『甘々と稲妻』の“甘辛ダレからあげ‏”を再現!

 先日、母が薄焼き卵でおにぎりを包んだたまごおにぎり(鹿児島県徳之島ではポピュラーだそうです。どうやら、以前ケンミン○ョーで見て以来興味を抱いていた模様;)を作ってくれたので食べたんですが、シンプルなのにすごく美味しくてはまりました。
 持ち運びに便利なのでお弁当に最適ですし、何より大量に作った青唐辛子味噌(←最近、母から実家のレシピを教わりました)と相性ピッタリでしたので、当分お世話になりそうです。

 どうも、『美味しんぼ』に出てきた唐揚げ入りおむすびや、たらこまぶしおむすびも気になっている管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『甘々と稲妻』にて主人公・犬塚公平さんが皆と協力し合って作った“甘辛ダレからあげ‏”です!
甘辛ダレからあげ‏図
 『甘々と稲妻』とは、半年前に妻を亡くして以来男手一つで子育てをしているものの思うように料理が作れない高校教師・犬塚公平さんが、出来立ての美味しい手料理を食べたがるようになった一人娘・つむぎちゃんの為、ひょんな事で料理を教わり作り合う仲になった担当するクラスにいる母子家庭の女子高生・飯田小鳥ちゃんと一緒に食卓を囲む日々を描いた、ハートフル系食卓ドラマ漫画です。
 アマ○ンの「両手に花の食卓ドラマ」というキャッチコピーの方を先に見た為、最初は「もしかして、女子高生との禁断の恋を描いた作品…?」とドギマギしていたんですが、実際に読んでみると恋愛要素よりも家族愛要素の方が強く、小鳥ちゃんとの関係もあくまで教師と生徒という線引きをきっちりしている感じだった為、安心して読む事が出来ました;。
 日常パートもほのぼのしていいのですが、最も秀逸なのは三人で色々と会話しながら調理する料理パートで、単に会話する以上に色々な事がつむぎちゃんに伝わり、一種の交流手段となっているのに感動します。

 父親としてはまだまだ新米ながらも、娘の笑顔をみたいという一心で毎日手料理を作り続け、様々なトラブルが降りかかる中娘と真摯に向き合い誠実に接していく犬塚さんがとにかくかっこよく、応援したくなっちゃいます。
 個人的に一番魅力的なキャラはつむぎちゃんで、まだ五歳と幼いせいか母の死を朧気に理解しているものの元気いっぱいの性格に陰りはなく、喜怒哀楽の表情を全力で表して男児並にぴょんぴょんと跳ねる所がすごくかわいくて、萌えます←この作品の最大の見所は、つむぎちゃんが幸せそうにご飯を頬張るシーンだといっても過言ではありません!)。

 あと、一見クール系美少女に見える小鳥ちゃんですが、実際は真面目で内気な性格でがっつりご飯を食べる大食い系キャラで、母一人子一人で頑張る姿が健気でいいです。
 見ている限り、犬塚先生にほのかな恋心を抱いているように思うのですが、どうやら昔離れたっきりの父親の姿を重ねているようでもあり、誰かと共に囲む幸福な食卓に対する憧憬を満たしているようでもありと、自分でも整理しきれない感情がゴチャゴチャになっていて、本当はどうしたいのかまだわかっていないようですので、今後小鳥ちゃんの心境がどう変化していくのか目が離せません。
妻を亡くして半年目の主人公・犬塚先生と、その一人娘のつむぎちゃん一見クーデレ系にみえるものの、実は引っ込み思案なドジっ子の女子高生・小鳥ちゃん
 実を言いますと、本当に料理が上手でレシピを提供をしているのは、料理研究家をしている小鳥ちゃんの母・恵さん(←ご飯屋<恵>を経営していますが、多忙でなかなか空けらない日が続いている為、最近では犬塚先生達が料理をする舞台の一つとなってます)で、小鳥ちゃんは過去のトラウマで包丁を握る事が出来ない全くの素人なのですが、同じく料理初心者である犬塚先生や簡単なお手伝いなら出来るつむぎちゃんとドタバタしつつも何とか料理をこなしていく様子が微笑ましく、読んでいるととても温かな気持ちになります。
 当初は「大変だな~」とハラハラしたものでしたが、逆にお互い何も出来ないからこそ会話が弾み、心の距離が近くなっていっていると取れなくもありませんので、こういう形のスタートもありだな~と妙に感心したのを覚えています。

 複数の登場人物で調理するタイプの料理漫画だと、大抵は一人料理上手なキャラがいるものですので、読者としては「ナビゲーター役がいる!」とほっとするのですが、上記の理由で『甘々と稲妻』は三人全員が危なっかしいという新タイプの料理漫画ですので、毎話目が離せません;。
 けれどもそれゆえに、一話目では土鍋ご飯を震えながら炊こうとしていた小鳥ちゃんが自信を持って出汁をとれるようになったり、二話目では大根をうまく切れずに吹っ飛ばしていた犬塚先生がうまく薄切りに出来るようになったりしたシーンが一際輝いて見え、読んでいると「私もこの時の気持ちを忘れないようにしなければ…」と、思わず初心に帰ります。
まるで本当の親子のような、ほのぼのした温かい食卓を囲む犬塚先生たち。
 今回ご紹介するのは、三人でGW用のお弁当を作ろうと<恵>のキッチンで集合した時のエピソード。
 お弁当にはたくさんのおかずが必要不可欠という事で、おにぎり・唐揚げ・卵焼き・キャベツ&しらす炒め・野菜のマリネ串・ビックハム串・ちくきゅうチーズ・かぼちゃクリームなど、計八品を三時間以内に作る事にするのですが、普段一品のおかずを用意するだけでも四苦八苦している犬塚さん達ですので、当然の如く現場はパニック状態になります;。
 当管理人も何度かこういう経験はありますが、複数のおかずを同時進行で作っていき、お弁当箱に詰め込む作業は本当に手間がかかるもので、工程が半分まで過ぎたあたりでぐったりして「行楽地に行く前なのに、すでに大半の体力が持っていかれてる…」と『あしたのジョー』のように真っ白に燃え尽きる事もよくあった為、犬塚先生の苦労は分かるような気がしました(←おまけに持ち運びしなければいけない分、汁漏れせず腐りにくいおかずを吟味する必要もありますので、準備の時間もいつも以上にかかりますorz)。
 けれども、出来上がったおかずをあれこれ言い合いながら、一つずつ丁寧に詰め込んでいく犬塚さんとつむぎちゃんの楽しげな様子は当管理人にも共感する部分があり、初見時は久々に大物のお弁当を作りたくなったものです。
お弁当を準備する為、朝から台所でドタバタ用意する様子に激しくデジャブ;
 この時、小鳥ちゃんがお母さんのレシピを見ながら味付けし、犬塚先生が決死の思いで揚げて作り上げたのが、この“甘辛ダレからあげ‏”です!
 作り方は簡単で、鶏もも肉を水に浸して水分を含ませた後、醤油・日本酒・すりおろししょうが・すりおろしにんにくを合わせたボウルに入れて味付けし、片栗粉をまぶして二度揚げしたのを醤油や砂糖で作った甘辛ダレに絡めたら出来上がりです。
 ポイントは、味付けする前に鶏もも肉へ水を吸わせること(←意外ですが、こうするとジューシーな仕上がりになるのだとか)、一度目は低温で二度目は高温という二度揚げにすること、甘辛ダレは唐揚げが熱い内に絡めることの三つだそうで、これさえ守れたら確実に美味しく仕上がると作中で説明されていました。
 これまで、下味をしっかりつけた唐揚げはそのまま食べるものだと思っていたので少し驚いたんですが、よくよく思い出せば油淋鶏ザンタレなど、タレがかかってて美味しい唐揚げは一杯ありますので、これはいけそうだ…と俄然興味を持ったのを覚えています。

 リアクションの大きさから推測するに、つむぎちゃんがお弁当の中で一番気に入ったのはこの“甘辛ダレからあげ”だったみたいで、「からあげおいしい、からあげっ、からあげ!!からあげー!!」「ぷりんぷりん、じゅわって!」「このねっ、あまっからくてゴマかかってるのなに!?おいしい!」と息を荒げながら興奮していました;。
 犬塚さんは小食なのですが、つむぎちゃんはお母さん似(?)なのか肉が大好きらしく、それぞれの個性が分かって面白かったお話でした。
手作り唐揚げのあまりの美味しさに興奮してはしゃぐつむぎちゃん;
 鶏肉にお水を浸けてから調理すると美味しくなるという情報は以前から知っていたんですが、これまで試す機会がなかった為、これをいい機会に再現する事を決意しました。
 作中にはもちろん、巻末には詳細な分量つきレシピがしっかり記載されていますので、早速その通りに作ってみようと思います!


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、お肉の下準備。鶏もも肉は一口大の大きさに切り、水の入ったボウルへ浸して約十分待ちます。
 時間が経ったら鶏もも肉を取りだしてキッチンペーパーで水気を軽く拭き取り、醤油、日本酒、すりおろししょうが、すりおろしにんにくを混ぜ合わせておいたボウルへ投入し、さっと揉みこんだら約十分漬けます。
甘辛ダレからあげ‏1
甘辛ダレからあげ‏2
甘辛ダレからあげ‏3
 十分が経過したら、水を足してまた五~十分待ちます(←正式なレシピにはなかった手順ですが、作中には漬け汁に水を足しているシーンがありましたので追加しました)。
 ここまできたら、いよいよ揚げ作業。
 この味が染みた鶏肉の水気をさっと拭き取り、全面に片栗粉をまぶしてはたいたら、160度に熱した油で一分半程揚げます。
 表面が薄く茶色に色づいたらキッチンペーパーに取り出して約三分休ませ、今度は190度に熱した油で四十秒くらい揚げ、再度キッチンペーパーに置いて油をきります。
甘辛ダレからあげ‏4
甘辛ダレからあげ‏5
甘辛ダレからあげ‏6
 その間、熱したフライパンに醤油、砂糖、みりんを入れて煮詰め、最後に白ゴマを加えて仕上げた甘辛ダレを用意しておき、そこへ先程揚げたばかりの唐揚げを投入し、まんべんなく絡めます。
 ※甘辛ダレは、唐揚げが熱々の内に絡めるのがポイントとの事でした。
甘辛ダレからあげ‏7
甘辛ダレからあげ‏8
甘辛ダレからあげ‏9
 唐揚げに甘辛ダレがしっかり絡まったらレタスを敷いたお皿へ並べ、仕上げにお好みのピックをあちこちに刺せば“甘辛ダレからあげ‏”の完成です!
甘辛ダレからあげ‏10
 見た目真っ黒なので最初はびっくりしますが(←黒天丼を思い出しました;)、にんにくやしょうがの香りが胃袋を強力に揺さぶる為、大して気になりませんでした。
 作る前は、タレがついたら衣がしけっちゃわないか気になってましたが、このタレは染み込むというよりは表面に絡む感じで、カリッとしたままだったのが嬉しかったです。
 油淋鶏を作った事はあったものの、こういう甘辛系のタレをかけた事は今まで一度もなかった為、どんな味がするのかとても楽しみです!
甘辛ダレからあげ‏11
 それでは、揚げたて熱々の内にいざ実食!
 いっただっきまーす!
甘辛ダレからあげ‏12


 さて、感想はと言いますと…バシッと味が決まった、がっつり系の美味しさ!ご飯は勿論、お酒にもぴったりです!
 やや硬めでカリカリザクッと香ばしく砕ける、クリスピーで薄い竜田揚げ風の衣を噛み破った途端、プリンプリンッと弾力のある鶏もも肉が飛び出すのがとにかく美味で、つむぎちゃんが興奮するのも分かる気がしました。
 作中で言われている通り、水につけてから揚げるといつもの唐揚げよりもややぷっくりジューシーな食感になっており、十分効果があると思いましたが、個人的には肉汁の多さよりも肉質の柔らかさの方が印象に残る感じで、時間が経って冷めた後でも全く劣化しないのがよかったです。
 お肉に付いている下味は、こってりした旨味とキリッとした香りが効いた濃厚なにんにくしょうが醤油味で、お惣菜コーナーで売られている唐揚げというよりは居酒屋にあるザンギというイメージでした。
 一方かかっているタレは、名古屋名物手羽先唐揚げによくかかっている甘辛白ごまダレにそっくりで、カラメルっぽい焦がしたような風味を帯びた奥深い甘辛さが、濃いめの唐揚げと相性抜群です(←普通だったらコテコテすぎてくどくなりそうな物ですが、後味がしつこく残らないせいか逆に中毒になりました;)。
 白ごまのプチプチ感がいいアクセントになっているのがナイスでした。


 実は、「水をお肉に吸わせたら、逆に水っぽくなるのでは…」と不安だったんですが、実際に作ってみたらそんなことはなくてほっとしました。
 この技は唐揚げ以外にも色々使えそうなので、助かります。

●出典)『甘々と稲妻』 雨隠ギド/講談社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

Comment

2014.12.04 Thu 02:16  |  初コメです

こんにちは。
1か月前に偶然このサイトを見つけて以来、
いつも楽しみに読んでいます(*^^*)
料理マンガはあまり読まないので、管理人さんのマンガ紹介の部分が面白く読みたい!という気持ちにさせてくれます♪
この『甘々と稲妻』もこのブログがきっかけで読んでいます!
1話目のご飯を食べるつむぎちゃんがお父さんに
「食べるとこみててっ」と言ったときの顔がジーンときてしまいました(T_T)

  • #-
  • ちあ
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2016.07.12 Tue 20:49  |  

甘々と稲妻、アニメ化しましたね〜

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Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
 …『銀の匙』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『スイーツ本部長一ノ瀬櫂』
 …『旅のグ(2)月は知っていた』
 …『テルマエ・ロマエ』
 …『土曜日ランチ!』
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 …『ぶたぶた』シリーズ
 …『ベーグル食べない?~幸せカフェごはん~』
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 …『夢色パティシエール』


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