『おいピータン!!』の“キュウリとナスの冷や汁”を再現!

 スシローで時々開催される貝祭りが好きな為、定期的にサイトを覗いているのですが、いつの間にか味噌ラーメンまで発売されているのに気付き驚きました;。
 醤油ならさっぱりしてそうだからまだ納得できるけれども、味噌はこってりだから難しいのでは…と最初は思っていたのですが、よく読みますと西京味噌によって優しい甘味のあるスープに仕上がっている為お寿司の味を極力邪魔しないと書かれており、「それならありかも…」と不覚にも心が揺さぶられました。
 今度、本当に合うのかどうか試してみようと思います。

 どうも、意外な組み合わせの食べ物の中で最近気に入ったのはオイスターソースかけ卵かけご飯の管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『おいピータン!!』にて大森さんが実家から送られてきた大量の野菜を消費する為に作った“キュウリとナスの冷や汁”です!
キュウリとナスの冷や汁図
 ある日、渡辺さんが大森さんの部屋へ遊びに行くと、そこには大量の野菜が入った段ボール・不思議そうに鳴いているクロ・絶望する大森さんという謎の光景があった為、青ざめながら「ど、どうしたの?」と聞きます。
 すると、大森さんは「どーしたもこーしたも、見てっ。このキュウリとナスッ」「田舎の母がとれたてを送ってきたんだ!」と心底困惑して叫び、まるで いやげ物みうらじゅん先生の造語。贈られた相手が喜ぶどころか突き返されそうな、貰っても全然うれしくない20世紀の愛すべき土産物の総称です;。いくつか例を挙げますと、けばけばしい絵が描かれたペナント・実物大マングース人形・微妙なデザインのキーホルダーなど)をもらったような反応を示します。

 周囲に野菜を育てている知り合いがいないせいか、初見時は「とれたて無農薬野菜がタダで手に入るなんて、迷惑どころか嬉しいけどな…」と渡辺さん同様優しいお母さんではないかと思ったものでしたが、大森さんは「母めぇ…!また作りすぎたに違いない…!!自分で捨てられないもんだから…」と推測し、家庭菜園の実態を切々と語りだします…。
 大森さん曰く、きゅうりは順調に育っていると一日六十本も取れる日がある為自分達だけでは食べきれず、かと言って同好の士であるお隣さんと野菜の交換こをしようにも「うちのきゅうり食べてみてー」「あら、うちのもー(うう…だぶったか)」とお互い肥料袋一杯のきゅうりを持て余し合って途方に暮れる日があったりと、なかなか厄介な一面もあるのだそうで、そのとばっちりで野菜をもらうのは一度や二度ではなくてうんざりしている様子でした;。
 個人的にはちょっと贅沢な悩みのような気もしますが;、きゅうりもナスも生のままではあまり日持ちしませんし、長持ちさせるにはそれなりに手をかけて常備菜にするしかありませんので、確かに一度に何十本もドンと送られてきたら頭を抱えるのも無理もないか~と苦笑しました。
野菜をつい作りすぎてしまい、送料をかけてまで息子に送ってしまう大森さんのお母さん
 おかげで、すっかり不機嫌になってしまった大森さんでしたが、花がついたままのきゅうりを手に取って「新鮮でおいしそう!ほら、まだ根っこついてるし!!」と無邪気にはしゃぐ渡辺さんを目の当たりにし、衝撃のあまり憂鬱な気分が一気に吹き飛びます。
 どうやら、渡辺さんは東京のごく一般的なサラリーマン家庭で育った為野菜の生態を全く知らなかったらしく、その後大森さんに「この野菜はどう育つか描いてみて」とすすめられて渋々描くも、どれもこれもがとんでもない新種揃いでしたので(←細木から生えているきゅうり、葉の先になるとうもろこし、隣と根っこがつながっているレタスetc;)、大森さんから「こ、この都会っ子め~」と言われちゃってました;。
 普段は仕事バリバリで知的なムードを出している渡辺さんですが、この時ばかりは自分の無知さに自分でびっくりして恥ずかしがっており、今や大笑いモードになっている大森さんから「もっと書いてよ~」と辱めを受けるのに顔を真っ赤にしていてかわいかったです(´∀`*)。
 …まあ正直、当管理人も芽キャベツをキャベツの赤ちゃんだと信じ込んでいたり、にんにくは苗からぶら下がっていると思いこんでいたりなど結構な勘違いをしていましたので、渡辺さんの事は笑えないのですがorz。
都会っ子&農業経験なしの為、野菜がどう生えてくるのか全く知らなかった渡辺さん
 こうして、すっかり気分をリフレッシュした大森さんがお母さんから送られてきた野菜をふんだんに使って作ったのが、この“キュウリとナスの冷や汁”です!
 作り方はそこそこ簡単で、焼きあごの出汁・焦がし味噌・白すりゴマ・しょっつるを混ぜ合わせて冷やしておいた汁に、きゅうり・ナス・青シソ・みょうが・青唐辛子を投入して混ぜ、冷ましておいた白いご飯の上にかけたら出来上がりです。

 ポイントは、きゅうりとナスは塩もみした後ギュッと水分を絞って食感を良くする事と、味噌は焦げ目をつけて香ばしくする事の二つくらいですので、これなら料理が苦手&夏場に台所で長時間作業をしたくない方でも挑戦しやすいんじゃないのかな?と思いました。
 冷や汁のレシピは日本各地に色々ありますが、「合わせ出汁or干物を入れてコクを出す」「味付けは味噌と醤油オンリー」「辛くなる材料は使わない」作り方がほとんどで、『おいピータン!!』のように「焼きあごの出汁で旨みを出す」「醤油じゃなくしょっつるを使用」「青唐辛子で辛味をつける」レシピは、かなり目新しかったのを覚えています。
 調べた所、熱中症を予防するには水分・塩分・適度な糖分の三つを同時に摂取する事が大事だそうなんですが、冷や汁はまさにその条件を満たしているとの事で、まさに夏には最適な料理だと感じました。

 結局大森さんが頭を悩ませていた大量のきゅうりとナスは、“キュウリとナスの冷や汁”に使う事によってほぼ消費し終えるのですが、渡辺さんにもっと野菜の生態を教えたいと思った大森さんは実家に電話をかけ、茎付きの野菜をたっぷり送ってくれるようリクエストするという本末転倒な結末になっていました;(←案の定、息子に恋人がいる事を知らないお母さんは「と、としおや。それ、ひとりで食べるんじゃなかろーね?」と急に不安がっていました;)。
 しかし、健康を損ないやすい夏場に野菜をたっぷり食べるのは体にいい事ですので、偶然とはいえ謎野菜の絵を描いた渡辺さんはいい仕事をしたな~と微笑ましく感じたエピソードでした。
あまりにも野菜の生態を知らない渡辺さんにかえって萌えた大森さんでした;
 何故か生の青唐辛子を見つけるのがものすごく困難で、一旦は諦めかけていた時期もあったのですが、最近やっと打っている所を見つけた為再現する事を決意しました。
 作中には大体の作り方と材料が載っていますので、早速その通りに作ってみようと思います!


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、材料の下準備。焼きあごの出汁を鍋にたっぷり用意して冷蔵庫であらかじめ冷やし(←本場九州でも常時置いてあるお店は珍しいので、今回は比較的手に入りやすい出汁の素を使用しました;。手抜きしてすみませんorz)、合わせ味噌はお好みの物をアルミホイルの上へ薄めに塗り付け、オーブントースターで表面がやや焦げるまで火を通します。
キュウリとナスの冷や汁1
キュウリとナスの冷や汁2
キュウリとナスの冷や汁3
 その間、きゅうりとナスは薄い輪切りにして塩もみした後水分をギュ~ッとよく絞っておき、みょうがと青シソは軽く洗ってから包丁で千切りにしておきます。
 生の青唐辛子はヘタと種を取り除き、輪切りを真っ二つにしたくらいの小さいサイズに刻みます(←種があると余計に辛くなりますので、しっかり取った方がいいです。後、怪我した手で触ると悶絶するほど激痛が走りますので、手袋してから触るのもありだと思います;)。
 これで、材料は用意万端です!
キュウリとナスの冷や汁4
キュウリとナスの冷や汁5
キュウリとナスの冷や汁6
 次は、いよいよ混ぜ作業。
 先程キンキンに冷やしておいた焼きあごの出汁が入ったボウルへ、焦がし味噌、白すりゴマ、しょっつるを投入して丁寧に溶き合わせます。
 汁全体に調味料が溶け込んだら、下ごしらえ済のきゅうり、ナス、青シソ、みょうが、青唐辛子をどっさり加えてざっと混ぜ合わせ、また冷蔵庫に入れて数十分冷やします(←再度冷やす作業は省いても大丈夫ですが、この方が野菜にも味がきちんとついて食べやすくなりますのでおすすめです)。
キュウリとナスの冷や汁7
キュウリとナスの冷や汁8
キュウリとナスの冷や汁9
 汁も具も冷えて味がなじんだら冷蔵庫から取り出し、そのまま冷蔵庫に入れず常温でゆっくり冷ましておいたご飯の入った丼へたっぷりよそえば“キュウリとナスの冷や汁”の完成です!
キュウリとナスの冷や汁10
 焦げた味噌やすりゴマの香ばしい香りが汁に溶け込んだ後も濃く漂い、冷えた汁物では珍しい事に見た目だけではなく、匂いでも食欲を刺激されます。
 みょうがの紅色がかったピンク色、きゅうりやしその鮮やかな緑色、ナスの黒に近い紫色が綺麗で、思ったよりもずっとカラフルな出来になったのに少し驚きました。
 冷や汁を食べた事は何度かあるものの、こういうアレンジされたレシピの冷や汁を食べるのは初めてですので、一体どういう味か楽しみです!
キュウリとナスの冷や汁11
 それでは、汁ごとご飯をすくっていざ実食!
 いっただっきま~す!
キュウリとナスの冷や汁12


 さて、味はと言いますと…思ったよりも辛くなく、ズルズルいけて美味し!野菜たっぷりヘルシーで、秋田と九州の味が見事に融合しています!
 当初は激辛なのではと心配してましたが、青唐辛子は熱が入っていないせいか汁にはほぼ溶け込んでおらず、逆に時々ビリビリッと爽快に駆け抜けていく辛味がいいアクセントになっていてよかったです(←噛み当てた瞬間はかなり辛いですが、スーッと消えて後に残りませんのでさほど気になりませんでした)。
 ナスときゅうりは塩もみしたおかげで浅漬け風の味になっており、ナスはキュッと引き締まった歯応え、きゅうりはパリパリと砕ける食感になっているのが如何にも涼しげで、ご飯にもぴったりです。
 本場宮崎の冷や汁は、焼いたアジの干物の凝縮された旨味や脂を焦がし味噌の奥行きのある塩気でキリッとまとめあげた、素朴でさっぱりした味わいが印象的ですが、こちらはあご出汁の甘みを帯びながらも深いコクのある上品な出汁と、しょっつるの熟成された強い旨味成分が混然一体となった、あっさりした中にも力強い旨味が特徴的でした。
 無理矢理一言で例えるとするなら、「漬物と薬味がたっぷり入った、塩味濃いめの冷製味噌汁ぶっかけご飯」というイメージで、すりゴマの香ばしさが全体をうまくまとめているのがナイスです。
 みょうがのシャリシャリ感と鮮烈な香り、シソの清々しい風味が後口をすっきりキレよくしているのがとても食べやすい感じで、蒸し暑くて食欲がない時でもこれなら食べられそうでした。


 そのまま飲んでもよし、素麺やうどんを入れてもよし、干物を焼いてほぐした物を足してもよしと万能な汁で、暑い時期にはとっても助かります。
 熱々ご飯を使うとせっかくの冷えたおつゆがぬるくなって台無しになってしまいますので、乾燥しないよう蒸気を閉じ込めつつゆっくり冷ましたご飯をお使いする事をおすすめします。

P.S.
 恭さん、先日はコメント欄にてお祝いコメントを下さり、誠にありがとうございます。過分なお褒めのお言葉、心より感謝いたします。

●出典)『おいピータン!!』 伊藤理佐/講談社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

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Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
 …『銀の匙』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『スイーツ本部長一ノ瀬櫂』
 …『旅のグ(2)月は知っていた』
 …『テルマエ・ロマエ』
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 …『百姓貴族』
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※現在、公私の多忙と、再現記事のペース維持を理由に、コメント欄へのご返信が出来ない状態が続いております。
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 図々しい姿勢で恐縮ですが、ご返信をこまめに出来なくて余裕がある分、ブログ内容を充実&長期的に続けられるよう力をいれる事で皆様のご厚意にお応えし、感謝の気持ちをお返ししていきたいと考えております。
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