『まかない君』の“オニオンチキンラーメン”を再現!

 昔は、インスタントの麺はやや短めに茹でて強いコシに仕上げるのが好きだったんですが、最近ではむしろ数十秒くらい長く火を通し、もっちりしたのを食べるのが好きになりました;。
 不思議な事に、少しだけ長く煮てもそこまでフニャフニャにならず、むしろ生麺っぽさが増すような感じすらしており、癖になってます(←特に、マルちゃん正麺やラ王袋麺みたいな「まるで生麺!」系インスタントを、さらに生麺っぽくさせるのに絶大な効果を発揮します)。

 どうも、どん兵衛の袋そばにとろろ昆布・刻みネギ・一味唐辛子を合わせるのにハマっている当管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『まかない君』にて浩平君が弥生ちゃんと二人でお留守番している時に作った“オニオンチキンラーメン”です!
トマトジュースのチキンラーメン図
 それは、弥生ちゃん達との同居生活もそろそろ三年目へ突入する頃のお話。
 ある休日、佳乃さんが所用で一人外出する事になった為、浩平君はまたしても弥生ちゃんと二人きりでお留守する事になります。
 とはいえ、佳乃さんは夕方までには帰宅して晩ご飯は家で食べると明言していますので、この時みたいな一触即発の危うい状態になる可能性はかなり低かったのですが、それでも佳乃さんは浩平君のほのかな恋心に勘付いているせいか、半ば冗談で「弥生と二人っきりだからってけしからんことしちゃダメだよ」と際どいジェスチャーをしながら釘を刺してました;。
 正直、浩平君は弥生ちゃんへの複雑な想いを無理に成就させる気はないみたいで、余程の急展開がない限りはプラトニックな片思いのまま終わらせようとしている節がある為、仮にまた夜中に二人きりという事態になったとしても大丈夫だと思うんだけどな~…と苦笑したのを覚えています(←事実、浩平君は少しむうっとしながら「言われなくてもしないよ!」と即座に断言してました;)。
 凜さんといる時の浩平君は「年上のしっかりしたお姉さんを頼りにしている弟」という感じですが、佳乃さんといると「年の近いお茶目な姉とじゃれあっている弟」という印象で、同じようで全く違う姉弟関係の描き分けに感心します。

 幸い、鈍い弥生ちゃんはそんなお二人のやり取りを露とも知らず、「浩平お昼なに!?」と食い気を優先するあまりに突然部屋へ入ったり、「ノックくらいしてよ」「はい、ノックノック」(←ふざけて頭を軽くコンコンしてます;)「…じゃお昼は抜きってことで」「ごめん!謝るからお昼作って!いたいのいたいのとんでけー」という漫才みたいなやり取りをしたりと大学生同士の従姉妹というよりはまるで高校生のお兄ちゃんと小学生の妹というイメージで、改めて「あの日は本当に奇跡が重なったんだな…」としみじみ思いました;。
 それにしても、好きな女の子と自分の部屋で二人きり&至近距離で頭をナデナデされるというかなりおいしい展開なのに、照れ笑いしつつも軽く流してお昼の話が出来る浩平君の鋼の自制心には、いつもながら感心させられます;(←心の防御力を計測したら、少なくとも呂布くらいのレベルに到達してそうです)。
いつも通り浩平君をからかった弥生ちゃんでしたが、お昼を人質にとられ慌てて謝ってました;
 その後、浩平君が賞味期限が過ぎる直前のチキンラーメンで作ったお昼ご飯が、この“オニオンチキンラーメン”です!
 作り方はすごくお手軽で、オリーブオイルをひいて熱した小鍋へ玉ネギ・ベーコン・トマトジュース・お水を入れて炒め煮し、沸騰したらチキンラーメンを入れて袋に書いてある時間通り火を通して器へ移し、最後にとろけるスライスチーズと冷凍パセリを乗せたら出来上がりです。
 ポイントは、玉ネギは色づくまでややしっかりめに炒めることと、トマトジュースとお水の割合は単行本に載っている通りに調節することの二つで、簡単に見えて所々に細かいこだわりが見えるのが如何にも浩平君らしいな~と感じました。

 初めは「トマトジュースでインスタントラーメンを…!」とちょっと衝撃でしたが、浩平君曰く「缶詰のトマトが液体になったものと考えれば料理に使ってもおかしくはないよね」との事で、妙に納得したものです。
 作者の西川魯介先生がおっしゃるには「おいしいトマトシチューのような味わいです」だそうで、トマトジュース抜きで作るとかえって少ししつこい味になったと作中で表現されていました。
 また、このレシピはチキンラーメンではなくサッポロ一番塩味で作るとまた違った美味しさになるとも書かれており、好奇心を刺激されたのを覚えています(←何でも、チキンラーメンはトマトジュースと合わせると香りが薄まるのに対し、サッポロ一番塩味はスープの個性がきちんと残るらしいです)。

 調べた所、トマトに含まれる強烈な旨味成分・グルタミン酸は、インスタントラーメンのスープに含まれるイノシン酸と非常に相性がよく、合わせると旨味がさらに倍増するとの事でしたので、見た目の奇抜さに反し、とても理にかなった組み合わせで面白いな~と思ったものです。
確かに、トマトジュースはイタリア版出汁といえなくもありませんので、何の不思議もありません
 完成後、実食した弥生ちゃんは「おいひー!」「濃厚なのにさっぱりしてるのはトマトのせいかなぁ」と喜びながら食べており、浩平君はその横顔を微笑みながら眺めていました(←料理を美味しいと言ってもらえるのは誰からでも嬉しいものですが、浩平君にとって一番嬉しいのは、やはり弥生ちゃんなんだな~というのが伝わってきます^^)。

 その後、三時になった時弥生ちゃんは「おやつはあたしが作るよ!」「クラッカーのマシュマロサンド!」と言って台所に立つのですが、念の為浩平君が後ろで見守っていると、案の定フォークに刺して炙っていたマシュマロをうっかり炎上させてしまい、結局浩平君が代わりに作る事に;。
 しかし、浩平君がマシュマロを炙ってクラッカーで挟む→お皿へ置く→弥生ちゃんが食べるというのが何回か続いた為おやつは一向に出来上がらず、遂に浩平君は「こら!作るそばから食べてったらいつまでたってもお茶出来ないじゃないかっ!」と怒っていました;(←浩平君は「おかげで餌を与える親鳥気分を満喫したよ」と言ってましたが、傍から見ているとわんこマシュマロサンドという感じで、弥生ちゃんがひょいパクひょいパクと食べるごとに内心「はいどんどん!」「はいじゃんじゃん!」とかけ声をかけながら読んでました;)。

 しかし、最終的には弥生ちゃんからの「食べさせてあげるから、あーんしな」という甘い誘いにあらがえず(←この時あの時と同じく、魅惑的なシチュエーション。もっとも、弥生ちゃんは一切計算せず素で行っている為、末恐ろしいな~と感じます;)、結局浩平君までクラッカーのマシュマロサンドをあ~んとつまみ食いさせてもらい、思わずテレッとしていました。
 …が、その一部始終はいつの間にか戻って来ていた佳乃さんにはっきりと目撃されおり、背後から「見ーたーぞー(ニヤニヤ)」と突っ込まれた浩平君は、気の毒な事に派手にせき込みます;。
 恐らく、三年目もこんな風にほのぼのとした空気で同居生活は続いて行くんだろうな~と思った回でした。
午後三時にお茶会しようとしてお菓子を作る物の、弥生ちゃんが全部食べます;
 チキンラーメンとペットボトル入りのトマトジュースが近所のスーパーで安く売られていたので、再現する事にしました。
 作中には詳細なレシピがきっちり記載されていますので、早速その通りに作ってみようと思います!


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、スープ作り。オリーブオイルをひいて熱した小鍋へスライスした玉ネギを入れ、ほのかなきつね色に色づいてくるまで炒めます。
 段々しんなりしてきたら、拍子切りにしたベーコンを加えてこんがりするまでよく炒め合わせ、そこへトマトジュースとお水を投入してコトコト煮ます(←詳しい割合は単行本に載ってます)。
トマトジュースのチキンラーメン1
トマトジュースのチキンラーメン2
トマトジュースのチキンラーメン3
 やがて沸騰してきたら、チキンラーメンを入れて袋に書いてある時間通り煮込み、麺を粉々にしないよう気を付けつつ、徐々に優しく麺をほぐしていきます。
 時間が経って煮えたら火からおろして具ごとラーメン丼へ移し、その上へすかさずとろけるスライスチーズを乗せてとろけさせます。
トマトジュースのチキンラーメン4
トマトジュースのチキンラーメン5
 とろけるチーズを乗せたらすぐに刻んだ冷凍パセリを散らし、そのまま急いでテーブルへ運べば“オニオンチキンラーメン”の完成です!
トマトジュースのチキンラーメン6
 チキンラーメンのスープから漂うあの濃いチキンの香りよりも、トマトスープの香りの方が圧倒的に強く、出来た時は驚きました;。
 とはいえ、チーズのとろけ具合もツルツルそうな麺も見るからにおいしそうでしたので、これは味が楽しみです!
トマトジュースのチキンラーメン7
 それでは、麺がのびない内にいざ実食!
 いっただっきまーす!
トマトジュースのチキンラーメン8


 さて、感想はと言いますと…水で作ったチキンラーメンとはガラッと印象が変わっていてびっくり!インスタント感があまりしない麺料理です!
 一口食べて思ったのは、「トマト味のラーメンというより、トマトソースをかけた極細で柔らかめのスープ・パスタみたい」という、何とも頼りない感想;。
 ただ、ベーコンのこってりしたコク、チキンスープのしっかりした旨味、トマトジュースの甘酸っぱい出汁が効いたジャンクな甘辛トマト味はこのペラペラの麺にぴったりで、例えるとするなら「チキンナポリタン」というイメージでした(←ヤワヤワなのに、どことなくコシがある麺という点でもそっくりです)。
 溶ける直前までトロトロにとろけたチーズが、まるでしゃぶもちのようにべっとりと麺に絡んで一体化し、ちょうどいいこってりしたアクセントをプラスしているのがいい感じで、それがアマトリチャーナの味付けにやや似ているのもあり、さらにパスタっぽさが強調されていました。
 長めに炒めた玉ネギから出た奥深い甘味と、香ばしい風味がスープ全体をより濃厚にさせており、麺ではなくパンを入れて食べたら「トマト仕立てのオニオングラタンスープ」ともいうべき一品になりそうです。
 ただ、弥生ちゃんの言う通り、トマトのさっぱりした酸味のせいか後口は結構あっさりしていて、見た目によらず軽い感覚で食べられました。
 意外にも、チキンラーメンの濃いチキン味と香りはトマトスープの影に完全に隠れ、スープの材料の一つという感じにしかなっていないのになかなか衝撃を受けました。


 チキンラーメンとトマトスープの相性の良さに驚き、他にもいろいろ試してみたくなりました。
 今度は、サッポロ一番塩ラーメンでも試してみようと思います!

●出典)『まかない君』 西川魯介/白泉社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。
※レシピの分量や詳しい内容は、以前こちらでご説明した通り完全非公開に致しております。

Comment

(編集・削除用)
管理者にだけ表示を許可

Trackback

URL
http://luckyclover7.blog27.fc2.com/tb.php/1107-f9990ba7
この記事にトラックバック(FC2Blog User)

プロフィール

Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
 …『銀の匙』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『スイーツ本部長一ノ瀬櫂』
 …『旅のグ(2)月は知っていた』
 …『テルマエ・ロマエ』
 …『土曜日ランチ!』
 …『BAR・レモンハート』
 …『百姓貴族』
 …『ぶたぶた』シリーズ
 …『ベーグル食べない?~幸せカフェごはん~』
 …『飯盛り侍』
 …『夢色パティシエール』


○当ブログについて
 このブログで使用されている記事の画像、一部文章は、それぞれの出版物等から引用しております。
 引用物の著作権は全て作者様、出版社様等に準拠致します。
 もしご関係者様に問題のある画像及び記事がございましたら、御連絡頂ければ速やかに修正、削除等の対処を致します。

○お知らせ
・当ブログでは作品のネタバレを含んだレビューも同時に行なっておりますので、作品を未見の方はご注意をお願いいたします。
・各作品に掲載されているレシピの分量は、例外なく全て非公開にする方針を取っておりますので、ご了承の程をお願いいたします(←この件についてご質問頂いた場合、誠に失礼ながら下記の理由でご返信しない方針にしております)。

※現在、公私の多忙と、再現記事のペース維持を理由に、コメント欄へのご返信が出来ない状態が続いております。
 こういう場合、コメント欄は停止するべきなのかもしれませんが、励ましのお言葉やアドバイスを頂く度、ブログのモチベーションアップや心の支えとなったこと、そして率直なご意見や情報を聞けてとても嬉しかったこともあり、誠に自分勝手ながらこのままコメント欄は継続する事に致しました。
 図々しい姿勢で恐縮ですが、ご返信をこまめに出来なくて余裕がある分、ブログ内容を充実&長期的に続けられるよう力をいれる事で皆様のご厚意にお応えし、感謝の気持ちをお返ししていきたいと考えております。
※ただ、ご質問を頂いた際はなるべくお力になれるよう、すぐご返答できるように対処致します。

 応援して下さる方々に少しでも楽しんでご利用して頂けるよう、沢山の作品に触れるちょっとしたきっかけになれるよう、これまで以上に心掛けていきます。
 恐れ入りますが、よろしくお願い致します。

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

ブロとも申請フォーム

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

Copyright © あんこ