『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』の“簡単薬膳カレー”を再現!

 ある休日、某ホテルへビュッフェを食べに行ったのですが、デザートコーナーに本物のメープルシロップがなみなみと入った大瓶が気前よくデンと置かれているのを発見し、「おお…!」と感動しました(←普通に買うと、結構いいお値段なんですorz)。
 料理も手の込んだものばかりで、それだけでもリピート決定だったんですが、中でもフレンチトーストはきっちり中央まで卵液が染み込まされていてスフレかと思うくらいシュワっとしており、久々にため息をつきました。
 家でフレンチトーストを作る時は卵液をケチり、中央に味気ないただのパンの部分を残してしまってる当管理人は、大いに見習わねば…と猛省しました。

 どうも、焼いたお餅にメープルシロップをかけると美味しいという情報を教えて下さった広田先生と芝田先生に感謝している管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』にて芝田先生が広田先生のご希望に応えられて作った“簡単薬膳カレー”です!
簡単薬膳カレー図
 広田先生が三十代の頃、特に病気を患われている訳ではないのに体がだるく、何となく元気がでてこない時期があったそうなのですが、そんな時に食べて体調を取り戻されるきっかけとなったのが、芝田先生が料理教室で振る舞われていた薬膳カレー。
 広田先生がおっしゃるには、「生命の力の味というか…体の臓器が一つ一つじんわりホッとしていく味というか…疲れが飛ぶとかじゃなくて解放されて…癒されていく味というか…まァウマイんです」と表現したくなるような美味しさとの事で、初見時はかなり興味を抱いたものです。
 当管理人自身、昔は「ちょっとくらい体に悪くても、おいしいならいっか!」と特に健康に重きを置かない食生活をしており、多少の無理は若い体がカバーをしてくれていた感じでしたが、最近はそれだとモロに反動が体に跳ね返って体調を崩すようになっていて、食が心身にどれだけ大きく影響するかを痛感していた為、広田先生が感動されている様子は心に響くものがあったのを覚えています。

 その為、すっかり体の微調整が出来た広田先生は「先生教えて!」とレシピの伝授を希望されたみたいなんですが、芝田先生から「2週間かかるわよ」と言われ、思わず絶句;。
 何でも、芝田先生が作られる薬膳カレーはルーを一から手作りする本格派薬膳料理で、豊富な種類のスパイスを炒めて二週間なじませた後にハマグリの出汁を合わせたり煮込んだりと、結構時間と手間と費用がかかるらしく、びっくりしました。
 この時、広田先生は「体調が崩れた時に食べたいのに、気力あふれる健康な人のみが作れるという矛盾!!」と叫んでがっくりしていましたが当管理人も同感で、「あらかじめ体調を崩すのを予期してストックするか、もしくは誰かに作ってもらわないと用意するのはきつそう…」と苦笑しました;(←今以上に料理が出来なかった約十年前、留守番中に風邪をひいておかゆを作ろうとした時、レシピ本を見て作ろうとするとこれくらい手が込んだ作り方が書いてあって「無理だ…」とヨーグルトだけ食べて大人しく寝た記憶を思い出しました)。
三十代の頃、体調を崩していた時に食べると体がじわっと癒されたと語られてました
 けれども、諦めかけた広田先生を見かねられたのか、後日芝田先生は「なっちゃん、簡単にできる方法を思いついたわ」と声をかけます。
 その際、芝田先生が広田先生に教えられたのが、“簡単薬膳カレー”です!
 作り方はぐっと簡単になっていて、油を引かずに熱したお鍋で豚ひき肉を脂が出るまで炒め、そこへすりおろしたにんじん・ごぼう・しょうが・れんこん、食べやすく刻んだれんこん・じゃがいも、お水、コンソメキューブ、カレー粉、ガラムマサラ、砂糖、醤油を入れて二十分以上コトコト煮込み、一旦冷まして味をなじませた後にもう一度温め直したら出来上がりです。
 ポイントは、ひき肉を炒めた時に出る脂分のみで油を一滴も使わない事と、煮込んですぐに食べるのではなく必ず冷まして温め直した後に食べる事の二つで、こうする事によって胃にも優しく味のしっかり染み込んだカレーに仕上がるようです。
 ネットや料理本で色々と探してみましたが、芝田先生のレシピほど作りやすさと本格さが両立している物は見つからず(←本格過ぎて手軽には作れない物と、なんちゃって系に二分化してる気がしました;)、「本当に試行錯誤されて考えられたんだな~」と頭が下がる思いだったのを覚えています。

 このカレーには小麦粉みたいなとろみの元は一切入っておらず、使う食材もシンプルな物ばかりですのでシャバシャバにならないか気になったんですが、すりおろしたれんこんが代わりに自然なとろみをつけてトロッと仕上がり、程よくご飯に絡むのとの事で、感心です。
 芝田先生によりますと、このカレーには胃腸の働きをよくし(ガラムマサラ)、体をほっこり温め(根菜類)、肝臓を回復させる(カレー粉のターメリック)という三つの効能があると説明されており、食べておいしいだけではなく薬のように効くなんて一石二鳥だと改めて思いました。
完全にノンオイルで体にもよく、とろみもレンコンによってついているのだそうです
 その後、試食された広田先生は「うわー体に薬効が染みわたるこの感じ!これですよ!この味!!」「味的にはほぼ同じですよ!!」と絶賛されており、簡単バージョンでも十分引けはとらない事を満足されていました。
 ちなみに、広田先生は周囲の方にもこの“簡単薬膳カレー”を作って食べてもらった事があるようなんですが、中でも大人の女性から人気だったと記されており、ほとんどの方はレシピを聞いてくるくらい好評だったみたいです。
 しかし、このカレーはやや漢方薬っぽい味と薬みたいな匂いがするせいか、お子さん方には不評だったと書かれておりましたので、色んな意味で大人向けのカレーだな~と深く頷きました(お子さんは三名とも食べた瞬間黙ったそうで、正直「子どもはカレー好きで、大抵なら喜んで食べるケースが多いのに、まさかここまで拒否反応を示すとは…!」と少しだけ怯みました;)。
残念ながらお子さん達には不評だったようですが;、女性の方々には好評だったとの事でした
 漢方薬みたいな味という表現にちょっと躊躇しましたが、どんな味がするのか非常に気になりましたので再現する事にしました。
 作中には分量つきの詳細なレシピが記載されていますので、早速その通りに作ってみようと思います!


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、食材の下ごしらえ。にんじん、ごぼう、しょうが、れんこん(←こちらは半分だけ)はよ~く水洗いして泥や汚れを落とした後、皮ごとすりおろします。
 もう半分のれんこんは皮付きのままみじん切りにし、じゃがいもは皮をむいてから小さないちょう切りにします。
 これで、野菜類は準備OKです。
簡単薬膳カレー1
簡単薬膳カレー2
 次は、炒め煮作業。
 中火に熱したお鍋へ豚ひき肉(よりさっぱりした味がいい方は、鶏ひき肉がいいです)を入れ、油を足さずにそのままパラッとするまで炒めます。
 豚ひき肉から十分に脂が出て火が通ったらお水を注ぎ、続けておろしにんじん、おろしごぼう、おろししょうが、おろしれんこん、刻みれんこん、刻みじゃがいもを投入し、ざっとかき混ぜます。
 ※ひき肉は火が通らない内に無理に混ぜようとすると、下の方がくっついてうまく炒まりませんので、そのまま脂が出てひき肉が自然にはがれるのを待った方がいいと思います。
簡単薬膳カレー3
簡単薬膳カレー4
簡単薬膳カレー5
 そこへ、コンソメキューブ、カレー粉、ガラムマサラ、砂糖、醤油を加えてまた軽く混ぜ、一旦沸騰させます。
 お鍋がグツグツいってきたらフタをしてひと煮立ちさせ(大体二十分ほどかかります)、全体に熱が浸透して若干煮詰まってきたら火を止め、味がなじむよう少し冷まして落ち着かせます。
 ※この冷ます作業は地味に見えて結構重要ですので、必ずやった方がいいです。
簡単薬膳カレー6
簡単薬膳カレー7
簡単薬膳カレー8
 カレーが完全に冷めたら再度温め直し、そのまま具ごとご飯を盛りつけたお皿へ注いで盛り付ければ“簡単薬膳カレー”の完成です!
簡単薬膳カレー9
 作中で言われていた通り、とろみの元を全く入れていないにも関わらずおろしたれんこんの力によってほのかなとろみがついており、驚きました。
 内心恐れていた薬臭さは今のところほとんどなく、逆に根菜類の香ばしい匂いとスパイスの風味が心地よく鼻をくすぐります(←「カレー風味の根菜汁?」といいたくなるくらい、ごぼうやれんこんの香りが強かったです)。
 薬膳カレーを食べるのは生まれて初めてですので、一体どんな味がするのか楽しみです!
簡単薬膳カレー10
 それでは、冷めない内にいざ実食!
 いっただっきまーす!
簡単薬膳カレー11


 さて、味はといいますと…今までに食べた事がないタイプの、すごく胃に優しい不思議な美味しさのカレー!刻んだレンコンのザクシャキ感にハマります!
 初めは「薬臭いと表現されるなんてどんな味なんだろう…」と心配してましたが、実際に食べるとガラムマサラやカレー粉の刺激的な香りと野菜の複雑な出汁が入り交じった、「スパイシーな癒し系薬効野菜カレー」というイメージでさほど癖はなく、少なくとも本格派インドカレーが平気な方なら十分いけると思います。
 正直もっと薄味を想像していましたし、事実あっさり甘辛くてやや塩気の薄い味付けだったんですが、薄いのはあくまで塩分だけで逆に旨味は濃厚で、すりおろした根菜類から出た滋味溢れるエキスが全体を優しくまったりと包みこみ、その結果お肉だけでは生まれないヘルシーなのに奥深いコクが生まれているのが感動的でした。
 れんこんやにんじんの素朴な甘味、しょうがのすっきり爽快な辛味、ごぼうの力強い風味が混然一体となって広がるのが心地よいですうまくえないんですが、美味しいだけじゃなく疲れた体に染み渡って回復させるような本能的に欲する味わいという感じで、それが何ともほっとするのです)。
 油を最小限に抑えているせいかびっくりするくらいさっぱり軽い後味なんですが、豚ひき肉から出た甘い脂がしつこすぎないギリギリのラインで効いており、全く物足りなくありませんでした。
 おろしレンコンの粘りによって自然ととろみがついたホワホワ柔らかいすりおろし野菜がご飯にもったり絡むと同時に、サラサラしたスープカレー風の汁気がしっとり染みるのがかえって食べやすく、よかったです。


 これまで食べてきたどのカレーよりもスルスル入るカレーで、これなら体調が悪い時でも食べられそうな気がします(←実はカレーには二日酔いを和らげる効果があるんですが、このカレーはそんな時に最適って感じです)。
 らっきょうや福神漬けよりも、ピクルスや浅漬けが箸休めとして相性がいいです。

●出典)『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』 作者:広田奈都美 監修:芝田里枝/秋田書店
     (月刊フォアミセス 2014年3月号掲載分)
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

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Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
 …『銀の匙』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『スイーツ本部長一ノ瀬櫂』
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