『華中華』の“新生姜チャーハン”を再現!

 先日、アニメ日本昔ばなしのお話が大量に載っているデータベースを見つけたので、懐かしさと興味で覗いてみたのですが、どれもこれもなかなか面白くてつい見入ってしまいました;。
 面白いお話や心温まるお話が多いのですが、中には物哀しいお話や恐ろしいお話も混ざっていて、その中でも得体のしれない不気味さでかなり印象に残ったのが、飯降山というお話(←ネットを探すと動画でも拝聴できますが、そちらは所々に細かい演出があってより背筋が寒くなります。あと、こちらにも色んな方の考察が載っていて興味深いです)。
 結局、この作品に出てきた全ての元凶の正体は分からないままで、アニメでは神のような存在がやったような表現がされているのですが、個人的にあれは神の姿を借りたもっとおぞましい「何か」が尼達にちょっかいを出したような気がしてなりません。

 どうも、幽霊よりも人間が起こす長い争いや、人間の業が引き起こす悲惨な話のほうが怖いと思う当管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『華中華』にてハナちゃんが丸山君の実家から送られてきた新生姜を使って作った“新生姜チャーハン”です!
新生姜チャーハン図
 それは、ハナちゃんが“秋茄子のカレー炒めチャーハン”をお店でお出しし、営業時間が終わって店じまいをしていた時のこと。
 かつての師匠・島野さんがやって来て、銀河楼飯店の有田さんから自分とハナちゃん宛に料理勝負を申し込む旨の挑戦状が届いたと話し、上海亭の面々はびっくりします。
 島野さんが言うには、以前島野さんとハナちゃんが雑誌の企画で料理対決し(詳しくはこちらこちら)、それが大評判となって両店が繁盛したのを羨ましがった有田さんが二番煎じを狙ってTV局へ対決企画を売り込んだとの事で、ハナちゃんは一体どうでるのか気になって駆けつけたようでした。

 正直、初見時は「あれだけ人前に出るのを拒んでいたハナちゃんが出るかな…」と思っていましたが、どうやら島野さんとの対決で今までとは違った高揚感を感じたハナちゃんは、「誰かと競い合うといい刺激になって、自分のスキルアップになる」「色んな経験をする事が、お客様の為になる」と考えを改めたみたいで、結局島野さん共々有田さんの挑戦を受ける事を決意します。
 満点大飯店にいた頃は、上海亭に通って料理しているのを秘密にする為隠れる事を優先して考え、よくも悪くも島野さんを師として仰ぐ事しか考えられなかったハナちゃんですが、いざ上海亭へ移って親離れした途端、堂々と表の世界に出るようになって鍛えられたせいか急速に視野が広くなり、島野さんの事も礼儀を尽くしつつ同じ一料理人として対等な視点で話して手助け出来るようになれましたので、これは嬉しい変化…と内心心躍ったのを覚えています。
銀河楼飯店が満点大飯店と上海亭をまきこみ、テレビで料理対決をしたいともちかけますが…
 けれども、意外にもこの話に難色を示したのが、満点大飯店のオーナー・計太郎さんとマダム奈可子さん。
 いつもなら率先して目立つよう指示していたお二人の歯切れの悪さに、島野さんは訳が分からないと動揺するのですが、それもそのはずで、実は先日計太郎さんは中華街の飲食店連合会の会長に就任することになり、「ウチの店だけが目立って、他店に嫌われると、会の運営に支障をきたすという訳なのよ」という大人の事情が発生したらしく、島野さんの腕を信用しているからこそかえってその勝負を額面通り受ける事は出来ないと、お二人は島野さんを説得します(←島野さんは冷静に見えて、その実料理の事しか考えられない現場主義の方なので、こういう大人の嫌な裏事情が煩わしくて仕方ないようで、「そんな勝手な事情であたしのやる気をなくさせるなら、もう知らない!当分、厨房には立たないから」と女子みたいに拗ねてました;。気持ちは分かります;)。

 しかし、このまま勝負を降りたら有田さんが「あの二人は銀河楼飯店に恐れをなして戦わずに逃げた」と周囲に言いふらす事は明白で、それも癪だと考えた奈可子さんは、ある策を練って動きます。
 その策とは、「この料理対決は中華街飲食店連合会の秋の一大イベントという事にし、三店だけではなく中華街の各名店も含めた約四十店を含めて行うこと」
思いっきり勝負したいだけなのに、大人の事情が邪魔をする…厄介すぎて同情してしまいます;
 まず、中華街飲食店連合会に加わっている店舗への出場の打診は、「満点大飯店や上海亭は確かに有名でいい店だが、うちも負けないくらいいい店だと広く知らしめたい」という想いが各店にあった模様で、ほとんどのお店が参加を許可。
 そして、テレビ局には「より多くのお店を参加させて華やかな企画にした方がいいのでは?」と持ちかけ、銀河楼飯店の本店へは「企画を持ち込んだ御社が寛大な姿勢を見せると、イメージアップにつながると思います(←独断で先走った有田さんのせいで食中毒事件が起きているので、切実だったと思います;)」とお願いして企画変更を了承してもらい、今さら有田さん一人が反対できないよう仕向けていました。
 まさに「外堀を埋める」というのがぴったりな囲い込み戦法で、慎重で計画的な奈可子さんらしい戦い方だと感心します;。

 実を言いますと、有田さんは当初料理対決の舞台を銀河楼飯店にして豪華な店内やガラス張り厨房をアピールし、より目立って集客しようと狙っていたのですが奈可子さんはそれもお見通しで、四十店も参加させる事で自動的に会場を中立的な別の場所へ移動する事に成功しており、まさに踏んだり蹴ったりでした;。
 有田さんとしては文句たらたらの様子でしたが、店長代理見習いの身では何もできず渋々頷いており、「こうなったら何がなんでも、どんなことをしてでもウチが勝ってやる!」と奈可子さんを逆恨みして闘志を燃やしていました。
 毎度ながら安定した悪役っぷりで、苦笑します;(←それも大悪ではなく、いつも失敗に終わる小悪党っぷりがピラフ一味を彷彿とさせます。ただし、憎らしさの方はこちらの方が断然上ですが…;)。
三店だけではなく、中華街にある多くのお店も参加する事になり、大掛かりな大会に!
 こうして、満点大飯店と銀河楼飯店が静かに火花を散らしている間にハナちゃんがその日のランチタイムに出していたチャーハンが、この“新生姜チャーハン”です!
 作り方は簡単で、中華鍋(又はフライパン)へスライスした新生姜と油を入れて熱して香味油を作り、そこに生卵とご飯を加えてさっと炒めた後みじん切りにした新生姜・醤油・日本酒を混ぜた物を投入し、最後に刻みネギを入れて炒め合わせたら出来上がりです。
 ポイントは、いつもの基本チャーハンと違って醤油やこしょうを仕上げ段階で加えないことで、そうする事によって新生姜の香りと辛味がさらに引き立つとの事でした。
 あと、新生姜の皮は柔らかくて栄養たっぷりなので皮ごと使うのがコツだそうで、相変わらず身体に気を使ったチャーハンを作るな~と感じました。
 
 ハナちゃん曰く、「前々から作ってみたかったの…最近、女性を中心に生姜ブームだっていわれてるから」という理由で作った一品みたいで、疲れた胃を回復するにはうってつけだとも語っていました。
 元々、中華料理での生姜の使い道と言えば肉や野菜への下味や、癖の強い料理の隠し味になったりと脇役的存在であることがほとんどですが、これはまがう事なき主役食材なので、珍しいな~と感じたものです。
女性の間で生姜ブームが巻き起こっていたのをみて、いつかチャーハンにしてみたいと考えていたそうです。
 先日、新生姜を安く大量に手に入れましたので再現する事にしました。
 作中には詳細な分量つきレシピがきっちり記載されていますので、早速その通りに作ってみようと思います!


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、新生姜の下準備。流水でよく洗って泥と汚れを落とした新生姜を細かいみじん切りにしてボウルへ入れ、日本酒と醤油を加えて菜箸でまんべんなく混ぜ、下味をつけます。
 今回、基本チャーハンを仕上げる時に醤油と胡椒は使いませんので、醤油は気持ち多めにした方がいいと思います。
 ※皮は栄養があって柔らかいので、剥かずにそのまま使います。
新生姜チャーハン1
新生姜チャーハン2
 次は、チャーハン作り。
 フライパン(又は中華鍋)へ油とスライスした新生姜を入れて弱火にかけ、いい香りがするまで弱火でじっくり火を通します(←新生姜が表裏共にカリッとしたら、大体頃合いです。なお、この新生姜は塩を振って食べるとおいしいです)。
 新生姜の味も香りも油に移ったら香味油の出来上がりですのですぐにスライスを取り出し、すこへ溶き卵とご飯を投入して一気に炒め混ぜます。
 ご飯に卵が絡みきってパラパラになってきたら塩で味を調整し、下味をつけた新生姜を調味液ごと加えてざっと混ぜ、仕上げに刻んだ太ネギを入れてよく混ぜます。
新生姜チャーハン3
新生姜チャーハン4
新生姜チャーハン5
 チャーハン全域に新生姜や刻みネギが行き渡ったら火からおろし、そのままお皿へ丸く盛り付ければ“新生姜チャーハン”の完成です!
新生姜チャーハン6
 ほんのり黄色に染まったチャーハンから新生姜の胸をすくような香りが蒸気と共にふわりと漂い、見るからに美味しそうです。
 こんなに生姜たっぷりのチャーハンを食べるのは初めてですので、一体どんな感じに仕上がっているか楽しみです!
新生姜チャーハン7
 それでは、出来立てほやほやの内にいざ実食!
 いただきま~すっ!
新生姜チャーハン8


 さて、感想はといいますと…思ったよりも辛くなくて旨し!食べるごとに体の中が綺麗になり、血が清められていくような気分になるチャーハンです!
 生姜の辛味は結構ビリビリきますので内心ビクビクしていたのですが、さすが新物なだけあって癖も辛味もかなり軽減されており、ピリッときた後スーッと引いて行く爽やかな辛さでほっとしました。
 大抵、みじん切りにすると食材の持つ個性は目立たなくなるものですが、新生姜は尚も独特の清々しい風味は色濃いままで、刻みネギに負けないくらいシャキシャキした鮮やかな食感も失われておらず、かえってまんべんなくご飯に混ざっていいアクセントになっていてよかったです(←通常、生姜はザクザク硬い歯触りですが、新生姜は生姜よりも水分が多い分瑞々しく弾けるような口当たりなのが印象的でした)。
 いつもの基本チャーハンと違って、新生姜のエキスが溶け込んだ日本酒や醤油で味付けし、最後までドライに辛い胡椒を一切入っていないせいか、思ったよりも軽くてふんわりした仕上がりで、意外と胃に優しい一品だな~と感心です。
 生姜の香味油も十分風味がよくて美味なんですが、新生姜の香味油はそこへさらにフレッシュな感じがプラスされ、まるでハーブのような洋風の洒落た香気がついているイメージで、いつも以上にすっきりした後口が特徴的でした。


 新生姜は辛味が少ない分、色んな料理に使いやすいので助かるな~と思いました。
 刻むとシャキシャキ感がさらに増す新生姜の特性を利用した、体にも嬉しい一品です。

●出典)『華中華』 原作:西ゆうじ 作画:ひきの真二/小学館
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

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2014.11.01 Sat 21:41  |  管理人のみ閲覧できます

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Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
 …『銀の匙』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『スイーツ本部長一ノ瀬櫂』
 …『旅のグ(2)月は知っていた』
 …『テルマエ・ロマエ』
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