『華中華』の“アジの開きチャーハン”を再現!

 数か月前、相方さんが八年近く暮らした部屋を引っ越してやや遠い場所へ移った為、近辺に美味しい外食店がないかお互い一から開拓し直しています。
 イタリアンとカレーとラーメンとお寿司はめでたく確保できたのですが、焼き肉と中華とパン屋と居酒屋は未だ「ここ!」といえるようなお店は見つかっておらず、現在は二人とも「前住んでいた所は、比較的外食店が多い地域だったんだな…」と遠い目になっている状態です;。

 どうも、普段は横並びで歩くのに、初めてのお店に入る時だけ相方さんの後ろをついて行くダブルスタンダードな当管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『華中華』にてハナちゃんがチャーハン対決の会合後に上海亭で作っていた“アジの開きチャーハン”です!
『華中華』の“アジの開きチャーハン”図
 前回、元はと言えば銀河楼飯店の有田さんが自店を宣伝する為だけに提案した「横浜中華街チャーハン対決」は、満点大飯店のオーナー・計太郎さんとマダム奈可子さんが音頭をとる事によって47店もの参加が決定し、思いがけず大掛かりな一大イベントにまで発展します。
 そこで、皆が納得する形で対決が行われるよう、ある夜に一旦会合を行う事になるのですが、若干二名(←銀河楼飯店の有田さんと、他支店から引き抜かれてやって来た范料理長。勝負が始まる前から「ベスト5には入らないと左遷だからな」「だったら、その時は有田さんも一緒…一蓮托生ですからね(^ω^#)」と既に負けた時の責任の擦り付け合いや、足の引っ張り合いを行っており、不毛だな~と苦笑しました;)を除き、「うちが一番目立ちたい!」という野心満々な方はおらず、それどころか横浜中華街全体に吹き荒れる不況をどうにかしたいという意識を持つ店主の方が圧倒的に多くて、改めてマダム奈可子さん達はいい機会を作ったなと感心しました。

 その後、議題に挙がったのは「会場はどこにするか」「対決方式はどうするか」「チャーハンの値段はいくら程度にするか」の三つだったんですが、色々意見を交換し合った結果、結局ハナちゃんや島野さんが発案した「会場は、横浜中華街の中央に位置する山下町公園」「対決方式は、47店それぞれで屋台を開き、お客さんが一番好きなお店に投票してもらうB級グルメ大会方式」「チャーハンの値段は、全店共通で三百円」という案にTV局も中華街飲食連合も納得し、無事一段落していました。
 普段は控え目で目立つのが不得手なハナちゃんですが、料理の事になると余計な照れを捨てて堂々と発言するのが頼もしく、もし傍に上海亭のおじいさんとおばあさんがいたとしたら、改めてハナちゃんを上海亭の後継者にしてよかったと目頭が熱くなっただろうな~と感じました(←なお、楊貴妃さんはその頃幽霊仲間と一緒に東京の青山墓地へ遊びに行っていた為、ハナちゃんの雄姿は見れていませんでした;。ちょっと残念です;)。
ハナちゃん案で、公園で屋台を開く形式にし、広場で投票を行うことになります
 ちなみに、チャーハンの値段に関しては有田さんが「おいおい…それじゃあ、三百円チャーハンで評判をとってる上海亭に分があるんじゃないのかぁ…?」と挑発し、満点大飯店と上海亭が結託してる可能性を示唆して揺さぶりをかける一幕もあったのですが、島野さんは少しも動じず「お馬鹿な事言わないでよ!今回のチャーハン対決は横浜中華街の命運がかかってるのよ!」「たとえ三百円のチャーハンであっても、こんなに美味しい…とか、ここまで凄い物が作れるのか…と感動して頂く努力と、工夫をするのが…真の料理人じゃないかしら?」ときっぱり言い切って跳ねのけており、その場は拍手喝采に包まれていました。
 
 こういう大掛かりなグルメイベントだと、出店料や設置費用がかかるせいか一皿当たりの値段が大きく、そのせいか如何に多くのお店が参加していても食べられるのはせいぜい二~三店分くらいで、不完全燃焼のまま投票する…という体験がほとんどなのですが、三百円ならあらかじめ大人数で行って分けあいこすれば結構な数のチャーハンを食べ比べする事が可能になりますし、それによって横浜中華街の新たな魅力を発見出来そうですので、読んでいて「いいな~」と羨ましくなったのを覚えています(←こういう、「現地に来てもらうきっかけ作りの場だから、なるべく複数の料理を食べて頂けるよう尽力する」という姿勢は、B-1グランプリ様がHPで表明している意志と全く同じで好感が持てました)。

 実を言いますと、最初の方では「各店が自分の店で対決用のチャーハンを作って、お客さんに食べに来てもらえばいいんじゃないかな?」「その方が、他の料理も注文してもらえるしな」(←各自負担予定の屋台設置代もいらないという利点もあり)という意見も結構支持されていたのですが、今回の対決の目的が「横浜中華街の活性化」である以上、その案が採用されなくてよかったと思います(←確かにそういうシチュエーションも面白そうですが、それだと対決というより「47店参加のチャーハンフェア」という感じで、各店で自己流に行う分どんどんラフになり、本来の目的がぼやけてしまう危険性があるのでは…と考えました)。
真の料理人に対する気持ちを熱く語る島野さんに、皆心を打たれて拍手します
 こうして翌日、「横浜中華街チャーハン対決」の話し合いがうまくまとまってほっとしたハナちゃんが上海亭でお出ししていたのが、この“アジの開きチャーハン”です!
 作り方は簡単で、たっぷりのゴマ油で揚げ焼きにしてフレーク状にほぐしたアジの開きの身をボウルに入れ、刻みネギ・おろししょうが・醤油で味付けし、基本チャーハンへ加えて炒め混ぜたら出来上がりです。
 ポイントは、アジの開きは両面がこんがりするまでゴマ油で火を通すことと、焼きたての内に骨を取って身をほぐすことの二つで、下処理さえ気を付ければあっという間に用意できるのが魅力的な一皿です(←さっと火を通してしまうのもありですが、骨まで食べられるようじっくり火を通すと栄養価が増すのでおすすめだと、レシピ欄に書かれていました)。

 以上のレシピを見ても、三百円でも無理せず儲けを出せるチャーハンを作り慣れたハナちゃんは有利だな~と改めて思ったのですが、そもそもの提案者である島野さんもそれはちゃんと認識しているらしく、「予算が三百円だと、食材の質より発想と工夫が勝敗の鍵…」「これまで以上に気合を入れなくちゃダメね…」と、慢心するどころか燃えに燃えていました。
 横浜中華街チャーハン対決編は、基本チャーハンからしてハナちゃんと違う作り方をするお店ばかりでとても興味深いので、今から再現が楽しみで仕方がありません(^^)。
アジの開きをフレーク状にしてチャーハンに混ぜ込み、ゴマ油風味に仕上げていました
 ちょっとお高いアジの開きが手に入ったので、再現する事にしました。
 作中には分量つきの詳細なレシピがしっかり記載されていますので、早速その通りに作ってみようと思います!


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、アジの開きの下準備。フライパンへゴマ油を多めに引いて中火に熱したらアジの開きを入れ、両面がこんがりするまで揚げ焼きにします。
 中にまで火が通ったら引き上げ、熱々の内に骨を取りつつ手で身をほぐし、フレーク状にします(←火傷にご注意してください)。
アジの開きチャーハン1
アジの開きチャーハン2
アジの開きチャーハン3
 次は、チャーハン作り。
 ボウルへ先程のアジのフレーク、刻みネギ、おろししょうが、醤油を加えて混ぜてしっかり味付けし、具を用意します。
 この具を、あらかじめフライパン(or中華鍋)で仕上げ直前まで作っておいたハナちゃん流基本チャーハンへ投入し、よく混ぜ合わせます。
アジの開きチャーハン4
アジの開きチャーハン5
アジの開きチャーハン6
 チャーハン全域に具が行き渡ったら火からおろし、そのままお皿へ丸く盛り付ければ“アジの開きチャーハン”の完成です!
アジの開きチャーハン7
 アジの開きとゴマ油の香ばしい匂いがふわりと漂い、食欲を強烈に刺激されます。
 醤油とアジの開きとご飯の組み合わせは鉄板の組み合わせですので、既に食べる前から「美味しいに違いない」とワクワクが止まりません。
アジの開きチャーハン8
 それでは、冷めない内にいざ実食!
 いただきまーすっ!
アジの開きチャーハン9


 さて、感想はといいますと…干物だからこそ出せる奥深い美味しさに脱帽!噛めば噛む程味が出る一品です。
 パッと見はがっつり系に見えるのですが、しょうがのすっきりした風味とシャープな辛味がアジの開きのわずかな臭みや、ごま油の強いコクを包み込んで全体を香り高くまとめあげている為、かなり上品で大人っぽい後口に仕上がっていました。
 アジから出た熟成された塩気を吸ってねこまんま風になったチャーハンは、地味ながらもどこか郷愁を誘う乙な味わいで、いつまでもじっくり噛み締めたくなる魅力があります。
 この薄口しょうが醤油味のチャーハンに、一旦干す事によって旨味がギュッと凝縮され、ホロホロハラリと程よく口の中でほどけていく身が特徴的なアジの開きは抜群の相性で、予想した通りあっさりした純和風な仕上がりに癒されました。
 正直、揚げ焼きにしたら身がガチガチにならないか心配だったんですが実際はそれ程ではなく、揚がった表面はカリカリパリッと香ばしく、内側は半ば蒸し焼きしたみたいにふっくら柔らかくてジューシーと、むしろ違った食感が楽しめてよかったです。
 また、レシピ通りたっぷり入ったネギも、邪魔になるどころかシャキシャキと鮮やかな歯触りが小気味良く、アジとよく合っていてナイスでした。


 アジの開きの皮から身をほじるのは大変そうだと思っていたのですが、いざやってみるとあっけなく取れたのでほっとしました。
 トッピングにゴマをふってみても合いそうなので、今度試してみようと思います。

●出典)『華中華』 原作:西ゆうじ 作画:ひきの真二/小学館
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。
※レシピの分量や詳しい内容は、以前こちらでご説明した通り完全非公開に致しております。

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Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
 …『銀の匙』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
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