『おいしいオット・ライフ』の“ごはんですよ!ちくわパスタ”を再現!

 小さい頃、冷蔵庫にいつも常備されていたおかず瓶詰は「ごはんですよ!」「なめたけ」「鮭フレーク」「イカの塩辛(ピンク色のタイプ)」の四種類で、内心「ご飯の友四天王」と頼もしく思っていました;。
 そのまま食べてももちろん美味なのですが、イカの塩辛はご飯にのせた所へお湯をかけてお茶漬け風にしても違った感じでよく、母もよく食べていたのを覚えています(←ただ、お湯でクルンと縮んだピンク色のイカはちょっと気持ち悪かったので、当時はあまり見ずにササーッと食べてました;)。

 どうも、ふりかけは「のりたま」「大人のふりかけ」「旅行の友」が三本柱な当管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『おいしいオット・ライフ』にてゆみぞうさんがフードコーディネーターの原田由美子先生から習われていた“ごはんですよ!ちくわパスタ”です!
ごはんですよ!ちくわパスタ図
 漫画『おいしいオット・ライフ』とは、絵日記サイト界の大御所・ゆみぞうさん(御サイト・「絵日記でもかいてみようかMAIDO」は、もう八年以上前から拝見しております;)が、初めて出版された料理系コミックエッセイ本です。
 元々、ゆみぞうさんが白泉社の編集者・ナガイさんと打ち合わせされた際、料理漫画の連載を打診されたのがきっかけで始まった作品だそうで、当初は「私の料理ってすっごい手抜きですけれども…」「最近マンネリだし…」とご謙遜されてあまり乗り気ではないご様子でしたが、ナガイさんはすかさず「いいですね、その設定いただきます」「あ、じゃあお料理の先生に簡単レシピ教わるとか!」とキレのある返答を返されており、「打てば響く反応の速さと、出来る方特有の押しの強さ…確かにこれは断れなさそうですね;」と思わず苦笑しました(←実際かなり有能な方みたいで、作中でゆみぞうさんから「私こんな厚遇受けたの初めてでえええ」と涙ぐまれていました;)。

 一話の基本的な構成は、「ゆみぞうさんとナガイさんがフードコーディネーターの原田由美子先生の元へ料理を習いに行く→撮影をしつつ料理を和気藹々と作る→ゆみぞうさんが率直な感想を話される→ご帰宅された後、同じ料理を作ってオットさんに試食&感想を教えてもらう」というのが一連の流れで、時折ゆみぞうさんならではのユーモア溢れる小ネタがきら星の如く挿入されているのが楽しく、ついニヤニヤしてしまいます。
 大抵の料理本は、目線が女性視点か男性視点かのどちらかに偏っている物が多い気がしますが、こちらはゆみぞうさんの女性ならではの嗜好で述べられる感想だけではなく、オットさんの男性ならではのマイペースでストレートな感想も同時に記載されている為、双方の感想のギャップに読んでいるこちらがドキッとしつつも、非常に勉強になります←あるサラダを食べた時、ゆみぞうさんが「ハムが入っていることによってサラダ感が驚くほど増している…おいしいです!」と興奮されているのに対し、オットさんは「ハムは入れなくていいんじゃない?」とさほどではないご反応で、味の感想は人によって違うのだという事を改めて実感しました;)。

 また、オットさんのご感想は「豆腐がいらないくらいうまい」「パスタの方がもっとおいしいんじゃない?」「ドレッシングの味による」「ふつうにおいしい、パン屋さんの味」「おいしいけど、しょう油かけていい?」など、こちらがヒヤヒヤする程率直なものがほとんどなのですが、それだけに結構的を得た鋭いご意見が多く、アレンジをする際の参考になっています;。
『おいしいオット・ライフ』画像
 作中に出てくるレシピは、ゆみぞうさんが普段ご自宅で作られているお手軽レシピと、フードコーディネーターの原田由美子先生がご紹介される簡単レシピの二種類。
 ゆみぞうさんのお料理は、急いでいる時でも負担にならないギリギリまで余計な部分を削り落とした実践的な定番レシピというイメージで、さすが現役の奥様と感嘆する物ばかり。
 一方、原田由美子先生のお料理は、いつもと同じありふれた材料を使っていて手間もそこまでかからないのに、「こんな美味しさがあるんだ…!」という驚きがあるあっさり系お洒落レシピというイメージで、ベクトルが違うお二方分のレシピを一冊で堪能できるなんて貴重だな~と思わずにはいられません。

 あと、レシピだけではなく、ゆみぞうさんが長年の奥様生活で編み出した洗い物を減らす工夫&臨機応変なアレンジ&下ごしらえを時短化さえる方法が作中で分かりやすく説明されているのも、地味に嬉しいです(←もう何年も料理し続けているのに相変わらず要領が悪い当管理人は、いつも洗い物が多く調理時間も倍かかっている為、本当に助かってますorz)。

 実を言いますと、連載を始める時ナガイさんからは「『ひと手間で脱マンネリ料理!』とかどうです?」と提案されていたようなのですが、ゆみぞうさんは「『ひと手間』って言われると、やる気がなくなるので『手間なし』で…」という名言で却下されていたとの事で、内心深く頷いて同意したものです(←本当に「ひと手間」ならいいんですが、大抵はその「ひと手間」を無駄にしないために他の工程でもちょこちょこ手を加える羽目になり、結果何手間にも膨れ上がるケースが多い為、どうしても疑心を抱いてしまうのです…;)。
ゆみぞうさんにとって一番魅力的な響きは、「手間なし」との事でした;
 今回ご紹介するのは、連載が最終回になった時にゆみぞうさんが作られていた “ごはんですよ!ちくわパスタ”です”!
 作り方は簡単で、塩を入れて沸かした熱湯でパスタを短めに茹で、キャベツを加えたらさっとザルにあげ、あらかじめオリーブオイル・にんにく・鷹の爪・ちくわを炒めておいたフライパンへ投入して混ぜ、最後にパスタの茹で汁と「ごはんですよ!」を足して合わせたら出来上がりです。
 ポイントは、パスタは必ず約一分短くゆでてキャベツは茹で上がる直前にいれてすぐにザルにあげることと、パスタの茹で汁は味付けで使うので全部捨ててしまわないことの二つで、ペペロンチーノ並のお手軽さにびっくりしたものです。

 ご試食されたゆみぞうさんがおっしゃるには、「な…何!?予想と違う味…なのに懐かしい…驚愕のうまさ…」との事で、あまりの衝撃に目を見開いて震えていらっしゃいました;。 
 正直、「ごはんですよ!」を使ったパスタはネット上では少数ながらも既に実在していましたので、類似レシピが他にもあるのでは…と思い調べてみたのですが、ちくわ&ガーリック味の同じ組み合わせはどこにもなく、「原田先生すごいです!」と感動しました。
 と言いますのも、この独特の美味しさはどうやらレシピ通りの組み合わせでないと生まれないからで、後々ゆみぞうさんがご自宅にて再現される時、ちくわではなく笹かまぼこで代用して作られた所全然違う味わいになっていたそうで、「違ったーここはちくわだったあああ!あの味になってないいい!」と激しく後悔されていました;。

 調べた所、「ごはんですよ!」には鰹エキスだけではなく、ホタテエキス、水飴、タマリンド、アミノ酸等が入っているとの事で、いわば様々な旨味成分が凝縮された出汁の塊といえなくもありませんので、確かにこれなら十分ベースになるかも…と感じたのを覚えています。
予想と違うのに懐かしい、驚愕のおいしさだそうで、ゆみぞうさんもびっくりされてました
 「ごはんですよ!」が本当にパスタに合うのか知りたかったので、再現してみる事にしました。
 作中には分量つきの詳細なレシピがきっちり記載されていますので、早速その通りに作ってみようと思います!。


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、炒め作業。ごく弱火に熱したフライパンへ、オリーブオイル、スライスしたにんにく、輪切りにした鷹の爪を入れてじっくり火を通し、香りが立ってきたら食べやすい大きさにカットしたちくわを投入して、中火でさっと炒めます。
 この時、万が一にも焦げてしまわぬよう気を付けます。
ごはんですよ!ちくわパスタ1
ごはんですよ!ちくわパスタ2
 その間、塩を入れて沸かしたたっぷりの熱湯でパスタを約一分短めに茹で、茹で上がる寸前に千切ったキャベツを加えてさっと混ぜ、すかさずザルへあげます(←その際、茹で汁はソース用に少し取っておきます)。
 ※キャベツに火が通りすぎると食感が悪くなりますので、要注意です。
ごはんですよ!ちくわパスタ3
ごはんですよ!ちくわパスタ4
 このキャベツ入りパスタと、パスタの茹で汁を、ちくわが炒まってきたフライパンへ投入し、手早く混ぜ合わせます。
 やがて、パスタにオイルが絡みきったら「ごはんですよ!」を入れ、しっかり和えます(←入れ過ぎても少な過ぎても「あれ?」という仕上がりになりますので、味見しながらがいいかもしれません)。
ごはんですよ!ちくわパスタ5
ごはんですよ!ちくわパスタ6
 パスタ全体に具と「ごはんですよ!」が行き渡ったらすぐに火からおろし、お皿へ盛り付ければ“ごはんですよ!ちくわパスタ”の完成です!
ごはんですよ!ちくわパスタ7
 作る前はもっと「ごはんですよ!」が強烈にアピールしてくる一品になるのでは…と予想していましたが、実際に目の前にすると「ほんのり黒いペペロンチーノ」という感じで、ちょっと拍子抜けしました;。
 ただ、さすがに磯の香りはふわりと漂ってきて「おお!」と感嘆しましたので、味の方は一体どうなのか非常に楽しみです。
ごはんですよ!ちくわパスタ8
 それでは、出来立てほやほやの内にいざ実食!
 いただきま~す。
ごはんですよ!ちくわパスタ9


 さて、感想はといいますと…確かにこれは、想像したどの味とも違う新感覚の乙な美味しさ!ちくわじゃないと出ないソフトな味わいと、パスタへわずかについたとろみに感心です!
 当初はもっと「ごはんですよ!」が主張してきそうなイメージがあったんですが、実際に食べるとむしろ脇役に徹してひっそりしているのに驚きました。
 基本的な味付けは、お店で食べるようなにんにくががっつり効いたピリ辛ペペロンチーノ味なんですが、何度か噛み締めていく内にちょっとずつ海苔特有の磯の風味がふわりと漂って懐かしい甘辛さがほのかに後に残り、飲み込んで少し経つと「もしかして、これはごはんですよ!の味…?」「焼きそば風とおっしゃっていた理由が、分かる気がする…」と、不思議な気持ちになります。
 例えるとするなら「潮風香る和風ペペロンチーノ」という印象で、キャベツの甘みが出た茹で汁のおかげで、普通のペペロンチーノよりも優しい後口になっているのにほんわかしました。
 ただ、パスタやちくわはあまり「ごはんですよ!」味がしないのに対し、唯一キャベツだけはその存在をやや強くアピールしている感じで、これだけ妙に「焼きそばに入っているクタクタで甘辛いキャベツ」みたいな旨さなのが面白かったです。
 ガーリック味が妙に合うシコシコふっくらちくわが美味なのは勿論、ちくわから溶け出た魚肉エキスが全体に染みて不思議な旨味がプラスされているのがまたよかったです。


 ペペロンチーノに飽きた時、目先を変えるのに最適なレシピだと思います。
 もっと磯風味をプラスしたい時は、「ご飯ですよ!」の量を増やすだけで簡単に香りが立ちますのでお手軽ですし、また作りたいな~と思いました。


P.S.
 再現するほど金も道具もない(泣)さん、先日は二回ご質問して下さりありがとうございます。はい、400回以上納豆を練ったものを使ったら、恐らく味は相当に変わってきそうですね;。当管理人はまだ試したことがありませんので、いつか試してみたいな~と思っています。あと、残念ながら山わさびは近所で取り扱っているお店がない為、当分再チャレンジは難しそうです。デパートに行く機会があったら、野菜コーナーをちょっと覗いて確かめてみますね(^^)。


●出典)『おいしいオット・ライフ』 ほしのゆみ/白泉社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。
※レシピの分量や詳しい内容は、以前こちらでご説明した通り完全非公開に致しております。

Comment

(編集・削除用)
管理者にだけ表示を許可

Trackback

URL
http://luckyclover7.blog27.fc2.com/tb.php/1090-3fad7be9
この記事にトラックバック(FC2Blog User)

プロフィール

あんこ

Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
 …『銀の匙』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『スイーツ本部長一ノ瀬櫂』
 …『旅のグ(2)月は知っていた』
 …『テルマエ・ロマエ』
 …『土曜日ランチ!』
 …『BAR・レモンハート』
 …『百姓貴族』
 …『ぶたぶた』シリーズ
 …『ベーグル食べない?~幸せカフェごはん~』
 …『飯盛り侍』
 …『夢色パティシエール』


○当ブログについて
 このブログで使用されている記事の画像、一部文章は、それぞれの出版物等から引用しております。
 引用物の著作権は全て作者様、出版社様等に準拠致します。
 もしご関係者様に問題のある画像及び記事がございましたら、御連絡頂ければ速やかに修正、削除等の対処を致します。

○お知らせ
・当ブログでは作品のネタバレを含んだレビューも同時に行なっておりますので、作品を未見の方はご注意をお願いいたします。
・各作品に掲載されているレシピの分量は、例外なく全て非公開にする方針を取っておりますので、ご了承の程をお願いいたします(←この件についてご質問頂いた場合、誠に失礼ながら下記の理由でご返信しない方針にしております)。

※現在、公私の多忙と、再現記事のペース維持を理由に、コメント欄へのご返信が出来ない状態が続いております。
 こういう場合、コメント欄は停止するべきなのかもしれませんが、励ましのお言葉やアドバイスを頂く度、ブログのモチベーションアップや心の支えとなったこと、そして率直なご意見や情報を聞けてとても嬉しかったこともあり、誠に自分勝手ながらこのままコメント欄は継続する事に致しました。
 図々しい姿勢で恐縮ですが、ご返信をこまめに出来なくて余裕がある分、ブログ内容を充実&長期的に続けられるよう力をいれる事で皆様のご厚意にお応えし、感謝の気持ちをお返ししていきたいと考えております。
※ただ、ご質問を頂いた際はなるべくお力になれるよう、すぐご返答できるように対処致します。

 応援して下さる方々に少しでも楽しんでご利用して頂けるよう、沢山の作品に触れるちょっとしたきっかけになれるよう、これまで以上に心掛けていきます。
 恐れ入りますが、よろしくお願い致します。

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

ブロとも申請フォーム

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

Copyright © あんこ