『クッキングパパ』の“夏の牛丼”を再現!

 最近、約一か月前は朝五時頃からミンミン鳴いていたセミが昼近くにならないと鳴かない事に気づき、「ああ、もう夏は終わりに近づいているんだな…」としみじみしてます。
 不思議なことに、井上陽水の名曲・「少年時代」が頭の中に流れるのは、夏真っ盛りの時期ではなくこういう夏の終わりを実感する時の方が多いです。

 どうも、何故か「リバーサイドホテル」の歌い出しは「誰も知らない 夜明けの八○亜紀~♪」という替え歌の方ばかり思い出す当管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『クッキングパパ』にて東山常務の娘さんがバーベキューの余り物を使って作った“夏の牛丼”です!
夏の牛丼図
 ある年の夏、遅い休暇を取った東山常務と奥さんの元へ、普段は東京にいる娘さんご夫婦と初孫・さやかちゃんが遊びに来ます。
 娘さんが言うには、おじいちゃんっ子のさやかちゃんはこの日が楽しみで仕方なかったようで、空港に降り立つなり「おじいちゃん達を早く見つけたいから肩車して」とパパにお願いしていたと話し、東山常務をメロメロにさせていました(←可愛い子どもからこんな事を言われたら、誰でも顔がゆるむと思います;)。
 その後、東山常務達は自宅マンションのベランダで夕食にバーベキューを食べる事になり、さやかちゃんへ甲斐甲斐しく食べ物を取り分ける東山常務の姿に皆苦笑しつつも和やかな空気に包まれるのですが、ちょっと目を離した隙に突然さやかちゃんが「とってとって、こわ~い!」と悲鳴を上げます。

 その原因は、何とセミ。
 どうやら、偶然迷いこんできたセミがいきなり横顔に張り付いて暴れてきたみたいで、パニック状態になったさやかちゃんは大泣きするのですが、小さい頃から虫が平気だった東山常務は難なく素手で取ります。
 子どもの頃は触れても、大人になったら無理になる方は結構多いので、触れる人が身近にいてよかったな~と我が事のようにほっとしました←誰も助けてくれなかったら、人間不信・トラウマ必至です;)。

 ここまでだったらよかったんですが、怖がるさやかちゃんに「さやかこわくないゾ、セミだよ」「大丈夫じゃよ、こわくないよ、セミだよホラ…」と何度もセミを近づけようとした東山常務は「いやっ、やっぱりこわ~い」と嫌がられ、最終的には「おじいちゃんきらいっ!!あっち行って!!」と破壊力抜群な一言を浴びせられ、大ショックを受けていました;。
 「ごめんごめん、もう逃がしたからー」と顔が青ざめて冷や汗が出ていた東山常務は少々気の毒でしたが、当管理人自身同じことをされたらさやかちゃんのような反応をするだろうな~と思った為、ちょっと自業自得だと感じたものです(←ちなみに、相方さんはバイクを走らせていた時ヘルメットにとんぼが挟まって「ヴヴッヴヴヴッヴ~!!!」と耳元で激しく羽ばたかれ、危うく転びそうになった体験があったとの事でしたので、この手の恐怖は男女関係なしに凄まじい物があると思います;)。
外孫のさやかちゃんにセミがついたのをとったまではよかったんですが、しつこく見せすぎて…;
 娘さんご夫婦が言うには、今住んでいる八王子にもセミは沢山いるので虫を見ないという訳ではないそうなんですが、東山常務の幼少期のように外へ出て虫捕りをする機会は皆無な為、年々虫嫌いがひどくなっている気がするとの事(←昔と違って外で遊ぶ場が減ったり、室内での娯楽が増えた事も要因だと思います)。
 東山常務としては、さやかちゃんに無理やりセミを触れさせるような事はしなくていいと思うものの、一方的にセミを嫌わせたまま成長させるのは少し惜しい気がしたみたいで、翌朝近所の公園である物を見つけた事をきっかけに、一計を案じる事にします。

 その日、朝から夕方にかけて滝へ涼みに行ったり、流しそうめんを食べに行ったりしたさやかちゃんはすっかり機嫌を直し、東山常務の「さやか、花火しに行こう。そこの神社の横の公園じゃ」という誘いに素直に喜んでついて行くのですが、そこで神秘的な現場に遭遇します。
 それは、セミの脱皮。
 茶色い殻からゆっくり慎重に、それでいて必死に青白い体を乗りだしていき、少しずつ成虫の形になっていくセミの姿と、東山常務から聞くセミの一生についての話にさやかちゃんは「なんかふしぎ…」「きれいっ!!」「へえ~、すごいっ」と夢中になり、前日よりは親近感を抱いたみたいで、家に帰る頃には「バイバイ、セミさんがんばれーっ!」を応援するまでに変化していました。
 まるで理科の観察の授業みたいで、思わず小学校時代の課外授業を思い出したのを覚えてます(←机上で教科書の絵を見ながら学ぶより、直に見た方が感動が大きかったのが印象強いです)。
偶然、夜にセミが羽化する現場を通りかかったおかげで、さやかちゃんはすっかり夢中に
 この後、マンションに帰ってきたさやかちゃん達に娘さんが夕食として出したのが、“夏の牛丼”です!
 作り方はお手軽で、油を引いたフライパンで焼き肉用の牛肉を焼いて塩とこしょうをふった所へ、にんじん・玉ネギ・ズッキーニ・えのき・しめじ・エリンギ・糸こんにゃくを投入して炒め合わせ、全体に火が通ったら出汁・砂糖・日本酒・醤油で味付けして煮込み、最後にご飯の上に乗せたら出来上がりです。
 娘さん曰く、いつもだったらカレーに使うバーベキューの余り食材を、「今日は牛丼にしてみよう!」と思い付いて作った一品との事。
 牛丼と言えば、野菜が少なく味が濃いめな事から健康とは程遠いとされることが多い料理ですが、これなら野菜ときのこがたっぷり取れて体にいい為、常に栄養の事を考えて献立作りをしているお母さんらしいレシピだと感心しました。

 その昔、虹子さんを料理教室の講師として自宅に呼んだ頃(←一見無謀極まりない行為ですが、その時虹子さんは皆から料理上手だと誤解されていたのです;)、まだまだ料理の腕は初心者だった娘さんですが、今では“夏の牛丼”を即興で作れるくらいレベルアップしていたと知って、初見時は時の流れを感じたものです。
 どうやら東山常務も気持ちは同じだったみたいで、「ホントにうまいゾ」と驚いていましたが、それに対して「まかせてよーっ」とどっしり構えていた娘さんが微笑ましかったです。
バーベキューの残り物はカレーや牛丼に転用するなど、すっかり料理上手になった娘さん
 先日、各野菜の値がようやく安定してきたので再現する事にしました。
 作中には詳細な分量つきレシピがしっかり掲載されていますので、早速その通りに作ってみようと思います!


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、炒め作業。油をひいて中火に熱した大鍋へ焼き肉用の牛肉(カルビがおすすめ)を投入し、両面に焦げ目がつくまでよく焼いて塩とこしょうで味付けします。
 牛肉に火が通ったら、手で裂いたエリンギ、石附きを切り落としてほぐしたしめじとえのきを加えて炒め、途中塩もみして洗った後湯通しをして食べやすい長さにカットした糸こんにゃくを入れ、さらに混ぜ合わせます。
夏の牛丼1
夏の牛丼2
夏の牛丼3
 糸こんにゃくに汁気がなじんできたら、皮をむいて千切りにしたにんじん、くし形に切った玉ネギ、食べやすい厚さにスライスしたズッキーニを加え、炒め合わせます。
 全体に火が通ってきたら、合わせ出汁、砂糖、日本酒、醤油を入れて味付けし、弱火にしてコトコト煮ます(←ある程度煮えたら一回火を消し、冷めてからまた火入れすると味のしみがいいです)。
夏の牛丼4
夏の牛丼5
夏の牛丼6
 具に味がよく染みてきたら火を止め、ご飯をよそっておいた丼へ煮汁ごと具をどっさりかければ“夏の牛丼”の完成です!
夏の牛丼7
 色んな具がゴチャ~ッと入り混じっていて全体的に茶色いイメージですので、見た目は少し悪く見えるかもしれませんが;、香りは「牛丼!」って感じで食欲をそそられます。
 普段、野菜といえば玉ネギくらいしか入っていない牛丼ばかり食べていますので、一体どういう味がするのかワクワクします。
夏の牛丼8
 それでは、熱々の内にいざ実食!
 いただきま~すっ!
夏の牛丼9


 さて、味の感想はといいますと…野菜たっぷりで旨し!こんなに体にいい事をしている気分になれる牛丼は、初めてです!
 結構しっかりと甘辛い、まるで関西風のすきやきを思わせる濃いめの砂糖醤油味だったんですが、大量の野菜やきのこ類から出た奥深い甘さのエキスのおかげで全くくどくなく、どこかほっと落ち着く後口なのが印象的でした。
 焼き肉用の厚い牛肉を使ったので、最初は「煮たら硬くてスカスカになるんじゃ…」と心配だったんですが、不思議な事にざっくりと噛み切れる程柔らかい食感で、むしろ薄切りの牛肉よりも肉の旨味が本体に残っていてよかったです(←恐らく、玉ネギときのこの効用かと)。
 意外にもこの味つけが一番合っていた具は、「青くさくて実が引き締まっているナス」のような味わいのズッキーニで、出汁をクタクタになるまで煮含んでトロ~ッとした口当たりになると、びっくりするくらいナスの煮物にそっくりになるのが美味でした。
 牛丼は入っている具が少ないと単調で途中から飽きが生じますが、これは縦に裂いてコリコリ感と味の馴染みがアップしたエリンギ、プリプリした弾力が癖になるしめじ、ヘロヘロになるまで煮たにんじんと玉ネギのおかげでヘルシーかつ変化のあるおいしさになっており、最後までパクパク頂けます。
 あと、シコシコキュッとした歯応えのえのきと、しなやかでツルツルした喉越しの糸こんにゃくは、長さも食感も似ているせいかごく自然にスルスルッと口の中に吸い込まれていくのが食べやすく、牛丼の具というよりは「すきやき味のきのこ入りダイエットこんにゃく麺」を食べている気分になりました。


 七味唐辛子をふってピリ辛のアクセントをつけると、また違った感じでいいです(←ピリ辛だと、チャプチェに似ます)。
 個人的に、つゆだくにした方が栄養的にも味的にもぐっとよくなる気がしました。


P.S.
 センさん、先日はコメント欄にてご質問くださりありがとうございます。青ジソがペースト状になるまでの時間ですが、大体二十~三十分くらいかかったと思います(←うろ覚えですみません;。ちなみに、すり鉢オンリーでペースト状にしました)。あくまで目安なので恐縮なのですが、白ゴマが潰れて油分が出てきたあたりから、青ジソはネットリしてきたように思います。もしかしたら、白ゴマや青ジソの量も関係しているかもしれませんので、試してみて見当違いでしたら申し訳ございません。仮にねっとりしなかった場合は、お母様のおっしゃる通りフードプロセッサーにかけるか、もしくはすり鉢で青ジソが写真通り粉々になるくらいすれたらOKだと思います。

●出典)『クッキングパパ』 うえやまとち/講談社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

Comment

2014.09.05 Fri 01:38  |  管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

  • #

2014.09.05 Fri 21:51  |  

その替え歌は、おそらく
「誰も知らない素顔の八代亜紀~♪」
ではないかと思います。

違っていたらごめんなさい。

  • #-
  • 瑠璃
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Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
 …『銀の匙』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『スイーツ本部長一ノ瀬櫂』
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※現在、公私の多忙と、再現記事のペース維持を理由に、コメント欄へのご返信が出来ない状態が続いております。
 こういう場合、コメント欄は停止するべきなのかもしれませんが、励ましのお言葉やアドバイスを頂く度、ブログのモチベーションアップや心の支えとなったこと、そして率直なご意見や情報を聞けてとても嬉しかったこともあり、誠に自分勝手ながらこのままコメント欄は継続する事に致しました。
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