『わかったさんのドーナツ』の“レモンドーナツ”を再現!

 今年夏、Gパンのまま室内で過ごすと暑くて仕方なかった為、ユニクロのリラコ(←柄がかわいいステテコみたいなものです;)を着て過ごしていたのですが、これがなかなか風通しがよくて涼しく、いくつか買って重宝しました。
 中でも気に入っているのは紺と白のシンプルな縦縞模様のリラコで、一番よく着ているのですが、ある日鏡の中の自分をまじまじ眺めると、まるでバカボンのパパが着ている縦線ズボンそっくりに見えて、少し複雑な気持ちになりました;(←画像だと白い部分がありませんが、黒い線を白に代えるとそのまんまです)。

 どうも、それ以来そのリラコは家族から「バカボンパパのパンツ」と呼ばれるようになった為、最近は開き直って「おそ松くんに出てくるデカパンおじさんみたいな柄も探そうかな~」と考えている管理人・あんこです。


 本日作ってみる再現料理は、『わかったさんのドーナツ』にてわかったさんがある不思議な少女との出会いをきっかけに知った“レモンドーナツ”です!
レモンドーナツ図
 児童書『わかったさん』シリーズとは、ご両親が営むクリーニング屋さんで働いている一人娘・わかったさんが、こまったさん同様ファンタジーな世界に巻き込まれて色んなお菓子と出会うストーリーを描いた、お子さん向けのロングセラーお菓子絵本です。
 明るく活発なわかったさんが、不思議な世界のおかしな登場人物にふりまわされながらも、何とか問題解決して元の世界へ戻る美味しい冒険劇は大人が読んでも充分に面白く、読み返すごとに違った発見があって楽しいです(←これは、『こまったさん』シリーズにも言える事ですが;)。 
 『こまったさん』シリーズが“スパゲティ”“カレー”といった料理が中心なのに対し、『わかったさん』シリーズはお菓子オンリーなのが特徴で、『こまったさん』が日常のご飯を紹介する「ケ」とするなら、『わかったさん』は日曜日に作るおやつを紹介する「ハレ」で、子ども心にお洒落な印象を受けたのを覚えています。

 こまったさんの方は結婚して数年が経過している上、家の事を色々しているしっかり者な為(←と同時に、実はうっかりミスも結構多かったりするのはご愛嬌;)、大人の女性というイメージが今も昔もありますが、わかったさんは同居しているお父さんとお母さんから出かけ間際に注意されるシーンがあったり(←親としては二十歳そこそこの子はまだ頼りないと思うのか、「火に気を付けろよ」「戸締りしてね」など、まるで小学生の子供に注意するような事を言う為、わかったさん同様当管理人も「わかった、わかった」と半ば適当に返事していた記憶があります;)、飼い犬でダックスフントのポレとじゃれているシーンが数多いせいか、社会人になりたての若いお嬢さんというイメージを持っています。
 その為、子どもの頃に親近感を感じていたのはわかったさんなのですが、今となっては立場的にこまったさんの方を身近に感じていますので、時の流れを実感しています;(←元々、昔から家にあったのが『こまったさん』シリーズだからという事も関係しているのかもしれません)。
わかったさんのドーナツ図
 今回ご紹介するのは、ドーナツのお話。
 ある日、クリーニング屋さんが定休日で家の留守番をしていたわかったさんは、家でのんびりTVを見つつ「ケーキを焼こうかな。それとも、ドーナツにしようかしら」とのんびり空想にふけるのですが(←休日の自分の姿そのもので苦笑;)、そんな時一人のかわいいお客さんがやって来ます。
 そのお客さんは、ぱっちりした瞳と長い三つ編みがトレードマークな小学生くらいの女の子だったのですが、わかったさんが今日は定休日だと何度説明しても、「このブラウス、洗濯してください」「明日、取りに来ます。お願いします。さようなら」と一方的に言い、そのままお店から出ていってしまいます(←大人しそうな外見に見合わずかなり強引な性格で、初見時はびっくりしたものです;)。
 こういう時、こまったさんだったら「こまったわ」と気弱に呟く所ですが、わかったさんは勝気なタイプなので「こうなったら、意地でも、ブラウスを返してやるわ」と燃え、飼い犬のポレにブラウスの匂いを嗅がせて後を追わせていました。
 ちなみに、この時作中には「さすがのわかったさんも、<わかったわ。>とはいえません」という冷静な一文がある為、ここを読むと不意打ちで毎回笑ってしまいます;。
ある朝、定休日でのんびりしていたわかったさんの元へ不思議な女の子がやってきます
 そして、わかったさんはポレについて行って見た事もない公園に足を踏み入れ、池に浮かんでいた巨大な浮き輪がどんどん膨らんでレモンの香りがするドーナツになったり、そのドーナツが「シュワー フ フ フフフフ」「あぶらは ぬるめの 170度」「こがさず ゆっくり きつねいろ」と歌いだしたり、かと思えば揚がった途端いきなり池から出てきてくるくる回って砂場へいったりと、あからさまに奇妙な世界に迷い込んでしまうのですが、それでもわかったさんは「でも、いまは、それどころではありません(byナレーション)」と解釈して、あくまでも三つ編みの女の子探しを優先します(←当管理人なら人探しどころではなくなりそうですので、大物だな~と感心します;)。

 その後、わかったさんは何故か作曲家と名乗る近所の酒屋・ラムさんに「きみを、音楽界に、招待しよう」と言われて迷路みたいなダンジョンへ放り込まれたり、そのダンジョンで間違った扉を開けて落とし穴に落ちた挙句小人化して危うくドーナツになりかけたり、やっと出口についたと思ったらあの女の子がいて、ブラウスを持ってきていないのを知った途端「あたし、あのブラウスを着て、シンフォニーで、歌うのよ。ブラウスがなければ、音楽界は、始まらないわ。帰ってよ。帰って!」と突き飛ばされてふりだしに戻ったりと、一言では語りつくせない程大変な体験をするのですが、最終的には洗濯されたブラウスを届けて音楽会は無事開催されていましので、他人事ながらほっとしました;。
 個人的に、誰かを追ってファンタジーな世界に行ったり、小人化したり、謎かけしたりと、『不思議の国のアリス』を彷彿とさせる点が多い為、この話は内心「チェシャ猫や帽子屋が出てこない、不思議なドーナツの国のわかったさん」と呼んでいます。
ブラウスを返そうと後を追うと、何故か見た事のない公園が現れ、池にドーナツがぷかり!
 その際、音楽祭で女の子がレシピを歌詞にして歌い、現実の世界へ戻ってきたわかったさんが早速再現したのが、この“レモンドーナツ”です!
 作り方はそこそこ簡単で、ボウルに無塩バター・砂糖・卵・バニラエッセンス・レモン汁・牛乳・ブランデーを入れてかき混ぜた所へ小麦粉とベーキングパウダーを投入してさっくり合わせ、冷蔵庫で寝かせたらドーナツ型で型抜きして油で揚げたら出来上がりです。
 ポイントは、油は高過ぎず低過ぎない170度に設定すること、小麦粉とベーキングパウダーは事前に何度もふるいにかけること、粉類を合わせたら耳たぶくらいの硬さになるよう混ぜて一時間寝かせることの三つで、難しそうに見えて実はお手軽なのに感心したものです。

 お菓子作りには香りが甘やかでアルコール分が適度なラム酒が使われる事が多いので、作中でラムさんが「ブランデーを入れるのを、忘れてはいかんのだ」とこだわる理由が少しわからなかったのですが、調べてみた所、ブランデーはラム酒より若干香りが控え目な分フルーツの風味がぐっと際立つのが特徴との事でしたので、レモンの鮮烈な香りを引き出すためにブランデーを選んだのかな?と思いました。
へとへとになったわかったさんの目の前で、レモンドーナツ・シンフォニーが奏でられます
 実を言いますと、わかったさんは「わたし、あの子のような、三つ編みにするわ」とあみあみした生地を揚げていたんですが、上記の画像のように「ベーグル?!」と突っ込みたくなる程ぷっくり丸いドーナツの方が食欲を掻き立てられた為、そちらの方を再現する事にしました;。
 巻末には、詳しい分量と細かい手順が書かれたレシピがきちんと記載されていましたので、早速その通りに作ってみようと思います!


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、生地作り。ボウルへ室温に戻して柔らかくした無塩バターを入れて泡立て器でよく混ぜ、滑らかなクリーム状になったら砂糖を投入し、白っぽくなるまでかき混ぜます。
 段々ふわっとした感じになってきたら、溶き卵を何回かに分けて少しずつ注ぎ、さらによく混ぜます。
レモンドーナツ1
レモンドーナツ2
レモンドーナツ3
 すぐ下にある画像のように溶き卵をまんべんなく混ぜ終えたら、続けてバニラエッセンスとレモン汁を入れ、分離しないように手早く混ぜ合わせます。
 ※特にレモン汁を入れる時は生地が分離しやすいので、ちょっとずつ入れながらガーッと混ぜる事をお勧めします。
レモンドーナツ4
レモンドーナツ5
レモンドーナツ6
 両方とも混ぜたら、牛乳とブランデーを加えてよ~くかき混ぜます。
 ここまできたら泡立て器を木べらに持ち替え、あらかじめ小麦粉とベーキングパウダーを合わせて何度かふるいにかけておいた合わせ粉を何度かに分けてふるい入れ、練らないようさっくりと切り混ぜます。
 やがて生地が耳たぶくらいの柔らかさになったらひとまとめにしてラップに包み、約一時間冷蔵庫に入れてゆっくり休ませます。
 これで、生地は出来上がりです。
レモンドーナツ7
レモンドーナツ8
レモンドーナツ9
 次は、揚げ作業。
 小麦粉をふっておいた清潔な台の上に生地を置いたら、同じく小麦粉をまぶしておいた麺棒で適度な厚さに伸ばし、ドーナツ型を押し当ててわっかの形になるよう型抜きします(←この時出来た丸型の生地は、そのまま揚げちゃってOKです!)。
 この型抜きした生地を170度に熱した油で二~三分揚げて、表裏をひっくり返してもう一度二~三分揚げ、段々両面がきつね色になってきたらキッチンペーパー(又は油切り網)の上へ引き上げて、余分な油をしっかりきります。
レモンドーナツ10
レモンドーナツ11
レモンドーナツ12
 揚げたドーナツ全体に砂糖を適度にまぶして粗熱が取れるまで待ち、そのままお皿の上へ盛り付ければ“レモンドーナツ”の完成です!
レモンドーナツ13
 パッと見はごく普通のドーナツという感じですので、一瞬「あれ?」と思うのですが、よく匂いを嗅いでみるとレモンのきゅっとくる香りがさりげなくふわりと漂ってきますので、すぐに「あ、ちゃんとレモンドーナツだ」とほっとしました;。
 こういうわっか型のドーナツをきちんと作るのは初めてですので正直自信がありませんが、わかったさんを信じて食べてみようと思います!
レモンドーナツ14
 それでは、一口大に割っていざ実食!
 いっただっきまーす!
レモンドーナツ15


 さて、感想はといいますと…児童書のレシピと言うよりはお菓子専門本のレシピみたいな、本格的な美味しさ。レモンのおかげで、どことなく洗練された味になってます!
 一口目は小麦と卵のコクがお口にじんわりと広がる、ほんわか温かい素朴な味わいの卵ドーナツという印象だったんですが、噛み締めるごとにレモンの上品な甘酸っぱさと、ちょっぴりほろ苦い後口が段々ふわ~っと立ち上がってくるのが個人的に新鮮で、ありふれていそうで実はありふれていないドーナツだと面白く感じました(←うまく言えないんですが、一見地味に見える女の子と話してみたら実はどこぞの令嬢だった…というような意外性があります;)。
 レモン汁入りのアイシングをかけたドーナツは食べた事がありますが、こちらの方が内からスーッと香気が溢れる分より一体感が強く、完成度が高いと実感しました。
 絞りたてレモンのフレッシュで爽やかな酸味と、香り高いブランデーの熟成された風味が全体をしっくりまとめあげているのがいい感じで、子ども用のおやつというよりは、大人が自分用の息抜きにと用意するお菓子というイメージです。
 表面はさっくりザクザクと香ばしく、中はややしっかりめながらも十分ふっくらホロホロと柔らかい口当たりで、何だか「ミ○タードーナツのオールドファッション」を彷彿とさせるドーナツだな~と思いました。


 ドーナツの穴部分を揚げて作ったボール型ドーナツもコロコロした形で可愛らしく、おいしくいただけました。
 ただ、食べている内に少しずつ喉が乾いてくるのが難点ですので、牛乳と一緒に頂く事をお勧めします。

●出典)『わかったさんのドーナツ』 原作:寺村輝夫 作画:永井郁子/あかね書房
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

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2014.10.05 Sun 16:01  |  管理人のみ閲覧できます

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  • #

2014.10.06 Mon 02:55  |  管理人のみ閲覧できます

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  • #

2014.10.06 Mon 15:50  |  

ずっと前から楽しみにしていた「わかったさんのドーナツ」!
おいしそうですね~。

この記事が公開されるまでにおさらいがてら、久しぶりに読んでみたのですが、ラムおじさんのお店の表記に首をひねりました。
「おさかやさん」て何でしょう。
魚屋さんなら「な」が抜けてるし、酒屋さんなら「お」は付けないし。

名前もラムだしドーナツの隠し味もブランデーだし、酒屋さんでいいのかなぁ、と思っていたらあんこさんは魚屋さんと解釈してまして。

ますます混乱しました(笑)
寺村さんは酒屋さんに「お」をつけて言う習慣でもあったんですかね。

  • #bhhZubZs
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2014.10.08 Wed 02:35  |  

いつも楽しく読ませて頂いています。

「わかったさんのドーナツ」、なつかしさのあまり、「うわー!」と声が出ました(笑)
小学生のころ、図書室で「わかったさん」「こまったさん」シリーズを読み込んでいたことを、鮮明に思い出しました。
放課後、図書室から見える夕焼けや、校庭の遊具なんかの風景まで、まるごと甦りました…
物語の内容に引き込まれ、美味しそうなお菓子やお料理にもどんど
ん引き込まれ…夢中で読んだなあ。

母や祖母と一緒に、このレモンドーナツも作りました。
思い出させてくださって、ありがとうございます。
これからも読ませて頂きますね!

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Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
 …『銀の匙』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『スイーツ本部長一ノ瀬櫂』
 …『旅のグ(2)月は知っていた』
 …『テルマエ・ロマエ』
 …『土曜日ランチ!』
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 …『ぶたぶた』シリーズ
 …『ベーグル食べない?~幸せカフェごはん~』
 …『飯盛り侍』
 …『夢色パティシエール』


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※現在、公私の多忙と、再現記事のペース維持を理由に、コメント欄へのご返信が出来ない状態が続いております。
 こういう場合、コメント欄は停止するべきなのかもしれませんが、励ましのお言葉やアドバイスを頂く度、ブログのモチベーションアップや心の支えとなったこと、そして率直なご意見や情報を聞けてとても嬉しかったこともあり、誠に自分勝手ながらこのままコメント欄は継続する事に致しました。
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