『風流つまみ道場』の“サンマの肝しょうゆ焼き”を再現!

 先日、恥ずかしながら初めてIKEAへ行ったのですが、商品にそこはかとなく漂う海外っぽさに、「これが海外の家具量販店か…!」とワクワクしました。
 「その発想はなかった」と言いたくなるデザインの野菜ぬいぐるみ(←動物系のぬいぐるみはちゃんとキュートにデフォルメされてますが、何故か豚だけリアル志向なのが衝撃でした;)、ドリンクバーまでついて150円と驚き価格なホットドック、スウェーデン語が勉強できて面白い商品タグなど、色々見所はありましたが、個人的に一番感動したのがあの巨大な商品倉庫
 まるで海外映画のワンシーンに出てくるような広大な倉庫は、ちょっと歩くだけでも冒険気分が味わえ、表面上は普通でしたが心の中では「逃げ込んだ犯人を追いかけた主人公が、静まった空気の中<どこへ隠れた…?>と銃を片手にゆっくりと移動する、あの緊迫感溢れるシーンを再現できそう!」とドキドキしてました;。

 どうも、いつもこんな妄想ばかりして過ごしている当管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『風流つまみ道場』にて主人公・錦ちゃんがサンマの肝が苦手な恵梨花さんの為に作った“サンマの肝しょうゆ焼き”です!
サンマの肝しょうゆ焼き図
 それは、錦ちゃんが恵梨花さんに一目惚れして少し経ったある夏の日の事。
 行きつけの和風居酒屋・<夕月>(←やる気のないママが名物で、料理上手で人のいい錦ちゃんは、時々無償でオリジナル料理を作ったりしてます;)へ行った錦ちゃんは、お酒が弱いのに懲りずに飲み、カウンターで突っ伏して寝てしまうのですが、そこへ偶然恵梨花さんが来店します。
 この日は珍しくママが少しやる気を出しており、わざわざ新サンマを仕入れて塩焼きをおすすめメニューとして紹介していた為、興味を持った恵梨花さんは新サンマの塩焼きを注文しようとするのですが、そこでママはあるお願いをされます(←ママの料理に対するズボラさはなかなかすごく、用意が楽という理由で真冬でも鮭のルイベ・もろきゅう・べったら漬け・わかめ酢といった寒々しいメニューを平気で出す程;。但し、何故かお酒だけはいつもいい物を迅速に仕入れていますので、「いいお酒が飲めるのに、おつまみが侘しいというこの矛盾!」と尚更惜しく感じます;)。

 それは、「肝を抜いていただけますか?」というもの。
 何でも、恵梨花さんにとってサンマの肝は「苦くてちょっと苦手なんです」としか感じられない代物だそうで、ママは内心「ちょっと面倒だけど…」と思いつつも了承するのですが、そこで黙ってられず待ったをかけたのが常連・松田さん。
 松田さん曰く、「オレに言わせれば肝のないサンマなんて、巨人の抜けたセ・リーグみたいなもんだよ」だそうで、せっかくのいい肝を無駄にしない為にはどうすればいいのかと考えた結果、錦ちゃんを起こす事にします;。
 個人的に、サンマの塩焼きに潜んでいるほろ苦くて濃厚な肝は大好きなのですが、それでも結構な確率で入っている大量のウロコには閉口してそのままじゃ食べられないタイプですので、恵梨花さんの気持ちも松田さんの気持ちも両方分かる気がしたものです。
肝の苦さが苦手なので取ってほしいというえりかさんと、隅っこで居眠りする錦ちゃん;
 最初は寝ぼけ眼だったものの、愛しの恵梨花さんがいるのに気づいた錦ちゃんは瞬時に目が覚め、一部始終を聞いてすぐに料理を始めます(←学生時代、先生に居眠りが発覚して一気に眠気が吹き飛んだあの感覚を思い出しました;)。
 その際、錦ちゃんが「苦くなくて、なおかつ肝の風味の生きたサンマを焼いてあげるから」と言って作ったのが、この“サンマの肝しょうゆ焼き”です!
 作り方はとても簡単で、肝を抜いて塩を振った後二つに切ったサンマをグリルで焼き、その最中にサンマの肝・醤油・日本酒・みりんを混ぜて用意した肝醤油を何度も塗り、表裏に火を通したら出来上がりです。
 
 ポイントは、肝を抜く時お腹の中をしっかり洗って水気を拭き取ることと、肝醤油を塗って焼く時に焦げないよう短い間隔で何回もチェックすることの二つで、塩焼きとそんなに手間が変わらないのに、目先がかなり変わるのがいいな~と思いました。
 一見、どこにでもありそうなレシピだったのでネットで調べてみたのですが、意外にも肝醤油+サンマのお刺身という組み合わせか(←カワハギの肝あえ見たいな物でしょうか?)、もしくは開き状にしたサンマへ仕上げる時だけ塗って焼くというやる方が多く、錦ちゃんみたいに鰻の蒲焼きっぽく丹念に塗り焼きするレシピはあまり見かけなかった為、驚きました。
 この方法ならサンマの肝の嫌な癖や苦みが弱まる上、普通の塩焼きの時みたいにウロコが口に障るのを気にしなくていいので、画期的な調理法だな~と感心したのを覚えています。
サンマの肝が苦手な人でも、苦くなくておいしいサンマ料理があると豪語する錦ちゃん
 その後、焼きたての“サンマの肝しょうゆ焼き”を食べた恵梨花さんは「ホント、ただの塩焼きと違って複雑なおいしさがありますね」とサンマの肝の美味しさに目覚める事が出来、これなら食べられると喜んでいました。
 正直、肝がどうしてもだめな場合はどういう食べ方をしても無理だと思うのでハラハラしたんですが、どうやら恵梨花さんは食べ方さえ変えれば大丈夫なタイプだったようで、ほっと一安心です。
 錦ちゃんが言うには、「苦みはほとんどないのに、それでいて肝の香りが醤油の香ばしさと混じって食欲をそそる」のが肝醤油の特徴で、これなら肝が苦手な方だけではなく、お子さんに「サンマの肝・入門編」として試してもらうのに向いた料理なんじゃないかな~と感じました。
肝の苦味が大分軽減され、旨味が濃縮された出来になるようで、えりかさんも食べられてました
 先日、鮮度のいい生サンマが安く手に入ったので再現する事にしました。
 作中には分量つきの詳細なレシピがきっちり記載されていましたので、早速その通りに作ってみようと思います!


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、サンマの下処理。生のサンマを流水でさっと洗ったら、包丁でエラの下から肛門付近まで切り開き、肝を取り出します(←肝は大まかな汚れを取った後、別皿に入れます)。
 内臓類を全て除いたらまた流水でお腹を洗い流して綺麗にし、キッチンペーパーで外側も内側も水気をよく拭き取ったら、二つに切って上から塩を薄く振っておきます。
サンマの肝しょうゆ焼き1
サンマの肝しょうゆ焼き2
 次は、焼き作業。
 ボウルへ先程取っておいた肝、醤油、日本酒、みりんを入れてしっかり溶き合わせ、肝醤油を用意します(←レシピだとこれでOKですが、より醤油と肝の一体感を高めて仕上がりを美しくしたい場合は、漉し器で漉してすり合わせるとよりナイスです)。
 この肝醤油を、グリルか網でサンマを焼く時に刷毛で表裏に隅々まで塗り、何度も塗っては焼き、塗っては焼きを繰り返します。 
 ※肝醤油を塗った途端、急にサンマが焦げやすくなりますので、一~二分おきに注意深く観察しておいた方がいいです。
サンマの肝しょうゆ焼き3
サンマの肝しょうゆ焼き4
サンマの肝しょうゆ焼き5
 サンマ全体に肝醤油がよくなじんでふっくら焼きあがったらお皿へ盛り付け、仕上げに大根おろしとすだちを添えれば“サンマの肝しょうゆ焼き”の完成です!
サンマの肝しょうゆ焼き6
 肝醤油の香ばしい匂いがそこら中に広がり、思わず喉がごくりと鳴ります(←醤油をつけるとすぐに焦げる為、皮がやや黒くなってしまいましたが、不安になって皮だけ味見したら不思議と苦くなくてほっとしました;)。
 いつもは単に塩を振って焼くだけなので全く味の想像が尽きませんが、見るからに美味しそうですので期待して食べてみようと思います!
サンマの肝しょうゆ焼き7
 それでは、冷めない内にいざ実食!
 いっただっきまーす!
サンマの肝しょうゆ焼き8


 さて、感想はといいますと…ただ単に焼いたとは思えない奥行きに衝撃!肝の風味と焦げた醤油の香りが合体して生まれる複雑なおいしさにうっとりです。
 塩焼きにしたサンマはパリパリに香ばしく焼けた身と、あっさりした中にある濃い美味さが特徴的ですが、これはまるで照り焼きにしたようなホワリと柔らかな身と、肝醤油を吸ってパリッとすると同時にほんわりジュワ~と練れた旨さになった皮、そして最初から脂がガツンと効いてこってりした深い味わいが印象的で、ここまでガラッと旨味の質が変わるとは驚きです。
 肝醤油は磯の風味が若干強いものの、魚類の肝特有のじんわり響く大人っぽいホロ苦さや、フォアグラに匹敵するようなどこまでも舌に絡み付いてくる濃厚な油分が醤油に溶け込んで、トロリと滑らかな口当たりのソース状になっており、それがサンマの内側にあるさっぱりした身をパンチのある上級者向けの旨味に変化させていました(←例えるとするなら、塩焼きは料亭の女将・肝醤油焼きはクラブのママって感じで、ハマったら抜け出せなくなる中毒性があります;)。
 青魚ならではの癖のあるコクはちゃんと残っているのに、あの嫌な生臭さは一切ありません。
 とはいえ、ゆっくり火を通したり皮にぬって炙るだけにしたせいか、先にくるのはあくまでも魚醤やアンチョビに似たしょっぱさの方で、好き嫌いが分かれる苦旨さは後からちょっぴりくるくらいに緩和されているので、錦ちゃんの言う通り肝が苦手な方の入門編にするにはまさにうってつけなんじゃないかな?と感じました。
 途中、大根おろしの優しく甘い汁気や、すだちのフレッシュで爽やかな果汁が口の中をキレイに洗い流して目先を変えるので全く飽きませんし、これはよく出来たサンマ料理だな~と感嘆です。


 実は、最近サンマが安いのもあり、既に三~四回はリピートしました;。
 軽く塩を振って焼いてすだちを絞ったエリンギに、この肝醤油をつけるとまた一際美味ですので、いろんな方にお勧めしたい食べ方です。

●出典)『風流つまみ道場』 ラズウェル細木/芳文社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。
※レシピの分量や詳しい内容は、以前こちらでご説明した通り完全非公開に致しております。

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・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
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・再現料理を予定中の漫画:
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