『くーねるまるた』の“由利絵さんの醤油焼きそば”を再現!

 先日、近所にある図書館へ本を返しに行った際、館内のどこかから「金魚の餌が入っている水槽の水」みたいな臭い(←微妙なたとえですみません;)がかすかに漂い、一瞬にして小学校時代の夏を思い出しました。
 恐らく、「小四くらいの時にクラスで金魚を飼っていた=夏休みに誰が世話するか議題に=結局先生が押し付けられry」という記憶の連鎖で自然と思い出したのだと思うのですが、一秒かそこらで当時の風景をギュン!とばかりに生々しく蘇らせる脳のすごさに、少しの間妙に感心して立ち尽くしていました。

 どうも、小学生の頃市民プールでひと泳ぎした後はクーラーがガンガンきいた飲食ブースの中で肉まんを食べるのが定番コースだった管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『くーねるまるた』にて屋台の焼きそばを食べ損ねたマルタさんの為に由利絵さんが作った“由利絵さんの醤油焼きそば”です!
由利絵さんの醤油焼きそば図
 ある夏の日、マルタさんは神永さんから誘われ、笑明館のいつものメンバーで港区は芝公園にあるプールへと遊びに行きます。
 マルタさんは海が身近な町に住んでいた影響で、海水浴にはよく行っていたもののプールで泳いだ経験はあまりなかったみたいなのですが、芝公園のプールは開放感があって目の前に東京タワーが見える好立地の割に、大人400円とリーズナブルなのが気に入ったらしく(←残念ながら、今年の四月からは500円に値上がりしています;)、一日中楽しそうに泳いでいました。
 第一話では暑さしのぎの為に使われていた一張羅のしま柄ビキニでしたが、今回はちゃんと本来の使用用途である泳ぎに使われてよかったな~と、読んでてしみじみします;。

 調べた所、マルタさんが在籍していた大学があるリスボンは、国内外でも有名な美しいビーチリゾートがいくつもある、ヨーロッパで唯一大西洋側に面したビーチのある首都との事で、初見時は「実は見た目によらず、意外と泳ぎの名手?」と色々想像しました(←ただ、四人の中で唯一浮き輪を持参し、神永さんからちょっかいを出されて簡単に水中に落ちてしまってましたので、もしかしたら砂浜散策や日光浴専門だったのかもしれません;)。
ある夏の日、港区にあるプールへ四人そろって泳ぎに行っていました。
 その後、思いっきり泳ぎ遊んで気が済んだマルタさん達はお肌のお手入れもそこそこに(←この時、マルタさんは自分で作った特製ローズウォーターを持参していたのですが、香りも効き目もよさそうでした。気になる方は、是非単行本で作り方を確認してみて下さい)、日が暮れてオレンジ色になり始めた街をのんびり歩いて帰宅しようとするのですが、その時何とも言えない香ばしい匂いが漂ってきて一行の足を止めさせます。
 その匂いの正体は屋台の焼きそばで、程よく疲れてお腹がすいた体に焦げたソースの香りは魅力的だったらしく、由利絵さんと美緒子さんは一人一個ずつ買おうと提案します。

 しかし、人一倍食いしん坊でいつもなら誰よりも乗り気で賛成したであろうマルタさんは、残金200円というギリギリな状態だった為、「…キョウ アトニヒャクエンシカナイノデス…ミナサンダケデ タベテクダサイ…」とすごく無念そうな顔で断っていました;(←普段は流暢な日本語を話すのに、漫画に出てくる外人キャラ、もしくは「オレ、嘘ツカナイ」と片言で話す原始人キャラ並にたどたどしく話している所が、ダメージの深さを物語っているような気がします…)。
 その昔、縁日の焼きそばは250~300円も出せば買える気軽な存在でしたが、現在ではよくて500円、トッピング次第では600~700円に跳ね上がる超高級品へとクラスチェンジしちゃいましたので、マルタさんが絶望するのも無理ないな~と思わず同情しましたorz。
焼きそばを食べられない無念さで、いきなり片言になってしまったマルタさん;
 結局、そんなマルタさんを気遣った神永さんたちは焼きそばを買うのをやめ、アパートで手作り焼きそばパーティーを開く事にします。
 その際、由利絵さんが割り勘で買い物した材料と、ある自家製調味料を使って作ったのが、“由利絵さんの醤油焼きそば”です!
 作り方は簡単で、油をひいて熱したフライパンへ豚肉・にんじん・キャベツ・もやしを入れて炒め、途中焼きそば麺とお水を加えてざっと混ぜ合わせ、最後に自家製にんにく醤油を注いで味付けしたらもう出来上がりです。

 「自家製にんにく醤油」と書くと、一見仕込むのに手間がかかりそうに見えますが実際はとてもお手軽で、「皮を剥いた生にんにくを瓶に詰める→上から醤油を流し込む→二~三週間寝かせたら完成」と、たったこれだけの手順で作れちゃいます(おまけに、冷蔵庫で保存さえしてれば一年以上は楽々持つという頼もしさ!)。
 最初、ソース味ではなく醤油味に仕上げると知った時はちょっと予想外でしたが、豚肉に多く含まれていて疲労回復効果のあるビタミンB1は、にんにくに含まれるアリシンと結びつくと更に吸収率が高まり、その上豚肉だけで食べるより更に長く効果が持続するという、素晴らしい相乗作用が生まれる事が後々わかりましたので、夏バテしやすいこの時期には理想的な焼きそばだと感心しました。

 ちなみに、この“由利絵さんの醤油焼きそば”は「おいっし~!」「うっま~!あそこでくじけなくてよかったな」とみんなから好評で、パーティーは大成功に終わっていました(←さりげなく、神永さんと美緒子さんが「屋台のよりいいや」「マルタさんのおかげですね」とフォローして気分を盛り上げているのがよかったです)。
 ハプニングがあると一瞬頭が固まって冷や冷やしますが、こういう風にうまくまとまると却って予定通りにいくよりもいい思い出になりますので、マルタさん達を見習いたいな~と感じたエピソードでした。
由利絵さんが機転を利かせて作ってくれた焼きそばは、ソース味ではなくにんにく醤油味でした
 満足のいく自家製にんにく醤油を仕込めましたので、再現することにしました。
 単行本には大まかなレシピがちゃんと記載されていますので、早速その通りに作ってみようと思います!


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、炒め作業。油を引いて熱したフライパンへ、食べやすい大きさにカットした豚の薄切り肉を投入して炒め、お肉の色が変わって十分油が出てきたら皮を剥いてスライスしたにんじんも加え、混ぜ合わせます。
 にんじんに火が通ってきたらザク切りにしたキャベツをどっさり入れ、葉に油をなじませるようにしてざっくり炒め合わせていきます(←底から持ち上げるようにして混ぜますと、均等に火が通りやすいです)。
由利絵さんの醤油焼きそば1
由利絵さんの醤油焼きそば2
由利絵さんの醤油焼きそば3
 段々キャベツがしんなりしてきたら、流水で洗った後しっかり水切りしたもやしを投入して軽く炒め、炒め過ぎない内に焼きそば麺とお水少々も加えて手早く混ぜ合わせます(←焼きそば麺はあらかじめ電子レンジで温めてから入れますと、すぐにほぐれてブツブツ切れなくなりますのでおすすめです)。
 やがて、焼きそば麺が大体ほぐれてきたら、自家製にんにく醤油を浸かっているにんにくごと注ぎ入れ、全体に行き渡るようよく混ぜながら炒めます。
 ※今回は、この日に備えて約一ヶ月漬けておいた自家製にんにく醤油を調理に使いました。なお、にんにくは漬ける時丸ごと入れるのではなく、大雑把に切ってから入れた方がより旨味が濃厚になります。
由利絵さんの醤油焼きそば4
由利絵さんの醤油焼きそば5
由利絵さんの醤油焼きそば6
 にんにく醤油が麺にも具にもしっかり絡んで水分が飛んできたら火からおろし、そのままお皿へ盛り付ければ“由利絵さんの醤油焼きそば”の完成です!
由利絵さんの醤油焼きそば7
 作る前は「にんにく臭くなりそう…」と予想してたんですが気になるほどではなく、パッと見はごく普通の焼きそばみたいでしたので、抵抗感なく受け入れる事が出来ました。
 自家製にんにく醤油も醤油オンリーの焼きそばも初めてですのでドキドキしますが、見た目は美味しそうですので期待大です!
由利絵さんの醤油焼きそば8
 それでは、熱々の内にいざ実食!
 いっただっきまーすっ!
由利絵さんの醤油焼きそば9


 さて、味の感想ですが…醤油だけで味付けしたとは信じられないくらい、丸みのある味わい!にんにく醤油のすごさを実感しました!
 当初は「にんにく醤油オンリーだと、しょっぱくてのっぺりした味になるのでは…」と心配してたんですが、実際に食べてみるとむしろまろやかな甘味が効いており、塩辛さの欠片もなかった為驚きました。
 にんにくのエキスがじっくり溶け込んで旨味が濃厚になったせいか、生の醤油にはつきものの刺々しい塩気はさっぱり消え失せ、たまり醤油や出汁醤油に似た全く別次元の調味料になっており、単調どころか複雑な後口になっています。
 モチモチシコシコした弾力とツルンとした口当たりの焼きそば麺に、コクのある優しい醤油味が染み込んでいるのが美味で、不思議な事にオイスターソースを使っていないにも関わらず広東風焼きそばに近い病み付き味に仕上がっているのが印象的でした。
 にんにくの風味はそこそこ香りますが、一般的なにんにくダレみたいにガツンとくるのではなくワンクッション置いてふわりと漂う程度で、意外です(←醤油漬けになったにんにくはさすがに濃い味ですが、ホクッと甘くて美味でした)。
 みりんを足したような品のいい甘辛味が特徴的で、それが瑞々しい甘さのキャベツやにんじん、シャキシャキもやしをぐっと引き立てているのがよかったです。


 にんにく醤油を仕込んだのは初めてだったんですが、寝かせる事でここまで味が変化するとは思いませんでしたので、衝撃でした。
 焼きそばはもちろん、お肉と一緒にソテーしたり、チャーハンに使ったり、パスタの味付けに利用したりしても合いますので、この夏たっぷり消費する予定です!

●出典)『くーねるまるた』 高尾じんぐ/小学館
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

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Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
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