『華中華』の“3D黄金チャーハン”を再現!

 当管理人の家のおせちには、毎年何故か伊達巻が用意されなかった為(←最近聞いた所、母が苦手だったというシンプルな理由が原因でした;)、子どもの頃から「どんな味なんだろう…」とずっと気になっていました。
 なので数年前、あるおせちセットを購入した時にやっとその味を確かめたのですが、それまで塩味系の卵焼きばかり食べていたせいか、あまりの甘さに「甘いカステラ…いや、卵味のかまぼこ?」と頭が混乱し、ちょっとしたショックを受けたのを覚えています。
 ただ、あるお宅で手作り伊達巻をご馳走になった時、甘さは控えめなものの素朴でとてもおいしくて、「伊達巻は手作りに限る!」と大して食べていないくせに偉そうに思ったものです;。

 どうも、数の子を食べる時は一粒一粒噛みしめないと気が済まない難儀な性分の当管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『華中華』にて<満点大飯店>の元オーナー・竹三郎さんがある中華料理店で作った“3D黄金チャーハン”です!
3D黄金チャーハン図
 「横浜中華街チャーハン対決」の詳しいルールが話し合いでやっと決まり、後は当日に作る特製チャーハンを考えるだけという段階になった、ある日の事(詳しい前日談はこちら)。
 <上海亭>の開店準備で忙しかったハナちゃんたちの元へ、あるお客さんがやって来ます。
 そのお客さんとは、今回の対決の様子を特番で中継放送する事になっている、テレビ東洋の撮影クルーの方々。
 何でも、「横浜中華街チャーハン対決」が少しでも話題になるよう番宣番組を作る事が決まった際、ディレクターさんが「本番では皆さん、もっと工夫されたチャーハンを出す事になると思いますが…」「横浜中華街は世界一の中華の街だけに、各店の基本チャーハンにも個性があるって事を、番組で紹介しようと思ってます」という判断をして基本チャーハン特集も組まれる事になったのだそうで、その撮影中<満点大飯店>の島野さんから「次はぜひ上海亭を」と推された為に取材班が来たみたいでした。
 「同じ料理に見えても、店によってこういう所が違う!」という比較は『チューボーですよ!』のVTRでもよくありますが、あれは各店の特色が分かりやすくて楽しいので、確かに事前に放送されたら面白そうです。

 普段はTVの取材を断りがちなハナちゃんですが、普段何かとお世話にになっている島野さん直々の推薦とあっては拒否する訳に行かず、快くOKして基本チャーハン作りを始めます(←ただ、カメラがあるせいかかなり緊張しており、いつものような笑顔ではなくやや厳しめの表情で鍋をふるってました;)。
 しかし、基本チャーハンが完成する直前、ディレクターさんが「いや、もう結構です…さっき撮ってきた満点大飯店さんと同じ作り方なので…」という理由で撮影を中止し、早々と撤収してしまいます(←元々、ハナちゃんがお父さんから教わって以来作り続けている基本チャーハンのレシピは、大昔に<満点大飯店>の創業者である竹三郎さんがハナちゃんの実家に伝えた物ですので、全く同じ作り方でも不思議はありません)。
 
 当管理人としては、如何に期待外れでがっかりしたとはいえ、「同じ作り方じゃ、料理人が違っても画を撮る意味がないんだよね」「何で島野さんはここを紹介したんだろ?」と人に聞こえる距離で呟く取材班って如何なものだろう…とそっちの方に気がとられましたが;(←もしかしたら、新人さんで撮影はまだ不慣れだったか、スケジュールが急で焦っていたのかもしれませんので何とも言えませんが)、ハナちゃんの方はその発言を気にするどころか、「島野さんが自分の次にわざわざウチを紹介したのは、この事態をあらかじめ予想していて、店によってチャーハンの作り方は異なると教えたかったのでは」「島野さんが恐らく、他店の基本チャーハンの作り方をきちんと知っておけと私に伝えたかったんだ」と前向きにとらえていて、改めて器の大きさが違うな~と反省しました;。
チャーハン対決を撮る前に、各店の基本チャーハンを紹介する番組を作りだします
 そんなハナちゃんの意を汲んだ楊貴妃さんは、自由に空を飛べる幽霊の身を活かしてディレクターさん達の後を追い、ハナちゃんの代わりに他店の基本チャーハンの作り方を偵察しに行くことにします。
 この時、楊貴妃さんは合計三店の基本チャーハンを特に注目し、後々ハナちゃんへ詳しい作り方を報告します。

 まず、一店目は<大丸菜館>。
 こちらは最初に植物油で卵を軽く炒めて生よりの半熟にし、一旦取り出した後にご飯やネギを入れて味付けして、最後に卵を戻し入れて手早く混ぜるタイプの基本チャーハン。
 口の中で卵が溶けていくような、半熟卵特有のふわっとした食感を大切にしたチャーハンみたいで、楊貴妃さんも「おいしそう!」と思わず身を乗り出していました(←天津飯みたいにトロトロした卵が好きな当管理人も、喉がゴクっと鳴りました;)。
 醤油を入れず、塩とこしょうのみでシンプルな味付けなのも、卵を引きたてるのに一役買ってそうです。

 二店目は、意外にも<銀河楼飯店>。
 こちらはご飯と卵と調味料をあらかじめ混ぜ合わせておき、ラードで一気に炒めてパラパラにした後、具や醤油を投入して完成させるタイプのチャーハン。
 范料理長曰く、「チャーハンはなんといっても、手早く作るのが重要です」との事で、モタモタしていたら卵にご飯が染みすぎて悲惨な事になる為、手を休まず混ぜ続けるのが重要みたいでした(←一瞬、「手間をかけるよりも、早く安く作って回転率を上げよう」という<銀河楼飯店>の経営方針が元でスピード重視になったのかな?という嫌な想像をしてしまいました…orz)。
 うま味調味料を加える事で濃いめの味わいにし、食べた感と満足感を演出したみたいで、これはこれでおいしそうだな~と感じました。
基本チャーハンにも色々あり、ある店はふわふわ玉子式、ある店はたまごかけご飯式でした
 そして三店目は、<凱旋門酒家>。
 実を言いますと、こちらは<満点大飯店>のマダム奈可子さんが推薦した所なのですが、そうでなければ初めから無視されていたのでは…と危ぶまれる程地味な、街外れのあまり繁盛していなさそうなお店で、テレビ東洋の方々も楊貴妃さんも「なんでこの店を紹介したんだろ…」と頭の中がはてなマークでいっぱいになります。
 けれども、厨房の奥から一際目立つ老料理人の姿を見た時、楊貴妃さんは全てのからくりに気づきます。
 それは、付け髭と凝った衣裳で隠されているとはいえ、この料理人の正体は<満点大飯店>の元オーナー・竹三郎さんだとすぐに見破った為;(←ご丁寧に「ロー・サンチク」という胡散臭い偽名まで名乗ってましたが、『クッキングパパ』に出てくるコロッケ大王並に怪しくて、初見時は吹き出したのを覚えています;)。
 
 後々竹三郎さんが楊貴妃さんに語った所によりますと、この<凱旋門酒家>は竹三郎さんの元弟子の方が開いたお店だそうですが、現在は亡くなった元弟子さんの代わりにその息子さんが経営を引き継いでいるとの事。
 が、腕もイマイチで気弱なせいかお店は廃れる一方なのを危惧した奥さんが「軟弱な息子を鍛え直してください!」と直訴しに来た為、修行のやり直しをさせると同時に「横浜中華街チャーハン対決」にも出場させていい成績を収めさせ、お店を再興させようと考えて今回エントリーしたみたいでした。
 どうして変装したかと言いますと、<満点大飯店>の関係者だとバレてややこしい事になるのを避ける為…というのが表向きの理由ですが、実際は急成長しつつある島野さんやハナちゃんと心置きなく戦える事が最大の目的だったようで、活き活きとした目をしてました←どうやら、マダム奈可子さんは引退して以来どこか物足りなさそうな父を心配していたらしく、久々に楽しんでもらいたいと思って出場許可をした模様。バレた時の事を考えるとすごくリスキーですので、真面目なマダム奈可子さんにしては思い切った決断だと思います;)。
なんと、竹三郎さんもかつての弟子の店を救おうと陰ながら参戦!
 その後、竹三郎さんが取材班の方々に調理風景を見せながら手際よく作った基本チャーハンが、この“3D黄金チャーハン”です!
 作り方は簡単で、ハナちゃん流基本チャーハンのレシピ通り作った基本チャーハンを一晩寝かせて翌日に温め直し、その上から日本酒・塩・ホタテパウダーで味付けした卵液の半分を細く垂らして鍋を細かく揺らし、ざっと混ぜた後にもう一度残りの卵液を垂らしながら回りかけて手早く混ぜ合わせたら出来上がりです。
 ポイントは、卵液は一気に入れるのではなく焦らず少しずつ回しながら垂らすことと、その間鍋は常に細かく揺らしてご飯へまんべんなく卵が絡むように気をつけることの二つで、卵を何層にもコーティングする事で旨みを引き出すみたいでした。

 当初は「上海亭と同じレシピじゃ…」「それって…残り物のチャーハンって事ですか?」と一晩置いたチャーハンを不思議そうに見られていましたが、竹三郎さん曰く「チャーハンを冷蔵庫で寝かせる事で…香味油の旨味が米の中まで万遍なく染み込み、同時に塩味がマイルドになるね」「これは単に温め直し、炒め直しじゃないね」のだそうで、乗り気ではなかったディレクターさんを一気に引き込ませていました。
 卵をダブルコーティングさせる技術なら、以前ハナちゃんも“きらきら黄金チャーハン”を作る際に実践しているのですが、こちらの方が卵の量が多くてより黄金度が増してそうな印象を受ける上、「3D」という響きで「こっちの方がより新しい技術なのかな?」というイメージを感じますので、黄金チャーハンで対抗するのは難しいだろうな…と悔しく思ったのを覚えています。

 果たして、(竹三郎さんの事を除いた)一部始終を聞いたハナちゃんはどんな特製チャーハンを生み出すのか…続きは次回で詳しくご紹介したいと思います!
ダブルならぬトリプルコーティングをしたり、前日に作って味を熟成させたチャーハンを温め直したりします
 以前作った“きらきら黄金チャーハン”もおいしかったので、それを超える味とは一体どんな物なのか…と気になって再現する事にしました。
 作中には分量つきの詳細なレシピもきっちり記載されてますので、早速その通りに再現してみようと思います。


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、材料の準備。前日にあらかじめ、ハナちゃん流基本チャーハンのレシピ通りに基本チャーハンを作り、一旦冷ましてから冷蔵庫で一晩寝かせます。
 そして翌日、チャーハンを作る直前にボウルへ卵、日本酒、塩、ホタテパウダーを入れ、しっかり混ぜ合わせておきます。
3D黄金チャーハン3
3D黄金チャーハン1
3D黄金チャーハン2
 次は、チャーハン作り。
 火にかけたフライパン(or中華鍋)へ、先程まで寝かしておいた基本チャーハンを入れて温め直し、フライパンを細かくゆすりながら卵液の半分を高い位置から細い糸状にして垂らしていき、よく混ぜます。
 卵液がご飯に絡みきったら、再度フライパンをゆすりながらもう半分の卵液を垂らしながらさらに混ぜ、たらし終えたらあおりながら炒め合わせます。
3D黄金チャーハン4
3D黄金チャーハン5
 卵液でチャーハン全域がコーティングされたのを確認したら火からおろし、そのままお皿へ丸く盛り付ければ“3D黄金チャーハン”の完成です!
3D黄金チャーハン6
 …うーん、見た目は本当にごく普通のチャーハンで、とりたてていう所が見当たりません;(強いて言うなら、ご飯粒に卵がかなりがっちりと絡みついているのが印象に残りました)。
 ダブルコーティングとどう違うのか、食べて確認してみようと思います!
3D黄金チャーハン7
 それでは、熱々の内にいざ実食!
 いただきま~す!
3D黄金チャーハン8


 さて、感想はといいますと…出来たてとはひと味違った、練れたおいしさで感動!パラパラというよりはふっくらした、卵を堪能できるチャーハンです!
 作中で「香味油の旨味が米の中まで満遍なく染み込み、同時に塩味がマイルドになる」と言われている通り、まるで炊き込みご飯のように米の中心にまで油や醤油の風味が程よい具合に浸透しており、噛めば噛む程味が出てくるのがいいです。
 ちょっとおかしい例えなんですが、大手の評判がいい冷凍チャーハンを温め直したあの感じに似ていて(←両方とも、寝かせるからこそ生まれる味という所が酷似してます)、科学調味料が使われていない分、それよりもずっと自然であっさりした後口なのが特徴的でした。
 ギトギトした脂っこさは一切ないのに、香ばしい油の美味さがふわふわの卵と一緒に口の中一杯に広がっていくのがナイスで、不思議と癒される一品です。
 日本酒の深い香りと、ホタテパウダーのコクが噛むごとに溢れる半熟卵は、ほんわりと優しい口当たりながらもご飯にしっかり張り付いている為、どこを食べてもに卵たっぷりなソフトな口当たりで、卵を贅沢に堪能出来るのがよかったです。
 ただ、強いて難を言うと、何故か後から入れた卵の一部がポソポソした口当たりでいつものしっとり感が半減している点で、これは自分の腕が未熟なせいだなと反省しました。
 個人的に、ダブルコーティングチャーハンは「塩だけで味付けする事により、卵の旨さをギリギリまでシンプルに引き出した王道の黄金チャーハン」ですが、3Dチャーハンは「卵の旨味を際立たせつつ≪チャーハン≫としての完成度も高めた、熟成した仕上がりの黄金風チャーハン」というイメージで、どちらもありだと思います。


 見た目は非常に地味ですが;、味はいつもの基本チャーハンと結構異なるので食べていて面白いです。
 普通のチャーハンとも、ダブルコーティングのチャーハンともまた違った味なのが興味深いので、一食の価値はあると思います。


P.S.
 ☆さん、先日はご指摘いただきありがとうございます。荒岩家の料理対決二回目は、もうすでに行われていたのですね;(←早速、記事の内容を一部変更しました)。今度じっくり読み直そうと思います。詳しい情報を教えてくださった事、心より感謝いたきます。


●出典)『華中華』 原作:西ゆうじ 作画:ひきの真二/小学館
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。
※レシピの分量や詳しい内容は、以前こちらでご説明した通り完全非公開に致しております。

Comment

2015.01.12 Mon 03:24  |  

おそらくこのチャーハンは作るのに結構技術がいるものなんでしょうね
それに、中華の業務用の火力で手早くコーティングするのも重要そうです
なのでロー サンチクさんが作った3Dチャーハンはさぞ美味しかったでしょうねー!
(決してあんこさんの腕前や再現度合いを避難しているわけではありません

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Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
 …『銀の匙』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『スイーツ本部長一ノ瀬櫂』
 …『旅のグ(2)月は知っていた』
 …『テルマエ・ロマエ』
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 …『ベーグル食べない?~幸せカフェごはん~』
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 …『夢色パティシエール』


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