『華中華』の“豚ばら肉とトマトのチャーハン”を再現!

 先日遠くの病院へ検査をしに行くことになり、あるビジネスホテルで一泊したんですが、その時全く期待せずに食べた朝食の卵かけご飯が妙に美味しくて、まだ忘れられません。
 卵はお世辞にも新鮮とは言えなかったんですが、そのせいなのかどうなのかいつも僅かに感じる生臭さがまったくせず、思わず厨房にいって「どこのタマゴですか?」と聞きたい衝動に駆られました;。
 いつもはかける調味料を色々変えて楽しんでるんですが(←麺つゆ、オイスターソース、しょっつるなど)、かけるのはたとえ醤油一種類だけだとしても、塩鮭・梅干し・納豆・味海苔などちょこちょこつまみながら食べるのもまた乙だな~という事に気づき、しみじみしました。

 どうも、幸い検査結果は異常なしだったものの、ご飯をかむ回数と塩分の取り過ぎには気をつけようと思った管理人・あんこです。 


 本日再現する漫画料理は、『華中華』にてハナちゃんが島野さんと料理対決をする際に作った“豚ばら肉とトマトのチャーハン”です!
豚ばら肉とトマトのチャーハン図
 それは、丸山君が上海亭で出前係として働く事になった直後のお話。
 ハナちゃんがちゃんとやっているか気になった島野さんは久々に上海亭のランチを食べに行き、お土産に鹿児島県産の高級黒酢を渡してハナちゃんを喜ばせるのですが、その時島野さんは驚くべき提案をします。
 その提案とは、黒酢を使ったチャーハンの料理対決!
 島野さんが言うには、元々有名な美食家が三人満点大飯店へやって来て料理を批評するという雑誌社の企画があったようなんですが、どうせならハナちゃんと対決する形にした方が面白いという島野さんの希望で急きょ予定が変更されたようで、ハナちゃんさえよければ明日料理対決したい…と真剣にお願いします。
 普段はマスコミ報道によって上海亭が目立つのを控えているハナちゃんですが、かつての師直々の挑戦状を拒否するのは料理人として考えられなかったみたいで、明日という急な申し出にも関わらずすぐにOKします。
 正直、いつもの島野さんにはあるまじき強引さに初見時は「?」と不思議に思ったものでしたが、その後の展開や独白を見ていますと、いつまでたっても取材に応じようとせずつつましくチャーハンを作り続けているハナちゃんを少しでも日の目を見させ、より広い世界で力をつけてほしいと思っている節が見受けられましたので、厳しくもありがたい師匠だな~としみじみしたのを覚えています。
ある日、お店に遊びに来た島野さんから鹿児島県産の高級黒酢を渡され、挑戦状をたたきつけられます
 とはいえ、勝負を受け入れたのはすでに前日の夕方だった為、お店の片づけをしたり義実家で家事をしたりしている内にあっという間に時間が過ぎ、結局黒酢を使ったチャーハンのアイディアをじっくり考えることができたのは前日深夜(←ちなみに、そんなハナちゃんをハラハラしながら見守っていた楊貴妃さんは島野さんを偵察しに行ったり、上海亭のおじいさんの夢枕に立って試作用の黒酢を大量に買うよう指示したりと、暗躍していました;。料理対決に初めて参加する娘を心配してあれこれおせっかいするその様子は、まるで「はじめてのおつかい」を影ながら見守るお母さんみたいで微笑ましかったです)。
 最初、ハナちゃんはいつもお店で出しているような庶民派チャーハンか、それとも今回に限って満点大飯店のような高級路線のチャーハンを作るべきか少し悩んでいたのですが、最終的には「私のチャーハンは上海亭のお客様のためのもの」という強い意志で、いつも通り価格的に無理しないチャーハンを作ることを決意します。

 こうして、一晩考え抜いた末に翌朝上海亭で何度か試作し、料理対決の場でハナちゃんが自信をもって出したのがこの“豚ばら肉とトマトのチャーハン”です!
 作り方は簡単で、自家製ラードを溶かした中華鍋で皮をむいたトマト・豚ばら肉・ガーリックパウダー・醤油・輪切り赤唐辛子・黒酢をざっと炒め合わせ、基本チャーハンの上にかけたら出来上がりです。
 ポイントは、豚ばら肉はブロックを食べやすい一センチ角の大きさに切ること(←薄切りだと食べた時の満足感や旨みが不足するのでNG)、どの面もじっくり焼いて食感をよくすること(←自家製ラードもたっぷりとれます)、焼いた後は塩とこしょうでしっかりした味をつけることの三つで、豚ばら肉を如何に丁寧に下処理するかで美味しさが決まるのだとか。
 ハナちゃん曰く、「鹿児島の黒酢と聞いて連想したのが、黒豚だったんです」「トマトのグルタミン酸と豚肉のイノシン酸の組み合わせで旨みがアップ」という理由でこの組み合わせを思いついたのだそうで、たったそれだけのインスピレーションで一日も経たない内にここまで完成したレシピを考えたハナちゃんは、相変わらずすごいな~と思います。
悩んだ結果、トマトと豚肉を使った炒め物を基本チャーハンに乗せた豪快チャーハンを作る事に
 実を言いますと、ちょっとしたハプニングでハナちゃんはお店の開店時間に勝負の場へ行かなくてはならず、すでに上海亭に集まっていたお客さん達にチャーハンを作れない事を謝る一幕があったのですが、事情を聞いたお客さんたちは怒るどころか「300円のチャーハンで高級店を負かせるなんて、面白いじゃねえか…な、みんな!」「ああ、みんなで応援してるから頑張ってきな!」「しっかり勝ってきてよね!」と快く送り出してくれ、上海亭の面々を感動させていました。
 正直、この時お客さん達からブーイングがあったら、生真面目で最後まで行くかどうか迷っていたハナちゃんは勝負を放棄していた可能性が高かったと思いますので、読んでいてほっとしたものです;。
 幸い、この“豚ばら肉とトマトのチャーハン”は「この量…女性には多過ぎじゃないかしら」という指摘がありつつも(←これに対して、ハナちゃんは「うちの店は働いている方のランチが中心なので、パワーをつけて頂こうと思って作っています」と話していた為、ちゃんとニーズを考えているんだな~と感心しました)、「美味しいわ!」「このボリューム感と食欲を誘う香り…僕は好きだなぁ」と概ね好評で、ひとまず安心します。
 しかし、その次に出された島野さんのチャーハンは美食家たちのみならず、ハナちゃんも度肝を抜かれ、勝負の行方は一気に混迷します…!
 本当はすぐにでも続きをご紹介したいところですが、続きはまた次回、肝心のチャーハンと一緒にお見せしたいと思います。
手違いでチャーハンを食べられなくなったお客さんも、ハナちゃんを快く送りだしてくれました。黒酢は香りをよくし、豚肉とトマトの組み合わせは旨味の相乗効果を生み出すのに役立っています
 最近、とても品質のいい黒酢を見つけましたので再現を決意しました。
 作中には詳細なレシピや分量が記載されていましたので、早速その通りに作ってみようと思います!


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、豚バラ肉の下ごしらえ。豚バラブロック肉の塊を包丁で約一センチ角の大きさになるよう切ってボウルに入れ、日本酒をかけて揉みこみしばらく放置します。
 豚バラ肉に日本酒が染み込んだら、何もひかずに中火に熱したフライパン(又は中華鍋)にそのまま並べ入れ、全面が焼き上がるよう小まめに方向を変えながら丁寧に焼き上げます。
 豚バラ肉がこんがり焼けてラードも十分に出てきたら火を消し、ザルにあけて豚バラ肉とラードの二つになるよう分け、ブラバラ肉だけ塩とこしょうをふって下味をつけておきます(←ラードは炒め油として使いますので、捨てません)。
豚ばら肉とトマトのチャーハン1
豚ばら肉とトマトのチャーハン2
豚ばら肉とトマトのチャーハン3
 次は、炒め物作り。
 先程のラードをひいたフライパン(又は中華鍋)へ、直火で炙って氷水の中で皮を取り除いた後一センチ角に切っておいたトマトを加えて軽く炒め、途中豚バラ肉も投入して混ぜ合わせます。
豚ばら肉とトマトのチャーハン4
豚ばら肉とトマトのチャーハン5
豚ばら肉とトマトのチャーハン6
 トマトが豚バラ肉に絡んだら、ガーリックパウダー、醤油、輪切り赤唐辛子を加えてざっと炒め、黒酢を注いであおりながら一気に混ぜ合わせます。
 その間、別のフライパン(又は中華鍋)でハナちゃん流基本チャーハンを作り、お皿に丸く盛り付けておきます。
 ※炒め物を上から乗せますので、基本チャーハンの塩気は抑えた方がいいです。
豚ばら肉とトマトのチャーハン7
豚ばら肉とトマトのチャーハン8
豚ばら肉とトマトのチャーハン9
 調味料がトマトや豚バラ肉にしっかり染み込んだのを確認したら、トマトが崩れ過ぎない内にすぐ火からおろし、仕上げに基本チャーハンの上へたっぷりかければ“豚ばら肉とトマトのチャーハン”の完成です!
豚ばら肉とトマトのチャーハン10
 黄色と緑の色合いが目にも鮮やかな基本チャーハンに、トマトの赤が目立つ炒め物が見事に映えており、見た目は美しいです。
 香りも、トマトの爽やかな風味と黒酢のさっぱりしつつも奥行きのある香気が効いており、食欲をそそります。
 トマト味の餡をかけたチャーハンならありますが、こういう凝った炒め物がかかったトマト味のチャーハンは初めてですので、一体どういう味がするのかワクワクします!
豚ばら肉とトマトのチャーハン11
 それでは、チャーハンと炒め物を軽く混ぜていざ実食!
 いっただっきま~すっ!
豚ばら肉とトマトのチャーハン12


 さて、味はと言いますと…黒酢が豚肉の美味しさを何倍にも底上げしてて感動!見た目以上に本格的な味わいです!
 トマトの瑞々しくて爽やかな甘味と、黒酢の熟成された奥深い酸味が複雑に入り交じって生まれた甘酸っぱい醤油味のソースが、食べ応えのあってジューシーな豚ばら肉の切り身と相性ばっちりで、こってりとさっぱりが見事に両立しています。
 例えるとするなら、「ほんのりピリ辛なフレッシュトマト入り黒酢酢豚」というイメージの味付けで、具も調味料も最小限でゴチャゴチャしてない分、黒酢の良さがシンプルに引き出されていたのが印象的でした。
 正直、これが他の穀物酢だったらもっとのっぺりして酸っぱさだけが際立っていたと思いますが、酸味がまろやかで旨味成分が豊富な黒酢を入れたせいかツンとする感じは一切なく、むしろ油っこさを抑えて全体にメリハリをつけるのに役立っていました。
 ホロリと柔らかくなったトマトを噛み締めると、中心にまで染み込んだ黒酢の上品な風味がさっと立ち上ぼてとろけるのがたまりません。
 また、ソースに使っている豚ばら肉から取り出した純度の高いラードは香ばしくコクのある味わいで、その甘くて濃い脂分はご飯に絡みやすくばっちり合うんですが、少しも嫌味じゃないサラッとした後口が特徴的で、さっと混ぜ込むだけで基本チャーハンをワンランク上の味にするのに成功していました。


 豚バラ肉の豪快さと、黒酢の繊細さが活きた一品で、一見矛盾しているようですがバランスがとれています。
 三百円でこのレベルのチャーハンが出るなら、絶対定番メニュー化を求められるだろうな~と思いました。


P.S.
 アノニマスさん、なちさん、kawajunさん、センさん、とわとわさん、前記事で温かいお祝いコメントを下さり、誠にありがとうございます。そして、お祝い拍手をして下さった皆様にも、心より感謝いたします。
 いつも多忙を理由に個別にご返信出来ないことを心苦しく思い、一時期はコメント欄停止を考えたこともあったのですが、非常に自分勝手ながら励ましのお言葉やアドバイスを頂くたび、ブログのモチベーションアップや心の支えになった為、そのまま現在まできてしまいました。我ながら図々しい姿勢で恐縮ですが、ご返信をこまめに出来なくて余裕がある分、ブログの更新内容を充実&長期的に続けられるよう力をいれる事で皆様のご厚意にお応えし、感謝の気持ちをお返ししていきたいと考えております(ただ、ご質問を頂いた際はなるべくお力になれるよう、すぐご返答できるように対処したいと思っています)。
 応援して下さる方々に少しでも楽しんでご利用して頂けるよう、沢山の作品に触れるちょっとしたきっかけになれるよう、これまで以上に心掛けていきますので、何卒よろしくお願い致します。


●出典)『華中華』 原作:西ゆうじ 作画:ひきの真二/小学館
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

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あんこ

Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
 …『銀の匙』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『スイーツ本部長一ノ瀬櫂』
 …『旅のグ(2)月は知っていた』
 …『テルマエ・ロマエ』
 …『土曜日ランチ!』
 …『BAR・レモンハート』
 …『百姓貴族』
 …『ぶたぶた』シリーズ
 …『ベーグル食べない?~幸せカフェごはん~』
 …『飯盛り侍』
 …『夢色パティシエール』


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※現在、公私の多忙と、再現記事のペース維持を理由に、コメント欄へのご返信が出来ない状態が続いております。
 こういう場合、コメント欄は停止するべきなのかもしれませんが、励ましのお言葉やアドバイスを頂く度、ブログのモチベーションアップや心の支えとなったこと、そして率直なご意見や情報を聞けてとても嬉しかったこともあり、誠に自分勝手ながらこのままコメント欄は継続する事に致しました。
 図々しい姿勢で恐縮ですが、ご返信をこまめに出来なくて余裕がある分、ブログ内容を充実&長期的に続けられるよう力をいれる事で皆様のご厚意にお応えし、感謝の気持ちをお返ししていきたいと考えております。
※ただ、ご質問を頂いた際はなるべくお力になれるよう、すぐご返答できるように対処致します。

 応援して下さる方々に少しでも楽しんでご利用して頂けるよう、沢山の作品に触れるちょっとしたきっかけになれるよう、これまで以上に心掛けていきます。
 恐れ入りますが、よろしくお願い致します。

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