『澤飯家のごはんは息子の光がつくっている。』の“澤飯家特製お好み焼き”を再現!

 高校時代、マンフレート・リヒトホーフェンことレッドバロンに関係する小説を読んで以来、その頃の空戦で使われていた戦闘機に興味を抱いています(ちなみに、こちらの小説です。『ジャングルの王者ターちゃん』のようにギャグとシリアスが入り混じった作品ですが、第一次世界大戦末期の悲惨さ、リヒトホーフェン兄弟の魅力、そして空と飛行機に心奪われた罪深くも憎めない空軍パイロットたちを描ききった名作だと思います)。
 中でも好きな機体は、どことなくポップなデザインでかわいらしいニューポール11ニューポール17、「パップ(子犬)」という名前に相応しい快活な愛らしさを感じさせるソッピース・パップ、「リヒトホーフェン・サーカス」と恐れられていた頃のレッドバロンの愛機・アルバトロスD.III、癖のある機体ながらもこの上ない俊敏さを誇ったソッピース・キャメルで、いつかガンプラの隣に模型を飾れたらな~と夢見てます(←スペースがもう飽和状態で、とてもじゃないですが飾れませんorz)。

 どうも、ガンダムに興味を持った理由の一つは、シャアのモデルとなった人物がリヒトホーフェンだったからという不純な動機を持つ当管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『澤飯家のごはんは息子の光がつくっている。』にて光君が昔お母さんに作ってもらった“澤飯家特製お好み焼き”です!
澤飯家特製お好み焼き図
 それは、光君がまだ小学生でお母さんが生きていた頃のお話。
 大阪出身のお母さんは、地元で慣れ親しんできたお好み焼きやたこ焼きを家でも定期的に作っていたそうで、その日もテーブルにホットプレートを用意して目の前で焼きだします(←子どもの頃は自分が料理するのも、間近で見ることも「危ないから」と許されなかった為、こういう一部始終が見れて手伝いもできる参加型の夕食は、ワクワクしたのを覚えています;)。
 どうやらお母さんが得意だったのはモダン焼きだったみたいで、この時も麺→生地→豚バラ肉の順に重ねて焼いたスタンダードなモダン焼きを焼いていたのですが、一口食べた光君は「お母ちゃんー、これ硬くて食べられへんやん」と苦い顔になります。

 調べた所、例外もあるのですが、関西でも広島でもお好み焼きに合わせる焼きそば麺はやや焦がしてカチカチにする焼き方・「麺パリ」が美味とされる方が多いらしく(←個人的に、広島の方がその比率が大きい気がしました)、光君のお母さんも「えー、それがいいんやけどアカン?」と疑問だった様子。
 当管理人は普段、そばを使わないお好み焼きばかり食べているので実物は分からないのですが、「麺パリ」を食べられた方の感想を見ていると、半ば油で揚げ焼きにしてパリパリにした表面・もちもちした内側が特徴らしく、「何だか固焼きそばに似ていて、美味しそうだな~」と感じたのを覚えています。

 ただ、子どもは固い食感の物よりも口当たりが優しい物の方にどうしても惹かれがちですので、光君が拒否感を感じるのも無理ないのかな?と苦笑しました(←当管理人も、今でこそ好きですが、かりんとうや固パン系の手強い歯応えのお菓子が苦手でしたし;)。
モダン焼きのそばが焦げてカチカチな所が食べられず、閉口する幼き日の光君モダン焼きは、焼きそばと生地と豚の三層ですが、澤飯家は違うみたいです
 その際、お母さんが光君においしく食べてもらう為に機転を利かせて作ったのが、この“澤飯家特製お好み焼き”です!
 作り方は簡単で、ボウルへ小麦粉・粉末だし・お水・山芋を入れて混ぜた所にキャベツ・焼きそば麺・生卵・紅しょうが・天かす・ツナ・コーンを投入してざっくり合わせ、ホットプレート(又はフライパン)に流し込んで上に豚バラを並べ、両面を焼いたら出来上がりです。
 ポイントは、具を加えてからは混ぜすぎず軽く合わせるだけに留めること、焼きそば麺は食べやすいよう刻んでから入れること、生地はコテなどでギュッと押さえずふんわり焼くことの三つで、ほんのひと手間で目先が変わったのに感心しました。

 ツナとコーンの組み合わせはもんじゃではよく見かけますが、お好み焼きではあまり見ない具ですので、初見時は意外に感じた記憶があります(←今は、ツナの出汁が生地に一味違った旨みをプラスしていい感じになりそう…と予想してます)。
 元々、焼きそば麺を刻んで混ぜ込んだのは「カチカチに固くさせない為」、ツナとコーンを入れたのは「光が好きだから」という理由だったそうなのですが、小さくなった焼きそば麺が生地に予想だにしないモチモチ感を出したようで、後に成長した光君が家族に作った時も好評でした。
 個人的に、「そのままだったら食べにくい→じゃあ、刻んで混ぜたらどうだ!?」という発想は、どこかそばめしに通じるものがあり、意外とイケるかも…と思ったものです。
光君が好きだからという理由で、ツナとコーンも生地に加えて混ぜ込んでいました。麺はそのまま重ねず、刻んでから生地にざっくり入れるという大胆な発想をします
 幸い、光君の口に“澤飯家特製お好み焼き”は合って「おいしい!!これなら食べられるで」と喜んでおり、お母さんはほっとします。
 元気だった頃は料理教室を開き、基本的には関西の家庭料理を教えていたお母さんですが、かつての生徒さん曰く「お母さんの料理には柔軟性がある」「伝統も大事だけど、<子供が喜んでくれるなら、茶碗蒸しにたこ焼き入れたっていいじゃない♪>ってスタンス」だったようで、こういうとっさのアレンジができる人こそ真の料理上手なんだろうな~と感じました。

 なお、実を言いますとお父さんは「父ちゃんは麺カチカチのモダンが好きさー」(←東京出身ですが、料理上手な妻の影響ですっかり関西寄りの味覚になっていました;)というタイプだったのですが、それからは家で作る場合に限り、何故か“澤飯家特製お好み焼き”の方をに食べるようになっていました。
 まだまだカチカチ麺が苦手な光君を想っての事でもあるかもしれませんが、もしかしたら、母の顔と料理をごくわずかにしか覚えていない幼い娘・瑞穂ちゃんに出来るだけ母の味を伝えたいからかな…と想像し、胸がつまったものです。
これなら食べられると大喜びした光君に、お母さんはほっとしていました
 先日、キャベツが安売りされていましたので再現する事にしました。
 一巻の作中には大体の作り方、二巻の巻末には分量つきの基本レシピが記載されていましたので、それらを参考に早速作ってみようと思います!


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、タネの用意。ボウルへ小麦粉と粉末だしとお水を入れてよく混ぜ、全体がしっかり合わさったらすりおろした山芋を加え、ふっくら軽く混ぜ合わせます(←冷蔵庫で一~二時間ほど寝かすと、さらに美味しくなります)。
 これで、タネはOKです。
澤飯家特製お好み焼き1
澤飯家特製お好み焼き2
澤飯家特製お好み焼き3
 このタネが入ったボウルへ、やや粗めのみじん切りにしたキャベツ、刻んだ焼きそば麺、生卵、小さく切った紅しょうが、天かす、油を切ったツナ、水気を切った缶詰のコーンを投入し、スプーンで空気を含ませるようにしてさっくり混ぜます。
 ※混ぜすぎるとぺしゃんこの生地になりますので、要注意です!
澤飯家特製お好み焼き4
澤飯家特製お好み焼き5
澤飯家特製お好み焼き6
 次は、焼き作業。
 中火に熱して油を薄くひいたフライパン(又はホットプレート)へ、先程の生地を若干分厚めに広げてゆっくり焼きます。
 やがて、片面がこんがり焼けてきたらまだ生の上部分に豚バラ肉のスライスを並べ、裏返して再度じっくり焼き上げます(←この時、ヘラなどで押し付けるとガチガチになりますので、なるべく触らないよう気を付けます)。
澤飯家特製お好み焼き7
澤飯家特製お好み焼き8
澤飯家特製お好み焼き9
 数分後、両面が焼けて中にも完全に火が通ってふっくらしてきたら、お好み焼きは焼き上がりです。
 ※今回はソースを塗って食べますが、光君によりますと、ポン酢をつけてサッパリ仕立てにして食べても美味との事でした。
澤飯家特製お好み焼き10
澤飯家特製お好み焼き11
 このお好み焼きをお皿へ移して上にお好みソースをまんべんなく塗り、マヨネーズをかけて鰹節と青のりを散らせば、“澤飯家特製お好み焼き”の完成です!
澤飯家特製お好み焼き12
 鰹節がひらひら舞い踊りのが目に楽しく、お好みソースの甘酸っぱいソースの香りが辺りに漂うのが鼻に嬉しく、ウキウキします。
 刻んだ麺が生地と結びついているせいか、普通のお好み焼きよりも弾力のある生地なのが印象的で、味はどうなのかとても気になります!
澤飯家特製お好み焼き13
 それでは、切り分けていざ実食!
 いただきまーすっ!
澤飯家特製お好み焼き14


 さて、感想はといいますと…ふんわりもっちりした噛み心地で、食べ応えがある割にはヘルシーな味わい!老若男女問わず受けそうな、穏やかな後口のお好み焼きです。
澤飯家特製お好み焼き15
 紅しょうがのキレのある爽やかな香気と、イカ入り天カスの奥深いコクが効いたオーソドックスな関西風の生地に、甘辛くフルーティなお好み焼きソースがよく合っています。
 不思議な事にツナの味はそこまでせず、一~二切れでは存在感を感じられませんが、食べ進めていくと後から海の香りがほふっと漂い、徐々にツナのあっさりした魚肉の旨味が舌に伝わっていく為、ツナ味というよりはツナ風味といった方が正しいかもと思いました。
 豚バラ肉の甘くて香ばしい脂が、通常よりもやや山芋が多めに入った事によってふっくらムチッとした口当たりになり、粉っぽさの欠片もない生地に染みこんでいい出汁になっているのがナイスで、噛めば噛む程色んな味が溢れてきます。
 また、コーンも甘味よりはプチプチ弾ける汁気の瑞々しさの方が強く、それが均一な食感の生地の中でちょうどいいアクセントになっており、必要以上に甘々になっていないのに好感を持ちました。
 意外にも主張してきたのは焼きそば麺で、表面はカリカリのソース固焼きそばみたいで主役に近いんですが、内側は生地と相まってモチモチした独特の弾力を生み出す隠し味になっており、モダン焼きとはひと味違った優しい美味しさに仕上がっています。


 最初はもっとツナとコーンの味が前に出てきそうなイメージだったんですが、実際に食べると拍子抜けするくらい控え目で驚きました。
 この分だと、もちとチーズを入れても合いそうですので、近い内にまた試してみたいな~と思います。

●出典)『澤飯家のごはんは息子の光がつくっている。』1巻 山田可南/小学館
     『澤飯家のごはんは息子の光がつくっている。』2巻 山田可南/小学館
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。
※レシピの分量や詳しい内容は、以前こちらでご説明した通り完全非公開に致しております。

Comment

(編集・削除用)
管理者にだけ表示を許可

Trackback

URL
http://luckyclover7.blog27.fc2.com/tb.php/1123-da05aa07
この記事にトラックバック(FC2Blog User)

プロフィール

あんこ

Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
 …『銀の匙』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『スイーツ本部長一ノ瀬櫂』
 …『旅のグ(2)月は知っていた』
 …『テルマエ・ロマエ』
 …『土曜日ランチ!』
 …『BAR・レモンハート』
 …『百姓貴族』
 …『ぶたぶた』シリーズ
 …『ベーグル食べない?~幸せカフェごはん~』
 …『飯盛り侍』
 …『夢色パティシエール』


○当ブログについて
 このブログで使用されている記事の画像、一部文章は、それぞれの出版物等から引用しております。
 引用物の著作権は全て作者様、出版社様等に準拠致します。
 もしご関係者様に問題のある画像及び記事がございましたら、御連絡頂ければ速やかに修正、削除等の対処を致します。

○お知らせ
・当ブログでは作品のネタバレを含んだレビューも同時に行なっておりますので、作品を未見の方はご注意をお願いいたします。
・各作品に掲載されているレシピの分量は、例外なく全て非公開にする方針を取っておりますので、ご了承の程をお願いいたします(←この件についてご質問頂いた場合、誠に失礼ながら下記の理由でご返信しない方針にしております)。

※現在、公私の多忙と、再現記事のペース維持を理由に、コメント欄へのご返信が出来ない状態が続いております。
 こういう場合、コメント欄は停止するべきなのかもしれませんが、励ましのお言葉やアドバイスを頂く度、ブログのモチベーションアップや心の支えとなったこと、そして率直なご意見や情報を聞けてとても嬉しかったこともあり、誠に自分勝手ながらこのままコメント欄は継続する事に致しました。
 図々しい姿勢で恐縮ですが、ご返信をこまめに出来なくて余裕がある分、ブログ内容を充実&長期的に続けられるよう力をいれる事で皆様のご厚意にお応えし、感謝の気持ちをお返ししていきたいと考えております。
※ただ、ご質問を頂いた際はなるべくお力になれるよう、すぐご返答できるように対処致します。

 応援して下さる方々に少しでも楽しんでご利用して頂けるよう、沢山の作品に触れるちょっとしたきっかけになれるよう、これまで以上に心掛けていきます。
 恐れ入りますが、よろしくお願い致します。

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

ブロとも申請フォーム

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

Copyright © あんこ