『くーねるまるた』の“肉燥餃子”を再現!

 先日街を歩いていると、近々改装工事をするのか、あるマンションが半分透けて見える緑色で細かい網の布ですっぽり丸ごと覆われているのを発見し、ギョッとしました;。
 「結構な高さの建物だから、これは壮観!」と少しの間眺めていたのですが、時期が時期だけに、まるで巨大な蚊帳を張る事によってマンションが虫から身を守っているように見え、ちょっと笑いました。

 どうも、実家は昔から扇風機とアース○ーマットで蚊を撃退していた為、中学生の頃はかえって蚊帳に憧れていた管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『くーねるまるた』にてマルタさんが神永さんを元気づける為に気合を入れて用意した“肉燥餃子”です!
肉燥餃子図
 ある暑い夏の日、涼みに行った図書館からアパートへ戻ってきたマルタさんはポストにハガキが二枚きているのを発見し、その場でチェックします(←当管理人の近所の図書館は冷房よりも扇風機の方が活躍していますので、激しく羨望しましたorz)。
 一枚は美緒子さんからの暑中見舞いで、内容は「すこし早い夏休みを使って、仙台・青森とまわってます。お土産買って帰りますね*」という微笑ましいものだったんですが、もう一枚は当直先の病院から送られたらしい神永さんからの速達ハガキで、裏には太ペンで「暑い!だるい!!6日の夜、元気になるものつくってくれ!金は出す!!」という漢らしい文面が堂々と綴られており、マルタさんを困惑させていました。
 ちなみに、ハガキが届いたのは6日の夕方です(´∀`;)。

 神永さんからすれば、携帯も固定電話も持っていない超アナログ人間のマルタさんに至急連絡するにはこれしかないと考えた末の苦肉だったと思うのですが、妙齢の女性からというよりはまるで男子中学生からのお便りみたいな無骨さに、思わず苦笑しました(←初見時、作中に載っていた神永さんのハガキを一目見て「どこかで見たような…」とちょっとしたデジャブに襲われたのですが、少しして「ああ、ジャンプ放送局に掲載されていた直筆ハガキの、あの何とも言えない文体に似ているからだ」と謎が解けました;)。
 正直、少々バテ気味とはいえど十分お元気そうに見えましたので、そこまで心配はいらなさそうでしたが;、日頃神永さんのご飯の面倒を見ている女房役のマルタさんとしては放っておけなかったようで、大急ぎで料理の準備を始めていました。
当直先から直球な料理の依頼が神永さんから来て、少し戸惑うマルタさん;
 こうして、マルタさんが神永さんに元気を出してもらおうとして一生懸命作ったのが、この“肉燥餃子”です!
 作り方は多少手間がかかるものの簡単で、熱したフライパンへごま油・にんにく・しょうが・長ネギを入れてカサが減るまでよく炒めたら豚ひき肉を加えてさらに混ぜ合わせ、醤油・日本酒・蜂蜜で味付けして水分が飛ぶまで炒め、ひとまず餃子の元となる“肉燥”を作ります。
 この“肉燥”を冷ました物に、刻んだ白菜とニラを投入してしっかり練り合わせ、皮に包んで蒸し焼きにしたら、“肉燥餃子”は出来上がりです。

 マルタさん曰く、“肉燥”は昔から台湾に伝わる伝統的な家庭料理との事で、かの有名な小説家・檀一雄氏も好んでよく作っていた一品だと紹介していました。
 本場ではエシャロットを必ず加え、各家庭にそれぞれ伝わっているこだわりの隠し味(八角、唐辛子、干しエビなど)を入れて仕上げているみたいですが、マルタさんの場合は檀一雄氏のレシピに倣って長ネギで代用した上、「私は甘いのが好きだから」という理由で砂糖よりも濃厚な甘さがつく蜂蜜を入れ、味にアクセントをきかせていました。
 ポイントは、大量の長ネギを最低でも七十~八十分以上炒めてねっとりさせる事と、豚ひき肉は豚ばら肉の塊を包丁で細かく叩いたものを使用する事の二つで、シンプルな料理な分、材料の下ごしらえは手抜きしないのが大事なように感じました。
かの著名な作家・檀一雄氏が好んで作ったという、台湾風にくそぼろ・肉燥を作ってました。
 その夜、やっと病院から帰宅した神永さんは既に一杯飲みながら「ビールは持ってきた!だからうまいもの食わせなさい」と相変わらず男よりも男らしいセリフを言いながらマルタさんの部屋に上がり、まずは突き出しとして肉燥を乗せたご飯とお豆腐をごちそうになります。
 幸い、両方とも神永さんに気に入られ、「うまっ!うま~!なんだこのネギ肉、ご飯が進む~!!」「すごいなこれ、そのままつまんでてもビールに合うし…」と手放しで絶賛されていた為、製作者のマルタさんも横で頬を染めながら嬉しそうに笑っていました(←こんなに無邪気に喜ばれ、バクバクおいしそうに食べてもらえたら料理のし甲斐がありますので、そりゃーマルタさんも本物の日本人女性以上に大和撫子な笑顔になる訳だよな~と納得です)。
 
 しかし、それ以上に喜んでもらえたのは、例の“肉燥餃子”。
 マルタさんとしては、ビール好きな神永さんに喜んでもらおうと半ば実験的に作った一品だったんですが、普通の餃子とは一味違う甘辛い餃子は神永さんの好みにドストライクな旨さだったようで、「!なんだっコレ!?う、うますぎだろ~!!!」「マルタぁ~なんなんだこの餃子は!?餃子様に何をした~!!」と大興奮。
 おまけに、よっぽど感動したのかその後神永さんから「マルタ!お前餃子屋になれ!!金ならなんとかする!!」と新たなビジネスの誘いとパトロン宣言までされ、ひと騒動起きてしまってました;。
 案外、食べ物屋さんは料理上手なマルタさんに向いている職業なのかもしれませんが、考えてみればマルタさんは作るのと同じくらい食べるのが大好きな女の子ですので、そそる香りを我慢してお客さんだけに食べてもらう状態は切なすぎて続かないかもな~…と勝手に予想しました;。
肉燥ご飯も好評でしたが、肉燥餃子はそれ以上に高評価で、「餃子屋を出せ!」と迫られてました;
 先日、スーパーで豚バラ肉の塊が安く売られているのを見つけましたので、再現することにしました。
 作中で詳細な作り方が絵入りで書かれていましたので、早速その通りに作ってみようと思います!


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、材料の下ごしらえ。豚ばら肉の塊をよく切れる包丁で細かいミンチ状になるまで叩いてひき肉にし、長ネギは小口切りにした物を大量に準備します。
 その間、ゴマ油をひいたフライパン(中華鍋)へみじん切りにしたしょうがと、皮をむいて適当に切ったにんにくを投入して弱火にかけ、香りが立つまで炒めておきます。
肉燥餃子1
肉燥餃子2
肉燥餃子3
 次は、肉燥作り。
 にんにくとしょうがを炒めておいた先程のフライパンへ、長ネギをドサッと加えて弱火~中火の間の火力に調節し、長ネギが焦げてしまわぬよう木べらで丁寧に混ぜながら根気強く炒めていきます。
 七十~八十分も経ちますと、段々長ネギの量が激減してねっとりしてきますので、そこへ豚ばらのひき肉を入れてさらに混ぜ合わせます。
 ※長ネギの色が変わって粘りを帯び、木べらが重くなってきたくらいが、ひき肉を投入する頃合いです。
肉燥餃子4
肉燥餃子5
肉燥餃子6
 豚ばらのひき肉に火が通って白っぽくなってきたら、醤油、日本酒、蜂蜜を注いで味付けし、水分が飛ぶまで中火で炒め合わせます。
 やがて、水分がほとんどなくなって全体が醤油色に照り輝くようになり、調味料がしっかりなじんでいるのを確認したら、肉燥の出来上がりです!
肉燥餃子7
肉燥餃子8
肉燥餃子9
 ここまできたら、いよいよ餃子作り。
 ボウルへ冷ましておいた肉燥、みじん切りにした白菜、小さく刻んだニラを加えてよ~く練り合わせて餡を作り、餃子の皮の中央に乗せて包みます。
 全て包み終えたら、油をひいて熱したフライパンへ順々に並べて焼き、途中お水を注ぎ入れてすぐにフタをし、蒸し焼きにします。
 ※餡はほぼ火が通っているような物ですので、そこまで神経質に火にかけなくても大丈夫です。
肉燥餃子10
肉燥餃子11
肉燥餃子12
 餃子全域に熱が通っているのをチェックしたら火からおろし、そのままお皿へ盛り付ければ“肉燥餃子”の完成です!
肉燥餃子13
 既に炒めた具を皮に包んだら、ポロポロこぼれてまとまらないのではないかと不安でしたが、思ったよりも形になってちゃんと焼きあがった為、ほっとしました。
 見た目はにんにくの香りが濃ゆいごく普通の餃子ですので、どこがどう違うのか想像もつきませんが、一体どういう味なのか食べて確かめてみたいと思います。
肉燥餃子14
 それでは、焼き立て熱々の内にいざ実食!
 いっただっきま~す!
肉燥餃子15


 さて、感想はといいますと…神永さんの衝撃の程が納得できるおいしさ!思ったよりも軽く頂けますが味付けはしっかりしており、ビールとご飯が進む罪作りな一品です!
肉燥餃子16
 塊を一から叩いたおかげでひき肉の粒の大きさにばらつきが出ており、柔らかジューシーというよりはギュッと歯を押し返すような弾力のある食感に仕上がっている豚ひき肉が美味で、噛むごとにバラ肉特有の重厚なコクがじわ~っと溢れるのがたまりません。
 お店で食べる餃子は、豚の脂身が活きたとろける旨さであるケースがほとんどですが、こちらは赤身肉のあっかりかつ奥深い肉汁が活きた硬派な旨さというイメージで、餃子では得にくい「肉をがっつり食べてる!」という満足感が得られるのが特徴的でした。
 蜂蜜のこっくりした練れた甘味と、醤油のまろやかな塩気が効いて、まるでにんにく風味の照り焼きダレを彷彿とさせる病み付き甘辛味に仕上がった肉燥は、ゴマ油の香ばしさが色濃く残っているのに不思議と和風な感じの味わいになっており、初めて食べるはずなのにどこか懐かしい気持ちになります←砂糖を一切使っていませんので、甘さが効いている割にベタッとせず、すっきりした後口が特徴的)。
 飴色玉ネギと同等の蜜のようにねっとり甘い長ネギ、にんにくそっくりでパンチのきいた味のニラ、瑞々しい汁気で全体を優しくまとめている白菜が、よくも悪くも癖があってこってり系な味の肉燥を餃子の具としてうまく順応させており、食が進みました。


 一回炒めた具を使っていますので、口に含んだとたんスープが溢れるといった類のおいしさではないのですが、たっぷりの野菜と肉にあらかじめ染みている味付けが秀逸な為、全く気になりません。
 ミンサーで挽いた柔らかいひき肉では出せない、赤身と脂身がバランスよく両立した旨さがお気に入りで、そのままでも美味ですが酢醤油につけて食べてもぴったりでいい感じでした。

●出典)『くーねるまるた』 高尾じんぐ/小学館
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

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Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
 …『銀の匙』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『スイーツ本部長一ノ瀬櫂』
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