『ひとりぐらしも5年め』の“作りおきトマトスープ”を再現!

 少し前、あるお菓子の再現の為に緑色のドレンチェリーを探そうとし、あちこちのスーパーを探し回った事があったのですが、最後のお店でそれらしい色合いのパックがあったのを遠目で見つけて駆けつけた所、よりによってアンゼリカだったという出来事があり、一気に脱力しましたorz。
 どちらも天然色素が主流となりつつある現在では絶滅寸前の材料ですが、個人的にドレンチェリーの方がまだポピュラーだと考えていた為余計ショックで、「アンゼリカを置くくらいマニアックな仕入れをするのなら、ドレンチェリーもついでに扱ってくれたらいいのに…」と半ば逆恨み的な事を考えながらスゴスゴ帰宅したものです;。

 どうも、夕食を何にしようか迷った時は「○○を入れるだけ」のレトルトが置かれているコーナーへ行ってインスピレーションをもらっている当管理人・あんこです(←ちなみに、アイディアをもらうだけでレトルトは買わないという結構ひどい事をしています;)。


 本日ご紹介する再現料理は、『ひとりぐらしも5年め』にてたかぎなおこ先生がよく作っている料理としてご紹介されていた“作りおきトマトスープ”です!
作りおきトマトスープ図
 『ひとりぐらしも5年め』とは、150㎝という小柄な身長と可愛い絵柄で有名な三重県ご出身のイラストレーター・たかぎなおこ先生が、上京して一人暮らしを始めて5年目の日々をありのままに描かれた、日常系ほんわかイラストエッセイです。
 今でこそ、ごく普通の女性の現実的な一人暮らし生活を赤裸々に綴ったエッセイ本は数えきれないほどありますが、こちらの本が出版された2003年は「今から一人暮らしをする人に」という事前準備の本や、「夢のお洒落な一人暮らし生活」という生活感が全く感じられない本がほぼ主流で、たかぎなおこ先生のように現在進行形でつつましい暮らし方を実践的に描いた本は珍しかった為、当時はかなり衝撃を受けたものです。
 当時まだ高校生で、将来一人暮らしを夢見ていたものの「実際に一人で暮らすとはどういう事か」というモデルプランが全く見えてこなかった当管理人にとって、たかぎなおこ先生の素朴な絵と温かな人柄で丁寧に描かれたリアルな一人暮らし生活の様子は、とても分かりやすくて参考になったのを覚えています。

 あと、節約系の一人暮らしを描いた作品やエッセイは、「そこまでしなくても…」と言いたくなるようなギスギスしたものや、一分の隙もなくて「楽しそうじゃないな…」と息苦しさを感じるものが時々あって敬遠する事が多かったのですが、たかぎなおこ先生は「お金がなくても心細くても、工夫次第で何とかなるよ~」というような、適度に肩の力を抜いてリラックスしたおおらかな生活っぷりが特徴的で、そのいい意味での自由さやゆるさが作品に出ており、読んでいるだけで癒される気持ちになったものでした。
ひとりぐらしも5年め図
 それから約10年経った今、結局色々あって当管理人は一人暮らしする事もなく日を過ごしている為、「へっぽこ防犯」の項に出てくるようなデンジャラスな訪問販売員と対決したり(←ドアポストから誰かが中を覗いてきて目と目があったエピソードは、未だに怖いです…orz)、「うっかり怖いビデオを見た夜」のようにホラービデオを見た後お風呂で恐怖を感じたりした経験はないのですが、自分用の買い物をしに行ったり、一人飯をしたり、お金の管理をするようになったりするにつれ、作中の小ネタにいちいち共感出来るようになった為、いつ読み返しても「あるある!」「それ、分かります!」と新鮮な気持ちで共感しています;。

 中でも激しく共感したのは、「いつものスーパーでお買い物」に出てくるスーパーあるあるネタ!
 嗜好品だらけor「今から一人ビールする気満々」な買い物かごに気付いて思わず赤面したり、面白いネーミングの商品は常にチェックしていてつい買ってしまったり、スーパーでのキャンペーンに影響されて献立を決めたり、一軒目のお店で買った物が二軒目のお店で安く売られていて悔しがったりなど、誰もが一つは当てはまりそうな身近すぎるネタばかりで、このコーナーを読み返す時は拳に力が入ります;。
 また、「女一人の丼飯屋」で描かれている女のおひとり様ならではのちょっとした緊張感や、複数の有名丼チェーン店の細かい感想付きのレポも深く頷くやら面白いやらで、個人的に大好きです←『孤独のグルメ』ブームが来る前で一人飯エッセイが少なかった頃のお話ですので、貴重です)。
嗜好品だらけの買い物かごだと恥ずかしいなど、あるあるネタが多くて共感します今では世間にすっかり定着した「一人飯」も、たかぎ先生は既にネタにされてました
 今回ご作ってみるのは、「わびしく質素なつくりおきごはん」の項(←こちらも、料理をされる方なら一人暮らしをしていなくても共感する事必至な小ネタのオンパレードで必見!)でご紹介されていた、“作りおきトマトスープ”。
 作り方はお手軽で、熱した大きめのお鍋へオリーブオイル・にんにく・輪切り赤唐辛子・肉類(鶏肉、ベーコン、ウインナー等)・玉ネギ・ナス・セロリを入れてざっと炒め、ホールトマト缶を汁ごと加えて木べらで潰しながらコトコト煮込み、最後にお水・コンソメキューブ・塩・こしょうを投入してさらに煮込んだら出来上がりです。
 なお、これはあればでいいそうですが、ローリエ・オレガノ・バジルといったハーブ類を入れるとさらに美味しくなるそうです。

 作り方を見ますとミネストローネに似ているように思いますが、それにしてはミネストローネに付き物なショートパスタ・じゃがいも・にんじんが入ってない上、唐辛子でピリ辛味に仕立てている為、味の想像がつくようでつきません;。
 何でも、この“作りおきトマトスープ”はトマトが大好きだけれども生のトマトが高くて買えなかった当時のたかぎなおこ先生が、安く手に入る材料で二日以上トマト味のスープを楽しみたい時によく作ってらっしゃった一品との事で、クタクタになって帰宅した時にこのスープが入った鍋を見つけると「わっ!!昨日作ったトマトスープがあったんだった」と喜んでいたというエピソードが描かれていました。
  次の日スープにちょっと飽きても、パスタに絡めてスープパスタ風にするか、ご飯を入れて粉チーズを振りかけてリゾット風にすると新しい気分でおいしく食べられたと語られており、初見時は「これはいい…!」と目が釘付けになったものです;。
大鍋にドーンと大量にスープを作っておき、丸二日間かけて飲むと語られていました
 先日、ホールトマト缶が安売りされているのを見つけてこのスープを思い出し、一念奮起して再現してみる事にしました。
 作中には大体の作り方が図入りで書かれていましたので、早速その通りに作ってみようと思います!


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、炒め作業。大きめのお鍋へオリーブオイル、みじん切りにしたにんにく、種を取った輪切り赤唐辛子を入れて弱火で炒め、香りがたってきたら拍子切りにしたベーコンと小さく切った鶏もも肉を足して混ぜます(←どちらもない場合は、シーチキンを入れてもおいしいそうです)。
 肉類が色づいてきたら、みじん切りにした玉ネギも投入し、ざっと炒めます。
作りおきトマトスープ1
作りおきトマトスープ2
作りおきトマトスープ3
 大体混ざったらみじん切りにしたセロリ、小さく刻んだナスを投入して全体に油がなじむまでよく炒め、あらかた火が通ってきたらホールトマト缶を汁ごと加え、木べらで荒めに潰します。
 ※トマトをつぶす時、乱暴に潰しますと汁が飛び散って大惨事になりますので、優しくソフトにトントンと潰すのがコツです。
作りおきトマトスープ4
作りおきトマトスープ5
作りおきトマトスープ6
 次は、煮込み作業。
 ホールトマトをつぶし終えて野菜にトマトの汁がなじんだら、お水、コンソメキューブ、塩、こしょうを入れて味付けし、味見してお好みの塩加減になるまで調節します。
 途中、ローリエ、オレガノ、バジル(生でも乾燥タイプでも可)も加え、後はフタをしてコトコト煮込みます。
作りおきトマトスープ7
作りおきトマトスープ8
作りおきトマトスープ9
 スープに調味料やハーブ類の風味が行き渡っていい具合に煮えてきたら火を止め、そのままスープ皿へと盛り付ければ“作りおきトマトスープ”の完成です!
作りおきトマトスープ10
 真っ赤なスープに、色鮮やかで種類豊富な野菜がゴロゴロ沈んでいるのがそそる感じで、正直トマトスープにここまで食欲を感じたのは初めてです。
 ハーブを使ったおかげで簡単に作れた割に本格的な香りに仕上がっており、どんな味がするのか楽しみです。
作りおきトマトスープ11
 それでは、冷めない内にいざ実食!
 いっただっきまーす!
作りおきトマトスープ12


 さて、感想はと言いますと…具沢山で口の中が楽しくなるスープ!唐辛子がいい仕事をしてます!
 野菜や肉の様々な旨味エキスがまんべんなく溶け込んだ優しい味のスープに、唐辛子のビリッとくる刺激的な辛さが効いてメリハリのある出来に仕上がっており、癒されるような喝を入れられるような不思議な気持ちになります。
 まるでラタトゥイユとミネストローネを足して二で割ったような美味しさで、例えるとするなら「アラビアータ風ヘルシートマトスープ」という印象の味わいでした。
 ローリエの清涼な風味と、オレガノやバジルの爽やかな風味が全体に奥行きをプラスしているのがナイスで、普通のトマトスープよりも上品な後口になっているのが特徴的です。
 気のせいか、いつも作っているカットトマト缶使用のトマトスープやソースよりも甘味が濃厚で酸味が控え目に感じられ、より深みがあるように思いました←調べた所、何とホールトマト缶に使用されるトマトは煮込み料理に適した甘い縦長トマト、カットトマト缶に使用されるトマトは酸味と甘味のバランスが取れた丸いトマトである事が多いのだそうで、どうやらそれが今回の味の違いに繋がったようでした。今までどっちも同じだと考えていた為反省…orz)。
 ナスのトロっとした口当たりとセロリのザクザク感が、甘酸っぱくてあっさりしたコクのあるスープにぴったりで、スルッと胃袋に収まりました。
 これをパスタに和えてみると「野菜たっぷり!ピリ辛アマトリチャーナ・スープスパ」、ご飯を入れて煮込み粉チーズをかけたら「ふんだん野菜のなんちゃってトマトチーズリゾット」というイメージの立派な一品料理に早変わりで、満足しました。
作りおきトマトスープ・リゾット


 そのまま飲んでもよし、アレンジして食べてもよしと、本当に使い勝手のいい便利で美味しいスープでした。
 他の著作でも、たかぎなおこ先生は簡単に作れるレシピをご紹介されていますので、今度試してみようと思います。

●出典)『ひとりぐらしも5年め』 たかぎなおこ/メディアファクトリー
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

Comment

2014.09.28 Sun 23:17  |  管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

  • #

2014.09.30 Tue 20:23  |  

初めまして!
いつもサイトをひっそり拝見させて頂き、心より楽しませてもらっています。

今回敬愛するたかぎなおこ先生の作品でしたので、ついコメントさせて頂きました。
このスープ美味しいですよね。
私も大好きでたまに作って楽しんでます♪

また今後のお料理も楽しみにしております。
寒暖の差が激しい時期ですが、くれぐれもご自愛ください。

  • #-
  • かなちえ
  • URL

2015.11.08 Sun 18:55  |  作ってみました

野菜たっぷりのスープを探していてたどり着きました。
トマトは大好きですが、トマト缶の料理ではかけた手間のわりに一味足りないようなのしか作れずで、缶は苦手でした。
だけど写真がとってもおいしそう! 自分でもおいしくつくれそうな気がして試してみたら、おいしくて三度も作ってしまいました。
他のお料理も、おいしそうで、読みだしたら止まらないですね。

  • #ow8vHBb.
  • トマト好き
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Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
 …『銀の匙』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『スイーツ本部長一ノ瀬櫂』
 …『旅のグ(2)月は知っていた』
 …『テルマエ・ロマエ』
 …『土曜日ランチ!』
 …『BAR・レモンハート』
 …『百姓貴族』
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 …『ベーグル食べない?~幸せカフェごはん~』
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 …『夢色パティシエール』


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