『クッキングパパ』の“荒岩流ベジタブルミックスご飯”を再現!

 最近、近所のジョイフルでお昼を済ませる機会が増えているんですが、その際は必ずドリンクバーも一緒に注文し、濃いめの梅こぶ茶をスープ代わりにして飲むようにしています。
 ジョイフルのスープバーのスープは美味しいのでそれでもいいんですが、梅こぶ茶は洋風スープとはまた違った美味しさで、お茶というよりは和風おすましっぽいイメージです。
 濃厚な昆布のお出汁と梅の酸味が、肉の脂をさっぱり洗い流してくれるのがいい感じでお気に入りです。

 どうも、ジョイフルの和風ハンバーグについてくる野菜やポテサラの気前の良さが好きな当管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『クッキングパパ』にて荒岩主任が残業中に会社を抜け出して作った夕食・“荒岩流ベジタブルミックスご飯”です!
荒岩流ベジタブルミックスご飯図
 今回ご紹介するのは、単行本一巻に荒岩主任が三十一歳で初登場した頃のお話。
 その時、今では沖縄にいる大学生のまこと君は七歳、部下を持って昇進もしている田中君は二十五歳、二児の母となっている夢子さんに至っては若干二十二歳で、連載当時は皆自分よりずっと年上のお兄さんお姉さんだったのが、現在ではとうの昔に追い抜いているのを自覚するたび、「思えば遠くへ来たものだ この先まだまだいつまでか生きてゆくのであろうけど」と中原中也ばりに遠い目になります;。

 初めは照れ屋な性格と、うえやまとち先生が後に語っている通り「何故男が料理するのか?」という空気が1980年代には存在した為、この頃はまだ周囲に自分が料理好きだという事がばれないようひた隠しにしているんですが、ご本人は隠しているつもりでも結構スレスレで冷や汗が流れる場面が初期には多く、特に一巻は如何に正体がばれそうになるのを間一髪ごまかすかが見所だったように思います。
 ざっと挙げるだけでも、変装したとはいえ仕事を抜けて料理番組に出演・同じ課の人間が来る餃子屋さんで助っ人・会社の給湯室でアイスクリーム作りの仕上げをするなど、今思えばよくばれなかったな~と感心するものばかり;。
 案の定、夢子さんには早々とばれちゃってましたが、おかげで「木村君の手伝い」という形で料理がぐっとしやすくなってましたので、結果オーライだったな~と感じました。
連載当時は三十一歳の営業主任で、料理が得意な事は誰にも知られてませんでした
 どの登場人物も基本的にほぼ今と同じ性格で、絵も他の作品でちらほら見かける「変わり過ぎです…」と言いたくなるようなブレは少ないので違和感なく読めるんですが、そんな中唯一「キャラが変わったな~;」と苦笑するのが夢子さん。
 と言うのも、今では真面目で優しいしっかり者な女性というイメージが定着している夢子さんですが、意外にも一巻では荒岩主任に憧れとも恋ともいえない複雑な感情を抱くあまり“スペシャルモーニングトースト”のお礼にネクタイをプレゼントしたり、夜道で荒岩主任のほっぺにキスをしたり、運動会で二人三脚をした後も肩にしがみついたり、昼休みを利用して出張帰りの荒岩主任をお迎えに行ったりと、後の控え目な人柄が信じられない程大胆にアタックしていた為;。
 おまけに、「こんなとこ知らない人が見たら、私たち夫婦と思われちゃうかも知れませんネ」「今日奥さんいないんですか。今日遊びに行こうかな~、主任さんちにーっ」「ホント…いっしょに(出張に)行けたらいーのにな」と冗談っぽくもさりげなく好意をアピールをするという小悪魔的言動までしており、読み返すとこちらの方がドキッとしてしまいます(←ネット上で不倫願望疑惑が持ち上がるのも無理ないです;)。

 色々解釈はあると思いますが、個人的にこれは本気で不倫願望があって行われたのではなく、恋愛経験の少なさが災いして自分の気持ちがはっきり分からないまま暴走し、とりあえず溢れる好意をストレートに示してしまったから起きた悲喜劇なのだと予想しています。
 結局真相は謎ですが、どちらにしろ今やすっかり落ち着いた奥さんとなった夢子さんにとって、一巻の自分の赤裸々な行動は振り返るたびに「きゃー!」と恥ずかしさで顔を真っ赤にするレベルの黒歴史だと思いますので、これ以上つつくのはやめておこうと思います;。
当時はまだ荒岩主任に対して恋のような憧れのような気持ちを抱いていた夢子さん
 そんなこんなで、荒岩主任が戸惑いながらも満更でもない毎日を送っていたある夜、部下たちと遅くまでかかる残業をしている中こっそり中座して自宅へ帰った後作った夕食が、この“荒岩流ベジタブルミックスご飯”です!
 作り方はとても簡単で、炊飯器にお米・板昆布・お水・塩・こしょう・しょうが・醤油・みりん・牛コマ肉・ミックスベジタブルを入れてそのまま普通に炊飯し、炊きあがったら人数分の生卵を落として蒸らせばもう出来上がりです。
 この料理の強みは、材料を炊飯器に放り込みスイッチを入れるだけですぐに作れるお手軽さで、手際のいい荒岩主任は「トイレついでに買い物に行ってきた」と言っても通用するくらいの時間でもう準備を終えていました。
 ミックスベジタブルを和風に味付けした炊き込みご飯の具にする事も、生卵を入れて蒸して同時にトッピングを作っちゃう事も、二十年以上前に初めて読んだ時はとても斬新に見え、当時は衝撃をうけたのを覚えています(←ネット上で調べてみても、ミックスベジタブルは未だに洋風のおかずに使われる事が多いので、その感覚は現在も続いています;)。

 元々、この日の夕食は虹子さんが作る予定だったんですが、料理を火にかけている間「ちょっとだけ…」と調べ物をした事が原因で鍋を再起不能になるまで黒焦げにしてしまっており、嫌な予感がして駆けつけた荒岩主任がいなかったら危うく二次災害が起きている所でした;(←家に入る直前、何かが爆発したような破裂音と悲鳴が聞こえた荒岩主任は、さぞかし不安だったろうな~と気の毒になります。正直、隣の人が「火事?強盗?!」と心配して表に出てきてもおかしくないレベルの騒音でした;)。
 そんな虹子さんも、今では食器を割らず鍋も焦がさず、(決して得意になった訳ではないにしろ;)そこそこ美味しいご飯を作れるようにまで生まれ変われたのですから、人間成せば成るのだな~としみじみしました。
嫌な予感がした荒岩主任が帰宅すると、案の定焦げた鍋と虹子さんが床に転がってました;
 ずっと気になっていたもののズルズル再現がのびていた為、一巻を軽く紹介するついでに作ってみようと一念奮起しました。
 作中には詳細なレシピが載っていますので、早速その通りに作ってみようと思います!


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、炊く前の下準備。炊飯器の底へ出汁用の板昆布を敷いた後、研いで一時間近く吸水させたお米を投入し、お水も普段通りの水加減になるよう注ぎます。
 そこへ、塩、こしょう、みじん切りにしたしょうが、醤油、みりんを加え、自分好みの味をつけます。
 ※原作ですと牛肉やミックスベジタブルを入れてから調味料を入れてますが、後々ご飯の味にムラが出るのが怖くて最初から入れてしまいました。あまり原作に忠実でなくてすみません。
荒岩流ベジタブルミックスご飯1
荒岩流ベジタブルミックスご飯2
荒岩流ベジタブルミックスご飯3
 この上に、食べやすい大きさに切りそろえた牛のこま切れ肉とミックスベジタブルを入れ、調味料入りの水をなじませるよう軽く混ぜてフタをし(←ご飯の中に具が埋まらないように気を付けて混ぜます)、そのまま炊きます。
荒岩流ベジタブルミックスご飯4
荒岩流ベジタブルミックスご飯5
荒岩流ベジタブルミックスご飯6
 次は、卵の用意。
 ご飯が炊けたらすぐにフタを開けて生卵を人数分割り入れ、また素早くフタをして数分間蒸らします(←卵の位置がずれたりしやすいので慌てやすいですが、この時失敗して黄身が割れると美味しさが半減しますので、迅速かつ慎重を心掛けてした方がいいです;)。
 ※なお、ちょっと手間ですが、ご飯は底からまんべんなくかき混ぜた方が美味しいですので、一旦固まった卵をそ~っと取り出してから混ぜ合わせる事をお勧めします。
荒岩流ベジタブルミックスご飯7
荒岩流ベジタブルミックスご飯8
 ご飯と卵がいい具合に蒸れたら練らないようさっくり混ぜ、卵と一緒にお茶碗へよそえば“荒岩流ベジタブルミックスご飯”の完成です!
荒岩流ベジタブルミックスご飯9
 にんじんの赤色、コーンの黄色、グリーンピースの緑色、卵白の白が茶色がかったご飯を明るい色合いにしており、見るからに美味しそうです。
 牛肉のガツンとくる匂いが混ざった湯気に、しょうがの香気がふわりと入り混じっているのがそそるかんじで、これだけでもうお腹が空いてきます。
 ミックスベジタブル入りのご飯はシーフードピラフくらいしか食べた事がない為、醤油味のミックスベジタブルご飯はどんな味がするのか今一つピンときませんが、実際に食べて確かめてみようと思います!
荒岩流ベジタブルミックスご飯10
 それでは、熱々の内にいざ実食!
 いただきまーすっ!
荒岩流ベジタブルミックスご飯11


 さて、味はと言いますと…見た目以上に食べ応えがあって美味し!材料を入れてスイッチを押すだけなのに、結構凝った味わいになってます!
 調味料だけ見ると完全に和風ですが、牛肉の濃厚な脂分がご飯全域に染み込んだせいかしっとりパラリとした口当たりで、その上牛肉から出た強い旨味エキスによってこっくり奥深い昆布醤油味がしっかり効いている為、炊き込みご飯というよりはピラフっぽい感じがします。
 例えるとするなら「思いきりあっさりと甘さ控え目に作ったしょうが風味の牛丼味」というイメージで、どちらかと言えば塩気は控え目ですが、牛肉や昆布の出汁ががっつり濃くてパンチがきいていたので全く気になりませんでした。
 正直、牛肉の個性がよくも悪くも前に出たご飯ですので、一歩間違えたらしつこく単調な味になっていたと思うんですが、ミックスベジタブルの賑やかなプチプチ感と、瑞々しく弾け出る甘い汁気がいいアクセントになっているおかげで後をひく一品になっています。
 上に乗っている卵は白身が半熟でフルフルトロリ、黄身はねっとり柔らかくて甘味がぐっと濃縮されていた、まるで温泉卵みたいな美味しさなんですが、それがこのこってりしたご飯の後口をいい具合に緩和しており、相性抜群でした。


 作中で言われている通り、ごぼうや椎茸も足して炊いたらさらに美味しくなりそうです。
 ご飯はもちろん、炊飯器で蒸しあがった卵は宝物扱いして最後まで大事に食べたくなるお味ですので、スペースの許す限りなるべく入れる事をおすすめします;。

●出典)『クッキングパパ』 うえやまとち/講談社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

Comment

2014.07.09 Wed 13:26  |  

この料理を再現してくださって感激です!
1巻を読んだ時からずーっと、作ってみたいなぁと思ってた料理でした。
でも、クッキングパパのレシピ本に載っていなくて…。
実家の物置を捜索して、1巻を探すしかないのか…化石発掘より大変…とすっかり意気消沈してしまったのです。

感激した勢いで、作ってしまいましたよー!
とってもおいしかったです!
よくある炊き込みご飯の純和風な風味とも違うし、かといって洋風とも言えないし、目新しくて、献立のマンネリ打破にちょうど良かったです。
ありがとうございました!

夢子さん、初期は本当にキャラ違いましたねw
あんこさんが挙げた以外に印象に残ってるのは、バフンウニを主任さんの指からチュルっと食べるところと、政さんと一緒にディスコに行ったときのチークタイムとか、スケート帰りの車の中で肩にもたれかかったりとか…でしょうかw

このままエスカレートしたオトナな展開になったらどうしようついていけないかも…とちょっと思ってしまった小学校高学年の私でしたww

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Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
 …『銀の匙』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『スイーツ本部長一ノ瀬櫂』
 …『旅のグ(2)月は知っていた』
 …『テルマエ・ロマエ』
 …『土曜日ランチ!』
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 …『百姓貴族』
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 …『ベーグル食べない?~幸せカフェごはん~』
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 …『夢色パティシエール』


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