ油や全体の汁気をまんべんなく混ぜて乳化させ、粗くみじん切りにしたシソと牛乳を加えて一気に混ぜます。
 アサリに火が通りきり、ソースと牛乳が混ざり切ったのを確認したら、ボンゴレソースの出来上がりです。
荒岩流スパゲティーボンゴレ6
荒岩流スパゲティーボンゴレ7
 次は、パスタの準備と仕上げ作業。
 ボンゴレソースが出来上がるまでに、塩を入れて沸騰させたたっぷりのお湯へ細めのパスタを入れ、袋の裏にある規定時間通り茹でておきます。
 茹で上がったらザルで軽く湯きりしてボウルへあけ、こしょうとオリーブ油を加えて手早く和え、先程のフライパンへ一気に投入してざっと混ぜ合わせます。
 ※荒岩主任はディチェコの細めのパスタを是非にとお勧めしていましたので、今回はディチェコのNo.10 フェデリーニという、1.4mmサイズの物を使用しました。
荒岩流スパゲティーボンゴレ1
荒岩流スパゲティーボンゴレ2
荒岩流スパゲティーボンゴレ8
 パスタにソースがしっかり絡んだのを確認したらすぐに火からおろし、そのままアサリごとお皿へ盛れば“荒岩流スパゲティーボンゴレ”です!
荒岩流スパゲティーボンゴレ9
 牛乳を使ったのでもっと白っぽく仕上がるかな?と思っていたんですが、見た目的には普通のボンゴレとあまり変わりませんでした。
 シソは多めに使った方がいいと作中でお勧めされていましたので、思い切って一束使ったんですが、おかげでとても香りよく仕上がっています。
 牛乳やバター、シソをボンゴレに使った事は今までありませんので、一体どういう味がするのか楽しみです!
荒岩流スパゲティーボンゴレ10
 それでは、出来立て熱々の内にいざ実食!
 いただきまーすっ!!
荒岩流スパゲティーボンゴレ11


 さて、味はと言いますと…普段食べるボンゴレとはひと味違ってて美味し!アサリにシソがよく合ってます!
 通常のボンゴレはシンプルな塩味がアサリの出汁をストレートに引き立てるしょっぱ旨い味付けですが、こちらは乳製品を使っているせいかアサリの旨味がちゃんと活きつつもまろやかにまとまったコクのある塩味で、にんにくが効いたオイル系ソースにしては優しい後味が特徴的です。
 当初は赤唐辛子が入ってないと間が抜けた味にならないか不安でしたが、逆にさっと蒸し煮にしたアサリだけが持つ濃密でミルキーな甘味を純粋に堪能出来る感じで、赤唐辛子の代わりにシソとこしょうが全体をキリッと引き締めて味がだれるのを防いでいたのがナイスでした。
 パセリやバジルを使うと目が覚めるような爽快な香りになって本格的な仕上がりになりますが、シソだとやや刺激は落ちるものの、スーッと上品に鼻腔を抜けていく爽やかな和の香気がつく為、不思議とあっさり頂けるのがよかったです。
 例えるとするなら「ほんのりクリーミーなシソボンゴレ」というイメージで、牛乳やバターの脂分でリッチな美味しさになっているソースは、独特のミネラル豊富な潮のエキスが効いたアサリと相性抜群でした。
 あと、ディチェコのパスタ特有のもっちりシコシコした、ザラついた表面のスパゲティにアサリの出汁とガーリックオイルがよく絡むのが絶妙で、うえやまとち先生が力を込めて薦める理由が分かる気がしました。


 スタンダードなボンゴレのレシピとは結構異なる為、どんな感じになるのかイマイチ想像がつかなかったのですが、実際に食べると「これはこれでよし!」と満足しました。
 牛乳の量を増やしたり、生クリームを足したりしてさらにクリーム系っぽい味にしても美味しそうです。

●出典)『クッキングパパ』 うえやまとち/講談社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

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・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
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