『華中華』の“大葉と干し海老のチャーハン”を再現!

 最近、誰かから注意を受けたのか、又は担当者が変わったのか、魚屋さんの宣伝文句がごく普通になってきており、「買い物時のひそかな楽しみが…」と少し残念だったのですが、壁に貼られているポップをふと見ると、「あ~、暑いね!」「お父さん、お母さん、魚食べてスタミナつけんね!」「魚捌き〼(但し六時まで)」「もうすぐ夏休みも終わりやね~」(←※夏休みが終わってもそのまま)といつも通りのテンションで、安心しました。
 もうすぐ、サンマの塩焼き・サバフグのお鍋・イワシのつみれ汁・サバの味噌煮・イクラの醤油漬けが美味しくいただける夢のような季節が始まりますので、内心「そろそろお世話になります」と思いながら売り場を通り過ぎている今日この頃です(←今買うのは、せいぜいちりめんじゃこくらいです;)。

 どうも、“イワシの炊かずメシ”が自分の中ですっかり定番になった当管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『華中華』にてハナちゃんが島野さんが市場で買ってきた材料で作った“大葉と干し海老のチャーハン”です!
大葉と干し海老のチャーハン図
 前回、初対面の明さんからいきなり宣戦布告をされたチビ太さんはすっかり気が動転し、「明菜ちゃんとか気安く呼ぶんじゃねえよ」「俺の恋人に黙って近づきやがって…」と怒るのですが、明菜さんから一部始終を聞いている上に「チビ太さんは友達以上恋人未満」と直接聞いていた明さんは全く動じず、最終的には取っ組み合いの大喧嘩にまで発展してします。
 この時、ハナちゃんより先に楊貴妃さんが到着していたんですが、止めるどころか「お~っ、やってるやってる♪」と何故か楽しそうで見学モードに突入しており、頼りになりませんでした;(←大昔、恋が原因で命を落としたにも関わらず興味津々なご様子で、懲りてないな~と苦笑しました;)。

 幸い、喧嘩が始まってすぐにハナちゃんと明菜ちゃんが到着しましたので、その場は一旦落ち着くのですが、困った事に明菜ちゃんはチビ太さんと明さんのどちらも憎からず思っているものの、誰を彼氏にするか判断するには今一つ決め手が足りなかったようで、しばらく黙り込みます。
 おかげで慌てたチビ太さんと明さんは、「俺、本気なんだ…いつか明菜ちゃんと結婚して、実家の長崎の中華料理店を継ぐんだって…」と死亡フラグのような求婚をしたり、「うちは網元だ、結婚しても苦労はさせないぜ」といっそ清々しいほど経済力をアピールしたりなど、まるでお見合い番組の告白タイムのように猛烈なPR合戦をし始め、爽やかな早朝のビーチハウスは一転してカオスな修羅場になってしまってました;。

 初見時は、散々気を持たせた挙句「そんなつもりは…」と逃げ出す明菜ちゃんの事を、「恋愛に奥手だから仕方ないけど、男性陣が気の毒だな…」と頼りなく感じたものでしたが、よくよく考えれば急にモテ期がきたら誰だって戸惑いそうですし、むしろ「いい加減に決めたら失礼だし後悔するから、真剣に決めよう」と熟考する明菜ちゃんの姿勢は、誠実で好感が持てるな~と後々思い直したのを覚えています(←まあ、楊貴妃さんのように「そこにいるだけで争いが起きる傾城の美女」という天性のお騒がせ気質である可能性も、ゼロではありませんが…;)。
まだ誰とも付き合った事がないのにいきなり二人から求婚され、パニックになる明菜さん
 困った明菜ちゃんは、一旦ハナちゃんに「華子先輩、どうすればいいのか教えて下さい」「華子先輩は、どうして今のご主人と結婚されたんですか?」と助け舟を求めるのですが、ハナちゃんはそれを知ってか知らずか「どうしてって…それはもちろん、康彦さんが好きだったからよ」とシンプルに答えます(←ハナちゃんラブの楊貴妃さんは、明菜ちゃんに「…ったく、困ったバカ女だねぇ…自分で決めろって!」とご意見番大物女優のようなツッコミを入れてましたが、楊貴妃さんみたいに波乱万丈の人生を送って鍛えられた女性のような判断力を、二十歳そこそこの女の子に求めるのは、少々酷なように感じます;)。

 ハナちゃん曰く、「康彦さんが貧乏であれ、お金持ちであれ、わたしは彼と結婚したわ。一緒に幸せな家庭を創っていける人と結婚しないと、自分を殺す事になりかねないしね。だから、結婚に迷いはなかったわ」「現実的には収入とか見た目とか、色々と条件を設けた方がいいのかもしれないけど…わたしは自分の理想を信じることにしたの」という理由で康彦さんと結婚したと語っており、明菜ちゃんに感銘を受けさせていました。

 正直、ハナちゃんは先を見据えて慎重に行動する方ですので、直感を信じて結婚したという言葉には最初はちょっとびっくりしましたが、一見穏やかそうに見えて実はかなりの情熱家でもあることをすぐに思い出し、妙に納得したものです(←こう見えて、「私のチャーハンを食べたいって言わせてやるんだ」とオーナーに闘志を燃やしたり、「いつか故郷の徳島で食堂を開いて、世界中からお客さんがくるようにしたい」と結構な野心を抱いていたりと、結構負けん気が強い方;)。
ハナちゃんにとって康彦さんは理想の相手で、それはお金持ちでも貧乏でも変わらなかったとの事
 すると、そこへ話を立ち聞きしていた島野さんが「その通りよ、お華。人は、夢や理想を追わなくなった瞬間から生きる屍なのよ!」「それは料理人にも言えるわ。自分の料理はこれでいいと思った瞬間から崩壊が始まるのよ。だから、あたしは常に理想を追ってるの」と突如乱入し、なし崩し的に話し合いに参加します(←言ってるシチュエーションがあれなので見落としがちですが、いい事おっしゃってます;)。
 どうやら、市場へ買い物に行った帰りに試作しようと厨房に立ち寄った時にこの現場に遭遇した模様で、当初は野次馬根性で聞いていたものの、途中からじれったくなって入ってきたみたいでした;。

 結局、明菜ちゃんはハナちゃんの話を聞いて尚更すぐに決められなくなったようで、「自分にとっての理想の男性が、どんな人なのかすら分からなくて…」と島野さんに相談するのですが、この時島野さんは、驚くべき提案をします。
 それは、「いっそのこと、片っ端から付き合ってみたらいいのよ!今は結婚を急がず、二人とお付き合いなさい!」という、男性側からすれば生殺しに近い案;。
 島野さんが言うには、明菜ちゃんが誰と付き合ったらいいのか分からないのは付き合った経験が少ないのが原因なので、今はとりあえず恋愛経験を積んで自分の理想が何なのか見出せるようにしなさいとの事。
 はっきり言って、奥手な明菜ちゃんが受け入れるかどうかは一つの賭けだったと思うんですが、明菜ちゃんは喜んでそのアイディアを採用し、「というわけでチビ太さん、明さん…これからもよろしくお願いします」と半ば一方的に同時交際をスタートさせ、お二人を困惑させてました;。

 なかなか乱暴な奇策に思えますが、これなら「結論を出すのに慌てなくて済む分、冷静に判断ができる」「ちょっとでも気を抜いたら相手が有利になる為、強引に迫られる危険性が激減」「経験を積むことで、自分の中の理想が分かるようになる」という、明菜さんにとってはいい所尽くしの作戦ですので、とっさにこんなアドバイスが出来る島野さんは頭の回転が速いな~と感心しました(←きっと昔、色んな大人の恋愛を経験したんだろうな~と予想;)。
 ただ、常に比較されてハラハラドキドキしっぱなしになるであろうチビ太さんと明さんは災難以外の何物でもない為、内心島野さんをさぞ恨んだことと推測されます;。
途中から参戦してきた島野さんのおかげで、明菜さんはようやく考えがまとまったようでした
 その後、「あ~あ、おバカさん達に付き合ってたらお腹空いちゃったわ」とお疲れの様子の島野さんを気遣い、ハナちゃんが腕を振るって作ったのが、この“大葉と干し海老のチャーハン”!
 作り方は簡単で、フライパン(又は中華鍋)に太白胡麻油と干し海老を入れて火にかけ、カリッとしたら干し海老だけ取り出して醤油をかけておき、フライパンに残ったエビの香味油で基本チャーハンを作ります。
 そして基本チャーハンを仕上げる際、先程の干し海老と刻んだ大葉と投入し、ざっと混ぜたら出来上がりです。


 生海老を使ったチャーハンは、“嫁と姑の愛情たっぷり海老チャーハン”の回で再現済みですが、干し海老で香味油を作ったり、チャーハンに入れたりしたことはなかった為、初めて読んだ時はどういう仕上がりになるのか予想がつきませんでした;。
 干し海老と大葉という、日頃主役になる事がない食材がメインという珍しい一品ですが、作中の表現によりますと、熱で活性化した干し海老と大葉の「これでもか!」というくらい香ばしい匂いが引き出されたチャーハンとの事で、俄然興味が湧いて来たのを覚えています。
今回は、何と干しエビから作った香味油で基本チャーハンを拵えていました。
 先日、国産干し海老を安く手に入れる事が出来ましたので再現する事にしました。
 作中には詳細なレシピが分量つきで記載されていますので、早速その通りに作ってみようと思います!


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、干し海老の下ごしらえ。フライパン(又は中華鍋)へたっぷり太白胡麻油をひいて弱火~中火の間に熱したら干しエビを投入し、焦げないよう軽く混ぜながら火を通します。
 やがて、干し海老の色が変わってカリカリになり、太白胡麻油に香りが移ってきたら干しエビのみボウルへ取り出し、醤油をかけて一旦置いておきます。
 この時、フライパンに残っている干し海老の香味油は基本チャーハンを作る際に使いますので、そのまま取っておきます。
大葉と干し海老のチャーハン1
大葉と干し海老のチャーハン2
大葉と干し海老のチャーハン3
 次は、チャーハン作り。
 先程の干し海老の香味油入りフライパンを使って、以前ご紹介したハナちゃん流基本チャーハンのレシピ通りチャーハンを作ります(←干し海老の塩分もありますので、塩気はやや控えめがおすすめです)。
 そして仕上げる直前、カリカリになった干し海老と、洗って水気をきっちり拭いた後細目に刻んだ大葉を加え、ざっと混ぜ合わせます。
 ※大葉がしんなりし過ぎると美味しさが半減しますので、混ぜる時はもう火を消して置いた方がいいです。
大葉と干し海老のチャーハン4
大葉と干し海老のチャーハン5
大葉と干し海老のチャーハン6
 チャーハン全域に干し海老と大葉が行き渡ったらコンロからおろし、丸く形作ってお皿へ盛り付ければ“大葉と干し海老のチャーハン”の完成です!
大葉と干し海老のチャーハン7
 大葉の鮮やかな緑色、干し海老の薄い紅色、卵の優しい黄色の組み合わせがとてもきれいで、見るだけでも楽しめます。
 干し海老の香ばしい風味が食欲をそそりますので、一体どんな味がするのか楽しみです。
大葉と干し海老のチャーハン8
 それでは、熱々の内にいざ実食!
 いっただっきま~すっ!
大葉と干し海老のチャーハン9


 さて、感想はと言いますと…見た目によらずかなりパンチのある美味しさ!干し海老と大葉が意外に合う事を知り、びっくりです!
 最初は「干し海老できちんと香味油になるんだろうか…」と半信半疑だったんですが、生海老に負けるとも劣らないギュッと濃縮されたコクと、焦げる寸前まで火が通った殻のむせ返るような香ばしさがガツンと効いており、噛めば噛む程海老の芳醇な旨さが口の中いっぱいに広がります。
 生海老のようにジューシーな瑞々しさがない代わりに旨味に奥行きが生まれ、何十匹分もの凝縮された海老エキスが油に溶け込んでご飯に染み込んでいる為、何か特別な材料でも使ったかのような高級感がでているのが特徴的でした(←その一方で、海老せんにも似た独特の香りが強烈だった為、一瞬「かっ○えびせん風チャーハン」という超庶民的なイメージも頭に思い浮かびました;)。
 このなかなかに味が濃いチャーハンを、大葉のすっきり爽やかな和の風味がキリッと引き締め、ギリギリ重さを軽減させているのがよかったです。
 具が極端に少ないので一見物足りなく見えますが、油でカラッと揚がったおかげでサクサクパリパリのスナック菓子並に軽い食感になった干し海老と、海老の香味油を吸ってなんちゃって海老玉風に仕上がったフワフワ卵の相性の良さをかえって際立たせていましたので、シンプルイズベストだな~と感じました。


 正直、干し海老がここまで強烈な個性を発揮するとは思わなかったので、色々と勉強になった再現でした。
 太白胡麻油ではなく、純正胡麻油を使ってこってり風味にしても合いそうですので、今度また試してみたいと思います。

●出典)『華中華』 原作:西ゆうじ 作画:ひきの真二/小学館
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

Comment

2014.09.22 Mon 16:34  |  

あんこさん、先日は『青ジソスパゲティ』に関する質問にご回答いただき、ありがとうございました。音を早々上げて、20分混ぜておりませんでしたので、さっそく、次回作る際はアドバイスを参考にしたいと思います。

いつお礼を言おうか迷っていたのですが、
今回もやっぱりシソを使った料理に惹かれたので(笑)こちらへ…。ドラマ「孤独のグルメ」では、シソと梅、ゴマを使ったチャーハンを主人公のゴローさんが食べていた影響で、私も時々食べるのですが、こちらもすごくおすすめです。
今回紹介されていた大葉と干し海老のチャーハンも気になります!

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Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
 …『銀の匙』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『スイーツ本部長一ノ瀬櫂』
 …『旅のグ(2)月は知っていた』
 …『テルマエ・ロマエ』
 …『土曜日ランチ!』
 …『BAR・レモンハート』
 …『百姓貴族』
 …『ぶたぶた』シリーズ
 …『ベーグル食べない?~幸せカフェごはん~』
 …『飯盛り侍』
 …『夢色パティシエール』


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