『ひよっこ料理人』の“おばあちゃん直伝のおじや”を再現!

 今月の初め、来年再現予定の料理の為に自家製の梅酒を漬けたんですが、簡単な割にワクワクする作業ですっかりその魅力に取りつかれました(←時々、瓶の中の変化を確認するのが密かな楽しみです)。
 母が言うには、その昔実家で祖母と祖父が一緒に梅酒を漬けていたとの事で、懐かしそうに作業を手伝ってくれました。
 来年は梅酒二号はもちろん、梅シロップも自作してサワーを作りたいな~と夢が広がっている今日この頃です。

 どうも、この分だと将来は自家製梅干しにまで手を伸ばしそうだと予感している管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『ひよっこ料理人』にて妃代子さんが歯を治療したばかりの公太さんの為に作った“おばあちゃん直伝のおじや”です!
おばあちゃん直伝のおじや図
 それは、妃代子さんの根強い努力がやっと実を結び、子ども料理教室が軌道に乗りだしたある日のお話。
 現役の歯科医でもある妃代子さんの父・今田秀好先生から、何度も歯の治療をアドバイスされていたにも関わらず「まあ、その内に…」とはぐらかしていた公太さんは、とうとう片頬が腫れ上がる程にまで病状が悪化してしまいます。
 後に、妃代子さんから「すご~い、コブ取りじいさんみたい!」とびっくりされてましたが本当にそんな感じで、もう何年も歯科医院へ行っていない当管理人ですら、見るだけで歯がうずうずしてきたのを覚えています;。
 驚くべき事に、公太さんはそれでも「病院は絶対嫌だ!」と心配する旬君に反論したり、あまりの惨状を見かねた校長先生から「今すぐ歯科医に直行して下さい!」と命令されて早退してもなかなか病院の中へ入れなかったりとかなりの抵抗を見せており、初見時は「過去にどんなトラウマを植え付けられたんだろう…」とそっちの方に興味を持ったものです(←歯の神経の痛覚は人体で二番目に強力ですので、想像するだけで恐ろしいですね;。仕方がないとはいえ、痛い時に手を挙げても「はいはい、もうちょいガマンね~」とスルーされた記憶しかないですしorz)。

 結局、最寄りの病院から逃げた所を偶然妃代子さんに発見された公太さんは、そのまま秀好さんのいる大学病院へ連れていかれ、そこでも逃げそうになったのを歯科医さん達に取り押さえられ、治療室へと強制連行されていました;。
 さすがの公太さんも、屈強な男性四人にがっちりホールドされては手も足も出なかったらしく、「職業柄なのか、暴れる患者さん慣れしているな~」と妙に感心しました(←秀好さんは小児歯科に所属してます)。
怖くて歯医者に行かなかった結果、虫歯をひどく悪化させてしまった公太さん;何度も病院から逃げようとしますが、大学病院のひよこさん父によってとうとう捕まります;
 こうして、公太さんはようやく治療にかかる事になるのですが、妃代子さんに手を握ってもらうという大サービスを受けても尚ガタガタ震えており、皆を苦笑させていました;。
 作中で紹介されたデータによりますと、「歯医者が怖くて痛い時にしか行けないという大人は15%もいる」のだそうで、公太さんが特に臆病という訳ではないらしいのですが、それでもこれを機に意識を改善して欲しかったようで、秀好さんは歯の健康が如何に大事か切々と語っていました。
 秀好さん曰く、「一本の虫歯ができると口の中全体が虫歯になりやすい環境になっているんだ。ここだけ治療して安心したらダメだ!」「虫歯と歯周病を悪化させれば最悪どうなる?歯が全て抜け落ちる。そして、若くして総入れ歯になっちまう」との事で、仮に一本抜くだけで済んだとしても噛む能力が40%に落ちる→一本歯がないと噛みにくいので反対側で噛むようになる→アゴが痛くなりますます噛むのが億劫になる→よく咀嚼できないと、発ガン物質の作用を低下させる効果のある唾液が十分に出ず病気に繋がり、寿命を縮めてしまうと淡々と話しており、思わずゾッとしました。
 健康な時はつい忘れがちですが、歯は「歯車」という言葉通り、一つでもなくなってしまうと全体が狂ってしまうすごく重要な部分だという事実を、再確認させられます。

 ちなみに、この時秀好さんは「我々生き物は<食>を断てば、それは死に繋がる」「しっかり食べることがしっかり生きるということだ!」という、含蓄のある言葉を公太さんに言い聞かせています。
 今の日本は、非常時でない限り周囲に食べ物が溢れかえっている為、飢えと長期間背中合わせになる確率はかなり低くなっていますが、それでも手の届く場所に好物があっても食べられなくなる歯になるという可能性は誰しも十分にありますので、改めて歯を大事にしようと強く感じました。
自前の歯でしっかり物を食べる、それは自分の人生をしっかり生きる事と同義
 数十分後、妃代子さんは全てが終わってグッタリした公太さんを連れてなじみのお食事処へ行き、治療後の麻酔がきいた歯でも食べられそうな料理を作ります。
 その際、妃代子さんが公太さんに出したのが、“おばあちゃん直伝のおじや”です!
 作り方は非常に簡単で、鍋へ水をいれて沸騰させた後に椎茸・油揚げ・しらす・ご飯・醤油・日本酒を入れて煮込み、汁にとろみがついてきたら溶き卵をたらしてフタをして蒸らし、最後に白いりゴマをかけたら出来上がりです。

個人的に、「おじやは味噌汁にご飯を入れて煮たもの」というイメージがあったんですが、wikiを見てみますと、「おじや=ご飯を水で洗わないまま煮込んで水分を飛ばし、米飯の粒の形をさほど残さないもの」で、味付けは厳密に決まっている訳ではないらしい事にちょっと驚きました;。
 使う調味料は醤油と日本酒だけ、出汁も一切なしというシンプルさで、これなら体が弱った時でも抵抗感なく頂けそうです。
 妃代子さんが言うには、これは山形出身のおばあちゃん譲りのおじやだそうで、おばあちゃんはおじやの古い呼び名である“みそず”と呼んでいると話していました。
 ポイントは、溶き卵は必ず煮立った時に回しながら流し入れることで、こうする事によって卵がフワッと仕上がると書かれていました(←何と蒸らし方まで細かく説明されていました!どんなにお手軽な料理でも、丁寧で手抜きのないレシピに感動です)。

 幸い、ここしばらく歯が痛くてろくに食事が出来ず、未だに口の中が無感覚な公太さんでもこの“おばあちゃん直伝のおじや”はするっと食べられたようで、「ああ…食べられる…それにうまい…」「物が食べられるってシアワセだなあ…」と感極まって泣いていました;。
 この話を読むたび、痛い所はどこにもないからと油断せず、近い内に歯の健診へ行かなきゃなーと考えさせられます(←ただ、困ったことに緊迫感がないせいか毎回すぐ忘れてしまいますorz。その為、自戒の念を込めてこの記事を書きました;)。
おじやだったら食べられると思ったひよこさんは、病院の帰りに手作りおじやを公太さんにふるまいます
 今までに食べたことがないタイプのおじやで、ずっと興味を抱いていた為再現する事にしました。
 作中には分量やコツが細かく紹介されたレシピが記載されていますので、早速その通りに作ってみようと思います!


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、食材の下準備。椎茸は石突きを取って半分に切った後薄切りにし、油揚げは熱湯をかけて油抜きをしてから三等分にして五ミリ幅に切ります。
 その間お鍋へ水を入れて強火で沸騰させ、先程の椎茸と油揚げ、しらす、ご飯を投入し、そっと混ぜます(←あんまり強く混ぜ過ぎると、ご飯が崩れてボロボロになりやすいです)。
 材料がほぐれて混ざったら弱火にして醤油と日本酒を加え、そのまま汁にとろみがつくまでコトコト煮込みます。
おばあちゃん直伝のおじや1
おばあちゃん直伝のおじや2
 次は、仕上げ作業。
 汁がトロリとしてきたら再び強火で煮たたせ、お鍋の中がグツグツ言い出した時に溶き卵を回し入れます。
 卵が固まりだしたらすぐに火を消してフタをし、約三分放置して蒸らします。
 時間が経ったらフタを取って軽く混ぜます(←蒸らす時間は卵がふんわり固まるだけではなく、ご飯にお出汁を程よく吸収させる効果もありますので、絶対必要だな~と感じました)。
おばあちゃん直伝のおじや3
おばあちゃん直伝のおじや4
おばあちゃん直伝のおじや5
 卵が大体行き渡ったら器へ取り分け、その上から白炒りごまをパラリと散らせば“おばあちゃん直伝のおじや”の完成です!
おばあちゃん直伝のおじや6
 緑の色味がないので地味に見えますが、煮込まれた椎茸特有の芳しい香りがふわりと漂い、徐々に食欲が湧いてきます。
 白ごまをおじやに入れるのは初めてですが、実際に作ると香ばしい風味が和風出汁と共に鼻腔をくすぐるのが心地よく、これは合いそうだと感じました。
 一見した所だと特に目新しい所はありませんが、果たして味の方はどうなのか…食べて確かめようと思います!
おばあちゃん直伝のおじや7
 それでは、出来立てほやほやの内にいざ実食!
 いっただっきま~すっ!
おばあちゃん直伝のおじや8


 さて、味はと言いますと…見た目によらず色んな味がして旨し!シンプルな味付けですが、それが逆に飽きなくてスルッと頂けます!
 予想した通りやや塩気が控え目で薄味だったんですが、それぞれの食材からにじみでている出汁成分が強いせいか意外にも濃い味わいで、全くぼやけていませんでした。
 一口食べた途端、油揚げのまろやかなコク、椎茸のしみじみ深い旨味、しらすの磯の香りが効いた潮味がじわ~っと静かに、それでいてしっかりと広がり、出汁の素の類を一切入れていないのが信じられない出来栄えです。
 面白い事に、使った調味料は醤油とお酒だけなのにまるで味噌を使ったような懐かしい風味がわずかについており、不思議と奥行きのある美味しさになっていのが印象的でした。
 フワフワの卵がご飯に絡んで口当たりをさらに優しくし、白ごまがプチプチ弾けて香ばしいアクセントを付け加えてくれるのがいい感じです。
 雑炊はおつゆたっぷりでサラサラした感じですが、おじやはおつゆをたっぷり吸い込んでいるせいかホロホロになってて汁気がほぼなく、長めに火を通す事によってお粥みたいなとろみが生まれている為、さらに食べやすいのが特徴的でした。
 お粥に似ている割にはそれより柔らかくなく食べ応えがありますので、ご飯を食べたという満足感があるのがよかったです。


 椎茸や油揚げがここまでいい出汁を出すとは思わなかったので、食べた瞬間思わず目を見張ってしまいました;。
 お好みで味付けをもっと濃くしたり、具を増やしたりしてもかなりいけそうですので、長く愛用しそうなレシピだと感じました。

P.S.
 とおりすがりさん、先日はコメント欄にて誤字をご指摘して下さり、誠にありがとうございます。仰る通り、黒胡椒と書くべきところをミルクスープにしてしまってました…orz(←確認した瞬間、顔から火がそうでした;)。おかげさまですぐに訂正できました、ご協力感謝いたします。

●出典)『ひよっこ料理人』 魚戸おさむ/小学館
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

Comment

(編集・削除用)
管理者にだけ表示を許可

Trackback

URL
http://luckyclover7.blog27.fc2.com/tb.php/1041-ee057ab6
この記事にトラックバック(FC2Blog User)

プロフィール

Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
 …『銀の匙』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『スイーツ本部長一ノ瀬櫂』
 …『旅のグ(2)月は知っていた』
 …『テルマエ・ロマエ』
 …『土曜日ランチ!』
 …『BAR・レモンハート』
 …『百姓貴族』
 …『ぶたぶた』シリーズ
 …『ベーグル食べない?~幸せカフェごはん~』
 …『飯盛り侍』
 …『夢色パティシエール』


○当ブログについて
 このブログで使用されている記事の画像、一部文章は、それぞれの出版物等から引用しております。
 引用物の著作権は全て作者様、出版社様等に準拠致します。
 もしご関係者様に問題のある画像及び記事がございましたら、御連絡頂ければ速やかに修正、削除等の対処を致します。

○お知らせ
・当ブログでは作品のネタバレを含んだレビューも同時に行なっておりますので、作品を未見の方はご注意をお願いいたします。
・各作品に掲載されているレシピの分量は、例外なく全て非公開にする方針を取っておりますので、ご了承の程をお願いいたします(←この件についてご質問頂いた場合、誠に失礼ながら下記の理由でご返信しない方針にしております)。

※現在、公私の多忙と、再現記事のペース維持を理由に、コメント欄へのご返信が出来ない状態が続いております。
 こういう場合、コメント欄は停止するべきなのかもしれませんが、励ましのお言葉やアドバイスを頂く度、ブログのモチベーションアップや心の支えとなったこと、そして率直なご意見や情報を聞けてとても嬉しかったこともあり、誠に自分勝手ながらこのままコメント欄は継続する事に致しました。
 図々しい姿勢で恐縮ですが、ご返信をこまめに出来なくて余裕がある分、ブログ内容を充実&長期的に続けられるよう力をいれる事で皆様のご厚意にお応えし、感謝の気持ちをお返ししていきたいと考えております。
※ただ、ご質問を頂いた際はなるべくお力になれるよう、すぐご返答できるように対処致します。

 応援して下さる方々に少しでも楽しんでご利用して頂けるよう、沢山の作品に触れるちょっとしたきっかけになれるよう、これまで以上に心掛けていきます。
 恐れ入りますが、よろしくお願い致します。

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

ブロとも申請フォーム

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

Copyright © あんこ