『大使閣下の料理人』の“ゴーヤの納豆キムチグラタン”を再現!

 先日、医師に「ひどすぎます」と断言されて以来健康を心掛けるようになった相方さんから、とうとう大の苦手だった納豆を食べるようになった聞き、感慨深い気持ちになっています(←やはり身近な人間より、専門家の意見の方が効き目がありますね;)。
 ただ、まだ納豆を美味しいと思うまでには至っていないようなので、豆自体の味が濃くて美味しい大粒納豆を薦めたのですが、近所のスーパーには置いていないと言われ、驚きました。
 試しに当管理人もあちこちのスーパーで探してみたのですが、確かに大粒納豆は全く扱っていないか、あったとしても妙に高い本格派の物が一種類ぽつんとあるかのどちらかで、何だか少し寂しくなりました。
 調べた所、どうやらニーズが少ない上に費用も時間もかかるのが原因でどのメーカーもあまり作っていないとの事で、美味しいのにここまで冷遇されているのを見るとかえって応援したくなります(←と言いつつ、普段は安くて糸が大量に出る糸の力ばかり食べてますが;)。

 どうも、納豆にタレや醤油を入れるのはブクブクに泡立って糸がメレンゲみたいに立ってからが鉄則の当管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『大使閣下の料理人』にてかおりちゃんが父・大沢公さんの為に考えたお料理第二弾・“ゴーヤの納豆キムチグラタン”です!
ゴーヤの納豆キムチグラタン図
 前回、祖父の巧さんと共に公さんを元気づける為の特製料理・“オヤジ風サンマ丼”を考え出したかおりちゃんでしたが、料理人としての性なのか、お二人とも「…だけど、これだけじゃ何か物足りねーな」「そうだね、もう一品何か欲しいところだね」と結論付け、さらに副菜を試作する事にします(←カレーにサラダ、焼き魚におひたし、炊き込みご飯に豚汁という組み合わせのように、確かに名脇役が一品プラスされていると、見た目的にも栄養的にも嬉しい気がします)。

 そこで、かおりちゃんが「オヤジっぽい食材が余ってないかな」と冷蔵庫を探して目を付けたのが、ゴーヤ。
 専門書を読んで調べたかおりちゃん曰く、「ビタミンCはトマトの5倍、キュウリの10倍…苦みの成分<モモルデシン>は、胃腸を刺激して食欲を増幅させる効果がある」との事で、それに加えてゴツゴツして見るからに苦そうなものの、実は栄養豊富で美味なゴーヤはオヤジっぽい感じがしないでもないと感じた巧さんは、もう一品はゴーヤを使ったお料理にする事を決めます(←それにしても、洋食屋さんの冷蔵庫にゴーヤとは…どのメニューに使うつもりだったのか、そっちの方が気になります;。案外、閉店後のおつまみ用として私的に保管していたのかもしれませんが;)。

 個人的に、ゴーヤ料理と言えばゴーヤチャンプルーが一番に思いつくのですが、かおりちゃんはゴーヤに含まれるビタミンCをなるべく酸化させずにそのまま公さんに食べてもらいたいと考え、なるべく切らないで調理しようという難しい課題を己に課していた為、「食べる人を思いやるあまり、あえて難しい道を選ぶところはお父さんそっくりだな~;」と苦笑しました。
オヤジ風サンマ丼だけでは物足りないと思ったお二人は、さらに何かもう一品考える事に。
 そこで、巧さんはかおりちゃんに具を何にするのか意見を聞くのですが、この時サラッと提案されたのが、納豆キムチ!
 何でも、公さんは納豆キムチが昔から大好物だそうで、最近自分の好物ばかり作っていた負い目からか、かおりちゃんは「出来ればこれを使いたい!」と決めていたらしく、そこでゴーヤの舟に乗せてグラタンみたいに焼く事を思い付いたようなのですが、今まで見た事も聞いた事もないオリジナリティ溢れる組み合わせに、巧さんは数十秒間苦渋に満ちた表情で考え込んでしまいました;(←サンマ丼ににんにくチップやオクラを合わせる事といい、ゴーヤに納豆キムチを乗せる事といい、もしかしたらかおりちゃんは本当に好みが親父寄りなのかもしれません;)。

 しかし、悩んだ末に「子どもらしい突飛な発想だし上手くいくとも思えんが、何事も経験だからな」と腹を決めた巧さんは納豆キムチの使用をOKし、かおりちゃんから助けを求められない限りは静かに見守ることにします。
 本音としては、プロとして明らかに失敗しそうな調理を黙って見続けるのは結構苦痛な事だったと推測されますので、そこをあえて口出しない巧さんは偉いな~と感じたものです(←小さい頃料理をせず、成人した後「何でこうしたらいけないんだろう?」と実験しまくり、「そうか、だからいけないのか!」と失敗で学んだ身としては、羨ましいです;)。
見た目に寄らずなかなかのチャレンジャーなかおりちゃんは、何と納豆キムチを使おうとします;
 その後、かおりちゃんは悲壮な決意をした巧さんに気づかずマイペースに調理していくのですが、これが意外にも堂に入っており、「こいつはいけるかも…」と考えを改めていきます。
 その際、かおりちゃんが手際よく作った創作料理が、この“ゴーヤの納豆キムチグラタン”です!
 作り方は簡単で、縦に切って種を取った後下茹でしたゴーヤの舟へ納豆キムチを乗せ、上からマヨネーズ・味噌・コチュジャンを混ぜて作ったソースをかけ、高温のオーブンで焼いて食べやすく切ったら出来上がりです。
 
 ポイントは、ゴーヤを茹でる前に塩をふってよく揉むことと(←色味が良くなる上にえぐみがとれるという、まさに一石二鳥な下処理です)、キムチは納豆に合わせる前に刻むことの二つで、こうするとぐっと食べやすくなると作中で語られていました。
 かおりちゃん曰く、「パパとなすの田楽作った時に、お味噌にマヨネーズをちょこっと入れたら美味しかったんだ」「だから逆もまた真なり!マヨネーズ系のソースにお味噌を入れて、和風グラタンて感じにしたほうが美味しいと思うんだ」という考えで思いついたオリジナル料理だとの事で、小学生だというのにここまで理論的にレシピを組み立てられるかおりちゃんに、巧さんは目の色を変えて感心しています。

 ちなみに、コチュジャンを合わせたのは実は巧さんのアイディアで、味噌とマヨネーズだけのソースを使おうとするかおりちゃんを大声で停止させ、「味のまとまりをよくして輪郭をはっきりさせるには、似た要素のものを足すといいんだ。これはキムチと同じ発酵食品だから相性がいいはずだぞ」「合わせ味噌と同じ理屈だ、これで確実に美味しさが増す」と熱弁しており、かおりちゃんから少し引かれちゃっていました;。
 巧さんが言うには「孫だからと言って甘やかすだけでは本人のためにならんからな」だそうですが、正直「もうひと捻りしたらもっと美味しくなる!」という料理人魂が刺激されたからこその行動でもあると思いますので、苦笑いしたものです;。
 幸い、“ゴーヤの納豆キムチグラタン”も“オヤジ風サンマ丼”も公さんに好評で、「ママ顔負けだね」と褒められたかおりちゃんは大喜びしていました。
これはうまくいきそうだと確信した巧さんは、合わせ味噌の原理を持ち出して調味料を足します
 キムチ納豆が体に及ぼす効果のすごさ(こちらにまとめられてました)には前々から興味を抱いていましたので、再現を決意しました。
 作中には詳細なレシピがきっちり記載されていますので、早速その通りに作ってみようと思います!


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、ゴーヤの下ごしらえ。ゴーヤを包丁で縦に真っ二つに切ったら、スプーンで中のタネを丁寧にこそぎ取り、全体に塩を振ってよく揉みます。
 ゴーヤに塩がなじんで色に鮮やかさが出てきたら熱湯で約一分ほどざっと茹で、取りだしたらすぐに冷水入りのボウルへ入れて冷やし、キッチンペーパー等で水気をしっかり拭き取ります(←この時拭き取りが不十分だと、ただでさえ滑りやすい納豆キムチがさらにこぼれやすくなりますので、要注意です)。
ゴーヤの納豆キムチグラタン1
ゴーヤの納豆キムチグラタン2
ゴーヤの納豆キムチグラタン3
 次は、詰め合わせ&焼き作業。
 ボウルにひき割り納豆と小さく刻んだ国産の白菜キムチを加えてよ~く練り合わせたら、先程のゴーヤの舟の中へ均等に流し込みます。
 ※後々の切り分けやすさを考えるなら、白菜キムチはみじん切りがベストですが、ある程度食感があった方が美味しいのでお好みでいいと思います。
ゴーヤの納豆キムチグラタン4
ゴーヤの納豆キムチグラタン5
 このゴーヤ舟の上へ、マヨネーズ、味噌、コチュジャン(←最近は阿蘇で作られている無添加国産物を使用してます)をしっかり混ぜ合わせてソース状にした物をまんべんなくかけ、高温のオーブンに入れて軽く焦げ目がつくまで焼きます。
 ※辛めがお好きな場合はコチュジャン多め、マヨ味がお好きな方はマヨネーズ多め、そして洋風味噌味がお好きな方は味噌多めと、自分好みに加減すると良さげです。当管理人の場合、スタンダードタイプにしたいと思い、全ての味が主張するように調合しました。
ゴーヤの納豆キムチグラタン6
ゴーヤの納豆キムチグラタン7
ゴーヤの納豆キムチグラタン8
 表面が焼きかたまってゴーヤに程よく火が通ったのを確認したらオーブンから取り出し、火傷に気を付けつつ食べやすい大きさにカットしてお皿へ盛り付ければ“ゴーヤの納豆キムチグラタン”の完成です!
ゴーヤの納豆キムチグラタン9
 熱した事で納豆とキムチの匂いがさらに強烈になりましたので、発酵食品が特にお好きではない方にはきついものがありそうですが、癖のある食べ物が大好きな方でしたらたまらない物があると思います;。
 キムチの赤とゴーヤの緑が見るからに食欲をそそる感じで、一体どんな味がするのかとても楽しみです。
ゴーヤの納豆キムチグラタン10
 それでは、熱々の内にいざ実食!
 いっただっきまーす!
ゴーヤの納豆キムチグラタン11


 さて、感想はといいますと…見た目通りガツンときて元気が湧いてくる一品!スタミナ満点な無国籍料理です。
 茹でたおかげでシャキシャキザキュッと爽やかな食感に仕上がったゴーヤに、ひき割り納豆のあっさりしたコクとキムチの奥深い辛酸っぱさが加わる事によって、猛烈にパンチの効いたおいしさに仕上がっています。
 味噌の熟成された塩気、コチュジャンのピリッとくる甘辛さ、マヨネーズのこってりした油分が一つになって生まれたクリーミーで辛甘い味噌マヨソースは、巧さんの言う通り確かに同じ発酵食品であるキムチと相性抜群で、相乗効果で美味さが何倍にも深まっているのがたまりませんでした。
 グラタン風というよりは「ゴーヤの豪快辛旨グリル~発酵マヨソース添え~」というイメージで、おつまみにぴったりです。
 最初は「見るからに苦そう…」と躊躇しましたが、塩もみしたせいか意外とそこまで苦くなく、茹でた効用でシャッキリ感としなやかさが両立した歯応えになったゴーヤはかなり食べやすく、ちょっとボリュームのあるサラダ感覚でパクパクいけました(←イボの部分を噛み締めた途端、まるでりんごを囓った時みたいにカシュッと瑞々しい水分がにじみ出るのがすごくフレッシュでよかったです)。
 とはいえ、物はゴーヤなのでほろ苦さはどうしてもそこそこは残ってしまうのですが、納豆キムチの強烈な辛旨さや、マヨネーズのまろやかな旨味が丸ごと包み込んで緩和してくれる為、ゴーヤが苦手な方でもとっつきやすそうに感じました。


 てっきり反発するかと思いきや、かえって病みつきになる味で虜になりました。
 おつまみとしてだけではなく、ご飯のおかずとしても優秀ですので、ゴーヤが出回る時期にまた作りたいです。

●出典)『大使閣下の料理人』 原作:西村ミツル 作画:かわすみひろし/講談社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。
※レシピの分量や詳しい内容は、以前こちらでご説明した通り完全非公開に致しております。

Comment

(編集・削除用)
管理者にだけ表示を許可

Trackback

URL
http://luckyclover7.blog27.fc2.com/tb.php/1089-8f0e4032
この記事にトラックバック(FC2Blog User)

プロフィール

Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
 …『銀の匙』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『スイーツ本部長一ノ瀬櫂』
 …『旅のグ(2)月は知っていた』
 …『テルマエ・ロマエ』
 …『土曜日ランチ!』
 …『BAR・レモンハート』
 …『百姓貴族』
 …『ぶたぶた』シリーズ
 …『ベーグル食べない?~幸せカフェごはん~』
 …『飯盛り侍』
 …『夢色パティシエール』


○当ブログについて
 このブログで使用されている記事の画像、一部文章は、それぞれの出版物等から引用しております。
 引用物の著作権は全て作者様、出版社様等に準拠致します。
 もしご関係者様に問題のある画像及び記事がございましたら、御連絡頂ければ速やかに修正、削除等の対処を致します。

○お知らせ
・当ブログでは作品のネタバレを含んだレビューも同時に行なっておりますので、作品を未見の方はご注意をお願いいたします。
・各作品に掲載されているレシピの分量は、例外なく全て非公開にする方針を取っておりますので、ご了承の程をお願いいたします(←この件についてご質問頂いた場合、誠に失礼ながら下記の理由でご返信しない方針にしております)。

※現在、公私の多忙と、再現記事のペース維持を理由に、コメント欄へのご返信が出来ない状態が続いております。
 こういう場合、コメント欄は停止するべきなのかもしれませんが、励ましのお言葉やアドバイスを頂く度、ブログのモチベーションアップや心の支えとなったこと、そして率直なご意見や情報を聞けてとても嬉しかったこともあり、誠に自分勝手ながらこのままコメント欄は継続する事に致しました。
 図々しい姿勢で恐縮ですが、ご返信をこまめに出来なくて余裕がある分、ブログ内容を充実&長期的に続けられるよう力をいれる事で皆様のご厚意にお応えし、感謝の気持ちをお返ししていきたいと考えております。
※ただ、ご質問を頂いた際はなるべくお力になれるよう、すぐご返答できるように対処致します。

 応援して下さる方々に少しでも楽しんでご利用して頂けるよう、沢山の作品に触れるちょっとしたきっかけになれるよう、これまで以上に心掛けていきます。
 恐れ入りますが、よろしくお願い致します。

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

ブロとも申請フォーム

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

Copyright © あんこ