『まかない君』の“サバのトマト煮‏”を再現!

 先日、コンビニでヨーグルッペという乳酸飲料を初めて見かけたのですが、山崎製パンのスージーちゃんに通じるものがあるレトロでかわいらしいパッケージにやられ、一個購入しました。
 てっきり飲むヨーグルトみたいな乳白色の飲み物かと思いきや、少し褐色を帯びていたのにギョッとしたものの(←注:タンパク質と糖質が反応して変化しているだけで、品質には問題ないとの事)、しっかりしているようでマイルドな酸味が美味しくてほのぼのしました。

 どうも、グリコのHPに載っている白沢パピ子さんのデザインの中では、社員Cさんのデザインが一番好きだった当管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『まかない君』にて浩平君が二年目の秋に旬のサバを使って作った“サバのトマト煮‏”です!
サバのトマト煮‏図
 それは、少し肌寒くなってきた十月のある日の事。
 浩平君は出しガラの煮干しを炒って味付けした物を弥生ちゃんと佳乃さんへおやつ代わりに振る舞い、意外にも好評を得るのですが、その喜び方が対照的でちょっと苦笑。
 というのも、弥生ちゃんは煮干しの白くて硬い目玉を「真珠だー」と無邪気に見せびらかしながら(←当管理人も小さい頃やってました;)、お茶と共に無心に噛み締めていたのですが、佳乃さんはお酒好きの飲兵衛なせいか「うん、うんうん、あーこれはお茶よりビールだわ~」「でも仕事中だからお茶でガマン~」と惜しそうな顔で食べており、お酒好きかそうでないかでここまで感想に差が出るんだな~と変に感心しました。

 浩平君としては、ヨっちゃんの陽気な性格上お酒をかっくらいながら原稿を書いてそうなイメージを持っていたらしく、「実は真面目だね」と少し失礼な事を言っていたのですが;、意外にも佳乃さんは無頼派どころか仕事に関しては常識派だったみたいで、そんな事はしていない模様でした(←昭和の文豪にそういう人が多かったせいか、当管理人もロックな純文学を書いてそうな方には、勝手ながら未だにそういうイメージを持ってます。まあ、飲酒しながら『細雪』のように華麗な小説を書いた谷崎純一郎みたいな作家もいますので、作品だけでは何とも判断がつきにくいのですが…;)。

 但し、弥生ちゃんの証言によりますと「飲まないかわりにロールケーキ丸々一本食べてたりするよね」だそうで、これはこれで武勇伝だな~と恐れ入りました;。
 佳乃さん曰く、「糖分が執筆活動のエネルギー源だからね」「ある程度ぷよぷよしてた方が男ウケはいいんだよ!」(←浩平君はノーコメントでしたが、実際佳乃さんは『まかない君』の中で相方さんから一番好かれていますので、妙に信憑性があります)との事で、一瞬「なるほど!実践してみようか」と思いかけましたが、三次元の当管理人がそれをしたら脳みそよりも二の腕や腰回りの方へ栄養がいきそうだと気づき、諦めましたorz。
お酒を飲みながら小説を書く事はしないものの、ロールケーキを食べながらは執筆するとの事
 その後、夕食時になって浩平君と弥生ちゃんが秋サバを使って作ったメインディッシュが、“サバのトマト煮‏”です!
 作り方はそこそこお手軽で、サバの切り身に塩・こしょう・小麦粉・カレー粉をまぶしてオリーブオイルで両面を焼き、途中にんにくと赤唐辛子を加えて香りづけしたらピーマンも入れて炒め、最後にトマト缶・白ワイン・塩・こしょうで味付けして煮込んだら出来上がりです。
 ポイントは、「くさみ消しのおまじない程度」のカレー粉をサバにはたく事で、大量につけ過ぎたらあっという間にトマトソースがカレー風味になってしまう為、要注意との事。
 調べた所、イタリアではアンチョビに使うカタクチイワシを除いて「青魚は下等な魚」という意識が残っているせいか、そこまで積極的に料理に使わないとの事でしたので、もしかしたらこの“サバのトマト煮‏”は、ナポリタン同様日本にしか存在しないイタリアンなのかもしれません。

 骨を取らないまま煮ますので、食べている時に骨がちょっと気になるのが唯一の欠点みたいでしたが、佳乃さんが「きれいなバラにはトゲがあるように、おいしい魚に骨があるのは世の習いだよ」と含蓄のある事を言っていたせいか大して気にならなくなりましたので、物は言いようだな~と感じます;(←『美味しんぼ』の山岡さんが忘年会の幹事になった時に言った、「安い予算でそんな料理が出せるか!究極のメニューを用意するには金がかかる!」というセリフを、ふと思い出しました;)。
 日本人の性で、サバといえばどうしても味噌煮か酢締めか塩焼きか…と和食が思い浮かびますが、作中でトマトとサバは合うと紹介されていた為、興味がそそられます。
きれいな花にはとげがあるように、美味しい魚には骨がある…これは身になる新ことわざですね
 この“サバのトマト煮‏”をきっかけに、佳乃さんと浩平君は「<おいしいサバ>を、フランス語でなんて言う?」「<サバビアン>」(←日本語の「サバ」と、フランス語の「サ ヴァ」をかけた、一種のジョークです)と言い合ったり、「エイプリルフールの事をおフランスではポアソン・ダヴリル、<四月の魚>って言うね」「その魚ってサバのことらしいよ」と豆知識を披露しあったりと、いつも通り知能指数が高そうな会話をするのですが、毎回お二人から聞くもっともらしい冗談に振り回されている弥生ちゃんは、「ものしり二人がまたあたしをダマそうってコンタンだな」「ああっ、また二人して煙に巻くようなこと言ってる!どこまでが本当のことか全然分からないよ!」とすっかり疑心暗鬼になっており、少し不憫になりました;(←当管理人もすぐ真に受ける性格が災いしてよくからかわれますので、弥生ちゃんの屈折した気持ちは理解出来ますorz)。

 佳乃さんは「虚実皮膜の妙を楽しんでほしいね」と語ってましたが、「<秋ナスでサバを釣る>ってことわざあったよね」「<秋ナスとサバを食べるな>って言い伝えはなんだろ」という天然な思い込みをする弥生ちゃんには難しい注文だと思いますので、弥生ちゃんの懊悩の日々はまだまだ続く事になりそうです…。
弥生ちゃんはすぐに騙されやすいので、お二人の丁々発止のやり取りについて行けない事もしばしば;
 先日、スーパーでピカピカの秋サバがセールで安くなっていましたので再現する事にしました。
 作中には絵入りで詳細なレシピが書かれていましたので、早速その通りに作ってみようと思います!


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、サバの下準備。サバの半身を半分に切ったら両面に塩とこしょうをふって味付けし、全面に小麦粉を薄くはたいてカレー粉を少し振りかけます(←浩平君の言う通り、「くさみ消しのおまじない程度」がいいです)。
 ※サバは味付けする前に、流水でドリップを軽く洗い流してしっかり水気をふき取ってから使うと、味がアップします。
サバのトマト煮‏1
サバのトマト煮‏2
サバのトマト煮‏3
 次は、焼き&煮込み作業。
 オリーブオイルをひいて熱したフライパンへ、先程のサバを皮が下になるよう並べ入れ、両面をこんがり焼きます(←後々煮込みますので、表面に焼き目がついたらいいかくらいの感覚で大丈夫です)。
 身の方も大体焼けたら刻んだにんにくと輪切り唐辛子を投入し、焦げないよう弱めの中火で火を通します。
サバのトマト煮‏4
サバのトマト煮‏5
サバのトマト煮‏6
 やがてにんにくの香りが立ってきたら、フライパンの脇へ種を取って縦に細切りにしたピーマンを加えて油をなじませ、トマト缶をつぶしながら投入します。
 この時、トマト缶の中に白ワインを入れて残ったトマトをゆすいでおいた汁もフライパンに注ぎ、しばらく煮込みます(←ピーマンの色や食感の変化が気になる場合は、一回取り除いて煮詰まってから再度戻し入れて煮るのも手です)。
 途中、塩とこしょうをふって味見をしながら塩加減を調節します。
サバのトマト煮‏7
サバのトマト煮‏8
サバのトマト煮‏9
 トマトソースが段々煮詰まってサバやピーマンに味がなじんできたら火からおろし、そのままお皿へソースごと盛り付ければ“サバのトマト煮‏”の完成です!
サバのトマト煮‏10
 サバの皮が焼けた香ばしい風味、にんにくの胃袋を鷲掴みにするワイルドな匂い、トマトのフルーティーな香りが湯気と共にふわりと漂い、食欲が湧きます。
 作中で言われている通りおまじない程度にしか使っていないものの、カレー粉のパワーは強力なのでぐいぐい押してこないか心配ですが、そこの所は食べて確認してみようと思います。
サバのトマト煮‏11
 それでは、サバにトマトソースを絡めていざ実食!
 いただきま~す!
サバのトマト煮‏12


 さて、味の感想ですが…サバがちゃんとイタリアンになってて美味し!白ワインの香りが洒落た後口にしています!
 サバは癖があるので調理法を選ぶ魚ですが、赤唐辛子とにんにくがガツンと効いて刺激的に辛旨いアラビアータ風のトマトソースは、青魚ならではのどっしり重厚なコクを持つサバに一歩もひけをとらず、かと言って殺し合う事もせず、相乗効果で旨味がさらに濃ゆくなっていました。
 味を馴染ませる為やや長めに煮たんですが、表面に小麦粉をはたいたおかげでしっとりホロリと柔らかいままで、パサつきがないのがよかったです。
 最初は「トマトの甘酸っぱさがサバに合うかな?」と半信半疑だったんですが、実際に食べるとサバ特有のこってりした脂を程よく中和し、純粋な旨味だけを引き立てている印象でぴったりでした(←考えてみれば、サバに酸味が合うのはしめサバで既に立証されてましたね;)。
 あと、さり気なく使ったカレー粉はほとんど表に出てこず臭みだけを消しており、注意して食べると後からわずかにスパイシーな風味が漂うんですが本当にそれだけで、量さえ間違えなければこんなに奥ゆかしい名脇役になるのか…と感心です。
 この濃厚なサバとトマトソースの合間に、ほろりと苦甘いピーマンをシャグシャグ噛み締めるといい箸休めになり、口の中がリフレッシュするのがナイスでした。


 サバとトマトが本当に合うのかちょっと不安でしたが、意外としっくりする味でしたのでほっとしました。
 骨は少々面倒でしたがすぐ取れるので気になりませんでしたし、ここにナスを入れてみても合いそうですので、また次回試してみようと思います。


P.S.
 無記名さんから非公開コメントにてご質問頂きました、『わかったさん』シリーズの“レモンドーナツ”の記事がリンクに繋がっていない件ですが、実はこの記事は指定した日時に投稿されるよう予約している下書き記事の為、現時点ではまだ表示されないようになっております(ちなみに、この記事は10月上旬にアップするよう指定しています)。誠に申し訳ございません。
 詳しい経緯はこちらの過去記事にてご説明させて頂いておりますので、お手数ですがご一読して下さりますと幸いです。
 恐れ入りますが、ご了承の程何卒よろしくお願い申し上げます。


●出典)『まかない君』 西川魯介/白泉社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

Comment

2014.09.18 Thu 21:33  |  

宮崎出身としてはヨーグルッペを気に入ってくれたのは大変うれしいです。
今度は同じ会社の製品であるスコールも試して欲しいです。
一見カルピスソーダと変わらないように見えますがはちみつが入っていて結構美味しいのでお勧めです。

  • #mQop/nM.
  • 関直久
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あんこ

Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
 …『銀の匙』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『スイーツ本部長一ノ瀬櫂』
 …『旅のグ(2)月は知っていた』
 …『テルマエ・ロマエ』
 …『土曜日ランチ!』
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 …『百姓貴族』
 …『ぶたぶた』シリーズ
 …『ベーグル食べない?~幸せカフェごはん~』
 …『飯盛り侍』
 …『夢色パティシエール』


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