『華中華』の“牛肉と宝石野菜チャーハン”を再現!

 それは、約十年前、当管理人が高校を卒業する直前のこと。
 先生に遅れた提出物を渡しに職員室へ行った時、入口の前でちょっと派手めな同級生女子二人組が会話しているのが聞こえてきたのですが、その際彼女たちは「にしても、もう卒業やねー」「ねー、早過ぎ」「でも、高校出たらずっと好きに服着れてよくない?」「あ~ね~。でもさ、校則やぶって着るからよかったって感じない?」「あー、分かる!それメッチャある!反抗して着るから意味があったみたいな!」「やろ~!?」(←昔の事なので、詳しい部分はうろ覚えです;)と非常に盛り上がっており、衝撃を受けた記憶があります。
 ガチガチに真面目だった当時は、「だから制服に手を加えていたのか…」と自分にない発想に一種の感動すら覚えたものでしたが、今となっては「職員室の前でよくそういう本音を大声で暴露したな~;」とそちらの方に苦笑しています。

 どうも、スクールカースト的には明らかに下層(←いじめはなかったものの、口下手で内気でとろい生徒でしたorz)だった当ブログの管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『華中華』にて銀河楼飯店の范料理長が屋台で出していた“牛肉と宝石野菜チャーハン”です!
牛肉と宝石野菜チャーハン図
 前回前々回ご紹介した通り、上海亭と満点大飯店、そして他の出店者の方々は正々堂々と勝負を挑んでいましたが、銀河楼飯店サイド(←というより、正確に言うなら有田さんサイド;)は「横浜中華街チャーハン対決」が行われる前日までハナちゃんの後をつけて盗撮し、どんなチャーハンを作るのか探って自分も真似してやろうという相変わらずセコイい発想で奔走しており、相方の范料理長から呆れられています;。
 実際は、フェアプレーを信条とするハナちゃんと島野さんは対決前に己が作るチャーハンについて教え合った事は一度もなかったのですが、遠くからこっそり偵察していた有田さんは読唇術の技術がなかった為、そんな事を知る由もありません;。
 身近にいたら非常に厄介ですが、こういう「普通に戦っていたら勝つかもしれないのに、あえて卑怯な手段を使って墓穴を掘る敵キャラ」は、『ミスター味っ子』以来脈々と受け継がれている古典的な敵キャラのモデルケースでもありますので、読んでいると「ああ、『水戸黄門』に登場する悪代官の如く安定感のあるキャラだな~」と妙な安心感を抱きます;。

 その後、ハナちゃんがたまたま夫・康彦さんから大量に野菜をもらったタイミングで島野さんと話しているのを目撃した有田さんは、「島野と華子は、お互いに野菜のチャーハンにしようと談合してたんだ」と早合点し、范料理長へ「女性好みのヘルシーな野菜のチャーハンで行くぞ!」と一方的に命令しており、「それってパクリじゃないですか!?」とドン引きされていました;。
 本心では調理場で大会用の新レシピを考えるのに集中したかったはずなのに、包丁を触るどころかこういうスパイ紛いの行動に巻きこまれ、最悪のコンディションで対決に出ざるを得なかった良識人の范料理長に、激しく同情してしまいます。

 有田さんとしては、過去に店長→店長代理→店長代理見習いへと順調に降格されるという失態を起こしていましたので、それを挽回しようと必死だったのかもしれませんが(←というより、これ以上はもう降格のしようがない為、下手したら次はクビの可能性も濃厚ですが;)、そういう時「こうなったら真正面から勝負してやる!」と腹を据えるのではなく、バレたら訴えられかねない犯罪スレスレな行動で挽回しようとするのを見ていると、ある意味懲りないというのは一種の才能なのかな~と感心する事しきりです;。
 初めて読んだ時、「初めは凄そうに見えたのに、あっという間に外道キャラへ転落していくこの堕ち方…どこかで見たような…」とデジャヴを感じたのですが、後に『中華一番!』のこの方と同じだと気づき、すぐに合点がいったのを覚えています。
こっそりハナちゃんと島野さんをつけて盗撮した有田さん達は、野菜中心のチャーハンと勘違い!
 しかし、いざ「横浜中華街チャーハン対決」が始まってみると、ハナちゃんも島野さんも屋台で出したのは野菜ではなくお肉が主役のチャーハンで、それを目の当たりにした有田さんは「クソ~、まんまと騙されてしまったぞ」「島野と華子が野菜を使うと見せかけたのを、素直に信じてしまった」と悔しがります(※ハナちゃんも島野さんも、何も企んでいません;)。
 実を言いますと、この時点で銀河楼飯店が出していたのは飾り切りにした野菜をたっぷり入れた“宝石野菜チャーハン”だったのですが、有田さんは「奴らが肉を使って人気なら、ウチも牛肉を加えて…そうすりゃ、客は一気にこちらになびく…」と画策し、どさくさに紛れて「儲けを度外視して材料を増やさない」という大会規則を「元々は入れる予定で、途中でバージョンアップしただけ」と巧妙に破り、密かに追加購入した牛肉を范料理長へ渡して新しいチャーハンを作らせます。

 その際、范料理長が急な変更にもめげず必死に考え出して用意したのが、この“牛肉と宝石野菜チャーハン”です!
 作り方は結構簡単で、ダイス状に切った牛バラ肉へキウイ・醤油・胡椒・お酒・ゴマ油をかけてしっかり揉み合わせた物を、ハートや星などの形に型抜きした玉ネギ・にんじん・赤パプリカ・黄色パプリカと一緒に炒め、最後に基本チャーハンと混ぜたら出来上がりです。
 ポイントは、キウイは肉と合わせて長時間放置しないことと(←肉の繊維がボロボロになって旨みが逃げます)、野菜はヘナヘナにならないよう炒めすぎに気を付けることの二つで、下ごしらえさえ済めば後は手早く用意出来るのがいいな~と感じました。

 有田さんは出来る限り材料費を抑えようとした為、輸入物の固い牛肉しか手配できなかったそうですが、范料理長はキウイが持つ強力なタンパク質分解酵素・アクチニジンを利用して短時間で柔らかい肉質へと変化させて調理しており、感心しました。
 調べた所、牛肉にキウイを漬け込むという手法は洋食業界では有名な手法らしく、主にステーキ肉に使われるケースが多いとの事でした(←もしかしたら、范料理長は昔洋食の世界にいたのかもしれません)。
 こうするとお肉がスプーンで切れるほど柔らかくなる上、フルーツ特有の爽やかな風味が臭みを消すのに役立つのだそうで、勉強になりました。
タンパク質分解酵素を持つキウイを揉みこみ、牛肉を極上のやわらかさに仕上げます
 幸い、このスレスレの綱渡りは運営側にグレーと判断されて失格にはならず(←もっとも、「ブースに立つのは四人だけ」という決まりを破って客寄せをした為、ペナルティーとして100ポイントも減点されてしまってましたが;)、300円という安さなのにお肉も野菜もたっぷりというお得感がお客さんから大うけし、銀河楼飯店の屋台は大繁盛します。
 正直、輸入物の牛バラ肉はステーキ肉として最適とは言いにくい部位ですので、有田さんの「高級牛肉のステーキダイス」という表現は詐欺ではないかと内心苦笑いしましたが、皮肉にも范料理長が施した下ごしらえが的確だったおかげで、最後までバレる事はありませんでした;。
 まあ、お客さんの方も散々悪い噂を聞いた後ですので、「あの銀河楼飯店だから、誇大広告かもしれないけど…美味しいならいっか!」と半ば納得しているかもしれません;。

 しかし、そこまでして危ない橋を渡ったにも関わらず、范料理長は心のどこかで焦っていたらしく、「長時間炒め物や煮物をして放置すると、すぐに酸化して錆が出る」という中華鍋最大の注意点を忘れて具を鉄錆臭くさせ、お客さんから苦情が殺到して全員へ全額返金するという失態をおかしていましたので、やっぱり悪いことは出来ないな~と感じました(´・ω・`)。

 こうして、混戦模様のまま一日目は終了し、最終日である二日目突入した「横浜中華街チャーハン対決」ですが、翌朝思わぬトラブルが発生したせいで勝負の行方はますます分からなくなってきます…。
 果たして、「横浜中華街チャーハン対決」で一位の栄冠を手にするのは誰なのか…次回は、その一部始終をご紹介しようと思います!
有田店長に急かされて下ごしらえがおろそかになり、錆の味が具全体に移ってしまいます
 安い代わりに固い輸入物の牛バラ肉でも柔らかくなるキウイのパワーを実感してみたくて、再現する事にしました。
 作中には分量つきの詳細なレシピがきっちり記載されていますので、早速その通りに作ってみようと思います!


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、牛肉の下ごしらえ。牛バラ肉の塊をやや小さめの一口大に切ってボウルへ入れ、刻んだキウイ、醤油、胡椒、お酒、ゴマ油を加えてよく揉みこみます。
 全体に調味料がしっかり染みたら冷蔵庫にしまい、三十分程度漬け込みます。
 ※一時間くらいの誤差なら大丈夫ですが、それ以上放置すると、お肉はボロボロになって旨みが逃げてしまうと作中で説明されていましたので要注意です!
牛肉と宝石野菜チャーハン1
牛肉と宝石野菜チャーハン2
 次は、基本チャーハン作り(←いつもはハナちゃんや満点大飯店のレシピで作りますが、今回は銀河楼飯店流の基本チャーハンレシピで作ります)。
 ボウルへご飯、溶き卵、塩、こしょう、うま味調味料を加えてなるべく均一になるよう混ぜ合わせ、あらかじめラードを溶かしておいた熱いフライパン(又は中華鍋)に入れて一気に炒めます。
 全体がパラッとしてきたら、刻みネギと醤油を投入して更に混ぜ、手早く炒め合わせたら準備完了です。
牛肉と宝石野菜チャーハン4
牛肉と宝石野菜チャーハン5
 その間、具の用意。
 下味がついた牛バラ肉を漬け汁ごと熱したフライパンへ入れ、全面に火が通るまでこんがり焼け上げます。
 段々色が変わってきたら、ハート・星・ダイヤなどの形になるよう型抜きした玉ネギ、にんじん、赤パプリカ、黄色パプリカを投入し、ざっと炒めます。
 ※玉ネギやにんじんの方が火が通るのが遅いので、パプリカ系は少しずらして入れた方がいいです。
牛肉と宝石野菜チャーハン6
牛肉と宝石野菜チャーハン7
牛肉と宝石野菜チャーハン8
 パプリカの表面に油がなじんで来たら小さい輪切りにした長ネギを加え、さらに炒め合わせます(←この頃になると、漬け汁は蒸発しきって具に染み渡っていますが、念の為塩加減がちょうどいいか確認した方がいいです)。
 これで、具は出来上がりです。
 ここまできたら、後は仕上げ作業のみ。
 先程作っておいた基本チャーハンが入ったフライパンへ出来立ての具を投入し、よーく混ぜ合わせます。
牛肉と宝石野菜チャーハン9
牛肉と宝石野菜チャーハン10
 基本チャーハン全域に具が混ざりきったらすぐに火からおろし、お皿へ丸い形になるよう盛り付ければ“牛肉と宝石野菜チャーハン”の完成です!
牛肉と宝石野菜チャーハン11
 ハートや星の形に切ったおかげで見た目に変化があって面白く、表面も油によってツヤツヤに輝いている野菜が見るからに食欲をそそる感じで、大人だけではなくお子さんにも受けがよさそうです。
 香りもキウイが入っているせいか、どことなく爽やかなのが嬉しく、これは味の方も期待が持てそうです。
牛肉と宝石野菜チャーハン12
 それでは、熱い内にいざ実食!
 いっただっきまーすっ!
牛肉と宝石野菜チャーハン13


 さて、感想はといいますと…その名通り宝石箱のような美味しさで美味し!キウイパワーすごいです!
 フルーツで下味をつけたら甘ったるくなりそうで怖かったのですが、あくまでも「ほんのり甘辛い」程度の自然かつ控え目な甘さで、果肉を使用したからこそ出る爽やかな風味と、フルーティなのにあっさりした後口がナイスでした。
 牛肉の味付けは、さっぱり薄口仕立ての焼き肉のタレ味という印象ですが、ちゃんと噛み応えを残しつつホロホロとほぐれる柔らかな肉質はまるで煮込んだかのような仕上がりで、不思議なおいしさです。
 キウイの甘やかな果汁が全体に効いたチャーハンは、中華な見た目に反してかなり南国チックな出来栄えで、例えるとするなら「トロピカル焼き肉チャーハン」というイメージでした。
 パプリカのシャキシャキ感や瑞々しい汁気、にんじんのサクサクと小気味良い歯触り、玉ネギのシャクッとした甘味を噛み締めた途端、口の中が一気に華やぐのがとてもよく、野菜も牛肉に負けないくらい濃い旨味があるのだな~としみじみします。
 また、キウイの種の軽く砕けるサクサクパリッとした食感が意外にもいいアクセントになっており、満足でした。
 基本チャーハン自体は科学調味料やラードでややこってり系の味わいで、卵のパサつきが若干気になる仕上がりでしたが、牛肉や野菜のエキスが溶け込んだ炒め汁が絡んだせいか卵にしっとり感が戻り、味もあっさり感が出た上に深みも出て、ワンランク上の味へ変化したのがよかったです。


 鉄製の中華鍋ではなく、テフロン加工したフライパンで作ればまず失敗はありませんので、いろんな方におすすめしたいレシピです。
 但し、キウイに漬けるとお肉はすぐに柔らかくなりますが、効果が絶大なゆえに長時間漬け過ぎると繊維がボロボロになって肉汁が逃げてしまうますので、そこは気を付けた方がいいと思いました。

●出典)『華中華』 原作:西ゆうじ 作画:ひきの真二/小学館
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。
※レシピの分量や詳しい内容は、以前こちらでご説明した通り完全非公開に致しております。

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Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
 …『銀の匙』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『スイーツ本部長一ノ瀬櫂』
 …『旅のグ(2)月は知っていた』
 …『テルマエ・ロマエ』
 …『土曜日ランチ!』
 …『BAR・レモンハート』
 …『百姓貴族』
 …『ぶたぶた』シリーズ
 …『ベーグル食べない?~幸せカフェごはん~』
 …『飯盛り侍』
 …『夢色パティシエール』


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